JPH09264149A - エンジンの吸気装置 - Google Patents

エンジンの吸気装置

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JPH09264149A
JPH09264149A JP8076471A JP7647196A JPH09264149A JP H09264149 A JPH09264149 A JP H09264149A JP 8076471 A JP8076471 A JP 8076471A JP 7647196 A JP7647196 A JP 7647196A JP H09264149 A JPH09264149 A JP H09264149A
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intake
timing
valve
mask
intake valve
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一司 片岡
Naoyuki Yamagata
直之 山形
Michihiko Tabata
道彦 田端
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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
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    • F02B2275/48Tumble motion in gas movement in cylinder
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的簡単な構造によりながら、タンブルを
強化し、それにより燃焼効率を高め、燃費、出力、エミ
ッション等を向上する。 【解決手段】 吸気弁12,13によって開閉される吸
気ポート8,9が燃焼室に開口し、この吸気ポート開口
部の周辺で、かつシリンダボア周縁側の部分に、燃焼室
に導入される吸気の流通を制限するマスク26が設けら
れ、そのマスク高さHが吸気弁最大リフト量Lmax より
も小さく設定されるとともに、少なくともエンジンの低
負荷から中負荷にわたる運転領域で、吸気弁12,13
が上死点以後に開弁され、かつ吸気弁12,13のリフ
ト量が上記マスク高さHを越えるまでにピストンスピー
ドが略最大、つまり上死点後90°付近となるように吸
気弁リフト特性及びマスク高さH等が設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼室内にタンブ
ルを生成するようにした吸気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、燃焼効率を高めて燃費、出力
及びエミッションの向上を図るため、燃焼室内にタンブ
ル(縦方向の渦流)を生成することにより、燃焼室内で
の燃料のミキシング及び燃焼を促進するようにした技術
は一般に知られている。
【0003】例えば特開平5−321678号公報に示
されるものでは、2つの燃焼室側開口を有した吸気ポー
トを備え、吸気ポートからの吸気流が燃焼室内でタンブ
ル流となるように吸気ポートを所定方向に向けて形成す
るとともに、吸気ポート内を吸気流通方向に沿って中央
側通路とその両側の通路とに区画する隔壁を設けること
等により、タンブル流の生成の促進を図るようにしてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来装置
では、ポート内に通路及び隔壁等を設ける必要があって
ポートの加工が難しくなり、コストアップを招く。しか
も、ポート形状等の工夫によるだけでは、タンブル強化
には限界がある。
【0005】なお、燃焼室内のポート開口部周辺に部分
的にマスクを設けることにより、燃焼室に流入する吸気
の流通方向を規制し、タンブルの強化を図るものも考え
られている。
【0006】しかし、単にマスクを設けるだけでは、そ
の突出量を大きくすると吸気流通抵抗の増大等の不都合
を招き、また突出量を小さくするとタンブル強化の効果
が充分に得られなくなるといった問題がある。
【0007】本発明は、上記の事情に鑑み、比較的簡単
な構造によりながら、タンブルを強化し、それにより燃
費、出力、エミッション等をより一層向上することがで
きるエンジンの吸気装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、吸気弁によって開閉される吸気ポートが
燃焼室に開口し、この吸気ポート開口部の周辺で、かつ
シリンダボア周縁側の部分に、燃焼室に導入される吸気
