JP3248628B2 - 化学発光性化合物およびこれを用いるアッセイ法 - Google Patents

化学発光性化合物およびこれを用いるアッセイ法

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JP3248628B2 JP16794592A JP16794592A JP3248628B2 JP 3248628 B2 JP3248628 B2 JP 3248628B2 JP 16794592 A JP16794592 A JP 16794592A JP 16794592 A JP16794592 A JP 16794592A JP 3248628 B2 JP3248628 B2 JP 3248628B2
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守 川口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化学発光分析法におけ
る標識物質として有用な新規化学発光性化合物、該化学
発光性化合物が結合された発光性複合体、および該化学
発光性化合物を用いるアッセイ法に関する。
【0002】
【従来の技術】化学発光性化合物の分析技術への応用
は、その高感度性から近年ますます拡大しつつある。ル
ミノール、アクリジニウム、安定化ジオキセタン、過シ
ュウ酸エステル等は発光収率が高いため、高感度分析用
試薬として種々の分野で実用化されつつある。なかでも
アクリジニウム化合物は、検出感度が10-18 モルレベ
ルあり、さらに容易に種々のリガンド分子に結合できる
ため、ラジオアイソトープに代わる安全な標識物質とし
て注目されてきた。
【0003】特に臨床検査の分野では抗原・抗体反応あ
るいは核酸の相補的結合等を利用したリガンドアッセイ
の需要が増し、自動分析装置による高精度且つ迅速な測
定が望まれている。それに対し、アクリジニウム化合物
は秒単位のフラッシュ型発光であるため、臨床検査分野
のこのような要求にも十分応えうる試薬である。
【0004】N−メチルアクリジニウム−9−カルボン
酸アリールエステルが、アルカリ性下で過酸化水素によ
り、励起状態のN−メチルアクリドンに化学変化し、発
光することは1964年マックカプラ等により見出され
た(Prog. Org. Chem., 8, 231-277, 1973) 。その後、
ウッドヘッド等により初めて免疫測定用の標識物として
応用された(Clin. Chem., 29, 1474-1479, 1983)。ウッ
ドヘッド等が標識用に合成したアクリジニウムエステル
は、図3に示す化合物22であり、通常免疫測定に用いる
溶媒系(pH中性の水溶液)では不安定なものであっ
た。
【0005】このアクリジニウム−9−カルボン酸アリ
ールエステルの不安定性の問題を解決する手段として、
エステル成分の一部を構成するフェノキシ環の2つのオ
ルト位にメチル基を導入することがセイーヨン等により
開示された(特開昭 63-101368号公報) 。同様の効果は
マッカプラ等によっても示されている(特表平3-501772
号公報)。このフェノキシ環にオルトジメチル基を導入
した標識用化合物(図3、化合物21)を用いることによ
り、安定性の改善がなされた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、装置を
含めた分析法の高精度化あるいは迅速化に伴い、より安
定化された高性能な標識化合物の開発が望まれている。
本発明の目的は、安定性の高い新規な化学発光性化合物
を提供することである。
【0007】また本発明の目的は、新規な化学発光性化
合物から調製される安定性の高い発光性複合体を提供す
ることである。さらに本発明の目的は、新規な化学発光
性化合物を用いたアッセイ法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、アクリジニウム−
9−カルボン酸フェノールエステルにおけるアクリジン
環のペリ位(1位)およびフェノキシ環の一方のオルト
位にそれぞれアルキル基を導入することにより、発光性
を損なうことなく、安定性が顕著に改善されることを見
出し本発明を完成した。
【0009】本発明は、一般式(I)
【0010】
【化2】
【0011】(式中、R1 1またはそれ以上の水素原
子が任意に置換基により置換されていてもよく、また、
1またはそれ以上の炭素原子が任意にヘテロ原子または
カルボニルで置換されていてもよいアルキル、アルケニ
ル、アルキニル、アリールまたはアラルキル、あるいは
標識をするための反応性官能基から選択される化学発光
を妨げない基、R2 およびR3 はそれぞれフッ素化され
ていてもよいアルキル、XおよびYはそれぞれOまたは
Sであり、A- スルフェート、ハロスルホネート、ア
ルキルスルホネート、ハロアルキルスルホネート、アリ
ールスルホネート、ハロボレート、ハロアセテート、ハ
ロホスフェート、ホスフェートまたはハライドから選択
される化学発光を妨げない陰イオンである。)で表さ
れ、そのアクリジン環またはフェニル環の任意の位置
(但し、フェニル環のオルト位を除く)が、1またはそ
れ以上の水素原子が任意に置換基により置換されていて
もよく、また、1またはそれ以上の炭素原子が任意にヘ
テロ原子またはカルボニルで置換されていてもよいアル
キル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはアラル
キル、あるいは標識をするための反応性官能基、ニト
ロ、ハロゲン、アルコキシ、カルボキシ、保護カルボキ
シ、アルコキシカルボニル、アミノ、保護アミノ、ヒド
ロキシまたは保護ヒドロキシから選択される化学発光を
妨げない基で置換されていてもよいアクリジニウム化合
物またはその異性体〔以下、化学発光性化合物(I)と
いう〕に関する。
【0012】また本発明は、生物学的活性物質およびこ
れに結合した化学発光性化合物(I)からなる発光性複
合体に関する。
【0013】また本発明は、(a)試料を、化学発光性
化合物(I)で標識された、試料中の被検物質に対して
特異的に結合する結合物質と混合して被検物質と結合物
質との複合体を形成させ、(b)該複合体と遊離の標識
結合物質とを分離し、(c)該複合体に結合している化
学発光性化合物(I)の化学発光を検出し、(d)検出
された発光量から試料中の被検物質の量を決定すること
からなる試料中の被検物質のアッセイ法(以下、アッセ
イ法1という)に関する。
【0014】さらに本発明は、(a)試料を、(i) 試料
中の被検物質に対して特異的に結合する結合物質および
(ii) 化学発光性化合物(I)で標識された被検物質と
混合して被検物質と結合物質との複合体を形成させ、
(b)該複合体と遊離の標識被検物質とを分離し、
(c)該複合体に結合している化学発光性化合物(I)
の化学発光を検出し、(d)検出された発光量から試料
中の被検物質の量を決定することからなる試料中の被検
物質のアッセイ法(以下、アッセイ法2という)に関す
る。
【0015】本明細書において「生物学的活性物質」と
