JP3494799B2 - 遅れ破壊特性の優れた高強度ボルトおよびその製造方法 - Google Patents

遅れ破壊特性の優れた高強度ボルトおよびその製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1300MPa 以上
の引張強度を有する耐遅れ破壊特性の優れた高強度ボル
およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】機械、自動車、橋、建物に数多く使用さ
れている高強度ボルトは、例えばJIS G4104,
JIS G4105に規定されているSCr・SCM等
の、C量が0.20〜0.35%の中炭素鋼を用いて焼
入れ・焼戻し処理をすることによって製造されている。
しかし、どの品種についても引張強度が1300MPa を
超えると遅れ破壊の危険性が高まることがよく知られて
おり、例えば現在使用されている建築用ボルトの強度は
1150MPa 級が上限となっているのが現状である。
【0003】高強度ボルトの遅れ破壊特性を向上させる
従来の知見として、例えば特公平3−243744号公
報では、旧オーステナイト粒を微細化させること、組織
をベイナイト化させることが有効であると提案してい
る。確かにベイナイト組織は遅れ破壊に対して有効であ
るが、ベイナイト化処理は製造コストが高くなる。旧オ
ーステナイト粒の微細化に関しては、特公昭64−45
66号公報や特公平3−243745号公報でも提案さ
れている。
【0004】また、特公昭61−64815号公報はC
aを添加することを提案している。しかしながら本発明
者らの試験では、いずれの提案も大幅な遅れ破壊特性の
改善には至っていない。以上のように従来の技術では、
遅れ破壊特性を抜本的に向上させた高強度ボルトを製造
することには限界があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き
実状に鑑みなされたものであって、遅れ破壊特性の良好
な強度が1300MPa 以上の高強度ボルトを実現すると
ともに、その製造方法を提供することを目的とするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、まず焼入
れ・焼戻し処理によって製造した種々の強度レベルの
ルトを用いて、遅れ破壊挙動を詳細に解析した。遅れ破
壊は鋼材中の水素に起因して発生していることは既に明
らかである。そこで、遅れ破壊特性について、遅れ破壊
が発生しない「限界拡散性水素量」を求めることにより
評価した。
【0007】この方法は、電解水素チャージにより種々
のレベルの拡散性水素量を含有させた後、遅れ破壊試験
中に試料から大気中に水素が抜けることを防止するため
にCdめっきを施し、その後大気中で所定の荷重を負荷
し、遅れ破壊が発生しなくなる拡散性水素量を評価する
ものである。
【0008】図1に、拡散性水素量と遅れ破壊に至るま
での破断時間の関係について解析した一例を示す。試料
中に含まれる拡散性水素量が少なくなるほど遅れ破壊に
至るまでの時間が長くなり、拡散性水素量がある値以下
では遅れ破壊が発生しなくなる。この水素量を「限界拡
散性水素量」と定義する。
【0009】限界拡散性水素量が高いほど鋼材の耐遅れ
破壊特性は良好であり、鋼材の成分、熱処理等の製造条
件によって決まる鋼材固有の値である。なお、試料中の
拡散性水素量はガスクロマトグラフで容易に測定するこ
とができる。
【0010】そこで、高強度ボルトの限界拡散性水素量
を増加させる手段、即ち遅れ破壊特性を上げるべく、オ
ーステナイト結晶粒度、熱処理条件の影響等について検
討を重ねた。この結果、上記の要因のいずれを大きく変
化させても、遅れ破壊特性は大幅に向上できないことが
わかった。遅れ破壊が旧オーステナイト粒界に沿った粒
界割れであることから、遅れ破壊特性の大幅な向上を達
成するためには、粒界割れの発生を防止することが重要
であるとの結論に達した。
【0011】そこでさらに、オーステナイト粒界割れを
防止する手段について種々検討を重ねた結果、ボルトの
表層から軸中心方向に300μm以上650μm以下ま
での領域において、未再結晶温度域における加工組織
(オーステナイト粒の長さと幅の比であるアスペクト比
(オーステナイト粒の長径/短径)が1.2以上である
組織)を形成させれば、1300MPa を超えるような高
強度域でもオーステナイト粒界割れを防止できることを
発見した。
【0012】即ち、オーステナイト粒をボルトの軸方向
に伸長させ、アスペクト比を1.2以上にした焼戻しマ
ルテンサイト組織のボルトは、破壊形態が粒内割れにな
るため、限界拡散性水素量が大幅に増加し、耐遅れ破壊
