JPH09256217A - ポリテトラフルオロエチレン繊維およびその製造方法 - Google Patents

ポリテトラフルオロエチレン繊維およびその製造方法

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JPH09256217A
JPH09256217A JP8068192A JP6819296A JPH09256217A JP H09256217 A JPH09256217 A JP H09256217A JP 8068192 A JP8068192 A JP 8068192A JP 6819296 A JP6819296 A JP 6819296A JP H09256217 A JPH09256217 A JP H09256217A
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fiber
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polytetrafluoroethylene
ptfe
ion
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JP8068192A
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Inventor
Mitsuo Iimura
満男 飯村
Tadanori Domoto
忠憲 道本
Eiji Takahata
栄治 高畠
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光触媒粒子および抗菌性粒子の機能を充分に
発揮させ、その適用範囲を拡大したポリテトラフルオロ
エチレン繊維を提供する。 【解決手段】 パラフィン系潤滑剤と酸化チタン等の光
触媒粒子等とを混合し、この混合物とPTFEファイン
パウダーとを混合する。酸化チタンの配合量はPTFE
ファインパウダーに対して2重量%である。この混合物
をペースト押出し、ついでカレンダー加工し、未焼成シ
ートを得る。これを焼成した後、加熱した状態で、長手
方向に3倍延伸し、延伸フィルムを得る。この延伸フィ
ルムを針を備えたロールにより擦過、開繊し、PTFE
繊維を得る。図示のように、このPTFE繊維1は、繊
維表面から光触媒粒子等2が突出しており、繊維形状は
幹繊維1aから枝繊維1bが分岐した形状である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリテトラフルオ
ロエチレン繊維およびその製造方法に関するものであ
り、詳しくは、殺菌性あるいは抗菌性のあるポリテトラ
フルオロエチレン繊維およびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】酸化チタン等の光触媒粒子は、光の吸収
により励起された電子が、接近する有機物または微生物
などに酸化作用を行い分解する、いわゆる光触媒反応を
示す。他方、ゼオライトと金属あるいは金属イオンとの
化合物は、抗菌性を示すことが知られている。そして、
このような光触媒粒子および抗菌性粒子を利用する技術
が種々開発されている。例えば、特開平6−31561
4号公報および特開平7−265714号公報には、前
記光触媒粒子を無機物や有機物に担持する技術が記載さ
れている。この場合、前述のように光触媒粒子は有機物
に対し酸化作用を示し、特に酸化チタンは酸化力が強い
ことから、有機物の担持体としては抗酸化性の高分子材
料、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
等のフッ素樹脂が使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光触媒粒子および抗菌性粒子の利用技術は、前記光触媒
粒子等の性能を充分に発揮させることができなかった。
また従来の利用技術は、その適用範囲が限定的されると
いう問題もある。例えば、前記特開平6−315614
号公報に記載の技術は、フィルム基材上に酸化チタン層
を形成するものであるが、これでは、フィルター等の用
途に適用するのは困難である。
【0004】本発明は、前記従来の問題を解決し、光触
媒粒子および抗菌性粒子の機能を充分に発揮させ、その
適用範囲を拡大したポリテトラフルオロエチレン繊維お
よびその製造方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のポリテトラフルオロエチレン繊維は、光触
媒粒子および抗菌性粒子の少なくとも一方を含有すると
いう構成をとる。
【0006】すなわち、本発明者らは、前記光触媒粒子
等の機能を充分に発揮させるための手段として、担持体
の表面積を大きくするという着想を得た。そこで、この
着想に基づき、担持体の材質を抗酸化性のあるポリテト
ラフルオロエチレンとするとの前提で、一連の研究を行
ったところ、ポリテトラフルオロエチレンを繊維形状に
すれば、フィルム形状等の他の形状に比べて、表面積を
大きくすることが可能であることを突き止めた。すなわ
ち、ポリテトラフルオロエチレン繊維は、表面積が大き
いフィルターや不織布等に加工することができ、この結
果、光触媒粒子等の細菌等に対する接触面積を大きくす
ることが可能となる。
