JPH10219621A - 自発光型路面標示材料並びにこれを用いた自発光型路面標示並びにその施工方法 - Google Patents

自発光型路面標示材料並びにこれを用いた自発光型路面標示並びにその施工方法

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JPH10219621A
JPH10219621A JP9038370A JP3837097A JPH10219621A JP H10219621 A JPH10219621 A JP H10219621A JP 9038370 A JP9038370 A JP 9038370A JP 3837097 A JP3837097 A JP 3837097A JP H10219621 A JPH10219621 A JP H10219621A
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luminous
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Osamu Hamamatsu
修 濱松
Shigeaki Ikeda
樹昭 池田
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SEITOO KK
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SEITOO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 雨天夜間時にも視認性の低下を引き起こさな
い、新規な自発光型路面表示材料並びにこれを用いた自
発光型路面標示並びにその施工方法の開発を技術課題と
する。 【解決手段】 本発明の自発光型路面標示7は、路面G
Lに塗布された塗料8に対し、粒体状の本体片2に、顔
料タイプ3aもしくは骨材タイプ3bの蓄光材3、また
は顔料タイプ4aもしくは骨材タイプ4bの蛍光材4、
のいずれか一方または双方を含む自発光型路面表示材料
1を植設状態に設けたことを特徴として成り、雨天夜間
時であっても自発光型路面標示材料1の水没を起こりに
くくし、蓄光材3または蛍光材4の発光により視認性を
確保することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は路面標示に関するも
のであり、特に雨天夜間時の視認性が極めて優れた自発
光型路面標示材料並びにこれを用いた自発光型路面標示
並びにその施工方法に係るものである。
【0002】
【発明の背景】道路におけるセンターライン、横断歩道
等の路面標示は雨天夜間時の視認性が極めて低く、この
改善のため大別して二種類の視認性向上対策が採用され
ている。第一のものは、車両のヘッドライト等を反射し
て(再帰反射)運転者にセンターライン等を認識させる
パッシブ型の路面標示であり、また第二のものは発光体
を具え、自己の発する光により運転者にセンターライン
等を認識させるポジティブ型の路面標示である。
【0003】前記パッシブ型の路面標示には、路面標示
上にかまぼこ形状、半球状、台形状等の突起物を形成
し、この突起物により再帰反射を起こすものと、粒径2
000〜5000μm程度の骨材を塗料に一定量含有さ
せたものをスクリュード方式で施工し、この骨材を塗料
上面から大きく突出させ、骨材の上部に付着したガラス
ビーズにより再帰反射を起こさせるものとがある。しか
しこれらの路面標示には以下に示すような改善の余地が
残されている。
【0004】まず前者の突起物を形成する路面標示は、
施工に際して高価な専用機が必要であり、更に一日当た
りの施工数量が少ないため、施工単価が高くなってしま
う。また施工後は突起物が大きいためこのものにタイヤ
が載った場合に騒音、振動が大きく、このため市街地に
は不向きである。また横断歩道に適用した場合には突起
