JPH09254111A - コンクリート製品の製法およびそれによって得られるコンクリート製品 - Google Patents

コンクリート製品の製法およびそれによって得られるコンクリート製品

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JPH09254111A
JPH09254111A JP6475496A JP6475496A JPH09254111A JP H09254111 A JPH09254111 A JP H09254111A JP 6475496 A JP6475496 A JP 6475496A JP 6475496 A JP6475496 A JP 6475496A JP H09254111 A JPH09254111 A JP H09254111A
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JP
Japan
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concrete
concrete product
particles
light
phosphorescent
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JP6475496A
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Shigeru Matsunami
茂 松並
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】長期間の使用に耐え、しかも、夜間表示性能に
も優れるコンクリート製品の製造が可能なコンクリート
製品の製法およびそれによって得られるコンクリート製
品を提供する。 【解決手段】コンクリート材料5中の水分等により粘着
力が減少する粘着剤層2を介して表面に多数の蓄光性粒
状物3が分布されて保持された型枠1を準備し、上記蓄
光性粒状物3が分布されて保持された型枠1の表面を接
触面にしてコンクリート材料5を打設し、上記コンクリ
ート材料5を養生硬化させるとともに、コンクリート材
料5中の水分等により上記粘着剤層2の粘着力を減少さ
せて上記蓄光性粒状物3をコンクリート製品の表面に移
行埋設させるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自然光や人工光が
照射されることにより、その光を蓄え、暗所や夜間等に
おいても発光を続ける蓄光性を備えたコンクリート製品
の製法およびそれによって得られるコンクリート製品に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、道路の縁石等として用いられる
コンクリート製品は、夜間に道路を走行する自動車の運
転者等から見えやすくして安全性を高める目的で、夜間
標示機能をもたせたものが用いられている。このような
コンクリート製品として、従来から、図11に示すよう
な、コンクリート製の縁石等の上面と、車道側を向く
側面とに、蛍光塗料を塗布して乾燥固化し、表面に蛍光
皮膜41を形成させたコンクリート製品42や、縁石
等の上面と、車道側を向く側面とに、金属製もしくはプ
ラスチック製の発光体や反射板47を取り付けたコンク
リート製品45、あるいは、縁石等の上面と、車道側
を向く側面とに、樹脂層43を形成し、その表面にガラ
スビーズ44を散布して固着させたコンクリート製品4
6等が用いられている。これらのコンクリート製品4
2,45,46は、それぞれ蛍光皮膜41,発光体や反
射板47,ガラスビーズ44等により、車両のヘッドラ
イト等から照射された光を反射等させ、その光が運転者
から見えるようになっている。
【0003】これらのコンクリート製品42,45,4
6を製造する場合には、まず、所定のコンクリート製品
形状に成形する型枠を準備し、この型枠にコンクリート
材料を打設して養生硬化させたのち、型枠から取り出し
てコンクリートを成形する。ついで、このコンクリート
の表面に、蛍光皮膜41を形成させる表面処理を行った
り、発光体や反射板47を取り付けたり、あるいは、ガ
