JPH09248949A - 走査型キャリアを備える機器およびプリント装置 - Google Patents

走査型キャリアを備える機器およびプリント装置

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JPH09248949A
JPH09248949A JP5942796A JP5942796A JPH09248949A JP H09248949 A JPH09248949 A JP H09248949A JP 5942796 A JP5942796 A JP 5942796A JP 5942796 A JP5942796 A JP 5942796A JP H09248949 A JPH09248949 A JP H09248949A
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JP
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carriage
scanning
signal line
connecting portion
line connecting
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JP5942796A
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Tsunesuke Yamamoto
恒介 山本
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ユーザの手に帯電した静電気による悪影響を
回避して、信頼性の高い走査型キャリアを備える機器お
よびプリント装置を提供すること。 【解決手段】 キャリッジ12にカートリッジ13を装
着するときに、カートリッジ13側のアースラインに対
して、アース接続されたキャリッジ12側のケーブルカ
バー203の接点204が接触して電気的に接続されて
から、カートリッジ13側の信号ラインに対して、信号
ラインに接続されたキャリッジ12側のフレキシブルケ
ーブル32の導体露出部分202が接触して電気的に接
続される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機能素子としての
記録ヘッドや読み取りセンサなどを走査するために用い
て好適な走査型キャリアを備える機器、およびプリント
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】昨今、プリント装置としては、小型かつ
高速記録が可能であること、およびカラー記録の容易性
などから、インクジェットプリント装置の需要が増して
いる。なかでも、インク供給用のチューブが不要で装置
の構成が簡単なこと、およびプリントヘッドを簡単に交
換できてメンテナンスが容易なことなどの理由から、イ
ンクジェットヘッドとインクタンクとを一体化して、そ
れをユーザが交換できるようにしたタイプが主流となっ
ている。このタイプでは、インクジェットヘッドをプリ
ント装置のキャリッジにセットした時に、ヘッド側の電
気的なコンタクト部とキャリッジ内に設けられた電気接
点とを接触させることによって、インクジェットヘッド
に対して、プリント装置本体からの駆動制御用の電気信
号を供給するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来のインクジェットプリント装置にあっては、次のよ
うな問題を生じるおそれがあった。
【0004】すなわち、このようなプリント装置の場
合、インクジェットヘッドを交換する必要性から、ユー
ザがキャリッジ付近に手を近づける機会は多く、この
時、ユーザの手に帯電した静電気がインクジェットヘッ
ドのコンタクト部およびキャリッジ内に設けられた電気
接点に放電する可能性がある。ユーザの手に帯電する静
電気は、外界の温度や湿度などの条件にもよるが2〜4
kVの電圧にもなり、最悪の場合、その放電によってヘ
ッドが破損したり、誤動作が起きるおそれがあった。
【0005】本発明の目的は、ユーザの手に帯電した静
電気による悪影響を回避して、信頼性の高い走査型キャ
リアを備える機器およびプリント装置を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の走査型キャリア
を備える機器は、駆動力を受けて走査を行う走査型キャ
リアと、前記キャリアに結合・分離可能なキャリッジ