は、抗原(ハプテンを含む)、抗体、蛋白、ペプチド、
核酸、ホルモン、医薬、医薬代謝物などを包含して意味
する。
【0016】本明細書において「化学発光を妨げない
基」とは化学発光分析法において有効な化学発光の発生
を妨害しない基を意味する。詳細には、R1 で表される
化学発光を妨げない基、アルキル、アルケニル、アル
キニル、アリールまたはアラルキル、あるいは標識をす
るための反応性官能基から選択される。当該アルキル、
アルケニル、アルキニル、アリールおよびアラルキルに
おける1またはそれ以上の水素原子は任意に適当な置換
基によって置換されていてもよい。ここで適当な置換基
とは、ニトロ、ハロゲン、アミノ、保護アミノ、アルコ
キシ、アリールオキシ、ヒドロキシまたは保護ヒドロキ
シから選択されるものである。また当該アルキル、アル
ケニル、アルキニル、アリールおよびアラルキルにおけ
る1またはそれ以上の炭素原子は任意にヘテロ原子また
はカルボニルで置換されていてもよい。ここでヘテロ原
子とは、窒素、リン、硫黄および酸素から選ばれるもの
である。
【0017】前記アルキル、アルケニルおよびアルキニ
ルは、炭素数が1〜20、好ましくは1〜10、さらに
好ましくは1〜4であり、前記アリールおよびアラルキ
ルは、炭素数が6〜20、好ましくは6〜12である。
当該アリールの例としてはフェニル、ナフチルが挙げら
れ、アラルキルの例としてはベンジルが挙げられる。好
ましくはR1 は炭素数1〜4のアルキルである。
【0018】前記「標識をするための反応性官能基」と
は、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、または
生物学的活性物質が通常含有するその他の官能基と結合
可能な反応性基を意味し、具体的な例として −R−W、または −W 〔式中、Rはアルキレンまたはアリーレンを表わし、W
【0019】
【化3】
【0020】(式中、R4 はアルキル、アリールまたは
アラルキル、R5 はアルキレンまたはアリーレン、 1
はハロゲンである)から選ばれる基を表わす〕で表され
る基が示される。ここでアルキル、アリールおよびアラ
ルキルは前記R1 における定義と同意義である。またア
ルキレンおよびアリーレンは炭素数1〜20、好ましく
は炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6であ
る。好ましくはRはメチレン、エチレン、プロピレン、
またはオルト−、メタ−またはパラ−フェニレンであ
る。ハロゲンは塩素、臭素、ヨウ素またはフッ素であ
り、好ましくは塩素または臭素である。
【0021】R2 およびR3 はそれぞれフッ素化されて
いてもよい炭素数1〜4のアルキルである。フッ素化ア
ルキルは、アルキルのすべての水素原子がフッ素置換さ
れたパーフルオロアルキルでもよいし、水素原子のうち
一部がフッ素置換されたものでもよく、好ましくはパー
フルオロアルキルである。
【0022】好ましくはR2 およびR3 はそれぞれメチ
ルまたはトリフルオロメチルである。
【0023】XおよびYは、それぞれOまたはSであ
り、好ましくはXおよびYは共にOである。アクリジン
環またはフェニル環の任意の位置(但し、フェニル環の
オルト位を除く)は化学発光を妨げない基で置換されて
いてもよい。ここで「化学発光を妨げない基」、前記
1 で表される基として定義したアルキル、アルケニ
ル、アルキニル、アリールまたはアラルキル、あるいは
標識をするための反応性官能基ニトロ、ハロゲン(例
えば塩素、臭素、ヨウ素、フッ素)、アルコキシ、カル
ボキシ、保護カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミ
ノ、保護アミノ、ヒドロキシまたは保護ヒドロキシから
選択される置換基である。好ましくは、炭素数1〜4の
アルキルもしくはハロアルキル、ニトロ、ハロゲンまた
は炭素数1〜4のアルコキシであり、さらに好ましく
は、メチル、トリフルオロメチル、ニトロ、ハロゲン、
メトキシである。
【0024】A- で表される「化学発光を妨げない陰イ
オン」、スルフェート、ハロスルホネート(例えばフ
ルオロスルホネートなど)、アルキルスルホネート、ハ
ロアルキルスルホネート(例えばフルオロアルキルスル
ホネートなど)、アリールスルホネート、ハロボレー
ト、ハロアセテート、ハロホスフェート、ホスフェート
またはハライドから選択される
【0025】化学発光性化合物(I)において「標識を
するための反応性官能基」は、R1、またはアクリジン
環もしくはフェニル環の任意の位置(但し、フェニル環
のオルト位を除く)に導入される。好ましくは当該反応
性官能基は、R1 またはフェニル環のメタ位またはパラ
位に導入される。
【0026】本発明において一般式(I)の異性体には
アクリジン環部分がフェナントリジン環である一般式
(II)
【0027】
【化4】
【0028】(式中、各記号は前記と同意義である)で
表される化合物が含まれる。
【0029】本発明の化学発光性化合物として好適なも
のは上記式(I)において、R1 が炭素数1〜4のアル
キル、R2 およびR3 がそれぞれ炭素数1〜4のアルキ
ルまたはパーフルオロアルキル、XおよびYがともにO
であり、フェニル環のメタ位またはパラ位が反応性官能
基で置換されている化合物であり、さらに好ましくは、
1 がメチル、R2 およびR3 がそれぞれメチルまたは
トリフルオロメチル、フェニル環のメタ位またはパラ位
がN−スクシンイミジルオキシカルボニル基で置換され
た化合物である。
【0030】本発明の発光性複合体は、化学発光性化合
物(I)を標識をするための反応性官能基を介して抗原
(ハプテンを含む)、抗体、蛋白、ペプチド、核酸、ホ
ルモン、医薬、医薬代謝物など各種生物学的活性物質に
共有結合させることにより形成される。
【0031】本発明のアクリジニウム化合物は下記の合
成経路Iに従って製造することができる。
【0032】
【化5】
【0033】(式中、 1 2 、R3 およびA- は前
記と同意義である)1−アルキル置換アクリジン−9−
カルボン酸 (III)またはその反応性誘導体を2−アルキ
ル置換フェノール(IV)と公知のエステル合成法によりエ
ステル化してアクリジン−9−カルボン酸フェノールエ
ステル化合物(V) が得られる。当該エステル化合物(V)
を常法に従って4級塩化することにより、アクリジニウ
ム化合物(I)が製造される。
【0034】本発明のアクリジニウム化合物の合成中間
体である1−アルキル置換アクリジン−9−カルボン酸
(III) は下記の合成経路IIに従って製造することができ
る。
【0035】
【化6】
【0036】(式中、R2 およびR3 は前記と同意義で
あり、 1 は塩素、臭素、ヨウ素、フッ素のなどのハロ
ゲン、好ましくは塩素である。)化合物(VI) と化合物
(VII) とを反応させて、N−(3−置換フェニル)−ア
ントラニル酸(VIII) を製造する。当該アントラニル酸
化合物(VIII) をオキシ塩化リンと反応させて、1−ア
ルキル置換アクリドン(IX)を製造する。当該アクリドン