ラスビーズ44の散布,固着処理を行ったりする。この
ようにして、上述の各コンクリート製品42,45,4
6が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の製法では、コンクリート材料を型枠に打設し、養生
硬化させて、一旦コンクリートを成形する工程を行い、
そののち、上記コンクリートに対して所定の表面処理等
を施す後工程を行う。このため、製造工程が2段階必要
であり、そのための設備が別途必要になるうえ、製作期
間が長くかかり、コスト高になるという問題がある。ま
た、現場で直接コンクリート材料を打設する現場施工の
場合には、上記表面処理等の後工程もその現場で行う必
要があるため、後工程を実施するための設備を現場まで
移動させなければならない等の不都合があることから、
現場施工が非常に行いづらいという欠点を有している。
【0005】また、上記従来の蛍光皮膜41を形成させ
たコンクリート製品42では、上記蛍光皮膜41が摩擦
や衝撃等で剥がれたり汚れたりするため、その効果が早
期に失われるという問題がある。また、発光体や反射板
47を取り付けたコンクリート製品45は、上記発光体
や反射板47が、コンクリートの表面から突出している
ため、この発光体や反射板47が衝撃等で破損したり脱
落したりしやすく、長期間の使用に耐えるものではな
い。さらに、ガラスビーズ44を固着させたコンクリー
ト製品46は、樹脂層43に固着させたガラスビーズ4
4が摩擦や衝撃で剥離したり脱落したりしやすいため、
やはり長期間の使用には耐えない。このように、従来の
コンクリート製品42,45,46は、いずれも長期間
の使用に耐えられるものではなく、短期間でのメンテナ
ンスが必要になる。ところが、上述したように、従来の
製法では現場施工が困難であるため、現場でのメンテナ
ンスが行い難く、結果的に、コンクリート製品42,4
5,46自体を短期間で交換しなければならないという
問題がある。
【0006】しかも、上記従来の蛍光皮膜41を形成さ
せたコンクリート製品42は、図12に示すように、車
両48のヘッドライト48aから照射された光の多く
が、コンクリート製品42に対して斜めに入射したのち
前方に向かって反射する(光跡を矢印Aで示す)ため、
車両側に戻ってくる光の量が少なく、夜間標示性能に劣
るという問題がある。また、上記ガラスビーズ44を固
着したコンクリート製品46は、ガラスビーズ44がコ
ンクリート製品46等の上面には充分付着しているが、
側面(すなわち、垂直面や傾斜面)にはほとんど付着し
ないため、その夜間標示性能が悪いという問題がある。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、長期間の使用に耐え、しかも、夜間標示性能に
も優れるコンクリート製品の製造が可能なコンクリート
製品の製法およびそれによって得られるコンクリート製
品の提供をその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のコンクリート製品の製法は、コンクリート
材料中の水分等により粘着力が減少する粘着剤層を介し
て表面に多数の蓄光性粒状物が分布されて保持された型
枠を準備し、上記蓄光性粒状物が分布されて保持された
型枠の表面を接触面にしてコンクリート材料を打設し、
上記コンクリート材料を養生硬化させるとともに、コン
クリート材料中の水分等により上記粘着剤層の粘着力を
減少させて上記蓄光性粒状物をコンクリート製品の表面
に移行埋設させることを要旨とするものである。
【0009】また、本発明のコンクリート製品は、それ
自身の表面に、多数の蓄光性粒状物が埋設された状態で
分布していることを要旨とするものである。
【0010】すなわち、本発明のコンクリート製品の製
法は、コンクリート材料中の水分等により粘着力が減少
する粘着剤層を介して表面に多数の蓄光性粒状物が分布
されて保持された型枠を準備し、上記蓄光性粒状物が分
布されて保持された型枠の表面を接触面にしてコンクリ
ート材料を打設するため、打設されたコンクリート材料
の水分等によって上記粘着剤層の粘着力が減少し、上記
粘着剤層に保持されていた蓄光性粒状物が、固まりつつ