と、前記キャリッジに着脱可能に装着される機能素子と
を有する走査型キャリアを備える機器において、前記キ
ャリッジに、前記機能素子の信号ラインとアースライン
のそれぞれに電気的に接続可能な信号ライン接続部とア
ースライン接続部を設け、前記キャリッジに前記機能素
子を装着するときに、前記アースラインと前記アースラ
イン接続部が電気的に接続してから、前記信号ラインと
前記信号ライン接続部が電気的に接続することを特徴と
する。
【0007】本発明のプリント装置の第1の形態は、駆
動力を受けて主走査方向に走査を行う走査型キャリア
と、前記主走査方向に対して略直交する副走査方向に沿
って記録媒体を搬送する搬送手段と、前記キャリアに対
して結合・分離可能とされ、かつ前記記録媒体に対する
プリントが可能なプリントヘッドが着脱可能に装着され
るキャリッジとを有するプリント装置において、前記キ
ャリッジに、前記プリントヘッドの信号ラインとアース
ラインのそれぞれに電気的に接続可能な信号ライン接続
部とアースライン接続部を設け、前記キャリッジに前記
プリントヘッドを装着するときに、前記アースラインと
前記アースライン接続部が電気的に接続してから、前記
信号ラインと前記信号ライン接続部が電気的に接続する
ことを特徴とする。
【0008】本発明のプリント装置の第2の形態は、主
走査方向に走査を行い、かつ記録媒体に対するプリント
が可能なプリントヘッドが着脱可能に装着されるキャリ
ッジと、前記主走査方向に対して略直交する副走査方向
に沿って記録媒体を搬送する搬送手段とを有するプリン
ト装置において、前記キャリッジに、前記プリントヘッ
ドの信号ラインとアースラインのそれぞれに電気的に接
続可能な信号ライン接続部とアースライン接続部を設
け、前記キャリッジに前記プリントヘッドを装着すると
きに、前記アースラインと前記アースライン接続部が電
気的に接続してから、前記信号ラインと前記信号ライン
接続部が電気的に接続することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を各図面
を用いて説明する。
【0010】なお、本発明では、次のように用語を定義
する。「被搬送媒体」は、紙、OHPシート、プラスチ
ック性シート、加工紙、布等の好ましくは可撓性を有し
表面にインク滴の付着によるインク像の保持が可能な記
録媒体、および原稿シート等の表面の画像を保持し得る
部材を含むものとし、「機能素子」は、記録ヘッドや読
み取りヘッドを含むものとし、「キャリッジ」は機能素
子を保持もしくは搭載するものとし、「キャリア」は、
駆動力を受けて走査されるものであって、機能素子を直
接にもたないものとし、「情報処理領域」は、記録領域
や読み取り領域を含むものとする。
【0011】(第1の実施形態)本発明の第1の実施形
態を図1から図7を用いて説明する。
【0012】図1は、本実施形態としてのインクジェッ
トプリント装置の模式的全体斜視図である。
【0013】1は右側板であり、2は左側板である。3
はプラテンローラであり、その表面はゴムなどの弾性体
で構成されている。4はプラテンローラの中心に形成さ
れたプラテンローラ軸であり、その左右端が左側板2と
右側板1で支持される。5は紙送りモータであり、上記
右側板1に支持され、不図示のギア列を介して上記プラ
テンローラ軸4を回転させる。6はペーパーガイドであ
り、プラテンローラ3の円周に沿って設けられる。7お
よび8はピンチローラであり、プラテンローラ3の表面
に不図示のバネにより所定の圧力で押圧される。記録媒
体としての記録用紙9は、矢印10の方向から給紙され
プラテンローラ軸4とペーパーガイド6の間から挿入さ
れて、ピンチローラ7,8とプラテンローラ軸4とで挟
持されU字状に曲げられて搬送される。11は、案内機
構としての直径10mmのガイド軸であり、その端部が
左側板1と右側板2で支持される。尚、インクジェット
記録ヘッドによる被搬送媒体への記録、もしくは読み取
りヘッドによる被搬送媒体からの画像の読み取りは、必
ずしもプラテンローラ3の周面に支持されている領域の
被搬送媒体に対して行われるものではなく、プラテンロ
ーラ3等の他の部材からの支持を受けていない(被搬送
媒体の裏面が他の部材とは非接触の状態)領域の被搬送
媒体に対して行われるものであっても良い。
【0014】12は、機能素子搭載用キャリッジとして
のブラックインク用キャリッジである。図2を用いてブ
ラックインク用キャリッジ12の詳細を説明する。この
ブラックインク用キャリッジ12には、ブラックインク
