JP2009128136A - 蛍光検出方法 - Google Patents

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    • G01N21/645Specially adapted constructive features of fluorimeters
    • G01N21/648Specially adapted constructive features of fluorimeters using evanescent coupling or surface plasmon coupling for the excitation of fluorescence

Abstract

【課題】プラズモン増強を利用した蛍光検出方法において、蛍光標識の破壊や変質等による褪色を防ぎより定量性を確保する。
【解決手段】蛍光標識として褪色のない蛍光性無機微粒子5を用いる。誘電体プリズム基板6の一面に成膜された金属薄膜20に表面プラズモンを発生させ、これによる電場増強効果を受けて電場増強されたエバネッセント光22により、蛍光性無機微粒子5を励起させて、この蛍光性無機微粒子5からの蛍光を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、蛍光検出方法に関するものであり、特に詳細には表面プラズモンを利用した蛍光検出方法に関するものである。
バイオ測定等において、蛍光法は高感度かつ容易な測定法として広く用いられている。蛍光法とは、特定波長の光に励起されて蛍光を発する被検出物質を含むと考えられる試料に、上記特定波長の励起光を照射し、このとき発せられる蛍光を検出することによって定性的または定量的に被検出物質の存在を確認する方法である。また、被検出物質自身が蛍光体ではない場合には、この被検出物質を有機蛍光色素等の蛍光標識で標識し、その後同様にして蛍光を検出することにより、その標識の存在をもって被検出物質の存在を確認する方法である。
とりわけここ数年、蛍光法は、冷却CCDの発達など光検出器の高性能化と相まって、バイオ研究には欠かせない道具となっている。また、蛍光標識に用いる材料においても、特に可視領域では蛍光量子収率の高い蛍光色素、例えばFITC(蛍光 525nm、蛍光量子収率 0.6)やCy5(蛍光 680nm、蛍光量子収率 0.3)のような実用の目安となる0.2を超える蛍光色素が開発され広く用いられている。
Anal.Chem.2003,75,4672−4675
しかしながら、非特許文献1で報告されているように、有機蛍光色素は可視光を吸収及び発光する性質上、化学構造的に弱いπ結合を有するため、強い光による不可逆的破壊や雰囲気中の酸素やオゾンとの化学反応により変質してしまい、これにより、有機蛍光色素から発せられる総蛍光量が経時的に減少し、いわゆる褪色を招いてしまうという問題がある。例えば図6に示したように、広く使われているCy5色素の場合、光の強度がmWクラスまで強くなると、発光に寄与しているCy5色素数が数秒以内に半減してしまうことがわかっている。特に近年注目されている、プラズモンによる電場増強効果を利用する表面プラズモン蛍光検出方法の場合に、この有機蛍光色素の褪色は顕著に表れる。これは、有機蛍光色素数が等しいにも関わらず、実際に検出される蛍光量は励起光強度や測定雰囲気によって大きくばらつく原因となるため、単にon/offで蛍光検出を行う場合には影響が少ないが、定量的な測定が必要とされる場合に大きな問題となる。
一方、褪色のない色素として、量子ドットが知られている。これは、概ね100nm以下の無機微粒子を用いたものであるため、有機蛍光色素に比べ飛躍的に強固であるが、蛍光量子収率が低く高感度検出用としては不向きである。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、蛍光性無機微粒子の高耐性と表面プラズモンによる電場増強効果を利用して、蛍光標識の破壊や変質等による褪色を防ぎ、より定量性を備えた高感度の検出を可能とする蛍光検出方法を提供することを目的とするものである。
本発明による第1の蛍光検出方法は、
誘電体プリズム基板の一面に成膜された金属薄膜を含む検出部上に、蛍光性無機微粒子で標識された被検出物質を含む試料を供給する工程(A)と、
蛍光性無機微粒子を励起発光しうる波長の励起光を、誘電体プリズム基板と金属薄膜との界面に対して、この界面での全反射条件を満たすように誘電体プリズム基板を通し入射して、この界面表面にエバネッセント光を発生させ、このエバネッセント光との共鳴により金属薄膜中に表面プラズモンを発生させる工程(B)と、
表面プラズモンによる電場増強効果を受けて電場増強されたエバネッセント光により、蛍光性無機微粒子を励起させて、この蛍光性無機微粒子からの蛍光を検出する工程(C)とを有するものである。
また、本発明による第2の蛍光検出方法は、
誘電体プリズム基板の一面に成膜された金属薄膜を含む検出部上に、試料中に含まれる被検出物質に対して特異的に結合する特異的結合物質を固定し、試料を供給して被検出物質を特異的結合物質に結合させる工程(D)と、
工程(D)の後、被検出物質と特異的に結合するように施された蛍光性無機微粒子を供給し、この蛍光性無機微粒子を検出部に固定された被検出物質に結合させる工程(E)と、