化合物(IX)は対応するハライド(X) を経てシアニド体
(XI) に変換される。当該シアニド体(XI) のシアノ基
を加水分解して1−アルキル置換アクリジン−9−カル
ボン酸(III) が得られる。
【0037】また、標識用アクリジニウム化合物は、1
−アルキル置換アクリジン−9−カルボン酸(III) また
はその反応性誘導体を、次式
【0038】
【化7】
【0039】(式中、R2 は前記と同意義であり、R5
は標識するための反応性官能基を表す)で表される置換
フェノールとエステル結合させることにより得られる。
【0040】また、1−アルキル置換アクリジン−9−
カルボン酸(III) またはその反応性誘導体を、次式
【0041】
【化8】
【0042】(式中、R2 は前記と同意義であり、Zは
カルボキシ保護基を表す)で表される置換フェノールと
エステル結合させた後、カルボシキ保護基を除去し、適
当な化合物、例えばN−ヒドロキシスクシンイミドなど
を用いて反応性官能基をフェニル環上に導入してもよ
い。R1 の位置に反応性官能基を導入するには、特開昭
63-112564 号公報に開示の方法を用いればよい。
【0043】化学発光性化合物(I)と生物学的活性物
質からなる発光性複合体の調製は、反応性官能基の種類
により適宜選択される常法に従って行えばよい。例え
ば、N−スクシンイミジルオキシカルボニル基を有する
本発明の発光性化合物を、標識すべき生物学的活性物質
と緩衝液中で混合し、室温にて数分〜数十分間(通常1
5〜30分)放置することにより調製される。
【0044】本発明のアッセイ法は、トレーサーとして
化学発光性化合物(I)で標識された発光性複合体を使
用することを特徴とする。本発明のアッセイ法は、生物
学的特異的結合反応を利用するアッセイ法であれば、公
知のアッセイ法のいずれにも適用できる。ここで生物学
的特異的結合反応とは、抗原・抗体反応、核酸の相補的
結合、ホルモンとその結合蛋白、薬物とその結合蛋白、
酵素とその基質などの結合反応を包含する。
【0045】本発明のアッセイ法で測定可能な被検物質
としては、抗原(ハプテンを含む)、抗体、蛋白、ペプ
チド、核酸、ホルモン、医薬、医薬代謝物などの各種生
物学的活性物質が挙げられる。被検物質と結合物質との
組合せとしては、抗原と抗体、核酸と相補的ポリヌクレ
オチド、酵素とその基質、ホルモンとその結合蛋白、医
薬とその結合蛋白、腫瘍マーカーとその抗体などがあ
る。かかる被検物質の例としては、TSH(甲状腺刺激
ホルモン)、hCG(胎盤性性腺刺激ホルモン)、CR
P(C反応性蛋白)、ASO(抗ストレプトリジン
O)、AFP(α−フェトプロテイン)、IgG、Ig
A、IgM、IgD、IgE、CEA(癌胎児性抗
原)、トランスフェリン、フェリチン、フィブリン、フ
ィブリノーゲン分解産物、ハプトグロビン、α1-アンチ
トリプシン、α1-アシドグリコプロテイン、α2-マクロ
グロブリン、β2-ミクログロブリンなどを挙げることが
できる。
【0046】本発明のアッセイ法において、複合体と遊
離体との分離(B/F分離)はイムノアッセイの分野に
おいて通常用いられる手法にて行えばよい。ポリスチレ
ン製の試験管またはウェル、ガラスビーズ、ポリスチレ
ンラテックスビーズ、セファロース、ポリアクリルなど
の不溶性担体上に結合物質を固定化する固相法が簡便性
の点で有利である。
【0047】化学発光の検出も公知の手段にて行えばよ
い。アルカリ性条件下、例えば過酸化水素などの酸化剤
を添加することにより発光が生じる。その発光量をルミ
ノメーターなどの適当な測定器で測定すればよい。な
お、複合体に結合している標識化合物の化学発光を測定
する代わりに、分離した遊離体に結合している標識化合
物の方を測定してもよいことはいうまでもない。
【0048】以下、本発明の好ましい態様を抗原・抗体
反応を利用したイムノアッセイ法を例に挙げて説明す
る。被検物質は抗原と抗体のいずれでもよいが便宜的に
抗原を測定する方法で説明する。
【0049】アッセイ法1(非競合法)の好ましい態様
はサンドイッチ法である。すなわち、次の工程からなる
試料中の抗原のアッセイ法である。 (a)試料を、固定化された、試料中の抗原に対する抗
体(以下、固定化抗体という)とインキュベートして固
定化抗体と抗原との複合体を形成させ、(b)次いで化
学発光性化合物(I)で標識された、抗原に対する抗体
(以下、標識抗体という)を加えてインキュベートして
固定化抗体、抗原および標識抗体からなるサンドイッチ
を形成させ、(c)該サンドイッチと遊離の標識抗体と
を分離し、(d)該サンドイッチに結合している化学発
光性化合物(I)の化学発光を検出し、(e)検出され
た発光量から試料中の抗原の量を決定する。 この方法は、2以上の抗体結合部位を有する抗原の測定
に適用することができる。
【0050】アッセイ法2(競合法)の好適な態様は、
次の工程からなる試料中の抗原のアッセイ法である。 (a)試料を、(i) 固定化抗体および (ii) 化学発光性
化合物(I)で標識された抗原(以下、標識抗原とい
う)とインキュベートして抗原と抗体との複合体を形成
させ、(b)該複合体と遊離の標識抗原とを分離し、
(c)該複合体に結合している化学発光性化合物(I)
の化学発光を検出し、(d)検出された発光量から試料
中の抗原の量を決定する。
【0051】
【実施例】本発明を以下の実施例によってさらに詳細に
説明する。参考例1および2には、本発明のアクリジニ
ウムエステルを合成するための中間体であるアクリジン
−9−カルボン酸の1,3−ジメチル置換体および1−
メチル置換体の製造法を記載する。実施例1〜4には、
本発明のアクリジニウムエステル(化合物12、13、
16および17)を参考例で製造したアクリジン−9−
カルボン酸と2−置換フェノールから製造する方法を記
載する。実施例5〜7には、本発明の好ましい形態であ
る標識用アクリジニウムエステル(化合物18〜20)
の製造法を記載する。実施例8には、抗CEAマウスI
gGを本発明のアクリジニウムエステルで標識する方法
を記載する。実施例9には、実施例8で調製した標識抗
体の化学発光測定を記載する。実施例10には、本発明
の標識抗体を免疫測定法に適用した例を示す。
【0052】試験例1には、本発明の化学発光性化合物
の化学発光性および安定性を比較例化合物と比較した試
験を記載する。試験例2および3には、本発明の標識体
の安定性を比較例標識体と比較した試験を記載する。
【0053】比較対照となる2’6’−ジメチル−4’
−(N−スクシンイミジルオキシカルボニル)−フェニ
ル−N−メチルアクリジニウム−9−カルボキシレート
メチルスルホネート(化合物21)の合成はセイーヨ
ン等の特開昭63-101368 号公報に記載の方法により、ま
た4’−(2−スクシンイミジルカルボキシエチル)−
フェニル−N−メチルアクリジニウム−9−カルボキシ
レート フルオロスルホネート(化合物22)の合成は
ウッドヘッド等の方法(メソッズ イン エンザイモロ
ジー、133巻、372〜374頁)に従って行った。
化合物1〜22の化学構造を図1〜3に示す。
【0054】参考例1 (1)N−(3,5−ジメチルフェニル)−アントラニ
