JP4699756B2 - 親水性化学発光アクリジニウムラベル化剤 - Google Patents

親水性化学発光アクリジニウムラベル化剤 Download PDF

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Description

本発明は、アミン反応性アクリジニウムラベル化剤に関する。特定の見地としては、本発明は、1またはそれ以上の親水性置換基を有するアクリジニウムラベル化剤に関する。他の見地として、本発明は、本発明のアクリジニウムラベル化剤を含むコンジュゲート、キット、これを利用するアッセイに関する。
以下の記述における本発明の背景は、単に本発明の理解を助けるために提供されるものであり、本発明の先行技術を記載することや、本発明の先行技術を構成することを認めるものではない。
アクリジニウムラベル化を利用する化学発光イムノアッセイは、臨床的に意義のある低濃度の分析物を、ハイスループット、且つ、高い感度で分析できる点で有利である。通常は、大量の化学発光タグでラベル化された抗体を用いることが好ましく、これは高い発光カウントを生じ、それにより検出限界を低くすることができる。非特異的結合が最小化できる場合は、この考えが当てはまる。
比較的高いラベル化剤−タンパク質の比で、市販のラベル化剤により抗体をコンジュゲートする際、ラベル化されたタンパク質の回収率が低いことがしばしばある。これらのラベル化反応のほとんどにおいて、タンパク質の沈殿および/またはタンパク質凝集の形成が観察される。おそらく、沈殿と凝集は、溶液に留まっている免疫学的に活性なコンジュゲートよりも、ラベル化の度合いが高いタンパク質分子によるものである。沈殿と凝集に向かう傾向は、4つの環状芳香族のアクリジニウムエステルラベルの疎水的性質に起因するであろう。
したがって、この分野において、タンパク質の沈殿を引き起こす傾向および/またはタンパク質凝集の形成を促進する傾向を減らすアクリジニウムラベル化剤が必要とされている。
本発明によれば、親水性スルホアルキル置換基、および/または、ホモシステイン酸、システイン酸、グリシンペプチド、テトラエチレンオキサイド等由来の親水性リンカー、を導入することにより、アクリジニウム環系の疎水性が相殺され、沈殿や凝集の問題が生じる前に高い容量で抗体に結合できる、より溶解性のよいラベルを製造できることを見出した。
ここで記載されるさらなる化合物は、水分子との水素結合により水溶性を増す短鎖ペプチドおよびテトラエチレンオキサイド由来のリンカーを含む。本発明は、また、溶解性を増すために規則的な間隔でスルホン酸基を有するいくつかのアクリジニウムエステルを保持するペプチドからなる、シグナル増幅のための複数のアクリジニウムラベル化剤を包含する。
本発明の他の態様によれば、サンプル中の分析物の存在をアッセイする方法であって、分析物を本発明のコンジュゲートに接触させること、過酸化物または分子酸素の存在下で形成される中間体の消失により化学発光を誘発させること、およびその化学発光を測定して分析対象をアッセイすること、を含むアッセイ方法が提供される。
本発明のまた他の見地によれば、特異的結合物質にコンジュゲートした化学発光ラベルを用いた分析物の検出のための診断アッセイ方法において、化学発光ラベル化合物として本発明の化合物を用いることを含む、改良したアッセイ方法が提供される。
上記の本発明の概略は限定的なものではなく、本発明の他の特徴や有利な点は、特許請求の範囲とともに、以下の発明を実施するための最良の形態の記載から明らかであろう。
本発明によれば、以下の構造の化学発光化合物が提供される。

(Xは、O、SまたはNR’を示し、R’はH、アルキルまたは置換基を有するアルキルであり、
Yは、OまたはSを示し、
Zは、アルキル、スルホアルキル、アルケニル、またはスルホアルケニルを示し、
Arは、少なくとも1つのSO 2 L置換基を有するアリールまたはヘテロアリールを示し
、LはハロゲンまたはNHQであり、Qはアミン反応性基を有するリンカーであり、
Rは、スルホアルキルまたはスルホアルケニルを示し、
-は、任意の適切な対イオンであり、
nは0〜3であり、
Lがハロゲンの場合は、Zはスルホアルキルまたはスルホアルケニルである。)
したがって、本発明の1つの見地では、1)化学発光アクリジニウムエステル、2)複数のアクリジニウムラベルを有する、スルホアルキル基のような親水性置換基、および/または、システイン酸、ホモシステイン酸等のスルホン酸化アミノ酸、ジグリシン、トリグリシン、テトラグリシン等の短鎖ペプチド、システイン酸やホモシステイン酸を含むペプチド由来のような親水性リンカー、またはテトラエチレンオキサイドを含むリンカー、3)塩化スルホン酸、サクシンイミジルエステル(NHSエステル)、ペンタフルオロフェニルエステルのような反応性基、を含むアミン反応性アクリジニウムラベル化剤を提供する。種々の構造およびこれらに用いられる一般的名称を、従来の化学発光試薬であるMeAEとともに図1に示す。
ここで用いられる「アルキル」は、1から約20の範囲の炭素原子を有する飽和の直鎖または分岐鎖の炭化水素ラジカルを示す。「低級アルキル」は、1から約5の範囲の炭素原子を有するアルキル基を示す。「置換基を有するアルキル」は、ヒドロキシ、(低級アルキル基の)アルコキシ、(低級アルキル基の)メルカプト、シクロアルキル、置換基を有するシクロアルキル、ヘテロサイクリック、置換基を有するヘテロサイクリック、アリール、置換基を有するアリール、ヘテロアリール、置換基を有するヘテロアリール、アリールオキシ、置換基を有するアリールオキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、ニトロン、アミノ、アミド、−C(O)H、アシル、オキシアシル、カルボキシル、カルバメート、ジチオカルバモイル、スルホニル、スルホンアミド、スルフリル等から選ばれる1またはそれ以上の置換基をさらに有するアルキル基を示す。
ここで用いられる「スルホアルキル」は、以下の構造を有する置換基を指す。
−(CR”2q−SO3 -
R”は、それぞれ独立に、H、低級アルキル、置換基を有する低級アルキル、qは、1〜6である。
したがって、スルホアルキルの語は、スルホメチル、スルホエチル、スルホプロピル、スルホブチル、スルホペンチル、スルホヘキシル等のような基を包含する。本発明における現に好ましいスルホアルキル基は、スルホプロピルである。
ここで用いられる「スルホアルケニル」は、以下の構造を有する置換基を指す。
−(CR”2r−C(R”)=C(R”)−(CR”2r−SO3 -
R”は、それぞれ独立に、H、低級アルキル、置換基を有する低級アルキル、rは、それぞれ独立に、0〜4である。