の流通を制限するマスクが設けられたエンジンの吸気装
置であって、上記マスクが吸気弁の弁軸方向に延び、そ
のマスク高さが吸気弁最大リフト量よりも小さく設定さ
れるとともに、少なくともエンジンの低負荷から中負荷
にわたる運転領域で、吸気弁が上死点以後に開弁され、
かつ吸気弁のリフト量が上記マスク高さを越えるまでに
ピストンスピードが略最大となるように、上記マスク高
さと吸気弁のリフト量及び吸気弁作動タイミングの関係
が設定されているものである。
【0009】この装置によると、吸気弁が開弁された
後、ピストンスピードが略最大となるまで、上記マスク
によってシリンダボア周縁側への吸気の流通が制限され
ることにより、ピストンスピードが速い区間で吸気流通
方向の規制が効果的に行われ、タンブルが強化されるこ
ととなる。
【0010】この装置において、吸気ポートは2つを並
列配置で燃焼室に開口させておけばよい。
【0011】また、吸気弁開弁後にクランク角で上死点
後90°付近に達するまで、上記マスクで吸気の流通が
制限されるようになっていることが好ましい。このよう
にすると、ピストンスピードが略最大となる上死点後9
0°付近までマスクによって吸気の流通が制限されるこ
とにより、充分にタンブルが強化される。
【0012】また、エンジンの筒内圧が吸気ポート圧以
下となる時期に実質的に吸気弁が開弁するとともに、こ
の吸気弁の実質的な開弁時期からクランク角で略70°
経過するまで上記マスクで吸気の流通が制限されるよう
になっていることが好ましい。そして、吸気弁の実質的
な開弁時期からクランク角で略70°経過したところで
の吸気弁リフト量に相当する所定リフト量以上ではスロ
ート部によって吸気流通量が制限される場合、上記マス
ク高さが上記所定リフト量に略対応するように設定され
ていることが好ましい。
【0013】このようにすると、上死点後90°付近ま
でマスクによって吸気の流通が制限されることとなる。
また、所定リフト量以上ではスロート部によって吸気流
通量が制限され、マスクが有効に機能するのは上記所定
リフト量に略対応する高さまでであることから、マスク
高さが上記所定リフト量に略対応するように設定される
ことで、マスク高さ不必要に高くなることが避けられ
る。
【0014】また、上死点以後に吸気弁が開弁され、か
つ吸気弁リフト量がマスク高さを越えるまでにピストン
スピードが略最大となるように設定された第1のタイミ
ングと、この第1のタイミングよりも早く吸気弁が開か
れる第2のタイミングとの、少なくとも2つの吸気弁作
動タイミングに変更可能とするバルブタイミング可変手
段を備えることが好ましい。この場合、エンジンの低負
荷から中負荷にわたる運転領域では吸気弁作動タイミン
グを上記第1のタイミングとし、高負荷運転領域では吸
気弁作動タイミングを上記第2のタイミングとするよう
にバルブタイミング可変手段を制御する制御手段を設け
ておけばよい。
【0015】このようにすると、低,中負荷域ではタン
ブルが強化され、高負荷域では、吸気抵抗が軽減され
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図1,図2において、1はエンジン本体
であって、シリンダブロック2、シリンダヘッド3及び
シリンダヘッドカバー4等で構成されている。このエン
ジン本体1の各気筒5内にはピストン6が装備されてお
り、そのピストン6の上方の気筒5内に、燃焼室7が形
成されている。
【0017】上記シリンダヘッド3の内部には、第1及
び第2の2つの吸気ポート8,9と、第1及び第2の2
つの排気ポート10,11とがそれぞれ形成されてい
る。この両吸気ポート8,9及び両排気ポート10,1
1は、燃焼室7内に開口しており、両吸気ポート8,9
は吸気マニホールド12から流入してくる吸気を燃焼室
7内に導入し、両排気ポート10,11は燃焼室7内の
排気を排出する機能を有している。
【0018】上記両吸気ポート8,9は、タンブル生成
用ポートとなっており、吸気行程時に、この両吸気ポー
ト8,9から吸気が流入するとき、いわゆる縦スワール
としてのタンブル流が燃焼室7内に生成されるようにな
っている。
【0019】また、この各吸気ポート8,9にはそれぞ
れ吸気弁12,13が装備され、上記両排気ポート1
0,11には排気弁14,15が装備されており、これ
らの弁12〜15は動弁機構16によって作動され、各
ポート8〜11を開閉するようになっている。上記動弁
機構16は、動弁用カム17を有するカムシャフト18
及びこのカムシャフト18に駆動力を伝達するためのカ
ムプーリ19等で構成されている。さらに、吸気弁1
2,13に対する動弁機構16には、上記カムプーリ1
