JPH09263876A - 遅れ破壊特性の優れた高強度機械構造用鋼およびその製造方法 - Google Patents
遅れ破壊特性の優れた高強度機械構造用鋼およびその製造方法Info
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- JPH09263876A JPH09263876A JP7690396A JP7690396A JPH09263876A JP H09263876 A JPH09263876 A JP H09263876A JP 7690396 A JP7690396 A JP 7690396A JP 7690396 A JP7690396 A JP 7690396A JP H09263876 A JPH09263876 A JP H09263876A
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Abstract
よび焼戻し加熱速度を調節することにより、引張強度1
300MPa 以上を有し、耐遅れ破壊特性に優れた高強度
機械構造用鋼及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 C,Si,Mn,Al,Ti,B,C
r,Mo,Ni,Cu,V,Nb,Ta,Wを特定した
鋼のねじを転造において、転造温度Tfが700℃≦T
f≦900℃を満たす条件で転造したのち水焼入れを
し、さらに焼戻しを行うに際して昇温速度を10℃/sec
以上にし、保定温度を250℃以上にすることにより、
少なくともねじ表層から300μm以上の領域で旧オー
ステナイト粒の長さと幅の比であるアスペクト比が1.
2以上であり、引張強度1300MPa 以上を有し耐遅れ
破壊特性に優れた機械構造用鋼を製造する。
Description
の引張強度を有する耐遅れ破壊特性の優れた高強度機械
構造用鋼およびその製造方法に関するものである。
れている高強度ボルトは、例えばJIS G4104,
JIS G 4105に規定されているSCr・SCM
等の、C量が0.20〜0.35%の中炭素鋼を用いて
焼入れ・焼戻し処理をすることによって製造されてい
る。しかし、どの品種についても引張強度が1300MP
aを超えると遅れ破壊の危険性が高まることがよく知ら
れており、例えば現在使用されている建築用ボルトの強
度は1150MPa 級が上限となっているのが現状であ
る。
従来の知見として、例えば特公平3−243744号公
報では、旧オーステナイト粒を微細化させること、組織
をベイナイト化させることが有効であると提案してい
る。確かにベイナイト組織は遅れ破壊に対して有効であ
るが、ベイナイト化処理は製造コストが高くなる。旧オ
ーステナイト粒の微細化に関しては、特公昭64−45
66号公報や特公平3−243745号公報でも提案さ
れている。
aを添加することを提案している。しかしながら本発明
者らの試験では、いずれの提案も大幅な遅れ破壊特性の
改善には至っていない。以上のように従来の技術では、
遅れ破壊特性を抜本的に向上させた高強度ボルトを製造
することには限界があった。
実状に鑑みなされたものであって、遅れ破壊特性の良好
な強度が1300MPa 以上の高強度機械構造用鋼を実現
するとともに、その製造方法を提供することを目的とす
るものである。
れ・焼戻し処理によって製造した種々の強度レベルのボ
ルト用鋼を用いて、遅れ破壊挙動を詳細に解析した。遅
れ破壊は鋼材中の水素に起因して発生していることは既
に明らかである。そこで、遅れ破壊特性について、遅れ
破壊が発生しない「限界拡散性水素量」を求めることに
より評価した。
のレベルの拡散性水素量を含有させた後、遅れ破壊試験
中に試料から大気中に水素が抜けることを防止するため
にCdめっきを施し、その後大気中で所定の荷重を負荷
し、遅れ破壊が発生しなくなる拡散性水素量を評価する
ものである。
での破断時間の関係について解析した一例を示す。試料
中に含まれる拡散性水素量が少なくなるほど遅れ破壊に
至るまでの時間が長くなり、拡散性水素量がある値以下
では遅れ破壊が発生しなくなる。この水素量を「限界拡
散性水素量」と定義する。
破壊特性は良好であり、鋼材の成分、熱処理等の製造条
件によって決まる鋼材固有の値である。なお、試料中の
拡散性水素量はガスクロマトグラフで容易に測定するこ
とができる。
を増加させる手段、即ち遅れ破壊特性を上げるべく、オ
