JP4851367B2 - ローカルプラズモン増強蛍光センサ - Google Patents

ローカルプラズモン増強蛍光センサ Download PDF

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    • G01N21/648Specially adapted constructive features of fluorimeters using evanescent coupling or surface plasmon coupling for the excitation of fluorescence

Description

本発明は、蛍光法により試料中の特定物質を検出する蛍光センサ、特に詳細にはローカルプラズモン増強を利用した蛍光センサに関するものである。
従来、病原性ウィルス抗原やその他の蛋白質を検出する方法の一つとして、例えば特許文献1に示されるイムノクロマトグラフ法が知られている。このイムノクロマトグラフ法は、検出対象物と反応、結合する物質を所定位置に固定した担体(支持体)を用いるものであり、検出対象物と結合可能な標識微粒子を混合した試料を上記担体において展開させ、もし検出対象物が存在して上記物質と結合した場合は、検出対象物と結合していた標識微粒子が上記所定位置において呈色することを利用して、検出対象物の存否や量を検出するものである。
例えばインフルエンザ等のウィルス性の病気に対しては、近時、タミフル(登録商標)などの特効薬が出現したこともあって、このイムノクロマトグラフ法は簡易かつ迅速に病原菌やウィルスを検出できる方法として需要が急速に拡大している。
なお、上記の標識微粒子としては一般に金微粒子が用いられ、その場合は、該粒子の部分で発生したローカルプラズモン(局在プラズモン)による特定波長の光の吸収を利用して、呈色させている。したがって、この金微粒子の粒子径を変えることで、ある程度発色を変化させることが可能となっている。
またバイオ測定等において高感度の測定ができる方法として、従来、蛍光法も広く用いられている。この蛍光法は、特定波長の光により励起されて蛍光を発する検出対象物を含むと考えられる試料に上記特定波長の励起光を照射し、そのとき蛍光を検出することによって検出対象物の存在を確認する方法である。また、検出対象物が蛍光体ではない場合、蛍光体で標識されて検出対象物と特異的に結合する物質を試料に接触させ、その後上記と同様にして蛍光を検出することにより、この結合すなわち検出対象物の存在を確認することも広くなされている。
図2は、上記の標識された物質を用いる蛍光法を実施するセンサの一例を概略図示するものである。本例の蛍光センサは一例として試料1に含まれる抗原2を検出するためのものであり、基板3には抗原2と特異的に結合する1次抗体4が塗布されている。そしてこの基板3上に設けられた試料保持部5の中において試料1が流され、次いで同様に蛍光体10で標識されて抗原2と特異的に結合する2次抗体6が流される。その後、基板3の表面部分に向けて光源7から励起光8が照射され、また光検出器9により蛍光検出がなされる。このとき、光検出器9によって所定の蛍光が検出されたなら、上記2次抗体6と抗原2との結合、すなわち試料中における抗原2の存在を確認できることになる。
なお以上の例では、蛍光検出によって実際に存在が確認されるのは2次抗体6であるが、この2次抗体6は抗原2と結合しなければ流されてしまって基板3上に存在し得ないものであるから、この2次抗体6の存在を確認することにより、間接的に検出対象物である抗原2の存在が確認されることとなる。
とりわけここ数年は、冷却CCDの発達など光検出器の高性能化が進んでいることもあって、以上述べた蛍光法はバイオ研究には欠かせない手段となっており、さらにバイオ以外の分野においても広範に利用されている。特に可視領域では、例えばFITC(蛍光波長:525nm、量子収率:0.6)や、Cy5(蛍光波長:680nm、量子収率:0.3)のように、実用の目安となる0.2を超える高い量子収率を持つ蛍光色素が開発されており、蛍光法の応用分野がさらに拡大することが期待されている。