【0007】そして、ポリテトラフルオロエチレン繊維
の形状は、直線状でもよいが、幹繊維から枝繊維が分岐
した形状とすると、交絡性が特に高くなり、これを用い
たフィルターや不織布等は、強度および緻密性等が特に
優れるようになって細菌等の捕集性等が高まり、その結
果、殺菌性および抗菌性が優れるようになる。
【0008】なお、本発明において、「抗菌性」とは、
殺菌性だけでなく菌の成育や代謝を停止させるいわゆる
静菌性を含む意味である。
【0009】また、前記光触媒粒子等は、接近する細菌
等に直接接触して酸化作用を及ぼすことから、本発明の
ポリテトラフルオロエチレン繊維において、殺菌性およ
び抗菌性をさらに高めるという理由から、前記光触媒粒
子および抗菌性粒子の少なくとも一つの粒子の一部が繊
維表面に露出していることが好ましく、特に好ましく
は、前記光触媒粒子および抗菌性粒子の少なくとも一つ
の粒子の一部が、繊維表面から突出していることであ
る。
【0010】本発明のポリテトラフルオロエチレン繊維
において、前記光触媒粒子は、TiO2 粒子、ZnO粒
子、Fe23粒子、CdS粒子、CdSe粒子、SrT
iO 3 粒子からなる群から選択された少なくとも一つの
光触媒粒子であることが好ましく、このなかでも酸化力
が強いTiO2 粒子が特に好ましい。
【0011】また、本発明のポリテトラフルオロエチレ
ン繊維において、抗菌性粒子は、下記(A)の化合物お
よび下記(B)の化合物の少なくとも一つの化合物であ
ることが好ましい。
【0012】(A) 高シリカゼオライト、ソーダライ
トおよびモルデナイトからなる群から選択されたいずれ
か一つのゼオライトと、銀イオン、銅イオン、亜鉛イオ
ン、水銀イオン、スズイオン、鉛イオン、チタンイオン
からなる群から選択されたいずれか一つの金属イオンと
の化合物。
【0013】(B) シリカゲル、セラミックおよびリ
ン酸塩からなる群から選択されたいずれか一つと金属と
の化合物。 そして、本発明のポリテトラフルオロエチレン繊維にお
いて、光触媒粒子および抗菌性粒子の合計配合割合は、
ポリテトラフルオロエチレン対し、通常、1〜30重量
%である。
【0014】また、本発明のポリテトラフルオロエチレ
ン繊維の比表面積は、0.3〜10m2 /gの範囲であ
ることが好ましい。そして、本発明のポリテトラフルオ
ロエチレン繊維は、通常、繊維径が0.1〜50μmの
範囲であり、繊維長が1〜150mmの範囲である。
【0015】つぎに、本発明のポリテトラフルオロエチ
レン繊維の製造方法は、光触媒粒子および抗菌性粒子の
少なくとも一つの粒子を含むポリテトラフルオロエチレ
ンフィルムを延伸処理し、この延伸ポリテトラフルオロ
エチレンフィルムを擦過して開繊するという構成をと
る。
【0016】これによれば、光触媒粒子および抗菌性粒
子の少なくとも一つの粒子を含有し、幹繊維から枝繊維
が分岐した繊維形状のポリテトラフルオロエチレン繊維
を製造することが可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明を具体的に説明す
る。本発明のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
繊維は、光触媒粒子および抗菌性粒子の少なくとも一方
の粒子を含有するものである。
【0018】前記光触媒粒子として酸化チタンが好まし
いことは先に述べたとおりである。この酸化チタンとし
ては、アナターゼ型の酸化チタン粉末が好ましく、その
粒径は、通常、0.001〜50μmの範囲であり、好
ましくは0.01〜10μmの範囲である。また、配合
量は、PTFEに対し、通常1〜30重量%であり、好
ましくは1〜10重量%である。
【0019】一方、抗菌性粒子についても先に述べたと
おりである。なお、好ましい抗菌性粒子としては、銀ゼ
オライト、高シリカゼオライト、ソーダライト、モルデ
ナイト等があげられる。
【0020】つぎに、繊維原料となるPTFEは、例え
ば、乳化重合または懸濁重合により調製されるが、この
PTFEの調製法の別により、本発明のPTFE繊維の
製造方法も異なってくる。以下、PTFEの調製法別に
本発明のPTFE繊維の製造方法を説明する。なお、前
記乳化重合および懸濁重合は、従来公知の方法が適用で
きる。
【0021】最初に、乳化重合で得られたPTFEを用
いてPTFE繊維を製造する場合を説明する。
【0022】すなわち、まず、PTFE粉末と、光触媒
粒子および抗菌性粒子の少なくとも一方と、潤滑剤とを
混合し、ペースト押出しを行いフィルム状あるいはシー
ト状に形成する。上記潤滑剤としては、例えば、パラフ
ィン系潤滑剤があげられる。また、この潤滑剤の配合割
合は、PTFEに対し、通常、15〜30重量%の範囲
である。つぎに、この成形物を、PTFEの融点以上で
焼成し、その後延伸するか、または前記融点以下で延伸
し、その後焼成する方法のいずれかで延伸する。この延
伸は、通常、一軸延伸であるが、この一軸延伸には、加
熱された回転速度の異なる2つのロール間の速度差によ
る延伸処理を適用することが好ましい。この場合の延伸
倍率は、通常、延伸処理前の長さの2倍以上であり、好
ましくは3倍以上である。ここで微細なPTFE繊維を
製造するためには、延伸後のフィルムの厚さは、薄い方
が望ましい。すなわち、フィルムの厚さは、通常、0.
