JPH09249845A - 黒色着色組成物 - Google Patents

黒色着色組成物

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JPH09249845A
JPH09249845A JP8061141A JP6114196A JPH09249845A JP H09249845 A JPH09249845 A JP H09249845A JP 8061141 A JP8061141 A JP 8061141A JP 6114196 A JP6114196 A JP 6114196A JP H09249845 A JPH09249845 A JP H09249845A
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JP
Japan
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black
hydrocarbon group
group
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Application number
JP8061141A
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Inventor
Yoshihiko Nakano
義彦 中野
Satoshi Mikoshiba
智 御子柴
Shuji Hayase
修二 早瀬
Takeo Ito
武夫 伊藤
Kazuo Sakai
和夫 坂井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Fuji Pigment Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Corp
Fuji Pigment Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 着色性及び付着性に優れ、かつ長期間にわた
って安定に保存し得る黒色着色組成物を提供する。 【構成】 平均粒子径0.5μm以下であり、4〜11
族かつ第4周期の金属群から選択された1種以上の金属
を含有する酸化物からなる黒色無機顔料;下記一般式
(1)〜(3)で表される化合物の少なくとも1種から
なる分散剤;並びに有機溶媒を含有することを特徴とす
る黒色着色組成物である。 【化1】 (上記式中、R1 は水素原子、置換または非置換の脂肪
族炭化水素基、芳香族炭化水素基、R2 は置換または非
置換の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、R3 は水
素原子、置換または非置換の脂肪族炭化水素基、芳香族
炭化水素基、R4は炭素数12以上の置換または非置換
の脂肪族炭化水素基であり、nは整数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は着色組成物に係り、
特に黒色としての色相が濃く、色純度の高い黒色膜等を
製造し得る黒色組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、黒色塗料や黒色印刷インキなどの
着色組成物として、カーボンブラックを分散させたもの
が広く用いられているが、カーボンブラックは疎水性の
高い顔料であるため、溶媒中に分散するには多量の分散
剤を添加しなくてはならない。具体的には、分散剤の配
合量は、顔料に対して重量および体積において等量以上
にも及んでしまい、着色濃度に限界がある。特に、薄膜
で使用する際には、目的の着色濃度を得られないことが
ある。また、カーボンブラックは空気中で高温下容易に
酸化分解して退色してしまうなどの問題を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの問題
を解決して、着色性および付着性に優れ、かつ長期間に
わたって安定に保存し得る黒色着色組成物を提供するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、平均粒子径0.5μm以下であり、4〜1
1族かつ第4周期の金属群から選択された1種以上の金
属を含有する酸化物からなる黒色無機顔料;下記一般式
(1)で表されるポリビニルブチラール樹脂、下記一般
式(2)で表されるポリアクリル樹脂、および下記一般
式(3)で表される高級カルボン酸の少なくとも1種か
らなる分散剤;並びに有機溶媒を含有することを特徴と
する黒色着色組成物を提供する。
【0005】
【化4】 (上記一般式(1)中、x=0.01〜0.9、y≦
0.05、nは整数である。)
【0006】
【化5】 (上記一般式(2)中、R1 は水素原子、置換または非