ーステナイト結晶粒度、熱処理条件の影響等について検
討を重ねた。この結果、上記の要因のいずれを大きく変
化させても、遅れ破壊特性は大幅に向上できないことが
わかった。遅れ破壊が旧オーステナイト粒界に沿った粒
界割れであることから、遅れ破壊特性の大幅な向上を達
成するためには、粒界割れの発生を防止することが重要
であるとの結論に達した。
防止する手段について種々検討を重ねた結果、ボルトの
表層から軸中心方向に少なくとも300μmにわたる領
域において、未再結晶温度域における加工組織(オース
テナイト粒の長さと幅の比であるアスペクト比(オース
テナイト粒の長径/短径)が1.2以上である組織)を
形成させれば、1300MPa を超えるような高強度域で
もオーステナイト粒界割れを防止できることを発見し
た。
に伸長させ、アスペクト比を1.2以上にした焼戻しマ
ルテンサイト組織の鋼は、破壊形態が粒内割れになるた
め、限界拡散性水素量が大幅に増加し、耐遅れ破壊特性
が格段に向上するという全く新たな知見を見出したので
ある。また、オーステナイト粒を伸長化させる方法とし
て、熱間転造温度を選択することによって、アスペクト
比を1.2以上にさせることが可能であることを明らか
にした。
てマルテンサイト組織にしたボルトの焼戻し処理工程に
おいて、焼戻し温度への加熱速度を増加させると、同じ
オーステナイト粒内割れでも限界拡散性水素量が向上
し、遅れ破壊特性が格段に向上することを見出した。
形態、熱間転造条件、熱処理条件を最適に選択すれば、
遅れ破壊特性に優れた高強度ボルトを実現できるという
結論に達し、本発明をなしたものである。
のであって、その要旨とするところは、次の通りであ
る。 (1)重量%で、C:0.15〜0.50%、Si:
0.05〜2.0%、Mn:0.2〜2.0%、Al:
0.005〜0.1%を含有するか、あるいはさらにT
i:0.005〜0.05%、B:0.0003〜0.
0050%、Cr:0.05〜2.0%、Mo:0.0
5〜1.0%、Ni:0.05〜5.0%、Cu:0.
05〜1.0%、V:0.05〜0.5%、Nb:0.
005〜0.1%、Ta:0.005〜0.5%、W:
0.05〜0.5%の1種または2種以上を含むととも
に、残部はFeおよび不可避的な不純物よりなる鋼にお
いて、焼戻しマルテンサイト組織からなり、且つ少なく
とも表層から300μmの領域で旧オーステナイト粒の
長さと幅の比が1.2以上であり、さらに引張強さが1
300MPa 以上であることを特徴とする遅れ破壊特性の
優れた高強度機械構造用鋼。
マルテンサイト組織からなり、且つ少なくとも表層から
300μmの領域で、未再結晶温度域での加工組織(加
工量は軸に垂直な断面で減面率15%以上)を有し、さ
らに引張強さが1300MPa 以上であることを特徴とす
る遅れ破壊特性の優れた高強度ボルト機械構造用鋼。
するに際して、少なくとも700〜900℃の温度範囲
で、ねじ転造を行った後、水冷することによりマルテン
サイト組織にし、引き続き10℃/秒以上の加熱速度で
250℃以上の温度に加熱し焼戻すことを特徴とする遅
れ破壊特性の優れた高強度機械構造用鋼の製造方法。
て説明する。まず、本発明の対象とする鋼の成分の限定
理由について述べる。 C:Cはボルトの強度を確保する上で必須の元素である
が、0.15%未満では焼戻しマルテンサイトにおいて
所要の強度が得られず、一方0.50%を超えると靭性
を劣化させるとともに耐遅れ破壊特性も劣化させるた
め、0.15〜0.50%の範囲に制限した。
を高める作用がある。0.05%未満では前記作用が発
揮できず、一方、2.0%を超えると添加量に見合う効
果が期待できないため、0.05〜2.0%の範囲に制
限した。
るばかりでなく、マルテンサイト組織を得るための焼入
性を高めるうえで有効な元素であるが、0.2%未満で
は上記の効果が得られず、一方2.0%を超えるとオー
ステナイト域加熱時に粒界に偏析し粒界を脆化させると
ともに、耐遅れ破壊特性を劣化させるため、0.2〜
2.0%の範囲に制限した。
AlNを形成することにより、オーステナイト粒の粗大
化を防止する効果とともに、Nを固定する効果も有して
いるが、0.005%未満ではこれらの効果が発揮され
ず、0.1%を超えても効果が飽和するため、0.00
5〜0.1%の範囲に限定した。
あるが、本発明においては、さらにこの鋼にTi:0.
