JPH09249663A - Sh基標識用試薬、その製法及びそれを用いた標識法 - Google Patents

Sh基標識用試薬、その製法及びそれを用いた標識法

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JPH09249663A
JPH09249663A JP8596696A JP8596696A JPH09249663A JP H09249663 A JPH09249663 A JP H09249663A JP 8596696 A JP8596696 A JP 8596696A JP 8596696 A JP8596696 A JP 8596696A JP H09249663 A JPH09249663 A JP H09249663A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 免疫発光分析等に用いる化学発光標識法にお
いて、アミノ酸や蛋白質等の被測定物質と穏和な条件下
で結合することができ、しかも高い特異性を有しながら
十分な結合力を有するような化学発光標識化合物を見出
し、その化学発光を利用して安定に精度良く被測定物質
を検出する方法を提供すること。 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜6のアルキルまたはアリール基
を、X-はアニオンを示し、mは1〜6の整数を意味す
る)で表されるアクリジン化合物を含有するSH基標識
用試薬、このアクリジン化合物(I)の製法及び当該試
薬を用いた標識法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マレイミド基を持
つアクリジン誘導体を利用するSH基標識用試薬に関
し、更に詳細には、アミノ酸、蛋白質等の被測定物質に
含まれ、または容易に導入できるSH基に結合するマレ
イミド基を有し、化学発光するアクリジン誘導体を標識
物質とするSH基標識用試薬、その製法およびこれを用
いた標識法に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリジン誘導体であるアクリジニウム
エステルは、高い発光効率を持つことから化学発光標識
物質として有用である。 このアクリジニウムエステル
を臨床検査の免疫発光分析におけるケミルミネッセント
ラベルとして使用することについては、例えばヨーロッ
パ特許出願公開第82636号や米国特許第47451
81号明細書に開示されている。
【0003】既知のアクリジニウムエステルの中には、
末端にスルフィニウムイオンを有するもの(特開平5−
255264号)、スペーサー部にヒドラゾニウムイオ
ンを有するもの(特開平5−255263号)やアクリ
ジニウムのメチル基などをカルボキシル基に代えたもの
(特開平6−228102号)等親水性構造を有するも
のが知られているが、これらの親水性構造を有するアク
リジニウムエステルは実質的にアミノ基を標識すること
を目指すものであり、アミノ酸や、蛋白質等を標識し、
臨床検査の免疫発光分析におけるケミルミネッセントラ
ベルとして使用するのに適した化合物とされている。
【0004】ところで、臨床検査の免疫発光分析におけ
る測定対象物質は、アミノ酸や蛋白質がほとんどである
が、これら物質には多くのアミノ基が存在するので、上
記の既知アクリジニウム化合物は標識の実行がたやすい
という点では大きな利点がある。
【0005】しかし逆に、アミノ酸や蛋白質中に多く含
まれるアミノ基を標識する結果、被標識部位が多くな
り、標識の均一性、再現性、抗体蛋白等対象物の不溶化
の問題や、抗体に標識する場合には抗原認識部位にある
アミノ基に標識化合物が結合し、抗体としての働きを低
下させ、ないしは失わせるという問題があった。 ま
た、被標識物質がアミノ基の数が限定される低分子であ
る場合は、標識反応を制御し、容易に一定のモル比で標
識できる場合もあるが、被標識物質が抗体蛋白等の高分
子でアミノ基の数が必ずしも限定できない場合は、試行
錯誤により、一定のモル比で標識できる条件を予備検討
しなければならないという欠点もあった。
【0006】一方、ある化合物を化学発光標識試薬とし
て実用に供するためには、その化合物の標識反応が容易
であると共に、その標識条件では発光ないし分解には至
らないことが必須である。 アクリジニウムエステルで
標識される相手方は、アミノ酸等低分子化合物をはじめ
として酵素あるいは抗体等の高分子化合物まで様々であ