しかしながら、図2に示したような従来の蛍光センサでは、基板と試料との界面における励起光の反射/散乱光や、検出対象物以外の不純物/浮遊物M等による散乱光がノイズとなるため、せっかく光検出器を高性能化しても蛍光検出におけるS/Nは向上しないのが実情であった。
これに対する解決法として、従来、エバネッセント波を用いる蛍光法が提案されている。この方法を実施する蛍光センサの一例を図3に概略的に示す。なおこの図3において、図2中の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する(以下、同様)。
この蛍光センサにおいては、前述の基板3に代わるものとしてプリズム(誘電体ブロック)13が用いられ、その上には金属膜20が形成されている。そして光源7からの励起光8が、このプリズム13と金属膜20との界面で全反射する条件で、プリズム13を通して照射される。この構成においては、励起光8が上記界面で全反射するとき該界面近傍に染み出すエバネッセント波11により2次抗体6が励起される。そして蛍光検出は、試料1に対してプリズム13と反対側(図中では上方)に配された光検出器9によってなされる。
この蛍光センサにおいて、励起光8は図中の下方に全反射するので、上方から蛍光を検出するに当たり、励起光検出成分が蛍光検出信号に対するバック・グラウンドとなってしまうことがない。またエバネッセント波11は上記界面から数百nmの領域にしか到達しないので、試料中の不純物/浮遊物Mからの散乱を殆ど無くすことができる。そのため、このエバネッセント蛍光法は、従来の蛍光法と比べて(光)ノイズを大幅に低減でき、検出対象物を1分子単位で蛍光測定できる方法として注目されている。
なお図3に示したものは、エバネッセント蛍光法による蛍光センサの中でも、特に高感度化を図った表面プラズモン増強蛍光センサである。この表面プラズモン増強蛍光センサにおいては金属膜20が形成されていることにより、励起光8が照射されたとき該金属膜20中に表面プラズモンが生じ、その電界増幅作用によって蛍光が増幅されるようになる。あるシミュレーションによると、その場合の蛍光強度は1000倍程度まで増幅されることが判っている。この種の表面プラズモン増強蛍光センサについては、例えば特許文献2や特許文献3に詳しい記載がなされている。
特公平7−13640号公報 特許第3562912号公報 特開平10−78390号公報
前述した通りイムノクロマトグラフ法においては、標識微粒子である金微粒子等の粒子径を変えることで、ある程度発色を変化させることが可能であるが、金微粒子のローカルプラズモンによる吸収の波長が530nm付近に有るために発色はマゼンタとなり、それは人間の目に対して視認性が良くないものとなっている。したがってこのイムノクロマトグラフ法は、例えば数十pmol(ピコ・モル)程度の微量な物質も検出できるようにという、高感度化の要求に応えるのは困難となっている。
一方、表面プラズモン増強蛍光センサは数fmol(フェムト・モル)程度の微量な物質を検出可能であって、高感度化の要求にも応えられるものであるが、その半面、プリズム等の全反射光学系を必要とするので、装置が複雑化してコストが高くつくものとなっている。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、高感度化が可能で、しかも安価に形成可能な蛍光センサを提供することを目的とする。
本発明による第1の蛍光センサは、ローカルプラズモンによる電場増強を利用して、いわゆるサンドイッチ形式で検出対象物を検出するローカルプラズモン増強蛍光センサであり、詳しくは、
例えば液体状の試料中の検出対象物と結合する第1物質が固定された検出部と、
この検出部に試料が接するように該試料を保持する試料保持部と、
前記試料中に混合されて、前記検出対象物と結合する複数の第2物質と、
これらの第2物質の各々に結合された金属微粒子と、
この金属微粒子および第2物質の対の各々と一体化された蛍光体と、
前記検出部に対して、前記蛍光体を励起する励起光を照射する光源と、
前記励起光によって励起された蛍光体が発する蛍光を検出する光検出手段とを備えてなることを特徴とするものである。
