JPH11294873A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

冷凍サイクル装置

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JPH11294873A
JPH11294873A JP10670598A JP10670598A JPH11294873A JP H11294873 A JPH11294873 A JP H11294873A JP 10670598 A JP10670598 A JP 10670598A JP 10670598 A JP10670598 A JP 10670598A JP H11294873 A JPH11294873 A JP H11294873A
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refrigerating machine
machine oil
oil
compressor
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JP10670598A
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Shozo Funakura
正三 船倉
Noriho Okaza
典穂 岡座
Mitsuharu Matsuo
光晴 松尾
Yuji Yoshida
雄二 吉田
Tetsuji Kawakami
哲司 川上
Keizo Nakajima
啓造 中島
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2341/00Details of ejectors not being used as compression device; Details of flow restrictors or expansion valves
    • F25B2341/001Ejectors not being used as compression device
    • F25B2341/0016Ejectors for creating an oil recirculation

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷媒と相互溶解しない化合物を冷凍機油とし
て使用する冷凍サイクル装置において、オイルリターン
を確保できる冷凍サイクル装置を提供する。 【解決手段】 油分離器10は、絞り装置3と蒸発器4
を結ぶ配管中に設けられ筒状の容器本体10aと、冷媒
および冷媒よりも比重が大きい冷凍機油の混合流体を流
入する導入管10bと、分離されたガス冷媒を上部より
導出するガス導出管10fと、分離された液冷媒を中部
より導出する液導出管10gと、分離された冷凍機油を
下部より導出する返油管10dとから構成され、ガス導
出管10fと返油管10dは圧縮機1の吸入側に接続さ
れている。油分離器10で分離された油は返油管10d
で圧縮機1の吸入側に戻されるので、圧縮機1の潤滑を
確保でき、凝縮器2や蒸発器4での熱交換も良好とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒と相互溶解し
ない化合物を冷凍機油として使用する冷凍サイクル装
置、特に、ハロゲン原子を含まない炭化水素を冷媒と
し、冷媒と相互溶解しない化合物を冷凍機油として用い
る冷凍サイクル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧縮機、凝縮器、絞り装置、蒸発器等を
主要構成要素とする電気(冷凍)冷蔵庫、空調機、カー
エアコン、冷蔵または冷凍倉庫、ショーケース等の冷凍
サイクル装置(特に冷媒圧縮式の冷凍サイクル装置)に
おいては、従来フッ素原子を含有する炭化水素が冷媒と
して用いられてきた。
【0003】特にフッ素原子と塩素原子をともに含有す
る炭化水素類は不燃性かつ性能がよい冷媒として長年用
いられてきたが、このCFC(クロロフルオロカーボ
ン)やHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)類
は塩素原子を有しているがゆえに、大気に放出されて成
層圏に達してしまった場合にオゾン層を破壊してしまう
ことが明らかになったため、近年その使用が世界的に禁
止または制限されている。
【0004】これらに代わって塩素原子を含まないHF
C(ハイドロフルオロカーボン)が使用されつつある
が、オゾン層を破壊する性質は有しないものの大気中で
の寿命が長いために温室効果が大きく、近年問題になっ
ている地球温暖化を防止する上では必ずしも満足な冷媒
とはいえない。
【0005】上記ハロゲン原子を含有する炭化水素類の
代わりに、強燃性ではあるがオゾン破壊係数がゼロであ
りかつ地球温暖化係数もハロゲン原子を含有する炭化水
素類に比べれば格段に小さいハロゲン原子を含まない炭
化水素を冷媒として用いる冷凍サイクル装置は、冷蔵庫
として一部実用化され、さらに大型の機器開発の可能性
が検討されつつある。特に電気(冷凍)冷蔵庫にはイソ
ブタン、空調機にはプロパンが、炭化水素冷媒として実
用化されつつある。
【0006】一方、冷媒と共に作動媒体成分として用い
られる冷凍機油に関しては、冷媒がオゾン層非破壊性の
R134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)
のようなHFCに変更されるに伴い、従来、冷凍機油と
して使用されてきた鉱物油やアルキルベンゼン類化合物
は、HFC冷媒との相溶性がないため使用できなくな
り、HFCを冷媒として使用する冷凍サイクル装置向け
冷凍機油としてグリコールエーテル系油やポリオールエ
ステル油が主に使用されている。極一部の機器では、特
開平5−157379号公報のようにHFC冷媒と相溶
しないアルキルベンゼン油などが使用されている。