したがって、スルホアルケニルの語は、スルホエテニル、スルホプロペニル、スルホブテニル、スルホペンテニル、スルホヘキセニル等のような基を包含する。本発明における現に好ましいスルホアルケニル基は、スルホプロペニルである。
ここで用いられる「アリール」は、6から14の範囲の炭素原子を有する芳香族基を示し、「置換基を有するアリール」は、1またはそれ以上の上述した置換基をさらに有するアリール基を示す。本発明の1つの見地において、アリールは、例えば2,6−ジメチルフェニル、2,6−ジエチルフェニル等の様な、2,6−ジアルキル置換フェニルである。本発明の実施への使用を企図された現に好ましいアリールは、以下の構造を有する基である。
本発明の他の好ましい見地において、Arは、以下の構造を有する。
Qは、ポリオキシアルキレン、ポリ−L−リジン、ポリ−(リジン−ホモシステイン酸)、ポリ−(リジン−システイン酸)、ポリグリシン、アミノデキストラン等である。
ここで用いられる「ヘテロアリール」は、4から約13の範囲の炭素原子を有する芳香族基を示し、少なくとも1つのヘテロ原子が、O、N、S等から選択される。「置換基を有するヘテロアリール」は、1またはそれ以上の上述した置換基をさらに有するヘテロアリール基を示す。本発明の実施への使用を企図された例示的なヘテロアリール化合物には、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、トリアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル等が含まれる。
ここで用いられる「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子を示す。
ここで用いられる「適切な対イオン」、A-は、ハロゲンイオン、硫酸イオン、硝酸イオン、カルボン酸イオン、トリフレートイオン、フルオロスルホン酸イオン、ジフルオロスルホン酸イオン等を示す。対イオンの使用は任意であり、この場合、特定の分子を、内的な「対イオン」として用いてもよい。例えば、Zがスルホアルキルまたはスルホアルケニルの場合、スルホ−部位は、適切な対イオンを提供することとなる。
本発明の実施への使用を企図したアミン反応性基Qを有するリンカーには、サクシンイミジルエステル(例えば、N−ヒドロキシサクシンイミドエステル、またはNHSエステル)、N−ヒドロキシフタルイミドエステル、ペンタフルオロフェニルエステル、テトラフルオロフェニルエステル、2−ニトロフェニルエステル、4−ニトロフェニルエステル、ジクロロトリアジン、イソチオシアネート等が含まれる。
本発明の1つの見地において、XがOである化合物が、現に好ましい。本発明の他の見地において、YがOである化合物も、好ましい。本発明の特に好ましい見地において、XとYの両方がOである。
本発明によって企図された例示的な化合物には、XがO、YがO、Zがスルホアルキル、Arが2,6−ジメチル−3−または4−クロロスルホフェニル、Rが存在せず、A-が存在せず、nが0である化合物が含まれる。
特に好ましい化合物は、上述の置換パターンを有し、Zがスルホプロピルであるものである。さらに好ましい化合物は、Arが2,6−ジメチル−3−クロロスルホフェニルまたは2,6−ジメチル−4−クロロスルホフェニルである。
本発明による他の例示的な化合物は、図6に示されており、例えば、2,6−(ジメチル)−3−クロロスルホフェニル−N−(3−スルホプロピル)−アクリジニウム−9−カルボキシレート(「SPAE」)、SPAE−(ポリエチレンオキサイド)4−ペンタフルオロフェニルエステル(「SPAE−PEO4−PEP」)、2,6−(ジメチル)−3−クロロスルホフェニル−N−メチル−アクリジニウム−9−カルボキシレートトリフレート(「MeAE」)、およびMeAE−(ポリエチレンオキサイド)4−N−ヒドロキシサクシンイミドエステル(「MeAE−PEO4−NHS」)である。
本発明の他の見地によれば、特異的結合物質にコンジュゲートした、ここに記載された化学発光化合物を含む化学発光コンジュゲートが提供される。
ここで「特異的結合物質」は、免疫反応、タンパク質結合反応、核酸のハイブリダイゼーション反応、その他の生物学的、生化学的若しくは化学的な種の制限されたクラスと特異的に物質が反応するその他の反応により、特異的に結合するすべての物質を意味する。本発明の実施への使用に企図された特異的結合物質には、抗体、酵素およびその基質、抗体およびその抗原、アビジン−ビオチン、核酸等が含まれる。
本発明の化学発光化合物は、サンプル中の分析物の存在についての特異的結合アッセイに幅広く用いることができる。ここで「存在」は、分析物の定性的および/または定量的検出を意味する。このようなアッセイは、特異的結合反応を伴ってその上に部位を形成する改良された化学発光化合物を用いることにより検出できる、いずれの分析物にも指向できる。これらのアッセイには、限定されないが、イムノアッセイ、タンパク質結合アッセイ、および核酸ハイブリダイゼーションアッセイが含まれる。
典型的なイムノアッセイにおいて、分析物は免疫反応性があり、サンプル中におけるその存在は、アッセイ試薬との免疫反応を利用して測定できる。典型的なタンパク質結合アッセイでは、サンプル中の分析物の存在は、反応性が免疫反応性以外であるアッセイ試薬と分析物との特異的結合反応性により測定される。アッセイに使用される他の特異的結合反応の例としては、酵素−基質認識およびビオチンへのアビジンの結合アフィニティが挙げられる。典型的な核酸ハイブリダイゼーションアッセイにおいて、サンプル中の分析物の存在は、分析物とアッセイ試薬とのハイブリダイゼーション反応により測定される。分析物の核酸(通常は、DNAまたはRNAの2本鎖として存在する)は、通常1本鎖の形状に転換され、担体上(例えばニトロセルロース紙)に固定化される。分析物の核酸は、あるいはゲルマトリックス中で電気泳動される。そして、固定化された分析物は、核酸の相補的配列によりハイブリダイズされることとなる(即ち、特異的に結合する)。
前述の特異的結合アッセイは、幅広いアッセイ形式で実行できる。これらのアッセイ形式は、2つの広いカテゴリーに分類される。第1のカテゴリーとして、このアッセイは、特異的結合物質に結合した本発明の化学発光部位を含む本発明の化学発光コンジュゲートを用いる。このカテゴリーのアッセイにおいて、本発明の化学発光コンジュゲートは特異的結合反応に関係し、サンプル中の分析物の存在は、本発明の化学発光コンジュゲートを含む1またはそれ以上の特異的結合反応産物の形成に比例する。このアッセイは、必要な特異的結合反応が適切な反応条件下で起こるようにすることにより実行される。本発明の化学発光コンジュゲートを含む特異的結合反応産物の形成は、本発明の化学発光コンジュゲートを含む産物のような化学発光を測定すること、あるいは、このような産物を含まない未反応の若しくは部分的に反応した本発明の化学発光コンジュゲートの化学発光を測定することにより、測定される。