001〜0.1mm、好ましくは0.005〜0.05
mmである。
【0023】なお、この製造方法によれば、光触媒粒子
または抗菌粒子の配合量は、PTFEに対し30重量%
以下とすることが好ましく、これを越えると延伸時にフ
ィルムが破断しやすい。特に好ましくは1〜10重量%
の範囲である。
【0024】そして、このフィルムからPTFE繊維を
製造するが、延伸フィルムから微細な繊維を得るために
は、延伸フィルムを擦過して開繊する方法が適用され
る。
【0025】例えば、図2に示すように、延伸フィルム
11を、針3を備えた回転ロール4で擦過して開繊する
ことにより、PTFE繊維1が得られる。この時、PT
FE繊維1が針3に絡み付くのを防ぐために、図示のよ
うに、高速、高圧の空気5を吹き付けることが好まし
い。
【0026】このようにして得られるPTFE繊維は、
その比表面積が、通常、0.3〜10m2 /gの範囲と
なる。なお、この比表面積は、BET吸着法により測定
することができる。
【0027】図1の模式図に示すように、このようにし
て得られたPTFE繊維1は、幹繊維1aから枝繊維1
bが分岐した形状であり、繊維表面からは光触媒粒子2
あるいは抗菌性粒子2が露出または突出している。この
分岐構造は、走査型電子顕微鏡(SEM)により倍率約
100〜500倍で観察できる。このように、分岐構造
をとることにより、交絡性が特に高くなる。また、光触
媒粒子等の一部が露出あるいは突出していることから、
殺菌性および抗菌性にも優れる。
【0028】つぎに、懸濁重合で得られたPTFEを用
いてPTFE繊維を製造する場合を説明する。すなわ
ち、まず、懸濁重合で得られたPTFE微粉末と光触媒
粒子および抗菌性粒子の少なくとも一方とを混合し、こ
の混合物を圧縮成形する。そして、この成型物を刃物で
削りフィルム状あるいはシート状に成形する。そして、
この成形物を延伸処理する。この延伸処理は、二本のロ
ール間で圧延しながら延伸する圧延延伸法を適用するこ
とが好ましい。また、前記圧延の温度は、PTFEの融
点以下でもよい。延伸倍率としては、延伸前の長さの3
倍以上が好ましい。なお、前記延伸処理に、前述の加熱
された回転速度の異なる2つのロール間の速度差による
延伸法を適用すると、圧縮成形時の微細な気孔が延伸時
に拡大されて破断の原因となって好ましくない。
【0029】この懸濁重合により得られたPTFEを用
いた製造方法の場合、前記光触媒粒子または抗菌性粒子
の配合量は、PTFEに対し、通常、1〜30重量%で
あり、好ましくは1〜10重量%である。また、前記延
伸フィルムの厚さは、通常、0.01〜0.1mmであ
る。
【0030】そして、前述の乳化重合の場合と同様の方
法により、前記延伸フィルムを擦過して開繊することに
より、図1に示すような分岐形状で光触媒粒子等の一部
が露出あるいは突出したPTFE繊維が得られる。
【0031】このようにして得られた本発明のPTFE
繊維は、繊維径が、通常1〜50μmの範囲であり、繊
維長は1〜150の範囲mmである。また、PTFE繊
維の見掛け比重は、通常、0.20〜2.2の範囲であ
り、比表面積は、通常、0.3〜10m2 /gの範囲で
ある。なお、好適範囲としては、繊維径が、1〜30μ
mの範囲であり、繊維長が1〜50mmの範囲である。
【0032】このようにして得られた本発明のPTFE
繊維は、常法により、フィルターや不織布等に加工され
る。この場合、本発明のPTFE繊維は、交絡性に優れ
ることから、加工が容易であり、また得られるフィルタ
ー等が緻密性に優れるようになる。
【0033】
【実施例】つぎに、実施例について説明する。
【0034】(実施例1)パラフィン系潤滑剤と酸化チ
タン(粒径0.5μm)とを混合し、この混合物と乳化
重合により得られたPTFEファインパウダー(比重:
2.154)とを混合した。ここで酸化チタンの配合割
合はPTFEファインパウダーに対して、2重量%であ
る。また、パラフィン系潤滑剤の配合割合は、PTFE
ファインパウダーに対して24重量%である。この混合
物をペースト押出し、ついでカレンダー加工し、厚さ
0.1mmの未焼成シートを得た。
【0035】この未焼成シートを温度280℃に加熱し
た状態で、前述の2つのロールの回転速度差による延伸
法により長手方向に4倍延伸し、ついで、温度350℃
で1分間加熱して焼成し、厚さ0.057mmの延伸フ
ィルムを得た。
【0036】そして、図2に示す方法により擦過、開繊
し、PTFE繊維を得た。この繊維を走査型電子顕微鏡