【0007】エタン、プロパン、ブタン、イソブタンな
どのハロゲン原子を含まない炭素数2から4の炭化水素
を冷媒として用いる場合には、塩素原子を含有する(ハ
イドロ)フルオロカーボンとともに用いられてきた極性
が小さい鉱物油やアルキルベンゼン油はもちろんのこ
と、塩素原子を含まないハイドロフルオロカーボンとと
もに用いられる極性が大きいグリコールエーテル系油や
ポリオールエステル油もハロゲン原子を含まない炭化水
素冷媒との相溶性が高く、冷凍機油の選定に何等問題は
ないと考えられてきた。
【0008】しかし、上記の冷凍機油を用いた場合には
冷媒との相溶性が非常に高く、寧ろ冷凍機油に溶解する
冷媒量が過大になり、冷凍空調機器に十分な能力を発揮
させるためには余剰の炭化水素冷媒を充填する必要があ
った。余剰の冷媒を冷凍空調機器内に封入することは、
イニシャルコストおよびメンテナンスコストの増大につ
ながるとともに、炭化水素冷媒は、強燃性であるので、
万一漏洩が発生したとしても、その漏洩量を少しでも低
減する必要があるという課題がある。
【0009】本発明の発明者らの一部は、既に、冷凍空
調機器へのエタン、プロパン、ブタン、イソブタンなど
のハロゲン原子を含まない炭化水素である冷媒の充填量
が少なくても良好な性能を発揮し得る作動媒体と、これ
を用いることによって必要冷媒の量を低減できる冷凍空
調機器を提供することを目的として、ハロゲン原子を含
まない炭素数2から4の炭化水素を冷媒とし、前記冷媒
と相互溶解しない冷凍機油を含む組成物を冷媒圧縮式冷
凍空調用の作動媒体とすることを提案した。
【0010】上記のような炭素数2から4のハロゲン原
子を含まない炭化水素冷媒と、前記冷媒と相互溶解しな
い冷凍機油を含む冷媒圧縮式冷凍空調用作動媒体を用い
る冷凍サイクル装置では、同一冷凍能力を発揮させるた
めに必要な冷媒量は、前記冷媒が大量に溶解する鉱物油
やアルキルベンゼン油を冷凍機油として含有する作動媒
体を用いる冷凍空調機器に比べて少なくて済む。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、炭素数
2から4のハロゲン原子を含まない炭化水素冷媒と相互
溶解しない冷凍機油は、圧縮機、凝縮器、絞り装置、蒸
発器等を主要構成要素とする冷凍サイクル装置に用いる
とき、以下のような課題をもつ。
【0012】従来から冷媒と相溶する冷凍機油が用いら
れていたが、極一部の機器に用いられているHFC冷媒
とこれと相溶しないアルキルベンゼン油を冷凍機油とし
て使用する冷凍空調装置では、液相のHFC冷媒と冷凍
機油ではHFC冷媒の方が比重が大きいが、一方、炭素
数2から4のハロゲン原子を含まない炭化水素の液冷媒
は比重が小さいので、圧縮機内で冷凍機油に相溶せずに
相分離した冷媒は冷凍機油の上層に存在する。これは、
HFC冷媒とアルキルベンゼン油との組合わせの時とは
逆の挙動であり、冷媒圧縮機摺動部分への給油や冷凍サ
イクルを巡回する冷凍機油成分の油戻し(オイルリター
ン)に不具合を生じるという課題がある。
【0013】また、炭素数2から4のハロゲン原子を含
まない炭化水素冷媒と相互溶解しない冷凍機油を用いる
とき、その動粘度を40℃において40cSt前後とす
ることが、圧縮機の高効率化と摺動部信頼性向上のため
に望ましいものであるが、厳しい低温での冷凍機油の流
動性を保持することが困難となる。これは冷凍機油の性
質として、低温になるほど動粘度が飛躍的に上昇するも
のであり、従来は冷媒と相溶性のある冷凍機油を用いる
ことにより冷凍機油への冷媒の溶け込みによる動粘度低
下作用が得られたが、冷媒として用いられる炭素数2か
ら4のハロゲン原子を含まない炭化水素冷媒が溶解しな
いため、冷媒の溶け込みによる動粘度低下作用は得られ
ず、しかも冷媒の比重がHFC冷媒よりも小さいので冷
凍機油を押し流す作用も小さいため、圧縮機から飛沫と
して吐出された冷凍機油は、低温の蒸発器から圧縮機に
再び帰還する(オイルリターンを確保する)ことが困難
となるものである。
【0014】さらに、炭素数2から4のハロゲン原子を
含まない炭化水素冷媒と相互溶解しない冷凍機油を用い
ることにより、冷凍サイクル装置への必要冷媒量を減ら
すことができるが、イニシャルコストおよびメンテナン
スコストを低減するとともに、万一、装置から漏洩が発
生した場合に漏洩量を最小限にするためにも、更なる必
要冷媒量の削減が望ましいという課題がある。
【0015】本発明は、上述したこのような冷凍サイク
ル装置用圧縮機および冷凍サイクル装置が有する課題を
考慮して、冷媒と相互溶解しない化合物を冷凍機油とし
て使用する冷凍サイクル装置において、必要冷媒量を低
減できる冷凍サイクル装置、および/または、オイルリ
ターンを確保できる冷凍サイクル装置を提供することを
目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、請求項1の本発明は、冷媒と相互溶解しない化合
物を冷凍機油として使用する圧縮機と、凝縮器と、絞り
装置と、蒸発器とを少なくとも備え、前記凝縮器および
前記蒸発器は、前記圧縮機の上方に配置され、前記凝縮
器および前記蒸発器それぞれの入口はそれぞれの上部
に、それぞれの出口はそれぞれの下部に配置されている
ことを特徴とする冷凍サイクル装置である。
【0017】請求項2の本発明は、冷媒と相互溶解せ
ず、比重が前記冷媒より大きい化合物を冷凍機油として
使用する圧縮機と、凝縮器と、絞り装置と、蒸発器と、
アキュムレータとを少なくとも備え、前記蒸発器の出口
配管は前記アキュムレータの上部に接続され、前記アキ
ュムレータの圧縮機側配管は、前記アキュムレータ本体
の底部を貫通して装着され、その上端には開口を有し、
前記アキュムレータ本体内の底部付近には油戻し穴を有
することを特徴とする冷凍サイクル装置である。
【0018】なお、請求項2の本発明において、前記ア
キュムレータ本体の、前記圧縮機側配管の前記開口まで