ル酸の合成 o−クロロ安息香酸(50mmole 、7.83g)、m−
キシリジン(100mmole 、12.12g)、炭酸カリ
ウム(60mmole 、8.3g)、銅粉末(2.5g)、
イソアミルアルコール(20ml)を混ぜ、3時間還流し
た。冷却後10%−炭酸カリウム水溶液(75ml)、酢
酸エチル(100ml)を加えた後、濾過により銅粉末を
除去した。濾液の有機層を10%−炭酸カリウム水溶
液、2N−塩酸で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。蒸発乾固により得た結晶を、酢酸エチルから再
結晶した。(7.24g、収率60%)
【0055】(2)1,3−ジメチルアクリドンの合成 N−(3,5−ジメチルフェニル)−アントラニル酸
(25.3mmole 、6.1g)にオキシ塩化リン(25
ml)を加え、1分間還流した。得られた結晶に、5%−
アンモニア水(1.5リットル)を加え濾過し、クロロ
ホルム(100ml)、水(200ml)で洗浄後、減圧下
で乾燥した。(5.4g、収率88.4%)
【0056】(3)1,3−ジメチルアクリジン−9−
クロリドの合成 1,3−ジメチルアクリドン(17.9mmole 、4.0
g)にオキシ塩化リン(50ml)を加え、5時間還流し
た。冷却後、5%−アンモニア水(1.3リットル)と
クロロホルム(250ml)を加えた後、クロロホルム層
を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を蒸発乾固後、
シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液、33%−酢酸
エチル/ヘキサン)により精製した。(4.1g、収率
94%)
【0057】(4)1,3−ジメチルアクリジン−9−
シアニドの合成 1,3−ジメチルアクリジン−9−クロリド(17mmol
e 、4.1g)、シアン化カリウム(25.5mmole 、
1.66g)、ジメチルホルムアミド(17ml)を混
ぜ、2時間還流した。冷却後、水(300ml)、クロロ
ホルム(100ml)を加え、クロロホルム層を水(10
0ml)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒
を蒸発乾固後、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出
液、塩化メチレン)により精製した。(1.22g、収
率31%) IR(KBr):2218cm-1
【0058】(5)1,3−ジメチルアクリジン−9−
カルボン酸の合成 1,3−ジメチルアクリジン−9−シアニド(1.05
g、4.5mmole )に濃硫酸15mlを加え、100℃で
2時間加熱した。−10℃に冷却後、亜硝酸ナトリウム
(3.1g/水15ml)を約30分かけ徐々に加えた。
15分攪拌後100℃で30分間加熱した。冷却後、氷
冷した水(120ml)に加え、得られた結晶は最少量の
3N−水酸化ナトリウムに溶解した。6N−塩酸でpH
3.0とし、析出した結晶を水洗後、減圧下で乾燥し
た。(0.76g、収率67%)
【0059】参考例2 (1)N−(3−メチルフェニル)−アントラニル酸の
合成 o−クロロ安息香酸(7.83g、50mmole )、m−
トルイジン(10.7g、100mmole )、炭酸カリウ
ム(8.3g、60mmole )、銅粉末(2.5g)、イ
ソアミルアルコール(20ml)を混ぜ、3時間還流し
た。冷却後10%−炭酸カリウム水溶液(75ml)、酢
酸エチル(100ml)を加えた後、濾過により銅粉末を
除去した。濾液の有機層を10%−炭酸カリウム水溶
液、2N−塩酸で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。蒸発乾固により得られた粗結晶をエタノールか
ら再結晶した。(7.1g、収率12.5%)
【0060】(2)メチルアクリジン−9−クロリドの
合成 N−(3−メチルフェニル)−アントラニル酸(5.7
4g、25.3mmole)にオキシ塩化リン(25ml)を
加え、10分間還流した。冷却後、5%−アンモニア水
(1.6リットル)とクロロホルム(100ml)を加え
た後、クロロホルム層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒を蒸発乾固後、シリカゲルクロマトグラフィー
(溶出液、33%−酢酸エチル/ヘキサン)により精製
した。(5.07g、収率92%)
【0061】(3)1−メチルアクリジン−9−シアニ
ドの合成 メチルアクリジン−9−クロリド(4.1g、18.9
mmole )、シアン化カリウム(1.85g、28.4mm
ole )、ジベンゾ−18−クラウン−6(0.2g、
0.55mmole )、ジメチルホルムアミド(19ml)を
混ぜ、2時間還流した。冷却後、水(300ml)に加
え、酢酸エチル(100ml、6回)で抽出した。有機層
を集め、水洗後(100ml、3回)、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。溶媒を蒸発乾固後、シリカゲルクロマト
グラフィー(塩化メチレン)により精製した。(1.6
6g、収率40%) IR(KBr):2218cm-1
【0062】得られたメチルアクリジン−9−シアニド
は400MHzNMRから1−メチル置換体であること
が確認された。芳香環プロトンシグナルは7.48〜
8.45ppmの範囲に7水素分現われた。そのうち隣
接水素と0.022ppm程度のカップリング(ダブレ
ット)が4水素に認められるので、1−メチル体と結論
できる。ちなみに、3位にメチル基があれば同様のシグ
ナルは5水素現われなければならない。図6にNMRス
ペクトルを示す。
【0063】(4)1−メチルアクリジン−9−カルボ
ン酸の合成 1−メチルアクリジン−9−シアニド(1.44g、
6.6mmole )に濃硫酸33mlを加え、100℃で2時
間加熱した。−10℃に冷却後、亜硫酸ナトリウム
(4.5g、水33ml)を約30分かけ、徐々に加え
た。15分攪拌後100℃で30分間加熱した。冷却
後、氷冷した水(250ml)に加え、得られた結晶を最
少量の3N−水酸化ナトリウムに溶解した。6N−塩酸
でpH3.0として、得られた結晶を水洗後、減圧下で
乾燥した。(0.87g、収率56%)
【0064】実施例1 (1)2’−メチル−5’−ニトロフェニル−1,3−
ジメチルアクリジン−9−カルボキシレートの合成 参考例1で得た1,3−ジメチルアクリジン−9−カル
ボン酸(120mg、0.54mmole )に塩化チオニル
(2ml), ジメチルホルムアミド(1滴)を加え10分
間還流した。減圧下で塩化チオニルを除去した後、無水
ピリジン(4ml)に溶解した2−メチル−5−ニトロフ
ェノール(132mg、0.6mmole )、4−ジメチルア
ミノピリジン(20mg、0.16mmole )を加え、4時
間還流した。冷却後、ベンゼン共沸によりピリジンを除