9に対するカムシャフト18の回転位相を変更すること
により吸気弁12,13の開閉タイミングを変更するバ
ルブタイミング可変機構20が設けられている。そし
て、後述のようにこのバルブタイミング可変機構20が
コントロールユニット(ECU)21により運転状態に
応じて制御されるようになっている。
【0020】上記燃焼室7の頂部には、着火手段として
の点火プラグ22が設けられている。この点火プラグ2
2は、燃焼室頂部の略径方向中央に配置されている。
【0021】上記シリンダヘッド3には、前記両吸気ポ
ート8,9の間における吸気ポートの上方側に、燃料噴
射弁23が取付けられている。この燃料噴射弁23は先
端部に2つの噴口を有し、その一方の噴口は、シリンダ
ヘッド3に形成された噴射路(図示せず)を介して第1
の吸気ポート8内に臨むとともに、その吸気ポート8を
通じて第1の吸気弁12の背面であって、この吸気弁1
2の弁軸よりも第2の吸気弁13側の位置に指向してい
る。他方の噴口は、シリンダヘッド3に形成された噴射
路24を介して第2の吸気ポート9内に臨むとともに、
その吸気ポート9を通じて第2の吸気弁13の背面であ
って、この吸気弁13の弁軸よりも第1の吸気12弁側
の位置に指向している。
【0022】上記燃料噴射弁23は、その各噴口が比較
的長く、かつ比較的細く絞られることにより、図5に示
すように、燃料噴射時には各噴口から2方向に向けて速
度エネルギーの高い棒状の噴流(噴霧角が実質的に0
度)25が噴射されるようになっている。
【0023】また、上記燃焼室7には、燃焼室7に導入
される吸気の流通を制限するマスク26が設けられてい
る。図3及び図4に示すように、このマスク26は、両
吸気ポート8,9の周辺において、シリンダボア周縁側
及び両吸気ポート8,9間の部分に設けられ、燃焼室7
の天井面から吸気弁12,13の弁軸と平行な方向に突
出している。
【0024】上記マスク26の高さH(燃焼室天井面か
らの突出量)は吸気弁最大リフト量Lmax よりも小さく
され、かつ、吸気弁作動タイミングが図8中に示す第1
のバルブタイミングVT1とされたときに、吸気弁リフ
ト量が上記マスク高さHを越えるまでにピストンスピー
ドが略最大となるように、上記マスク高さHと吸気弁の
リフト量及び吸気弁作動タイミングの関係が設定されて
いる。
【0025】このような設定を具体的に説明すると、吸
気弁12,13は、そのバルブ傘部27の周縁が弁座2
8に着座する閉弁状態から図4中に二点鎖線で示す最大
リフト状態までにわたって作動され、開弁過程において
所定リフト量L1(図4に実線で示す状態でのリフト
量)まではバルブ傘部27の周縁と弁座28との間隙が
リフト量に応じて一定割合で比例的に変化するが、上記
マスク高さHは上記所定リフト量L1よりも大きくて、
上記最大リフト量Lmax よりも小さく設定されている。
また、上記バルブ傘部27とマスク26の内壁面との間
隔Cは、上記所定リフト量L1での弁間隔aと略等しい
か、これより多少大きくなるように設定されている。
【0026】これにより、吸気弁リフト量Lと弁間隙と
の関係は、マスク26が存在しない部分では図6中の実
線のようになるのに対し、マスク26が存在する部分で
は図6中の破線(所定リフト量L1以下では実線に重な
る)のようになる。つまり、マスク26が存在しない部
分の弁間隙は、上記特定リフト量L1まで一定割合で増
加するとともに、さらに最大リフト量Lmax まで比較的
大きな割合で増加するが、マスク26が存在する部分の
弁間隙は、特定リフト量L1付近からマスク高さHに相
当するリフト量までの間で殆ど変化せず、マスク高さH
を越えると再び増加する。従って、特定リフト量L1付
近からマスク高さHに相当するリフト量までの間ではマ
スク26が吸気の流通を制限する。
【0027】ところで、吸気弁がある程度リフトするま
では、吸気弁リフト量Lの増加につれて吸気弁傘部27
と弁座28等との間の空隙が増大することにより吸気が
燃焼室7に流入し易くなるが、吸気弁リフト量Lがある
程度以上大きくなると吸気ポートの開口部近傍のスロー
ト部で吸気流通が制限されるようになり、一般に吸気弁
の実質的な開弁時期から略70°CA(CAはクランク
角を意味する)だけ経過したところでの吸気弁リフト量
に相当する所定リフト量以上ではスロート部によって吸
気流通量が制限されるようになる。上記所定リフト量ま
でがカーテンエリア、所定リフト量以上がスロートエリ
アと称され、このスロートエリアでは上記スロート部が
吸気流通性を支配するためマスク26の有用性が乏し
い。そこで、マスク高さHは上記所定リフト量に対応す
る程度とされ、つまり、実質的な開弁時期から略70°
CA経過するところまで、上記マスク26で吸気流通が
制限されるように設定されている。