の内容積は、冷凍サイクル中に封入されている前記冷凍
機油の容積以下であることを特徴とする冷凍サイクル装
置としてもよい。
【0019】請求項3の本発明は、冷媒と相互溶解しな
い化合物を冷凍機油として使用する圧縮機と、凝縮器
と、絞り装置と、蒸発器と、前記圧縮機から前記蒸発器
への経路中に配置された逆流防止手段とを少なくとも備
えることを特徴とする冷凍サイクル装置である。
【0020】なお、請求項3の本発明において、前記逆
流防止手段は、開閉弁と、前記圧縮機停止時に前記開閉
弁を閉じさせる逆流防止制御手段とを有することを特徴
とする冷凍サイクル装置としてもよい。
【0021】請求項4の本発明は、冷媒と相互溶解しな
い化合物を冷凍機油として使用する圧縮機と、凝縮器
と、絞り装置と、蒸発器とを少なくとも備え、下方から
上方に向かう冷媒配管の内径は、上方から下方に向かう
冷媒配管の内径より細いことを特徴とする冷凍サイクル
装置である。
【0022】請求項5の本発明は、冷媒と相互溶解しな
い化合物を冷凍機油として使用する圧縮機と、凝縮器
と、絞り装置と、蒸発器とを少なくとも備え、下方から
上方に向かう冷媒配管の内径は、配管内壁に付着する前
記冷凍機油を上昇させる内径以下であることを特徴とす
る冷凍サイクル装置である。
【0023】請求項6の本発明は、冷媒と相互溶解しな
い化合物を冷凍機油として使用する圧縮機と、凝縮器
と、絞り装置と、蒸発器と、前記冷媒から前記冷凍機油
を分離する油分離器と、前記油分離器から前記圧縮機に
前記分離された冷凍機油を戻す返油管とを少なくとも備
えることを特徴とする冷凍サイクル装置である。
【0024】請求項7の本発明は、前記冷凍機油の比重
は、前記冷媒の比重より大きく、前記油分離器は、筒状
の容器本体と、前記冷媒および前記冷凍機油の混合流体
を導入する導入管と、前記容器本体の上部より前記冷凍
機油が分離された前記冷媒を導出する導出管とを有し、
前記返油管は、前記容器本体の下部より前記分離された
冷凍機油を前記圧縮機に導出することを特徴とする請求
項6に記載の冷凍サイクル装置である。
【0025】請求項8の本発明は、前記冷凍機油の比重
は、前記冷媒の比重より大きく、前記油分離器は、前記
絞り装置から前記蒸発器への経路中に配置された筒状の
容器本体と、前記冷媒および前記冷凍機油の混合流体を
導入する導入管と、前記冷凍機油が分離されたガス状お
よび液状の前記冷媒を導出する導出管とを有し、前記返
油管は、前記容器本体の下部より前記分離された冷凍機
油を前記圧縮機に導出することを特徴とする請求項6に
記載の冷凍サイクル装置である。
【0026】請求項9の本発明は、前記冷凍機油の比重
は、前記冷媒の比重より大きく、前記油分離器は、前記
絞り装置から前記蒸発器への経路中に配置された筒状の
容器本体と、前記冷媒および前記冷凍機油の混合流体を
導入する導入管と、前記冷凍機油が分離されたガス状の
前記冷媒を上部より導出するガス導出管と、前記容器本
体の中部より前記冷凍機油が分離された液状の前記冷媒
を導出する液導出管とを有し、前記返油管は、前記容器
本体の下部より前記分離された冷凍機油を導出し、前記
ガス導出管と前記返油管は前記圧縮機の吸入側配管に接
続されていることを特徴とする請求項6に記載の冷凍サ
イクル装置である。
【0027】請求項10の本発明は、前記冷凍機油の比
重は、前記冷媒の比重より大きく、前記油分離器は、前
記容器本体の中に、比重が前記冷媒よりも大きく前記冷
凍機油よりも小さいフロートを収容して有することを特
徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の冷凍サイクル
装置である。
【0028】なお、請求項6〜10のいずれかの本発明
において、前記返油管は、前記圧縮機の吐出側配管、ま
たは、前記凝縮器から前記絞り装置への経路の配管と熱
交換を行うことを特徴とする冷凍サイクル装置、および
/または、前記返油管は、前記圧縮機の吸入側配管に接
続し、前記吸入側配管は、前記返油管との接続部にオリ
フィスを有することを特徴とする冷凍サイクル装置とし
てもよい。また、後者の場合、さらに、前記接続部をバ
イパスするバイパス回路と、前記バイパス回路中に配置
されたバイパス開閉弁と、前記バイパス開閉弁を前記圧
縮機の運転状態をもとに制御するバイパス制御手段とを
備えることを特徴とする冷凍サイクル装置としてもよ
い。
【0029】請求項11の本発明は、前記冷媒は、ハロ
ゲン原子を含まない炭素数2から4の炭化水素を主成分
とすることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記
載の冷凍サイクル装置である。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。
【0031】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施の形態における冷凍サイクル装置を示す構成図
である。圧縮機1、凝縮器2、キャピラリーチューブあ
るいは膨張弁等の絞り装置3、蒸発器4を配管5で連結
することにより構成されており、ハロゲン原子を含まな
い炭素数2から4の炭化水素、たとえば空調用としてプ
ロパンが冷媒として封入され、圧縮機1には前記冷媒と
相互溶解しない化合物を冷凍機油として封入している。
さらに蒸発器4と圧縮機1の間にアキュムレータ6を、
凝縮器2と絞り装置3の間に、ドライヤ7を備えるもの
である。ここで、凝縮器2と蒸発器4は圧縮機1の上方
に配置され、それぞれの上部を入口、下部を出口として
いる。
【0032】また、蒸発器4の出口配管5aはアキュム
レータの上方に接続され、アキュムレータ6には圧縮機
1の吸入側に接続された配管5bが下方から挿入され、
その配管5bにはアキュムレータ6内部の下方に位置す
る部分に油戻し穴(図示せず)が設けられている。さら
にアキュムレータ6内部に挿入した配管5bの上端面か
ら底部までのアキュムレータ6内容積は、封入冷凍機油