005〜0.05%、B:0.0003〜0.0050
%、Cr:0.05〜2.0%、Mo:0.05〜1.
0%、Ni:0.05〜5.0%、Cu:0.05〜
1.0%、V:0.05〜0.5%、Nb:0.005
〜0.1%、Ta:0.005〜0.5%、W:0.0
5〜0.5%の1種または2種以上を含有せしめること
ができる。
TiNを形成することにより、オーステナイト粒の粗大
化を防止する効果とともにNを固定する効果も有してい
るが、0.005%未満ではこれらの効果が発揮され
ず、0.05%を超えても効果が飽和するため、0.0
05〜0.05%の範囲に限定した。
戻しマルテンサイト組織の鋼において、遅れ破壊特性を
向上させる効果がある。さらに、Bはオーステナイト粒
界に偏析することにより焼入性を著しく高めるととも
に、未再結晶温度域を高温側に移行させる効果も有して
おり、伸長化したオーステナイト粒が得やすくなる。B
が0.0003%未満では前記の効果が発揮されず、
0.0050%を超えても効果が飽和するため、0.0
003〜0.0050%に制限した。
理時の軟化抵抗を増加させるために有効な元素である
が、0.05%未満ではその効果が十分に発揮できず、
一方2.0%を超えると靭性の劣化、冷間加工性の劣化
を招くため、0.05〜2.0%に限定した。
抵抗を有し、熱処理後の引張強さを高めるために有効な
元素であり、未再結晶温度を上昇させる効果も有してい
るが、0.05%未満ではその効果は少なく、一方1.
0%を超えるとその効果は飽和しコストの上昇を招くた
め、0.05〜1.0%に制限した。
性を向上させるとともに、熱処理時の焼入性を向上させ
て引張強さを増加させるために添加されるが、0.05
%未満ではその効果が少なく、一方5.0%を超えても
添加量に見合う効果が発揮できないため、0.05〜
5.0%の範囲に制限した。
に有効な元素であるが、0.05%未満では効果が発揮
できず、1.0%を超えると熱間加工性が劣化するた
め、0.05〜1.0%に制限した。
生成することにより、オーステナイト粒を微細化させる
効果があるが、0.05%未満では前記作用の効果が得
られず、一方0.5%を超えても効果が飽和するため、
0.05〜0.5%に限定した。
ることにより、オーステナイト粒を微細化させるために
有効な元素である。また、Nbは未再結晶温度を大幅に
高める効果があり、ねじ転造温度が高くてもオーステナ
イト粒が伸長化した鋼を容易に製造できる利点がある。
0.005%未満では上記効果が不十分であり、一方
0.1%を超えるとこの効果が飽和するため、0.00
5〜0.1%に制限した。
高める効果を有してるが、0.005%未満では前記の
効果が発揮されず、0.5%を超えて添加しても効果が
飽和するため、0.005〜0.5%に限定した。 W:Wは高強度ボルトの遅れ破壊特性を向上させるため
に有効な元素であるが、0.05%未満では前記の効果
が発揮されず、一方、0.5%を超えて添加しても効果
が飽和するため、0.05〜0.5%の範囲に限定し
た。
遅れ破壊特性を向上させる観点から、それぞれ0.01
5%以下が好ましい範囲である。また、NはTi,A
l,V,Nbの窒化物を生成することによりオーステナ
イト粒の細粒化効果があるため、0.003〜0.01
5%が好ましい範囲である。
遅れ破壊特性の向上に対して、最も重要な点であるボル
トの組織形態の限定理由について述べる。図2に、焼戻
しマルテンサイト組織からなるボルトの限界拡散性水素
量、遅れ破壊形態に及ぼすアスペクト比の影響について
解析した一例を示す。図中において●印は粒界割れ、○
印は粒内割れ、半○印は粒界割れと粒内割れが混在して
いることを示す。
従来の焼入れ・焼戻し処理で製造したものであり、オー
ステナイト粒が伸長化されていない鋼である。同図から
明らかなように、オーステナイト粒を伸長化させてアス
ペクト比が増加するに伴い、破壊形態が粒界割れから粒