【0028】また、吸気弁12,13の作動タイミング
はバルブタイミング可変機構20によって図8中に示す
第1のバルブタイミングVT1と第2のバルブタイミン
グVT2とに変更可能となっている。このうちの第2の
バルブタイミングVT2は、一般的な吸気弁の開閉タイ
ミングに相当するものであり、TDC(上死点)より少
し前に開かれ、BDC(下死点)より後に閉じられるよ
うになっいる。一方、第1のバルブタイミングVT1
は、上記第2のバルブタイミングVT2よりも遅くて、
TDC以後に開弁され、好ましくはエンジンの筒内圧が
吸気ポート圧以下となる時期に開弁される。すなわち、
排気行程から吸気行程に移るときのTDC付近では筒内
圧が吸気ポート圧よりも高くなっており、ピストン6の
加工に伴って筒内圧が吸気ポート圧以下になるのはAT
DC20°CA程度(ATDCは上死点後を意味する)
からであるので、実質的な吸気弁開時期がATDC20
°CA程度とされている。
【0029】従って、上記第1のバルブタイミングVT
1では、実質的な吸気弁開時期から70°CA程度過ぎ
たところが略ATDC90°CAとなり、前述のように
マスク高さHが実質的な開弁時期から略70°CAだけ
経過したところでの吸気弁リフト量に対応する程度にな
っていることにより、略ATDC90°CAまで上記マ
スク26で吸気流通が制限されるような設定となってい
る。
【0030】上記バルブタイミング可変機構を制御する
コントロールユニットにおいては、図7に示すように、
低,中速域における低負荷から中負荷にわたる運転領域
Zaで上記第1のバルブタイミングVT1とし、これよ
り高負荷側及び高回転側の運転領域Zbで上記第2のバ
ルブタイミングVT2とするように、バルブタイミング
可変機構の制御領域が設定されている。
【0031】なお、燃料噴射弁23からの噴射時期は、
少なくとも運転領域Zaを含む運転領域で、図8中に示
す第1の噴射時期Tinj に設定されている。すなわち、
吸気弁傘部への燃料到達時期TinjOが第1のバルブタイ
ミングVT1における吸気弁開弁初期となるように、噴
口から吸気弁傘部27までの燃料移動時間を考慮して第
1の噴射時期Tinj が設定されており、図示の例では略
TDCで噴射が開始されるようになっている。この第1
の噴射時期Tinj とされる運転領域は、例えば上記運転
領域Zaよりも広い範囲の、図7中に破線で示す所定負
荷、所定回転数までとされている。そして、これより高
負荷側及び高回転側では、第1の噴射時期Tinj よりも
早くて、吸気行程より前に燃料が吸気弁傘部27に到達
するような第2の噴射時期(図示せず)に切換えられる
ようになっている。
【0032】当実施形態の吸気装置の作用を、次に説明
する。
【0033】吸気弁作動タイミングが第1のバルブタイ
ミングVT1とされたときは、ATDC20°CA付近
で吸気弁12,13が開き始め、その後に特定リフト量
L1付近からマスク高さHに相当するリフト量まではマ
スク26によって吸気の流通が規制される。ところで、
ピストンスピードはATDC90°CAで最大となり、
これを中心とした一定クランク角範囲がピストンスピー
ドの速い区間(以下、ピストン高速区間と呼ぶ)とな
り、上記第1のバルブタイミングVT1で吸気弁12,
13が作動されたときにはマスク26によって吸気の流
通が規制される範囲がピストン高速区間内となる。つま
り、ピストンスピードが速くなって吸気流速が増大する
ときにマスク26による流通規制作用が良好に発揮され
ることにより、吸気ポート8,9から排気ポート10,
11側へ向かう吸気の流れが強くなり、タンブルの生成
が促進される。
【0034】なお、上記マスク高さHは吸気弁12,1
3の最大リフト量Lmax よりは低いので、最大リフト付
近でマスク26が吸気抵抗を増大させることはない。
【0035】一方、吸気弁作動タイミングが第2のバル
ブタイミングVT2とされたときは、吸気弁12,13
がTDCより前に開き始め、バルブリフト量がマスク高
さHに達するまでにピストンスピードが充分に速くなら
ず、ピストン高速区間ではバルブリフト量がマスク高さ
Hを超えてしまい(図8中の範囲B)、マスク26によ
る吸気流通規制作用が得られなくなる。
【0036】上記第1のバルブタイミングVT1とした
ときと第2のバルブタイミングVT2としたときとにつ
いてそれぞれシミュレーション解析で調べた燃焼室内の
空気の流れを示すと、図9のようになる。
【0037】すなわち、第2のバルブタイミングVT2
とすると、上記のように吸気流速が増大するときにマス
ク26による吸気流通規制作用が得られなくなるため、
吸気行程で、吸気ポートから排気ポート側の下方へ向か
う気流(タンブルとなる気流)のほかにシリンダボア周
