JPH09256018A - 竪型鉄スクラップ溶解炉の原料装入方法 - Google Patents
竪型鉄スクラップ溶解炉の原料装入方法Info
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Abstract
解を可能とする、竪型鉄スクラップ溶解炉における鉄ス
クラップおよびコークスの装入方法を提供する。 【解決手段】 炉下部に送風羽口4、5を設け、炉頂か
ら原料を装入する竪型溶解炉1において鉄スクラップ7
を溶解するに際し、炉頂中心に配設した装入管2の下端
を、炉内装入物表面から、h≦(r−r’)tanθを
満足する高さhに設定し、該装入管から、WS ≦1/3 ・
πr3・tanθ・ρS を満足する装入量W S の鉄スクラ
ップを装入し、ついでコークスを装入する(r:溶解炉
の炉内半径、r’:装入管の内径、θ:鉄スクラップの
安息角、ρS :鉄スクラップの嵩比重)。
Description
解法に関し、とくに、竪型溶解炉を用いた鉄スクラップ
の溶解法における原料装入方法に関する。
銑を冷却した冷銑に加えて、鉄スクラップがある。近
年、環境保全、エネルギー節約、製鋼コストの低減等の
観点から鉄スクラップのリサイクルが注目されている。
は、鉄鉱石を還元して得られる溶銑を用いる場合に比較
して、還元熱量だけエネルギー使用量は少なくなる。ま
た、原料の事前処理を簡略化できるため、設備が小規模
ですむといった利点がある。しかし、鉄スクラップの溶
解を、電気エネルギーを利用したアーク電気炉や誘導溶
解炉で行った場合には、発電時のエネルギー変換効率が
約35%と低いことを考慮するとエネルギー使用量の点
で不利になる。
による鉄スクラップの溶解が注目されている。竪型炉
(キュポラ)では、安価な熱源であるコークスが利用で
き、装入物量をある一定値以上確保できれば排ガス温度
が低く抑えられ熱効率の向上が期待できるなど、コスト
およびエネルギー使用量の面で有利である。しかしなが
ら、従来の竪型炉(キュポラ)による鉄スクラップの溶
解においては、炉頂部の排ガス組成から計算される二次
燃焼率(CO2 ×100/(CO+CO2 ))は40%
程度であり、さらに、送風羽口を2段にして、一次送風
で生成するCOガスを、二次送風によりCO2 まで燃焼
しても、二次燃焼率はたかだか50%程度にしかならな
い。これは、CO2 ガスがコークス層を通過する時、C
O2 +C=2COなる反応(ソリューションロス反応)
が生ずるためである。この反応はコークス温度が700
℃以上になると顕著になる。したがって、この反応は、
コークスを無駄に消費し、さらに吸熱反応であるため、
鉄スクラップの加熱・溶解をも阻害し、竪型炉の熱効率
向上の大きな妨げとなっている。
1401号公報には、鉄源と炭材の装入位置を変えた竪
型炉が提案されている。図3に示すように、鉄源は竪型
炉の高炉炉頂から、炭材は炉床上部側のフィーダから装
入されるため、高炉部には鉄源のみの充填層が形成され
る。このため、高炉部ではソリューションロス反応は生
じない。この竪型炉によれば、二次燃焼率が向上し、熱
エネルギーを有効に鉄源の溶解に利用できるとしてい
る。
竪型炉と比較して、炉頂部の原料装入装置の構造が複雑
すぎ、また、高炉部の充填層は、嵩比重の小さい鉄スク
ラップのみとなり、高温ガスにより鉄スクラップが軟化
変形、あるいは部分溶融し、鉄スクラップ同士の融着に
よる棚吊り現象を生じる。このため、ガスの通気性が阻
害され、安定操業が困難になるという問題点があった。
竪型炉横断面内の原料装入分布を変更して、ソリューシ
ョンロス反応を抑えた熱効率の高い操業が可能な原料装
入方法が提案されている。図4に示すように、一次羽口
の部位では、コークスを炉壁周辺に、スクラップを中心
に、装入し、多段羽口の場合には、上部羽口をスクラッ
プとコークスの境界領域あるいはコークスの存在しない
領域に突き出し、さらに、細粒コークスを使用すること
により、コークス層内の通気抵抗が高くなり、主流ガス