蛍光性無機微粒子を励起発光しうる波長の励起光を、誘電体プリズム基板と金属薄膜との界面に対して、この界面での全反射条件を満たすように誘電体プリズム基板を通し入射して、この界面表面にエバネッセント光を発生させ、このエバネッセント光との共鳴により金属薄膜中に表面プラズモンを発生させる工程(F)と、
表面プラズモンによる電場増強効果を受けて電場増強されたエバネッセント光により、検出部に固定された蛍光性無機微粒子を励起させて、この蛍光性無機微粒子からの蛍光を検出する工程(G)とを有するものである。
さらに、本発明による第3の蛍光検出方法は、
誘電体プリズム基板の一面に成膜された金属薄膜を含む検出部上に、試料中に含まれる被検出物質に対して特異的に結合する特異的結合物質を固定し、試料を供給して被検出物質を特異的結合物質に結合させる工程(D)と、
工程(D)の後、特異的結合物質と特異的に結合するように施された蛍光性無機微粒子を供給し、この蛍光性無機微粒子を被検出物質と競合させて、特異的結合物質に結合させる工程(H)と、
蛍光性無機微粒子を励起発光しうる波長の励起光を、誘電体プリズム基板と金属薄膜との界面に対して、この界面での全反射条件を満たすように誘電体プリズム基板を通し入射して、この界面表面にエバネッセント光を発生させ、このエバネッセント光との共鳴により金属薄膜中に表面プラズモンを発生させる工程(F)と、
表面プラズモンによる電場増強効果を受けて電場増強されたエバネッセント光により、検出部に固定された蛍光性無機微粒子を励起させて、この蛍光性無機微粒子からの蛍光を検出する工程(G)とを有するものである。
本発明において、「検出部」とは、試料等を供給して接せしめる場所であって、励起光を、誘電体プリズム基板と金属薄膜との界面に対して、この界面での全反射条件を満たすように誘電体プリズム基板を通し入射して、この界面表面にエバネッセント光を発生させ、このエバネッセント光との共鳴により金属薄膜中に表面プラズモンを発生させるように配されたものである。
また、「特異的結合物質」とは、例えばタンパク質に対するリガンドあるいは抗原に対する抗体といった、ある特定の物質に対して特異的に結合する性質を有する物質を意味する。
上記特異的結合物質は、次のような2種類の蛍光法に対応するためのものである。すなわち、一つはその特異的結合物質が、被検出物質と特異的に結合し蛍光標識に施されたリンカーとは結合しないものであり、蛍光標識にて標識した被検出物質をこの特異的結合物質に結合させ検出部に固定して、この固定された蛍光標識からの蛍光を検出する、すなわち被検出物質の存在する箇所からの蛍光を検出する、いわゆる「サンドイッチ方式」による蛍光法である。もう一つは、例えば特異的結合物質が、蛍光標識に施されたリンカー及び被検出物質の両方と特異的に結合する(エピトープ<epitope:抗原決定基>も同じ)ものであり、この特異的結合物質に対してそれら被検出物質及び蛍光標識を競合させて検出部に固定し、このうち固定された蛍光標識からの蛍光を検出する、すなわち被検出物質の存在しない箇所からの蛍光を検出する、いわゆる「競合方式」による蛍光法である。これら2種類の蛍光法は、検出条件に応じて適宜蛍光標識に施すリンカーや特異的結合物質を選択することで実施することができる。
上記本発明による蛍光検出方法において、蛍光性無機微粒子は、半導体材料、磁性体材料、及び金属材料のうち少なくとも1つから構成されるものであることが望ましく、また、粒径80nm以下の蛍光性量子ドットであることが望ましい。さらに、蛍光性無機微粒子は、シリカ(SiOx)等の被覆部を含むコアシェル型構造を有するものであることが望ましく、特にZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、GaAs、Si、Ag、Au、Fe、PtおよびCoからなる群より選択される無機材料を含むものであることが望ましい。
また、検出部は、金属薄膜表面に、疎水性材料からなる膜厚10〜100nmの不撓性膜を有するものであることが望ましい。また、この不撓性膜は、ポリマー材料から構成されるものであることが望ましい。
なお、上記「不撓性」とは、検出装置を普通に使用しているうちに膜厚が変わってしまうほどに変形することが無い程度の剛性を意味するものとする。
本発明による蛍光検出方法によれば、光に対して高い耐性のある蛍光性無機微粒子を用いることにより、蛍光標識の破壊や変質等による褪色を防ぐことができる。また、表面プラズモンによる電場増強効果を利用することにより、得られる蛍光信号量を増幅することができる。これにより、定量性を備えた高感度の蛍光検出方法を実現することができる。
さらに、蛍光性無機微粒子は、有機色素に比べて長時間観察に用いることができるため、生体物質や生きた細胞などの経時観察を可能とする。
また、蛍光性無機微粒子は、同じ材料を用いながら微粒子の粒径を制御することによって、励起光波長を変化させずに発光波長を変化させることが可能で、さらに有機色素に比べ急峻な蛍光スペクトル分布を持つため、蛍光波長の異なる標識を用いた同時解析を簡便化することを可能とする。
以下、本発明の実施形態及び実施例について図面を用いて説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