この第1のカテゴリーのアッセイ形式は、サンドイッチアッセイ、競合アッセイ、表面抗原アッセイ、連続飽和アッセイ、競合置換アッセイ、およびクエンチングアッセイにより例示される。
サンドイッチ形式では、化学発光部位が結合する特異的結合物質は、目的とする分析物に特異的に結合することができる。このアッセイは、分析物に特異的に結合して反応物−分析物−化学発光コンジュゲート複合体を形成できる反応物をさらに利用する。反応物は、限定ではないが、ディップスティック、ビーズ、管、紙、高分子シート等を含む固相に結合してもよい。このような場合、サンプル中の分析物の存在は、特異的結合反応の完了後固相の化学発光に比例することとなる。このようなアッセイ形式は、さらに、米国特許番号4,652,533、4,383,031、4,380,580および4,226,993にて議論されており、これらは、参照することによりすべての図面、表、および特許請求の範囲を含むその全体を、本明細書に取り込むものとする。
競合形式では、アッセイは、分析物に特異的に結合して分析物−反応物複合体を形成できる反応物、および本発明の化学発光部位が結合する特異的結合物質に結合して化学発光コンジュゲート−反応物複合体を形成できる反応物を利用する。反応物は固相に結合し、あるいは、反応物を含む反応産物は、第2の抗体を用いて若しくは他の既知の手段により沈殿させてもよい。この競合形式では、分析物の存在は「比例的」であり、即ち、固相若しくは沈殿の化学発光に反比例する。このアッセイ形式のさらなる議論は、直近の上述の米国特許に見出される。
他のアッセイ形式において、分析物は、大きな生物学的、生化学的、または化学的な種の上に存在し、または、それらに結合している。この型の形式は、表面抗原アッセイにより例示される。この形式では、特異的結合物質は、分析物に特異的に結合でき、分析物の存在は、反応産物として形成した分析物−化学発光コンジュゲート複合体に比例する。これは、細胞の表面抗原に特異的な抗体に、本発明の化学発光部位が結合することにより例示される。細胞表面抗原の存在は、反応の完了後の細胞の化学発光により示されることとなる。細胞自身は、濾過システムを伴って用いられ、細胞表面に形成される分析物−化学発光コンジュゲート複合体を未反応の化学発光コンジュゲートから分離することができる。これは、米国特許番号4,652,533でさらに議論されている。
本発明の化学発光部位は、限定されないが、連続飽和および競合置換等の既知の他のアッセイ形式に使用してもよく、この両者は、(1)その部位に結合する特異的結合物質、および(2)反応物に特異的に結合する分析物の両方の化学発光コンジュゲートを利用する。連続飽和の場合は、分析物は、まず反応物と反応し、次に残った未反応の反応物と化学発光コンジュゲートとの反応が起こる。競合置換の場合は、化学発光コンジュゲートは、既に反応物に結合している分析物を競合的に置換する。
クエンチング形式において、このアッセイは、(i)分析物−反応物複合体を形成する分析物、および(ii)化学発光部位が結合して化学発光コンジュゲート−反応物複合体を形成する特異的結合物質、に特異的に結合できる反応物を利用する。クエンチング部位は、反応物に結合する。化学発光部位の近接に至った場合、クエンチング部位は、化学発光部位の化学発光を減少または消失させる。このクエンチング形式では、分析物の存在は、化学発光部位の化学発光に比例する。この形式のさらなる議論は、米国特許番号4,220,450および4,277,437に見出され、これらは参照することにより、すべての図面、表、および特許請求の範囲を含むそのすべてが、本明細書に取り込まれる。
上で議論したアッセイ形式および以下で議論する形式を考慮すると、アッセイ試薬が添加され反応する順序は、既知の技術と同様に大きく変化しうる。例えば、サンドイッチアッセイでは、固相に結合した反応物は、サンプル中に含まれる分析物と反応し、この反応の後、複合体化した分析物を含む固相が、残ったサンプルから分離される。この分離工程の後、化学発光コンジュゲートは、固相の複合体と反応することとなる。あるいは、固相、サンプル、および化学発光コンジュゲートは、同時に併せて添加され、分離に先立って反応させてもよい。またさらなる代替としては、サンプル中の分析物および化学発光コンジュゲートは、固相の反応物の添加に先立って反応させてもよい。混合および反応工程における同様の変法が、競合アッセイ形式およびこの分野で既知の他の形式に可能である。特異的結合反応産物の「実質的な形成を適切な条件下で行うこと」には、アッセイ試薬の添加と反応の順序について、多くの異なった変法が含まれる。
アッセイ形式の第2のカテゴリーにおいて、このアッセイは、本発明のコンジュゲートしていない化学発光化合物を利用する。サンプル中の分析物の存在は、それ自身は化学発光部位を含まない1またはそれ以上の特異的結合反応産物の形成に比例する。その代わりに、化学発光化合物は、このような反応産物の形成に比例して化学発光する。
この第2のアッセイカテゴリーの1例において、このアッセイは、分析物に結合して、化学発光する化学発光化合物を生じる分析物−反応物複合体を形成させることができる反応物を利用する。これは、分析物が基質グルコースであり反応物がグルコースオキシダーゼ酵素である、単純な酵素−基質アッセイにより例示される。酵素−基質複合体の形成は、化学発光化合物の引き金となる。このようなグルコースの酵素−基質アッセイは、米国特許番号3,964,870および4,427,770に開示されており、これらは参照することによりすべての図面、表、および特許請求の範囲を含むそのすべてが、本明細書に取り込まれるものとする。この酵素−基質アッセイは、抗原が抗体に結合するのと同じ方法で、基質が特異的に酵素の活性部位に結合する意味において、特異的結合アッセイである。このアッセイにおいて、酵素は、基質に特異的に結合して過酸化物の生成をもたらし、これにより、化学発光する化学発光化合物が生じる。