容積以下あるいは封入冷凍機油容積と所定油量容積との
差(例えば初期封入量と圧縮機1摺動部分への給油に必
要な最小量との差を考慮して設定された容積)以下とさ
れている。
【0033】また、圧縮機1から蒸発器4への逆流を防
ぐための逆流防止装置として開閉弁8と、その開閉弁8
を制御する開閉弁制御器9を備えている。
【0034】また、配管5のうち、下方から上方に向か
う配管の全部または一部の内径を細く、上方から下方に
向かう配管の全部または一部の内径を太く構成されてい
る。さらに、下方から上方に向かう配管の全部または一
部の内径は、配管内壁に付着した冷凍機油を上昇させる
内径以下に構成されている。
【0035】本実施の形態における冷凍サイクル装置の
冷媒の流れは、以下のようになる。圧縮機1によって圧
縮された冷媒が、凝縮器2において放熱して液化状態と
なり、ドライヤ7を経て絞り装置3を通過することによ
り低温の気液混合冷媒となり、蒸発器4において吸熱気
化し、アキュムレータ6、開閉弁8を経て再度圧縮機1
に吸い込まれるといったサイクルをとる。また、圧縮機
1中に封入された冷凍機油は、冷媒と相互溶解しない冷
凍機油であっても飛沫となって冷媒とともに圧縮機1か
ら吐出される。
【0036】以下、本実施の形態の動作について説明す
る。
【0037】圧縮機1から吐出された冷凍機油と冷媒
は、凝縮器2へ導入されるが、凝縮器2の上部から入
り、冷媒は凝縮して液冷媒となり下部から排出されるの
で、冷凍機油も液冷媒によって押し出される作用に加え
て重力で下方へ移動させられる作用も働くので凝縮器2
から排出されやすくなる。すなわち、凝縮器2内でのオ
イルリターンが確保できるとともに、凝縮器2内での冷
凍機油の滞留により熱交換が妨げられることも防止でき
る。また、蒸発器4でも同様に、冷媒と冷凍機油はとも
に蒸発器4の上部から入り、冷媒は蒸発してガス冷媒と
なり下部から排出されるので、冷凍機油もガス冷媒によ
って押し出される作用に加えて重力で下方へ移動させら
れる作用も働くので蒸発器4から排出されやすくなる。
すなわち、蒸発器4内でのオイルリターンが確保できる
とともに、蒸発器4内での冷凍機油の滞留により熱交換
が妨げられることも防止できる。
【0038】また、蒸発器4を経たガス冷媒あるいは一
部未蒸発の液冷媒を含む冷媒と冷凍機油は、アキュムレ
ータ6内に上方から導入されるが、ハロゲン原子を含ま
ない炭素数2から4の炭化水素液冷媒比重は小さいため
にアキュムレータ6内では、仮に液冷媒が存在して2相
分離状態となっても常に冷凍機油がアキュムレータ6の
底部に位置することとなり、アキュムレータ6内部に挿
入された配管5bのアキュムレータ6内部の下方に位置
する部分に油戻し穴(図示せず)を設けることにより、
その油戻し穴(図示せず)を経て冷凍機油は圧縮機1に
徐々に戻される。すなわち、ハロゲン原子を含まない炭
素数2から4の炭化水素液冷媒比重が小さいので、液冷
媒の上に冷凍機油が浮かぶことなく、配管5bの上下方
向に複数のオイル戻し穴を設ける必要はなくなる。
【0039】さらにアキュムレータ6内部に挿入した配
管5bの上端面から底部までのアキュムレータ6内の容
積は、底にたまる冷凍機油量が所定油量以下とされてい
るため、蒸発器4からアキュムレータ6に大量に冷凍機
油が流れ込んだ時には、圧縮機1内で摺動部分への給油
に必要な油量が不足するまでに油戻し穴(図示せず)に
加えて配管5bの上面からも冷凍機油が圧縮機1に戻さ
れるため、前記所定油量を封入冷凍機油容積と所定油量
容積との差(例えば初期封入量と圧縮機1摺動部分への
給油に必要な最小量との差を考慮して設定された容積)
以下とすることによって、圧縮機1内の摺動部分への給
油に必要な油量を確保できる。
【0040】また、圧縮機1が停止状態の時には、圧縮
機1内には炭化水素冷媒と冷凍機油が存在するが、互い
に相溶しないため炭化水素冷媒は冷凍機油には溶け込め
ず、圧縮機構の隙間などから徐々に配管5a、5bなど
を経て運転中には低温となっていた蒸発器4に移動する
場合がある。ここで例えば、本冷凍サイクル装置が冷房
空調機として適用されている時には蒸発器4は室内熱交
換器に相当し、室内側に強燃性の炭化水素冷媒が移動す
ることとなり、また本冷凍サイクル装置が冷蔵庫として
適用されているときには蒸発器4は庫内に設置されてい
る場合が多く、いずれも万一冷凍サイクル装置から炭化
水素冷媒が漏れだしたときには、閉空間に充満すること
となり好ましくない。また、同時に炭化水素冷媒の移動
に伴って運転中には比較的高温であった圧縮機1内の熱
が低温であった蒸発器4に持ち込まれることとなりエネ
ルギー消費の面からも好ましくない。しかし、圧縮機1
が停止したときに開閉弁制御器9により開閉弁8が閉止
されて、圧縮機1から蒸発器4への逆流が防止されるの
でこれらの不都合が改善されるものである。
【0041】また、配管5のうち、下方から上方に向か
う配管の全部または一部の内径を細くしているので、管
内の炭化水素冷媒の流速が増し、したがって内壁に付着
した冷凍機油を押し上げる作用も強くなり、オイルリタ
ーン性が向上する。さらに、内容積が減少するので、炭
化水素冷媒の封入量を減少することもできる。また、下
方から上方に向かう配管の全部または一部の内径を内壁
に付着した冷凍機油を上昇させることができる内径の上
限値以下とし、さらにその上限値と近い内径とすること
により、管内圧力損失増大による冷凍サイクル装置性能
低下、消費エネルギー量増大を抑えつつ、オイルリター
ン性を向上できる。
【0042】さらに、配管5のうち、上方から下方に向
かう配管の全部または一部の内径を太くしているので、
管内では、重力により冷凍機油を下方へ移動させる際の
流路抵抗が小さくなるので、オイルリターン性が向上す
る。さらに、上方から下方に向かう配管のうち、炭化水
素冷媒がガス状態で流れる配管、さらに望ましくは低温
低圧のガス冷媒が流れる配管を主に太くすることによ
り、低温低圧のガス冷媒は高圧のガス冷媒や液冷媒より