るが、上記のように被標識物質のアミノ基を利用する場
合、上記引用文献にみられるように、アクリジニウムエ
ステルにイミド基を与えてアミノ基と結合させる場合が
多い。 そして、このイミド基を用いてアミノ基と結合
反応させる場合の反応は、アルカリ性で効率良く進む
が、一般にアクリジニウム化合物はアルカリ性で発光な
いし分解に至る不安定な化合物であるため、発光活性を
有したまま標識を効率良く進めるということは、相矛盾
する反応条件を求めることとなって不都合である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、免疫発光分析
等に用いる化学発光標識法において、アミノ酸や蛋白質
等の被測定物質と穏和な条件下で結合することができ、
しかも高い特異性を有しながら十分な結合力を有するよ
うな標識化合物を見出し、これを利用して安定に精度良
く被測定物質を検出する方法の提供が要望されていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題の
解決のために、まず、標識基として、従来利用されてい
るアミノ基に代え、アミノ酸や蛋白質等に一般にはあま
り含まれないが、良好な反応性を有するSH基を利用す
ることに思い至った。 そして、このSH基を標識する
ためのSH基標識用試薬として、マレイミド基を導入し
たアクリジニウム化合物が有利に利用できることを見出
し、本発明を完成した。
【0009】すなわち本発明の目的は、一般式(I)
【化10】 (式中、Rは炭素数1〜6のアルキルまたはアリール基
を、X-はアニオンを示し、mは1〜6の整数を意味す
る)で表されるアクリジン化合物を含有するSH基標識
用試薬を提供することである。また本発明の別の目的
は、上記アクリジン化合物の中間体である一般式(II)
【化11】 (式中、mは前記した意味を有する)で表されるアクリ
ジン化合物を提供することである。更に本発明の他の目
的は、上記式(I)および(II)で表されるアクリジン
化合物の製造法を提供することである。更にまた、本発
明の他の別の目的は、上記式(I)または(II)を用い
る被測定物質の標識法を提供することである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の一般式(I)で表される
化合物は、例えば、次の反応式に従い、一般式(II)で
表される化合物(以下、「中間体(II)」という)に、
常法に従いアルキル化剤(III)を反応させることによ
り得られる。
【0011】
【化12】 (式中、Xは容易にアニオンとなる脱離基を示し、R、
mは前記した意味を有する)
【0012】この反応において使用されるアルキル化剤
(R−X)としては、例えばヨウ化メチル、臭化エチル
やヨウ化エチル等のアルキルハライド、トリフルオロメ
タンスルホン酸メチル、フルオロスルホン酸メチル、メ
タンスルホン酸メチルやp−トルエンスルホン酸メチル
等が挙げられる。 従って、前記した式(I)中のX-
-、Br-等のハロゲンイオン、CF3SO3 -、FSO3
-、CH3SO3 -やp−CH364SO3 -が最も代表的
であり、またRはメチル、エチル等の炭素数1から6の
アルキル基またはアリール基である。 また、この反応
において用いる溶媒としては、例えばエーテル、トルエ
ン、アセトニトリル等が例示される。
【0013】化合物(I)を製造するための出発原料で
ある、 中間体(II)は、次式に従ってω−アミノアル
キレンフェニル 9−アクリジンカルボキシレート(I
V)と無水マレイン酸(V)とを塩基の存在下、反応させ
ることにより製造される。
【0014】
【化13】 (式中、mは前記した意味を有する)
【0015】具体的には、例えばクリニカル ケミスト
リー(Clin.Chem.1985,31(10),16
64−1668)に記載されている方法に準じ、塩基と
して、酢酸ナトリウム、炭酸カリウム等を用い、また溶
媒としては酢酸、プロピオン酸等を用い、80〜140
℃程度の温度で、化合物(IV)と(V)を反応させるこ
とにより化合物(II)を得ることができる。
【0016】なお、上記中間体(II)は、一般式として
は、特開昭62−61969号の中に記載されているも
のの、この公報中では実施例をはじめこの化合物の製造
の手がかりになる記載は全くないので、事実上新規な化
合物と思われる。
【0017】次に、本発明の化合物(I)を、アミノ酸
または蛋白質中のSH基に反応させ、これら物質を標識
する方法について説明する。