第2のアッセイカテゴリーには、反応産物の形成が化学発光化合物により直接的でなくても化学発光を促進または阻害する形式のアッセイも含まれる。このアッセイにおいて、分析物と交差反応性の第1の反応物は、グルコースオキシダーゼのような酵素の活性部位の近傍に結合する。分析物および免疫反応性物質の両方に特異的な第2の反応物がサンプルに添加され、基質(即ち、グルコース)の存在下で酵素が変化する。第2の反応物が酵素の活性部位近傍に位置する第1の反応物に結合すると、第2の反応物は、基質が活性部位で酵素に結合できないような方法で、または活性部位における基質の結合が顕著に低下するような方法で、活性部位を遮断する。この方法で酵素を遮断する第2の反応物は、過酸化物の生成から酵素を阻害し、これにより、化学発光部位の引き金となる。しかし、サンプル中の分析物は、第2の反応物に結合し、これにより第2の反応物が過酸化物の生成を阻害することを阻止する。分析物の存在は、化合物の化学発光に比例することとなる。
上記の2つのカテゴリーのアッセイ形式に含まれるアッセイは、不均一系でも均一系でもよい。不均一アッセイでは、サンプル中の分析物の存在に比例して形成する反応産物は、反応の他の産物から分離される。分離は、限定しないが、濾過、精密濾過、2重抗体沈殿、遠心分離、サイズ排除クロマトグラフィー、サンプル溶液からの固相の除去(例えば、ディップスティック)または電気泳動による、固相からの液相の分離によるすべての方法により、実行されうる。例えば、サンドイッチアッセイでは、反応物−分析物−化学発光コンジュゲート複合体が、未反応の化学発光コンジュゲートから分離される。表面抗原アッセイでは、分析物−化学発光コンジュゲート複合体が、未反応の化学発光コンジュゲートから分離される。競合アッセイでは、反応物−化学発光コンジュゲート複合体が、未反応の化学発光コンジュゲートから分離される。連続飽和アッセイおよび競合置換アッセイでは、反応物−化学発光コンジュゲート複合体が、未反応の化学発光コンジュゲートから分離される。あるいは、均一アッセイでは、反応産物は、分離されない。アッセイ試薬が反応した後、化学発光はアッセイ混合物全体から測定でき、このような混合物が溶液中、固相上、または、ディップスティックや他の固体担体の種々の膜層間に分散したものであっても測定できる。グルコースオキシダーゼと化学発光部位を用いるグルコースアッセイは、分離が不要の単純な均一アッセイとして例示される。クエンチングアッセイは、分離が不要なより複雑な均一アッセイとして例示される。
最後に、「化学発光を測定すること」には、関連する、その形成がサンプル中の分析物の存在に比例する、これらの特異的結合反応産物を他の反応産物から分離する操作を含んでもよい。また、これは、関連する、(i)化学発光部位を酸で処理してその部位から酸不安定基を開裂される操作、および/または(ii)反応産物の形成そのものが化学発光部位のきっかけとならないアッセイ形式の場合に、化学発光部位が化学発光するきっかけとなる操作を、含んでもよい。
本発明のさらに他の見地によれば、ここで記載されたコンジュゲートを含む化学発光アッセイキットが提供される。このようなキットは、好ましくは本発明の化学発光部位を含む少なくとも1つの化学発光アッセイ成分等の上述の1またはそれ以上のアッセイ成分を含み、また1またはそれ以上の、検出を実行するための指示書;検出の実行に使用するバッファーのような試薬;液体を移すためのピペット等、を含んでもよい。
本発明は、非限定の以下の実施例を参照することにより、より詳細に記述される。
親水性化学発光アクリジニウムラベル化剤の製造
比較的疎水性の化合物MeAE[2,6−(ジメチル)−3−クロロスルホフェニル−N−メチル−アクリジニウム−9−カルボキシレートトリフタレート]は、2,6−(ジメチル)フェニルアクリジン−9−カルボキシレートからメチルトリフタレートによるN−メチル化の後、スルホニルクロライドを生成する反応により製造した(US5,284,952)。この化合物は、親水性アミノ酸またはペプチドとの反応により親水性アクリジニウムエステルに転換した後、図1のスキームにしたがってN−ヒドロキシサクシンイミド(NHS)またはペンタフルオロフェニル(PFP)エステルを製造した。例示化合物の合成は、以下にさらに詳細に記述する。
MeAE−PEO4−NHS
4ml乾燥アセトニトリル中、130mg(0.34ミリモル)のテトラエチレングリコールアミノプロピオン酸、TFAおよび190mg(1.4ミリモル)のジイソプロピルエチルアミンの撹拌溶液に、乾燥DMF(全量=1.5ml中100mg(0.17ミリモル))中MeAEの3つの分注を添加した。混合物をアルゴン下室温暗所で2.5時間撹拌した。混合物に2Mトリフルオロ酢酸水溶液を加えて、ぬれたpH試験紙上でpH3となるように酸性にした。揮発分をロータリーエバポレーターで除去し、残さを10%アセトニトリル−90%50mM酢酸水溶液で再溶解した。混合物を、10%アセトニトリル/90%50mM酢酸水溶液を溶出液としてセファデックスG10ゲル濾過カラムに通した。生成物の量は、UV可視吸収から47.5マイクロモル(収率28%)であることを確認した。ゲル濾過から回収した溶液に2Mメタンスルホン酸水溶液を添加して、pH2の酸性にした。揮発分を減圧除去し、黄色固体MeAE−PEO4−COOHを得た。ESIマススペクトルで、ポジティブモードm/z=669(アクリジニウムイオンカルボン酸)、m/z=691(ナトリウム塩)。ネガティブモードm/z=781(アクリジニウムトリフルオロ酢酸カルボキシレート)。
MeAE−PEO4−COOHを1mlのピリジンを用いた共沸蒸発後に真空デシケーターにより乾燥させた。0.5ml乾燥DMF中48マイクロモルのMeAE−PEO−COOHおよび0.52ミリモルのピリジンの溶液に、61mg(0.24ミリモル)の固体のジサクシンイミジルカーボネートを添加した。アルゴン下で室温で6時間撹拌しながら反応を進行させた。乾燥エーテル(5ml)を加えてMeAE−PEO4−NHS産物を沈殿させた。吸引により上清を除去して固体をDMFに再溶解し、エーテルを加えて再沈殿させ、エーテルで洗浄後乾燥した。ESIマススペクトルで、ポジティブモードm/z=766(アクリジニウムイオンNHSエステル)。
MeAE−HCA−NHS
293mg(1.6ミリモル)のホモシステイン酸、0.5mlの水、2.8mlの1M NaOH、4mlの0.2M炭酸バッファーpH9.3および1mlのDMFから成る混合物を、氷浴で外部から冷却した。新たに調製した0.5mlDMF中40mg(0.2ミリモル)MeAE溶液を加えて、撹拌した。さらに炭酸バッファーpH9.3(3mlの0.2M)を添加した。新たに調製したMeAE(0.5mlDMF中40mg(0.2ミリモル))の他の分注を、冷却撹拌した混合物に添加した。炭酸バッファーpH9.3(0.5mlの0.2M)とDMFを撹拌した混合物に添加した。混合物を氷浴中で30分間、その後室温で30分間撹拌した。混合物に、1Mメタンスルホン酸水溶液を添加してpH2の酸性とした。ロータリーエバポレーターで揮発分を除去し、固体残さから生成物を20mlづつ3つに分けた熱メタノール中に抽出した。メタノール抽出物を濾過し、濃縮乾燥し、黄色固体を得た。固体を熱メタノールに溶解して2回再結晶させ、酢酸エチルを添加して92mg(収率78%)のMeAE−HCA生成物を得た。DMSO/MeCNを溶媒として用いたESIのネガティブモードで、m/z=603(シュードベーススルホネートアニオン)。MeOH/H2Oを溶媒として用いたネガティブモードで、m/z=617(メトキシアダクトスルホネートアニオン)、m/z=308(メトキシアダクトスルホネートカルボキシレートジアニオン)。