あるコンクリート製品の表面に移行し、その一部もしく
は全部が埋設される。このように、本発明では、型枠に
打設したコンクリート材料の養生硬化と、コンクリート
製品の表面への蓄光性粒状物の埋設とを同時に行う。し
たがって、従来あった2工程(コンクリートの成形工程
と、表面処理等の後工程)のうちの後工程が不要にな
り、成形工程だけで製造できるようになる。このため、
上記後工程に要していた設備が不要になるとともに、製
作期間も短縮され、コスト的に安く製造することができ
る。また、現場で直接コンクリート材料を打設する現場
施工の場合にも、コンクリート材料の打設,養生硬化
と、コンクリート製品表面への蓄光性粒状物の埋設とを
同時に行うため、従来のように、後工程用の設備等を現
場まで移動させる必要がなく、現場施工が行いやすいと
いう利点もある。
【0011】しかも、本発明のコンクリート製品の製法
は、上記蓄光性粒状物を型枠の表面に粘着剤層を介して
分布させて保持させ、この表面を接触面にしてコンクリ
ート材料を打設してコンクリート製品の表面に蓄光性粒
状物を埋設するようにしているため、コンクリート製品
の垂直面や傾斜面等であっても充分に多数の蓄光性粒状
物を埋設させることができる。したがって、このように
して得られたコンクリート製品は、従来のガラスビーズ
44を固着させたコンクリート製品46で見られたよう
な垂直面や傾斜面等における反射性能が悪くなるという
不都合が生じず、充分な夜間表示性能を有する。
【0012】また、本発明のコンクリート製品は、コン
クリート製品の表面に蓄光性粒状物が埋設された状態で
分布している。このため、コンクリート製品の表面に分
布した各蓄光性粒状物は、硬化したコンクリートで包ま
れて固められていることから、摩擦や衝撃等の外力が加
わっても、各蓄光性粒状物は上記コンクリートで守ら
れ、蓄光性粒状物が脱落したり剥離したりすることがな
くなる。したがって、従来のように、コンクリート製品
自体を短期間でメンテナンスしたり交換したりする必要
がなくなり、長期間にわたって使用することができるよ
うになる。しかも、発光性を持たせるのに必要なコンク
リート製品の表面部分だけに蓄光性粒状物を埋設するよ
うにしていることから、蓄光性粒状物の使用量が最小限
ですみ、コスト的にも有利である。
【0013】さらに、本発明のコンクリート製品は、表
面に多数の蓄光性粒状物が埋設された状態で分布してい
る。このため、上記蓄光性粒状物は、太陽光や人工光が
照射されることにより光を蓄え、暗所や夜間において上
記蓄光性粒状物自体が発光を続ける。したがって、コン
クリート製品自体が発光するという従来にはない優れた
特性が与えられ、光の反射で夜間標示を行うものと比べ
て夜間標示性能に優れ、道路の縁石等に用いた場合に視
認性に優れ、安全性が高くなる。
【0014】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0015】本発明のコンクリート製品の製法は、ま
ず、コンクリート材料中の水分等により粘着力が減少す
る粘着剤層を介して表面に多数の蓄光性粒状物が分布さ
れて保持された型枠を準備する、ついで、上記蓄光性粒
状物が分布した型枠の表面を接触面にしてコンクリート
材料を打設し、上記コンクリート材料を養生硬化させる
とともに、コンクリート材料中の水分等により上記粘着
剤の粘着力を減少させて上記蓄光性粒状物をコンクリー
ト表面に移行埋設させる。
【0016】上記蓄光性粒状物の材料としては、特に限
定されるものではなく、例えば、CaS:Bi(紫青色
発光),CaSrS:Bi(青色発光),ZnS:Cu
(緑色発光),ZnCdS:Cu(黄色〜橙色発光)等
の硫化物系蓄光性蛍光体や、CaAl2 4 ,SrAl
2 4 ,BaAl2 4 ,CaAl2 27 , 等を主
成分とし、これらにEuを添加したり、さらにそれにL
a,Ce,Pr,Sm,Gd,Tb,Ho,Er,T
m,Yb,Lu,Mn,Sn,Bi,Dy,Nd等を添
加した蓄光性蛍光体がある。このような蓄光性蛍光体か
らなる蓄光性粒状物は、1種類でもしくは2種類以上が
混合されて使用される。また、蓄光性粒状物は、平均粒
