JPWO2022131278A5 - - Google Patents

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JPWO2022131278A5
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Description

本開示は、光学部材用の塗布液、重合体、硬化膜、感光性塗布液、パターン硬化膜、光学部材、固体撮像素子、表示装置、ポリシロキサン化合物、塗布液に用いる安定化剤、硬化膜の製造方法、及びパターン硬化膜の製造方法重合体の製造方法に関する。
シロキサン結合を含む高分子化合物(以下、ポリシロキサンと呼ぶことがある)は、その高い耐熱性及び透明性等を活かし、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイのコーティング材料、イメージセンサーのコーティング材、また半導体分野での封止材として使用されている。例えば、特許文献1には、TiO及びZrOからなる群から選ばれる少なくとも1つを主成分とし、長径/短径比及び平均粒子径が異なる2種類の無機酸化物微粒子と、アルコキシシランの加水分解生成物からなるシリカオリゴマーと、高沸点溶媒と、を含む、高屈折率無機平坦化層形成用塗料が記載されている。
一方、特許文献2には、厚く、耐擦傷性、透明性及び耐候密着性に優れたハードコート層を形成するために、平均粒子径が5~50nmの範囲にありTi、Zn、Sn及びZrから選ばれる1種又は2種以上の金属成分を含む結晶性無機酸化物微粒子と、重合性有機ケイ素化合物と、硬化触媒と、分散媒とを含む分散液を準備する工程、及び、分散液から分散媒の全部又は一部を揮発させて除去することにより、粘度が10~40mPa・sの塗料組成物を得る工程を含むハードコート層形成用塗料組成物の製造方法が記載されている。
また、特許文献3には、中実な球状のシリカ微粒子が、金属酸化物を主成分とするバインダによって固定された低反射コーティングにおいて、シリカ微粒子として、平均粒径が200~600nmであるシリカ微粒子を含み、バインダが金属酸化物としてシリカを含み、低反射コーティングを基板に施すことにより得られる透過率ゲインが1.5%以上であることが記載されている。
特開2015-117277号公報 特開2015-193757号公報 国際公開第2016/051718号
特許文献1~3にも記載されているように、所定屈性率の光学部材を得るためには、金属微粒子を金属化合物の重合体に分散させた塗布液を用いる必要がある。しかし、塗布液中では金属微粒子が沈降しやすいという問題があり、塗布液の安定性を保持することには課題があった。
光学特性に優れた光学部材を得るためには、塗布液の安定性が良好である必要がある。本発明の一実施形態は、塗布液中に金属微粒子が安定して分散した光学部材用の塗布液を提供することを課題とする。または、一実施形態において、金属アルコキシドの沈降や沈殿が生じにくい塗布液を提供する。または、一実施形態において、光学部材用の塗布液に用いることができる重合体、光学部材用の塗布液を用いた硬化膜、感光性塗布液、パターン硬化膜、光学部材、固体撮像素子、表示装置、ポリシロキサン化合物、塗布液に用いる安定化剤を提供する。または、塗布液に用いる安定化剤の製造方法を提供する。または、光学特性に優れた硬化膜、パターン硬化膜若しくは重合体の製造方法を提供する。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、
成分(A):金属微粒子(A-1)、及び/又は下記一般式(1-A)で表される構成単位を含む金属化合物(A-2)からなる、
安定化剤(B):下記一般式(1)で表される構成単位を含むポリシロキサン化合物からなる、
溶剤(C)、を含む、光学部材用の塗布液を見出した。

[(RMOc/2] (1-A)
[(R(R(ORSiOg/2] (1)

一般式(1-A)中、MはTi、Zr、Al、Hf、In、及びSnからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、Rはそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上5以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素数1以上10以下のフルオロアルキル基である。bは0以上4未満の数、cは0超4以下の数であり、b+c=3又は4である。一般式(1)中、Rは下記一般式(1a)で表される基である。


一般式(1a)中、Xは水素原子又は酸不安定性基である。aは1~5の数であり、破線は結合手を表す。Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素数1以上10以下のフルオロアルキル基であり、Rはそれぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1以上5以下のアルキル基である。dは1以上3以下の数であり、eは0以上2以下の数であり、fは0以上3未満の数であり、gは0超3以下の数であり、d+e+f+g=4である。
金属微粒子(A-1)が、Si、Ti、Zr、Al、Mg、Hf、In、及びSnからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。また、金属微粒子(A-1)が、シリカ、中空シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、フッ化マグネシウム、酸化インジウムスズ、アンチモンドープ酸化インジウム、酸化ハフニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の微粒子であることが好ましい。
また、一般式(1a)で表される基が、下記一般式(1aa)~(1ad)で表される基の何れかであることが好ましい。


一般式(1aa)~(1ad)中、X及び破線は一般式(1a)における定義と同じである。
ポリシロキサン化合物が、下記一般式(2)及び/又は下記一般式(3)で表される構成単位を含むことが好ましい。

[(R(RSiOj/2] (2)
[(RSiOl/2] (3)

一般式(2)中、Rは、エポキシ基、オキセタン基、アクリロイル基、メタクリロイル基又はラクトン基の何れかで置換された、炭素数1以上30以下の一価の有機基から選択される置換基である。Rは水素原子、ハロゲン基、炭素数1以上5以下のアルキル基、フェニル基、ヒドロキシ基、炭素数1以上3以下のアルコキシ基及び炭素数1以上10以下のフルオロアルキル基からなる群から選択される置換基である。hは1以上3以下の数、iは0以上3未満の数、jは0超3以下の数であり、h+i+j=4である。R、Rが複数個あるときは、それぞれは独立して上述の置換基の何れかから選択される。一般式(3)中、Rはハロゲン基、アルコキシ基及びヒドロキシ基からなる群から選択される置換基である。kは0以上4未満の数、lは0超4以下の数であり、k+l=4である。
一価の有機基Rが、下記一般式(2a)、(2b)、(2c)、(3a)又は(4a)で表される基の何れかであることが好ましい。


一般式(2a)、(2b)及び(2c)中、R、R、Rは、それぞれ独立に二価の連結基を表し、破線は結合手を表す。一般式(3a)又は(4a)中、R及びRは、それぞれ独立に二価の連結基を表し、破線は結合手を表す。
一般式(3)で表される構成単位が、一般式(1)で表されるポリシロキサン化合物の全構成単位の内、5モル%未満又は50モル%超含まれることが好ましい。
溶剤(C)が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノン、乳酸エチル、γ-ブチロラクトン、ジアセトンアルコール、ジグライム、メチルイソブチルケトン、酢酸3-メトキシブチル、2-ヘプタノン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、グリコール類、グリコールエーテル類及びグリコールエーテルエステル類からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。
本発明の一実施形態によれば、塗布液中に金属微粒子が安定して分散した光学部材用の塗布液が提供される。または、一実施形態において、金属アルコキシドの沈降や沈殿が生じにくい塗布液が提供される。または、一実施形態において、光学部材用の塗布液に用いることができる重合体、光学部材用の塗布液を用いた硬化膜、感光性塗布液、パターン硬化膜、光学部材、固体撮像素子、表示装置、ポリシロキサン化合物、塗布液に用いる安定化剤が提供される。または、塗布液に用いる安定化剤の製造方法が提供される。または、光学特性に優れた硬化膜、パターン硬化膜若しくは重合体の製造方法が提供される。
本発明の一実施形態に係るパターン硬化膜100の製造方法を説明する模式図である。
以下、本発明の実施形態に係る光学部材用の塗布液、重合体、硬化膜、感光性塗布液、パターン硬化膜、光学部材、固体撮像素子、表示装置、ポリシロキサン化合物、塗布液に用いる安定化剤、硬化膜の製造方法、パターン硬化膜の製造方法、及び重合体の製造方法について説明する。ただし、本発明の実施形態は、以下に示す実施形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本明細書中、数値範囲の説明における「Xa~Ya」との表記は、特に断らない限り、Xa以上Ya以下のことを表すものとする。
本発明者らが、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、一般式(1)で表されるポリシロキサン化合物に含まれるヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)基が、シリカ、中空シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、フッ化マグネシウム、ITO、ATO、酸化ハフニウムなどの金属微粒子(後述する、成分(A-1))や、Ti、Zr、Hf、In、Snなどの加水分解重縮合物(後述する、成分(A-2))などの、所定の屈折率とするための成分(A)を高含有量化し、且つ、金属微粒子及び/又は加水分解縮合物に代表される原料由来の沈降が抑制された塗布液及び感光性塗布液が得られることを見出した。上記の成分(A)の高含有量化や原料由来の沈殿の抑制は、一般式(1)で表されるポリシロキサン化合物に含まれるHFIP基が、すなわち成分(B)が、成分(A)との相溶性を高めたためだと推測される。即ち、本発明者らは、一般式(1)で表される構成単位を含むポリシロキサン化合物が塗布液中に金属微粒子及び/又は加水分解縮合物等の原料由来の沈降が生じるのを抑制するための安定化剤となっていることを見出した。さらに、本発明の一実施形態に係る塗布液を硬化処理することで、屈折率の数値範囲で1.44未満、及び1.54超の範囲まで調整可能な均一化した永久構造体(本発明の一実施形態である硬化膜、パターン硬化膜等を指す)が得られることを見出した。
なお、本明細書における「沈降を抑制」とは、塗布液や感光性塗布液中に、目視で原料由来(例えば、成分(A)等)の沈降物及び/又は沈殿物が確認できない状態を指すものとする。また、本明細書では、沈降が抑制された状態を「分散」と記載することもある。
「分散」とは、例えば、成分(A)が金属微粒子(A-1)の場合、沈降を生じるほどの過度な凝集が抑制された状態を指すものとしてもよい。また、成分(A)が加水分解重縮合物(A-2)の場合、塗布液や感光性塗布液に含まれる他の成分との相互作用(例えば、共重合反応等)を経てネットワーク中に取り込まれた状態を指すものとしてもよい。
本発明の一実施形態である光学部材用の塗布液は、一実施形態において、下記の成分(A)と、安定化剤(B)と、溶剤(C)と、を含む。
[成分(A)]
成分(A)は、金属微粒子(A-1)、及び/又は下記一般式(1-A)で表される構成単位を含む金属化合物(A-2)からなる。
[金属微粒子(A-1)]
一実施形態において、金属微粒子(A-1)は、Si、Ti、Zr、Al、Mg、Hf、In、及びSnからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことができる。また、一実施形態において、金属微粒子(A-1)は、金属単体で構成された微粒子でもよく、金属化合物の微粒子でもよい。金属化合物の微粒子は、金属酸化物の微粒子でもよく、金属ハロゲン化物の微粒子でもよい。具体的には、一実施形態において、金属微粒子(A-1)は、シリカ、中空シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、フッ化マグネシウム、酸化インジウムスズ、アンチモンドープ酸化インジウム、及び酸化ハフニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の微粒子であってもよい。また、上記の金属微粒子(A-1)は、凝集を抑制したり、分散性を向上させる目的で、公知の方法で表面処理されていてもよい。
前述した金属微粒子のうち、硬化膜やパターン硬化膜を低屈折率化する微粒子としては中空シリカが、高屈折率化する微粒子としては酸化チタンや酸化ジルコニウムが、それぞれ特に好ましい。なお、「低屈折率化」とは、前述したように屈折率を1.44未満とすることを指すものとしてよい。また、「高屈折率化」とは、前述したように屈折率を1.54超とすることを指すものとしてよい。
市販されている中空シリカ粒子の例としては、日揮触媒化成株式会社製のスルーリア、OSCAL、日産化学工業株式会社製のスノーテックス、扶桑化学工業株式会社製のクートロンなどが挙げられる。
市販されている酸化チタン粒子の例としては、ルチル型、アナタース型の何れでもよく、堺化学工業株式会社製のSRDシリーズ、SADシリーズ、石原産業株式会社製のタイペーク、チタン工業株式会社製のクロノス、テイカ株式会社製のチタニック、デュポン株式会社製のタイピュア、日揮触媒化成株式会社製のOPTOLAKE、ELCOMなどが挙げられる。
市販されている酸化ジルコニウム粒子の例としては、堺化学工業株式会社製のSZRシリーズ、株式会社アイテック製のZIRCONEOなどが挙げられる。
金属微粒子(A-1)の粒子径は、当該金属微粒子を含有する硬化膜やパターン硬化膜が、光学部材として利用可能な可視光透過率を有していればよく、特に限定されるものではない。また、本明細書において、粒子径は測定手法によって得られる値を用いるものとし、その形状が一次粒子や二次粒子であってもよい。
例えば、レーザーを光源とした光散乱式液中粒子測定方式で測定される累積50%径(以下、「D50」と記載することもある)が、1nm~200nmであると良好な可視光透過率を得られるため好ましい。なお、上記D50は、上記の金属微粒子の径が測定可能な市販の測定装置を用いればよい。本明細書においては、例えば光子相関法を適用した測定装置(例えば、HORIBA SZ-100)、及びレーザー回折散乱法を適用した測定装置(例えば、HORIBA LA-960、HORIBA LA-350)を、各々の測定可能範囲に合わせて適宜選択し測定することができる。例えば、測定する粒子径が1μm未満の場合は光子相関法を適用した測定装置、測定する粒子径が1μm以上の場合はレーザー回折散乱法を適用した測定装置を用いてもよい。
金属微粒子(A-1)の含有量は光学部材の用途によって適宜選択されればよい。例えば、成分(A)と成分(B)との合計を100質量%としたときに、当該(A-1)成分は1質量%~90質量%とすると、硬化膜やパターン硬化膜とした際に、所望の屈折率範囲に調整できることや、光学部材として利用可能な可視光透過率を有することから好ましい。また、さらに好ましくは10質量%~80質量%としてもよい。
[金属化合物(A-2)]
金属化合物(A-2)は、下記一般式(1-A)で表される構成単位を含む金属化合物である。