はスクラップ層を流れ、ソリューションロス反応を抑え
た熱効率の高い操業が可能になる。
ラヘ適用するためには、粒径の小さいコークスおよびス
クラップを用いる必要があること、さらに、原料詰まり
を防止するため粒度分布を狭い範囲で調整する必要があ
ることなど、通気性の低下により安定操業が阻害された
り、原料選択の自由度が低下するなどの問題点があっ
た。
題点に鑑みなされたものであり、エネルギー利用効率の
高い鉄スクラップの溶解を可能とする、竪型鉄スクラッ
プ溶解炉における鉄スクラップおよびコークスの装入方
法を提供することを目的とする。
を設置した竪型炉においても、二次燃焼率の向上が達成
できない原因について、鋭意検討した結果、コークスの
装入状態に原因があり、鉄スクラップとコークスを別々
に装入することにより、炉内横断面における鉄スクラッ
プとコークスを区分することが可能となり、二次燃焼率
が高い鉄スクラップ溶解が達成できるという知見を得
た。本発明は、上記知見に基づき構成したものである。
設け、炉頂から原料を装入する竪型溶解炉において鉄ス
クラップを溶解するに際し、炉頂中心に配設した装入管
の下端を、炉内装入物表面から下記(1)式を満足する
高さhに設定したのち、該装入管から下記(2)式を満
足する装入量WS の鉄スクラップを装入し、ついで、該
装入管からコークスを装入する工程を繰り返すことを特
徴とする竪型鉄スクラップ溶解炉の原料装入方法であ
る。(1)式は、h≦(r−r’)tanθ、(2)式
は、WS ≦1/3・πr3・tanθ・ρS である。ここ
に、h:装入物表面からの高さ(m)、r:溶解炉の炉
内半径(m)、r’:装入管の内径(m)、θ:鉄スク
ラップの安息角(deg.)、WS :一回当たりの鉄スクラ
ップの装入量(kg/ch)、ρS :鉄スクラップの嵩比重
(kg/m3)である。また本発明は、前記鉄スクラップお
よび前記コークスが、該溶解炉の内径の1/3以下の最
大粒径を有する鉄スクラップ、コークスであるのが好適
である。
クスを別々に、炉頂中心に配設された装入管から装入す
る。鉄スクラップとコークスを別々に装入することで、
炉内横断面において鉄スクラップとコークスを区分する
ことができるようになる。本発明で好適に使用できる竪
型炉は、例えば図1に示すような、炉下部に多段(図中
では3段)の送風羽口を設け、炉頂から原料を装入する
形式の竪型炉1である。炉頂に配設される装入管2は、
炉頂中心に設置され、炉横断面の中心に沿って、炉頂か
ら炉底まで移動できる。装入管2には、鉄スクラップ7
とコークス6を別々にベルトコンベヤ3から装入できる
ように別々の装入口2a、2aが配設されるのが望まし
い。送風羽口は、一次送風羽口4、二次燃焼用羽口5が
設置され、該羽口から空気、あるいは酸素富化空気8を
送風し連続的に溶銑9を製造する。
ついで、炉頂中心に配設された前記装入管の下端を、す
でに装入されている装入物表面から、(1)式 h≦(r−r’)tanθ ……… (1) ここに、h:装入物表面からの高さ(m) r:溶解炉の炉内半径(m) r’:装入管の内径(m) θ:鉄スクラップの安息角(deg.) を満足する高さhに設定し、その高さに設定した装入管
から(2)式 WS ≦1/3・πr3・tanθ・ρS ……… (2) ここに、WS :一回当たりの鉄スクラップの装入量(kg
/ch) r:溶解炉の炉内半径(m) θ:鉄スクラップの安息角(deg.) ρS :鉄スクラップの嵩比重(kg/m3) を満足する装入量WS の鉄スクラップを装入する。装入
管の下端の高さと、装入する鉄スクラップの量を限定す
ることにより、装入直後には、鉄スクラップは、図1
(c)に示すような、安息角に従った炉中央がもっとも
高い凸状に堆積する。(1)式から得られる高さhを超
えて装入管の下端を設定すると、鉄スクラップの装入後
の堆積形状を図1(c)のような形状に安定して形成で
きない。それは、原料の落下高さの増加に伴い、原料の
装入物面が平坦化する。すなわち、安息角が減少するた