去し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液、5%−
酢酸エチル/塩化メチレン)により精製した。(66m
g,収率30%)
【0065】(2)2’−メチル−5’−ニトロフェニ
ル−N−メチル−1,3−ジメチルアクリジニウム−9
−カルボキシレート フルオロスルホネート(化合物1
3)の合成 2−メチル−5−ニトロフェニル−1,3−ジメチルア
クリジン−9−カルボキシレート(50mg、0.129
mmole )を無水塩化メチレン2.3mlに溶解しメチルフ
ルオロスルホネート(103μl、1.29mmole )を
加え、室温で20時間攪拌した。無水エーテル(5ml)
を加え結晶を得た。得られた結晶をアセトニトリルとエ
ーテルの混合物から再結晶した。(50mg、収率78
%) FAB−MS:M+ 401
【0066】実施例2 実施例1と同様にして、参考例2で得た1−メチルアク
リジン−9−カルボン酸から2’−メチル−5’−ニト
ロフェニル−N−メチル−1−メチルアクリジニウム−
9−カルボキシレート フルオロスルホネート(化合物
12)を合成した。 FAB−MS:M+ 387
【0067】同様の方法にて以下のアクリジニウムエス
テルを合成した。 実施例3 2’−トリフルオロメチルフェニル−N−メチル−1−
メチルアクリジニウム−9−カルボキシレート フルオ
ロスルホネート(化合物16) FAB−MS:M+ 396 実施例4 2’−トリフルオロメチルフェニル−N−メチル−1,
3−ジメチルアクリジニウム−9−カルボキシレート
フルオロスルホネート(化合物17) FAB−MS:M+ 410
【0068】比較例 実施例1と同様の方法にて以下の比較例化合物(化合物
1〜11、14および15)を合成した。 フェニル−N−メチルアクリジニウム−9−カルボキシ
レート フルオロスルホネート(化合物1、FAB−M
S:M+ 314) 2’−メチル−5’−ニトロフェニル−N−メチルアク
リジニウム−9−カルボキシレート フルオロスルホネ
ート(化合物2、FAB−MS:M+ 373) 2’−メチル−4’−(ベンジルオキシカルボニル)−
フェニル−N−メチルアクリジニウム−9−カルボキシ
レート フルオロスルホネート(化合物3、FAB−M
S:M+ 462) 2’6’−ジメチルフェニル−N−メチルアクリジニウ
ム−9−カルボキシレート フルオロスルホネート(化
合物4、FAB−MS:M+ 342) 2’6’−ジメチル−4’−(ベンジルオキシカルボニ
ル)−フェニル−N−メチルアクリジニウム−9−カル
ボキシレート フルオロスルホネート(化合物5、FA
B−MS:M+ 476) 2’6’−ジメチル−4’−ニトロフェニル−N−メチ
ルアクリジニウム−9−カルボキシレート フルオロス
ルホネート(化合物6、FAB−MS:M+ 387) 2’6’−ジブロモ−4’−メチルフェニル−N−メチ
ルアクリジニウム−9−カルボキシレート フルオロス
ルホネート(化合物7、FAB−MS:M+ 486)
【0069】2’4’6’−トリヨードフェニル−N−
メチルアクリジニウム−9−カルボキシレート フルオ
ロスルホネート(化合物8、FAB−MS:M+ 69
2) フェニル−N−メチル−1−メチルアクリジニウム−9
−カルボキシレートフルオロスルホネート(化合物9、
FAB−MS:M+ 328) フェニル−N−メチル−1,3−ジメチルアクリジニウ
ム−9−カルボキシレート フルオロスルホネート(化
合物10、FAB−MS:M+ 342) 4’−アセトキシフェニル−N−メチル−1,3−ジメ
チルアクリジニウム−9−カルボキシレート フルオロ
スルホネート(化合物11、FAB−MS:M + 38
4) 2’−ニトロフェニル−N−メチル−1,3−ジメチル
アクリジニウム−9−カルボキシレート フルオロスル
ホネート(化合物14、FAB−MS:M+ 387) 2−ブロモフェニル−N−メチル−1−メチルアクリジ
ニウム−9−カルボキシレート フルオロスルホネート
(化合物15、FAB−MS:M+ 407)
【0070】実施例5 (1)4−ヒドロキシ−3−メチル安息香酸の合成 4−ヒドロキシ−3−メチルベンズアルデヒド(2.7
2g、20mmole )に硝酸銀(6g、35mmole )、水
酸化ナトリウム(7.2g、180mmole )、水40ml
を加え、6時間還流した。冷却後2N−塩酸(150m
l)に加え、結晶を濾過し、水洗後減圧乾燥した(2.
37g、収率78%)
【0071】(2)4−ヒドロキシ−3−メチル安息香
酸ベンジルエステルの合成 4−ヒドロキシ−3−メチル安息香酸カリウム塩(2.
54g,13.4mmole )をヘキサメチルホスホリック
トリアミド(30ml)に加熱溶解した。冷却後塩化ベン
ジル(12.3ml)を加え、室温で2時間攪拌した。反
応液を2N−塩酸(250ml)に加え、酢酸エチル(1
00ml,3回)抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、溶媒を減圧下で留去した。得られた粗結晶はシリカ
ゲルクロマトグラフィー(溶出液、3%−酢酸エチル/
塩化メチル)により精製した。(2.18g,収率67
%)
【0072】(3)2’−メチル−4’−(ベンジルオ
キシカルボニル)−フェニル−1,3−ジメチルアクリ
ジン−9−カルボキシレートの合成 1,3−ジメチルアクリジン−9−カルボン酸(161
mg,0.64mmole )を無水ピリジン(5.3ml)に溶
解し、−23℃に冷却した。塩化4−トルエンスルホニ
ル(366mg,1.92mmole /無水ピリジン,2.6
ml)を加え、−23℃で15分間攪拌した。4−ヒドロ
キシ−3−メチル安息香酸ベンジルエステル(124m
g,0.51mmole /無水ピリジン、2.6ml)を加
え、室温で15時間攪拌を続けた後、水(1.1ml)、
とベンゼン(5ml)を加え、減圧下で溶媒を留去した。
得られた粗結晶はシリカゲルクロマトグラフィー(溶出
液、3%−酢酸エチル/クロロホルム)により精製し
た。(60mg,収率20%)
【0073】(4)2’−メチル−4’−カルボキシフ
ェニル−1,3−ジメチルアクリジン−9−カルボキシ
レートの合成 2’−メチル−4’−(ベンジルオキシカルボニル)−
フェニル−1,3−ジメチルアクリジン−9−カルボキ
シレート(60mg、0.126mmole )を酢酸(1.1
ml)に加熱溶解した。48%−HBr/酢酸(0.28
ml)を加え、100℃で3時間攪拌した。冷却後反応液
を水(3.5ml)に加え、得られた結晶を濾過し水洗し
た。(40mg、収率82%)
【0074】(5)2’−メチル−4’−(N−スクシ
ンイミジルオキシカルボニル)−フェニル−1,3−ジ
メチルアクリジン−9−カルボキシレートの合成 2’−メチル−4’−カルボキシフェニル−1,3−ジ
メチルアクリジン−9−カルボキシレート(40mg、
0.12mmole )を無水ジメチルホルムアミド(2.6
ml)に溶解し−10℃に冷却した。ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド(44mg、0.21mmole )と4−ジメチ