「蛍光検出方法」
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態による蛍光検出方法を用いて、被検出物質としての抗原2を含む試料1から、抗原2を検出する場合に用いる蛍光検出装置の概略部分断面図である。
図示の通り、この蛍光検出装置は、所定波長の励起光9を発する光源8と、この励起光9を一面から透過させるように配された、励起光9を透過させる材料からなる誘電体プリズム基板6と、この誘電体プリズム基板6の励起光9入射面とは異なる一面に成膜された金属薄膜20と、金属薄膜20上に形成された不撓性膜21と、不撓性膜21に試料1が接するように試料1を保持する試料保持部7と、蛍光性無機微粒子5が発する蛍光を検出可能な位置に配された光検出器10とを備えてなるものである。そして、図中には、試料1中に含まれる蛍光性無機微粒子5と、これに施され特異的結合性を付与するリンカー(二次抗体4)も同時に示している。
励起光9は、例えばレーザ光源等から得られる単波長光でも白色光源等から得られるブロード光でもよく、特に制限はないが、検出条件に応じて適宜選択することができる。
光源8は、例えばレーザ光源等でもよく、特に制限はないが、検出条件に応じて適宜選択することができる。また必要に応じて、光源8は、励起光9を基板6と金属薄膜20の界面20bに向けて、この界面での全反射条件を満たすように基板を通して入射させるために、励起光9を導光するためのミラーやレンズ等の導光系等を適宜組み合わせることができる。
誘電体プリズム基板6は、例えば透明樹脂やガラス等の透明材料から形成されたものである。誘電体プリズム基板6は樹脂から形成されたものが望ましく、この場合は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンを含む非晶性ポリオレフィン(APO)等の樹脂を用いることがより望ましい。
金属薄膜20は、その薄膜材料として、特に制限はなく検出条件に応じて適宜選択することができるが、表面プラズモンの発生条件等の観点からAu、Ag、Pt等を用いることが望ましい。また、金属薄膜20の堆積方法は、例えば、スパッタリング法、蒸着法、めっき法、金属コロイドを用いた塗布法やスプレー法などの各種の薄膜作製方法によって形成することができ、これらの方法は使用する材料に応じて適宜選択することができる。一方その膜厚も、特に制限はなく検出条件に応じて適宜選択することができるが、表面プラズモンの発生条件等の観点から20nm〜60nmの範囲にあることが望ましい。
不撓性膜21は、その薄膜材料として、例えばシリコン酸化膜やポリマー材料等を用いることができる。この場合、特に成膜条件や表面処理条件等の観点からポリマー材料が望ましい。例えばこの場合、スピンコート等の簡便な方法により作成することができる。また、本発明のように不撓性膜21が疎水性材料から形成されている場合には、試料液中に存在する金属イオンや溶存酸素のような消光の原因となる因子が不撓性膜の内部にまで入り込むことが無く、これらの消光因子によって蛍光標識の励起エネルギーが奪われることが防止される。
不撓性膜21の具体的な材料は、誘電体プリズム基板6に用いられている材料と比して線(熱)膨張係数の差が35×10−6以内にあるものを選択することが望ましく、例えば下記表1に挙げたものの中から適宜選択することができる。
Figure 2009128136
ここで、上記のように線(熱)膨張係数の差を35×10−6以内と規定したのは以下の理由による。
環境、特に温度の変動に対する安定性を高める上では、不撓性膜21と誘電体プリズム基板6は互いに熱膨張係数が近い方が望ましい。つまり、それら両者の熱膨張係数が大きくかけ離れていると、温度変動が生じた際に両者の剥離や密着度の低下等の問題を招きやすい。具体的には、それら両者の線(熱)膨張係数の差が35×10−6以内の範囲にあることが望ましい。なお、不撓性膜21と誘電体プリズム基板6との間には金属薄膜20が存在しているが、この金属薄膜20は温度変動が有ったとき、上下の不撓性膜21と誘電体プリズム基板6に追随して伸縮するので、結局、不撓性膜21と誘電体プリズム基板6の熱膨張係数が近い方が望ましいことに変わりは無い。以上の点を考慮すると、不撓性膜21をポリマー材料から形成する場合、誘電体プリズム基板6の材料としても一般にはガラスより樹脂を選択する方がより望ましいと言える。
一方、不撓性膜21の膜厚は10nm〜100nmとする。ここで、上記膜厚の下限値および上限値をそれぞれ10nm、100nmと規定したのは以下の理由による。
金属の近傍に存在する蛍光体は、金属へのエネルギー移動により消光を起こす。エネルギー移動の程度は、金属が半無限の厚さを持つ平面なら距離の3乗に反比例して、金属が無限に薄い平板なら距離の4乗に反比例して、また、金属が微粒子なら距離の6乗に反比例して小さくなる。そして、金属薄膜の場合は、金属と蛍光体との間の距離は少なくとも 数nm以上、より好ましくは10nm以上確保しておくことが望ましい。これにより、本発明では不撓性膜の膜厚の下限値を10nmとする。一方、蛍光体は、エバネッセント光によって励起される。このエバネッセント光は、金属薄膜表面から高々励起光の波長程度であり、その電界強度は金属薄膜表面からの距離に応じて指数関数的に急激に減衰することが知られている。実際に、波長635nmの可視光について両者の関係を計算によって求めると、エバネッセント光が到達するのは波長(635nm)程度である。しかしながら、100nmを超えるとその電界強度が急激に減衰する。蛍光体を励起する電界強度は大きいほど望ましいので、効果的な励起を行なうためには、金属薄膜表面と蛍光体との距離を100nmより小さくすることが望ましい。それにより、本発明では不撓性膜の膜厚の上限値を100nmとする。