縁側へ向かう気流も生じ(符号31で示す部分)、圧縮
行程でこれらの気流がぶつかり合ってタンブルが阻害さ
れる(符号32で示す部分)。これに対し、第1のバル
ブタイミングVT1とすると、吸気流速が増大するピス
トン高速区間でマスク26により吸気流通が規制されて
排気ポート側へ向かう気流が強められることにより、吸
気行程で、シリンダボア周縁側へ向かう気流は殆ど生じ
ず(符号33で示す部分)、排気ポート側下方へ向かう
気流のみが得られるようになり、圧縮行程で大きなタン
ブルが生成される(符号34で示す部分)。
【0038】そして、低,中速域における低,中負荷に
わたる運転領域Zaでは、吸気弁作動タイミングが第1
のバルブタイミングVT1とされることにより、タンブ
ルが強化される。このタンブルの強化により燃焼効率が
高められ、燃費及び出力の向上に有利となるとともに、
排気中のHC、COが減少してエミッションも改善され
ることとなる。
【0039】またこの際、前記のように噴射方向が設定
された燃料噴射弁23から第1の噴射時期Tinj に燃料
噴射が行われることにより、吸気弁作動タイミングが第
1のバルブタイミングVT1となっていることとも関連
して、成層化が良好に行われる。つまり、吸気弁12,
13の開弁初期に燃料が吸気弁傘部27に到達し、か
つ、この燃料は吸気弁12,13の周辺のうちでマスク
26が存在する側(とくに吸気ポート間に寄った位置)
に噴射されるため、吸気弁傘部27やマスク26に衝突
して気化ないしは微粒化されつつ、吸気弁12,13と
マスク26との間から燃焼室7内に流入する。そして、
第1のバルブタイミングVT1では開弁初期に筒内圧が
吸気ポート圧より低くなっているので気化ないしは微粒
化された燃料が燃焼室7に容易に吸入され、しかも、排
気ポート側へ向かう気流が強化されるピストン高速区間
に至る前に、マスク26が存在する側に燃料が噴射され
るので、タンブルで必要以上に燃料が拡散されてしまう
ことがない。こうして、適度に混合気が燃焼室7上部の
点火プラグ22近傍に偏在する状態が得られ、良好に成
層化が行われ、タンブルによる燃焼性向上と成層化によ
るリーンバーンとにより、燃費及びエミッションが改善
される。。
【0040】高流量域である高負荷側や高速側の運転領
域Zbでは、第1のバルブタイミングVT1によると吸
気流通抵抗の増大を招き易くなるので、一般的な吸気弁
開閉タイミングに相当する第2のバルブタイミングVT
2に切換えられ、吸気抵抗の軽減が図られる。
【0041】また、燃料噴射時期は所定負荷、所定回転
数までは第1の噴射時期Tinj に保たれるが、第2のバ
ルブタイミングVT2では開弁後において排気ポート側
へ向かう気流の流速が大きくなっているときに燃料が吸
気弁傘部27に到達し、上記気流によりある程度燃料が
分散されて成層化が弱められる。さらに、所定負荷以上
や所定回転数以上の領域では、燃料噴射時期が吸気行程
より前の時期である第2の噴射時期とされることによ
り、噴射燃料が吸気ポート内で予混合される。このよう
にして高負荷、高回転側ほど空気利用率が高められる。
【0042】なお、本発明の装置は上記実施形態に限定
されるものではなく、種々変更可能である。
【0043】例えば、上記実施形態では吸気弁作動タイ
ミングを第1のバルブタイミングVT1と第2のバルブ
タイミングVT2とに切換えているが、多段階もしくは
無段階に吸気弁作動タイミングを変更してもよい。ある
いは、全運転領域で上記第1のバルブタイミングVT1
に固定してもよい。
【0044】また、上記実施形態で低,中負荷で成層燃
焼を行うように燃料噴射タイミング等を設定している
が、理論空燃比等で均一燃焼を行うように燃料噴射タイ
ミングを設定しておいてもよく、このようにした場合で
も、タンブルの強化により、燃焼効率が高められて、燃
費、出力及びエミッションが改善される。
【0045】
【発明の効果】本発明は、吸気ポート開口部の周辺で、
かつシリンダボア周縁側の部分にマスクが設けられ、そ
のマスク高さが吸気弁最大リフト量よりも小さく設定さ
れるとともに、少なくともエンジンの低負荷から中負荷
にわたる運転領域で、吸気弁が上死点以後に開弁され、
かつ吸気弁のリフト量が上記マスク高さを越えるまでに
ピストンスピードが略最大となるように設定されている
ため、比較的簡単な構造によりながら、ピストンスピー
ドが速くなる期間に上記マスクによって吸気流通方向の
規制が効果的に行われる。従って、タンブルを強化して
燃焼効率を高め、燃費、出力及びエミッションを大幅に
向上することができるものである。
【0046】また、上死点以後に吸気弁が開弁され、か
つ吸気弁リフト量がマスク高さを越えるまでにピストン