[(RMOc/2] (1-A)
一般式(1-A)中、MはTi、Zr、Al、Hf、In、及びSnからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、Rはそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上5以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素数1以上10以下のフルオロアルキル基である。bは0以上4未満の数、cは0超4以下の数であり、b+c=3又は4である。
ここで、一般式(1-A)で表される構成単位において、b及びcは、理論値としては、bは0~4の整数、cは0~4の整数である。また、b+c=3又は4とは、理論値の合計が3又は4であることを指すものとする。しかし、例えば、Ti、Zr、Al、Hf、In、Snなどを測定できる多核NMR測定によって得られる値は、b及びcはそれぞれ平均値として得られるため、当該平均値のbは四捨五入して0以上4以下になる小数(ただし、b<4.0)、cは四捨五入して0以上4以下になる小数(ただし、c≠0)であってもよい。なお、理論値c=0は構成単位がモノマーであることを示し、平均値c≠0は、化合物の全部がモノマーでないことを示す。したがって、理論値として、cは0~4の整数であり、当該多核NMR測定によって得られる値として、cは四捨五入して0以上4以下になる小数(ただし、c≠0)であるとは、一般式(1-A)で表される構成単位を含む化合物の中にモノマーを含んでもよいが、すべてがモノマーである構成ではないことを示す。
一般式(1-A)で表される構成単位は、MはTi、Zr、Rはヒドロキシ基、ハロゲン基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上5以下のアルキル基、フェニル基であることが好ましい。
金属化合物(A-2)の含有量は、光学部材の用途によって適宜選択されればよい。例えば、成分(A)と成分(B)の合計を100質量%としたときに、当該(A-2)成分は1質量%~90質量%とすると、硬化膜やパターン硬化膜とした際に、所望の屈折率範囲に調整できることや、光学部材として利用可能な可視光透過率を有することから好ましい。また、より好ましくは10質量%~80質量%としてもよい。
[安定化剤(B)]
安定化剤(B)は下記一般式(1)で表される第1の構成単位を含むポリシロキサン化合物からなる。

[(R(R(ORSiOg/2] (1)

一般式(1)中、Rは下記一般式(1a)で表される基である。


一般式(1a)中、Xは水素原子又は酸不安定性基である。
aは1~5の数であり、破線は結合手を表す。
はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素数1以上10以下のフルオロアルキル基であり、Rはそれぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1以上5以下のアルキル基である。
dは1以上3以下の数であり、eは0以上2以下の数であり、fは0以上3未満の数であり、gは0超3以下の数であり、d+e+f+g=4である。
ここで、一般式(1)で表される第1の構成単位において、d、e、f及びgは、理論値としては、dは1~3の整数、eは0~2の整数、fは0~3の整数、gは0~3の整数である。また、d+e+f+g=4は、理論値の合計が4であることを指すものとする。しかし、例えば、29Si NMR測定によって得られる値は、dは四捨五入して1以上3以下になる小数、eは四捨五入して0以上2以下になる小数、fは四捨五入して0以上2以下になる小数(ただし、f<3.0)、gは四捨五入して0以上3以下になる小数(ただし、g≠0)であってもよい。理論値として、gは0~3の整数であり、29Si NMR測定によって得られる値として、gは四捨五入して0以上3以下になる小数(ただし、g≠0)であるとは、ポリシロキサン化合物の中にモノマーを含んでもよいが、すべてがモノマーである構成ではないことを示す。
また、一般式(1a)で表される一価基において、aは理論値としては、1以上5以下の整数である。しかし、例えば、29Si NMR測定によって得られる値は、aは四捨五入して1以上5以下になる小数であってもよい。
一実施形態において、一般式(1a)で表される基が、下記一般式(1aa)~(1ad)で表される基の何れかであってもよい。一般式(1aa)~(1ad)中、X及び破線は一般式(1a)における定義と同じである。
一実施形態において、安定化剤(B)として含まれるポリシロキサン化合物が、下記一般式(2)で表される第2の構成単位及び/又は下記一般式(3)で表される第3の構成単位を含んでもよい。

[(R(RSiOj/2] (2)
[(RSiOl/2] (3)
一般式(2)中、Rは、エポキシ基、オキセタン基、アクリロイル基、メタクリロイル基又はラクトン基の何れかで置換された、炭素数1以上30以下の一価の有機基から選択される置換基である。Rは水素原子、ハロゲン基、炭素数1以上5以下のアルキル基、フェニル基、ヒドロキシ基、炭素数1以上3以下のアルコキシ基及び炭素数1以上10以下のフルオロアルキル基からなる群から選択される置換基である。hは1以上3以下の数、iは0以上3未満の数、jは0超3以下の数であり、h+i+j=4である。また、R、Rが複数個あるときは、それぞれは独立して上述した置換基の何れかから選択される。
一般式(3)中、Rはハロゲン基、アルコキシ基及びヒドロキシ基からなる群から選択される置換基である。kは0以上4未満の数、lは0超4以下の数であり、k+l=4である。
ここで、一般式(2)で表される第2の構成単位において、h、i及びjは、理論値としては、hは1~3の整数、iは0~3の整数、jは0~3の整数である。また、h+i+j=4は、理論値の合計が4であることを指すものとする。しかし、例えば、29Si NMR測定によって得られる値は、h、i及びjはそれぞれ平均値として得られるため、当該平均値のhは四捨五入して1以上3以下になる小数、iは四捨五入して0以上3以下になる小数(ただし、i<3.0)、jは四捨五入して0以上3以下になる小数(ただし、j≠0)であってもよい。
また、一般式(3)で表される第3の構成単位において、k及びlは、理論値としては、kは0~4の整数、lは0~4の整数である。また、k+l=4は、理論値の合計が4であることを指すものとする。しかし、例えば、29Si NMR測定によって得られる値は、k及びlはそれぞれ平均値として得られるため、当該平均値のkは四捨五入して0以上4以下になる小数(ただし、k<4.0)、lは四捨五入して0以上4以下になる小数(ただし、l≠0)であってもよい。
一般式(1)で表される第1の構成単位を含むポリシロキサン化合物を含むことにより、HFIP基が、前述した成分(A)との相溶性を高め、成分(A)を高含有量化し、且つ、成分(A)などの原料由来の成分の沈降を抑制した塗布液及び感光性塗布液を実現することができるものと考えられる。
なお、一般式(1)中のOg/2は、ポリシロキサン化合物の表記として一般的に使用されるものであり、以下の一般式(1-1)はgが1、一般式(1-2)はgが2、一般式(1-3)はgが3の場合を表すものである。gが1の場合は、ポリシロキサン化合物においてポリシロキサン鎖の末端に位置する。
一般式(1-1)~(1-3)中、Rは一般式(1)中のRと同義であり、R、Rはそれぞれ独立に、一般式(1)中のR、R、ORと同義である。破線は他のSi原子との結合手を表す。
一般式(2)中のOj/2は、上記と同様に、以下の一般式(2-1)はjが1、一般式(2-2)はjが2、一般式(2-3)はjが3の場合を表すものである。jが1の場合は、ポリシロキサン化合物においてポリシロキサン鎖の末端に位置する。
一般式(2-1)~(2-3)中、Rは一般式(2)中のRと同義であり、R、Rはそれぞれ独立に、一般式(2)中のR、Rと同義である。破線は他のSi原子との結合手を表す。
一般式(3)中のOl/2について、l=4のときのOl/2は、以下の一般式(3-1)を表すものである。一般式(3-1)中、破線は他のSi原子との結合手を表す。
上記の一般式(3)中のO4/2は、一般的にQ4ユニットと呼ばれ、Si原子の4つの結合手すべてがシロキサン結合を形成した構造を示す。上記ではQ4を記載したが、一般式(3)は、以下に示すQ0、Q1、Q2、Q3ユニットのように、加水分解・縮合可能な基を結合手に含んでいてもよい。また、一般式(3)は、Q1~Q4ユニットからなる群から選ばれる少なくとも1つを有していればよい。
Q0ユニット:Si原子の4つの結合手がすべて加水分解・重縮合可能な基(ハロゲン基、アルコキシ基、又はヒドロキシ基等、シロキサン結合を形成しうる基)である構造。
Q1ユニット:Si原子の4つの結合手のうち、1つがシロキサン結合を形成し、残りの3つがすべて上記加水分解・重縮合可能な基である構造。
Q2ユニット:Si原子の4つの結合手のうち、2つがシロキサン結合を形成し、残りの2つがすべて上記加水分解・重縮合可能な基である構造。
Q3ユニット:Si原子の4つの結合手のうち、3つがシロキサン結合を形成し、残りの1つが上記加水分解・重縮合可能な基である構造。
以下、安定化剤(B)として用いるポリシロキサン化合物の一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)で表される構成単位について、順番に説明する。
[一般式(1)で表される第1の構成単位]

[(R(R(ORSiOg/2] (1)
一般式(1)中、Rは下記一般式(1a)で表される基である。


一般式(1a)中、Xは水素原子又は酸不安定性基である。
aは1~5の数であり、破線は結合手を表す。
ここで、酸不安定性基とは、いわゆる酸の作用で脱離する基であって、その一部に酸素原子、カルボニル結合、フッ素原子を含んでもよい。
酸不安定性基としては、光酸発生剤を含む光誘起性化合物や加水分解などの効果で脱離が起きる基であれば特に制限なく使用できるが、具体的な例示を挙げるとするならば、アルキル基、アルコキシカルボニル基、アセタール基、シリル基、アシル基等を挙げることができる。
アルキル基としては、tert-ブチル基、tert-アミル基、1,1-ジメチルプロピル基、1-エチル-1-メチルプロピル基、1,1-ジメチルブチル基、アリル基、1-ピレニルメチル基、5-ジベンゾスベリル基、トリフェニルメチル基、1-エチル-1-メチルブチル基、1,1-ジエチルプロピル基、1,1-ジメチル-1-フェニルメチル基、1-メチル-1-エチル-1-フェニルメチル基、1,1-ジエチル-1-フェニルメチル基、1-メチルシクロヘキシル基、1-エチルシクロヘキシル基、1-メチルシクロペンチル基、1-エチルシクロペンチル基、1-イソボルニル基、1-メチルアダマンチル基、1-エチルアダマンチル基、1-イソプロピルアダマンチル基、1-イソプロピルノルボルニル基、1-イソプロピル-(4-メチルシクロヘキシル)基等が挙げられる。アルキル基は好ましくは第3級アルキル基であり、より好ましくは-CRで表される基である(R、R及びRは、それぞれ独立に、直鎖又は分岐アルキル基、単環又は多環のシクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、R、R及びRのうち2つが結合して環構造を形成してもよい)。
アルコキシカルボニル基としては、tert-ブトキシカルボニル基、tert-アミルオキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、i-プロポキシカルボニル基等を例示できる。アセタール基としては、メトキシメチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基、シクロヘキシルオキシエチル基、ベンジルオキシエチル基、フェネチルオキシエチル基、エトキシプロピル基、ベンジルオキシプロピル基、フェネチルオキシプロピル基、エトキシブチル基、エトキシイソブチル基などが挙げられる。
シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、メチルジエチルシリル基、トリエチルシリル基、i-プロピルジメチルシリル基、メチルジ-i-プロピルシリル基、トリ-i-プロピルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基、メチルジ-t-ブチルシリル基、トリ-t-ブチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等を挙げることができる。
アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、バレリル基、ピバロイル基、イソバレリル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、ピメロイル基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、オレオイル基、マレオイル基、フマロイル基、メサコノイル基、カンホロイル基、ベンゾイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基等を挙げることができる。
中でも、tert-ブトキシカルボニル基、メトキシメチル基、エトキシエチル基及びトリメチルシリル基が汎用で好ましい。さらに、これらの酸不安定性基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたものを使用することもできる。これらの酸不安定性基は単種類を用いてもよいし、複数種類を用いてもよい。
特に好ましい酸不安定性基の構造としては、以下一般式(ALG-1)で表される構造や、以下一般式(ALG-2)で表される構造が挙げられる。