【0018】例えば、本発明の化合物(I)により抗体
を標識する場合には、まず、抗体をペプシン消化してF
(ab')2を得、これを穏和な条件下で還元してFa
b'を調製する。 次いで、溶液中でこのFab'のSH
基に本発明化合物(I)のマレイミド基を反応させ、標
識することができる。
【0019】Fab'と本発明化合物(I)の反応は、反
応溶液中の溶存酵素によるSH基の酸化を1〜5mM程
度のEDTAにより保護しつつ、pH5〜7、好ましく
は、pH6〜6.5の水溶液中で、温度1〜37℃、好
ましくは、4〜10℃で、10分から72時間、好まし
くは、48時間程度、Fab'と本発明の化合物(I)と
をモル比1:1〜10で反応させればよい。
【0020】化合物(I)による標識は、一般に水系媒
体中、pH7以下で行うことができるが、もし被標識物
質が水に難溶または不溶の場合には、以下の方法で標識
を行うことができる。 すなわち、被標識物質を水と良
く混じり合う不活性な少量の溶媒(以下、「不活性な溶
媒」という)で溶解した液に水を加え、被標識物質の水
系溶液とし、その液に化合物(I)の水系溶液を混和
し、pH7以下でSH基とマレイミド基の反応を行えば
よい。 この反応は、本発明の化合物(I)のマレイミド
基の不飽和結合に対して被標識物質が求核付加すること
により進むため、被標識物質にSH基のほかにアミノ基
が存在する場合でも、pH7以下で反応を行うためにこ
のアミノ基の求核性が抑えられ、アミノ基との反応生成
物は作らない点で、本発明の化合物はSH基に選択的な
試薬として使うことができる。
【0021】ここで、標識に用いる不活性な溶媒として
は、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキ
シド、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、1,4
−ジオキサンあるいはピリジン等が挙げられる。
【0022】この標識後、ゲルクロマトグラフ法、イオ
ン交換クロマトグラフ法、アフィニティークロマトグラ
フ法、高速液体クロマトグラフ法等の分離手法により、
被標識体を単離することができる。 すなわち、以上の
方法により、モル比一定の標識が可能である。
【0023】また、被標識物質がSH基を有しない場合
は、例えば被標識物質の水酸基やアミノ基等に対し、S
−アセチルメルカプトこはく酸無水物等を用いて穏和な
条件下でSH基を導入し、本発明の標識法を適用するこ
とができる。 この場合、導入されたSH基の定量によ
り、被標識物質とSH基とのモル比を見積ることができ
る。 したがって、本発明の標識法において利用できる
被測定物質としては、SH基を有するか、あるいはSH
基を導入できる物質であれば何でもよく、アミノ酸等の
低分子にも、上記同様、穏和な条件により本発明の化合
物(I)を標識することができる。
【0024】斯くして得られた被標識物質は、公知のア
クリジニウムエステルの発光条件、例えば、アルカリ性
条件下、H22等の添加により化学発光させ、この発光
を化学発光検出器により検出することにより、その存在
を知ることができ、またその化学発光量から、被標識物
質の量を知ることができ、微少量の検出が必要な、医薬
品の体内動態の追跡および診断薬等の各種分野で定性分
析や定量分析に応用することができる。
【0025】次に、本発明の化合物(I)を利用した標
識法の具体的応用例について説明する。本発明の標識法
の応用としては、例えば、いわゆるケミルミネッセント
イムノアッセイサンドイッチ法におけるように、試料中
の被測定物質と、担体に結合させておいた被測定物質と
特異的に結合する物質との結合反応により被測定物質を
捕捉後、この被測定物質に対し別途特異的に結合する物
質を本発明の化合物(I)で標識したものとを結合さ
せ、この発光強度を測定することによる被測定物質の測
定法が挙げられる。
【0026】また、いわゆるケミルミネッセントイムノ
アッセイ競合法におけるように、被測定物質を本発明の
化合物(I)で標識し、これを予め一定濃度で添加し、
試料中の被測定物質と標識された被測定物質のいずれに
も特異的に結合する物質に対してこれらの被測定物質同
士が拮抗的に結合する反応を利用し、この発光強度を測
定することによる被測定物質の測定法が挙げられる。こ
れらの場合、特異的に結合する物質の組合せの例として
は、抗原と抗体、核酸と相補的配列、エフェクター分子
とレセプター分子、酵素とインヒビター、アビジンとビ
オチン、糖鎖を有する物質と対応するレクチン等が挙げ