も比重がさらに小さいので内容積の増大に伴う炭化水素
冷媒の封入量を増加を最小限に抑えつつ、オイルリター
ン性を向上できる。
【0043】なお、本実施の形態においては、必要冷媒
量を低減する目的として、請求項3の本発明の構成をと
り、オイルリターンを確保する目的として、請求項1、
2、4および5の本発明の構成をとっているが、上記い
ずれかの目的のみを達成するためには、それに対応する
本発明の構成のみをとってもよい。また、オイルリター
ンを確保する目的としては、上記請求項に対応する本発
明全ての構成をとる必要はなく、上記請求項のうちの一
部の請求項(ひとつもしくは複数)に対応する本発明の
構成をとっても、全ての構成をとる場合に比べて、定量
的には差があるものの、オイルリターンを確保するとい
う効果は得られる。
【0044】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0045】図2は、本発明の第2の実施の形態におけ
る冷凍サイクル装置を示す構成図である。本実施の形態
における冷凍サイクル装置は、オイルリターンを確保す
る手段に関する点および本発明の逆流防止手段を備えて
いないことに関する点以外は、上述した第1の実施の形
態における冷凍サイクル装置と同様である。したがっ
て、本実施の形態において、第1の実施の形態と基本的
に同様のものについては、同一符号を付与し、説明を省
略する。また、特に説明のないものについては、第1の
実施の形態と同じとする。
【0046】本実施の形態における冷凍サイクル装置に
使用される冷媒は、炭素数2から4のハロゲン原子を含
まない炭化水素、例えば、空調用としてプロパンであ
る。圧縮機1の冷凍機油としては、前記冷媒と相互溶解
しない化合物が用いられている。
【0047】図2においては、冷凍サイクル内に油分離
器10(図2においては圧縮機1から凝縮器2入口に至
る配管5dに設けているが、これにこだわるものではな
い)を備えており、この油分離器10は、筒状の容器本
体10aと、炭化水素冷媒より比重が大きい冷凍機油と
炭化水素冷媒との混合流体を流入する導入管10bと、
分離された炭化水素冷媒を上部より導出する導出管10
cと、分離された冷凍機油を下部より導出する返油管1
0dで構成されており、さらに内部には、炭化水素冷媒
の比重よりも大きくかつ冷凍機油の比重よりも小さい比
重をもつフロート10eを備えている。さらに、返油管
10dと圧縮機1から凝縮器2入口に至る配管5dとで
熱交換を行う補助熱交換器11を備えている。
【0048】以下、本実施の形態の動作について説明す
る。
【0049】圧縮機1から飛沫として吐出された冷凍機
油は、炭化水素冷媒とともに油分離器10に導入管10
bより導入される。ここで、炭化水素冷媒と冷凍機油は
比重の違いによって分離され、比重の小さい炭化水素冷
媒は筒上の容器本体10a内部の頂部付近に、比重の大
きな冷凍機油は底部付近に位置する。油分離器10の上
部には導出管10cが、下部には返油管10dが接続さ
れているので、炭化水素冷媒は導出管10cを経て次の
構成要素(図2の場合には凝縮器2)へ導かれ、冷凍機
油は返油管10dを経て圧縮機1に戻されるので、圧縮
機1内の摺動部分の潤滑性が確保され、凝縮器2と蒸発
器4での熱交換が冷凍機油に阻害されることも抑えられ
る。
【0050】さらに、炭化水素冷媒の比重よりも大きく
かつ冷凍機油の比重よりも小さい比重をもつフロート1
0eを備えることにより、容器本体10a内の炭化水素
冷媒の容積を小さくすることができ、すなわち炭化水素
冷媒の封入量を抑えることができるとともに、導入管1
0bより導入される炭化水素冷媒と冷凍機油の混合流体
がフロート10eに接触することにより、炭化水素冷媒
よりも粘性の大きい冷凍機油の流速が小さくなり、比重
の大きな冷凍機油への重力作用によって炭化水素冷媒か
らの冷凍機油の分離が促進される効果も得られる。さら
に、油分離器10内の冷凍機油量が少ない場合には、返
油管10dを経て冷凍機油とともに炭化水素冷媒も圧縮
機1に戻されることとなり、圧縮機1で圧縮された炭化
水素冷媒を有効に加熱あるいは冷却に用いることができ
ないが、本実施の形態では、油分離器10内の冷凍機油
量が少ない場合にはフロート10eが油分離器内の底部
に位置することにより、冷凍機油および炭化水素冷媒の
返油管10eへの流入を妨げることとなり、返油管10
dを経て炭化水素冷媒が圧縮機1に戻されることを抑え
ることができる。
【0051】また、補助熱交換器11では、返油管10
dを経て圧縮機1に戻される冷凍機油が圧縮機1から吐
出された高温の炭化水素冷媒と冷凍機油によって加熱さ
れるので、温度上昇により動粘度が低下して流動性が向
上して、オイルリターン性が向上する。またこのとき、
油分離器10が圧縮機1から凝縮器2に至る配管5dに
設けられている場合(図2の場合)には、圧縮機1から
吐出された高温の炭化水素冷媒と冷凍機油は返油管10
dを経て圧縮機1に戻される冷凍機油によって若干冷却
され、特に導入管10bより油分離器10に導入される
冷凍機油は温度低下により動粘度が上昇して、油分離器
10内での分離が促進されるという効果も得られる。
【0052】また、圧縮機1の吸入側の配管5bの返油
管10dを接続する部分に、図3に示すようにオリフィ
ス部5fを設けることにより、返油管10d内の冷凍機
油の配管5bへの吸引作用が働き、冷凍機油の流動性が
悪い場合にも確実に圧縮機1に戻すことができるもので
ある。さらに、配管5bのオリフィス部5fをバイパス
する回路5gと開閉弁12、開閉弁制御器13を設け、
例えば圧縮機1の運転時間に応じて開閉弁制御器13が
起動時あるいは所定運転時間経過後の一定時間には開閉
弁12を閉止してオリフィス部5f内の流量を増大させ
ることによって、冷凍機油を効率よく圧縮機1内に回収
できるので、圧縮機1の信頼性が向上し、かつ通常運転
時には開閉弁12を開放してバイパス回路5g内流量を
増大させることによって、オリフィス部5fでの流路抵