アセトニトリル中トリフルオロ酢酸(2mlの2M溶液)を固体のMeAE−HCA(25mg、43マイクロモル)に加え、シュードベースをアクリジニウムに変換した。揮発分を減圧除去し、黄色固体を減圧下で2時間乾燥させた。乾燥MeAE−HCA、41μlのピリジン(0.51ミリモル)および66mg(0.26ミリモル)のジサクシンイミジルカーボネートの混合物を、アルゴン下室温で5時間撹拌した。エーテル(10ml)を添加して生成物を沈殿させ、上清を吸引により除去した。生成物を減圧下で乾燥させ、1.5mlのDMFに再溶解後、6mlのエーテルで再沈殿させて回収し、減圧下で乾燥させた。エーテルによる沈殿を繰り返し、31.7mg(100%)のMeAE−HCA−NHS生成物を得た。ESIマススペクトルのポジティブモードでm/z=684(アクリジニウムNHSエステルスルホン酸)、m/z=706(アクリジニウムNHSエステルスルホン酸ナトリウム)。
C.MeAE−Gly2−NHS
グリシルグリシン(264mg、2ミリモル)、水(1ml)、1.8mlの1M NaOH、4mlの0.2M炭酸バッファーpH9.3および1mlのDMFの混合物を、氷浴で外部から冷却した。新たに調製したMeAE(全量=3mlDMF中120mg(0.20ミリモル))の3つの分注を添加して撹拌した。氷浴で30分間撹拌後、1Mメタンスルホン酸水溶液を添加して、混合物をpH2.5の酸性とした。揮発分を減圧除去し、熱2−プロパノールの15ml分注3つによる処理により黄色固体から生成物を抽出した。溶液を濾過して濃縮乾燥し、123mgの黄色固体を得た。固体を熱2−プロパノール−酢酸エチルで再結晶し、32mg(収率25%)のMeAE−Gly2生成物を得た。ESIマススペクトルのポジティブモードでm/z=536(アクリジニウムカルボン酸)、m/z=558(アクリジニウムカルボン酸ナトリウム)、m/z=590(アクリジニウムカルボン酸カリウム)。
0.8mlの乾燥DMF中20mg(32マイクロモル)のMeAE−Gly2、30μl(0.3ミリモル)のピリジンおよび49mg(0.19ミリモル)のジサクシンイミジルカーボネートの混合物を、アルゴン下室温暗所で一晩撹拌した。揮発分を減圧除去して残さを0.5mlの乾燥DMFに再溶解し、3mlの乾燥エーテルを添加して生成物を沈殿させた。減圧乾燥後、DMFへの溶解、エーテルによる沈殿、減圧乾燥の工程を3回繰り返し、8.7mg(収率37%)のMeAE−Gly2−NHS生成物を得た。ESIマススペクトルのポジティブモードでm/z=633(NHSアクリジニウムイオン)。
MeAE−Gly3−NHS
96mg(0.51ミリモル)のトリグリシン、4mlの0.5M炭酸バッファーpH9.5および1mlのDMFから成る混合物を、氷浴で外部から冷却した。新たに調製したDMF中MeAE溶液(全量=1.5ml中100mg(0.17ミリモル))の3つの分注を5分間隔で撹拌しながら添加した。混合物を冷却しながら15分間、室温で30分間撹拌した。混合物を2Mメタンスルホン酸水溶液を添加してpH2.5の酸性とし、濃縮乾燥して、黄色固体を得た。生成物を2−プロパノールの40ml分注3つで抽出し、濾過後、濃縮乾燥した。2−プロパノール抽出を繰り返し、96mg(収率80%)の黄色固体のMeAE−Gly3生成物を得た。ESIマススペクトルのポジティブモードでm/z=593(アクリジニウムカルボン酸)。
2mlの乾燥DMF中47mg(67マイクロモル)のMeAE−Gly3、64μl(0.79ミリモル)のピリジンおよび103mg(0.40ミリモル)のジサクシンイミジルカーボネートから成る混合物を、アルゴン下室温暗所で5時間撹拌した。生成物をエーテル沈殿により単離した後、MeAE−Gly2−NHSの製造と同様の操作を行い、23.9mg(収率45%)のMeAE−Gly3−NHS生成物を得た。ESIマススペクトルのポジティブモードでm/z=690(アクリジニウムNHSエステル)。
SPAE
化合物SPAE[2,6−(ジメチル)−3−クロロスルホフェニル−N−(3−スルホプロピル)−アクリジニウム−9−カルボキシレート]は、親水性アクリジニウムエステルであり、以下の構造を有する。
この化合物は、図2のスキームにしたがって、2,6−(ジメチル)フェニルアクリジン−9−カルボキシレートから合成された。この化合物の合成は、さらに以下に詳細に記載される。
2,6−ジメチルフェニルアクリジン−9−アクリジンカルボキシレート(0.654g、2.0ミリモル)および融解した99+%1,3−プロパンスルトン(2.4g、20ミリモル)を、オーブンで乾燥した20mlのガラスビンに入れた。混合物をサンヨーカルーセルモデルR−230−BK電子レンジで出力70%で15秒間加熱した後、次の電子レンジ加熱までの間10秒間旋回させ、全電子レンジ時間=40秒間とした。加水分解スルホン酸エステル基に、5mlの50%メタノール、0.2M塩酸50%水溶液を添加し、黒色混合物を油浴中80℃5時間、マグネチックスターラーで撹拌しながら加熱した。60%のAと40%のBの定組成移動相を用いて流速8ml/minで、250mm×21.2mmフェノメネックスルナ5ミクロンC18(2)カラムを通して、予備的HPLCにより生成物を精製した。(溶媒A=0.1%トリフルオロ酢酸水溶液、溶媒B=アセトニトリル)。30回のクロマトグラフィー操作の各々において、200マイクロリットルのサンプルを注入した。430nmにおける吸光度が0.2以上のとき、14から15分の保持時間を有する生成物を回収した。14−15分の分画を回収混合し、ロータリーエバポレーターで濃縮乾燥して0.49gの黄色固体を得た。2,6−(ジメチル)フェニル−N−(3−スルホプロピル)−アクリジニウム−9−カルボキシレート生成物を、熱1:1アセトニトリル/メタノールから、酢酸エチルを添加して再結晶させ、401mgの結晶を得た。母液を濃縮し、第2の収分(76mg)を得た。収率=53%。メタノール中のESIマススペクトルは、ポジティブモードでm/z=450(アクリジニウムスルホン酸)および472(アクリジニウムスルホン酸ナトリウム)、ネガティブモードでm/z=480(メトキシアダクトスルホネートアニオン)および466(シュードベーススルホネートアニオン)。100mMリン酸pH2.0におけるUV可視スペクトル:λmax=370および430nmであった。