一般式(ALG-1)及び一般式(ALG-2)中、R11は、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状若しくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数6~20のアリール基又は炭素数7~21のアラルキル基である。R12は、水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状若しくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数6~20のアリール基又は炭素数7~21のアラルキル基である。R13、R14及びR15は、それぞれ独立に、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状若しくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数6~20のアリール基又は炭素数7~21のアラルキル基である。R13、R14及びR15のうち2つは、互いに結合して環構造を形成してもよい。*は、酸素原子との結合部位を表す。
はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素数1以上10以下のフルオロアルキル基である。Rはそれぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1以上5以下のアルキル基である。
dは1以上3以下の数であり、eは0以上2以下の数であり、fは0以上3未満の数であり、gは0超3以下の数であり、d+e+f+g=4である。
13、R14及びR15が複数個あるときはそれぞれ独立して前記置換基の何れかが選択される。
一般式(1)において、Rとしては、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、フェニル基を例示することができる。また、Rとしては、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基を例示することができる。上記d、e、f及びgの理論値において、dは好ましくは1又は2の整数である。eは好ましくは0以上2以下の整数、より好ましくは0又は1の整数である。fは好ましくは0以上2以下の整数、より好ましくは0又は1の整数である。gは好ましくは1以上3以下の整数、より好ましくは2又は3の整数である。aは1又は2であることが好ましい。
また、dは1以上2以下の数であることが好ましい。eは0以上2以下の数であることが好ましく、より好ましくは0以上1以下の数である。fは0以上2以下の数であることが好ましく、より好ましくは0以上1以下の数である。gは1以上3以下の数であることが好ましく、より好ましくは2以上3以下の数である。
中でも、製造容易性の観点から、一般式(1)中の一般式(1a)で表されるHFIP基含有アリール基の数は1個であることが好ましい。すなわち、dが1である構成単位は、一般式(1)の構成単位として、特に好ましいものの例である。
一般式(1)中の一般式(1a)で表される基は、一般式(1aa)~(1ad)で表される基の何れかが特に好ましい。
一般式(1aa)~(1ad)中、破線は結合手を表す。
一実施形態において、一般式(1)で表される第1の構成単位は、単一の構成単位からなることが好ましい。ここで、「単一の構成単位からなる」とは、一般式(1)中の、aの数、dの数、Rの置換基種とその数であるeの数、ORの置換基種(ただしヒドロキシ基及びアルコキシ基を除く)とその数であるf(ただしfのうち、ヒドロキシ基及びアルコキシ基の数を除く)の数が揃った構成単位からなることを意味する。
[一般式(2)で表される第2の構成単位]

[(R(RSiOj/2] (2)
一般式(2)中、Rは、エポキシ基、オキセタン基、アクリロイル基、メタクリロイル基、又はラクトン基の何れかで置換された、炭素数1以上30以下の一価の有機基から選択される置換基である。Rは水素原子、ハロゲン基、炭素数1以上5以下のアルキル基、フェニル基、ヒドロキシ基、炭素数1以上3以下のアルコキシ基及び炭素数1以上10以下のフルオロアルキル基からなる群から選択される置換基である。hは1以上3以下の数、iは0以上3未満の数、jは0超3以下の数であり、h+i+j=4である。R、Rが複数個あるときは、それぞれは独立して上記の置換基の何れかが選択される。
一般式(2)のh、i、jの理論値において、iは好ましくは0以上2以下の整数、より好ましくは0又は1の整数である。jは好ましくは1以上3以下の整数、より好ましくは2又は3の整数である。また、入手容易性の観点から、hの値は1であることが特に好ましい。これらの中でも、hが1であり、かつiが0で、なおかつjが3である構成単位は、一般式(2)の構成単位として、特に好ましいものの例である。Rとしては、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基を例示することができる。
また、hは1以上2以下の数であることが好ましく、より好ましくは1である。iは0以上2以下の数であることが好ましく、より好ましくは0以上1以下の数である。jは1以上3以下の数であることが好ましく、より好ましくは2以上3以下の数である。
一般式(2)で表される第2の構成単位のR基が、エポキシ基、オキセタン基、又はラクトン基を含む場合は、光学部材用の塗布液から得られるパターン硬化膜に、接触面にシリコン、ガラス、樹脂などを有する各種基材との良好な密着性を付与することができる。また、R基がアクリロイル基又はメタクリロイル基を含む場合は、硬化性の高い膜が得られ、良好な耐溶剤性が得られる。R基が、エポキシ基、オキセタン基を含む場合、R基は、下記一般式(2a)、(2b)、(2c)で表される基であることが好ましい。
一般式(2a)、(2b)及び(2c)中、R、R、Rは、それぞれ独立に二価の連結基を表す。破線は結合手を表す。
ここで、R、R及びRが二価の連結基である場合、二価の連結基としては、例えば炭素数が1~20のアルキレン基が挙げられ、エーテル結合を形成している部位を1つ又はそれ以上含んでいてもよい。炭素数が3以上の場合は、当該アルキレン基は枝分かれしていてもよく、離れた炭素同士がつながって環を形成していてもよい。炭素数が2以上の場合は、炭素-炭素の間に酸素が挿入されて、エーテル結合を形成している部位を1つ又はそれ以上含んでいてもよく、二価の連結基として、これらは好ましい例である。
一般式(2)で表される第2の構成単位のうち、特に好ましいものを、原料であるアルコキシシランで例示するならば、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、製品名:KBM-403)、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(同、製品名:KBE-403)、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(同、製品名:KBE-402)、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(同、製品名:KBM-402)、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(同、製品名:KBM-303)、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、8-グリシドキシオクチルトリメトキシシラン(同、製品名:KBM-4803)、[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ]プロピルトリメトキシシラン、[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ]プロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
基が、アクリロイル基又はメタクリロイル基を含む場合は、下記一般式(3a)又は(4a)から選ばれる基であることが好ましい。
一般式(3a)又は(4a)中、R及びRは、それぞれ独立に二価の連結基を表す。破線は結合手を表す。
及びRが二価の連結基である場合の好ましい例としては、R、R、Rで好ましい基として挙げたものを再び挙げることができる。
一般式(2)で表される第2の構成単位のうち、特に好ましいものを、原料のアルコキシシランで例示するならば、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、製品名:KBM-503)、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(同、製品名:KBE-503)、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(同、製品名:KBM-502)、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン(同、製品名:KBE-502)、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(同、製品名:KBM-5103)、8-メタクリロキシオクチルトリメトキシシラン(同、製品名:KBM-5803)などが挙げられる。
基が、ラクトン基を含む場合は、R-Siの構造で表記するならば、次の一般式(5-1)~(5-20)、一般式(6-1)~(6-7)、一般式(7-1)~(7-28)、若しくは一般式(8-1)~(8-12)から選ばれる基であることが好ましい。



[一般式(3)で表される第3の構成単位]

[(RSiOl/2] (3)
一般式(3)中、Rはハロゲン基、アルコキシ基、及びヒドロキシ基からなる群から選択される置換基である。
kは0以上4未満の数、lは0超4以下の数であり、k+l=4である。また、kは0以上3以下の数であることが好ましい。lは1以上4以下の数であることが好ましい。
上述したように、一般式(3)中のOl/2は、Q1~Q4ユニットからなる群から選ばれる少なくとも1つを有していればよい。また、Q0ユニットを含んでいてもよい。
Q0ユニット:Si原子の4つの結合手がすべて加水分解・重縮合可能な基(ハロゲン基、アルコキシ基、又はヒドロキシ基等、シロキサン結合を形成し得る基)である構造。
Q1ユニット:Si原子の4つの結合手のうち、1つがシロキサン結合を形成し、残りの3つがすべて上記加水分解・重縮合可能な基である構造。
Q2ユニット:Si原子の4つの結合手のうち、2つがシロキサン結合を形成し、残りの2つがすべて上記加水分解・重縮合可能な基である構造。
Q3ユニット:Si原子の4つの結合手のうち、3つがシロキサン結合を形成し、残りの1つが上記加水分解・重縮合可能な基である構造。
Q4ユニット:Si原子の4つの結合手すべてがシロキサン結合を形成した構造。
一般式(3)で表される第3の構成単位は、有機成分を極力排除したSiOに近い構造を有することから、光学部材用の塗布液から得られる硬化膜やパターン硬化膜に、薬液耐熱性や透明性、耐有機溶剤性を付与することができる。
一般式(3)で表される第3の構成単位は、テトラアルコキシシラン、テトラハロシラン(例えばテトラクロロシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ-n―プロポキシシラン、テトライソプロポキシシランなど)、若しくはそれらのオリゴマーを原料とし、これを加水分解したのちに重合することで得ることができる(後述の「重合方法」を参照)。
オリゴマーとしては、シリケート40(平均5量体、多摩化学工業株式会社製)、エチルシリケート40(平均5量体、コルコート株式会社製)、シリケート45(平均7量体、多摩化学工業株式会社製)、Mシリケート51(平均4量体、多摩化学工業株式会社製)、メチルシリケート51(平均4量体、コルコート株式会社製)、メチルシリケート53A(平均7量体、コルコート株式会社製)、エチルシリケート48(平均10量体、コルコート株式会社製)、EMS-485(エチルシリケートとメチルシリケートの混合品、コルコート株式会社製)などのシリケート化合物が挙げられる。取り扱い容易の観点から、シリケート化合物が好適に用いられる。
安定化剤(B)の全体のSi原子を100モル%としたとき、一般式(1)で表されるポリシロキサン化合物(第1の構成単位)が全構成単位の内、5モル%~100モル%含まれることが好ましい。8モル%~100モル%含まれることがより好ましい。
また、第1の構成単位の他に、第2の構成単位や第3の構成単位を含む場合、各構成単位のSi原子での割合は、それぞれ、第2の構成単位が0~80モル%、第3の構成単位が0~90モル%(ただし、第2の構成単位と第3の構成単位が合計で1~95モル%)の範囲が好ましい。
また、第2の構成単位は、より好ましくは、2~70モル%、さらに好ましくは5~40モル%としてもよい。
また、第3の構成単位は、より好ましくは5モル%未満又は50モル%超、さらに好ましくは、5モル%未満又は60モル%超の範囲としてもよい。また、第3の構成単位が5モル%未満の場合、下限は限定されるものではないが、例えば0モル%以上が好ましく、より好ましくは0モル%超としてもよい。また、第3の構成単位が50モル%超の場合、上限は限定されるものではないが例えば95モル%以下としてもよい。
Si原子のモル%は、例えば、29i NMRでのピーク面積比から求めることが可能である。
[それ以外の構成単位(任意成分)]
安定化剤(B)であるポリシロキサン化合物において、前述した各構成単位の他に、溶剤(C)への溶解性や硬化膜又はパターン硬化膜としたときの耐熱性、透明性などの調整の目的で、Si原子を含む他の構成単位(以下、「任意成分」と記載することもある)を含んでもよい。当該任意成分は、例えばクロロシラン又はアルコキシシランが挙げられる。なお、クロロシラン、アルコキシシランを「その他のSiモノマー」と呼ぶことがある。
クロロシランとしては、具体的には、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、ジプロピルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ビス(3,3,3-トリフルオロプロピル)ジクロロシラン、メチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)ジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、プロピルトリクロロシラン、イソプロピルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、メチルフェニルトリクロロシラン、トリフルオロメチルトリクロロシラン、ペンタフルオロエチルトリクロロシラン、3,3,3-トリフルオロプロピルトリクロロシランなどを例示することができる。
アルコキシシランとしては、具体的には、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン、ビス(3,3,3-トリフルオロプロピル)ジメトキシシラン、メチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)ジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、イソプロピルトリプロポキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリイソプロポキシシラン、イソプロピルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、ペンタフルオロエチルトリメトキシシラン、3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3-トリフルオロプロピルトリエトキシシランを例示することができる。
上記任意成分は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
中でも、得られるパターン硬化膜の耐熱性と透明性を高める目的からは、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシランが好ましく、得られるパターン硬化膜の柔軟性を高めクラックなどを防止する目的からは、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランが好ましい。
安定化剤(B)であるポリシロキサン化合物の全体のSi原子で100モル%としたときの、任意成分に含まれるSi原子の割合は、特に限定されるものではないが、例えば0~99モル%、好ましくは0~95モル%、より好ましくは10~85モル%としてもよい。
安定化剤(B)であるポリシロキサン化合物の分子量は、重量平均分子量(Mw)で500~50000としてもよく、好ましくは800~40000、より好ましくは1000~30000の範囲である。また、さらに好ましくは、ポリシロキサン化合物がオリゴマーであり、分子量が重量平均分子量(Mw)で500以上、3000未満としてもよい。当該分子量は、触媒の量や重合反応の温度を調整することで、所望の範囲内とすることが可能である。また、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)とにより算出できる分散度(Mw/Mn)は、例えば1.01~6.0とすることが可能であり、好ましくは1.01~5.0としてもよい。また、前述した成分(A)が金属微粒子(A-1)であるとき、より好ましくは1.01~3.0としてもよい。
[ポリシロキサン化合物の重合方法]
次に、安定化剤(B)であるポリシロキサン化合物を得るための重合方法について説明する。第1の構成単位を得るための一般式(9)で表されるハロシラン類、一般式(10)で表されるアルコキシシラン、前述した第2の構成単位を得るための原料、前述した第3の構成単位を得るための原料、及びその他のSiモノマーを用いた加水分解重縮合反応により、所望の安定化剤(B)であるポリシロキサン化合物が得られる。したがって、安定化剤(B)であるポリシロキサン化合物は、加水分解重縮合物でもある。