カートリッジ13が搭載される。24はカートリッジフ
ックであり、カートリッジ13をキャリッジ12内に位
置する接点部26に押しつける役目をする。ボタン27
を押すと、キャリッジ12に設けた角穴29から係止部
30がはずれ、支点28を軸に31方向へフック24が
回転して開く。このフック24が開いた状態で、ブラッ
クインクカートリッジ13がキャリッジ12に上方から
挿入され、フック24を閉じるとカートリッジ13が接
点部26に押しつけられて固定される。キャリッジ12
からはピン99,100が突出しており、これらのピン
99,100は、カートリッジ13に付属する後述のア
ルミ板の位置決め穴に嵌合する。カートリッジ13は、
ピン99,100の根元に突き当たって位置決めされ
る。32はフレキシブルケーブルであり、キャリッジ1
2の移動に応じて湾曲して追従する。フレキシブルケー
ブル32は、端部に上記接点部26が形成されてキャリ
ッジ12内部に配されて、不図示の基板からカートリッ
ジ13に、機能素子駆動信号としてのインク吐出信号を
与える。
【0015】ここで、図3を用いてキャリッジ12の内
部構造について説明する。
【0016】キャリッジ12の内部の接点部26上には
ゴムパッド200が存在する。このゴムパッド200の
表面には、フレキシブルケーブル32の先端の金メッキ
導体露出部分202に対応する29個の突起部201が
形成されている。フック24をセットしてカートリッジ
13を固定した際、この突起部201の0.5mm程度
のつぶれを伴って、金メッキ導体露出部分202がカー
トリッジ13に設けられた不図示のコンタクト部に圧接
するようになっている。ケーブルカバー203は不図示
の爪やビス等によりキャリッジ12に固定され、このケ
ーブルカバー203とキャリッジ12との間にフレキシ
ブルケーブル32の先端が挾持される。カートリッジ1
3のセット時において、このケーブルカバー203に形
成されたばね接点204は、金メッキ導体露出部分20
2がカートリッジ13のコンタクト部に圧接する前に、
後述するカートリッジ13に備わるアルミ板に接触す
る。そのアルミ板は、カートリッジ13におけるアース
ラインと導通している。一方、同じくケーブルカバー2
03に形成された2つのばね接点205は、フレキシブ
ルケーブル32の先端にて導体露出したアースライン部
分206に常時接触して導通している。このように、接
点204,205を介して、カートリッジ13のアース
ラインとフレキシブルケーブル32のアースラインとが
導通される。したがって、カートリッジ13の交換時に
は、カートリッジ13側のアースラインとフレキシブル
ケーブル32のアースラインが他の信号ラインよりも先
に接続されることになる。この結果、カートリッジ13
の交換時にユーザに帯電した静電気はアースラインに落
ちることになり、それが信号ラインに落ちることはな
い。
【0017】再び、図2を用いて説明する。
【0018】キャリッジ12は、後述するキャリアとし
ての走査子78と一体化するための嵌合穴33,34,
35とグリップ部36を有する。穴35は上下に長い長
穴であり、またグリップ部36は、キャリッジ12の壁
部から外方へ突出している。また、37は、キャリッジ
12に設けられてガイド軸11が貫通する穴であり、走
査子78と一体になった時に摩擦負荷が生じないように
内径が10.2mmに設定されている。この穴37とガ
イド軸11の嵌合により、キャリッジ12は、案内機構
としてのガイド軸11に揺動可能に係合され、また第1
待機部としてのキャップ77上方部位にて、下方への揺
動が規制されて保持されている。79は、後述の光透過
型ホームポジションセンサ74を遮るブラックキャリッ
ジ用センサ遮蔽板である。
【0019】図1において38は、カラーインク用キャ
リッジであり、カラーインクカートリッジ44が搭載さ
れる。このキャリッジ38を図4を用いて説明する。キ
ャリッジ38は、図2のブラックインク用キャリッジ1
2と類似の形状なので相違点のみを説明すると、39,
40および41は走査子78との嵌合穴であり、嵌合穴
39,40の位置は、ブラックインク用キャリッジ12
の嵌合穴33,34とは左右逆になっている。穴41は
上下に長い長穴となっている。43はグリップ部であ
り、キャリッジ38の壁部から外方へ突出している。8
0はカラーキャリッジ用センサ遮蔽板である。また、キ
ャリッジ38は、キャリッジ12の穴37と同様の穴が
設けられており、その穴とガイド軸11との嵌合によ
り、キャリッジ12は案内機構としてのガイド軸11に