物により歩行者、自転車等の転倒を引き起こすおそれが
ある。
【0005】また後者の骨材を塗料に一定量含有させた
ものをスクリュード方式で施工する路面標示は、一日当
たりの施工数量が多いため施工単価が安くなるものの、
車両等の通過により比較的早い時期に骨材上のガラスビ
ーズが滅失して視認性が低下してしまう。
【0006】このような背景から本出願人は、雨天夜間
時において、水面上に骨材、大粒径ガラスビーズ等を突
出させることで再帰反射を引き起こして視認性を得るこ
とができ、スリップ防止効果を具え、幅寸法が揃い美観
に優れ、補修の容易な路面標示を案出し、特願平8−1
15670号「路面標示施工方法並びにその装置」及び
特願平8−115671号「路面標示施工方法並びにそ
の装置」の出願に至っており、前記問題点については解
決がなされている。
【0007】一方、前記ポジティブ型の路面標示には、
電球等を発光体とするものと、蓄光体を発光体とするも
のとがある。まず前者の電球等を発光体とする路面標示
は、イニシャルコストが高く、更にメンテナンスに手間
がかかることなどから、事故多発個所や有料道路等のご
く一部でしか採用されていないのが実状である。また後
者の蓄光体を発光体とするものは、図10に示すよう
に、塗料に対して蓄光体顔料を混入しただけのものであ
って、蓄光体が路面標示中に埋没しているため光の吸収
性が悪く、このため発光が微弱且つ発光時間が短く、更
に雨天夜間時には光が路面に膜状に存在する水によって
散乱してしまい、車両及び歩行者からの視認が困難であ
った。
【0008】しかしこのようなポジティブ型の路面標示
は、車両の運転者からのみならずヘッドライトのような
照射手段を持たない歩行者からでも視認可能であるた
め、安全対策の面からは極めて有効であり、特に雨天夜
間時の視認性の向上に寄与し得る。また路面標示並びに
この施工方法は、路面標示が施工される道路が公共的な
ものであることを考慮すると、高価な施工装置を必要と
せず、一日当たりの施工数量が多く、施工単価が安く、
更に交通解放に要する時間が短いことが好ましい。
【0009】
【開発を試みた技術課題】本発明はこのような背景から
なされたものであって、雨天夜間時にも視認性の低下を
引き起こさない、新規な自発光型路面標示材料並びにこ
れを用いた自発光型路面標示並びにその施工方法の開発
を技術課題としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載の
自発光型路面標示材料は、粒体状の本体片に、顔料タイ
プもしくは骨材タイプの蓄光材、または顔料タイプもし
くは骨材タイプの蛍光材、のいずれか一方または双方を
含むことを特徴として成る。この発明によれば、本体片
に凝集させた状態で蓄光材または蛍光材を保持するた
め、発光時の輝度を向上することができる。
【0011】また請求項2記載の自発光型路面標示材料
は、前記請求項1記載の要件に加え、前記本体片は弾性
材を原料としたことを特徴として成る。この発明によれ
ば、自発光型路面標示を形成した状態で本体片上に車両
のタイヤ等が載った場合に、本体片が容易に変形するた
め車両に与える振動が軽減されるとともに騒音が軽減さ
れる。
【0012】更にまた請求項3記載の自発光型路面標示
材料は、前記請求項1または2記載の要件に加え、前記
本体片は芯材と表層材とで構成され、少なくともこの表
層材には顔料タイプもしくは骨材タイプの蓄光材、また
は顔料タイプもしくは骨材タイプの蛍光材、のいずれか
一方または双方を含むことを特徴として成る。この発明
によれば、本体片の表層部のみに蓄光材または蛍光材を
保持することができ、これら蓄光材または蛍光材の過剰
な使用を回避することができる。
【0013】更にまた請求項4記載の自発光型路面標示
材料は、前記請求項3記載の要件に加え、前記芯材は、
白色系に着色したことを特徴として成る。この発明によ