一般式(9)及び一般式(10)において、Xはハロゲン原子であり、R21はアルキル基であり、aは1~5、dは1~3、eは0~2、sは1~3の整数であり、d+e+s=4である。
本加水分解重縮合反応は、ハロシラン類(好ましくはクロロシラン)及びアルコキシシランの加水分解及び縮合反応における一般的な方法で行うことができる。
具体例を挙げると、まず、ハロシラン類及びアルコキシシランを室温(特に加熱又は冷却しない雰囲気温度を言い、通常、約15℃以上約30℃以下である。以下同じ。)にて反応容器内に所定量採取した後、ハロシラン類及びアルコキシシランを加水分解するための水と、重縮合反応を進行させるための触媒、所望により反応溶媒を反応容器内に加えて反応溶液とする。このときの反応資材の投入順序はこれに限定されず、任意の順序で投入して反応溶液とすることができる。また、その他のSiモノマーを併用する場合には、ハロシラン類及びアルコキシシランと同様に反応容器内に加えればよい。
次いで、この反応溶液を撹拌しながら、所定時間、所定温度で加水分解及び縮合反応を進行させることで、安定化剤(B)であるポリシロキサン化合物を得ることができる。加水分解縮合に必要な時間は、触媒の種類にもよるが通常、3時間以上24時間以下、反応温度は室温(例えば、25℃)以上200℃以下である。加熱を行う場合は、反応系中の未反応原料、水、反応溶媒及び/又は触媒が、反応系外へ留去されることを防ぐため、反応容器を閉鎖系にするか、コンデンサーなどの還流装置を取り付けて反応系を還流させることが好ましい。反応後は、安定化剤(B)であるポリシロキサン化合物のハンドリングの観点から、反応系内に残存する水、生成するアルコール、及び触媒を除去するのが好ましい。水、アルコール、触媒の除去は、抽出作業で行ってもよいし、トルエンなどの反応に悪影響を与えない溶媒を反応系内に加え、ディーンスターク管で共沸除去してもよい。
加水分解及び縮合反応において使用する水の量は、特に限定されない。反応効率の観点から、原料であるアルコキシシラン及びハロシラン類に含有される加水分解性基(アルコキシ基及びハロゲン原子基)の全モル数に対して、0.01倍以上15倍以下であることが好ましい。
重縮合反応を進行させるための触媒に特に制限はないが、酸触媒、塩基触媒が好ましく用いられる。酸触媒の具体例としては塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸、酢酸、しゅう酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、カンファースルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トシル酸、ギ酸、マレイン酸、マロン酸、又はコハク酸などの多価カルボン酸あるいはその無水物等が挙げられる。塩基触媒の具体例としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等が挙げられる。触媒の使用量としては、原料であるアルコキシシラン及びハロシラン類に含有される加水分解性基(アルコキシ基及びハロゲン原子基)の全モル数に対して、0.001倍以上0.5倍以下であることが好ましい。
加水分解及び縮合反応では、必ずしも反応溶媒を用いる必要はなく、原料化合物、水、触媒を混合し、加水分解縮合することができる。一方、反応溶媒を用いる場合、その種類は特に限定されるものではない。中でも、原料化合物、水、触媒に対する溶解性の観点から、極性溶媒が好ましく、さらに好ましくはアルコール系溶媒である。具体的には、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、ジアセトンアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。反応溶媒を用いる場合の使用量としては、加水分解縮合反応が均一系で進行させるのに必要な任意量を使用することができる。また後述する(C)溶剤を反応溶媒に用いても
よい。
[一般式(1)の構成単位の原料化合物の合成方法]
一般式(1)の第1の構成単位を与えるための重合原料たる、一般式(10)で表されるアルコキシシラン類、及び、一般式(9)で表されるハロシラン類は、国際公開2019/167770に記載された公知化合物であり、公知文献の説明に従って合成すればよい。
[溶剤(C)]
溶剤(C)は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノン、乳酸エチル、γ-ブチロラクトン、ジアセトンアルコール、ジグライム、メチルイソブチルケトン、酢酸3-メトキシブチル、2-ヘプタノン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、グリコール類、グリコールエーテル類及びグリコールエーテルエステル類からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことができる。
グリコール、グリコールエーテル、グリコールエーテルエステルの具体例としては、株式会社ダイセル製のセルトール(登録商標)、東邦化学工業株式会社製のハイソルブ(登録商標)、などが挙げられる。具体的には、シクロヘキサノールアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールメチル-n-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1,4-ブタンジオールジアセテート、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,6-ヘキサンジオールジアセテート、3-メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリアセチン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール-n-プロピルエーテル、プロピレングリコール-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコール-n-プロピルエーテル、ジプロピレングリコール-n-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコール-n-ブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一実施形態において、光学部材用の塗布液に含まれる溶剤(C)の量は、20質量%以上95質量%以下とするのが好ましく、より好ましくは、30質量%以上90質量%以下である。溶剤の含有量を上記範囲内とすることで、適度な膜厚で均一化した樹脂膜を塗布成膜しやすくなる。また、溶剤(C)は、上記の溶媒から2以上を組み合わせて用いてもよい。
[添加剤(任意成分)]
一実施形態において、光学部材用の塗布液には、塗布液の優れた特性を著しく損なわない範囲において、下記の成分を添加剤として含有することができる。
例えば、塗布性、レベリング性、成膜性、保存安定性又は消泡性等を向上させる目的で、界面活性剤等の添加剤を含んでいてもよい。具体的には、市販されている界面活性剤である、DIC株式会社製の商品名メガファック、品番F142D、F172、F173若しくはF183、住友スリーエム株式会社製の商品名フロラード、品番、FC-135、FC-170C、FC-430若しくはFC-431、AGCセイミケミカル株式会社製の商品名サーフロン、品番S-112、S-113、S-131、S-141若しくはS-145、又は東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製、商品名、SH-28PA、SH-190、SH-193、SZ-6032若しくはSF-8428が挙げられる。
これらの界面活性剤を添加する場合、その配合量は、安定化剤(B)であるポリシロキサン化合物又は後述の重合体中の一般式(1)で表される構成単位100質量部に対して、0.001質量部以上、10質量部以下とするのが好ましい。なお、メガファックはDIC株式会社のフッ素系添加剤(界面活性剤・表面改質剤)の商品名、フロラードは住友スリーエム株式会社製のフッ素系界面活性剤の商品名及びサーフロンはAGCセイミケミカル株式会社のフッ素系界面活性剤の商品名であり、各々商標登録されている。
その他の成分として、得られる硬化膜又はパターン硬化膜の薬液耐性を向上させる目的で硬化剤を配合することができる。該硬化剤としては、メラミン硬化剤、尿素樹脂硬化剤、多塩基酸硬化剤、イソシアネート硬化剤又はエポキシ硬化剤を例示することができる。該硬化剤は主に、成分(B)であるポリシロキサン化合物や成分(A)である金属微粒子、金属化合物の各構成単位に含まれる、ヒドロキシ基やアルコキシ基と反応し、架橋構造を形成すると考えられる。
具体的には、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート若しくはジフェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネート類、及びそのイソシアヌレート、ブロックイソシアネート若しくはビウレット体等、アルキル化メラミン、メチロールメラミン、イミノメラミン等のメラミン樹脂若しくは尿素樹脂等のアミノ化合物、又はビスフェノールA等の多価フェノールとエピクロルヒドリンとの反応で得られる2個以上のエポキシ基を有するエポキシ硬化剤を例示することができる。具体的には、式(11)で表される構造を有する硬化剤がより好ましく、具体的には式(11a)~(11d)で示されるメラミン誘導体や尿素誘導体(三和ケミカル株式会社製)が挙げられる(なお式(11)中、破線は結合手を意味する)。
これらの硬化剤を添加する場合、その配合量は、安定化剤(B)であるポリシロキサン化合物又は後述の重合体中の一般式(1)で表される構成単位100質量部に対して、0.001質量部以上10質量部以下とするのが好ましい。
[重合体]
重合体は、一般式(1)で表される構成単位と、一般式(1-A)で表される構成単位と、を含む。好ましくは、重合体が一般式(1)で表される構成単位と、一般式(1-A)で表される構成単位とを含むオリゴマーレベルのコポリマーであるとしてもよい。
重合体の重量平均分子量及び分散度は、前述したポリシロキサン化合物と同様であってもよい。特にコポリマーである場合、分子量がオリゴマーレベルであってもよく、例えば、重量平均分子量(Mw)で500~50000としてもよく、好ましくは500~40000、より好ましくは500~30000、さらに好ましくは800~10000、特に好ましくは900~3000、最も好ましくは1000~3000未満としてもよい。また、オリゴマーレベルのコポリマーである場合、分散度(Mw/Mn)は、例えば1.01~6.0とすることが可能であり、好ましくは1.1~5.0としてもよい。
[重合体の製造方法]
上述した一般式(1)で表される構成単位と、一般式(1-A)で表される構成単位と、を含む重合体は、下記一般式(1y)で表されるケイ素化合物と、下記一般式(1-2)で表される金属化合物と、を加水分解重縮合することにより製造することができる。当該加水分解重縮合は、上述した安定化剤(B)であるポリシロキサン化合物を得るための重合方法と同様の方法を用いることができる。

(1y)

M(R(R(1-2)
一般式(1y)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素数1以上10以下のフルオロアルキル基である。
はそれぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1以上5以下のアルキル基である。
aは1~5の数であり、dは1以上3以下の数であり、eは0以上2以下の数であり、ccは1以上3以下の数であり、d+e+cc=4である。
Xは水素原子若しくは酸不安定性基である。
上記一般式(1y)で示されるケイ素化合物の好ましい例としては、部分構造である一般式(1a)で表される基が、