なお、ポリマーからなる不撓性膜21を用いた場合、被検出物質2がタンパク等であれば容易に非特異的吸着しやすくなっている。これは、ポリマーとタンパク等が疎水性を有することに起因する疎水性効果による。この場合、非特異的吸着したタンパク等が蛍光検出を行う上で定量性を損なう要因となってしまうため、不撓性膜21の表面に親水性表面修飾を施すことが望ましい。さらに、この表面修飾は上記のような機能の他に、特異的結合物質を固定するリンカーとしての機能も持たせることができる。
試料保持部7は、試料1を検出部上(本実施形態において、より正確には不撓性膜21上)に接するように保持でき、蛍光性無機微粒子5から発せられる蛍光の検出を妨げないような形状や材料であれば特に制限されるものではない。蛍光を上方から検出する場合には、例えば図1中に示すような、光を透過させない側面と光をよく透過させる上端面からなる試料保持部7等を用いることができる。ここで、光を透過させない側面を用いているのは、意図しない外部からの光を遮断するためである。
光検出器10は、蛍光性無機微粒子5が発する特定波長の蛍光を定量的に検出するもので、例えば富士フイルム株式会社製 LAS-1000 plus(商品名)を好適に用いることができるが、これに限らず検出条件に応じて適宜選択することができ、CCD、PD(フォトダイオード)、光電子増倍管、c−MOS等を用いることができる。
本発明の第1の実施形態による蛍光検出方法は、誘電体プリズム基板6の一面に成膜された金属薄膜20と、この金属薄膜20上の不撓性膜21とからなる検出部上に、蛍光性無機微粒子5により標識された抗原2を含む試料1を供給する(図2a)工程(A)と、蛍光性無機微粒子5を励起発光しうる波長の励起光9を、誘電体プリズム基板6と金属薄膜20との界面20aに対して、この界面20aでの全反射条件を満たすように誘電体プリズム基板6を通し入射して、この界面20a表面にエバネッセント光22を発生させ、このエバネッセント光22との共鳴により金属薄膜20に表面プラズモンを発生させる工程(B)と、表面プラズモンの電場増強効果を受けて電場増強されたエバネッセント光22により、蛍光性無機微粒子5を励起させ(図2b)、これにより発せられる蛍光を検出する工程(C)とを有するものである。
蛍光性無機微粒子5は、特に制限なく、検出条件(特に励起波長)に応じて適宜選択することができるが、蛍光性量子ドットを用いることが望ましい。特にZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、GaAs、Si、Ag、Au、Fe、PtおよびCoからなる群より選択される無機材料を含むものを用いることが望ましく、シリカ(SiOx)等の被覆部を含むコアシェル型構造を有するものであることがより望ましい。例えば、励起光9の波長が532nmの場合には、SiOx(シェル)/CdSe(コア)量子ドット等を用いることができる。SiOx(シェル)/CdSe(コア)量子ドットの作製方法は、例えば特開2005−74552およびJ. Phys. Chem. B, Vol. 110, No. 27, 2006 13314等に示されている。
SiOx(シェル)/CdSe(コア)量子ドットを用いた場合、例えばSiOx(シェル)/CdSe(コア)量子ドットをモノクロナール抗体(二次抗体4)等で表面修飾することにより、SiOx(シェル)/CdSe(コア)量子ドットを抗原2と特異的に結合可能にすることができる。このSiOx(シェル)/CdSe(コア)量子ドットへの抗体導入方法は、例として以下に示す(1)〜(4)のステップからなるものである。
(1)端に官能基を有するシランカップリング剤によるSiOx(シェル)/CdSe(コア)の修飾◎
シリカ、窒化ケイ素などの金属酸化物や窒化物、あるいはその薄膜を有する基材に対しては、シランカップリング剤により形成されたシランカップリング層を介して結合することもできる。シランカップリング剤として下記式(1)で表される一般式に示すケイ素含有化合物を利用することにより、金属酸化物や窒化物との間に金属(ケイ素)−酸素−ケイ素−炭素といった共有結合を形成させることができ、基材表面を官能基で被覆することができる。
X−L−Si−(R)Y・・・(1)