特性が格段に向上するという全く新たな知見を見出した
のである。また、オーステナイト粒を伸長化させる方法
として、熱間転造温度を選択することによって、アスペ
クト比を1.2以上にさせることが可能であることを明
らかにした。
【0013】さらに、熱間転造後に水冷することによっ
てマルテンサイト組織にしたボルトの焼戻し処理工程に
おいて、焼戻し温度への加熱速度を増加させると、同じ
オーステナイト粒内割れでも限界拡散性水素量が向上
し、遅れ破壊特性が格段に向上することを見出した。
【0014】以上の検討結果に基づき、鋼材組成、組織
形態、熱間転造条件、熱処理条件を最適に選択すれば、
遅れ破壊特性に優れた高強度ボルトを実現できるという
結論に達し、本発明をなしたものである。
【0015】本発明は以上の知見に基づいてなされたも
のであって、その要旨とするところは、次の通りであ
る。 (1)質量%で、 を含有するか、あるいはさらに の1種または2種以上を含むとともに、残部はFeおよ
び不可避的な不純物よりな、焼戻しマルテンサイト組
織からなり、且つ表層から300μm以上650μm以
下までの領域で旧オーステナイト粒の長さと幅の比(以
下アスペクト比とする)が1.2以上であり、さらに引
張強さが1300MPa 以上、伸びが8.9〜12.3%
であることを特徴とする遅れ破壊特性の優れた高強度
ルト
【0016】()上記化学成分を有する鋼をねじ転造
するに際して、少なくとも700〜900℃の温度範囲
で、ねじ転造を行った後、水冷することによりマルテン
サイト組織にし、引き続き10℃/秒以上の加熱速度で
250℃以上の温度に加熱し焼戻すことを特徴とする遅
れ破壊特性の優れた高強度ボルトの製造方法。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て説明する。まず、本発明の対象とする鋼の成分の限定
理由について述べる。C:Cはボルトの強度を確保する
上で必須の元素であるが、0.15%未満では焼戻しマ
ルテンサイトにおいて所要の強度が得られず、一方0.
50%を超えると靭性を劣化させるとともに耐遅れ破壊
特性も劣化させるため、0.15〜0.50%の範囲に
制限した。
【0018】Si:Siは固溶体硬化作用によって強度
を高める作用がある。0.05%未満では前記作用が発
揮できず、一方、2.0%を超えると添加量に見合う効
果が期待できないため、0.05〜2.0%の範囲に制
限した。
【0019】Mn:Mnは脱酸、脱硫のために必要であ
るばかりでなく、マルテンサイト組織を得るための焼入
性を高めるうえで有効な元素であるが、0.2%未満で
は上記の効果が得られず、一方2.0%を超えるとオー
ステナイト域加熱時に粒界に偏析し粒界を脆化させると
ともに、耐遅れ破壊特性を劣化させるため、0.2〜
2.0%の範囲に制限した。
【0020】Al:Alは脱酸および熱処理時において
AlNを形成することにより、オーステナイト粒の粗大
化を防止する効果とともに、Nを固定する効果も有して
いるが、0.005%未満ではこれらの効果が発揮され
ず、0.1%を超えても効果が飽和するため、0.00
5〜0.1%の範囲に限定した。
【0021】以上が本発明の対象とする鋼の基本成分で
あるが、本発明においては、さらにこの鋼に の1種または2種以上を含有せしめることができる。
【0022】各成分の限定理由は次の通りである。T
i:TiはAlと同様に脱酸および熱処理時においてT
iNを形成することにより、オーステナイト粒の粗大化
を防止する効果とともにNを固定する効果も有している
が、0.005%未満ではこれらの効果が発揮されず、
0.05%を超えても効果が飽和するため、0.005
〜0.05%の範囲に限定した。
【0023】B:Bはオーステナイト粒が伸長化した焼
戻しマルテンサイト組織の鋼において、遅れ破壊特性を
向上させる効果がある。さらに、Bはオーステナイト粒
界に偏析することにより焼入性を著しく高めるととも
に、未再結晶温度域を高温側に移行させる効果も有して
おり、伸長化したオーステナイト粒が得やすくなる。B
が0.0003%未満では前記の効果が発揮されず、
0.0050%を超えても効果が飽和するため、0.0
003〜0.0050%に制限した。
【0024】Cr:Crは焼入性の向上および焼戻し処
理時の軟化抵抗を増加させるために有効な元素である
が、0.05%未満ではその効果が十分に発揮できず、
一方2.0%を超えると靭性の劣化、冷間加工性の劣化
を招くため、0.05〜2.0%に限定した。
【0025】Mo:MoはCrと同様に強い焼戻し軟化
抵抗を有し、熱処理後の引張強さを高めるために有効な
元素であり、未再結晶温度を上昇させる効果も有してい
るが、0.05%未満ではその効果は少なく、一方1.