れば、蓄光材または蛍光材との相乗作用により発光時の
輝度を向上することができる。
【0014】更にまた請求項5記載の自発光型路面標示
材料は、前記請求項1、2、3または4記載の要件に加
え、前記本体片の周囲にはガラスビーズを付着したこと
を特徴として成る。この発明によれば、蓄光材または蛍
光材による発光を散乱させるとともに、ヘッドライト光
等の再帰反射を引き起こすため、視認性を著しく向上す
ることができる。
【0015】更にまた請求項6記載の自発光型路面標示
は、路面に塗布された塗料に対し、請求項1、2、3、
4または5記載の自発光型路面標示材料を植設状態に設
けたことを特徴として成る。この発明によれば、雨天夜
間時であっても自発光型路面標示材料の水没を起こりに
くくし、蓄光材または蛍光材の発光により視認性を確保
することができる。
【0016】更にまた請求項7記載の自発光型路面標示
の施工方法は、路面に対しスクリュード方式またはスプ
レー方式により流動状態の塗料を塗布し、次いでこの塗
料の表層に請求項1、2、3、4または5記載の自発光
型路面標示材料を散布または吹き付け、更にガラスビー
ズを散布し、その後前記塗料を硬化させることを特徴と
して成る。この発明によれば、蓄光材または蛍光材によ
る視認性の向上に加え、ガラスビーズによるヘッドライ
ト等の再帰反射を引き起こし、視認性が著しく向上した
路面標示を施工することができる。そしてこれら各請求
項記載の発明により前記課題の解決が図られる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明の自発
光型路面標示材料1について説明し、次いで本発明の自
発光型路面標示の施工方法について説明しながら、併せ
て本発明の自発光型路面標示7について説明する。自発
光型路面標示材料1は、アスファルト、コンクリート等
の路面GLに対して施工される、中央線、横断歩道等の
路面標示に対して発光機能を付与するための材料であ
り、本体片2と、蓄光材3または蛍光材4のいずれか一
方または双方と、ガラスビーズ5と、着色顔料6とを適
宜組み合わせて成る。
【0018】本体片2は、芯材2a単独または芯材2a
と表層材2bとで構成され、この芯材2aは弾性材(ゴ
ム、塩化ビニル樹脂、アイオノマー樹脂、ポリエチレ
ン、ポリウレタン、ポリアミド等の熱可塑性エラストマ
ー、ポリエチレンを共重合した酢酸ビニル樹脂等)から
成る。これら本体片2の構成は種々の形態が採り得るも
のであって、これらの具体的形態等の詳細については後
述する。また前記芯材2aの形状は図4に示すように角
柱状のものを基本の実施の形態としたが、円柱状や他の
多角形柱状、球状等種々の粒体形状を採ることができ
る。芯材2aの成形方法について例を挙げると、板状に
成形した弾性材を適宜の大きさに裁断したり、単体毎に
型成形を行う等、種々の方法が採り得る。
【0019】また前記表層材2bは弾性材(ゴム、塩化
ビニル樹脂、アイオノマー樹脂、ポリエチレン、ポリウ
レタン、ポリアミド等の熱可塑性エラストマー、ポリエ
チレンを共重合した酢酸ビニル樹脂等)、その他の樹脂
等から成る。そしてこの表層材2bは、前記芯材2aを
包むようにして成形されるのである。
【0020】次に蓄光材3及び蛍光材4について説明す
るが、その前に「蓄光」及び「蛍光」について簡単に述
べるとともに、本明細書中において用いる文言の定義を
しておく。まず蓄光と蛍光との相違は、一般的に光等の
エネルギー照射を受けた物質が、エネルギー変換をして
光を放出するとき、照射を受けている間だけの発光を
「蛍光」と呼び、一方、照射を停止した後も持続する発
光を「燐光」、そして燐光に対して残光の長い発光を
「蓄光」と呼んでいる。よって本明細書中においても、
蓄光及び蛍光については同様の意味として用いる。
【0021】そして前記蓄光材3としては燐光体である
硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Cu)や、硫化亜鉛蛍光体
(ZnS:Cu)に放射性物物質のプロメチウム(P
m)を添加したものや、アルミン酸ストロンチウム(S
rAl2 4 )(根本特殊化学株式会社製、N夜光)
や、Al2 3 、CaO及びMgOまたはB2 3 等の
混合物(ケミテック株式会社製、ケミテックピカリコ
CP−04、CP−05)等を用いる。これら蓄光材3
は、光等のエネルギー照射を受けた際にエネルギー変換
をして光を放出し、照射を停止した後も残光の長い発光
を持続するのであり、その発光色は黄緑色である。また
非発光時の色(休色)は浅黄色である。
【0022】また前記蛍光材4としてはテレフタルアル
デヒドとシアン酢酸エチルの縮合物、フルオレセイン、
エオシン等の色素を用いる。これら蛍光材4は、光等の
エネルギー照射を受けた際に、照射を受けている間だけ
エネルギー変換をして光を放出する。本実施の形態で
は、白色の色素であるジベンゾイルアミノスチルベジス
ルホン酸等(シンロイヒ株式会社製、FZ−1009ホ
ワイト)を用い、発光色を白色とする。
【0023】そして前記蓄光材3及び蛍光材4にはそれ
ぞれ顔料タイプ3a、4aと、骨材タイプ3b、4bと
があり、ここでこれらの説明をする。この骨材タイプ3
b、4bとしては前記蓄光材3または蛍光材4を混入し
た焼成物(セラミックス)等の破砕物が用いられ、本実
施の形態では一例として粒径50〜2000μm程度の
粒体物を用いる。また顔料タイプ3a、4aとしては前
記骨材タイプ3b、4bを更に細かく粉砕した粉体が用
いられ、本実施の形態では一例として粒径5〜50μm
程度の粉体物を用いる。もちろん上述した蓄光材3の原
料単体の結晶体をそのまま用いることもできる。
【0024】前記ガラスビーズ5はその粒径により、大
粒径ガラスビーズ5aと小粒径ガラスビーズ5bとに分
類される。大粒径ガラスビーズ5aはガラスを素材とし
た粒径850〜1500μm程度の球状物であり、また
小粒径ガラスビーズ5bは、粒径106〜850μm程
度の球状物である。これらは屈折率を1.5〜2.5程
度とし、光が当たったときに再帰反射を引き起こすので
ある。また大粒径ガラスビーズ5aの周りに小粒径ガラ
スビーズ5bをあらかじめ接着することで、複合ガラス
ビーズとして用いてもよい。
【0025】前記着色顔料6は、所望の色素を含む微細
な固定粒子であり、一般に水その他の溶剤に溶解しな
い。本実施の形態では一例として白色を呈するチタン化
合物の微粉末を用いる。また適宜自発光型路面標示7の
色に応じてクリーム色、淡黄色等を用いることもある。
【0026】ここで先に触れた本体片2の種々の構成に
ついて図面に基づいて説明するとともに、自発光型路面
標示材料1の種々の構成を説明する。まず図5(a)に
示す構成例は、本体片2として芯材2aのみを用い、こ
の芯材2aに顔料タイプ3aもしくは骨材タイプ3bの
蓄光材3、または顔料タイプ4aもしくは骨材タイプ4
bの蛍光材4、のいずれか一方または双方を含むのであ
り、溶融状態の弾性体にこれらを混入し、その後硬化さ
せて自発光型路面標示材料1を得る。
【0027】また図6(a)に示す構成例は、本体片2
として芯材2aのみを用い、この本体片2に顔料タイプ
3aもしくは骨材タイプ3bの蓄光材3、または顔料タ
イプ4aもしくは骨材タイプ4bの蛍光材4、のいずれ
か一方または双方及び着色顔料6を含むのであり、溶融
状態の弾性体にこれらを混入し、その後硬化させて自発
光型路面標示材料1を得る。
【0028】また図7(a)に示す構成例は、本体片2
は芯材2aと表層材2bとで構成され、少なくともこの
表層材2bには顔料タイプ3aもしくは骨材タイプ3b
の蓄光材3、または顔料タイプ4aもしくは骨材タイプ
4bの蛍光材4、のいずれか一方または双方を含むので
あり、芯材2aを表層材2bによって包み込むようにし