なお、この本発明による第1のローカルプラズモン増強蛍光センサにおいては、前記第1物質が、前記検出対象物としての抗原と結合する1次抗体であり、前記第2物質が、前記抗原と結合する2次抗体であることが望ましい。
一方、本発明による第2の蛍光センサは、ローカルプラズモンによる電場増強を利用して、いわゆる競合形式で検出対象物を検出するするローカルプラズモン増強蛍光センサであり、詳しくは、
例えば液体状の試料中の検出対象物と結合する第1物質が固定された検出部と、
この検出部に試料が接するように該試料を保持する試料保持部と、
前記試料中に混合されて、前記第1物質と結合する複数の第2物質と、
これらの第2物質の各々に結合された金属微粒子と、
この金属微粒子および第2物質の対の各々と一体化された蛍光体と、
前記検出部に対して、前記蛍光体を励起する励起光を照射する光源と、
前記励起光によって励起された蛍光体が発する蛍光を検出する光検出手段とを備えてなることを特徴とするものである。
なお、この本発明による第2のローカルプラズモン増強蛍光センサにおいては、前記第1物質が、前記検出対象物としての抗原と結合する1次抗体であり、前記第2物質が、前記1次抗体と結合する物質であることが望ましい。
他方、本発明のローカルプラズモン増強蛍光センサにおいて適用される金属微粒子は、不撓性膜によって覆われていることが望ましい。また、このような金属微粒子としては、金微粒子を好適に用いることができる。
本発明による第1のローカルプラズモン増強蛍光センサは、試料中に混合されて検出対象物と結合する複数の第2物質と、これらの第2物質の各々に結合された金属微粒子と、この金属微粒子および第2物質の対の各々と一体化された蛍光体とを備えているので、検出部の第1物質に試料中の検出対象物が結合していると、その検出対象物に第2物質が結合するようになる。つまりこの場合は、検出部に検出対象物の量に応じた量の第2物質が(つまりは金属微粒子および蛍光体が)存在することになるので、検出部に励起光が照射されると蛍光体から蛍光が発せられる。この蛍光の光量は、検出対象物の量が多いほど多くなるので、その光量を光検出手段によって検出することにより、検出対象物を検出、定量測定することが可能となる。これは、いわゆるサンドイッチ形式と呼ばれる検出方式である。
そのとき、検出部には複数の金属微粒子も存在するので、それらによりローカルプラズモンが生じ、その電界増幅作用によって蛍光が増幅されるようになる。こうして蛍光が増幅されることにより、このローカルプラズモン増強蛍光センサによれば、検出対象物を高感度で検出可能となる。
一方、本発明による第2のローカルプラズモン増強蛍光センサは、試料中に混合されて第1物質と結合する複数の第2物質と、これらの第2物質の各々に結合された金属微粒子と、この金属微粒子および第2物質の対の各々と一体化された蛍光体とを備えているので、検出部の第1物質に試料中の検出対象物が結合していると、その検出対象物と競合する結果、第1物質と結合する第2物質の量が(つまりは金属微粒子および蛍光体が)少なくなる。つまりこの場合は、検出部に励起光が照射されたとき蛍光体から発せられる蛍光の光量は、検出対象物の量が多いほど少なくなるので、その光量を光検出手段によって検出することにより、検出対象物を検出、定量測定することが可能となる。これは、いわゆる競合形式と呼ばれる検出方式である。
そのとき、検出部には複数の金属微粒子も存在するので、それらによりローカルプラズモンが生じ、その電界増幅作用によって蛍光が増幅されるようになる。こうして蛍光が増幅されることにより、このローカルプラズモン増強蛍光センサによれば、検出対象物を高感度で検出可能となる。
また、本発明のローカルプラズモン増強蛍光センサは、表面プラズモン増強蛍光センサのようにプリズム等の全反射光学系を必要とするものではないので、装置構成が簡単で安価に形成可能なものとなる。
なお、本発明のローカルプラズモン増強蛍光センサにおいて、特に金属微粒子が不撓性膜によって覆われている場合は、蛍光体が金属膜に対して、金属消光が起きる程度まで近接してしまうことが防止される。そこでこの場合は前述のような金属消光を招くことがなくなり、ローカルプラズモンによる電場増幅作用を確実に得て、極めて高い感度で蛍光を検出可能となる。