置換の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、R2 は置
換または非置換の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素
基、R3 は水素原子、置換または非置換の脂肪族炭化水
素基、芳香族炭化水素基、a=0〜0.9、nは整数で
ある。)
【0007】
【化6】 (上記一般式(3)中、R4 は炭素数12以上の置換ま
たは非置換脂肪族炭化水素基である。) 以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明の着色組成物に用いられる黒色無機
顔料は、可視光領域(波長400〜800nm)の光を
大きく吸収し、遮光剤として作用する。このような黒色
無機顔料としては、4〜11族かつ第4周期の金属群
(Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu)か
ら選択されるいずれか1種の金属の酸化物を単独で使用
してもよいが、可視光領域全体に対して遮光剤として有
効に機能させるために、上記金属群から選択される2種
以上の金属を含有する酸化物を用いることが好ましい。
特に、V,Cr,Mn,CoおよびNiの酸化物は、T
i,FeおよびCuの酸化物に比べ単独では黒色として
の色相がやや劣るので、複数種を組み合わせて使用する
ことにより色純度を高めることが望まれる。
【0009】同様の理由から、前述の金属群から選択さ
れた2種以上の金属の複合酸化物は、本発明における黒
色無機顔料としてより好ましい。ここでの複合金属酸化
物としては、このような2種以上の金属を含有するもの
であれば特に限定されないが、例えば、Ni−Cu,C
r−Fe,Fe−Cu,Ti−Mn−Cu,Mn−Fe
−Cu,Cr−Mn−Cu,およびCr−Cu−Fe等
を含有する酸化物が挙げられる。
【0010】本発明では、上述のような金属酸化物や複
合金属酸化物の平均粒子径が0.5μmを越えると、得
られる塗膜において膜質や色相の低下を招くので、本発
明の黒色着色組成物においては、黒色無機顔料としての
酸化物の平均粒子径を0.5μm以下に規定した。な
お、この酸化物粒子の形状は何等限定されず、球状、リ
ン片状あるいは不定形であってもよい。
【0011】本発明の着色組成物における前記黒色無機
顔料の配合量は、1〜40wt%であることが好まし
く、5〜25wt%がより好ましい。1wt%未満では
塗膜を形成した際に、十分な光学濃度を得るのが困難と
なり、一方40wt%を越えると、組成物の流動性が悪
くなり塗膜性が低下するおそれがある。
【0012】本発明の着色組成物に配合される分散剤
は、上記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される化
合物である。上記一般式(1)において、xは好ましく
は0.1〜0.8であり、yは好ましくは0〜0.03
である。このポリビニルブチラール樹脂の分子量は、5
00〜100,000が好ましく、1,000〜50,
000がより好ましい。これは、分子量が500未満だ
と分散剤としての効果が小さく、100,000を越え
ると組成物の流動性が悪くなり、塗膜性が低下するおそ
れがあることによる。
【0013】また、上記一般式(2)におけるR1 とし
ては、具体的には水素原子、メチル基およびエチル基等
が挙げられ、R2 としてはメチル基、エチル基およびブ
チル基等が挙げられる。また、R3 としては、水素原
子、メチル基およびエチル基等が挙げられる。aは好ま
しくは0.1〜0.8であり、このポリアクリル樹脂の
分子量は、500〜100,000が好ましく、1,0
00〜50,000がより好ましい。これは、分子量が
500未満だと分散剤としての効果が小さく、100,
000を越えると組成物の流動性が悪くなり、塗膜性が
低下するおそれがあることによる。
【0014】さらに、上記一般式(3)におけるR4
しては、塗膜性能を考慮すると、特に不飽和の脂肪族炭
化水素基が好ましく、具体的には、ヘプタデケニル基、
ヘプタデカジエニル基およびペンタデケニル基等が挙げ
られる。また、R4 のより好ましい炭素数は12以上3
0以下である。この理由は、炭素数が少ないと分散剤と
しての効果が小さく、炭素数が多いと組成物の流動性が
悪くなり塗膜性が低下するおそれがあるためである。
【0015】上記一般式(1)〜(3)のいずれかで表
される分散剤の配合量は、黒色無機顔料100重量部に
対して、1〜300重量部であることが好ましく、10
〜100重量部であることがより好ましい。1重量部未
満であると分散剤としての効果を十分に発揮することが
できず、300重量部を越えると塗膜を形成した際に十
分な光学濃度が得られないおそれがある。