オーブンで乾燥した25mlフラスコでアルゴン下、12mlの乾燥ジクロロメタン中2,6−(ジメチル)フェニル−N−(3−スルホプロピル)−アクリジン−9−カルボキシレート(180mg、0.40ミリモル)の撹拌サスペンジョンに、400マイクロリットルの99+%クロロスルホン酸(0.70g、6.0ミリモル)を添加した。アルゴン下室温で一晩、クロロスルホン酸化を行った。少量の不溶性の茶色固体を静沈させ、アルゴン下で撹拌した100mlの無水エーテルを含むフラスコに、パスツールピペットで黄色の上清を滴下した。反転させた大きな漏斗によるアルゴン保護下で焼結ガラス漏斗上に生成物を集め、約30mlの乾燥エーテルで洗浄した。黄色固体SPAE生成物(212mg、収率97%)を5酸化リン上で一晩減圧乾燥した。メタノール中のESIマススペクトルのポジティブモードでm/z=548および550(アクリジニウムスルホニルクロライド)、ネガティブモードでm/z=578および580(スルホニルクロライドメトキシアダクトスルホネートアニオン)。100mMリン酸pH2.0におけるUV可視スペクトル:λmax=371および431nmであった(アクリジニウムイオン)。100mM炭酸pH9.6におけるUV可視スペクトル:λmax=287および320nmであった(シュードベース)。バートホールド化学発光メータを用いたリン酸バッファーpH6.0における0.4%BSA中の特異的化学発光活性=3.8×1019(1モルあたりの相対発光単位)。
F.SPAE−PEO4−PFP
SPAEの親水性は、親水性のアミノ酸やペプチドのようなリンカーに結合することによりさらに増強でき、その後NHSやPFPエステルに変換される。例えば、以下の構造を有するSPAE−PEO4−PFPを製造した。
0.5mlの無水メタノール中5.8mg(10.6マイクロモル)のSPAEの新たに調製した溶液を、0.2mlのメタノール中32mg(82マイクロモル)のテトラエチレングリコールアミノプロピオン酸および32μl(0.18ミリモル)のジイソプロピルエチルアミンの撹拌溶液に添加した。アルゴン下室温暗所で1時間反応させた。混合物を20μlの氷酢酸を添加して酸性とし、0.2mlに濃縮した。水(0.4ml)を添加し、アセトニトリルの線形グラジエントを用いて360nmで吸光度を監視しながら、10mm×250mmフェノメネックスルナC18(2)カラムを通してHPLCにより生成物を精製した。グラジエントプログラムは、10%Bを2分間、10%から90%Bを16分間、90%Bを3分間、90%Bから10%Bを1分間、10%Bを2分間。(溶媒A=0.1%トリフルオロ酢酸、溶媒B=アセトニトリル)。保持時間16分の分画は、SPAE−テトラエチレングリコールプロピオン酸(UV可視スペクトルに基づき3.2マイクロモル(収率30%))を含んでいた。ESIマススペクトルのポジティブモードでm/z=777(アクリジニウムスルホン酸カルボン酸)、m/z=799(アクリジニウムカルボン酸スルホン酸ナトリウム)、ネガティブモードでm/z=807(メトキシアダクトスルホネートアニオン)、m/z=403(メトキシアダクトスルホネートカルボキシレートジアニオン)。
0.2乾燥DMF中SPAE−テトラエチレングリコールプロピオン酸(0.77マイクロモル)、2.66μl(15.5マイクロモル)のペンタフルオロフェニルトリフルオロ酢酸および1.3μl(16マイクロモル)ピリジンの混合物を、アルゴン下室温暗所で1時間撹拌した。反応混合物を4つのビンに分注し、揮発分を減圧除去してSPAE−PEO4−PFPを得た。ESIマススペクトルは、ポジティブモードでm/z=943(アクリジニウムPFPエステルスルホン酸)、m/z=965(アクリジニウムPFPエステルスルホン酸ナトリウム)、ネガティブモードでm/z=973(PFPエステルメトキシアダクトスルホネートアニオン)。
SPAE−(Lys−HCA)5−PFP
ペプチド骨格のペンダント基に結合したいくつかのアクリジニウムラベルを保持できる親水性ペプチドリンカーを用いることにより、シグナルの増幅が達成できる。このペプチド増幅剤は、水溶性を向上させるように規則的な間隔でいくつかのスルホン酸基も保持でき、また、タンパク質への共有結合による結合基となるアミン反応性官能基も保持できる。このようなラベル化戦略による1つの有利な点は、ほとんどのリジンが無傷で免疫親和性を保持したまま、高度に特異的な化学発光活性を達成できることにある。このような増幅剤の例としては、SPAE−(Lys−HCA)5−PFPがある。この例示的分子の合成は、図3に模式的に提供され、以下にさらに詳細を示す。
増幅剤ペプチドSPAE−(Lys−HCA)5は、ジイソプロピルエチルアミンのような塩基の存在下で、合成ペプチドLys−HCA−Lys−HCA−Lys−HCA−Lys−HCA−Lys−HCA(HCA=ホモシステイン酸)と過剰のSPAE(ペプチド1モル当たり>10モルのSPAE)とを反応させることにより得られた。得られた複数のアクリジニウムペプチドカルボン酸をゲル濾過により精製し、過剰のペンタフルオロフェニルトリフルオロ酢酸で処理してアミン反応性PFPエステルを得た。
アクリジニウム−タンパク質コンジュゲートの製造
本発明の化学発光化合物は、抗体、抗体フラグメント、アビジン若しくはストレプトアビジン、Aタンパク質若しくはGタンパク質、オリゴヌクレオチド、リガンド、またはハプテンのような特異的結合パートナーと反応しうる。塩化スルホニル基は、水溶液または水溶液/有機バッファー混合溶液中でタンパク質のリジン若しくは末端アミノ基と容易に反応し、典型的にはpH>9で、図4のスキームに示すような安定なスルホンアミド結合を生じる。抗−TSHをSPAEでラベル化するのに用いられる以下の例示工程は、一般的に塩化スルホニル試薬を用いてアクリジニウム−抗体コンジュゲートを製造するのに適用できる。