により観察(倍率500倍)した結果、繊維表面から酸
化チタンが突出し、かつ幹繊維から枝繊維が分岐してい
るのが観察された。このPTFE繊維の繊維径は平均の
繊度として、繊維径が9μmであった。また、このPT
FE繊維の比表面積をBET吸着法で測定した結果、
7.5m2 /gであった。
【0037】つぎに、このPTFE繊維をニードルパン
チング機にかけて交絡させ、目付け量400g/m2
フェルトを得た。このフェルトを用いてエアーフィルタ
ーを作製した。
【0038】(実施例2)パラフィン系潤滑剤、酸化チ
タン(粒径0.5μm)および銀ゼオライト(粒径2μ
m)を混合し、この混合物と実施例1と同じPTFEフ
ァインパウダーとを混合した。前記酸化チタンの配合量
は、PTFEファインパウダーに対して2重量%であ
り、銀ゼオライトの配合量もPTFEファインパウダー
に対して2重量%である。また、パラフィン系潤滑剤の
配合割合は、PTFEファインパウダーに対して25重
量%である。
【0039】そして、この混合物をペースト押出し、つ
いでカレンダー加工し、厚さ0.1mmの未焼成シート
を得た。その後は、実施例1と同様の方法により、延伸
してフィルムを形成し、擦過、開繊して、酸化チタンと
銀ゼオライトの両物質を含み、PTFE繊維を得た。
【0040】このPTFE繊維を、走査型電子顕微鏡に
より観察した結果、このPTFE繊維は分岐形状であ
り、繊維表面から酸化チタンおよび銀ゼオライトが突出
していた。また、このPTFE繊維の繊維径は平均の繊
度として、繊維径8μmであった。このPTFE繊維の
比表面積をBET吸着法により測定した結果、6m2
gであった。
【0041】このPTFE繊維をニードルパンチング機
にかけて交絡させ、目付け量400g/m2 のフェルト
を作製し、エアーフィルターを作製した。
【0042】(実施例3)懸濁重合により形成されたP
TFE粉末(比重:2.16)と酸化チタン(粒径0.
5μm)とを混合し、この混合物を円筒形金型に充填
し、圧力300kgf/cm2 で予備成形した。前記酸
化チタンの配合量はPTFE粉末に対して10重量%で
ある。
【0043】そして、温度380℃で3時間加温してP
TFE成形体を作製した。この成形体を刃物で削り出
し、厚さ0.1mmのフィルムを得た。このフィルムを
150℃に加熱した2本の圧延ロール間に導いて圧延延
伸し、厚さ0.05mmの延伸フィルムを得た。その
後、実施例1と同様にして擦過、開繊し、PTFE繊維
を得た。
【0044】このPTFE繊維を走査型電子顕微鏡によ
り観察した結果、繊維表面から酸化チタンが突出し、か
つ枝繊維が分岐しているのが観察された。このPTFE
繊維の繊維径は平均の繊度として、繊維径が7μmであ
った。また、このPTFE繊維の比表面積は、BET吸
着法で測定した結果、0.36m2 /gであった。
【0045】つぎに、PTFE繊維をニードルパンチン
グ機にかけて交絡させ、目付け量500g/m2 のフェ
ルトを得た。このフェルトを用いてエアーフィルターを
作製した。
【0046】このようにして得られた実施例1〜3のエ
アーフィルターについて、以下に示す方法により殺菌性
テストを行った。この結果を下記の表1に示す。
【0047】(殺菌テスト)エアーフィルターを100
mm×100mmの大きさに成形し試料とした。他方、
大腸菌を希釈した生理食塩水を準備した。そして、この
生理食塩水を前記試料エアーフィルターに噴霧した。そ
して、初期菌数(噴霧直後)、24時間後菌数、水銀灯
1時間照射後の菌数を計測した。すなわち、初期菌数
は、JIS L1902のシェークフラスコ法により評
価する。また、24時間後菌数は、室温で一般的な蛍光
灯による照射のもとで24時間放置した後、試料エアー
フィルターをシェークフラスコ法で評価する。また、水
銀灯1時間照射後菌数は、ブラックライト(紫外光:3
10〜400nm,1mW/cm2 )を試料エアーフィ
ルターに1時間照射し、前記24時間後菌数と同様にし
て大腸菌を評価した。なお、菌数の計数は、JIS L
1902により行った。
【0048】
【表1】
【0049】上記表1の結果から、実施例1〜3のエア
ーフィルターは、大腸菌の捕集性が高く、このことから
全実施例のエアーフィルターは緻密性が高いといえる。
また、全エアーフィルターは、水銀ランプの照射によ
り、その光触媒粒子の酸化作用が発現し、優れた殺菌効
果が認められた。特に、銀ゼオライトを併用した実施例