一般式(1aa)~(1ad)で表される基の何れかである。
一般式(1-2)中、MはTi、Zr、Al、Hf、In、及びSnからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
はそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上5以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素数1以上10以下のフルオロアルキル基である。
は炭素数1~5のアルコキシ基又はハロゲンである。
mは0以上3以下の数であり、nは1以上4以下の数であり、m+n=3又は4である。
一般式(1-2)で表される金属化合物の好ましい例としては、MはTi、Zrであり、Rはハロゲン基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基である。具体的には、テトラクロロチタン、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ(i-プロポキシ)チタン、テトラ(n-ブトキシ)チタン、テトラアミロキシチタン、テトラアリロキシチタン、テトラフェノキシチタン、チタンジプロポキシビスエチルアセトアセテート、チタンジブトキシビスエチルアセトアセテート、チタンジプロポキシビス2,4-ペンタンジオネート、チタンジブトキシビス2,4-ペンタンジオネート、テトラクロロジルコニウム、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラ(i-プロポキシ)ジルコニウム、テトラ(n-ブトキシ)ジルコニウム、テトラフェノキシジルコニウム、ジルコニウムジブトキシドビス(2,4-ペンタンジオネート)、ジルコニウムジプロポキシドビス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオネート)などが挙げられる。
一般式(1y)で示されるケイ素化合物と、当該一般式(1-2)で表される金属化合物と、を加水分解重縮合するときのそれぞれの割合は、前述のケイ素化合物と前述の金属化合物との合計を100質量%としたときに、(1-A)で表される構成単位が1質量%~90質量%となる割合が好ましい。
一実施形態において、加水分解重縮合するときに、及び/又はその前に、一般式(1-2)で表される金属化合物にキレート化剤を添加すると、当該加水分解重縮合の反応均一性が向上するため、好ましい。キレート化剤の例としては、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタンなどのβ-ジケトン、アセト酢酸エチル、ベンゾイル酢酸エチルなどのβ-ケト酸エステルなどを挙げることができる。
[光学部材用の塗布液の製造方法]
光学部材用の塗布液は、上述した成分(A)と、安定化剤(B)と、溶剤(C)と、を公知方法により混合することにより製造することができる。混合時に、金属微粒子(A-1)を沈降が生じないように分散させることが好ましい。本光学部材用の塗布液においては、一般式(1)で表される第1の構成単位を含むポリシロキサン化合物を含むことにより、HFIP基が、前述した成分(A)との相溶性を高めると推測され、その結果成分(A)を高含有量化し、且つ、成分(A)などの原料由来の沈降の抑制された塗布液及び感光性塗布液を実現することができると考えられる。また、金属微粒子(A-1)は、好ましくは金属酸化物微粒子としてもよい。また、任意成分として上述の添加剤を光学部材用の塗布液に含有させてもよい。
また、光学部材用の塗布液は、上述した重合体と、溶剤(C)と、を公知方法によって混合することにより製造することができる。あるいは、溶剤(C)中で上述した重合体を合成することで、上記重合体と溶剤(C)とを含む光学部材用の塗布液を得てもよい。なお、溶剤(C)の種類と好適な含有量は上述した通りである。本光学部材用の塗布液においては、一般式(1y)で表されるケイ素化合物と、一般式(1-2)で表される金属化合物とを、予め加水分解重縮合して重合体を得ることにより、一般式(1-A)で表される構成単位と、一般式(1)で表される構成単位が均一に該重合体中に存在するため、その結果、沈降が生じるのを抑制できると考えられる。
また、任意成分として上述の添加剤を重合体の合成時、及び/又は重合体と、溶剤(C)の混合時に添加してもよい。また、重合体と溶剤(C)とを含む塗布液に、さらに金属微粒子を含んでもよい。当該金属微粒子は、成分(A)と安定化剤(B)と溶剤(C)とを混合して光学部材用の塗布液を得る際に用いられるものと同様であってもよい。
[硬化膜]
本開示の好適な実施形態の一つは、本光学部材用の塗布液を硬化させてなる硬化膜である。硬化膜は、本光学部材用の塗布液を基材上に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。一実施形態において、塗布液を基材上に塗布した後、80℃以上350℃以下の温度で加熱することにより塗布液を固化させ、硬化膜を形成することができる。
[感光性塗布液]
一実施形態において、本光学部材用の塗布液を感光性塗布液として用いることもできる。この場合、感光性塗布液は、本光学部材用の塗布液に加えて、光誘起性化合物(D)をさらに含む。
[光誘起性化合物(D)]
光誘起性化合物(D)としては、例えば、ナフトキノンジアジド、光酸発生剤、光塩基発生剤及び光ラジカル発生剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
キノンジアジド化合物は、露光すると窒素分子を放出して分解し、分子内にカルボン酸基が生成するため、上記の感光性塗布液から得られる感光性塗布膜のアルカリ現像液に対する溶解性を向上させる。また、未露光部位においては感光性塗布膜のアルカリ溶解性を抑制する。このため、キノンジアジド化合物を含有する感光性塗布膜は、未露光部位と露光部位においてアルカリ現像液に対する溶解性のコントラストが生じ、ポジ型のパターンを形成することができる。
キノンジアジド化合物は、例えば、1,2-キノンジアジド基など、キノンジアジド基を有する化合物である。1,2-キノンジアジド化合物としては、例えば、1,2-ナフトキノン-2-ジアジド-4-スルホン酸、1,2-ナフトキノン-2-ジアジド-5-スルホン酸、1,2-ナフトキノン-2-ジアジド-4-スルホニルクロリド、及び1,2-ナフトキノン-2-ジアジド-5-スルホニルクロリドが挙げられる。キノンジアジド化合物を用いれば、一般的な紫外線である水銀灯のi線(波長365nm)、h線(波長405nm)、g線(436nm)に感光するポジ型の感光性塗布膜を得ることができる。
キノンジアジド化合物の市販品としては、東洋合成工業株式会社製のNTシリーズ、4NTシリーズ、PC-5、株式会社三宝化学研究所製のTKFシリーズ、PQ-C等が挙げられる。
本感光性塗布液中の、光誘起性化合物(D)としてのキノンジアジド化合物の配合量は、必ずしも制限はないが、安定化剤(B)であるポリシロキサン化合物又は上記重合体中の一般式(1)で表される構成単位を100質量部としたときに、例えば、1質量部以上30質量部以下が好ましく、5質量部以上20質量部以下がさらに好ましい態様である。適量のキノンジアジド化合物を用いることで、十分なパターニング性能と、得られるパターニング硬化膜の透明性や屈折率などの光学物性を両立させやすい。
光酸発生剤について説明する。光酸発生剤は、光照射により酸を発生する化合物であり、露光部位で発生した酸により、シラノール縮合反応、すなわちゾルゲル重合反応が促進され、アルカリ現像液による溶解速度が著しく低下、すなわちアルカリ現像液への耐性を実現することができる。また、安定化剤(B)であるポリシロキサン化合物又は上記重合体中の一般式(1)で表される構成単位内にエポキシ基やオキセタン基を有する場合は、各々の硬化反応を促進させることが可能なため好ましい。一方で、未露光部はこの作用が起こらずアルカリ現像液によって溶解され、露光部位の形状に応じたネガ型パターンが形成される。
光酸発生剤を具体的に例示するならば、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン、N-スルホニルオキシイミド又はオキシム-O-スルホネートが挙げられる。これらの光酸発生剤は単独で使用してもよいし、2種類以上を併せて用いてもよい。市販品の具体例としては、商品名:Irgacure 290、Irgacure PAG121、Irgacure PAG103、Irgacure CGI1380、Irgacure CGI725(以上、米国BASF社製)、商品名:PAI-101,PAI-106、NAI-105、NAI-106、TAZ-110、TAZ-204(以上、みどり化学株式会社製)、商品名:CPI-200K、CPI-210S、CPI-101A、CPI-110A、CPI-100P、CPI-110P、CPI-310B、CPI-100TF、CPI-110TF、HS-1、HS-1A、HS-1P、HS-1N、HS-1TF、HS-1NF、HS-1MS、HS-1CS、LW-S1、LW-S1NF(以上、サンアプロ株式会社製)、商品名:TFE-トリアジン、TME-トリアジン又はMP-トリアジン(以上、株式会社三和ケミカル製)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本感光性塗布液中の、光誘起性化合物(D)としての光酸発生剤の配合量は、必ずしも制限はないが、安定化剤(B)であるポリシロキサン化合物又は上記重合体中の一般式(1)で表される構成単位を100質量部としたときに、例えば、0.01質量部以上10質量部以下が好ましく、0.05質量部以上5質量部以下がさらに好ましい態様である。適量の光酸発生剤を用いることで、十分なパターニング性能と、組成物の貯蔵安定性とを両立させやすい。
次に、光塩基発生剤について説明する。光塩基発生剤は、光照射により塩基(アニオン)を発生する化合物であり、露光部位で発生した塩基が、ゾル-ゲル反応を進行させ、アルカリ現像液による溶解速度が著しく低下、すなわちアルカリ現像液への耐性を実現することができる。一方で、未露光部はこの作用が起こらずアルカリ現像液によって溶解され、露光部位の形状に応じたネガ型パターンが形成される。
光塩基発生剤を具体的に例示するならば、アミド、アミン塩などが挙げられる。市販品の具体例としては、商品名:WPBG-165、WPBG-018、WPBG-140、WPBG-027、WPBG-266、WPBG-300、WPBG-345(以上、富士フイルム和光純薬株式会社製)、2-(9-Oxoxanthen-2-yl)propionic Acid 1,5,7-Triazabicyclo[4.4.0]dec-5-ene Salt、2-(9-Oxoxanthen-2-yl)propionic Acid、Acetophenone O-Benzoyloxime、2-Nitrobenzyl Cyclohexylcarbamate、1,2-Bis(4-methoxyphenyl)-2-oxoethyl Cyclohexylcarbamate(以上、東京化成工業株式会社製)、商品名:EIPBG、EITMG、EINAP、NMBC(以上、アイバイツ株式会社製)が挙げられるがこれらに限定するものではない。
これらの光酸発生剤及び光塩基発生剤は、単独、又は2種以上混合して用いても、他の化合物と組み合わせて用いてもよい。
他の化合物との組み合わせとしては、具体的には、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ジエタノールメチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチル-4-ジメチルアミノベンゾエート、2-エチルヘキシル-4-ジメチルアミノベンゾエート等のアミンとの組み合わせ、さらにこれにジフェニルヨードニウムクロリド等のヨードニウム塩を組み合わせたもの、メチレンブルー等の色素及びアミンと組み合わせたもの等が挙げられる。
本感光性塗布液中の、光誘起性化合物(D)としての光塩基発生剤の配合量は、必ずしも制限はないが、安定化剤(B)であるポリシロキサン化合物又は上記重合体中の一般式(1)で表される構成単位を100質量部としたときに、例えば、0.01質量部以上10質量部以下が好ましく、0.05質量部以上5質量部以下がさらに好ましい態様である。ここに示された量で光塩基発生剤を用いることで、得られるパターン硬化膜の薬液耐性や、組成物の貯蔵安定性などのバランスを一層良好とすることができる。
また、本感光性塗布液は、増感剤をさらに含有してもよい。増感剤を含有することによって、露光処理において光誘起性化合物(D)の反応が促進されて、感度やパターン解像度が向上する。
増感剤は特に制限されないが、好ましくは熱処理により気化する増感剤や、光照射によって退色する増感剤が用いられる。この増感剤は、露光処理における露光波長(例えば、365nm(i線)、405nm(h線)、436nm(g線))に対して光吸収をもつことが必要であるが、そのままパターン硬化膜に残存すると可視光領域に吸収が存在するために透明性が低下してしまう。そこで、増感剤による透明性の低下を防ぐために、用いられる増感剤は、熱硬化などの熱処理で気化する化合物や、後述するブリーチング露光などの光照射によって退色する化合物が好ましい。
上記の熱処理により気化する増感剤、及び光照射によって退色する増感剤の具体例としては、3,3’-カルボニルビス(ジエチルアミノクマリン)などのクマリン、9,10-アントラキノンなどのアントラキノン、ベンゾフェノン、4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、アセトフェノン、4-メトキシアセトフェノン、ベンズアルデヒドなどの芳香族ケトン、ビフェニル、1,4-ジメチルナフタレン、9-フルオレノン、フルオレン、フェナントレン、トリフェニレン、ピレン、アントラセン、9-フェニルアントラセン、9-メトキシアントラセン、9,10-ジフェニルアントラセン、9,10-ビス(4-メトキシフェニル)アントラセン、9,10-ビス(トリフェニルシリル)アントラセン、9,10-ジメトキシアントラセン、9,10-ジエトキシアントラセン、9,10-ジプロポキシアントラセン、9,10-ジブトキシアントラセン、9,10-ジペンタオキシアントラセン、2-t-ブチル-9,10-ジブトキシアントラセン、9,10-ビス(トリメチルシリルエチニル)アントラセンなどの縮合芳香族などが挙げられる。商業的に入手できるものとしては、アントラキュアー(川崎化成工業株式会社製)などが挙げられる。
これらの増感剤を添加する場合、その配合量は、安定化剤(B)であるポリシロキサン化合物又は上記重合体中の一般式(1)で表される構成単位100質量部に対して、0.001質量部以上10質量部以下とするのが好ましい。
また、上記の増感剤をそれぞれ単独で用いるか、二種以上混合して用いるかは、用途、使用環境及び制限に応じて、当業者が適宜判断すればよい。
[感光性塗布液を用いたパターニング方法]
次に、本感光性塗布液を用いたパターニング方法(本明細書において、「パターン硬化膜の作製方法」とも呼ぶことがある)について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るネガ型のパターン硬化膜100の製造方法を説明する模式図である。なお、本感光性塗布液は、ポジ型のパターン硬化膜100の製造も可能である。
本開示の好適な実施形態の一つは、前記の感光性塗布液を硬化してなる部位を有するパターン硬化膜である。また、本明細書での「パターン硬化膜」は露光の後に現像してパターンを形成し、得られたパターンを硬化させた硬化膜とするのが好ましい。以下に説明する。
パターン硬化膜100の作製方法は、次の第1~第4工程を含むことができる。
第1工程:本感光性塗布液を基材101上に塗布し、加熱して感光性塗布膜103を形成する工程。
第2工程:感光性塗布膜103を、フォトマスク105を介して露光する工程。
第3工程:露光後の感光性塗布膜103を現像して、パターン膜107を形成する工程。第4工程:パターン膜107を加熱し、それによってパターン膜107を硬化させてパターン硬化膜111に転化させる工程。
[第1工程]
基材101を準備する(工程S1-1)。本感光性塗布液を塗布する基材101としては、形成されるパターン硬化膜の用途に応じて、シリコンウェハ、金属、ガラス、セラミック、プラスチック製の基材から選択される。具体的には、例えば半導体やディスプレイ等に使用される基材として、シリコン、窒化ケイ素、ガラス、ポリイミド(カプトン)、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。また、基材101は表面に、シリコン、金属、ガラス、セラミック、樹脂等の任意の層を有していてもよく、「基材上」とは、基材表面でも、当該層を介してもよいものとする。
基材101上への塗布方法としては、スピンコート、ディップコート、スプレーコート、バーコート、アプリケーター、インクジェット又はロールコーター等、公知の塗布方法を特に制限なく用いることができる。
その後、本感光性塗布液を塗布した基材101を加熱することによって、感光性塗布膜103を得ることができる(工程S1-2)。加熱処理は、得られる感光性塗布膜103が容易に流動や変形しない程度に溶剤を除去できればよく、例えば80~120℃、30秒以上5分以下の条件で加熱すればよい。
[第2工程]
次に、第1工程で得られた感光性塗布膜103を、目的のパターンを形成するための所望の形状の遮光板(フォトマスク)105で遮光して、光を感光性塗布膜103に照射して露光処理することで、露光後の感光性塗布膜103が得られる(工程S2)。露光後の感光性塗布膜103は、露光された部分である露光部103aと露光されなかった部分とを含む。
露光処理には、公知の方法を用いることができる。光源としては、光源波長が1nm~600nmの範囲の光線を用いることができる。具体的に例示すると、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、又はEUV光(波長13.5nm)などを用いることができる。露光量は、使用する光誘起性化合物の種類や量、製造工程などに合わせて調節することができ、特に限定されるものではないが、1~10000mJ/cm程度、好ましくは10~5000mJ/cm程度であるとしてもよい。
露光後、必要に応じて現像工程の前に露光後加熱を行うこともできる。露光後加熱の温度は60~180℃、露光後加熱の時間は30秒~10分が好ましい。
[第3工程]
次に、第2工程で得られた、露光後の感光性塗布膜103を現像することで、露光部103a以外が除去され、所望の形状のパターンを有する膜(以下、「パターン膜」と呼ぶことがある)107を形成することができる(工程S3)。なお、図1はネガ型のパターン硬化膜の製造方法の説明図だが、ポジ型のパターン硬化膜を得る場合は、現像することで露光部103aが除去され、遮光板105で遮光された未露光部である感光性塗布膜103がパターン膜107となる。光誘起性化合物(D)として光酸発生剤を使用し、一般式(1a)のXが水素原子の場合はネガ型、Xが酸不安定性基の場合はポジ型のパターン硬化膜が得られる。
現像とは、アルカリ性の溶液を現像液として用いて、未露光部又は露光部を溶解、洗浄除去することで、パターンを形成することである。
用いる現像液としては、所定の現像法で所望の感光性塗布膜を除去できるものであれば、特に限定されるものではない。具体的には、無機アルカリ、1級アミン、2級アミン、3級アミン、アルコールアミン、4級アンモニウム塩及びこれらの混合物を用いたアルカリ水溶液が挙げられる。
より具体的には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(略称:TMAH)などのアルカリ水溶液が挙げられる。中でも、TMAH水溶液を用いることが好ましく、特に、0.1質量%以上5質量%以下、より好ましくは2質量%以上3質量%以下のTMAH水溶液を用いることが好ましい。
現像法としては、浸漬法、パドル法、スプレー法等の公知の方法を用いることができ、現像時間は、0.1分以上3分以下としてもよい。また、好ましくは0.5分以上2分以下である。その後、必要に応じて洗浄、リンス、乾燥などを行い、基材101上に目的のパターン膜107を形成することができる。
また、パターン膜107を形成後、さらにブリーチング露光を行うことが好ましい。パターン膜107中に残存する光誘起性化合物を光分解させることで、最終的に得られるパターン硬化膜111の透明性を向上させることが目的である。ブリーチング露光は、第2工程と同様の露光処理を行うことができる。
[第4工程]