SPAEを用いたコンジュゲートの製造において、1mg(6.7ナノモル)のヤギ抗−TSHタグ抗体を、アミコンセントリコン濃縮カートリッジ(分子量カットオフ=30,000)中でバッファー交換し、400μlの100mM炭酸pH9.6中1mgの抗体の溶液を得た。典型的なコンジュゲートでは、368nmにおけるUV可視吸収を測定した乾燥DMF中ラベル化剤(7μlの新たに調製した22.8mMのSPAE(分子量=547))を加え、混合物を振盪した。室温で30分間時々振盪しながら、コンジュゲート反応を進行させた。床体積2:1のセファデックスG−75およびセファロース6Bを含む27cm×1cmのカラムを通したゲル濾過により、コンジュゲートを精製した。カラムは、280nmでUV吸収を監視しながら150mMのNaClを含む100mMリン酸pH6.0で溶出させた。12分、18分及び32分の溶出時間を有する分画は、それぞれ、抗体凝集物、抗体−SPAEコンジュゲートおよび加水分解した過剰のラベル化剤を含んでいた。クマシーブルー色測定タンパク質アッセイに基づくタンパク質の回収率は、73%であった。pH2に酸性化されたコンジュゲート分画分注のUV可視スペクトルを記録し、IgG1分子当たりのアクリジニウムラベル数を測定した。それぞれ、368nm(ε=15,700M-1cm-1)および280nm(1mg/ml溶液における消滅係数=1.35O.D.)におけるアクリジニウムおよびタンパク質の吸収に基づいて、コンジュゲートはIgG1分子当たり2.6のラベルを含むと見積もられた。バートホールド化学発光計を用いて測定されたこのコンジュゲートの特異的化学発光活性は、743RLU/pgであった。
NHSエステル活性化アクリジニウム化合物は、pH7〜9の範囲の水溶液中でタンパク質のアミノ基と反応して、図5aのスキームに示すような安定なアミド結合を生じる。同様の様式で、ペンタフルオロフェニルエステル基は、水溶性バッファー溶液中でタンパク質のアミノ基と反応し、典型的にはpH7〜8で、図5bのスキームに示すような安定なアミド結合を介して結合したラベルを有するバイオコンジュゲートを生じる。以下の工程を用いて、NHSまたはPFP活性アクリジニウム誘導体を有する例示的コンジュゲートを製造した。
アクリジニウム−NHS試薬を用いたコンジュゲートの製造
典型的なコンジュゲート反応において、1.5mgのヤギポリクローナル抗−TSH抗体を、分子量30,000カットオフアミコンセントリコン濃縮器で20mMリン酸バッファーpH7.8により2度バッファー交換して、600μlの2.5mg/ml抗体溶液を得た。MeAGly2−NHS(UV可視吸収に基づいて66μlの2.27mM溶液)を添加して、15Xの試薬/抗体モル比を得た。室温で1時間時々混合しながら、コンジュゲーションを進行させた。SPAEコンジュゲートと同様の方法により、混合床カラムを通してゲル濾過により、コンジュゲートを精製した。UV吸収に基づく回収率は、87%であった。コンジュゲートは、UV可視吸収に基づいて、抗体当たり1.4のアクリジニウムラベルを含んでいることを確認した。
アクリジニウム−PFP試薬を用いたコンジュゲートの製造
ヤギポリクローナル抗−TSH抗体(1.12mg)を2度バッファー交換して、100mMリン酸pH7.4中450μlの2.5mg/ml抗体溶液を得た。新たに調製した乾燥アセトニトリル中SPAE−PEO−PFP(UV可視吸収に基づき40μlの4.2mM溶液)を混合しながら添加して22Xの試薬/抗体モル比を得、室温暗所で1時間コンジュゲーションを進行させた。10μlの水中1Mグリシンを添加することにより反応を終え、SPAEコンジュゲートと同様の方法で、混合床ゲル濾過カラムを通して混合物をクロマトグラフィーにかけた。特異的化学発光活性は、332RLU/pgであった。
コンジュゲートの分析
抗−TSHおよび抗−ACTHを種々のモル比で親水性アクリジニウム化合物にラベル化した。タンパク質の回収率は、クマシーブルー色測定タンパク質アッセイにより測定した。結果を以下に要約する。比較的疎水性のMeAE化合物と比較すると、親水性ラベルは、とても高いタンパク質回収率がある。非常に高濃度のアクリジニウムラベルが、親水性ラベルにより達成された。
アッセイ結果
アッセイは、ニコルスアドバンテージスペシャルティシステムのニコルスアドバンテージアッセイの洗浄剤および誘導剤を用いて行った。アッセイ結果は、市販のニコルスアドバンテージイムノアッセイキットの磁気粒子、ビオンチン化抗体、バッファーおよび標準試薬を用いて得た。
TSHアッセイプロトコル
1.ビオンチン化モノクローナル抗−TSHおよびアクリジニウムラベル化ポリクローナルヤギ抗−TSHを含む溶液25μlをピペット分注する。
2.患者のサンプル200μlをピペット分注する。
3.37度で20分間インキュベートする。
4.アッセイバッファー50μlおよびストレプトアビジン被覆磁気粒子13μlをピペット分注する。
5.37度で10分間インキュベートする。
6.アッセイ洗浄液で3回洗浄する。
7.誘導およびカウントを行う(2秒間)。
ACTHアッセイプロトコル
1.ビオンチン化モノクローナル抗−TSH70μlをピペット分注する。
2.アクリジニウムラベル化モノクローナル抗−TSH20μlをピペット分注する。
3.患者のサンプルまたは標準液150μlをピペット分注する。
4.37度で20分間インキュベートする。
5.ストレプトアビジン被覆磁気粒子20μlおよびバッファー150μlをピペット分注する。
6.37度で10分間インキュベートする。
7.アッセイ洗浄液で3回洗浄する。
8.誘導およびカウントを行う(2秒間)。
高いアクリジニウムラベルが親水性アクリジニウムエステルで達成されたので、アッセイにおいて少量の抗体しか必要とされなかった。使用したトレーサー抗体の量は、TSHアッセイでは1/2に減少し、ACTHアッセイでは1/3に減少した。非常に少ない抗体でさえ、親水性アクリジニウムエステルでラベル化された抗体は、すべての標準濃度においてノイズに対して高いシグナル比を有する、改良された標準曲線を示した。
分析感度(検出限界)を、標準曲線のゼロ標準のn=20の繰り返し測定からの+2SD応答を読むことにより測定した。新規親水性アクリジニウムラベル化抗体を用いることにより、相対的に疎水性のアクリジニウム(MeAE)ラベル化抗体に比べ低い抗体の濃度において、TSHおよびACTHの両アッセイの分析感度は、顕著に改善された。
他に規定されるほか、ここで用いられるすべての技術および化学用語は、この発明が属する分野における通常の知識を有する者が一般的に理解するのと同じ意味を有する。ここで記載されるのと類似のまたは等価の方法および物質が本発明の実施や試験に用いることができるが、適切な方法および物質は、以下に記載される。ここで言及されたすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参照文献は、参照することによりその全体を本明細書に取り込むものとする。抵触する場合、定義を含めて本明細書が優先する。さらに、物質、方法および実施例は、例示のためのみであり、限定する意図ではない。