内割れに移り、1.2以上では粒内割れになる。これに
対応して限界拡散性水素量が増加し、遅れ破壊特性が格
段に向上する。
れ破壊特性の向上が顕著でないため、アスペクト比の下
限を1.2に限定した。なお、アスペクト比が1.5以
上で遅れ破壊特性の向上効果が顕著になるため、1.5
以上がアスペクト比の好ましい範囲である。
が1.2以上になっているボルト表層から軸中心方向の
深さの関係について解析した一例を示す図である。アス
ペクト比が1.2以上であるボルト表層からの領域が3
00μm未満では、限界拡散性水素量の向上効果が少な
く、遅れ破壊特性に対して顕著な効果がないことがわか
る。このため、アスペクト比が1.2以上の領域を少な
くとも300μmにわたる領域に限定した。なお、図3
から明らかなように、500μm以上で遅れ破壊特性の
向上効果が高いことから、好ましい条件は500μm以
上である。
トの製造方法では、オーステナイト粒を伸長化させるた
めに低温での熱間転造を行い、転造後、水冷することに
よりオーステナイト粒が伸長化したマルテンサイト組織
にし、引き続き焼戻し処理を行うものである。以下に製
造条件の限定理由を述べる。
0℃を超えると、未再結晶温度を上げる元素を添加して
も再結晶化しやすく、伸長化したオーステナイト粒を得
ることが困難であるとともに、アスペクト比が1.2以
上の領域を300μm以上にすることが難しくなるた
め、上限温度を900℃に制限した。一方、700℃を
下回ると変形抵抗が大きくなりすぎて熱間転造が困難に
なり、さらにフェライト相が析出しやすくなるため、下
限温度を700℃に限定した。
ンサイト組織にするものであるが、この際に体積分率で
20%未満のフェライト、パーライト、ベイナイト、残
留オーステナイトまたはこれらの混合組織が生成しても
遅れ破壊特性の劣化はなく、なんら制限を受けるもので
はない。
化したマルテンサイトを焼戻す際の加熱速度(昇温速
度)が10℃/秒未満では、遅れ破壊形態が粒内割れで
あっても限界拡散性水素量が低く、遅れ破壊特性の大幅
な向上が望めないため、加熱速度の下限を10℃/秒に
制限した。安定して遅れ破壊特性の優れたボルトを製造
するための好ましい条件は、20℃/秒以上である。 焼戻し温度:焼戻し温度が250℃未満では焼戻しの効
果が少ないため、焼戻し温度範囲を250℃以上に限定
した。
体的に説明する。表1に示す化学組成を有する供試材を
種々の熱間転造条件で転造した後、水冷することにより
マルテンサイト組織にした。その後、種々の焼戻し条件
で焼戻しを行い、焼戻しマルテンサイト組織のボルト
(φ10)を製造した。
態、遅れ破壊特性について評価した結果を表2に示す。
遅れ破壊特性は、前に述べた限界拡散性水素量で評価を
行い、負荷応力は引張強さの90%の条件で実施した。
o.12〜19は比較例である。同表に見られるよう
に、本発明例はいずれもボルトの引張強さが1300MP
a 以上であるとともに、アスペクト比が1.2以上であ
り、且つアスペクト比が1.2以上の領域がボルト表層
から300μm以上あるため破壊形態が粒内割れとなっ
ており、限界拡散性水素量が従来のボルトに比べ高く、
遅れ破壊特性の優れたボルトが実現されている。
3,17は、いずれも従来の製造方法で製造したもので
ある。即ち転造後、焼入れ・焼戻し処理によって製造し
たものであり、オーステナイト粒が伸長化していない例
である。このため、遅れ破壊形態が粒界割れであり、限
界拡張性水素量が低く、遅れ破壊特性が悪い例である。
小さすぎるために遅れ破壊特性が改善されなかった例で
ある。また、比較例であるNo.14は、オーステナイト
粒が伸長化され、アスペクト比は満足できるものの、焼
戻し処理時の加熱速度が遅いために遅れ破壊特性の大幅
な改善効果ができなかった例である。
9は、いずれも鋼の化学成分が不適切な例である。即
ち、No.15はC含有量が低すぎるために本発明で目的
とする1300MPa 以上の高強度のボルトが実現できて