ルアミノピリジン(5mg、0.04mmole )を無水ジメ
チルホルムアミド(0.8ml)に溶かしたものを加え、
−10℃で10分間攪拌した。N−ヒドロキシコハク酸
イミド(18mg、0.156mmole /無水ジメチルホル
ムアミド、0.8ml)を加え、室温で40時間攪拌し
た。減圧下で溶媒を留去した後、塩化メチレンで溶解
し、析出したジシクロヘキシルウレアを濾過により除去
した(この操作を3回繰り返す)。塩化メチレンを減圧
下で留去して得られた粗結晶をシリカゲルクロマトグラ
フィー(溶出液、25%−酢酸エチル/クロロホルム)
により精製した。(36mg、収率72%)
【0075】(6)2’−メチル−4’−(N−スクシ
ンイミジルオキシカルボニル)−フェニル−N−メチル
−1,3−ジメチルアクリジニウム−9−カルボキシレ
ートフルオロスルホネート(化合物18)の合成 2’−メチル−4’−(N−スクシンイミジルオキシカ
ルボニル)−フェニル−1,3−ジメチルアクリジン−
9−カルボキシレート−(36mg、0.075mmole )
を無水塩化メチレン2.8mlに溶解しメチルフルオロス
ルホネート(0.058ml、0.75mmole )を加え、
室温で20時間攪拌した。無水エーテル(3ml)を加え
結晶を得た。得られた結晶をアセトニトリルとエ−テル
の混合物から再結晶した。(29mg、収率65%) FAB−MS:M+ 497 融点:189−191℃(分解)
【0076】実施例6 (1)2’−メチル−4’−(ベンジルオキシカルボニ
ル)−フェニル−1−メチルアクリジン−9−カルボキ
シレートの合成 1−メチルアクリジン−9−カルボン酸(240mg、1
mmole )を無水ピリジン(8ml)に溶解し、−23℃に
冷却した。塩化4−トルエンスルホニル(570mg、3
mmole /無水ピリジン、4ml)を加え−23℃で15分
間攪拌した。4−ヒドロキシ−3−メチル安息香酸ベン
ジルエステル(193mg、0.8mmole/無水ピリジン
4ml)を加え、室温で25時間攪拌した。水(2ml)と
ベンゼン(10ml)を加え、減圧下で溶媒を留去した。
得られた粗結晶はシリカゲルクロマトグラフィー(溶出
液、2%−酢酸エチル/クロロホルム)により精製し
た。(129mg、収率28%)
【0077】(2)2’−メチル−4’−カルボキシフ
ェニル−1−メチルアクリジン−9−カルボキシレート
の合成 2’−メチル−4’−(ベンジルオキシカルボニル)−
フェニル−1−メチルアクリジン−9−カルボキシレー
ト(110mg、0.24mmole )を酢酸(2.1ml)に
加熱溶解した。48%−HBr/酢酸(0.53ml)を
加え、100℃で3時間攪拌した。冷却後、反応液を水
(7ml)に加え、得られた結晶を濾過し、水洗後、減圧
下で乾燥した。(76mg、収率85%)
【0078】(3)2’−メチル−4’−(N−スクシ
ンイミジルオキシカルボニル)−フェニル−1−メチル
アクリジン−9−カルボキシレートの合成 2’−メチル−4’−カルボキシフェニル−1−メチル
アクリジン−9−カルボキシレート(74mg、0.2mm
ole )を無水ジメチルホルムアミド(5ml)に溶解し、
−10℃に冷却した。ジクロロヘキシルカルボジイミド
(73mg、0.35mmole )と4−ジメチルアミノピリ
ジン(10mg、0.08mmole )を無水ジメチルホルム
アミド(1.2ml)に溶かしたものを加え、−10℃で
10分間攪拌した。N−ヒドロキシコハク酸イミド(3
0mg、0.26mmole /無水ジメチルホルムアミド1.
2ml)を加え、室温で64時間攪拌した。減圧下で溶媒
を留去した後、塩化メチレンで溶解し析出したジシクロ
ヘキシルウレアを濾過により除去した(この操作を3回
繰り返す)。塩化メチレンを減圧下で留去して得られた
粗結晶はシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液、15
%−酢酸エチル/クロロホルム)により精製した。(5
5mg,収率59%)
【0079】(4)2’−メチル−4’(N−スクシン
イミジルオキシカルボニル)−フェニル−N−メチル−
1−メチルアクリジニウム−9−カルボキシレート フ
ルオロスルホネート(化合物19)の合成 2’−メチル−4’(N−スクシンイミジルオキシカル
ボニル)−フェニル−1−メチルアクリジン−9−カル
ボキシレート(26mg、0.055mmole )を無水塩化
メチルレン(2ml)に溶解し、メチルフルオロスルホネ
ート(0.042ml、0.55mmole )を加え、室温で
37時間攪拌した。無水エーテル(2.5ml)を加え、
結晶を得た。得られた結晶をアセトニトリルとエーテル
の混合物から再結晶した。(14mg、収率44%) FAB−MS:M+ 483 融点:185−188℃(分解)
【0080】実施例7 (1)3−アミノ−5−ニトロ−p−トルイル酸の合成 3,5−ジニトロ−p−トルイル酸(2.26g、10
mmole )をエタノール(50ml)に溶解し白金−炭素
(110mg)とシクロヘキセン(6ml)を加え12時間
還流した。濾過により白金−炭素を除去し、濾液を減圧
下で蒸発乾固した。得られた粗結晶は、シリカゲルクロ
マトグラフィー〔ドライカラム、溶出液、塩化メチレン
/酢酸エチル/酢酸(10:10:1)〕により精製し
た。(1.4g、収率71.4%) 融点:211〜213℃(分解)
【0081】(2)3−ヒドロキシ−4−メチル−5−
ニトロ安息香酸の合成 3−アミノ−5−ニトロ−p−トルイル酸(1.26
g,6.4mmole )を76%硫酸(22ml)に加熱溶解
した。氷冷後亜硝酸ナトリウム(0.92g/水3.5
ml)を約1時間かけ、徐々に加えた。氷冷下さらに1時
間攪拌後、100℃で2時間攪拌した。冷却後、反応液
を水(28ml)に加え、得られた結晶を濾別し、水洗
後、減圧下で乾燥した。(0.9g、収率71%)融
点:212−213℃
【0082】(3)3−ヒドロキシ−4−メチル−5−
ニトロ安息香酸ベンジルエステルの合成 3−ヒドロキシ−4−メチル−5−ニトロ安息香酸カリ
ウム塩(0.84g、3.6mmole )をヘキサメチルホ
スホリックトリアミド(8ml)に溶解し、塩化ベンジル
(3.3ml)を加え、室温で6時間攪拌した。反応液を
2N−塩酸(60ml)に移し、酢酸エチル(50ml、2
回)で抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下
で溶媒を留去した(トルエン共沸、20ml×3)。得ら
れたオイルをシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液、
50%−酢酸エチル/ヘキサン)により精製した。
(0.75g、収率72.5%)
【0083】(4)2’−メチル−3’−ニトロ−5’
−(ベンジルオキシカルボニル)−フェニル−1,3−
ジメチルアクリジン−9−カルボキシレートの合成 1,3−ジメチルアクリジン−9−カルボン酸(251
mg、1mmole )を無水ピリジン(8.3ml)に溶解し、
−23℃に冷却した。塩化4−トルエンスルホニル(5