【0016】このような分散剤としては、具体的には、
エスレックBL−1(積水化学社製)、エスレックBL
S(積水化学社製)などのポリビニルブチラール樹脂;
オレイン酸、ステアリン酸、エルシン酸、パルチミン
酸、リノール酸、リノレン酸などの不飽和高級カルボン
酸;およびハイテック532、ハイコート FL−20
0(東洋化学(株)製)、ハイロス AW−36(星光
化学工業(株)製)、プライマル AC−3494(日
本アクリル(株)製)、ジョンクリルJ−62(ジョン
ソンポリマー(株)製)などのアクリル樹脂などが挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。
【0017】また、本発明の黒色着色組成物において、
残部の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノ
ール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレン
グリコールモノエチルエーテルなどのアルコール系溶
媒、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジエチル
エーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなど
のエーテル系溶媒が挙げられるが、これらに限定される
ものではない。これらの有機溶媒は、単独でまたは組み
合わせて使用することができる。
【0018】さらに本発明では、有機溶媒と水との混合
溶媒を用いても構わない。このような混合溶媒を用いる
場合には、有機溶媒の配合量は適宜選択することができ
るが、例えば水10重量部に対して1〜1000重量部
程度とすることが好ましい。
【0019】なお、上述の成分に加えて、本発明の黒色
着色組成物には、必要に応じてレベリング剤、消泡剤、
増粘剤、接着改良剤、および安定化剤等を少量添加して
もよい。
【0020】本発明の黒色着色組成物は、上述したよう
な黒色無機顔料、分散剤、有機溶媒、および必要に応じ
てレベリング剤等の成分を配合して、任意の方法で調製
することができる。例えば、ボールミル、サンドグライ
ンドミル(SGミル)、アトランター、およびセンチュ
リーミルなどを使用して溶媒中に無機顔料を分散させる
ことができる。また、分散後には、無機顔料の粗大粒子
を遠心分離器等で除去してもよい。
【0021】本発明では、上述のようにして調製された
顔料分散液である本発明の着色組成物に、さらに金属ア
ルコキシドあるいはその分解生成物を配合することによ
り、分散剤が分解または燃焼する温度(300℃)以上
での塗膜の機械的強度および付着性を向上させることが
できる。本発明において、このような金属アルコキシド
としては、下記一般式(4)で表される化合物、および
この化合物から誘導される重合度10以下の直鎖状もし
くは環状オリゴマーが例示される。
【0022】 R5 x M(OR6n-x (4) (上記一般式(4)中、R5 は水素原子、置換または非
置換の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、R6 は置
換または非置換の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素
基、Mは金属または半金属であり、nは3または4、x
は0〜2の整数である。) ここで、R5 、R6 の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水
素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基として、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基
などのアルキル基;ビニル基などのアリル基;トリフル
オロメチル基、トリフルオロプロピル基などのフルオロ
アルキル基;芳香族炭化水素基としてフェニル基、ナフ
チル基などのアリール基などが挙げられるが、特に限定
されるものではない。また、Mとしては、例えばAl,
B,Zr,TiおよびSiなどが挙げられるが、特に限
定されない。
【0023】本発明で用いられる金属アルコキシドの具
体例としては、上記一般式(4)で表される化合物とし
て、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、ジ
エトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルトリ
エトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニル
トリエトキシシラン、フェニルアセトキシシラン、3,
3,3−トリフルオロプロピルエトキシシラン、アルミ