径1〜100μmの粉末状のものが用いられ、好ましく
は、5〜30μmのものが用いられる。
【0017】また、蓄光性粒状物として、上記粉末状の
蓄光性蛍光体を透明樹脂に10〜50重量%混合し、混
練して粒状化したものを用いてもよい。この場合、その
平均粒径は、0.1〜20mmのものが用いられ、好ま
しくは、1〜5mmものが用いられる。すなわち、本発
明において蓄光性粒状物とは、上述したような粉末状の
蓄光性蛍光体(蓄光性粉末)それ自体、および、粉末状
の蓄光性蛍光体(蓄光性粉末)を透明樹脂に混練して粒
状化したものの双方を含む趣旨である。
【0018】上記コンクリート材料中の水分等により粘
着力が減少する粘着剤としては、例えば、コンクリート
材料中の水分と会って粘着力が低下または消失するメチ
ルセルロース接着剤,ポリビニルアルコール接着剤,水
ガラス等があげられる。また、コンクリート材料中のア
ルカリ成分と会って粘着力が低下または消失する二液型
アクリル系接着剤等があげられる。上記粘着剤の粘度
は、粘着剤層の粘着力を減少させて蓄光性粒状物をコン
クリート製品の表面に良好に移行埋設させるという観点
から、5000〜26000mPa・sのものが用いら
れ、8000〜16000mPa・sであればさらに好
ましい。
【0019】上記コンクリート材料としては、特に限定
するものではなく、従来公知のセメント粉末と水と砂等
の骨材とを混合して得られるものが用いられる。このセ
メント粉末としては、特に限定するものではなく、各種
のセメント粉末が用いられ、例えば、アルミナセメント
等の水硬性セメント等が用いられる。
【0020】上記セメント粉末には、必要に応じて顔料
を混入使用することができる。この場合には、コンクリ
ートの色を色濃くすることにより、蓄光性粒状物が発光
した際に一層その発光が鮮明に見えるようになる。上記
顔料としては、変色,褪色,劣化等の恐れがなく耐久性
に優れた無機顔料を用いることが好ましく、例えば、F
2 3 ,CrO3 等の金属酸化物があげられる。
【0021】上記型枠としては、木製,鋼板製等各種の
ものが用いられ、特に限定されるものではなく、例え
ば、硬質発泡ウレタン樹脂製のもの等も用いることがで
きる。この硬質発泡ウレタン樹脂製の型枠は、金型に液
体発泡ウレタン樹脂を注入して硬化させることにより製
造され、表面に凹凸模様を設ける等、所望の形状に成形
することが可能である。また、この硬質発泡ウレタン樹
脂製の型枠は、内部が発泡層に、金型表面に接する表面
が緻密なインテグラルスキン層に形成されている。この
インテグラルスキン層は、実質的に気泡が存在せず高密
度で緻密に形成され、表面平滑性に富んでおり、このイ
ンテグラルスキン層の平滑な表面を転写面として使用す
ることができる。
【0022】本発明のコンクリート製品は、つぎのよう
にして製造することができる。すなわち、まず、図1に
示すように、型枠1の表面に、粘着剤を塗布して粘着剤
層2を形成する。ついで、図2に示すように、上記粘着
剤層2の上に、多数の蓄光性粒状物3を散布等により分
布させて保持させる。つぎに、図3に示すように、上記
蓄光性粒状物3が分布されて保持された型枠1の表面を
内側にして、他の型枠4を組付け、所定のコンクリート
製品を形成する型を作製する。そののち、図4に示すよ
うに、上記蓄光性粒状物3が分布されて保持された型枠
1の表面を接触面にしてコンクリート材料5を打設す
る。このとき、上記コンクリート材料5の養生硬化とと
もに、コンクリート材料5中の水分等によって上記粘着
剤層2の粘着力が減少し、この粘着剤層2に保持されて
いた蓄光性粒状物3が、固まりつつあるコンクリート製
品の表面層内に移行し、一部もしくは全部が埋設され
る。そして、コンクリート材料5が養生硬化したのち、
図5に示すように、生成コンクリート製品6から上記型
枠1,4を剥離する。このとき、蓄光性粒状物3の型枠
1に対する固定に、コンクリート材料5中の水分等によ
って粘着力が減少する粘着剤を使用していることから、
生成コンクリート製品6の表面からの型枠1の剥離が容
易になる。これら一連の工程により、図6に示すよう
な、表面に蓄光性粒状物3が移行埋設されたコンクリー
ト製品6が得られる。