72mg、3mmole /無水ピリジン、4ml)を加え、−2
3℃で15分間攪拌した。3−ヒドロキシ−4−メチル
−5−ニトロ安息香酸ベンジルエステル(253mg、
0.88mmole /無水ピリジン、4ml)を加え、室温で
15時間攪拌した。水(1.7ml)とベンゼン(8ml)
を加え、減圧下で溶媒を留去した。得られた粗結晶を、
シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液、6%−酢酸エ
チル/クロロホルム)により精製した。(134mg、収
率25%)
【0084】(5)2’−メチル−3’−ニトロ−5’
−カルボキシフェニル−1,3−ジメチルアクリジン−
9−カルボキシレートの合成 2’−メチル−3’−ニトロ−5’−(ベンジルオキシ
カルボニル)−フェニル−1,3−ジメチルアクリジン
−9−カルボキシレート(134mg、0.26mmole )
を酢酸(2.3ml)に加熱溶解した。48%−HBr/
酢酸(0.58ml)を加え、100℃で3時間攪拌し
た。冷却後、反応液を水(14ml)に加え、得られた結
晶を濾過し、水洗浄した。(103mg、収率93%)
【0085】(6)2’−メチル−3’−ニトロ−5’
−(N−スクシンイミジルオキシカルボニル)−フェニ
ル−1,3−ジメチルアクリジン−9−カルボキシレー
トの合成 2’−メチル−3’−ニトロ−5’−カルボキシフェニ
ル−1,3−ジメチルアクリジン−9−カルボキシレー
ト(102mg、0.24mmole )を無水ジメチルホルム
アミド(6ml)に加え、−10℃まで冷却した。ジシク
ロヘキシルカルボジイミド(88mg、0.42mmole )
と4−ジメチルアミノピリジン(10mg、0.08mmol
e )を無水ジメチルホルムアミド(2ml)に溶解したも
のを加え、−10℃で10分間攪拌した。N−ヒドロキ
シコハク酸イミド(41mg、0.36mmole /無水ジメ
チルアホルムアミド、2ml)を加え、室温で25時間攪
拌した。 減圧下で溶媒を留去した後、塩化メチレンで
溶解し、析出したジシクロヘキシルウレアを濾過により
除去した(この操作を3回繰り返す)。塩化メチレンを
減圧下で留去して得られた粗結晶はシリカゲルクロマト
グラフィー(溶出液、25%−酢酸エチル/クロロホル
ム)により精製した。(63mg、収率49%)
【0086】(7)2’−メチル−3’−ニトロ−5’
−(N−スクシンイミジルオキシカルボニル)−フェニ
ル−N−メチル−1,3−ジメチルアクリジニウム−9
−カルボキシレート フルオロスルホネート(化合物2
0)の合成 2’−メチル−3’−ニトロ−5’−(N−スクシンイ
ミジルオキシカルボニル)−フェニル−1,3−ジメチ
ルアクリジン−9−カルボキシレート(53mg、0.1
mmole )を無水塩化メチレン(4ml)に溶解し、メチル
フルオロスルホネート(0.08ml、1mmole )を加
え、室温で45時間攪拌した。生成した結晶を濾別し、
無水エーテルで洗浄した。(50mg、収率78%) FAB−MS:M+ 542(図7参照) 融点:176−178℃(分解)
【0087】試験例1 アクリジニウムエステルの化学
発光性及び中性水溶液における安定性 合成したアクリジニウムエステル(化合物1〜17)を
ジメチルホルムアミドに溶解し、0.1%−牛血清アル
ブミンを含む0.1M−リン酸緩衝液(pH7.0)を
用いて希釈し、5×10-9Mの溶液にした。各々の希釈
試験液(20μl)を1.2%−過酸化水素を含む0.
4N−硝酸(40μl)と混合し、30秒後に0.25
N−水酸化ナトリウム(150μl)をショットするこ
とにより、化学発光量を測定した。各化合物の希釈調製
液について調製時及び37℃下で保存(1日後、4日
後、7日後)した場合の発光量を測定した。測定は日音
医理科器械製作所製ルミノメーターLC−1000を用
い5秒間の発光量を積算した。結果を表1に示す。
【0088】
【表1】
【0089】化学発光性については、化合物4以外は置
換基の存在によって発光性が妨げられることがほとんど
ないと認められた。中性水溶液中における安定性につい
ては、フェニル環にオルトジメチル基を導入することに
より安定化したアクリジニウムエステル(化合物4〜
6)と比較して、本発明の化合物が極めて安定であるこ
とが認められた。なお、フェニル環の一方のオルト位の
み(化合物2および3)およびアクリジン環の1位のみ
(化合物9〜11)にアルキルを導入したアクリジニウ
ムエステル、およびフェニル環のオルト位をアルキル以
外の置換基で置換したアクリジニウムエステル(化合物
7、8、14および15)では十分な安定化効果は得ら
れなかった。この結果より、高い安定性を得るために
は、アクリジン環の1位およびフェニル環の一方のオル
ト位の両位置にアルキル基を導入することが必須である
と結論される。
【0090】実施例8 アクリジウムエステルによる抗
体蛋白の標識 抗CEAマウスモノクロナール抗体IgG(450μ
g)を含む0.1M−リン酸緩衝液(pH8.1)に、
標識用アクリジニウムエステル(化合物18、19、2
0、21)をジメチルホルムアミドに5mMとなるよう
に溶解したものを9μl加えた。室温下で30分間放置
した後、1M−グリシン緩衝液(pH8.0)を100
μl加えて更に10分間放置した。これをあらかじめP
BS(0.15M−塩化ナトリウムを含むpH7.0の
20mM−リン酸緩衝液)で平衝化しておいたセファデ
ックスG−25カラムに通し、蛋白を含む分画を集め
た。IgGに結合したアクリジニウムエステルは、標識
体18、19、20、21(それぞれ化合物18、1
9、20、21より調製)のいづれもIgG1分子あた
り、約4分子であった。化合物22の標識はウッドヘッ
ド等の方法に従って行なった(メソッズ インエンザイ
モロジー、133巻、374〜378頁)。この場合、
IgGに結合したアクリジニウムエステルはIgG1分
子あたり約3分子であった。(標識体22)
【0091】実施例9 標識体の化学発光測定 実施例8で調製した標識体19、20、21および22
それぞれを0.1%牛血清アルブミンを含むPBSで希
釈して10倍ごとの希釈列を作った。各希釈列(20μ
l)に0.3%−過酸化水素を含む0.1N−硝酸(1
50μl)を加え、1分後に0.25N−水酸化ナトリ
ウム(150μl)をショットすることにより化学発光
量を測定した。結果を図4に示す。本発明化合物19お
よび20で標識された標識体19および20が、定量的
に発光検出でき、本発明に基づいた構造が好ましいこと
が示された。
【0092】試験例2 標識体の安定性 実施例8で調製した標識体18、19、20、21、2
2それぞれを0.1%−牛血清アルブミンを含むPBS
で希釈して、20μlあたり発光量約20,000カウ
ントになるように調製した。各希釈液を37℃に保ち、
発光量の経日変化を調べた。結果を表2に示す。
【0093】
【表2】
【0094】37℃で7日間加温した場合、フェニル環
にオルトジメル基を導入した標識体21が75%まで発
光量が低下しているのに対し、本発明の標識体18〜2