めである。さらに、鉄スクラップの装入量が(2)式を
満足しないと、鉄スクラップの装入後の堆積形状を図1
(c)のような形状に安定して形成できない。hとWS
が(1)、(2)式を同時に満足してはじめてコークス
と鉄スクラップが分離して分布するようになる。
て、装入管からコークスを装入する。これにより、コー
クスは鉄スクラップの堆積山に沿って炉壁近くに落下堆
積することになる。この状況は、模式的に、図1(b)
に図1(a)のA−A視として示す。装入する鉄スクラ
ップおよびコークスは、該溶解炉の内径の1/3以下の
最大粒径を有するものが好適である。小型の溶解炉にお
いても、通気性の確保と、鉄スクラップとコークスを分
離して分布させるためには、鉄スクラップ、コークスの
最大粒径を規制するのが好ましい。鉄スクラップ、コー
クスの最大粒径が該溶解炉の内径の1/3を超えると、
鉄スクラップとコークスの分布形態を制御するのが難し
くなり、炉内装入原料の降下が不安定になりやすい。
ークスの装入からなる工程を、順次繰り返し、竪型炉の
高さ方向にわたって、原料を装入する。本発明によれ
ば、図1(a)に示すように、炉中央に鉄コークスが、
炉壁近傍にコークスが分布する。原料の装入高さは、溶
解操業、鉄スクラップ溶解の進行に応じて、装入管を高
さ方向にスライドして、任意に決定できる。
有するキュポラを用いて、20tonの鉄スクラップを
溶解した。用いた鉄スクラップは25〜150mmのシ
ュレッダー屑を用い、炭材は30〜75mmの高炉コー
クスを使用した。鉄スクラップ炭材の最大粒径はいずれ
も炉内径の1/3以下である。
ら1.1mの高さまで装入する。装入管の下端は、装入
物表面から(1)式を満足する高さh=0.09mの位
置に設定し、鉄スクラップを装入した((1)式の右
辺:(r−r’)tanθは、r=0.3m、r’=
0.175m、θ=35°から0.09mである。)。
1回の鉄スクラップ装入量は、(2)式を満足するWS
=25kgとした(なお、(2)式の右辺:1/3・π
r3・tanθ・ρS は、r=0.3m、θ=35°、ρ
S =1250kg/m3 から25である。)。
せ、炭材として高炉コークス、造滓材として石灰石を装
入した。コークスの1回の装入量は、1回の鉄スクラッ
プ装入量を溶解し、溶銑中炭素濃度が3.5wt%とな
るに十分な量(3.1kg)とした。この後、鉄スクラ
ップを装入し、ついで、高炉コークスと石灰石を装入す
る工程を繰り返し、一次送風羽口から3.5m高さまで
装入した。
から送風空気中の酸素流量の合計を378Nm3 /hr
としたうえで、一次送風羽口からは酸素濃度が23%の
酸素富化空気を、二次燃焼用羽口からは空気を供給し、
溶解速度が3ton/hrとなるようにした。溶解開始
後、装入物高さが3.5±0.2mとなるように、原料
の装入間隔を調整しながら溶解した。操業中に鉄スクラ
ップを装入するに際し、装入管の下端を、装入物から
(1)式を満足する高さh=0.09mに、高炉コーク
スを装入するに際し、装入管の下端を装入物から0.3
5mの高さに設定した。
/ton、炉頂排ガスの二次燃焼率は87%であった。 (比較例1)内径0.6mで3ton/hrの溶解能力
を有するキュポラを用いて、20tonの鉄スクラップ
を溶解した。装入管は、高さ方向にスライドしない固定
形式とした。用いた鉄スクラップは25〜150mmの
シュレッダー屑を用い、炭材は30〜75mmの高炉コ
ークスを使用した。鉄スクラップ、コークスとも最大粒
径は溶解炉内径の1/3以下である。
ら1.1mの高さまで装入する。装入管から、鉄スクラ
ップと高炉コークスを交互に装入した。その結果、図2
に示すような分布となった。1回の鉄スクラップ装入量
は、WS =150kgとした。ついで、炭材のコークス
を装入した。コークスの1回の装入量は、1回の鉄スク
ラップ装入量を溶解し、溶銑中炭素濃度が3.5wt%
となるに十分な量(22kg)とした。
高炉コークスと石灰石を装入する工程を繰り返し、一次