抗による損失を抑えて、消費エネルギー量を減少させる
ことができる。
【0053】なお、本実施の形態においては、オイルリ
ターンを確保する目的として、請求項1、2、4、5お
よび6(従属請求項として請求項7、10)の本発明の
構成をとっているが、上記請求項に対応する本発明全て
の構成をとる必要はなく、上記請求項のうちの一部の請
求項(ひとつもしくは複数)に対応する本発明の構成を
とっても、全ての構成をとる場合に比べて、定量的には
差があるものの、オイルリターンを確保するという効果
は得られる。
【0054】また、本実施の形態においては、油分離器
が本発明のフロートを有しているとして説明したが、フ
ロートを有していない場合でも、定量的には差があるも
のの、オイルリターンを確保するという効果は得られ
る。
【0055】(第3の実施の形態)次に、本発明の第3
の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0056】図4は、本発明の第3の実施の形態におけ
る冷凍サイクル装置を示す構成図である。本実施の形態
における冷凍サイクル装置は、本発明の油分離器に関す
る点以外は、上述した第2の実施の形態における冷凍サ
イクル装置と同様である。したがって、本実施の形態に
おいて、第2の実施の形態と基本的に同様のものについ
ては、同一符号を付与し、説明を省略する。また、特に
説明のないものについては、第2の実施の形態と同じと
する。
【0057】本実施の形態における冷凍サイクル装置に
使用される冷媒は、炭素数2から4のハロゲン原子を含
まない炭化水素、例えば、空調用としてプロパンであ
る。圧縮機1の冷凍機油としては、前記冷媒と相互溶解
しない化合物が用いられている。
【0058】図4においては、冷凍サイクル内に油分離
器10を絞り装置3出口から蒸発器4入口に至る配管中
に備えており、また、油分離器10下部と圧縮機1吸入
側を接続する返油管10dと、凝縮器2出口から絞り装
置3入口に至る配管あるいは絞り装置3とで熱交換を行
う補助熱交換器14を備えている。また、導出管10c
は、例えば油分離器容器本体10aの上部から内部に突
き出すように接続され、かつ少なくとも一つのガス冷媒
導出穴(図示せず)を設けるなど、気液混合冷媒を導出
できる構成となっている。
【0059】以下、本実施の形態の動作について説明す
る。
【0060】圧縮機1から飛沫として吐出された冷凍機
油は、炭化水素冷媒とともに凝縮器2を経て絞り装置3
で減圧されて低温低圧となると同時に炭化水素冷媒は気
液混合冷媒となり、油分離器10に導入管10bから導
入される。ここで、炭化水素冷媒のガス冷媒と液冷媒と
冷凍機油は比重の違いによって分離され、比重の大きい
順に下から冷凍機油、炭化水素液冷媒、炭化水素ガス冷
媒の位置関係となって油分離器10内部に位置する。炭
化水素液冷媒は導出管10cから吸い上げられると同時
に、炭化水素ガス冷媒は導出管10cのガス冷媒導出穴
(図示せず)から導出管10cに吸い込まれ、ともに蒸
発器4へ導かれる。一方、冷凍機油は油分離器10下部
に接続された返油管10dを経て圧縮機1に戻される。
また、冷凍機油は低温となっているので流動性が悪く、
圧縮機1に戻りにくい場合があるが、補助熱交換器14
では、返油管10dを経て圧縮機1に戻される冷凍機油
が凝縮器2出口から絞り装置3入口に至る配管あるいは
絞り装置3によって加熱されるので、温度上昇により動
粘度が低下して流動性が向上して、さらにオイルリター
ン性が向上する。また、凝縮器2出口から絞り装置3入
口に至る配管あるいは絞り装置3内の冷媒は補助熱交換
器14で返油管10dを経て圧縮機1に戻される低温の
冷媒によって過冷却されるので、蒸発器4入口でのエン
タルピーが減少して、効率よく熱交換が行われるために
省エネルギー化もできるものである。
【0061】なお、上述した第2の実施の形態と同様
に、圧縮機1の吸入側の配管5bと返油管10dとの接
続部に、図3に示すようなオリフィス部を設けてもオイ
ルリターン性を向上できる。
【0062】また、本実施の形態においては、オイルリ
ターンを確保する目的として、請求項1、2、4、5お
よび6(従属請求項として請求項8、10)の本発明の
構成をとっているが、上記請求項に対応する本発明全て
の構成をとる必要はなく、上記請求項のうちの一部の請
求項(ひとつもしくは複数)に対応する本発明の構成を
とっても、全ての構成をとる場合に比べて、定量的には
差があるものの、オイルリターンを確保するという効果
は得られる。
【0063】(第4の実施の形態)次に、本発明の第3
の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0064】図5は、本発明の第4の実施の形態におけ
る冷凍サイクル装置を示す構成図である。本実施の形態
における冷凍サイクル装置は、本発明の油分離器に関す
る点以外は、上述した第3の実施の形態における冷凍サ
イクル装置と同様である。したがって、本実施の形態に
おいて、第3の実施の形態と基本的に同様のものについ
ては、同一符号を付与し、説明を省略する。また、特に
説明のないものについては、第3の実施の形態と同じと
する。
【0065】本実施の形態における冷凍サイクル装置に
使用される冷媒は、炭素数2から4のハロゲン原子を含
まない炭化水素、例えば、空調用としてプロパンであ
る。圧縮機1の冷凍機油としては、前記冷媒と相互溶解
しない化合物が用いられている。
【0066】図5においては、冷凍サイクル内に油分離
器10を絞り装置3出口から蒸発器4入口に至る配管中
に備えており、また、油分離器10下部と圧縮機1吸入
側を接続する返油管10dと、凝縮器2出口から絞り装
置3入口に至る配管あるいは絞り装置とで熱交換を行う
補助熱交換器14を備えている。また油分離器10内で
分離された炭化水素ガス冷媒を圧縮機1吸入側に導くガ
ス導出管10fを油分離器10上部に接続し、炭化水素