0%を超えるとその効果は飽和しコストの上昇を招くた
め、0.05〜1.0%に制限した。
【0026】Ni:Niは高強度化に伴って劣化する延
性を向上させるとともに、熱処理時の焼入性を向上させ
て引張強さを増加させるために添加されるが、0.05
%未満ではその効果が少なく、一方5.0%を超えても
添加量に見合う効果が発揮できないため、0.05〜
5.0%の範囲に制限した。
【0027】Cu:Cuは焼戻し軟化抵抗を高めるため
に有効な元素であるが、0.05%未満では効果が発揮
できず、1.0%を超えると熱間加工性が劣化するた
め、0.05〜1.0%に制限した。
【0028】V:Vは焼入れ処理時において炭窒化物を
生成することにより、オーステナイト粒を微細化させる
効果があるが、0.05%未満では前記作用の効果が得
られず、一方0.5%を超えても効果が飽和するため、
0.05〜0.5%に限定した。
【0029】Nb:NbもVと同様に炭窒化物を生成す
ることにより、オーステナイト粒を微細化させるために
有効な元素である。また、Nbは未再結晶温度を大幅に
高める効果があり、ねじ転造温度が高くてもオーステナ
イト粒が伸長化したボルトを容易に製造できる利点があ
る。0.005%未満では上記効果が不十分であり、一
方0.1%を超えるとこの効果が飽和するため、0.0
05〜0.1%に制限した。
【0030】Ta:TaもNbと同様に未再結晶温度を
高める効果を有してるが、0.005%未満では前記の
効果が発揮されず、0.5%を超えて添加しても効果が
飽和するため、0.005〜0.5%に限定した。W:
Wは高強度ボルトの遅れ破壊特性を向上させるために有
効な元素であるが、0.05%未満では前記の効果が発
揮されず、一方、0.5%を超えて添加しても効果が飽
和するため、0.05〜0.5%の範囲に限定した。
【0031】P,Sについては特に制限しないものの、
遅れ破壊特性を向上させる観点から、それぞれ0.01
5%以下が好ましい範囲である。また、NはTi,A
l,V,Nbの窒化物を生成することによりオーステナ
イト粒の細粒化効果があるため、0.003〜0.01
5%が好ましい範囲である。
【0032】次に、本発明で目的とする高強度ボルトの
遅れ破壊特性の向上に対して、最も重要な点であるボル
トの組織形態の限定理由について述べる。図2に、焼戻
しマルテンサイト組織からなるボルトの限界拡散性水素
量、遅れ破壊形態に及ぼすアスペクト比の影響について
解析した一例を示す。図中において●印は粒界割れ、○
印は粒内割れ、半○印は粒界割れと粒内割れが混在して
いることを示す。
【0033】ここで、アスペクト比が1.0のボルトは
従来の焼入れ・焼戻し処理で製造したものであり、オー
ステナイト粒が伸長化されていないボルトである。同図
から明らかなように、オーステナイト粒を伸長化させて
アスペクト比が増加するに伴い、破壊形態が粒界割れか
ら粒内割れに移り、1.2以上では粒内割れになる。こ
れに対応して限界拡散性水素量が増加し、遅れ破壊特性
が格段に向上する。
【0034】ここで、アスペクト比が1.2未満では遅
れ破壊特性の向上が顕著でないため、アスペクト比の下
限を1.2に限定した。なお、アスペクト比が1.5以
上で遅れ破壊特性の向上効果が顕著になるため、1.5
以上がアスペクト比の好ましい範囲である。
【0035】図3は、限界拡散性水素量とアスペクト比
が1.2以上になっているボルト表層から軸中心方向の
深さの関係について解析した一例を示す図である。アス
ペクト比が1.2以上であるボルト表層からの領域が3
00μm未満では、限界拡散性水素量の向上効果が少な
く、遅れ破壊特性に対して顕著な効果がないことがわか
る。このため、アスペクト比が1.2以上の領域を表層
から300μm以上の領域に限定した。なお、図3から
明らかなように、500μm以上で遅れ破壊特性の向上
効果が高いことから、好ましい条件は500μm以上で
ある。