ここで、上記式(1)において、Xは官能基を示し、Lは直鎖、分岐鎖、環状鎖の炭素鎖を含むリンカー部位を示し、Rは水素、もしくは炭素数1〜6のアルキル基を示し、Yは加水分解基を示す。また、mおよびnはそれぞれ0〜3の整数を示しm+n=3を満たすものとする。加水分解基(Y)とは、アルコキシ基、ハロゲン、アシロキシ基などが挙げられ、より具体的にはメトキシ基、エトキシ基、塩素などが挙げられる。シランカップリング剤として具体的には、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。シランカップリング剤の反応方法としては一般的な方法に従えば良く、例えば書籍、シランカップリング剤の効果と使用法(サイエンス&テクノロジー社)に記載の方法を利用することができる。また、自己組織化膜形成化合物やシランカップリング剤などが有する官能基(X)としては、生理活性物質と結合すれば特に限定はされず、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、チオール基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、エポキシ基、シアノ基、ヒドラジノ基、ヒドラジド基、ビニルスルホン基、ビニル基など任意の官能基とその組み合わせやその誘導体を利用することができる。本実施例においては、官能基(X)としてカルボキシル基であるものを用い、抗体のアミノ基との間でアミンカップリングを生じさせ、固定/共有結合を行わせた。
上記アミンカップリング法は、一例として下記(2)〜(4)のステップからなるものである。なおこれは、30μl(マイクロ・リットル)のキュベット/セルを用いた場合の例である。
(2)リンカー先端(末端)の−COOH基を活性化◎
0.1M(モル)のNHSと0.4MのEDCとを等体積混合した溶液を30μl加え、30分間室温で静置する。
NHS:N-hydrooxysuccinimide◎
EDC:1-ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimide
(3)1次抗体4の固定化◎
PBSバッフア(pH7.4)で5回洗浄後、1次抗体溶液(500μg/ml)を30μl加え、30〜60分間室温で静置する。
(4)未反応の −COOH基をブロッキング◎
PBSバッフア(pH7.4)で5回洗浄後、1Mのエタノールアミン(pH8.5)を30μl加え、20分間室温で静置する。さらにPBSバッフア(pH7.4)で5回洗浄する。
工程(B)において、電場増強されたエバネッセント光22を作成することが可能であれば必ずしも誘電体プリズム基板6と金属薄膜20との界面20aでの全反射条件を満たす必要はない。すなわち、例えば、径が励起光の波長以下の微小開孔を金属薄膜20に形成することにより、励起光を上記界面20aにて全反射させる必要なく、金属薄膜20内に表面プラズモンを生じさせる方法等を用いることができる。この場合、高価な誘電体プリズム基板や複雑な入射光学系等を用いる必要が無く、コスト低減の観点から有用である。
以下、本実施形態における作用を示す。
試料保持部7の中に蛍光性無機微粒子5に標識された試料1が供給され、その後、光源8から発せられる励起光9を、誘電体プリズム基板6と金属薄膜20の界面20aに対して、この界面20aでの全反射条件を満たすように基板を通し入射する。このとき、この界面20a表面にエバネッセント光22が発生し、このエバネッセント光22との共鳴により金属薄膜20中に表面プラズモンが発生する。そして、この表面プラズモンによる電場増強効果を受けて電場増強されたエバネッセント光22により、蛍光性無機微粒子5が励起されることとなる。励起された蛍光性無機微粒子5は所定波長の蛍光を発し、この蛍光検出によって抗原2の検出を行うことができる。
ここで、以上の例では、蛍光検出によって実際に存在が確認されるのは蛍光性無機微粒子5であるが、基本的に前処理によって、この蛍光性無機微粒子5には抗原2が結合しているものと考えて、この蛍光性無機微粒子5の存在を確認することにより、間接的に抗原2の存在を確認している。
以上により、光に対して高い耐性のある蛍光性無機微粒子を用いることによって、蛍光標識の破壊や変質等による褪色を防ぐことができる。また、表面プラズモンによる電場増強効果を利用することによって、得られる蛍光信号量を増幅することができる。
さらに、蛍光性無機微粒子は、有機色素に比べて長時間観察に用いることができるため、生体物質や生きた細胞などの経時観察を可能とする。
また、蛍光性無機微粒子は、同じ材料を用いながら微粒子の粒径を制御することによって、励起光波長を変化させずに発光波長を変化させることが可能で、さらに有機色素に比べ急峻な蛍光スペクトル分布を持つため、蛍光波長の異なる標識を用いた同時解析を簡便化することを可能とする。
そして、不撓性膜21が形成されているので、蛍光性無機微粒子5から金属薄膜20へエネルギー移動が起こり金属内でエネルギーが消失される、いわゆる金属消光を防止することができる。これにより、励起した蛍光性無機微粒子5から効率よく蛍光を得ることができる。
なお、エバネッセント光22は、界面20aから数百nm程度の領域にしか到達しないため、本実施形態においては、実際にこのエバネッセント光22により励起される蛍光性無機微粒子5の割合は少ないと考えられる。これは、蛍光性無機微粒子5と抗原2との対が試料1中をブラウン運動し均一に分散しているため、エバネッセント光22の微小な到達距離ではこれらを捕らえることに限界があるためである。この問題を解決するのが、次に挙げる第2の実施形態及び第3の実施形態である。
<第2の実施形態>