液冷媒を蒸発器4に導く液冷媒導出管10gを油分離器
10の中部に接続している。
【0067】以下、本実施の形態の動作について、上述
した第3の実施の形態との相違点を説明する。
【0068】圧縮機1から飛沫として吐出された冷凍機
油は、炭化水素冷媒とともに凝縮器2を経て絞り装置3
で減圧されて低温低圧となると同時に炭化水素冷媒は気
液混合冷媒となり、油分離器10に導入管10bから導
入される。ここで、炭化水素冷媒のガス冷媒と液冷媒と
冷凍機油は比重の違いによって分離され、比重の大きい
順に下から冷凍機油、炭化水素液冷媒、炭化水素ガス冷
媒の位置関係となって油分離器10内部に位置する。炭
化水素液冷媒は液導出管10gから蒸発器4へ導かれ、
蒸発に必要な熱量(潜熱)分の冷却作用を行う。一方、
炭化水素ガス冷媒は、ガス導出管10fから、蒸発器4
をバイパスして圧縮機1吸入側に導かれ、冷凍機油も返
油管10dから圧縮機1吸入側に戻されることによっ
て、蒸発器4には冷却に有効に作用する炭化水素液冷媒
のみが導入されるので、炭化水素ガス冷媒や冷凍機油混
入による圧力損失増加や熱交換効率低下が防止できる。
【0069】すなわち、上述した第3の実施の形態で説
明したオイルリターン性の向上に加えて、蒸発器4での
熱交換効率の向上による省エネルギー化、あるいは蒸発
器4の小型化による冷媒量削減も実現できるものであ
る。
【0070】なお、上述した第2の実施の形態と同様
に、圧縮機1の吸入側の配管5bと返油管10dとの接
続部に、図3に示すようなオリフィス部を設けてもオイ
ルリターン性を向上できる。
【0071】また、本実施の形態においては、オイルリ
ターンを確保する目的として、請求項1、2、4、5お
よび6(従属請求項として請求項9、10)の本発明の
構成をとっているが、上記請求項に対応する本発明全て
の構成をとる必要はなく、上記請求項のうちの一部の請
求項(ひとつもしくは複数)に対応する本発明の構成を
とっても、全ての構成をとる場合に比べて、定量的には
差があるものの、オイルリターンを確保するという効果
は得られる。
【0072】なお、本発明の冷凍サイクル装置は、上述
した第1〜第4の実施の形態において説明したものに限
らず、例えば、四方弁による熱交換器の機能交換を持つ
加熱および冷却の動作を行える冷凍サイクル装置であっ
てもよい。また、炭化水素冷媒の漏洩検出装置などを設
けてあってもよい。
【0073】また、上述した第1〜第4の実施の形態に
おいては、本発明の冷凍サイクル装置に用いられる冷媒
は、炭素数2から4のハロゲン原子を含まない炭化水素
であるとして説明したが、これに限るものではなく、請
求項1、3、4、5の本発明に対応する構成をとる場合
には、用いられる冷凍機油と相互溶解しない冷媒であれ
ばよいし、請求項2、6〜9の本発明に対応する構成を
とる場合には、用いられる冷凍機油と相互溶解せず、比
重が前記冷凍機油より小さい冷媒であればよい。
【0074】
【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本発明は、冷媒と相互溶解しない化合物を冷凍機油
として使用する冷凍サイクル装置において、必要冷媒量
を低減できる冷凍サイクル装置、および/または、オイ
ルリターンを確保できる冷凍サイクル装置を提供するこ
とができる。すなわち、請求項1の本発明は、冷凍機油
は冷媒によって凝縮器および蒸発器から押し出される作
用に加えて重力で下方へ移動させられる作用も働くので
凝縮器および蒸発器から排出されやすくなるとともに、
凝縮器や蒸発器内での冷凍機油の滞留により熱交換が妨
げられることも防止できる。
【0075】請求項2の本発明は、アキュムレータ内に
滞留する冷凍機油を油戻し穴から圧縮機にもどすことが
できる。
【0076】請求項3の本発明は、停止中の可燃性冷媒
の蒸発器への逆流を防止することによって、必要冷媒量
を低減でき、エネルギー消費を低減できる。
【0077】請求項4の本発明は、内壁に付着した冷凍
機油を押し上げる作用も強くなり、上方から下方に向か
う冷媒配管の内径は太くしたことにより流路抵抗が小さ
くなるので、オイルリターン性が向上する。
【0078】請求項5の本発明は、管内圧力損失増大に
よる冷凍サイクル装置性能低下、消費エネルギー量増大
を抑えつつ、オイルリターン性を向上できる。
【0079】請求項6、7、8の本発明は、冷凍機油は
返油管10dを経て圧縮機1に戻されるので、圧縮機1
内の摺動部分の潤滑性が確保され、凝縮器2や蒸発器4
での熱交換が冷凍機油に阻害されることも抑えられる。
【0080】請求項9の本発明は、オイルリターン性の
向上に加えて、蒸発器での熱交換効率の向上による省エ
ネルギー化、あるいは蒸発器の小型化による冷媒量削減
も実現できる。
【0081】請求項10の本発明は、油分離器容器本体
内の炭化水素冷媒の容積を小さくすることができ、かつ
比重の大きな冷凍機油への重力作用によって炭化水素冷
媒からの冷凍機油の分離が促進される効果も得られる。
【0082】請求項11の本発明は、ハロゲン原子を含
まない炭素数2から4の炭化水素を主成分とする冷媒を
用いる冷凍サイクル装置において、必要冷媒量を低減で
きる冷凍サイクル装置、および/または、オイルリター
ンを確保できる冷凍サイクル装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における冷凍サイク
ル装置を示す構成図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態における冷凍サイク
ル装置を示す構成図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態におけるオリフィス
部を示す断面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態における冷凍サイク
ル装置を示す構成図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態における冷凍サイク