本発明は、その好ましい態様を明確にしてこれらを参照して詳細に記載したが、修飾や変更が、ここに記載され特許請求の範囲に示された精神および範囲内にあることが理解される。
図1は、ラベル化剤として有用な本発明の親水性化学発光化合物の製造例を示す反応スキームである。 図2は、2,6−(ジメチル)−3−クロロスルホニルフェニル−N−(3−スルホプロピル)−アクリジニウム−9−カルボキシレート(「SPAE」)の製造を示す反応スキームである。 図3は、SPAE−(Lys−HCA)5−PFPの製造を示す反応スキームである。 図4は、本発明のアクリジニウム−タンパク質コンジュゲートの製造例を示す反応スキームである。 図5は、本発明のNHSエステル(図5a)およびペンタフルオロフェニルエステル(図5b)を用いたアクリジニウム−タンパク質コンジュゲートの製造例を示す反応スキームである。 図5は、本発明のNHSエステル(図5a)およびペンタフルオロフェニルエステル(図5b)を用いたアクリジニウム−タンパク質コンジュゲートの製造例を示す反応スキームである。 図6は、いくつかのアクリジニウムラベル化剤(例えばMeAEおよびSPAE誘導体)の化学構造を示す。

Claims (22)

  1. 以下の構造を有する化学発光化合物。
    (Xは、O、SまたはNR’を示し、R’はH、アルキルまたは置換基を有するアルキルであり、
    Yは、OまたはSを示し、
    Zは、スルホアルキル、またはスルホアルケニルを示し、
    Arは、少なくとも1つのSO2L置換基を有するアリールまたはヘテロアリールを示し、
    Lは、NHQであり、
    Qは、アミン反応性基を有するリンカーであって、ポリオキシアルキレン、ポリ−L−リジン、ポリ(リジン−ホモシステイン酸)、ポリ(リジン−システイン酸)、ポリグリシンまたはアミノデキストランであり、
    Rは、スルホアルキルまたはスルホアルケニルを示し、
    nは0〜3である。)
  2. XがOである、請求項1に記載の化合物。
  3. YがOである、請求項1に記載の化合物。
  4. Zが以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
    −(CR”2q−SO3 -
    R”は、それぞれ独立にH、低級アルキルまたは置換基を有する低級アルキルを示し、qは1〜6を示す。
  5. Zがスルホプロピルである、請求項4に記載の化合物。
  6. Zが以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
    −(CR”2r−C(R”)=C(R”)−(CR”2r−SO3 -
    R”は、それぞれ独立にH、低級アルキルまたは置換基を有する低級アルキルを示し、rはそれぞれ独立に0〜4を示す。
  7. Arがアリールである、請求項1に記載の化合物。
  8. 前記アリールが2,6−ジアルキル置換されている、請求項7に記載の化合物。
  9. Arが以下の構造を有する、請求項8に記載の化合物。
  10. Arがヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
  11. 前記ヘテロアリールが、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、トリアゾリル、イソオキサゾリル、イソチオアゾリル、またはイミダゾリルである、請求項10に記載の化合物。
  12. アミン反応性基が、サクシンイミジルエステル、N−ヒドロキシフタルイミドエステル、ペンタフルオロフェニルエステル、テトラフルオロフェニルエステル、2−ニトロフェニルエステル、4−ニトロフェニルエステル、ジクロロトリアジンまたはイソチオシアネートである、請求項1に記載の化合物。
  13. 2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルオキシ−1−カルボニル−4,7,10,13−テトラオキサペンタデシル−(15−アミノ)−3’−スルホニル−2’,6’−ジメチルフェニル−N−(3−スルホプロピル)−アクリジニウム−9−カルボキシレート、または、
    [2,5−ジオキソ−(1−ピロリジニル)オキシ]−1−カルボニル−4,7,10,13−テトラオキサペンタデシル−(15−アミノ)−3’−スルホニル−2’,6’−ジメチルフェニル−N−メチル−アクリジニウム−9−カルボキシレートである、請求項1に記載の化合物。
  14. 以下の構造を有する化学発光化合物。
    (Xは、O、SまたはNR’を示し、R’はH、アルキルまたは置換基を有するアルキルであり、
    Yは、OまたはSを示し、
    Zは、アルキル、スルホアルキル、アルケニル、またはスルホアルケニルを示し、
    Arは、少なくとも1つのSO2L置換基を有するアリールまたはヘテロアリールを示し、
    LはNHQであり、
    Qは、ポリオキシアルキレン、ポリ(リジン−ホモシステイン酸)、またはポリ(リジン−システイン酸)のアミン反応性基を有するリンカーであり、
    Rは、スルホアルキルまたはスルホアルケニルを示し、
    Zがアルキルまたはアルケニルの時は、A-が適切な対イオンとして存在し、Zがスルホアルキルまたはスルホアルケニルの時は、A-は存在せず、
    nは0〜3である。)
  15. XがOである、請求項14に記載の化合物。
  16. YがOである、請求項14に記載の化合物。
  17. Zがスルホプロピルである、請求項14に記載の化合物。
  18. 特異的結合物質にコンジュゲートした請求項1または14に記載の化学発光化合物を含む、化学発光コンジュゲート。
  19. 前記特異的結合物質が抗体である、請求項18に記載のコンジュゲート。
  20. 請求項18に記載のコンジュゲートを含む、化学発光アッセイキット。
  21. サンプル中の分析物の存在をアッセイする方法であって、分析物を請求項18に記載のコンジュゲートに接触させること、過酸化物または分子酸素の存在下で形成される中間体の消失により化学発光を誘発させること、および化学発光を測定して分析対象をアッセイすること、を含むアッセイ方法。
  22. 特異的結合物質にコンジュゲートした化学発光ラベルを用いた分析物の検出のための診断アッセイ方法において、化学発光ラベル化合物として請求項1または14に記載の化合物を用いることを含む、改良したアッセイ方法。
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