0では85%以上の発光量が保持されていた。
【0095】実施例10 化学発光免疫測定 (1)感作試験管の作製 抗CEAヤギIgGを0.1M−リン酸緩衝液(pH
7.0)で30μg/mlとなるように希釈し、ポリスチ
レン製試験管(12×75mm、ヌンク社製マキシソープ
チューブ)に300μl加え、5℃下で一夜放置した。
0.1%−ツイーン20を含むPBSで2回洗浄し、
0.5%−牛血清アルブミンを含むPBSを1ml加え、
さらに5℃下で一夜放置した。 (2)標識体18〜22の希釈 一方、標識体18〜22は0.5%−牛血清アルブミ
ン、0.1%−人血清アルブミンを含むPBSで希釈
し、20μl当りの発光量が40,000カウントとな
るように希釈した。 (3)測定 感作試験管内の液を吸引除去した後0.5%−牛血清ア
ルブミン、0.1%−人血清アルブミンを含むPBSを
0.3ml加えた。さらに各種濃度に希釈したCEA標準
液(あるいは被検血清)を20μl加え、攪拌後37℃
で1時間放置した。0.1%−ツイーン20を含むPB
Sで2回洗浄し、希釈標識体18を加え37℃で1時間
放置した。0.1%−ツイーン20を含むPBSで4回
洗浄後0.3%過酸化水素水を含む0.1N−硝酸(3
00μl)を加え1分後に0.25N−水酸化ナトリウ
ム(300μl)をショットし、化学発光量を測定した
(5秒間積算)。標識体18を用いた場合のCEAの検
量線を図5に示す。CEAの検出感度は1ng/mlで
あった。
【0096】試験例3 化学発光免疫測定の安定性 実施例10に記載した希釈標識体18〜22を25℃で
放置し、CEA標準液100ng/mlを実施例10と同一
条件で測定したときの化学発光量の経日変化を調べた。
結果を表3に示す。
【0097】
【表3】
【0098】本発明の化合物18、19および20を用
いて調製した標識体を用いてCEAを測定した場合、希
釈標識体を室温で(25℃)で3週間放置しても一定し
た発光感度が保たれ、本発明の化学発光性化合物が極め
て安定性に優れることが示された。
【0099】
【本発明の効果】本発明の化学発光性化合物は、アクリ
ジン環の1位(ペリ位)およびフェニル環の一方のオル
ト位にアルキル基が導入されたことにより、従来の発光
性アクリジニウム化合物と較べて安定性、特に中性水溶
液中における安定性が極めて高く、且つ化学発光性も従
来の化合物に匹敵するかもしくはそれ以上である。化学
発光分析法における標識化合物として非常に有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】化合物1〜9の化学構造を示した図である。
【図2】化合物10〜17の化学構造を示した図であ
る。
【図3】化合物18〜22の化学構造を示した図であ
る。
【図4】実施例9の測定における標識体濃度に対する相
対発光量を示すグラフである。
【図5】実施例10の測定における検量線を示すグラフ
である。
【図6】参考例2で得た1−メチルアクリジン−9−シ
アニドのNMRスペクトルである。
【図7】実施例7で得た化合物20のFAB−MSスペ
クトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−101368(JP,A) 特開 平2−133469(JP,A) 特開 昭62−61969(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 219/02 C09K 11/07 G01N 33/532 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1 1またはそれ以上の水素原子が任意に置
    換基により置換されていてもよく、また、1またはそれ
    以上の炭素原子が任意にヘテロ原子またはカルボニルで
    置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニ
    ル、アリールまたはアラルキル、あるいは標識をするた
    めの反応性官能基から選択される化学発光を妨げない
    基、 R2 およびR3 はそれぞれフッ素化されていてもよいア
    ルキル、 XおよびYはそれぞれOまたはSであり、 A- スルフェート、ハロスルホネート、アルキルスル
    ホネート、ハロアルキルスルホネート、アリールスルホ
    ネート、ハロボレート、ハロアセテート、ハロホスフェ
    ート、ホスフェートまたはハライドから選択される化学
    発光を妨げない陰イオンである。)で表され、そのアク
    リジン環またはフェニル環の任意の位置(但し、フェニ
    ル環のオルト位を除く)が、1またはそれ以上の水素原
    子が任意に置換基により置換されていてもよく、また、
    1またはそれ以上の炭素原子が任意にヘテロ原子または
    カルボニルで置換されていてもよいアルキル、アルケニ
    ル、アルキニル、アリールまたはアラルキル、あるいは
    標識をするための反応性官能基、ニトロ、ハロゲン、ア
    ルコキシ、カルボキシ、保護カルボキシ、アルコキシカ
    ルボニル、アミノ、保護アミノ、ヒドロキシまたは保護
    ヒドロキシから選択される化学発光を妨げない基で置換
    されていてもよいアクリジニウム化合物またはその異性
    体。
  2. 【請求項2】 置換基が、ニトロ、ハロゲン、アミノ、
    保護アミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ヒドロキシ
    または保護ヒドロキシから選択される基である請求項1
    記載のアクリジニウム化合物またはその異性体。
  3. 【請求項3】 ヘテロ原子が窒素、リン、硫黄または酸
    素から選ばれる請求項1または2記載のアクリジニウム
    化合物またはその異性体。
  4. 【請求項4】 生物学的活性物質およびこれに結合した
    請求項1記載の化合物からなる発光性複合体。
  5. 【請求項5】 (a)試料を、請求項1記載の化合物で
    標識された、試料中の被検物質に対して特異的に結合す
    る結合物質と混合して被検物質と結合物質との複合体を
    形成させ、 (b)該複合体と遊離の標識結合物質とを分離し、 (c)該複合体に結合している請求項1記載の化合物の
    化学発光を検出し、 (d)検出された発光量から試料中の被検物質の量を決
    定することからなる試料中の被検物質のアッセイ法。
  6. 【請求項6】 (a)試料を、(i)試料中の被検物質に
    対して特異的に結合する結合物質および(ii)請求項1記
    載の化合物で標識された被検物質と混合して被検物質と
    結合物質との複合体を形成させ、 (b)該複合体と遊離の標識被検物質とを分離し、 (c)該複合体に結合している請求項1記載の化合物の
    化学発光を検出し、 (d)検出された発光量から試料中の被検物質の量を決
    定することからなる試料中の被検物質のアッセイ法。
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