また、特に不撓性膜が疎水性材料から形成されていれば、試料液中に存在する金属イオンや溶存酸素のような消光の原因となる分子が該不撓性膜の内部にまで入り込むことが無く、よってそれらの分子が励起光の励起エネルギーを奪ってしまうことが防止される。そこでこの場合は、極めて高い励起エネルギーが確保され、極めて高い感度で蛍光を検出可能となる。
なお、上記の「不撓性」とは、センサを普通に使用しているうちに膜厚が変わってしまうほどに変形することが無い程度の剛性を備えていることを意味するものとする。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるローカルプラズモン増強蛍光センサ(以下、単に蛍光センサという)を示す概略側面図である。図示されている通りこの蛍光センサは、液体状の試料1を保持する透明部材製の試料保持部40と、この試料保持部40の検出部となる底面40a上に向けて励起光41を照射する半導体レーザ等の光源42と、後述のようにして試料保持部底面40aから発せられる蛍光43を検出する光検出器44とを有している。
この蛍光センサが検出対象としているのは、一例としてCRP抗原2(分子量11万 Da)であり、それと特異的に結合する1次抗体(モノクロナール抗体)4が試料保持部底面40aの上に固定されている。この1次抗体4は、例えば末端をカルボキシル基化したPEGを介して、アミンカップリング法により、試料保持部底面40aの上に固定される。
上記アミンカップリング法は一例として下記(1)〜(3)のステップからなるものである。なおこれは、30μl(マイクロ・リットル)のキュベット/セルを用いた場合の例である。
(1)リンカー先端(末端)の-COOH基を活性化
0.1mol(モル)のNHSと0.4molのEDCとを等体積混合した溶液を30μl加え、30分間室温静置。なお、
NHS:N-hydrooxysuccinimide
EDC:1-ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimide
である。
(2)1次抗体4の固定化
PBSバッファ(pH7.4)で5回洗浄後、1次抗体溶液(500μg/ml)を30μl加え、30〜60分間室温静置。
(3)未反応の -COOH基をブロッキング
PBSバッフア(pH7.4)で5回洗浄後、1molのエタノールアミン(pH8.5)を30μl加え、20分間室温静置。さらにPBSバッフア(pH7.4)で5回洗浄。
CRP抗原2の検出に際しては、試料1の中に、多数の標識化金属微粒子が混合される。本実施形態においてはこの金属微粒子として金微粒子(金コロイド)45が用いられる。各金微粒子45にはそれぞれ、CRP抗原2と特異的に結合する2次抗体6が結合されている。この2次抗体6は、1次抗体4とはエピトープ <epitope;抗原決定基>が異なるモノクロナール抗体が用いられる。これらの2次抗体6はそれぞれ、蛍光体10で標識化されている。この蛍光体10としては、例えば波長532nm の上記励起光41によって励起されたとき、例えばピーク波長575nm の蛍光43を発するCy3が用いられている。
光源42としては上記半導体レーザに限らず、その他の公知の光源を適宜選択使用可能である。また光検出器44としては、例えば富士フイルム株式会社製 LAS-1000 plus(商品名)を好適に用いることができるが、それに限らず、CCD、PD(フォトダイオード)、光電子増倍管、c-MOS等の公知のものを適宜選択使用可能である。また励起波長を変えれば、上記以外の蛍光体を標識として用いることもできる。
なお金微粒子45の周囲は、前述したような不撓性膜46によって被覆されている。この不撓性膜46およびその形成方法については、後に詳しく説明する。
本実施形態の蛍光センサは、以上説明した要素のうち、CRP抗原2を含む可能性の有る試料1以外から構成されたものである。以下、この蛍光センサを用いて試料1に含まれるCRP抗原2を定量分析する場合について説明する。
まず試料保持部40の中において液体状の試料1が流され、次いで同様に標識化金微粒子45が流される。なお、このように試料1等を流すことはしないで、試料保持部40の中に液体状の試料1および標識化金微粒子45を貯えた状態で蛍光検出を行うことも可能である。