て形成して自発光型路面標示材料1を得る。芯材2aに
よる表層材2bの包み込み方法について例を挙げると、
平板等に載置された芯材2aに対して溶融状態の表層材
2bを滴下した後硬化させたり、凹型に対して溶融状態
の表層材2bを注入し、ここに芯材2aを投入して表層
材2b中に埋没させる等の方法が採り得る。
【0029】また図8(a)に示す構成例は、本体片2
は芯材2aと表層材2bとで構成され、少なくともこの
表層材2bには顔料タイプ3aもしくは骨材タイプ3b
の蓄光材3、または顔料タイプ4aもしくは骨材タイプ
4bの蛍光材4、のいずれか一方または双方を含むので
あり、また芯材2aは着色顔料6を含み、芯材2aを表
層材2bによって包み込むようにして形成して自発光型
路面標示材料1を得る。
【0030】また図5(b)、図6(b)、図7(b)
及び図8(b)に示す構成例は、上述した図5(a)、
図6(a)、図7(a)及び図8(a)に示したそれぞ
れの本体片2の周囲(表面)にガラスビーズ5を付着さ
せて自発光型路面標示材料1を得る。このガラスビーズ
5の付着方法について例を挙げると、芯材2aまたは表
層材2bが溶融状態のときに表層に付着させて硬化によ
ってこれらを保持させたり、硬化状態の芯材2aまたは
表層材2bに対して接着剤を使用してこれらを保持させ
る等の方法が採り得る。
【0031】次いで路面標示の施工に用いる施工装置1
0について説明する。施工装置10はアスファルト、コ
ンクリート等の路面GLに対して、中央線(幅15c
m)、横断歩道(幅45cm)等の路面標示の原料であ
る塗料8(溶剤型、水性、熱溶融型、多液反応型等)を
塗布するためのスクリュード方式の機器である。本実施
の形態では一例として、図2に示すいわゆる手引きタイ
プの施工装置10について説明する。因みにこの図2に
おいては左側を施工装置10の進行方向として前方と定
義し、右側を後方と定義する。
【0032】施工装置10は金属部材を適宜組み合わせ
て成るフレーム12に対して、前方上端部にハンドル1
3を、下端部の両側部四カ所に車輪14を、前方の車輪
14の上方にガスボンベ16を、中心付近にホッパ17
を、後端部に散布機18A、18Bを具えて成る。また
ホッパ17の下部にはスリッタ15を具え、更にまた図
示は省略するが前記ホッパ17及びスリッタ15を加熱
するためのバーナをこれら部材に臨ませて具えて成る。
以下、これら施工装置10を構成する諸部材について簡
単に説明する。
【0033】ホッパ17は路面標示の原材料である塗料
8を収容するためのバケット状の容器であり、ガスバー
ナにより加熱され、塗料8を溶融状態で保持するため、
適宜金属素材により形成される。そして図2に拡大して
示すように、後方下端部に原材料を排出するための開口
部を形成し、この開口部に至る前方側の壁面を後方に下
降する斜面として、原材料を開口部に導く構成とする。
【0034】次にスリッタ15について説明する。スリ
ッタ15は原材料たる塗料8の排出機構であり、膜厚調
整板20、エッジプレート21及びシャッタ22を具え
て成る。エッジプレート21は矩形金属板の、一辺の両
端の角を切り欠いて成る一例として六角形の板状部材で
あり、長手方向の寸法は図3に示すようにホッパ17に
おける開口部の前後寸法よりも長く設定する。そして二
枚のエッジプレート21が、ホッパ17の開口部の外壁
両側部に、ホッパ17の下端部から突出した状態で取り
付けられる。このエッジプレート21の下面は路面GL
と接触し、摩擦により摩耗しやすいため、特に硬度の高
い金属をロウ付けする等して交換自在とすることが好ま
しい。
【0035】またホッパ17の後方面には、二枚のエッ
ジプレート21に挟まれた状態で膜厚調整板20が具え
られるものである。従って路面GL、膜厚調整板20及
び二枚のエッジプレート21によって路面標示の断面形
状が決定されるのである。また膜厚調整板20は一例と