ル装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1 圧縮機 2 凝縮器 3 絞り装置 4 蒸発器 5 配管 6 アキュムレータ 7 ドライヤ 8 開閉弁 9 開閉弁制御器 10 油分離器 11 補助熱交換器 12 開閉弁 13 開閉弁制御器 14 補助熱交換器
フロントページの続き (72)発明者 吉田 雄二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 川上 哲司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 中島 啓造 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒と相互溶解しない化合物を冷凍機油
    として使用する圧縮機と、凝縮器と、絞り装置と、蒸発
    器とを少なくとも備え、前記凝縮器および前記蒸発器
    は、前記圧縮機の上方に配置され、前記凝縮器および前
    記蒸発器それぞれの入口はそれぞれの上部に、それぞれ
    の出口はそれぞれの下部に配置されていることを特徴と
    する冷凍サイクル装置。
  2. 【請求項2】 冷媒と相互溶解せず、比重が前記冷媒よ
    り大きい化合物を冷凍機油として使用する圧縮機と、凝
    縮器と、絞り装置と、蒸発器と、アキュムレータとを少
    なくとも備え、前記蒸発器の出口配管は前記アキュムレ
    ータの上部に接続され、前記アキュムレータの圧縮機側
    配管は、前記アキュムレータ本体の底部を貫通して装着
    され、その上端には開口を有し、前記アキュムレータ本
    体内の底部付近には油戻し穴を有することを特徴とする
    冷凍サイクル装置。
  3. 【請求項3】 冷媒と相互溶解しない化合物を冷凍機油
    として使用する圧縮機と、凝縮器と、絞り装置と、蒸発
    器と、前記圧縮機から前記蒸発器への経路中に配置され
    た逆流防止手段とを少なくとも備えることを特徴とする
    冷凍サイクル装置。
  4. 【請求項4】 冷媒と相互溶解しない化合物を冷凍機油
    として使用する圧縮機と、凝縮器と、絞り装置と、蒸発
    器とを少なくとも備え、下方から上方に向かう冷媒配管
    の内径は、上方から下方に向かう冷媒配管の内径より細
    いことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  5. 【請求項5】 冷媒と相互溶解しない化合物を冷凍機油
    として使用する圧縮機と、凝縮器と、絞り装置と、蒸発
    器とを少なくとも備え、下方から上方に向かう冷媒配管
    の内径は、配管内壁に付着する前記冷凍機油を上昇させ
    る内径以下であることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  6. 【請求項6】 冷媒と相互溶解しない化合物を冷凍機油
    として使用する圧縮機と、凝縮器と、絞り装置と、蒸発
    器と、前記冷媒から前記冷凍機油を分離する油分離器
    と、前記油分離器から前記圧縮機に前記分離された冷凍
    機油を戻す返油管とを少なくとも備えることを特徴とす
    る冷凍サイクル装置。
  7. 【請求項7】 前記冷凍機油の比重は、前記冷媒の比重
    より大きく、前記油分離器は、筒状の容器本体と、前記
    冷媒および前記冷凍機油の混合流体を導入する導入管
    と、前記容器本体の上部より前記冷凍機油が分離された
    前記冷媒を導出する導出管とを有し、前記返油管は、前
    記容器本体の下部より前記分離された冷凍機油を前記圧
    縮機に導出することを特徴とする請求項6に記載の冷凍
    サイクル装置。
  8. 【請求項8】 前記冷凍機油の比重は、前記冷媒の比重
    より大きく、前記油分離器は、前記絞り装置から前記蒸
    発器への経路中に配置された筒状の容器本体と、前記冷
    媒および前記冷凍機油の混合流体を導入する導入管と、
    前記冷凍機油が分離されたガス状および液状の前記冷媒
    を導出する導出管とを有し、前記返油管は、前記容器本
    体の下部より前記分離された冷凍機油を前記圧縮機に導
    出することを特徴とする請求項6に記載の冷凍サイクル
    装置。
  9. 【請求項9】 前記冷凍機油の比重は、前記冷媒の比重
    より大きく、前記油分離器は、前記絞り装置から前記蒸
    発器への経路中に配置された筒状の容器本体と、前記冷
    媒および前記冷凍機油の混合流体を導入する導入管と、
    前記冷凍機油が分離されたガス状の前記冷媒を上部より
    導出するガス導出管と、前記容器本体の中部より前記冷
    凍機油が分離された液状の前記冷媒を導出する液導出管
    とを有し、前記返油管は、前記容器本体の下部より前記
    分離された冷凍機油を導出し、前記ガス導出管と前記返
    油管は前記圧縮機の吸入側配管に接続されていることを
    特徴とする請求項6に記載の冷凍サイクル装置。
  10. 【請求項10】 前記冷凍機油の比重は、前記冷媒の比
    重より大きく、前記油分離器は、前記容器本体の中に、
    比重が前記冷媒よりも大きく前記冷凍機油よりも小さい
    フロートを収容して有することを特徴とする請求項6〜
    9のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
  11. 【請求項11】 前記冷媒は、ハロゲン原子を含まない
    炭素数2から4の炭化水素を主成分とすることを特徴と
    する請求項1〜10のいずれかに記載の冷凍サイクル装
    置。
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