この操作の後、光源42から試料保持部40の底面40a上に向けて励起光41が照射される。このとき、もし試料1の中にCRP抗原2が存在してそれらが上記底面40a上の1次抗体4に結合していれば、さらに該抗原2に2次抗体6が結合し、その2次抗体6の標識である蛍光体10が励起光41によって励起されることとなる。こうして励起された蛍光体10はピーク波長575nm の蛍光43を発し、その蛍光43が光検出器44によって検出される。こうして検出される蛍光43の光量は、蛍光体10の量が多いほど、つまりCRP抗原2の量が多いほど大となるので、この検出光量に基づいてCRP抗原2を定量分析することができる。
また上述のように励起光41が照射されたとき、試料保持部40の底面40a近辺に存在する多数の金微粒子45によってローカルプラズモンが励起され、このローカルプラズモンの電界増幅作用によって蛍光43が増幅されるようになる。こうして蛍光43が増幅されることにより、検出対象物であるCRP抗原2を高感度で検出可能となる。
また本実施形態の蛍光センサにおいては、多数の金微粒子45の各々が不撓性膜46によって覆われているので、蛍光体10が金微粒子45に対して、金属消光が起きる程度まで近接してしまうことがなくなる。そこでこの場合は金属消光を招くことがなくなり、ローカルプラズモンによる電場増幅作用を確実に得て、極めて高い感度で蛍光を検出可能となる。
そして本実施形態の蛍光センサは、表面プラズモン増強蛍光センサのようにプリズム等の全反射光学系を必要とするものではないので、装置構成が簡単で安価に形成可能なものとなる。
ここで、上述の不撓性膜46を形成する方法について2つの例を説明する。まず第1の方法は、不撓性膜46をSiO2被膜から形成するものであり、大きく分けて次の(1)〜(3)の工程からなる。
(1)金微粒子45となる金コロイドの合成
(2)金コロイド表面分散剤の置換(クエン酸→シロキサン)
5×=10-4molの金コロイド水溶液500ml(ミリ・リットル)に、APS((3-Aminopropyl)trimethoxysilane)水溶液(2.5ml、1mmol)を添加し、15分間強攪拌することにより、金コロイド表面のクエン酸を置換する。
(3)金コロイド表面のSiO2修飾
pH10〜11に調整したsodium silicate 0.54重量%水溶液20mlを工程(2)の金コロイド水溶液に添加し、強攪拌する。24時間経過すると、厚さが約4nmのSiO2被膜が形成される。この溶液を遠心分離により30mlまで濃縮した溶液に、170mlのエタノールを添加する。さらに0.6mlのNH4OH(28%)を滴下し、80μl(マイクロ・リットル)のTES(テトラエトキシシラン)を添加し、24時間ゆっくり攪拌すると、厚さ20nmのSiO2被膜からなる不撓性膜46が形成される。
次に第2の方法として、不撓性膜46をポリマー被覆から形成する場合について説明する。この方法は、大きく分けて次の(1)〜(2)の工程からなる。
(1)金微粒子45となる金ナノ粒子のDMFへの再分散
平均粒径が役30nmのクエン酸安定化金ナノ粒子を最大約360pmol(=7×10-11重量%)含む水分散液を1ml用意し、これを遠心分離にかけた後、上澄み0.95mlを捨てる。残った暗赤色、粘稠性の沈殿物を1mlのDMF(N,N-dimethylformamide)に再分散させる。なお、過剰のクエン酸イオンは粒子のカプセル化を阻害する。また、小粒径の粒子を用いる場合は、DMFを加える前に水で洗浄した方が良い。
(2)金ナノ粒子のカプセル化
上記(1)の工程で得られた、平均粒径が約30nmのクエン酸安定化金ナノ粒子を約648pmol(=7×10-11重量%)含むDMF分散液1mlに、ポリスチレン-ポリアクリル酸ブロック共重合体(ポリスチレンが約100量体、ポリアクリル酸が約13量体)のDMF溶液(約10-2g/ml) 10μlを加え、シリンジポンプにより8.3μl/minの流量で水200μlを加えて激しく撹拌する。10分撹拌すると溶液の色が徐々に紫色に変化するので、そこで1重量%のドデカンチオールDMF溶液5μlを加え、24時間撹拌する。その後、さらにシリンジポンプにより、2ml/hの流量で水3mlを加える。