して鋼材を削り出して形成した断面L字状の部材であ
る。
【0036】次にシャッタ22について説明する。シャ
ッタ22は図2に示すようにホッパ17の開口部を開閉
するための板状部材であり、開口部全域を覆うようにし
て前後方向に摺動自在に設けられ、適宜レバー19の操
作によりクランク機構を作動することで前後に摺動して
開口部の開閉を行うのである。また塗料8の後方への排
出を滑らかにするために、途中で屈曲して後方に下る斜
面を形成する。
【0037】散布機18Aは前記スリッタ15の後方に
設けられるのであり、容器内に収容された自発光型路面
標示材料1を、路面GLに塗布された塗料8の幅方向全
域にわたって散布する機器である。この散布機構につい
ては、容器底部に設けた円柱状の汲出車18aの円周上
に、自発光型路面標示材料1が一個入る程度の凹部18
bを形成し、この汲出車18aを車輪14と連動させる
ことで塗料8の幅方向及び長手方向に一定間隔で自発光
型路面標示材料1を散布することができる構造が好まし
い。具体的には自発光型路面標示材料1の汲出機構とし
て、播種装置で採用されているベルト繰出式やその他の
精密播種方式を採用すれば、図4に示すように個々の自
発光型路面標示材料1を垂直状態で散布することができ
る。また、適宜のエアブロー機構により自発光型路面標
示材料1を吹き付けるようにすれば、塗料8に対して自
発光型路面標示材料1を強制的にめり込ませることがで
きる。
【0038】一方、散布機18Aの後方に設けられる散
布機18Bは、容器内に収容されたガラスビーズ5を、
塗料8の幅方向及び長手方向全域にわたって連続的に散
布する機器である。この散布にあたっては詳細な説明は
省略するが自然落下方式と強制落下方式とがあり、本実
施の形態においては車輪14の回転によって散布機構を
駆動し、車輪14と連動させて施工装置10が実際に塗
料8を塗布しているときだけ散布を行う強制落下方式を
採用する。
【0039】ここで一般的な路面標示及びこの原材料に
ついて説明しておく。路面標示とは、アスファルト、コ
ンクリート等の路面GLに記された中央線、横断歩道、
制限速度標示等の道路標示あるいは駐車場等の表面に記
された駐車区画線等であり、大半が白色または黄色のも
のである。そして溶融状態で流動性を有する粘結剤、可
塑剤、充填剤、顔料等を成分とする塗料8を原料とす
る。
【0040】前記粘結剤としては一例として熱溶融型
(軟化点90〜100℃)の石油樹脂を用いるが、溶剤
型、多液反応型等適宜の種別を選択してもよい。また可
塑剤としては植物油、鉱物油、液状合成ゴム等を用い
る。更にまた充填剤としては炭酸カルシウム、タルク等
を用いる。更にまた路面標示着色のための顔料としては
二酸化チタン(白色)、耐熱黄鉛(黄色)等、所望の彩
色に応じた素材を用いる。
【0041】施工装置10は上記のように構成されるも
のであり、以下このものを用いた本発明の路面標示の施
工方法並びに本発明の自発光型路面標示7について説明
する。
【0042】まず施工現場においてはトラックの荷台等
に具えた溶融炉において前記熱溶融型の塗料8をあらか
じめ加熱溶融しておく。そして例えば中央線等の白線を
引く場合、施工面たる路面GLに対してあらかじめマー
キングをし、更にプライマーを散布しておく。次いで施
工装置10におけるホッパ17に対して、トラックの荷
台等に具えた溶融炉から溶融状態の塗料8を投入する。
このときガスボンベ16から供給されるガスをガスバー
ナで燃焼させ、この熱によりホッパ17の外壁部及びス
リッタ15を加熱して、ホッパ17内のすべての塗料8
を使い切るまで溶融状態を保つようにする。
【0043】施工装置10を被施工面たる路面GLに対
して臨ませた状態のホッパ17下部の様子を図3(a)
に示す。この状態でホッパ17の開口部の外壁両側部に
それぞれ取り付けられた二枚のエッジプレート21の底
面が路面GLと接触している。そしてレバー19の操作