図3は、本実施形態による蛍光検出方法を用いて、被検出物質としての抗原2を含む試料1から、抗原2を検出する場合に用いる蛍光検出装置の概略部分断面図である。本実施形態において使用する蛍光検出装置は、図1に示す第1の実施形態で説明した蛍光検出装置において、不撓性膜21上に施された親水性表面修飾(図省略)とこの表面修飾に固定された特異的結合物質としての一次抗体3を追加したものである。その他の構成は、第1の実施形態の場合と同様であり、図1に示す第1の実施形態と同等の要素についての説明は、特に必要のない限り省略する。
一次抗体3は、特に制限なく、検出条件(特に被検出物質)に応じて適宜選択することができる。例えば、抗原2がCRP抗原(分子量11万 Da)の場合、この抗原と特異的に結合するモノクロナール抗体(二次抗体4と少なくともエピトープが異なる)等を用いることができ、例えば末端をカルボキシル基化したPEGを介して、アミンカップリング法により、ポリマー材料からなる場合の不撓性膜21に固定することができる。上記アミンカップリング法は一例として下記(1)〜(3)のステップからなるものである。なおこれは、30ul(マイクロ・リットル)のキュベット/セルを用いた場合の例である。
(1)リンカー部先端(末端)の−COOH基を活性化
0.1MのNHSと0.4MのEDCとを等体積混合した溶液を30ul加え、30分間室温静置する。
NHS:N-hydrooxysuccinimide
EDC:1-ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimide
(2)一次抗体の固定化
PBSバッフア(pH7.4)で5回洗浄後、一次抗体溶液(500ug/ml)を30ul加え、30〜60分間室温静置する。
(3)未反応の−COOH基をブロッキング
PBSバッフア(pH7.4)で5回洗浄後、1Mのエタノールアミン(pH8.5)を30ul加え、20分間室温静置する。さらにPBSバッフア(pH7.4)で5回洗浄する。
本発明の第2の実施形態による蛍光検出方法は、誘電体プリズム基板6の一面に成膜された金属薄膜20と、この金属薄膜20上の不撓性膜21とからなる検出部上に、親水性表面修飾を介して一次抗体3を固定し、抗原2を含む試料1を流して(図4a)、この抗原2を一次抗体3に固定する(図4b)工程(D)と、その後蛍光標識である蛍光性無機微粒子5を流し(図4c)、一次抗体3に結合した抗原2に、二次抗体4を介して蛍光性無機微粒子5を結合させて、いわゆるサンドイッチ方式により蛍光性無機微粒子5を検出部に固定する(図4d)工程(E)と、蛍光性無機微粒子5を励起発光しうる波長の励起光9を、誘電体プリズム基板6と金属薄膜20との界面20aに対して、この界面20aでの全反射条件を満たすように誘電体プリズム基板6を通し入射して、この界面20a表面にエバネッセント光22を発生させ、このエバネッセント光22との共鳴により金属薄膜20に表面プラズモンを発生させる工程(F)と、表面プラズモンの電場増強効果を受けて電場増強されたエバネッセント光22により、検出部表面に固定された蛍光性無機微粒子5を励起させ、これにより発せられる蛍光を検出する(図4e)工程(G)とを有するものである。
工程(D)において、試料1と蛍光性無機微粒子5の供給は、検出部に固定し損ねた被検出物質2及び蛍光性無機微粒子5の影響を軽減するため、本実施形態のように流す形式により実施することが望ましい。この場合、必ず試料1を先に供給する。
以下、本実施形態における作用を示す。
不撓性膜21上には、抗原2と特異的に結合する一次抗体3が固定化されている。そして試料保持部7の中において試料1が流され、試料1中の抗原2は一次抗体3に結合し固定される。次いで同様に抗原2と特異的に結合するよう施された蛍光性無機微粒子5が流され、先ほどの一次抗体3に結合した抗原2と二次抗体4を介して上記蛍光性無機微粒子5が検出部に固定される(サンドイッチ方式)。
その後、光源8から発せられる励起光9を、誘電体プリズム基板6と金属薄膜20の界面20aに対して、この界面20aでの全反射条件を満たすように基板を通し入射する。このとき、この界面20a表面にエバネッセント光22が発生し、このエバネッセント光22との共鳴により金属薄膜20中に表面プラズモンが発生する。そして、この表面プラズモンによる電場増強効果を受けて電場増強されたエバネッセント光22により、検出部に固定された蛍光性無機微粒子5が励起されることとなる。この蛍光性無機微粒子5は所定波長の蛍光を発し、この蛍光検出によって抗原2の検出を行うことができる。
以上により、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
一方、前述したようにエバネッセント光22は、界面20aから数百nm程度の領域にしか到達しないため、第1の実施形態のように、蛍光性無機微粒子5と抗原2の対が試料中を自由にブラウン運動できる状態では、このエバネッセント光22により実際に励起される蛍光性無機微粒子5の割合は少ないと考えられる。そこで、本実施形態のように、上記一次抗体3を用いて蛍光性無機微粒子5と抗原2の対を検出部に集約させることにより、エバネッセント光22により励起される蛍光性無機微粒子5の量を増やすことが可能である。これにより、多くの蛍光量を得ることができ、結果としてより定量性の高い蛍光検出が可能となる。
そして、不撓性膜21の表面を親水性表面修飾で覆っているため、タンパク等の疎水効果による非特異的吸着を防ぐことができ、S/N比を向上させることが可能となる。