揺動可能に係合されている。また、図1におけるキャリ
ッジ38と対向する位置に設けられたキャップ77と同
様のキャップ(不図示)は、その上方の部位を第2待機
部とし、その部位にてキャリッジ38の下方への揺動を
規制して保持するようになっている。
【0020】ブラックインクカートリッジ13は、ブラ
ックインクを収容するインクタンクと、ブラックインク
を吐出する機能素子としてのインクジェット記録ヘッド
を有している。このインクジェット記録ヘッドとして
は、インク路に設けられた電気熱変換体(例えばヒータ
ー)あるいは電気機械変換体(例えばピエゾ素子)から
得られるエネルギーにより、インク吐出口からインクを
吐出して記録媒体に所望の画像記録を行うものが好適に
用いられる。
【0021】また、カートリッジ13に備わる図示しな
い放熱用アルミ板には、キャリッジ12に対する位置決
め用の穴が設けられている。更に、このアルミ板と平行
に、上記金メッキ導体露出部分202に対応する不図示
のコンタクト部を持つ基板が固定されている。
【0022】カラーインクカートリッジ44は、ブラッ
クインクタンク、カラーインクタンクおよび機能素子と
してのカラー用のインクジェット記録ヘッドを有し、そ
れらのインクタンクは、収容されたインクを使い切った
インクタンクのみの交換が可能となるように、カラー用
の記録ヘッドから取り外して交換できるようになってい
る。インクタンク内の構造は、ブラックインクカートリ
ッジ13のものと同様の構造となっている。カラータン
クの内部には、イエロー、マゼンダ、シアンのインクの
収容領域が形成されており、それぞれのインクがインク
供給口を介してインクジェット記録ヘッドに供給され
る。
【0023】尚、カートリッジ13,44は、少なくと
も機能素子としてのインクジェット記録ヘッドを備える
部材であって、インクタンク部とインクジェット記録ヘ
ッド部とが一体に形成されている形態や、インクタンク
部とインクジェット記録ヘッド部とが分離可能な形態を
含むものである。更には、本発明が適用される形態とし
ては、キャリッジにはインクジェット記録ヘッド部のみ
が保持されるとともにインクタンク部が機器側に装着さ
れるものであっても良い。
【0024】次に、再び図1を用いて、走査型キャリア
としての走査子78について説明する。図1において、
走査子78の左右の軸受け68,69はガイド軸11に
嵌合している。また、上ガイド67はレール70に沿っ
て摺動する。65はベルトであり、走査子78の主走査
方向に関してその中間に位置する駆動力受け部としての
ベルト止め64に固定される。ベルト65の一方側は、
モータープーリー72に掛けられており、その他方側
は、不図示のバネでベルトを張る方向に付勢されたテン
ションプーリー73に掛けられている。キャリアモータ
71を駆動することにより、走査子78が主走査方向に
移動される。66は走査子78側に設けられたセンサ遮
蔽板であり、装置本体側に設けられた光透過型ホームポ
ジションセンサ74の光路を遮ることにより、走査子7
8の位置制御のための出力信号を生じさせる。
【0025】62は走査子78に配された握り部材とし
ての樹脂製グリッパであり、後述するように、上記した
ブラックインク用キャリッジ12およびカラーインク用
キャリッジ38に配された被握り部材としてのグリップ
部36および43を二股状の爪で掴むようになってい
る。図6は走査子78とブラックインク用キャリッジ1
2が結合している状態を示す図である。キャリッジ12
のグリップ部36が走査子78のストッパ部98に突き
当たり保持される。つまり、カートリッジ13は、キャ
リッジ12に対し位置決めピン99および100の根元
に突き当たって位置決めされ、キャリッジ12は、走査
子78に対しストッパ部98に突き当たって位置決めさ
れる。これにより、走査子78が走査する間になされる
記録を、記録用紙9の正確な位置に対して行うことがで
きる。走査子78がブラックインク用キャリッジ12の
グリップ部36を掴んだ状態では、走査子78の嵌合軸
59,61,63がキャリッジ12の嵌合穴34,3
3,35にそれぞれ嵌合して、走査子78とキャリッジ
12は一体になって走査可能となる。一方、カラーイン
ク用キャリッジ38と走査子78が一体化する際は、グ
リッパ62がグリップ部36を掴み、走査子78の嵌合
軸60,61,63がカラーインク用キャリッジ38の
嵌合穴40,39,41にそれぞれ嵌合して同様に走査
可能となる。グリッパ62および嵌合軸59,61,6