られる。
【0027】また別の応用としては、例えば、いわゆる
ポストカラム高速液体クロマトグラフ法におけるよう
に、被測定物質を本発明の化合物(I)で標識し、前記
のクロマトグラフ法等の分離手法により単離し、化学発
光検出器により、被測定物質を測定する方法が挙げられ
る。
【0028】以上説明した標識法において、本発明の化
合物(I)により、従来知られたアクリジニウムエステ
ルが有していた欠点である、標識された被測定物質の不
溶化、生物活性に必要なアミノ基まで標識により失活さ
せる恐れや、一定の結合モル比で結合させにくく、結合
反応に再現性を得ることが容易でなく、結合反応条件下
で既に発光や分解が生じること等の各種問題を克服でき
る。
【0029】更に、本発明の応用の別の例としては、以
下の方法が挙げられる。 すなわち、本発明化合物(I)
合成のためにも利用される中間体(II)を、予めSH基
を有する被測定物質に反応させて結合(以下、「前標
識」という)させる。 次いで、適当なN−アルキル化
剤を反応させ、更にアルカリ性条件下、H22等適当な
化学発光剤を作用させ、この化学発光を化学発光検出器
により検出し、被測定物質を測定する方法が挙げられ
る。
【0030】一般式(II)で表されるアクリジンエステ
ルは、その末端のマレイミド基がSH基に対し結合活性
があり、しかも安定な化合物として単離可能であるた
め、予めSH基を有する物質と結合させることができ
る。
【0031】上記の中間体(II)による被測定物質の前
標識反応における結合方法、得られた前標識体の分離方
法等は、化合物(I)についての方法とほぼ同様にして
行うことができる。
【0032】上記の前標識体は、更に、アルキル化剤
(III)と適当な溶媒中で反応させることにより、アク
リジニウムエステル標識体とすることができる。 使用
されるアルキル化剤(III)としては、前記した如く、
例えばヨウ化メチル、ヨウ化エチル、臭化エチル等のハ
ロゲン化アルキル、トリフルオロメタンスルホン酸メチ
ル、フルオロスルホン酸メチル、メタンスルホン酸メチ
ルやp−トルエンスルホン酸メチル等を用いることがで
きる。 また、用いる溶媒としては、例えば上記の前標
識反応に用いられた溶媒のほか、テトラヒドロフラン、
アセトニトリル等が挙げられる。
【0033】この反応後用いた溶媒中より、結晶として
析出する場合はアクリジニウムエステル標識体を濾取し
て単離することができるし、析出してこない場合は、カ
ラムクロマトグラフ法を用い単離することができる。
【0034】中間体(II)による前標識反応後、更にア
ルキル化剤(III)によりN−アルキル化され、標識さ
れた被測定物質の化学発光や、その利用等も化合物
(I)について説明したのと同様である。
【0035】なお、中間体(II)を用いる標識方法は、
結合後、アルキル化剤(III)で標識するということか
ら見て、SH基以外のアルキル化剤に活性な基がある被
測定物質には適さず、この場合にはこれらの活性な基を
適当な保護基で保護する等の手段を採る必要性がある。
【0036】
【発明の効果】本発明の化合物(I)または(II)によ
る被測定物質の標識は、SH基とマレイミド基の安定な
結合であって、穏和な条件下で行われるものである。
そして、穏和な条件で標識が行われる結果、例えば標識
された抗体等の抗原認識部位は損なわれることなく、ま
た、アクリジンエステルが発光して消耗することや、分
解失活することもない。
【0037】また、本発明の標識法では、アミノ酸や蛋
白質中では、比較的少ない基であるSH基を使用するた
めに、被測定物質に対し特異的な標識をすることがで
き、ひいては被測定物質と化学発光物質と一定の結合モ
ル比での結合が得られる等の利点がある。
【0038】例えば、本発明の標識方法を抗体のFa
b'に適用した場合、Fab'のSH基は1個であるた
め、本発明の化合物(I)(または中間体(II))をF
ab'に比べ、やや過剰に加えてFab'を全て標識した
場合でも、高々、モル比1:1の標識となるにすぎず、
更に、この結合に関するSH基はFab'の生物活性部
位とは無関係であるため、Fab'の抗原認識部位が損
なわれることはない。
【0039】従って、化学発光量から、被測定物質の定
性や定量が容易にでき、とりわけ、微少量の検出が必要
な医薬品の体内動態の追跡や診断薬等の分野に応用する
ことができる。
【0040】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例等になんら制約され