いない。また、No.18はC含有量が高すぎるために、
No.19はMn含有量が高すぎるために、いずれも遅れ
破壊特性が悪かった例である。
させることにより、ボルトの遅れ破壊形態を粒界割れか
ら粒内割れにさせて、引張強さが1300MPa 以上の高
強度ボルトの遅れ破壊特性を大幅に向上させることを可
能にするとともに、鋼の化学成分、ねじ転造条件、熱処
理条件を最適に選択することによってその製造方法を確
立したものであり、産業上の効果は極めて顕著なものが
ある。
す図表である。
て解析した一例を示す図表である。
の組織の表層から深さの関係について解析した一例を示
す図表である。
Claims (6)
- 【請求項1】 重量%で、 C :0.15〜0.50%、 Si:0.05〜2.0% Mn:0.2〜2.0%、 Al:0.005〜0.1%を含有し、残部がFeおよ
び不可避的不純物よりなる鋼において、焼戻しマルテン
サイト組織からなり、且つ少なくとも表層から300μ
mの領域で旧オーステナイト粒の長さと幅の比(以下ア
スペクト比とする)が1.2以上であり、さらに引張強
さが1300MPa 以上であることを特徴とする遅れ破壊
特性の優れた高強度機械構造用鋼。 - 【請求項2】 重量%で、さらに Ti:0.005〜0.05%、 B :0.0003〜0.0050%、 Cr:0.05〜2.0%、 Mo:0.05〜1.0%、 Ni:0.05〜5.0%、 Cu:0.05〜1.0%、 V :0.05〜0.5%、 Nb:0.005〜0.1%、 Ta:0.005〜0.5%、 W :0.05〜0.5%の1種または2種以上を含有
することを特徴とする請求項1記載の遅れ破壊特性の優
れた高強度機械構造用鋼。 - 【請求項3】 重量%で、 C :0.15〜0.50%、 Si:0.05〜2.0%、 Mn:0.2〜2.0%、 Al:0.005〜0.1%を含有し、残部がFeおよ
び不可避的不純物よりなる鋼において、焼戻しマルテン
サイト組織からなり、且つ少なくとも表層から300μ
mの領域で、未再結晶温度域での加工組織(加工量は軸
に垂直な断面で減面率15%以上)を有し、さらに引張
強さが1300MPa 以上であることを特徴とする遅れ破
壊特性の優れた高強度機械構造用鋼。 - 【請求項4】 重量%で、さらに Ti:0.005〜0.05%、 B :0.0003〜0.0050%、 Cr:0.05〜2.0%、 Mo:0.05〜1.0% Ni:0.05〜5.0%、 Cu:0.05〜1.0%、 V :0.05〜0.5%、 Nb:0.005〜0.1%、 Ta:0.005〜0.5%、 W :0.05〜0.5%の1種または2種以上を含有
することを特徴とする請求項3記載の遅れ破壊特性の優
れた高強度機械構造用鋼。 - 【請求項5】 重量%で、 C :0.15〜0.50%、 Si:0.05〜2.0%、 Mn:0.2〜2.0%、 Al:0.005〜0.1%を含有し、残部がFeおよ
び不可避的不純物よりなる鋼をねじ転造するに際して、
少なくとも700〜900℃の温度範囲で転造した後、
直ちに水冷することによりマルテンサイト組織にし、引
き続き10℃/秒以上の加熱速度で250℃以上の温度
範囲に加熱し焼戻すことを特徴とする遅れ破壊特性の優
れた高強度機械構造用鋼の製造方法。 - 【請求項6】 重量%で、さらに Ti:0.005〜0.05%、 B :0.0003〜0.0050%、 Cr:0.05〜2.0%、 Mo:0.05〜1.0%、 Ni:0.05〜5.0%、 Cu:0.05〜1.0%、 V :0.05〜0.5%、 Nb:0.005〜0.1%、 Ta:0.005〜0.5%、 W :0.05〜0.5%の1種または2種以上を含有
することを特徴とする請求項5記載の遅れ破壊特性の優
れた高強度機械構造用鋼の製造方法。
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