2のエアーフィルターでは、前記銀ゼオライトの抗菌作
用により、24時間後においても菌数が著しく減少し
た。また、この銀ゼオライトは、水銀ランプの照射によ
り再活性化が可能で、このため、実施例2のエアーフィ
ルターは、長寿命であった。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明のPTFE繊維
は、これをフィルターや不織布等に加工すれば、フィル
ム等に比べて表面積を大きくすることができ、前記光触
媒粒子等の性能を充分に発揮させることが可能となる。
また、本発明のPTFE繊維は、いわゆる分岐構造をと
る場合、交絡性が特に高くなり、これを用いたフィルタ
ー等の緻密性が特に優れるようになる。したがって、こ
のフィルター等は、細菌等の捕集性が高くなる。また、
前記光触媒粒子等において、殺菌性または抗菌性が光照
射により再活性化するものを選択して使用すれば、得ら
れるフィルター等が長寿命となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のPTFE繊維の形状の一例を示す模式
図である。
【図2】本発明のPTFE繊維の製造方法において、延
伸PTFEフィルムを擦過して開繊する一例を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 PTFE繊維 1a 幹繊維 1b 枝繊維 2 光触媒粒子または抗菌性粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A01N 59/20 A01N 59/20 B01J 35/02 B01J 35/02 J D01F 1/10 D01F 1/10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光触媒粒子および抗菌性粒子の少なくと
    も一方を含有するポリテトラフルオロエチレン繊維。
  2. 【請求項2】 ポリテトラフルオロエチレン繊維の形状
    が、幹繊維から枝繊維が分岐した形状である請求項1記
    載のポリテトラフルオロエチレン繊維。
  3. 【請求項3】 粒子の一部が繊維表面に露出している請
    求項1または2記載のポリテトラフルオロエチレン繊
    維。
  4. 【請求項4】 光触媒粒子が、TiO2 粒子、ZnO粒
    子、Fe23粒子、CdS粒子、CdSe粒子、SrT
    iO3 粒子からなる群から選択された少なくとも一つの
    光触媒粒子である請求項1〜3のいずれか一項に記載の
    ポリテトラフルオロエチレン繊維。
  5. 【請求項5】 抗菌性粒子が、下記(A)の化合物およ
    び下記(B)の化合物の少なくとも一つの化合物である
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリテトラフルオ
    ロエチレン繊維。 (A) 高シリカゼオライト、ソーダライトおよびモル
    デナイトからなる群から選択されたいずれか一つのゼオ
    ライトと、銀イオン、銅イオン、亜鉛イオン、水銀イオ
    ン、スズイオン、鉛イオン、チタンイオンからなる群か
    ら選択されたいずれか一つの金属イオンとの化合物。 (B) シリカゲル、セラミックおよびリン酸塩からな
    る群から選択されたいずれか一つと金属との化合物。
  6. 【請求項6】 光触媒粒子および抗菌性粒子の合計配合
    割合が、ポリテトラフルオロエチレンに対し、1〜30
    重量%である請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリ
    テトラフルオロエチレン繊維。
  7. 【請求項7】 繊維の比表面積が、0.3〜10m2
    gの範囲である請求項1〜6のいずれか一項に記載のポ
    リテトラフルオロエチレン繊維。
  8. 【請求項8】 光触媒粒子および抗菌性粒子の少なくと
    も一方を含むポリテトラフルオロエチレンフィルムを延
    伸処理し、この延伸ポリテトラフルオロエチレンフィル
    ムを擦過して開繊するポリテトラフルオロエチレン繊維
    の製造方法。
JP8068192A 1996-03-25 1996-03-25 ポリテトラフルオロエチレン繊維およびその製造方法 Pending JPH09256217A (ja)

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