【0023】ここで、型枠1の表面に粘着剤層2を形成
させる方法としては、刷毛等を用いた塗布の他、スプレ
ーによる噴霧法,かけ流し法等各種の方法が行われ、特
に限定するものではない。このときの、粘着剤の塗布量
としては、コンクリート材料中の水分等によって粘着力
を減少させるという観点から100〜800g/m2
度が好ましく、200〜600g/m2 であればさらに
好ましい。
【0024】また、上記粘着剤層2の表面に蓄光性粒状
物3を分布させて保持させる方法としては、上記粘着剤
層2の上に上記蓄光性粒状物3を散布等し、粘着剤の粘
着力を利用して保持させることが行われる。また、粘着
剤層2上に蓄光性粒状物3を散布等したのち、表面から
押さえつけて上記粘着剤層2中に蓄光性粒状物3を部分
的に埋設させたり完全に埋設させたりしてもよい。さら
に、蓄光性粒状物3を粘着剤層2上に圧縮空気とともに
噴射させて吹きつけ、その噴射力で粘着剤層2上に蓄光
性粒状物3を付着させたり、部分的に埋設させたりして
もよい。このときの、上記蓄光性粒状物3の散布量とし
ては、コンクリート表面に斑点状に散布され、蓄光性が
継続性を有するという観点から100〜1000g/m
2 程度が好ましく、200〜500g/m2 であればさ
らに好ましい。
【0025】また、上記粘着剤層2を介して上記蓄光性
粒状物3を型枠1の表面に分布させて保持させる方法と
して、粘着剤中に、予め上記蓄光性粒状物3を混合して
おき、この混合溶液を型枠1の表面に塗布等し、蓄光性
粒状物3が分布された粘着剤層2を形成させるようにし
てもよい。
【0026】なお、蓄光性粒状物3を分布させて保持さ
せるのは、型枠1の表面の全面である必要はなく、一部
分であってもよい。例えば、「安全」の文字を裏返しに
した図形を描くように蓄光性粒状物3を分布させ、これ
を転写することにより、コンクリート製品6の表面に、
蓄光性粒状物3により上記図形が転写された「安全」の
文字を描くようにすることもできる。
【0027】このようにして製造したコンクリート製品
6は、例えば、図7に示すように、道路の縁石7や橋等
の高欄8等に適用することができる。この場合には、昼
間に照射される太陽光で蓄光性粒状物3が蓄光され、夜
間に上記蓄光性粒状物3が発光して走行する車両9の運
転者等から見えやすくなる。また、図8に示すように、
トンネル内に設置される縁石7aや高欄8a,内壁10
等にも適用することができる。この場合には、トンネル
内の照明11等の光によって蓄光性粒状物3が蓄光さ
れ、この蓄光性粒状物3が発光する。このようなコンク
リート製品6を、夜間走行において死角になりやすい場
所や、カーブ,交差点等の危険個所に設置することによ
り、運転者の視線誘導効果が発揮され、安全走行に寄与
するようになるのである。
【0028】図9は、本発明の第2の実施の形態例を示
す。すなわち、この方法は、硬質発泡ウレタン製の型枠
12の表面を凹凸12a面に形成し、この凹凸面12a
に粘着剤層2を介して蓄光性粒状物3を分布,保持させ
ておく。そして、コンクリート材料5を打設し、型枠1
2の凹凸面12aの蓄光性粒状物3を転写埋設するとと
もに、凹凸面12aの凹凸模様をコンクリート製品に転
写形成する。このようにして得られたコンクリート製品
は、表面に凹凸模様が現れて美しい外観が得られるとと
もに、表面の凹凸模様面(すなわち、コンクリート製品
の発光面である)に対して斜めの方向から、その発光面
が見えやすくなるという利点がある。
【0029】図10は、本発明の第3の実施の形態例の
コンクリート製品を示す。すなわち、このものは、側面
の部分に、突条13が縦向きに複数条形成されており、
これにより上記側面の部分がジグザグ状の凹凸面に形成
されている。そして、この凹凸面に上記蓄光性粒状物3
を埋設していることから、平坦面に蓄光性粒状物3を埋
設させたものと比べ、斜め方向から発光部が見えやすく
なる。このような突条13の表面形状は、鋸歯状や波形
状に形成されたものが望ましいが、これに限定するもの
ではなく、台形状等の形状に形成してもよい。
【0030】なお、上記各実施の形態例では、コンクリ
ート製品の表面に直接蓄光性粒状物3を埋設させたが、
これに限定するものではなく、上述の方法により表面に