【0036】本発明の遅れ破壊特性の優れた高強度ボル
トの製造方法では、オーステナイト粒を伸長化させるた
めに低温での熱間転造を行い、転造後、水冷することに
よりオーステナイト粒が伸長化したマルテンサイト組織
にし、引き続き焼戻し処理を行うものである。以下に製
造条件の限定理由を述べる。
【0037】熱間転造温度:熱間転造仕上げ温度が90
0℃を超えると、未再結晶温度を上げる元素を添加して
も再結晶化しやすく、伸長化したオーステナイト粒を得
ることが困難であるとともに、アスペクト比が1.2以
上の領域を表層から300μm以上にすることが難しく
なるため、上限温度を900℃に制限した。一方、70
0℃を下回ると変形抵抗が大きくなりすぎて熱間転造が
困難になり、さらにフェライト相が析出しやすくなるた
め、下限温度を700℃に限定した。
【0038】なお、本発明では転造後に水冷してマルテ
ンサイト組織にするものであるが、この際に体積分率で
20%未満のフェライト、パーライト、ベイナイト、残
留オーステナイトまたはこれらの混合組織が生成しても
遅れ破壊特性の劣化はなく、なんら制限を受けるもので
はない。
【0039】焼戻し加熱速度:オーステナイト粒が伸長
化したマルテンサイトを焼戻す際の加熱速度(昇温速
度)が10℃/秒未満では、遅れ破壊形態が粒内割れで
あっても限界拡散性水素量が低く、遅れ破壊特性の大幅
な向上が望めないため、加熱速度の下限を10℃/秒に
制限した。安定して遅れ破壊特性の優れたボルトを製造
するための好ましい条件は、20℃/秒以上である。 焼戻し温度:焼戻し温度が250℃未満では焼戻しの効
果が少ないため、焼戻し温度範囲を250℃以上に限定
した。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明の効果をさらに具
体的に説明する。表1に示す化学組成を有する供試材を
種々の熱間転造条件で転造した後、水冷することにより
マルテンサイト組織にした。その後、種々の焼戻し条件
で焼戻しを行い、焼戻しマルテンサイト組織のボルト
(φ10)を製造した。
【0041】上記の試料を用いて、機械的性質、組織形
態、遅れ破壊特性について評価した結果を表2に示す。
遅れ破壊特性は、前に述べた限界拡散性水素量で評価を
行い、負荷応力は引張強さの90%の条件で実施した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】表2の試験 No.1〜11が本発明例で、 N
o.12〜19は比較例である。同表に見られるように、
本発明例はいずれもボルトの引張強さが1300MPa 以
上であるとともに、アスペクト比が1.2以上であり、
且つアスペクト比が1.2以上の領域がボルト表層から
300μm以上あるため破壊形態が粒内割れとなってお
り、限界拡散性水素量が従来のボルトに比べ高く、遅れ
破壊特性の優れたボルトが実現されている。
【0045】これに対して比較例である No.12,1
3,17は、いずれも従来の製造方法で製造したもので
ある。即ち転造後、焼入れ・焼戻し処理によって製造し
たものであり、オーステナイト粒が伸長化していない例
である。このため、遅れ破壊形態が粒界割れであり、限
界拡張性水素量が低く、遅れ破壊特性が悪い例である。
【0046】比較例である No.16は、アスペクト比が
小さすぎるために遅れ破壊特性が改善されなかった例で
ある。また、比較例である No.14は、オーステナイト
粒が伸長化され、アスペクト比は満足できるものの、焼
戻し処理時の加熱速度が遅いために遅れ破壊特性の大幅
な改善効果ができなかった例である。
【0047】さらに、比較例である No.15,18,1
9は、いずれもボルトの化学成分が不適切な例である。
即ち、 No.15はC含有量が低すぎるために本発明で目
的とする1300MPa 以上の高強度のボルトが実現でき
ていない。また、 No.18はC含有量が高すぎるため