次に第3工程で得られたパターン膜(ブリーチング露光したパターン膜を含む)107を加熱処理することで、最終的なパターン硬化膜111が得られる(工程S4)。加熱処理により、膜中のポリシロキサン化合物において未反応性基として残存するアルコキシ基やシラノール基を縮合させることが可能となる。また、光誘起性化合物や当該光誘起性化合物の光分解物が残っている場合は、熱分解により除去することが可能となる。
この際の加熱温度としては、80℃以上400℃以下が好ましく、100℃以上350℃以下がより好ましい。加熱処理時間は、1分以上90分以下としてもよく、5分以上60分以下とするのが好ましい。加熱温度を上記の範囲内とすることにより、縮合や硬化反応、光誘起性化合物や当該光誘起性化合物の光分解物の熱分解が十分に進み、所望の薬液耐性、耐熱性、透明性を得ることができる。また、パターン硬化膜111を構成するポリシロキサン化合物の熱分解や形成される膜の亀裂(クラック)を抑制することが可能であり、基材101への密着性が良好な膜を得ることができる。この加熱処理により基材101上に目的のパターン硬化膜111を形成できる。
[光学部材]
上述した硬化膜は所望の屈折率に調整されており、反射防止膜、マイクロレンズ等の各種レンズ、光導波路、遮光膜又は平坦化膜として利用することが可能である。また、上記の反射防止膜、マイクロレンズ等の各種レンズ、光導波路、遮光膜又は平坦化膜は、固体撮像素子や表示装置に利用することが可能である。
当該固体撮像素子を有する電子機器としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、カメラ機能付き携帯電話機、複写機、ゲーム機器、自動ドアなどが挙げられる。
当該固体撮像素子を有する撮像装置としては、内視鏡カメラ、マイクロスコープ、赤外光の受光を利用した医療用カメラ、車載用カメラ、監視カメラ、人物認証カメラ、産業用カメラが挙げられる。
当該表示装置としては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、量子ドットディスプレイ、マイクロLEDディスプレイなどが挙げられる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例中、特に断りがない限り、一部の化合物を以下のように表記する。
Ph-Si:フェニルトリエトキシシラン
Me-Si:メチルトリエトキシシラン
KBM-303:信越化学工業株式会社製、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
KBM-5103:信越化学工業株式会社製、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
HFA-Si:以下の化学式で表される化合物
各種測定に用いた装置や、測定条件について説明する。
[重量平均分子量測定]
後述のポリシロキサン化合物や重合体の重量平均分子量(Mw)を下記の通り測定した。東ソー株式会社製高速GPC装置、機器名HLC-8320GPC、カラムとして東ソー株式会社製TSKgel SuperHZ2000、溶媒にテトラヒドロフラン(THF)を使用し、ポリスチレン換算により測定を行った。
[固形分濃度測定]
ポリシロキサンや重合体の溶液、及び金属酸化物溶液の固形分濃度は、以下の方法により求めた。アルミカップに溶液を1.0g秤取し、ホットプレートを用いて200℃で30分加熱して溶媒を蒸発させた。加熱後のアルミカップに残った固形分を秤量し、溶液中の固形分濃度を求めた。
[屈折率測定]
Metricon社製のプリズムカプラー装置、機器名2010/Mを使用し、633nmにおけるn値(屈折率)を測定した。
[製膜性の評価]
調製した塗布液より得られた硬化膜上の製膜ムラ、クラックについて目視で評価した。全体にムラのないものを良(〇)、製膜ムラ、クラックの見られるものを不良(×)とした。
[金属酸化物微粒子分散安定性の評価]
調製した塗布液の溶液を15000rpm、室温で5分間遠心分離機(工機ホールディングス(株)製 CF16RN)にかけ、溶液中の金属酸化物微粒子の分散安定性を目視で確認した。遠沈管に沈殿物がなければ良(○)、沈殿物があれば不良(×)とした。
[合成例1 HFA-Siの合成]
国際公開2019/167770号公報に従う公知の方法でHFA-Siを合成した。
[合成例2 ポリシロキサン化合物1(HFA-Si/Ph-Si/KBM-303=1/8/1組成(モル比))の合成]
反応容器中にHFA-Si 10.0g(23.8mmol)、Ph-Si 45.8g(190mmol)、KBM-303 5.9g(23.4mmol)、純水13.5g(750mmol)、酢酸1.7g(28.3mmol)を加え、40℃で1時間、70℃で1時間、100℃で2時間反応させた後、さらにシクロヘキサノン40gを加え130℃で2時間反応させた。
反応後、徐冷して室温にもどし、純水30gを加え、水洗を2回繰り返し、得られた有機層からエバポレーターを用いてシクロヘキサノンを除去し、固形分濃度が33質量のポリシロキサン化合物1を50g(収率100%)得た。GPC測定による重量平均分子量Mwは1600であった。
[合成例3 ポリシロキサン化合物2(HFA-Si/Ph-Si/KBM-303/KBM-5103=1/7/1/1組成(モル比))の合成]
反応容器中にHFA-Si 5.0g(11.9mmol)、Ph-Si 20.0g(83.3mmol)、KBM-303 2.9g(11.9mmol)、KBM-5103 2.8g(11.9mmol)、純水6.7g(375mmol)、酢酸0.8g(3.6mmol)を加え、40℃で1時間、70℃で1時間、100℃で4時間反応させた。
反応後、徐冷して室温にもどし、シクロヘキサノン75g、純水25gを加え、水洗を2回繰り返し、得られた有機層からエバポレーターを用いてシクロヘキサノンを留去し、固形分濃度が50質量%のポリシロキサン化合物2を47g(収率100%)得た。GPC測定による重量平均分子量Mwは2460であった。
[合成例4 ポリシロキサン化合物3(HFA-Si/シリケート40=2/8組成(モル比))の合成]
反応容器中にHFA-Si 3.25g(8mmol)、純水1.81g(101mmol)、酢酸0.12g(2.0mmol)を加え、40℃に加温し、1時間攪拌した。その後、シリケート40(平均5量体、多摩化学工業株式会社製)4.77g(32mmol[シリケート40中に含まれるSiO換算。(シリケート40自体は5量体として6.4mmol程度)])と、エタノール4.81gとを加えて、75℃で4時間攪拌した。
攪拌後、PGMEAを添加し、60℃で減圧しつつロータリーエバポレーターを用いて水、酢酸、溶媒及び副生したエタノールと、PGMEAの一部とを留去し、減圧濾過することにより、固形分濃度が30質量%のポリシロキサン化合物3の溶液を17g得た。GPC測定による重量平均分子量Mwは3000であった。
[合成例5 ポリシロキサン化合物4(HFA-Si)の合成]
反応容器中にHFA-Si 10g(24.6mmol)、純水1.4g(78mmol)、酢酸0.04g(0.7mmol)を加え、40℃で1時間、70℃で1時間、100℃で4時間反応させた。
反応後、徐冷して室温にもどし、シクロヘキサノン30g、純水10gを加え、水洗を2回繰り返し、得られた有機層からエバポレーターを用いてシクロヘキサノンを留去し、固形分濃度が73質量%のポリシロキサン化合物4を5g得た。GPC測定による重量平均分子量Mwは2060であった。
[合成例6 ポリシロキサン化合物5(Ph-Si)の合成]
反応容器中にPh-Si 20g(80.5mmol)、純水4.6g(253.5mmol)、酢酸0.14g(2.4mmol)を加え、40℃で1時間、70℃で1時間、100℃で4時間反応させた。
反応後、徐冷して室温にもどし、シクロヘキサノン60g、純水20gを加え、水洗を2回繰り返し、得られた有機層からエバポレーターを用いてシクロヘキサノンを留去し、固形分濃度が73質量%のポリシロキサン化合物5を13g得た。GPC測定による重量平均分子量Mwは6880であった。
[合成例7 ポリシロキサン化合物6(Ph-Si/シリケート40=2/8組成(モル比))の合成]
反応容器中にPh-Si 1.92g(8mmol)、純水0.90g(50mmol)、酢酸0.12g(2.0mmol)を加え、40℃に加温し、1時間攪拌した。その後、シリケート40(平均5量体、多摩化学工業株式会社製)4.77g(32mmol[シリケート40中に含まれるSiO換算。(シリケート40自体は5量体として6.4mmol程度)])と、エタノール4.81gとを加えて、75℃で4時間攪拌した。
攪拌後、PGMEAを添加し、60℃で減圧しつつロータリーエバポレーターを用いて水、酢酸、溶媒及び副生したエタノールと、PGMEAの一部とを留去し、減圧濾過することにより、固形分濃度が30質量%のポリシロキサン化合物6の溶液を9g得た。GPC測定による重量平均分子量Mwは1000であった。
[合成例8 ポリシロキサン化合物7(HFA-Si/Me-Si/KBM-303/KBM-5103=1/7/1/1組成(モル比))の合成)]
反応容器中にHFA-Si 2.03g(5mmol)、Me-Si 6.24g(35mmol)、KBM-303 1.23g(5mmol)、KBM-5103 1.17g(5mmol)、純水 2.84g(158mmol)、酢酸 0.15g(2.5mmol)を加え、75℃で24時間反応させた。
反応後、徐冷して室温にもどし、IPE10.67g、純水10.67gを加え水洗を2回繰り返し、得られた有機層にPGMEAを添加し、60℃で減圧しつつロータリーエバポレーターを用いて水、IPE、PGMEAの一部を留去し、固形分濃度が30%のポリシロキサン化合物7を18.5g得た。GPC測定による重量平均分子量Mwは1710であった。
[金属酸化物粒子の溶剤置換]
<溶剤置換例1 ELCOM TGX-63Aの溶剤置換>
金属酸化物粒子として、チタニアゾル(ELCOM TGX-63A、日揮触媒化成株式会社、一次粒子径10nm)の溶剤をMIBKからシクロヘキサノンに置換した。100mlのナスフラスコにチタニアゾルのMIBKゾル(固形分濃度20%)を30g、シクロヘキサノン20gを加え、50℃で減圧しつつロータリーエバポレーターを用いてMIBKを除去した。得られたチタニアゾルのシクロヘキサノン溶液(M1)の固形分濃度を測定したところ、28%であった。
<溶剤置換例2 Zirconeo-Ckの溶剤置換>
金属酸化物粒子として、ジルコニアゾル(Zirconeo-Ck、株式会社アイテック、一次粒子径10nm)の溶剤をMEK/メタノール=80/20からシクロヘキサノンに置換した。100mlのナスフラスコにジルコニアゾル/メタノール=80/20ゾル(固形分濃度30%)を30g、シクロヘキサノン20gを加え、50℃で減圧しつつロータリーエバポレーターを用いてMEKとメタノールを除去した。得られたジルコニアゾルのシクロヘキサノン溶液(M2)の固形分濃度を測定したところ、31%であった。
<溶剤置換例3 スルーリア4110の溶剤置換>
金属酸化物粒子として、中空シリカゾル(スルーリア4110、日揮触媒化成株式会社、平均一次粒子径60nm)の溶剤をIPAからシクロヘキサノンに置換した。100mlのナスフラスコに中空シリカゾルのIPAゾル(固形分濃度20.5%)を30g、シクロヘキサノン20gを加え、50℃で減圧しつつロータリーエバポレーターを用いてIPAを除去した。得られた中空シリカゾルのシクロヘキサノン溶液(M3)の固形分濃度を測定したところ、26%であった。
[実施例1]
表1の塗布液の比率にて調合を行い、混合、攪拌して塗布液1を調製した。なお、攪拌直後の塗布液1には、目視で沈降物は見られなかった。
塗布液1をポアサイズ0.45μmのフィルターで濾過し、4インチシリコンウエハー上にスピンコーターを用いて回転数500rpmで塗布した後、ホットプレートを用いて100℃で3分加熱し、膜厚2μmの硬化膜1を形成した。
[実施例2~15]
実施例1と同様にして表1に示す比率で混合、攪拌して塗布液2~15を調製し、得られた各塗布液を用いて硬化膜1と同様にして硬化膜2~15を形成した。なお、攪拌直後の塗布液2~15には、何れも目視で沈降物は見られなかった。
[実施例1-1]
塗布液1をポアサイズ0.45μmのフィルターで濾過し、4インチシリコンウエハー上にスピンコーターを用いて回転数500rpmで塗布した後、ホットプレートを用いて100℃で3分加熱し、その後230℃で3分加熱することで、膜厚2μmの実施例1-1の硬化膜を形成した。
[実施例2-1、3-1]
実施例1-1と同様にして、塗布液2、塗布液3をそれぞれ用いて、膜厚2μmの実施例2-1の硬化膜、実施例3-1の硬化膜を形成した。
[比較例1~7]
表1の塗布液の比率にて調合を行い、混合、攪拌して塗布液16~22を調製した。得られた塗布液16、17、19~22を用いて硬化膜1と同様にして比較例1、2、4~7の硬化膜を形成した。また、塗布液18を比較例3とした。なお、攪拌直後の塗布液16~22には、何れも目視で沈降物は見られなかった。結果を表2に示す。
上述により得られた比較例7、実施例15、比較例1、2で得られた硬化膜の製膜性について評価を行った。製膜性の評価には、実施例1に記載と同じスピンコート条件を用いた。結果を表2に示す。
表2に示したように、HFIP基を含有するポリシロキサン化合物4を用いた塗布液においては金属酸化物微粒子M1の添加有無(有:実施例15、無:比較例7)にかかわらず、均一な膜を得ることができた。一方で、HFIP基を含有しないポリシロキサン化合物5を用いた塗布液は金属酸化物微粒子M1の添加がない比較例1においては均一な膜を得ることができる。これに対し、金属酸化物微粒子M1を添加した比較例2においては彗星状ムラ、クラックを生じ均一な膜を得ることができなかった。詳細は不明だが、ポリシロキサン化合物中の2-ヒドロキシ-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル基(HFIP基)が金属酸化物微粒子との相溶性を高めているものと考えられる。
実施例13で得た塗布液13、比較例3で得た塗布液18について遠心分離による金属酸化物の分散安定性評価を行った。結果を表3に示した。
表3に示したように、HFIP基を含有するポリシロキサン化合物3を用いた実施例13(塗布液13)では遠心分離操作後も塗布液は分散状態を保持しており、遠沈管下部の沈殿物は見られなかった。その後、室温で2週間放置した後でも、沈殿物は見られず、分散状態を保持していた。これに対し、HFIP基を含有しないポリシロキサン化合物6を用いた比較例3(塗布液18)では遠心分離操作後の遠沈管下部に沈殿物が見られた。製膜性評価と同様に詳細は不明だが、ポリシロキサン化合物中の2-ヒドロキシ-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル基(HFIP基)が金属酸化物微粒子との相溶性を高めているものと考えられる。
[実施例16]
反応容器中にHFA-Si 3.25g(8mmol)、テトラ(n―ブトキシ)チタン 2.72g(8 mmol)、酢酸0.19g(3.2mmol)を加え、24時間室温下で攪拌した後、エタノール 3.68gをさらに加えて5分間攪拌した。その後、純水0.14g(8mmol)をさらに加えて撹拌したところ、純水添加前と変わらず溶液が目視で透明で、分散状態を維持していることを確認した。その後、69%硝酸0.29g(3.2mmol)を加え、さらに24時間攪拌した。最終的に得られた反応溶液も目視で透明で、分散状態が維持された均一溶液であった。
その後、PGMEA 10gを添加し、50℃でエバポレーター処理して、7.9gの均一溶液である塗布液23を得た。GPC測定による重量平均分子量Mwは1310であった。
[比較例8]
反応容器中にPh-Si 1.92g(8mmol)、テトラ(n―ブトキシ)チタン 2.72g(8mmol)、酢酸0.19g(3.2mmol)を加え、24時間室温下で攪拌した後、エタノール 3.68gを加えて5分間攪拌した後に、純水0.14g(8mmol)を加えたところ白色沈殿が生成した。
実施例16と比較例8の結果から、詳細は不明だが、HFIP基がアルコキシチタンとの加水分解重合時の相溶性を高めているものと考えられる。
纏めると、成分(A)として、金属酸化物微粒子(成分(A-1))を用いた実施例1~15は、一般式(1)で表される構成単位を含むポリシロキサン化合物中のHFIP基が、成分(A)と相溶性を高める安定化剤としての効果を奏するものと考えられる。
また、アルコキシチタンの加水分解重縮合反応を利用して得た重合体を用いた実施例16は、一般式(1-A)で表される構成単位と、一般式(1)で表される構成単位が均一に該重合体中に存在するため、その結果、沈降が生じるのを抑制できるものと考えられる。
[ネガ型パターニング試験]
〈実施例17〉
合成例8で得たポリシロキサン化合物7(HFA-Si/Me-Si/KBM-303/KBM-5103=1/7/1/1組成)を10g秤取し、光酸発生剤であるIrgacure 290(BASF社製)を0.016g加え溶解させた後、中空シリカゾルであるスルーリア4110(20.5wt% IPA溶液、日揮触媒化成株式会社製)を1.59g加え、ポリマー固形分に対するフィラー添加量が10%の感光性樹脂組成物1を調製した。
〈実施例18〉
合成例8で得たポリシロキサン化合物7(HFA-Si/Me-Si/KBM-303/KBM-5103=1/7/1/1組成)を10g秤取し、光酸発生剤であるIrgacure 290(BASF社製)を0.016g加え溶解させた後、中空シリカゾルであるスルーリア4110(20.5wt% IPA溶液、日揮触媒化成株式会社製)を3.17g加え、ポリマー固形分に対するフィラー添加量が20%の感光性樹脂組成物2を調製した。
〈実施例19〉
合成例8で得たポリシロキサン化合物7(HFA-Si/Me-Si/KBM-303/KBM-5103=1/7/1/1組成)を10g秤取し、光酸発生剤であるIrgacure 290(BASF社製)を0.016g加え溶解させた後、中空シリカゾルであるスルーリア4110(20.5wt% IPA溶液、日揮触媒化成株式会社製)を4.76g加え、ポリマー固形分に対するフィラー添加量が30%の感光性樹脂組成物3を調製した。
〈実施例20〉
合成例8で得たポリシロキサン化合物7(HFA-Si/Me-Si/KBM-303/KBM-5103=1/7/1/1組成)を10g秤取し、光酸発生剤であるIrgacure 290(BASF社製)を0.016g加え溶解させた後、中空シリカゾルであるスルーリア4110(20.5wt% IPA溶液、日揮触媒化成株式会社製)を6.34g加え、ポリマー固形分に対するフィラー添加量が40%の感光性樹脂組成物4を調製した。
〈現像試験〉
上記実施例17で得られた感光性樹脂組成物を、株式会社SUMCO製の直径4インチ、厚み525μmのシリコンウェハ上にスピンコート(回転数500rpm)により塗布した。その後、シリコンウェハをホットプレート上で100℃、1分間加熱処理し、感光性樹脂膜1を得た。
得られた感光性樹脂膜1に対して、露光装置を用いて、フォトマスクを介して155mJ/cm(波長365nm)の高圧水銀灯からの光を照射した。その後、ホットプレートで100℃、30秒間加熱処理した。さらにその後、2.38質量%TMAH水溶液に10秒間浸漬して現像し、純水に30秒浸漬して洗浄した。洗浄後、ブリーチング露光を300mJ/cm(露光時と同じ光源)で行い、大気下、230℃で1時間、オーブンで焼成し、膜厚2.6μmのパターン硬化膜を得た。
実施例18で得られた感光性樹脂組成物を用いて、実施例17と同様の方法で感光性樹脂膜を作製した後、露光装置を用いて、フォトマスクを介して385mJ/cmの光を照射し、その後は実施例17と同様の方法で、膜厚2.8μmのパターン硬化膜を得た。
実施例19で得られた感光性樹脂組成物を用いて、実施例17と同様の方法で感光性樹脂膜を作製した後、露光装置を用いて、フォトマスクを介して655mJ/cmの光を照射し、その後は実施例17と同様の方法で、膜厚2.7μmのパターン硬化膜を得た。
実施例20で得られた感光性樹脂組成物を用いて、実施例17と同様の方法で感光性樹脂膜を作製した後、露光装置を用いて、フォトマスクを介して1014mJ/cmの光を照射し、その後は実施例17と同様の方法で、膜厚2.8μmのパターン硬化膜4を得た。
得られたパターン硬化膜を光学顕微鏡で確認した結果、実施例17~20の感光性樹脂組成物を用いて現像処理を行うと、ネガ型のパターン硬化膜が得られることが判った。
[屈折率測定]
上述の実施例1~14、実施例1-1、実施例2-1、実施例3-1、比較例4~6により得られた硬化膜、及び実施例17~20により得られたパターン硬化膜の屈折率測定を行った。測定結果を表4、表5に示す。