蓄光性粒状物3が埋設されたコンクリート薄板パネルを
製作し、このコンクリート薄板パネルをコンクリート製
品の表面部に形成させた凹部に取り付けるようにしても
よい。
【0031】また、本発明のコンクリート製品6は、上
述した各実施の形態例のように、道路の縁石等に利用さ
れるだけでなく、道路標識や案内標識,安全誘導用表示
板,看板,港湾や空港での表示,地下道の壁面や地下鉄
の構内各所,ビル等の建造物の外壁面,内壁面,床面,
柱等にも使用することができる。このように、屋外,屋
内を問わず各種の用途に使用することにより、暗所や夜
間での表示効果等を向上させることができる。
【0032】
【発明の効果】以上のように、本発明のコンクリート製
品の製法によれば、打設されたコンクリート材料の水分
等によって上記粘着剤層の粘着力が減少し、上記粘着剤
層に保持されていた蓄光性粒状物が、固まりつつあるコ
ンクリート製品の表面に移行し、その一部もしくは全部
が埋設される。このように、本発明では、型枠に打設し
たコンクリート材料の養生硬化と、コンクリート製品の
表面への蓄光性粒状物の埋設とを同時に行う。したがっ
て、従来あった2工程(コンクリートの成形工程と、表
面処理等の後工程)のうちの後工程が不要になり、成形
工程だけで製造できるようになる。このため、上記後工
程に要していた設備が不要になるとともに、製作期間も
短縮され、コスト的に安く製造することができる。ま
た、現場で直接コンクリート材料を打設する現場施工の
場合にも、コンクリート材料の打設,養生硬化と、コン
クリート製品表面への蓄光性粒状物の埋設とを同時に行
うため、従来のように、後工程用の設備等を現場まで移
動させる必要がなく、現場施工が行いやすいという利点
もある。
【0033】しかも、本発明のコンクリート製品の製法
によれば、コンクリート製品の垂直面や傾斜面等であっ
ても充分に多数の蓄光性粒状物を埋設させることができ
る。したがって、このようにして得られたコンクリート
製品は、従来のガラスビーズ44を固着させたコンクリ
ート製品46で見られたような垂直面や傾斜面等におけ
る反射性能が悪くなるという不都合が生じず、充分な夜
間表示性能を有する。
【0034】また、本発明のコンクリート製品によれ
ば、コンクリート製品の表面に分布した各蓄光性粒状物
は、硬化したコンクリートで包まれて固められているこ
とから、摩擦や衝撃等の外力が加わっても、各蓄光性粒
状物は上記コンクリートで守られ、蓄光性粒状物が脱落
したり剥離したりすることがなくなる。したがって、従
来のように、コンクリート製品自体を短期間でメンテナ
ンスしたり交換したりする必要がなくなり、長期間にわ
たって使用することができるようになる。しかも、発光
性を持たせるのに必要なコンクリート製品の表面部分だ
けに蓄光性粒状物を埋設するようにしていることから、
蓄光性粒状物の使用量が最小限ですみ、コスト的にも有
利である。
【0035】さらに、本発明のコンクリート製品によれ
ば、蓄光性粒状物は、太陽光や人工光が照射されること
により光を蓄え、暗所や夜間において上記蓄光性粒状物
自体が発光を続ける。したがって、コンクリート製品自
体が発光するという従来にはない優れた特性が与えら
れ、光の反射で夜間標示を行うものと比べて夜間標示性
能に優れ、道路の縁石等に用いた場合に視認性に優れ、
安全性が高くなる。
【0036】つぎに、実施例について説明する。
【0037】
【実施例1】本発明のコンクリート製品の製法により、
下記の条件で、コンクリート製品を製造した。 コンクリート材料:レディ・ミクスト・コンクリート 蓄光性粒状物 :ポリカーボネート樹脂(S−3000(N),三菱ガス化学 社製)100重量部に、ケミテックピカリコ(CP−05, ケミテック社製)30重量部を混合後、2軸混練機で均一に 混練して粒状化した(粒径2.0mm)。 散布量500g/m2 粘着剤 :ポリビニルアルコール接着剤(粘度12000mPa・s) 塗布量450g/m2
【0038】このようにして得られたコンクリート製品
(縁石)に試験的に蛍光灯(40W)の光を180分間
照射し、暗所に配置したところ、10時間経過後でも、
発光を続けていた。また、下記の条件で行った摩擦試験