送風羽口から3.5m高さまで装入した。送風は、一次
送風羽口と二次燃焼用羽口とから送風空気中の酸素流量
の合計を378Nm3 /hrとしたうえで、一次送風羽
口からは酸素濃度が29%の酸素富化空気を、二次燃焼
用羽口からは空気を供給し、溶解速度が3ton/hr
となるようにした。
mとなるように、装入間隔を調整しながら溶解した。そ
の結果、コークス原単位は147kg/ton、炉頂排
ガスの二次燃焼率は46%であった。 (比較例2)内径0.6mで3ton/hrの溶解能力
を有するキュポラを用いて、20tonの鉄スクラップ
を溶解した。用いた鉄スクラップは25〜150mmの
シュレッダー屑を用い、炭材は30〜75mmの高炉コ
ークスを使用した。鉄スクラップおよびコークスとも最
大粒径は、溶解炉の1/3以下である。
ら1.1mの高さまで装入する。装入管の下端は、装入
物表面から(1)式を満足しない高さh=0.6mの位
置に設定し、鉄スクラップを装入した((1)式の右
辺:0.09mである。)。1回の鉄スクラップ装入量
は、(2)式を満足しないWS =50kgとした(な
お、(2)式の右辺:25kgである。)。
せ、炭材として高炉コークス、造滓材として石灰石を装
入した。コークスの1回の装入量は、1回の鉄スクラッ
プ装入量を溶解し、溶銑中炭素濃度が3.5wt%とな
るに十分な量(7.2kg)とした。その後、鉄スクラ
ップを装入し、ついで、高炉コークスと石灰石を装入す
る工程を繰り返し、一次送風羽口から3.5m高さまで
装入した。
から送風空気中の酸素流量の合計を378Nm3 /hr
としたうえで、一次送風羽口からは酸素濃度が27%の
酸素富化空気を、二次燃焼用羽口からは空気を供給し、
溶解速度が3ton/hrとなるようにした。溶解開始
後、装入物高さが3.5±0.2mとなるように、装入
間隔を調整しながら溶解した。操業中に鉄スクラップを
装入するに際し、装入管の下端を、装入物から(1)式
を満足しない高さh=0.6mに、高炉コークスを装入
するに際し、装入管の下端を装入物から0.35mの高
さに設定した。
/ton、炉頂排ガスの二次燃焼率は50%であった。
による鉄スクラップ溶解において、従来に比較し、低コ
ークス原単位、すなわちエネルギー使用量が低く、エネ
ルギー利用効率の高い操業が可能となり、環境保全、エ
ネルギー節約、製鋼コストの低減等の対策として貢献で
きる。
本発明の方法による原料の充填状況を示す縦断面と充填
層の横断面(a)、(a)のA−A視(b)、および本
発明の方法による1回の装入状況の縦断面(c)を示す
説明図である。
充填層各位置での横断面である(a)のA−A視
(b)、(a)のB−B視(c)を示す説明図である。
(b)である。
断面図(a)および炉頂付近の構造を示す縦断面図
(b)である。
Claims (2)
- 【請求項1】 炉下部に送風羽口を設け、炉頂から原料
を装入する竪型溶解炉において鉄スクラップを溶解する
に際し、炉頂中心に配設した装入管の下端を、炉内装入
物表面から下記(1)式を満足する高さhに設定したの
ち、該装入管から下記(2)式を満足する装入量WS の
鉄スクラップを装入し、ついで、該装入管からコークス
を装入する工程を繰り返すことを特徴とする竪型鉄スク
ラップ溶解炉の原料装入方法。 記 h≦(r−r’)tanθ ……… (1) WS ≦1/3・πr3・tanθ・ρS ……… (2) ここに、h:装入物表面からの高さ(m) r:溶解炉の炉内半径 (m) r’:装入管の内径 (m) θ:鉄スクラップの安息角(deg.) WS :一回当たりの鉄スクラップの装入量(kg/ch) ρS :鉄スクラップの嵩比重(kg/m3) - 【請求項2】 前記鉄スクラップおよび前記コークス
が、該溶解炉の内径の1/3以下の最大粒径を有するも
のであることを特徴とする請求項1記載の竪型鉄スクラ
ップ溶解炉の原料装入方法。
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