るものではない。
【0041】実 施 例 1 4−[2−(マレイミド−1−イル)エチル]フェニル
9−アクリジンカルボキシレート(2)[中間体(I
I)]の合成:
【0042】
【化14】
【0043】4−(2−アミノエチル)フェニル 9−
アクリジンカルボキシレート(1)0.71gおよび無
水マレイン酸 0.60gと、酢酸ナトリウム0.60g
とを酢酸 20ml中に加え、3時間加熱還流した。 冷
後、酢酸を減圧留去し、水を加え、CHCl3にて抽出
した。 抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、C
HCl3を減圧留去した。 残渣をシリカゲルカラムクロ
マト(溶離液:CHCl3)にて精製し、標題化合物
(2)を0.14g得た(収率 9.5%)。 この物質の
分析値は、下記の通りであった。
【0044】NMR(CD3OD)δ:8.2−7.6
(m,8H), 7.4(s,4H), 6.8(s,2H),
3.8(t,J=8,2H), 3.0(t,J=8,2H) MASS(FAB): 423(M+1)
【0045】実 施 例 2 4−[2−(マレイミド−1−イル)エチル]フェニル
10−メチルアクリジニウム−9−カルボキシレート
(3)[化合物(I)]の合成:
【0046】
【化15】
【0047】上記マレイミド(2) 0.17gを20m
lのトルエンに溶かした。 この溶液に、室温、攪拌
下、0.10gのトリフルオロメタンスルホン酸メチル
を加え、室温で1時間攪拌した後一晩放置した。 放置
後、析出する黄色析出物を濾取し、これをトルエンで洗
浄した。 これを風乾して標題化合物(3)を0.12g
得た(収率 51%)。 この物質の分析値は、下記の通
りであった。
【0048】NMR(CD3OD)δ:8.9−8.0
(m,8H), 7.4(s,4H), 6.8(s,2H),
5.1(s,2H), 3.8(t,J=8,2H), 3.0
(t,J=8,2H) MASS(FAB): 437(M+
【0049】実 施 例 3 抗ヒトヘモグロビン抗体の標識: (1) 0.1M NaClを含む、0.1M 酢酸ソーダ
緩衝液(pH4.5)3ml中に、精製抗ヒトヘモグロ
ビンウサギポリクローナル抗体 10mgを加え、この
溶液に、ブタ胃液由来精製ペプシン粉末 0.4gを添加
溶解し、37℃で48時間インキュベートしてウサギI
gGのFc部分を消化した。 これを溶離液として5m
M EDTAを含む、0.1M リン酸ソーダ緩衝液(p
H6)[以下pH6緩衝液と略す]とスーパーデックス
200カラム(ファルマシア製)とを用いるゲル濾過に
より分画し、pH6緩衝液 3ml中にF(ab')2
mgを含む溶液を得た。
【0050】この溶液に、2−メルカプトエチルアミン
24mgを添加し、37℃で24時間インキュベート
し、F(ab')2をFab'に還元した。 次いで、セフ
ァデックスG25カラム(ファルマシア製、溶離液:p
H6緩衝液)によりゲル濾過し、pH6緩衝液 3ml
中にFab'2mgを含む溶液を得た。
【0051】この溶液の一部分を用い、4,4'−ジチオ
ピリジンがFab'のSH基と定量的に反応した結果得
られる4−メルカプトピリジンの量を波長324nmで
吸光度測定することによりSH基の定量を実施した。
この結果、Fab'1分子当たりのSH基は1個であっ
た。
【0052】(2) 次に、Fab' 0.5mgを含むp
H6緩衝液 0.75mlに、実施例2で合成された化合
物(3) 0.04mgを含むpH6緩衝液 0.5mlを
加えた。 すなわち、Fab'と化合物(3)の結合反応
のモル比か1対5となるように加え、4℃で48時間イ
ンキュベートし、Fab'を化合物(3)で標識した。
標識後、セファデックスG25カラム(ファルマシア
製、溶離液pH6緩衝液)によりゲル濾過し、過剰に加
えられた化合物(3)を分離し、pH6緩衝液3ml中
に標識抗体 0.5mgを含む液を得た(標識抗体A)。
【0053】これを、Fab'のE280および化合物
(3)のE260のモル吸光係数により定量したところ、
得られた標識抗体AはFab'と化合物(3)とが1対
1のモル比で結合していた。
【0054】実 施 例 4 標識抗体によるヒトヘモグロビンのアッセイ:0.15
M NaClを含む、pH7の0.05M リン酸緩衝液
(以下「PBS」と略す)0.1ml中に、精製抗ヒト
ヘモグロビンマウスモノクローナル抗体5μgを含む液
を調製した。 この液をマイクロプレートの各ウエルに