によっても、蓄光性粒状物が剥離脱落しなかった。摩擦
試験条件:サンシャインウエザオメーターによる表面洗
浄,磨耗試験により200時間照射した。
【0039】
【実施例2】本発明のコンクリート製品の製法により、
下記の条件で、コンクリート製品を製造した。すなわ
ち、 コンクリート材料:レディ・ミクスト・コンクリート 蓄光性粒状物 :シリコーン樹脂(TSE221−5U,東芝シリコーン社製 )100重量部に、ケミテックピカリコ(CP−05,ケミ テック社製)15重量部を混合後、2軸混練機で均一に混練 して粒状化した(粒径2.0mm)。 散布量500g/m2 粘着剤 :ポリビニルアルコール接着剤(粘度12000mPa・s) 塗布量450g/m2
【0040】このようにして得られたコンクリート製品
(縁石)に試験的に蛍光灯(40W)の光を180分間
照射し、暗所に配置したところ、10時間経過後でも、
発光を続けていた。また、下記の条件で行った摩擦試験
によっても、蓄光性粒状物が剥離脱落しなかった。 摩擦試験条件:サンシャインウエザオメーターによる表
面洗浄,磨耗試験により200時間照射した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンクリート製品の製法の工程を示す
説明図である。
【図2】上記工程を示す説明図である。
【図3】上記工程を示す説明図である。
【図4】上記工程を示す説明図である。
【図5】上記工程を示す説明図である。
【図6】本発明のコンクリート製品を示す断面図であ
る。
【図7】本発明のコンクリート製品の作用を示す説明図
である。
【図8】本発明のコンクリート製品の作用を示す説明図
である。
【図9】本発明の第2の実施の形態例の工程を示す説明
図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態例のコンクリート
製品を示す斜視図である。
【図11】(a)は表面に蛍光皮膜を形成させた従来の
コンクリート製品,(b)は表面に発光体もしくは反射
板を取り付けた従来のコンクリート製品,(c)は表面
にガラスビーズを固着させた従来のコンクリート製品を
示す説明図である。
【図12】従来のコンクリート製品の作用を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 型枠 2 粘着剤層 3 蓄光性粒状物 5 コンクリート材料

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート材料中の水分等により粘着
    力が減少する粘着剤層を介して表面に多数の蓄光性粒状
    物が分布されて保持された型枠を準備し、上記蓄光性粒
    状物が分布されて保持された型枠の表面を接触面にして
    コンクリート材料を打設し、上記コンクリート材料を養
    生硬化させるとともに、コンクリート材料中の水分等に
    より上記粘着剤層の粘着力を減少させて上記蓄光性粒状
    物をコンクリート製品の表面に移行埋設させることを特
    徴とするコンクリート製品の製法。
  2. 【請求項2】 蓄光性粒状物として、透明樹脂に蓄光性
    粉末を混練して粒状化したものを用いた請求項1記載の
    コンクリート製品。
  3. 【請求項3】 それ自身の表面に、多数の蓄光性粒状物
    が埋設された状態で分布していることを特徴とするコン
    クリート製品。
  4. 【請求項4】 蓄光性粒状物が、透明樹脂に蓄光性粉末
    を混練して粒状化したものである請求項3記載のコンク
    リート製品。
JP6475496A 1996-03-21 1996-03-21 コンクリート製品の製法およびそれによって得られるコンクリート製品 Pending JPH09254111A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019111685A (ja) * 2017-12-21 2019-07-11 太平洋セメント株式会社 蛍光ブロックおよびその製造方法

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