に、 No.19はMn含有量が高すぎるために、いずれも
遅れ破壊特性が悪かった例である。
【0048】
【発明の効果】本発明は、旧オーステナイト粒を伸長化
させることにより、ボルトの遅れ破壊形態を粒界割れか
ら粒内割れにさせて、引張強さが1300MPa 以上の高
強度ボルトの遅れ破壊特性を大幅に向上させることを可
能にするとともに、鋼の化学成分、ねじ転造条件、熱処
理条件を最適に選択することによってその製造方法を確
立したものであり、産業上の効果は極めて顕著なものが
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】拡散性水素量と遅れ破壊時間の関係を一例を示
す図表である。
【図2】限界拡散性水素量とアスペクト比の関係につい
て解析した一例を示す図表である。
【図3】限界拡張性水素量とアスペクト比が1.2以上
の組織の表層から深さの関係について解析した一例を示
す図表である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60 C21D 8/00 C21D 9/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、 C :0.15〜0.50%、 Si:0.05〜2.0% Mn:0.2〜2.0%、 Al:0.005〜0.1% を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりな
    焼戻しマルテンサイト組織からなり、且つ表層から30
    0μm以上650μm以下までの領域で旧オーステナイ
    ト粒の長さと幅の比(以下アスペクト比とする)が1.
    2以上であり、さらに引張強さが1300MPa 以上、伸
    びが8.9〜12.3%であることを特徴とする遅れ破
    壊特性の優れた高強度ボルト
  2. 【請求項2】 質量%で、さらに Ti:0.005〜0.05%、 B :0.0003〜0.0050%、 Cr:0.05〜2.0%、 Mo:0.05〜1.0%、 Ni:0.05〜5.0%、 Cu:0.05〜1.0%、 V :0.05〜0.5%、 Nb:0.005〜0.1%、 Ta:0.005〜0.5%、 W :0.05〜0.5% の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求
    項1記載の遅れ破壊特性の優れた高強度ボルト
  3. 【請求項3】 質量%で、 C :0.15〜0.50%、 Si:0.05〜2.0%、 Mn:0.2〜2.0%、 Al:0.005〜0.1% を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる鋼
    をねじ転造するに際して、少なくとも700〜900℃
    の温度範囲で転造した後、直ちに水冷することによりマ
    ルテンサイト組織にし、引き続き10℃/秒以上の加熱
    速度で250℃以上の温度範囲に加熱し焼戻すことを特
    徴とする遅れ破壊特性の優れた高強度ボルトの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 質量%で、さらに Ti:0.005〜0.05%、 B :0.0003〜0.0050%、 Cr:0.05〜2.0%、 Mo:0.05〜1.0%、 Ni:0.05〜5.0%、 Cu:0.05〜1.0%、 V :0.05〜0.5%、 Nb:0.005〜0.1%、 Ta:0.005〜0.5%、 W :0.05〜0.5% の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求
    記載の遅れ破壊特性の優れた高強度ボルトの製造方
    法。
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