ニウムイソプロポキシド、チタンイソプロポキシド、ジ
ルコニウムエトキシド、トリエトキシシラン、テトラエ
トキシシラン、トリエチルボレートなどが挙げられる。
また、このような化合物から誘導されるオリゴマーは、
例えば上記一般式(4)中のMがSiである場合、シラ
ンオリゴマーやシロキサンオリゴマーであればよく、具
体的には、Mシリケート(多摩化学製)、エチルシリケ
ート(多摩化学製)、ペンタエトキシペンタメトキシシ
クロペンタシロキサン、ペンタメチルシクロペンタシロ
キサン、シルセスキオキサンなどが挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。金属アルコキシドは、単
独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができ
る。
【0024】これらの加水分解性の金属アルコキシド
に、水および極性溶媒を加え、必要に応じて加熱するこ
とで加水分解および部分縮重合反応させることにより、
その加水分解生成物である金属酸化物ゾルが得られる。
さらにこのとき、上述したような加水分解および部分縮
重合反応を促進させるための触媒を用いてもよい。
【0025】なおここでの極性溶媒は特に限定されない
が、例えば、イソプロパノール、n−ブタノール、アセ
チルアセトン、およびエチルセロソルブ等が挙げられ、
これらは、単独で用いても2種以上の混合溶媒として用
いてもよい。この極性溶媒の配合量は適宜選択すること
ができるが、例えば、水1重量部に対して極性溶媒1〜
100重量部程度とすることが好ましい。
【0026】また、触媒としては、塩酸、硝酸、燐酸、
硫酸および酢酸等の酸触媒;アンモニア、エタノールア
ミン等の塩基触媒が挙げられ、金属アルコキシドの種類
等に応じてその種類および配合量を選択することができ
る。
【0027】なお、金属アルコキシドまたはその分解生
成物の配合量は、後述するように通常着色組成物中の無
機顔料に対する割合で決定されるものであり、所定量の
水、極性溶媒、金属アルコキシドおよび必要に応じ触媒
を混合し、40〜80℃で10〜300分程度反応させ
ることにより、加水分解および部分縮重合が生じて金属
酸化物ゾルが得られる。ただし、金属酸化物ゾル中にお
ける金属アルコキシドまたはその分解生成物の配合量
は、十分な量を配合することおよび金属酸化物ゾルの流
動性を維持することを考慮すると、1wt%以上70w
t%以下であることが好ましい。
【0028】金属アルコキシドおよびその分解生成物の
少なくとも1種を含有する本発明の着色組成物は、次の
ような方法で調製することができる。例えば、予め調製
した顔料分散液である着色組成物に、水、極性溶媒、お
よび必要に応じ触媒とともに加水分解性の金属アルコキ
シドを直接加えて、加水分解および部分縮重合反応させ
る。あるいは、金属酸化物ゾル溶液を別途用意し、顔料
分散液である着色組成物と混合することにより金属酸化
物ゾルを含有する着色組成物を調製してもよい。
【0029】いずれの場合も、金属アルコキシドまたは
その分解生成物の配合量は、無機顔料100重量部に対
して、1〜400重量部であることが好ましく、20〜
200重量部であることがより好ましい。1重量部未満
では、金属アルコキシドなどを配合した効果を十分に得
られず、一方400重量部を越えると、塗膜にした際に
所望の遮光性が得られないおそれがある。
【0030】本発明の着色組成物は、スピンコーティン
グ、ディッピングなどにより透明基板などの基板上に塗
布した後、乾燥させて黒色膜を形成することができる。
このとき本発明の着色組成物には、平均粒子径0.5μ
m以下で、かつ上述したような金属を含有する酸化物か
らなる黒色無機顔料が配合されているので、黒色として
の色相が濃く、色純度の高い黒色膜等を製造することが
可能である。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例および比
較例を示して、本発明をさらに詳細に説明する。 実施例1 分散剤としてのエスレックBLS(ポリビニルブチラー
ル樹脂、積水化学社製)5gを、イソプロピルアルコー
ル70gに溶解させて溶液を得、このイソプロピルアル
コール溶液中に、黒色無機顔料としてのピグメント・ブ
ラック26(Fe−Cu−Mn複合酸化物)25gを加
えた。なお、ここで用いた顔料の平均粒子径は0.5μ
mであった。
【0032】次いで、この溶液をSGミル(分散機)で
0.5mmアルミナビーズを用いて5時間分散し、顔料
分散液である実施例1の着色組成物を得た。このように
して得られた着色組成物をガラス基板上に塗布し、12
0℃で10分プリベークし作製した膜の鉛筆硬度はHB
であり、600℃で30分加熱したところ鉛筆硬度は2
Hまで高められた。また、黒色としての色相が濃く、か