次に透析により24時間かけてDMFを除去する。次いで撹拌しながら72μlのEDC溶液(水に対して0.1重量%:24nmol)を一気に添加し、30分撹拌したところで144μlのEDODEA溶液(水に対して0.1重量%:96nmol)を一気に添加し、撹拌する。
その後、透析により24時間かけて試薬を除去し、次いで4000Gで30分間遠心分離を行い、体積で80%に相当する上澄みを捨てる。次に捨てた上澄みと同体積の水を加えて同様に遠心分離を行う。この遠心分離から遠心分離までの操作を3回以上繰り返すことにより、ポリスチレン-ポリアクリル酸ブロック共重合体の架橋物からなる被膜が金ナノ粒子(金微粒子45)の周りに不撓性膜46として形成される。
以上説明した実施形態の蛍光センサは、いわゆるサンドイッチ形式と呼ばれる検出方式で蛍光検出するものであるが、例えば図1の構成において、2次抗体6に替えて1次抗体4と結合する物質を用い、それらの各々に、不撓性膜46によって被覆された金微粒子45および蛍光体10を結合させたものを試料1中に混合させれば、いわゆる競合方式で蛍光検出する蛍光センサが得られる。すなわちその場合は、上記物質とCRP抗原2とが1次抗体4への結合において競合するので、CRP抗原2の量が多いほど蛍光体10の量が少なくなり、検出される蛍光43の光量が少なくなる。そこでこの場合も、この検出蛍光量に基づいてCRP抗原2を定量分析することができる。
本発明の一実施形態によるローカルプラズモン増強蛍光センサを示す概略側面図 従来の蛍光センサの一例を示す概略側面図 従来の蛍光センサの別の例を示す概略側面図
符号の説明
1 試料
2 抗原
4 1次抗体
6 2次抗体
10 蛍光体
40 試料保持部
40a 試料保持部の底面(検出部)
41 励起光
42 光源
43 蛍光
44 光検出器

Claims (6)

  1. 試料中の検出対象物と結合する第1物質が固定された検出部と、
    この検出部に試料が接するように該試料を保持する試料保持部と、
    前記試料中に混合されて、前記検出対象物と結合する複数の第2物質と、
    これらの第2物質の各々に結合された金属微粒子と、
    前記第2物質一体化された蛍光体と、
    前記検出部に対して、前記蛍光体を励起する励起光を照射する光源と、
    前記励起光によって励起された蛍光体が発する蛍光を検出する光検出手段とを備えてなるローカルプラズモン増強蛍光センサ。
  2. 前記第1物質が、前記検出対象物としての抗原と結合する1次抗体であり、
    前記第2物質が、前記抗原と結合する2次抗体であることを特徴とする請求項1記載のローカルプラズモン増強蛍光センサ。
  3. 試料中の検出対象物と結合する第1物質が固定された検出部と、
    この検出部に試料が接するように該試料を保持する試料保持部と、
    前記試料中に混合されて、前記第1物質と結合する複数の第2物質と、
    これらの第2物質の各々に結合された金属微粒子と、
    前記第2物質一体化された蛍光体と、
    前記検出部に対して、前記蛍光体を励起する励起光を照射する光源と、
    前記励起光によって励起された蛍光体が発する蛍光を検出する光検出手段とを備えてなるローカルプラズモン増強蛍光センサ。
  4. 前記第1物質が、前記検出対象物としての抗原と結合する1次抗体であり、
    前記第2物質が、前記1次抗体と結合する物質であることを特徴とする請求項3記載のローカルプラズモン増強蛍光センサ。
  5. 前記金属微粒子が不撓性膜によって覆われていることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載のローカルプラズモン増強蛍光センサ。
  6. 前記金属微粒子が金微粒子であることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載のローカルプラズモン増強蛍光センサ。
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