金属酸化物微粒子M1を含む、実施例1の硬化膜の屈折率は1.57、実施例2の硬化膜の屈折率は1.59となり、金属酸化物微粒子M1を含まない比較例4の硬化膜の屈折率1.54に比べて、高屈折率化することが判った。
金属酸化物微粒子M2を含む、実施例3の硬化膜の屈折率は1.56、実施例4の硬化膜の屈折率は1.57、実施例5の硬化膜の屈折率は1.59、実施例6の硬化膜の屈折率は1.63となり、金属酸化物微粒子M2を含まない比較例4の硬化膜の屈折率1.54に比べて、高屈折率化することが判った。
金属酸化物微粒子M1を含む、実施例7の硬化膜の屈折率は1.57、実施例8の硬化膜の屈折率は1.58、実施例9の硬化膜の屈折率は1.62となり、金属酸化物微粒子M1を含まない比較例5の硬化膜の屈折率1.54に比べて、高屈折率化することが判った。
金属酸化物微粒子M2を含む、実施例10の硬化膜の屈折率は1.57、実施例11の硬化膜の屈折率は1.62となり、金属酸化物微粒子M2を含まない比較例5の硬化膜の屈折率1.54に比べて、高屈折率化することが判った。
金属酸化物微粒子M3を含む、実施例12の硬化膜の屈折率は1.39、実施例13の硬化膜の屈折率は1.37、実施例14の硬化膜の屈折率は1.33となり、金属酸化物微粒子M3を含まない比較例6の硬化膜の屈折率1.44に比べて、低屈折率化することが判った。
230℃、3分間加熱で得られた実施例1-1の硬化膜、実施例2-1の硬化膜、実施例3-1の硬化膜の屈折率値は、110℃、3分間加熱で得られた実施例1の硬化膜、実施例2の硬化膜、実施例3の硬化膜の屈折率値とほぼ同等であった。
100 パターン硬化膜、101 基材、103 感光性塗布膜、105 フォトマスク、107 パターン膜、111 パターン硬化膜