3は、第1,第2待機部としてのキャップ上方部位に夫
々位置するキャリッジ12,38が走査子78に結合す
るときに、そのキャリッジ12,38の揺動を規制する
ための係合機構を成している。
【0026】75は、ブラックインク用キャリッジ12
を図1の位置で拘束する第1待機握り部材としての樹脂
製ブラックグリッパ、76は、カラーインク用キャリッ
ジ38を同じく図1の位置で拘束する第2待機握り部材
としてのカラーグリッパである。ブラックグリッパ75
とカラーグリッパ76の形状は鏡像関係にあり、動作は
同じなので、ブラックグリッパ75についてのみ説明す
る。
【0027】図5はブラックインク用キャリッジ12の
グリップ部36、グリッパ62、およびブラックグリッ
パ75の関係を示す正面図であり、グリップ部36を除
くキャリッジ12の筐体の図示は省略している。図5
(A)は、キャリッジ38をブラックグリッパ75が拘
束している状態を示す。ブラックグリッパ75の二股状
の爪Iはグリップ部36を掴んでいるため、外側に開く
ように変位している。図5(B)は、走査子78がキャ
リッジ12に接近した状態を示し、グリッパ62の二股
状の爪は、開かれているブラックグリッパ75の爪Iの
内側に侵入しようとしている。図5(C)は、更に走査
子78が接近した状態を示し、グリッパ62がグリップ
部36をグリップし、ブラックグリッパ75の爪Iは更
に押し広げられている。その後、図5(D)のように走
査子78が逆に動くと、キャリッジ12は走査子78と
一体となって走査する状態になる。その後、更に、もう
一度走査子78が右に動くと、上記した過程とは逆に走
査子78からブラックグリッパ75の方にキャリッジ1
2が移動することになる。
【0028】このように、グリッパ62とブラックグリ
ッパ75とが係合することで走査子78によるキャリッ
ジ12の牽引が可能となり、またグリッパ62とブラッ
クグリッパ75との係合が解除されることで走査子78
とキャリッジ12との離脱・牽引解除が行われ、走査子
78がブラックグリッパ75に接近する毎に走査子78
へのキャリッジ12の受け渡しが行われる。
【0029】図1において77は、ブラックインクカー
トリッジ13の記録ヘッドのインク吐出口を覆うように
キャッピングして、インク吐出口内方のインクの乾燥を
防ぐためのキャップである。カラーインクカートリッジ
44に対しても同様に不図示のキャップが設けられてい
る。キャップ77は、不図示のカム等の手段により、ブ
ラックインク用キャリッジ12がブラックグリッパ75
によって拘束されてキャッピング位置にある時に、ブラ
ックインクカートリッジ13の記録ヘッドのインク吐出
口が配されたヘッド面に当接することでインク吐出口の
キャッピングを行う。また、走査子78との結合・牽引
等によりブラックグリッパ75によるキャリッジ12の
拘束が解かれ、キャリッジ12がブラックグリッパ75
から離れる時には、キャップ77はヘッド面から離間し
てインク吐出口のキャッピングを解除する。
【0030】次に、動作について図1および図7を用い
て説明する。
【0031】電源を入れる前、走査子78は、ホームポ
ジションセンサ74の光路を遮蔽板66が遮る位置から
図1中左側50mmに静止しており、ブラックインク用
キャリッジ12と、カラーインク用キャリッジ38は、
それぞれ対応するキャッピング位置にあり、それらのカ
ートリッジ13,44の記録ヘッドはキャッピングされ
ている。
【0032】電源が入れられると、走査子78は、ブラ
ックインク用キャリッジ12側(Bk側)に向って右に
100mm動く(ステップS1,S2)。この時、ホー
ムポジションセンサ(HP)74の光路が遮られる回数
を判定し、それが1回ならば走査子78は反転して左方
に動き(ステップS5)、そして、センサ74の光路が
再び遮られてから50mmの位置(以下、初期位置)で
停止する(ステップS6)。一方、センサ74の光路が
2回遮られたならば、走査子78にブラックインク用キ
ャリッジ12あるいはカラーインク用キャリッジ38が
結合していると判断し、更に、センサ74の検出信号の
オンオフのタイミングを判定する。走査子78とキャリ
ッジ12が結合した状態において遮蔽板66と遮蔽板7
9は20mmの間隔を有し、また走査子78とキャリッ
ジ38が結合した状態において遮蔽板66と遮蔽板80
は6mmの間隔を有している。また、走査子78の走査
速度が予め決められた速度であるか、あるいは走査子7
8の走査速度が検出可能な構成とすることで、センサ7