つ色純度が高いものであった。
【0033】さらに、この着色組成物の保存安定性は非
常に高く、数ヶ月以上経過しても顔料の分散状態は維持
されていた。 実施例2,3 分散剤を、ビック104S(不飽和高級カルボン酸、ビ
ックケミー・ジャパン(株)社製)およびハイテック5
32(ポリアクリル樹脂、日本ジェラック(株)社製)
に変更する以外は、上述の実施例1と同様にして、それ
ぞれ実施例2および実施例3の着色組成物を得た。
【0034】このようにして得られた着色組成物をガラ
ス基板上にそれぞれ塗布し、120℃で10分プリベー
クし作製した膜の鉛筆硬度は、いずれもHBであり、6
00℃で30分加熱したところ鉛筆硬度は2Hまで高め
られた。また、いずれの膜も黒色としての色相が濃く、
かつ色純度が高いものであった。
【0035】さらに、これらの着色組成物の保存安定性
は非常に高く、数ヶ月以上経過しても顔料の分散状態は
維持されていた。 実施例4〜6 黒色無機顔料をピグメント・ブラック25(Fe−Cu
−Cr複合酸化物)に変更した以外は、上述の実施例1
〜3と同様にして、実施例4〜6の着色組成物を得た。
なお、ここで用いた顔料の平均粒子径は0.3μmであ
った。
【0036】このようにして得られた着色組成物をガラ
ス基板上にそれぞれ塗布し、120℃で10分プリベー
クし作製した膜の鉛筆硬度はいずれもHBであり、60
0℃で30分加熱したところ鉛筆硬度は2Hまで高めら
れた。また、いずれの膜も黒色としての色相が濃く、か
つ色純度が高いものであった。
【0037】さらに、これらの着色組成物の保存安定性
は非常に高く、数ヶ月以上経過しても顔料の分散状態は
維持されていた。 実施例7 金属アルコキシドとしてのMシリケート51(多摩化学
製)10.0gおよびメチルトリエトキシシラン5.0
gを、イソプロピルアルコール(IPA)15gとn−
ブタノール5.0gとの混合溶媒に溶解し、水5.0g
を加えてよく攪拌した。次いで、濃硝酸0.06gを加
え、60℃で1時間加熱した後、急冷して室温に戻し、
さらにIPA5.0gおよびn−ブタノール15.0g
を加えてゾル溶液を得た。このゾル溶液5.0gと、実
施例1で得られた顔料分散液である着色組成物10.0
gとを混合して、金属酸化物ゾルを含有する着色組成物
を得た。
【0038】このようにして得られた着色組成物をスピ
ナーでガラス基板上に塗布し、120℃で10分プリベ
ークし作製した膜の鉛筆硬度は7Hであり、600℃で
30分加熱した後の鉛筆硬度は9H以上であった。
【0039】さらに、この着色組成物の保存安定性は非
常に高く、2週間経過後も粘度はほとんど変化すること
なく顔料の分散状態が維持されていた。 実施例8〜12 ゾル溶液と混合する着色組成物を、実施例2〜6のもの
に変更する以外は実施例7と同様にして、金属酸化物ゾ
ルを含有する実施例8〜12の着色組成物を得た。
【0040】各着色組成物をスピナーでガラス基板上に
それぞれ塗布し、120℃で10分プリベークして黒色
膜を作製しその鉛筆硬度を調べたところ、いずれも7H
であった。さらに、600℃で30分加熱した後の鉛筆
硬度は9H以上であった。
【0041】これらの着色組成物の保存安定性は非常に
高く、2週間経過後も粘度はほとんど変化することなく
顔料の分散状態が維持されていた。 実施例13 実施例7の着色組成物に、さらにレベリング剤としての
フロラードFC−430(3M製)の10wt%アルコ
ール溶液を2g加えて着色組成物を得た。
【0042】このようにして得られた着色組成物をスピ
ナーでガラス基板上に塗布し、120℃で10分プリベ
ークし作製した膜の鉛筆硬度は7Hであり、600℃で
30分加熱した後の鉛筆硬度は9H以上であった。
【0043】さらに、この着色組成物の保存安定性は非
常に高く、2週間経過後も粘度はほとんど変化すること
なく顔料の分散状態が維持されていた。 実施例14 実施例7の着色組成物に、さらにレベリング剤としての
シリコーンオイル KF−905(信越化学工業(株)
社製)の10wt%アルコール溶液を2g加えて着色組
成物を得た。
【0044】このようにして得られた着色組成物をスピ
ナーでガラス基板上に塗布し、120℃で10分プリベ
ークし作製した膜の鉛筆硬度は7Hであり、600℃で
30分加熱した後の鉛筆硬度は9H以上であった。
【0045】さらに、この着色組成物の保存安定性は非
常に高く、2週間経過後も粘度はほとんど変化すること
なく顔料の分散状態が維持されていた。 実施例15 金属アルコキシドとしてのアルミニウムイソプロポキシ
ド5.0gを、アセチルアセトン5.0gとIPA15
gとの混合溶媒に溶解し、水5.0gを加えてよく攪拌
した。次いで、濃硝酸0.06gを加えて60℃で1時
間加熱した後、急冷して室温に戻し、さらにIPA1