によりシャッタ22を前方に摺動させ、ホッパ17の開
口部を開放状態とすると、ホッパ17内の塗料8はここ
から排出され、路面GLに当接する。
【0044】そして作業者がハンドル13を掴持して下
がりながら、(手引きしながら)施工装置10を前方に
進行させると、塗料8は図3(b)に示すように路面G
Lに塗布される。この塗布の際、塗料8は二枚のエッジ
プレート21によって幅寸法が決定され、また膜厚調整
板20により厚さが決定される。
【0045】その後、施工装置10の進行に伴い、路面
GLに塗布された塗料8上に散布機18Aが位置し、こ
こから自発光型路面標示材料1が塗料8の表面に定間隔
で散布される。塗料8上に至った自発光型路面標示材料
1は自重により沈降し、塗料8に対して植設状態にな
る。更に施工装置10の進行に伴い、散布機18Bが位
置し、ここからガラスビーズ5が塗料8の表面に均一に
散布される。その後塗料8は温度の低下とともに硬化
し、図4に示すように自発光型路面標示7の一例である
中央線を形成するのである。
【0046】
【他の実施の形態】本発明の自発光型路面標示材料1並
びにこれを用いた自発光型路面標示7並びにその施工方
法は以上述べたような構成を基本の実施の形態とするも
のであるが、本発明の技術的思想に基づき以下に示すよ
うな態様とすることもできる。まず塗料8に対してガラ
スビーズ5、セラミックスの破砕物(粒径500〜15
00μm程度)等を骨材として加えて状態で施工するよ
うにしてもよい。この場合、自発光型路面標示7により
引き起こされる再帰反射の発生率が増し、視認性が向上
する。
【0047】また先の実施の形態においてはスクリュー
ド方式の施工装置10を用いたが、図9に示すように適
宜の噴霧装置を具えたスプレー方式の施工装置10を用
いることもできる。
【0048】更にまた、本出願人による特願平8−11
5670号「路面標示施工方法並びにその装置」及び特
願平8−115671号「路面標示施工方法並びにその
装置」に開示した施工装置を用いて本発明自発光型路面
標示7の施工を行えば、車両等のスリップ防止機能を付
与することができ、美観に優れた施工を行うことができ
る。
【0049】
【発明の効果】本発明の自発光型路面標示材料並びにこ
れを用いた自発光型路面標示並びにその施工方法は、以
上述べたような実施の形態を通じて、一例として実現さ
れるものであって、以下述べるような種々の効果が発揮
される。すなわち本発明の自発光型路面標示材料1にあ
っては、本体片2に凝集させた状態で蓄光材3または蛍
光材4を保持するため、発光時の輝度を向上することが
できる。
【0050】また自発光型路面標示7を形成した状態で
本体片2上に車両のタイヤ等が載った場合に、本体片2
が容易に変形するため車両に与える振動が軽減されると
ともに騒音が軽減される。
【0051】更にまた本体片2の表層部のみに蓄光材3
または蛍光材4を保持することができ、これら蓄光材3
または蛍光材4の過剰な使用を回避することができる。
【0052】更にまた蓄光材3または蛍光材4と着色顔
料6との相乗作用により発光時の輝度を向上することが
できる。
【0053】更にまたガラスビーズ5により蓄光材3ま
たは蛍光材4による発光を散乱させるとともに、ヘッド
ライト光等の再帰反射を引き起こすため、視認性を著し
く向上することができる。
【0054】また雨天夜間時であっても自発光型路面標
示材料1の水没を起こりにくくし、蓄光材3または蛍光
材4の発光により視認性が向上する。
【0055】そしてこれら効果の相乗的効果として、既
存の施工装置10を用い、一日当たりの施工数量が多
く、施工単価が安く、更に交通解放に要する時間が短
く、視認性に優れた自発光型路面標示を提供することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自発光型路面標示が施工された道路で