Claims (25)

  1. 金属微粒子(A-1)、及び/又は下記一般式(1-A)で表される構成単位を含む金属化合物(A-2)からなる成分(A)と、
    下記一般式(1)で表される構成単位を含むポリシロキサン化合物からなる安定化剤(B)と、
    溶剤(C)と、を含む、光学部材用の塗布液。

    [(RMOc/2] (1-A)
    [(R(R(ORSiOg/2] (1)

    (前記一般式(1-A)中、MはTi、Zr、Al、Hf、In、及びSnからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、Rはそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上5以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素数1以上10以下のフルオロアルキル基であり、
    bは0以上4未満の数、cは0超4以下の数であり、b+c=3又は4であり、
    前記一般式(1)中、Rは下記一般式(1a)で表される基であり、


    前記一般式(1a)中、Xは水素原子又は酸不安定性基であり、
    aは1~5の数であり、破線は結合手を表し、
    はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素数1以上10以下のフルオロアルキル基であり、Rはそれぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1以上5以下のアルキル基であり、
    dは1以上3以下の数であり、eは0以上2以下の数であり、fは0以上3未満の数であり、gは0超3以下の数であり、d+e+f+g=4である。)
  2. 前記金属微粒子(A-1)が、Si、Ti、Zr、Al、Mg、Hf、In、及びSnからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載の光学部材用の塗布液。
  3. 前記金属微粒子(A-1)が、シリカ、中空シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、フッ化マグネシウム、酸化インジウムスズ、アンチモンドープ酸化インジウム、及び酸化ハフニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の微粒子である、請求項1に記載の光学部材用の塗布液。
  4. 前記一般式(1a)で表される基が、下記一般式(1aa)~(1ad)で表される基の何れかである、請求項1に記載の光学部材用の塗布液。


    (前記一般式(1aa)~(1ad)中、X及び破線は前記一般式(1a)における定義と同じである。)
  5. 前記ポリシロキサン化合物が、下記一般式(2)及び/又は下記一般式(3)で表される構成単位を含む、請求項1に記載の光学部材用の塗布液。

    [(R(RSiOj/2] (2)
    [(RSiOl/2] (3)

    (前記一般式(2)中、Rは、エポキシ基、オキセタン基、アクリロイル基、メタクリロイル基又はラクトン基の何れかで置換された、炭素数1以上30以下の一価の有機基から選択される置換基であり、
    は水素原子、ハロゲン基、炭素数1以上5以下のアルキル基、フェニル基、ヒドロキシ基、炭素数1以上3以下のアルコキシ基及び炭素数1以上10以下のフルオロアルキル基からなる群から選択される置換基であり、
    hは1以上3以下の数、iは0以上3未満の数、jは0超3以下の数であり、h+i+j=4であり、
    、Rが複数個あるときは、それぞれは独立して前記置換基の何れかから選択され、
    前記一般式(3)中、Rはハロゲン基、アルコキシ基及びヒドロキシ基からなる群から選択される置換基であり、
    kは0以上4未満の数、lは0超4以下の数であり、k+l=4である。)
  6. 前記一価の有機基Rが、下記一般式(2a)、(2b)、(2c)、(3a)又は(4a)で表される基の何れかである、請求項5に記載の光学部材用の塗布液。


    (前記一般式(2a)、(2b)及び(2c)中、R、R、Rは、それぞれ独立に二価の連結基を表し、破線は結合手を表し、
    前記一般式(3a)又は(4a)中、R及びRは、それぞれ独立に二価の連結基を表し、破線は結合手を表す。)
  7. 前記一般式(3)で表される構成単位が、前記一般式(1)で表されるポリシロキサン化合物の全構成単位の内、5モル%未満又は50モル%超含まれる、請求項5に記載の光学部材用の塗布液。
  8. 前記溶剤(C)が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノン、乳酸エチル、γ-ブチロラクトン、ジアセトンアルコール、ジグライム、メチルイソブチルケトン、酢酸3-メトキシブチル、2-ヘプタノン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、グリコール類、グリコールエーテル類及びグリコールエーテルエステル類からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、請求項1に記載の光学部材用の塗布液。
  9. 一般式(1)で表される構成単位と、一般式(1-A)で表される構成単位と、を含む、重合体。

    [(RMOc/2] (1-A)
    [(R(R(ORSiOg/2] (1)

    (前記一般式(1-A)中、MはTi、Zr、Al、Hf、In、及びSnからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、Rはそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上5以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素数1以上10以下のフルオロアルキル基であり、
    bは0以上4未満の数、cは0超4以下の数であり、b+c=3又は4であり、
    前記一般式(1)中、Rは下記一般式(1a)で表される基であり、


    前記一般式(1a)中、Xは水素原子又は酸不安定性基であり、
    aは1~5の数であり、破線は結合手を表し、
    はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素数1以上10以下のフルオロアルキル基であり、Rはそれぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1以上5以下のアルキル基であり、
    dは1以上3以下の数であり、eは0以上2以下の数であり、fは0以上3未満の数であり、gは0超3以下の数であり、d+e+f+g=4である。)
  10. 請求項9に記載の重合体と、
    溶剤(C)と、を含む、光学部材用の塗布液。
  11. 前記溶剤(C)が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノン、乳酸エチル、γ-ブチロラクトン、ジアセトンアルコール、ジグライム、メチルイソブチルケトン、酢酸3-メトキシブチル、2-ヘプタノン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、グリコール類、グリコールエーテル類及びグリコールエーテルエステル類からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、請求項10に記載の光学部材用の塗布液。
  12. さらに金属微粒子を含む請求項10に記載の光学部材用の塗布液。
  13. 請求項1又は10に記載の光学部材用の塗布液を硬化してなる硬化膜。
  14. 請求項1又は10に記載の光学部材用の塗布液を基材上に塗布した後、80℃以上350℃以下の温度で加熱する工程を含む硬化膜の製造方法。
  15. 請求項1又は10に記載の光学部材用の塗布液と、光誘起性化合物(D)を含む、感光性塗布液。
  16. 前記光誘起性化合物(D)が、ナフトキノンジアジド、光酸発生剤、光塩基発生剤及び光ラジカル発生剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項15に記載の感光性塗布液。
  17. 請求項15に記載の感光性塗布液を硬化してなる部位を有するパターン硬化膜。
  18. 請求項15に記載の感光性塗布液を基材上に塗布して感光性塗布膜を形成し、
    前記感光性塗布膜を、フォトマスクを介して露光し、
    露光後の前記感光性塗布膜を現像して、パターン膜を形成し、
    前記パターン膜を加熱することによって、前記パターン膜を硬化させてパターン硬化膜を形成すること、
    を含むパターン硬化膜の製造方法。
  19. 1nm以上600nm以下の波長の光線を照射して、前記フォトマスクを介して、前記感光性塗布膜を露光する、請求項18に記載のパターン硬化膜の製造方法。
  20. 請求項13に記載の硬化膜、請求項17に記載のパターン硬化膜の両方、若しくはどちらか一方を含む、
    反射防止膜、レンズ、光導波路、遮光膜又は平坦化膜の何れかである、光学部材。
  21. 請求項20に記載の光学部材を備える、固体撮像素子。
  22. 請求項20に記載の光学部材を備える、表示装置。
  23. 下記一般式(1y)で表されるケイ素化合物と、


    (1y)
    下記一般式(1-2)で表される金属化合物と、が加水分解重縮合した重合体であり、
    前記重合体が、前記一般式(1)で表される構成単位と、前記一般式(1-A)で表される構成単位と、を含む、重合体の製造方法。

    M(R(R(1-2)

    (前記一般式(1y)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素数1以上10以下のフルオロアルキル基であり、Rはそれぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1以上5以下のアルキル基であり、aは1~5の数であり、dは1以上3以下の数であり、eは0以上2以下の数であり、ccは1以上3以下の数であり、d+e+cc=4であり、Xは水素原子若しくは酸不安定性基であり、
    前記一般式(1-2)中、MはTi、Zr、Al、Hf、In、及びSnからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、Rはそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上5以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素数1以上10以下のフルオロアルキル基であり、Rは炭素数1~5のアルコキシ基又はハロゲンであり、
    mは0以上3以下の数であり、nは1以上4以下の数であり、m+n=3又は4である。)
  24. 加水分解重縮合するときに、及び/又はその前に、前記一般式(1-2)で表される金属化合物にキレート化剤を添加する、請求項23に記載の重合体の製造方法。
  25. 金属微粒子(A-1)、及び/又は下記一般式(1-A)で表される構成単位を含む金属化合物(A-2)を含む光学部材を形成するための塗布液に用いる安定化剤であって、下記一般式(1)で表される構成単位を含むポリシロキサン化合物。

    [(RMOc/2] (1-A)
    [(R(R(ORSiOg/2] (1)

    (前記一般式(1-A)中、MはTi、Zr、Al、Hf、In、及びSnからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、Rはそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上5以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素数1以上10以下のフルオロアルキル基であり、
    bは0以上4未満の数、cは0超4以下の数であり、b+c=3又は4であり、
    前記一般式(1)中、Rは下一般式(1a)で表される基であり、


    前記一般式(1a)中、Xは水素原子又は酸不安定性基であり、
    aは1~5の数であり、破線は結合手を表し、
    はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素数1以上10以下のフルオロアルキル基であり、Rはそれぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1以上5以下のアルキル基であり、
    dは1以上3以下の数であり、eは0以上2以下の数であり、fは0以上3未満の数であり、gは0超3以下の数であり、d+e+f+g=4である。)
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