5.0gおよびn−ブタノール5.0gを加えてゾル溶
液を得た。
【0046】このゾル溶液25.0gと実施例1で得ら
れた顔料分散液である着色組成物20.0gとを混合し
て、金属酸化物ゾルを含有する着色組成物を得た。この
ようにして得られた着色組成物をスピナーでガラス基板
上に塗布し、120℃で10分プリベークし作製した膜
の鉛筆硬度は7Hであり、600℃で30分加熱した後
の鉛筆硬度は9H以上であった。
【0047】さらに、この着色組成物の保存安定性は非
常に高く、2週間経過後も粘度はほとんど変化すること
なく顔料の分散状態が維持されていた。 実施例16 黒色無機顔料を平均粒子径0.3μmの酸化第二銅に変
更する以外は、上述の実施例1と同様にして着色組成物
を得た。
【0048】このようにして得られた着色組成物をガラ
ス基板上に塗布し、120℃で10分プリベークし作製
した膜の鉛筆硬度はHBであり、600℃で30分加熱
したところ鉛筆硬度は2Hまで高められた。また、黒色
としての色相が濃く、かつ色純度が高いものであった。
【0049】さらに、この着色組成物の保存安定性は非
常に高く、数ヶ月以上経過しても顔料の分散状態は維持
されていた。 実施例17 ゾル溶液と混合する着色組成物を実施例16で得られた
ものに変更する以外は、実施例7と同様にして金属酸化
物ゾルを含有する着色組成物を得た。
【0050】このようにして得られた着色組成物をスピ
ナーでガラス基板上に塗布し、120℃で10分プリベ
ークし作製した膜の鉛筆硬度は7Hであり、600℃で
30分加熱した後の鉛筆硬度は9H以上であった。
【0051】さらに、この着色組成物の保存安定性は非
常に高く、2週間経過後も粘度はほとんど変化すること
なく顔料の分散状態が維持されていた。 実施例18 実施例17の着色組成物に、さらにレベリング剤として
のフロラードFC−430(3M製)の10wt%アル
コール溶液を2g加えて着色組成物を得た。
【0052】このようにして得られた着色組成物をスピ
ナーでガラス基板上に塗布し、120℃で10分プリベ
ークし作製した膜の鉛筆硬度は7Hであり、600℃で
30分加熱した後の鉛筆硬度は9H以上であった。
【0053】さらに、この着色組成物の保存安定性は非
常に高く、2週間経過後も粘度はほとんど変化すること
なく顔料の分散状態が維持されていた。 実施例19 金属アルコキシドとしてのMシリケート51(多摩化学
製)15.0gをエチルセロソルブ15gとn−ブタノ
ール5.0gとの混合溶媒に溶解し、水5.0gを加え
てよく攪拌した。次いで、濃硝酸0.06gを加え60
℃で1時間加熱した後、急冷して室温に戻し、さらにエ
チルセロソルブ5.0gおよびn−ブタノール5.0g
を加えてゾル溶液を得た。
【0054】一方、黒色無機色顔料としてのピグメント
・ブラック26(Fe−Cu−Mn複合酸化物、平均粒
子径0.5μm)15gを、分散剤としてのエスレック
BLS(ポリビニルブチラール樹脂、積水化学社製)
1.5gを用いてイソプロピルアルコール中に分散させ
て顔料分散液を調製した。なお、この分散液における固
形分濃度は15wt%であった。
【0055】次いで、前述のゾル溶液30.0g、顔料
分散液100g、およびレベリング剤としてのFC43
0(3M社製)の10wt%ブチルセロソルブアセテー
ト溶液7.97gを混合して、金属酸化物ゾルを含有す
る黒色着色組成物を得た。
【0056】まず、この黒色着色組成物を透明ガラス基
板(#7059、日本コーニング社製、厚さ1.1m
m)上に、膜厚0.6μmにスピンコーティングし、黒
色遮光膜を全面に形成した。次いで、この黒色遮光膜上
および透明ガラス基板の裏面の両面に、ポジ型ホトレジ
ストOFPR−800(東京応化社製)を塗布し、膜厚
1.0μmのレジスト膜を形成した。
【0057】次に、所定のパターンを有する露光用ホト
マスクを介し、超高圧水銀灯光源を用いて黒色遮光膜上
のレジスト膜に選択的に露光を施した後、ポジ型レジス
ト現像液NMD−3(東京応化社製)を用いてパドル現
像し、さらにスプレー水洗してレジストパターンを形成
した。この基板を4.7wt%HF水溶液に室温で60
〜120秒浸漬することにより、レジストパターンをマ
スクとして黒色遮光膜をエッチングした後、純水スプレ
ー(約2〜10kg/cm2 )および超音波振動を印加
した流水水洗を行ない、乾燥してパターニングされた黒
色遮光膜を得た。
【0058】続いて、レジスト剥離液106(東京応化
社製)で両面のレジストを除去し、水洗した後、エアー
ブローにより乾燥させた。この際、酸素プラズマアッシ
ングを行えば、レジストをより均一に完全に除去するこ
とができる。
【0059】その後、空気中、電気炉で330℃、1時
間加熱し、室温に冷却後、水洗、乾燥することにより所
定のパターンを有するブラックマトリックスを形成し