スピードが略最大となるように設定された第1のタイミ
ングと、この第1のタイミングよりも早く吸気弁が開か
れる第2のタイミングとの、少なくとも2つの吸気弁作
動タイミングに変更可能とし、低,中負荷域では上記第
1のタイミングとし、高負荷域では上記第2のタイミン
グとするように制御すれば、低,中負荷域での燃費改善
及び高負荷域での吸気抵抗軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による吸気装置の断面図で
ある。
【図2】上記吸気装置の概略平面図である。
【図3】燃焼室におけるポート及びマスクの配置を示す
平面説明図である。
【図4】吸気弁とマスクとの位置関係を示す断面説明図
である
【図5】燃料噴射弁の正面図である。
【図6】バルブリフト量とバルブ間隙との関係を示す図
である。
【図7】バルブタイミング等の制御の領域設定を示す説
明図である。
【図8】バルブリフト特性及びマスク等の作用を示す説
明図である。
【図9】第1のバルブタイミングによる場合と第2のバ
ルブタイミングによる場合とにおける筒内吸気流動状態
を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン本体 7 燃焼室 8,9 吸気ポート 12,13 吸気弁 20 バルブタイミング可変機構 22 点火プラグ 23 燃料噴射弁 26 マスク

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気弁によって開閉される吸気ポートが
    燃焼室に開口し、この吸気ポート開口部の周辺で、かつ
    シリンダボア周縁側の部分に、燃焼室に導入される吸気
    の流通を制限するマスクが設けられたエンジンの吸気装
    置であって、上記マスクが吸気弁の弁軸方向に延び、そ
    のマスク高さが吸気弁最大リフト量よりも小さく設定さ
    れるとともに、少なくともエンジンの低負荷から中負荷
    にわたる運転領域で、吸気弁が上死点以後に開弁され、
    かつ吸気弁のリフト量が上記マスク高さを越えるまでに
    ピストンスピードが略最大となるように、上記マスク高
    さと吸気弁のリフト量及び吸気弁作動タイミングの関係
    が設定されていることを特徴とするエンジンの吸気装
    置。
  2. 【請求項2】 2つの吸気ポートが並列配置で燃焼室に
    開口していることを特徴とする請求項1記載のエンジン
    の吸気装置。
  3. 【請求項3】 吸気弁開弁後にクランク角で上死点後9
    0°付近に達するまで、上記マスクで吸気の流通が制限
    されるようになっていることを特徴とする請求項1又は
    2記載のエンジンの吸気装置。
  4. 【請求項4】 エンジンの筒内圧が吸気ポート圧以下と
    なる時期に実質的に吸気弁が開弁するとともに、この吸
    気弁の実質的な開弁時期からクランク角で略70°経過
    するまで上記マスクで吸気の流通が制限されるようにな
    っていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載のエンジンの吸気装置。
  5. 【請求項5】 吸気弁の実質的な開弁時期からクランク
    角で略70°経過したところでの吸気弁リフト量に相当
    する所定リフト量以上ではスロート部によって吸気流通
    量が制限され、上記マスク高さが上記所定リフト量に略
    対応するように設定されていることを特徴とする請求項
    4記載のエンジンの吸気装置。
  6. 【請求項6】 上死点以後に吸気弁が開弁され、かつ吸
    気弁リフト量がマスク高さを越えるまでにピストンスピ
    ードが略最大となるように設定された第1のタイミング
    と、この第1のタイミングよりも早く吸気弁が開かれる
    第2のタイミングとの、少なくとも2つの吸気弁作動タ
    イミングに変更可能とするバルブタイミング可変手段を
    備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    のエンジンの吸気装置。
  7. 【請求項7】 エンジンの低負荷から中負荷にわたる運
    転領域では吸気弁作動タイミングを上記第1のタイミン
    グとし、高負荷運転領域では吸気弁作動タイミングを上
    記第2のタイミングとするようにバルブタイミング可変
    手段を制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求
    項6記載のエンジンの吸気装置。
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