さらに、上記のようなエバネッセント光22の到達領域に関する特性により、意図せず試料中に残ってしまった不純物90からの散乱や浮遊蛍光標識5’からの発光等の影響を大幅に低減することができるため、さらにS/N比のよい蛍光検出が可能となる。
なお以上の例では、蛍光検出によって実際に存在が確認されるのは蛍光性無機微粒子5であるが、第1の実施形態と同様に、基本的にこの蛍光性無機微粒子5は、抗原2と結合しなければ流されてしまい検出部上に存在し得ないものと考え、この蛍光性無機微粒子5の存在を確認することにより、間接的に抗原2の存在を確認している。
<第3の実施形態>
本実施形態で使用する蛍光検出装置は、図3に示す第2の実施形態で使用した装置と同じものである。ただし、本実施形態において、蛍光性無機微粒子5に施されている二次抗体4’は、抗原2とは結合せず、一次抗体3に対して特異的結合性を有している。つまり、蛍光性無機微粒子5と抗原2が、一次抗体3に対して競合しながら結合することになる。
本発明の第3の実施形態による蛍光検出方法は、誘電体プリズム基板6の一面に成膜された金属薄膜20と、この金属薄膜20上の不撓性膜21とからなる検出部上に、親水性表面修飾を介して一次抗体3を固定し、抗原2を含む試料1を流して(図5a)、この抗原2を一次抗体3に固定する(図5b)工程(D)と、その後蛍光標識である蛍光性無機微粒子5を流し(図5c)、抗原2と結合していない一次抗体3に二次抗体4’を介して蛍光性無機微粒子5を結合させて、いわゆる競合方式により蛍光性無機微粒子5を検出部に固定する(図5d)工程(H)と、蛍光性無機微粒子5を励起発光しうる波長の励起光9を、誘電体プリズム基板6と金属薄膜20との界面20aに対して、この界面20aでの全反射条件を満たすように誘電体プリズム基板6を通し入射して、この界面20a表面にエバネッセント光22を発生させ、このエバネッセント光22との共鳴により金属薄膜20に表面プラズモンを発生させる工程(F)と、表面プラズモンの電場増強効果を受けて電場増強されたエバネッセント光22により、検出部表面に固定された蛍光性無機微粒子5を励起させ、これにより発せられる蛍光を検出する(図5e)工程(G)とを有するものである。
本実施形態における作用が第2の実施形態の作用と異なるのは、蛍光性無機微粒子5と抗原2が一次抗体3に対して競合しながら結合することにより、抗原2の存在しない箇所から蛍光を検出する点にある。つまり、試料1中に抗原2が多く含まれているほど、蛍光性無機微粒子5が検出部に固定される量が減るため検出される蛍光が減少する。しかしながら、本質的な作用は、第2の実施形態と同様であるため、効果も同様な効果を得ることができる。
なお、上記すべての実施形態において、抗原抗体反応を用いて説明してきたが、本発明はこれに限られるものではなく、他の特異的結合性を利用した反応を用いても本発明の課題を解決することができる。
<実施例>
ゼオネクス製のプリズム基板6(屈折率1.50)の一面に、厚さ50nmの金薄膜20をスパッタにて形成した。さらに、金薄膜20上に厚さ20nmのポリスチレン系のポリマー膜21(屈折率1.59)をスピンコートにて形成した。抗原2はCRP抗原(分子量11万Da)であり、CRP抗原2に結合するモノクロナール抗体3は、ポリマー膜21に末端をカルボキシル基化したPEGを介して、アミンカップリング法にて固定した。
一方、蛍光性無機微粒子5としてSiOx(シェル)/CdSe(コア)量子ドットを用い、SiOx(シェル)/CdSe(コア)量子ドット5をモノクロナール抗体4(エピトープはモノクロナール抗体3と異なる)で表面修飾を行った。
光源8は、532nmの励起光9を発する半導体レーザを用い、光検出器10には、富士フイルム株式会社製 LAS-1000 plus(商品名)を用いた。
そして、本実施例における蛍光検出方法は以下の工程(D)〜(G)の手順によって行った。
<工程(D)>
誘電体プリズム基板6の一面に成膜された金薄膜20と、この金薄膜20上のポリマー膜21とを含む検出部上に、モノクロナール抗体3を固定し、CRP抗原2を含む試料を流して、このCRP抗原2をモノクロナール抗体3に結合させた。
<工程(E)>
その後蛍光標識であるSiOx(シェル)/CdSe(コア)量子ドット5を流し、ポリマー膜21上のモノクロナール抗体3に結合したCRP抗原2にモノクロナール抗体4を介してSiOx(シェル)/CdSe(コア)量子ドット5を結合させて、サンドイッチ方式によりSiOx(シェル)/CdSe(コア)量子ドット5を検出部表面に固定した。
<工程(F)>
波長532nmの励起光9を、プリズム基板6と金薄膜20との界面20aに対して、この界面20aでの全反射条件を満たすように誘電体プリズム基板6を通し入射して、この界面20a表面にエバネッセント光22を発生させて、このエバネッセント光22との共鳴により金属薄膜20中に表面プラズモンを発生させた。
<工程(G)>
上記表面プラズモンの電場増強効果を受けて増強されたエバネッセント光22によって、検出部表面に固定されたSiOx(シェル)/CdSe(コア)量子ドット5を発光させて、この発光を検出した。