た。得られたブラックマトリックスは、膜厚0.5μ
m、低反射率であり、かつ光学濃度が3と優れていた。
【0060】さらに、上述で作製したブラックマトリッ
クスを有する基板上に、市販の顔料分散レジスト(青
色、赤色、緑色)を用いて露光、現像を繰り返してカラ
ーフィルターを作製した。このカラーフィルターは、コ
ントラストがよく画像良好であった。 比較例 分散剤としてのエスレックBLS(ポリビニルブチラー
ル樹脂、積水化学社製)5gをイソプロピルアルコール
80gに溶解させてイソプロピルアルコール溶液を得、
この溶液中に、顔料としてのカーボンブラック5gを加
えた。次いで、この溶液をSGミル(分散機)で0.5
mmアルミナビーズを用いて5時間分散し、顔料分散液
である着色組成物を得た。
【0061】このようにして得られた着色組成物をガラ
ス基板上に塗布し、120℃で10分プリベークし作製
した膜の鉛筆硬度はBであったが、600℃で30分加
熱すると全て燃焼してしまった。しかも、黒色としての
色相が薄く、かつ黒褐色であった。
【0062】なお、以上の実施例においては、本発明の
黒色着色組成物をガラス基板の表面にスピンコーティン
グ等により塗布し、塗膜を形成する場合を例に挙げて説
明したが、本発明の黒色着色組成物はそのような画一的
な着色のみならず、印刷物のように文字や図柄を基材上
に形成する場合にも十分適用可能である。
【0063】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
着色性および付着性に優れ、かつ長期間にわたって安定
に保存し得る黒色着色組成物が提供される。かかる着色
組成物を用いることにより、あらゆる用途に適用し得る
色純度の高い黒色膜等を製造することができ、その工業
的価値は大なるものがある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C09D 129/14 133:02) (72)発明者 早瀬 修二 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 伊藤 武夫 埼玉県深谷市幡羅町1丁目9番2号 株式 会社東芝深谷電子工場内 (72)発明者 坂井 和夫 兵庫県川西市小花2丁目23−2 冨士色素 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径0.5μm以下であり、4〜
    11族かつ第4周期の金属群から選択された1種以上の
    金属を含有する酸化物からなる黒色無機顔料;下記一般
    式(1)で表されるポリビニルブチラール樹脂、下記一
    般式(2)で表されるポリアクリル樹脂、および下記一
    般式(3)で表される高級カルボン酸の少なくとも1種
    からなる分散剤;並びに有機溶媒を含有することを特徴
    とする黒色着色組成物。 【化1】 (上記一般式(1)中、x=0.01〜0.9、y≦
    0.05、nは整数である。) 【化2】 (上記一般式(2)中、R1 は水素原子、置換または非
    置換の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、R2 は置
    換または非置換の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素
    基、R3 は水素原子、置換または非置換の脂肪族炭化水
    素基、芳香族炭化水素基、a=0〜0.9、nは整数で
    ある。) 【化3】 (上記一般式(3)中、R4 は炭素数12以上の置換ま
    たは非置換脂肪族炭化水素基である。)
  2. 【請求項2】 金属アルコキシドおよびその分解生成物
    の少なくとも1種をさらに含有する請求項1に記載の黒
    色着色組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014152273A (ja) * 2013-02-08 2014-08-25 Sekisui Chem Co Ltd 樹脂組成物及び積層体の製造方法
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JP2017532408A (ja) * 2014-09-12 2017-11-02 エボニック デグサ ゲーエムベーハーEvonik Degussa GmbH 液体コーティング組成物、その製造方法、及びその使用
JP2017535409A (ja) * 2014-09-12 2017-11-30 エボニック デグサ ゲーエムベーハーEvonik Degussa GmbH 構造化コーティングの製造方法

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