0.1mlずつ分注し、4℃で一昼夜放置してこのモノ
クローナル抗体をウエル内部表面に吸着させ固相化し
た。
【0055】この抗体固相化プレートを、ウシ血清アル
ブミン1mg含むPBS 0.1mlにてブロッキング処
理した。 別途、精製ヒトヘモグロビンをそれぞれ0、
0.2、1、5、25および125μg/mlとなるよ
うにPBSに溶解しておき、これらのそれぞれ0.1m
lを前記マイクロプレートの各ウエルに分注し、4℃で
一昼夜放置して試料中のヒトヘモグロビンを固相化抗体
に捕捉させた。 次いで、各ウエルをPBSで洗浄し、
結合しなかったヒトヘモグロビンを分離後、実施例3で
作成した標識抗体A 5μgをそれぞれ含むPBS 0.
1mlを各ウエルに分注し、4℃で一昼夜放置して反応
させた。
【0056】各ウエルをPBSで洗浄し、結合しなかっ
た標識抗体Aを分離後、0.1N−NaOH 0.05m
lおよび0.5% H22 0.04mlを加えることで発
光させ、化学発光測定用マイクロプレートリーダーの一
種であるルミナスCT−9000D(ダイアヤトロン
製)により測定した。 発光量は2秒間の積算値とし
た。 以上の結果をまとめて表1に示す。
【0057】
【0058】この表のごとく、ヒトヘモグロビン濃度に
応じて、標識抗体Aに由来する化学発光量は増大した。
すなわち、ヒトヘモグロビンの定量に有用であること
で示している。 以 上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/532 G01N 33/532 B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜6のアルキルまたはアリール基
    を、X-はアニオンを示し、mは1〜6の整数を意味す
    る)で表されるアクリジン化合物を含有するSH基標識
    用試薬。
  2. 【請求項2】 一般式(II) 【化2】 (式中、mは1〜6の整数を意味する)で表されるアク
    リジン化合物を含有するSH基標識用試薬。
  3. 【請求項3】 一般式(II) 【化3】 (式中、mは1〜6の整数を意味する)で表されるアク
    リジン化合物に次の式(III) 【化4】 (式中、Rは炭素数1〜6のアルキルまたはアリール基
    を、Xは容易にアニオンとなる脱離基を示す)で表され
    るアルキル化剤を作用させることを特徴とする、次の式
    (I) 【化5】 (式中、X-はアニオンを示し、Rおよびmは前記した
    意味を有する)で表されるアクリジン化合物の製造法。
  4. 【請求項4】 次の式(IV) 【化6】 (式中、mは1〜6の整数を意味する)で表されるω−
    アミノアルキレンフェニル 9−アクリジンカルボキシ
    レートと無水マレイン酸とを塩基の存在下反応させるこ
    とを特徴とする、次の式(II) 【化7】 (式中、mは前記した意味を有する)で表されるアクリ
    ジン化合物の製造法。
  5. 【請求項5】 一般式(I) 【化8】 (式中、Rは炭素数1〜6のアルキルまたはアリール基
    を、X-はアニオンを示し、mは1〜6の整数を意味す
    る)で表されるアクリジン化合物を、被測定物質中のS
    H基と反応させることを特徴とする被測定物質の標識
    法。
  6. 【請求項6】 一般式(II) 【化9】 (式中、mは1〜6の整数を意味する)で表されるアク
    リジン化合物を、被測定物質中のSH基と反応させるこ
    とを特徴とする被測定物質の前標識法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008035565A1 (fr) * 2006-09-19 2008-03-27 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. réactif de détection de biomolécule et procédé de détection de biomolécule utilisant ledit réactif
JP2011503235A (ja) * 2007-11-20 2011-01-27 シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレーテッド イオン液体中でのアクリジン化合物の容易なn−アルキル化

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