本発明による蛍光検出方法を実施するための装置一例を概略的に示す部分断面図 第1の実施形態における蛍光検出工程を概略的に示す部分断面図 本発明による蛍光検出方法を実施するための装置の一例を概略的に示す部分断面図 第2の実施形態における蛍光検出工程を概略的に示す部分断面図 第3の実施形態における蛍光検出工程を概略的に示す部分断面図 Cy5の蛍光信号量が1/eに減衰するまでの時間と励起光強度の関係を示すグラフ
符号の説明
1 試料(溶媒)
2 被検出物質(抗原)
3 特異的結合物質(一次抗体)
4、4’ 蛍光性無機微粒子に施された表面修飾(二次抗体)
5 蛍光性無機微粒子(蛍光標識)
5’ 浮遊蛍光標識
6 誘電体プリズム基板
7 試料保持部
8 光源
9 励起光
10 光検出器
20 金属薄膜
20a プリズム基板と金属薄膜の界面
21 不撓性膜
22 エバネッセント光
90 試料中の不純物

Claims (9)

  1. 誘電体プリズム基板の一面に成膜された金属薄膜を含む検出部上に、蛍光性無機微粒子で標識された被検出物質を含む試料を供給する工程(A)と、
    前記蛍光性無機微粒子を励起発光しうる波長の励起光を、前記誘電体プリズム基板と前記金属薄膜との界面に対して、該界面での全反射条件を満たすように前記誘電体プリズム基板を通し入射して、該界面表面にエバネッセント光を発生させ、該エバネッセント光との共鳴により前記金属薄膜中に表面プラズモンを発生させる工程(B)と、
    該表面プラズモンによる電場増強効果を受けて電場増強された前記エバネッセント光により、前記蛍光性無機微粒子を励起させて、該蛍光性無機微粒子からの蛍光を検出する工程(C)とを有することを特徴とする蛍光検出方法。
  2. 誘電体プリズム基板の一面に成膜された金属薄膜を含む検出部上に、試料中に含まれる被検出物質に対して特異的に結合する特異的結合物質を固定し、前記試料を供給して前記被検出物質を前記特異的結合物質に結合させる工程(D)と、
    工程(D)の後、前記被検出物質と特異的に結合するように施された蛍光性無機微粒子を供給し、該蛍光性無機微粒子を前記検出部に固定された前記被検出物質に結合させる工程(E)と、
    前記蛍光性無機微粒子を励起発光しうる波長の励起光を、前記誘電体プリズム基板と前記金属薄膜との界面に対して、該界面での全反射条件を満たすように前記誘電体プリズム基板を通し入射して、該界面表面にエバネッセント光を発生させ、該エバネッセント光との共鳴により前記金属薄膜中に表面プラズモンを発生させる工程(F)と、
    該表面プラズモンによる電場増強効果を受けて電場増強された前記エバネッセント光により、前記検出部に固定された前記蛍光性無機微粒子を励起させて、該蛍光性無機微粒子からの蛍光を検出する工程(G)とを有することを特徴とする蛍光検出方法。
  3. 誘電体プリズム基板の一面に成膜された金属薄膜を含む検出部上に、試料中に含まれる被検出物質に対して特異的に結合する特異的結合物質を固定し、前記試料を供給して前記被検出物質を前記特異的結合物質に結合させる工程(D)と、
    工程(D)の後、前記特異的結合物質と特異的に結合するように施された蛍光性無機微粒子を供給し、該蛍光性無機微粒子を前記被検出物質と競合させて、前記特異的結合物質に結合させる工程(H)と、
    前記蛍光性無機微粒子を励起発光しうる波長の励起光を、前記誘電体プリズム基板と前記金属薄膜との界面に対して、該界面での全反射条件を満たすように前記誘電体プリズム基板を通し入射して、該界面表面にエバネッセント光を発生させ、該エバネッセント光との共鳴により前記金属薄膜中に表面プラズモンを発生させる工程(F)と、
    該表面プラズモンによる電場増強効果を受けて電場増強された前記エバネッセント光により、前記検出部に固定された前記蛍光性無機微粒子を励起させて、該蛍光性無機微粒子からの蛍光を検出する工程(G)とを有することを特徴とする蛍光検出方法。
  4. 前記蛍光性無機微粒子が、半導体材料、磁性体材料、及び金属材料のうち少なくとも1つから構成されるものであることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の蛍光検出方法。
  5. 前記蛍光性無機微粒子が、粒径80nm以下の蛍光性量子ドットであることを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の蛍光検出方法。
  6. 前記蛍光性無機微粒子が、コアシェル型構造を有するものであることを特徴とする請求項1から5いずれかに記載の蛍光検出方法。
  7. 前記蛍光性無機微粒子が、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、GaAs、Si、Ag、Au、Fe、PtおよびCoからなる群より選択される無機材料を含むものであることを特徴とする請求項1から6いずれかに記載の蛍光検出方法。
  8. 前記検出部が、前記金属薄膜表面に、疎水性材料からなる膜厚10〜100nmの不撓性膜を有するものであることを特徴とする請求項1から7いずれかに記載の蛍光検出方法。
  9. 前記不撓性膜が、ポリマー材料から構成されるものであることを特徴とする請求項8に記載の蛍光検出方法。
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