あり、この自発光型路面標示が雨天夜間時に発光してい
る状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の自発光型路面標示の施工方法を実施す
るための施工装置の使用状態を一部拡大して示す側面図
である。
【図3】施工時のスリッタの部分を拡大して示す二種の
縦断側面図である。
【図4】本発明の自発光型路面標示を示す斜視図及び本
発明の自発光型路面標示材料を拡大して示す斜視図であ
る。
【図5】本体片を芯材によって構成した自発光型路面標
示材料を示す二種の縦断側面図である。
【図6】本体片を芯材によって構成し、更にこの芯材に
着色顔料を含んだ自発光型路面標示材料を示す二種の縦
断側面図である。
【図7】本体片を芯材と表層材とによって構成した自発
光型路面標示材料を示す二種の縦断側面図である。
【図8】本体片を芯材と表層材とによって構成し、更に
この芯材に着色顔料を含んだ自発光型路面標示材料を示
す二種の縦断側面図である。
【図9】スプレー方式の施工装置を骨格的に示す側面図
である。
【図10】従来の自発光型路面標示を一部拡大して示す
斜視図である。
【符号の説明】
1 自発光型路面標示材料 2 本体片 2a 芯材 2b 表層材 3 蓄光材 3a 顔料タイプ 3b 骨材タイプ 4 蛍光材 4a 顔料タイプ 4b 骨材タイプ 5 ガラスビーズ 5a 大粒径ガラスビーズ 5b 小粒径ガラスビーズ 6 着色顔料 7 自発光型路面標示 8 塗料 10 施工装置 12 フレーム 13 ハンドル 14 車輪 15 スリッタ 16 ガスボンベ 17 ホッパ 18A 散布機 18B 散布機 18a 汲出車 18b 凹部 19 レバー 20 膜厚調整板 21 エッジプレート 22 シャッタ GL 路面

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒体状の本体片に、顔料タイプもしくは
    骨材タイプの蓄光材、または顔料タイプもしくは骨材タ
    イプの蛍光材、のいずれか一方または双方を含むことを
    特徴とする自発光型路面標示材料。
  2. 【請求項2】 前記本体片は弾性材を原料としたことを
    特徴とする請求項1記載の自発光型路面標示材料。
  3. 【請求項3】 前記本体片は芯材と表層材とで構成さ
    れ、少なくともこの表層材には顔料タイプもしくは骨材
    タイプの蓄光材、または顔料タイプもしくは骨材タイプ
    の蛍光材、のいずれか一方または双方を含むことを特徴
    とする請求項1または2記載の自発光型路面標示材料。
  4. 【請求項4】 前記芯材は、白色系に着色したことを特
    徴とする請求項3記載の自発光型路面標示材料。
  5. 【請求項5】 前記本体片の周囲にはガラスビーズを付
    着したことを特徴とする請求項1、2、3または4記載
    の自発光型路面標示材料。
  6. 【請求項6】 路面に塗布された塗料に対し、請求項
    1、2、3、4または5記載の自発光型路面標示材料を
    植設状態に設けたことを特徴とする自発光型路面標示。
  7. 【請求項7】 路面に対しスクリュード方式またはスプ
    レー方式により流動状態の塗料を塗布し、次いでこの塗
    料の表層に請求項1、2、3、4または5記載の自発光
    型路面標示材料を散布または吹き付け、更にガラスビー
    ズを散布し、その後前記塗料を硬化させることを特徴と
    する自発光型路面標示の施工方法。
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JP2000170128A (ja) * 1999-12-17 2000-06-20 Takao Tokuyasu 自然発光体を組み込んだ建築土木用資材
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