4の光路を各遮蔽板が遮蔽するタイミングにより、キャ
リッジ12,38のどちらが走査子78に結合している
か判断可能となる。ブラックインク用キャリッジ12
(Bkキャリッジまたはブラックキャリッジともいう)
が走査子78に結合しているときは、遮蔽板66がセン
サ74を通過した後、ブラックインク用キャリッジ12
をキャップ位置まで移動させ(ステップS4,S1
1)、そのキャリッジ12をブラックグリッパ75によ
って拘束した後、走査子78を反転させて左方へ移動さ
せ(ステップS5)、そしてセンサ74の光路が再び遮
られてから初期位置に停止させる(ステップS6)。一
方、走査子78にカラーインク用キャリッジ38が結合
している時は、遮蔽板66がセンサ74を通過してから
右方へ50mm移動した位置で反転させて左方へ移動さ
せ(ステップS9)、そしてカラーインク用キャリッジ
(カラーキャリッジともいう)38をキャップ位置まで
移動させ(ステップS10)、そしてカラーキャリッジ
38をカラーグリッパ76によって拘束した後、走査子
78を再反転させて(ステップS5)、前記初期位置に
て停止させる(ステップS6)。
【0033】このように、走査子78に対してキャリッ
ジ12,38のいずれもが結合していない状態のとき
は、走査子78だけが動いて初期位置で停止し、また、
不測の事態により、電源を切った状態においてキャリッ
ジ12,38が走査子に結合していたときは、キャリッ
ジ12,38を対応するキャッピング位置まで持って行
って拘束させた後、走査子78だけが初期位置に移動し
て停止する。
【0034】記録信号が入力されると、その記録信号が
テキストや罫線などのブラック主体の記録用なのか、カ
ラーイメージ信号なのかを判別し(ステップS7,S
8)、前者の場合は走査子78がブラックキャリッジ1
2のキャッピング位置へ走査してブラックキャリッジ1
2と一体化し(ステップS16)、後者の場合は走査子
78がカラーキャリッジ38のキャップ位置へ走査して
カラーキャリッジ38と一体化する(ステップS1
3)。同時に、記録に使うカートリッジ13または44
からキャップは退避する(ステップS17,S14)。
【0035】例えば、ブラックキャリッジ12による記
録では、記録用紙9の搬送方向に沿って並べられた12
8本のインク吐出ノズル(インク吐出口)を用いて記録
を行ない、1走査分記録すれば(ステップS18)、そ
の128ノズルの幅相当分の長さだけ記録用紙9を紙送
りして(ステップS19,S23)、次の記録のための
走査を行なう(ステップS18)。1ページの記録が終
了したら記録用紙9を排紙し(ステップS19,S2
0)、記録を続行するなら新たに記録用紙9を給紙(ス
テップS24,S25)する。記録終了ならば、走査子
78は、ブラックキャリッジ12がキャッピング位置に
来るまで移動し(ステップS26)、ブラックキャリッ
ジ12はブラックグリッパ75に拘束され、そしてキャ
ップ77によるカートリッジ13のヘッド面のインク吐
出口がキャッピングされた後(ステップS27)、走査
子78が前述の電源を切った時の位置まで走査して停止
する(ステップS28)。その後、電源が切られる(ス
テップS29)。
【0036】一方、カラーキャリッジ38による記録で
は、カラーイメージの割り合いの多い領域は、ブラッ
ク、シアン、マゼンダ、イエローの順に24ノズル相当
の長さずつ記録用紙9を紙送りしながら、各色のインク
を記録信号に基づいて所望の色が得られるように吐出し
て色重ねを行い、またブラックイメージ画像の領域は、
ブラックノズル64本を用いて、その64ノズルの幅相
当分の長さ記録用紙9を紙送りする(ステップS2
2)。
【0037】ところで、グリッパ62の二股状の爪のバ
ネ性により、走査子78とキャリッジ12,38は容易
に分離できない。しかし、ユーザーが手で触れるなどの
事態で両者が離れることも考えられるため、走査子78
の1走査中に所定のタイミングでセンサ74の光路が2
回遮蔽されているかどうか監視する。もし、1回しか遮
蔽しない場合は、走査子78とキャリッジ12または3
8が離れていると判断し、走査子78を停止させてリリ
ーフシーケンスに入る。その判断の直前までブラックキ
ャリッジ12で記録動作していた場合には、走査子78
を右へ350mm相当移動させる。その移動中にグリッ
パ62はグリップ部36に接触し、そのままブラックキ
ャリッジ12を押して右へ移動させる。その後、ブラッ
クグリッパ75の二股状の爪Iにグリップ部36が接触
し、ブラックグリッパ75にグリップ部36がグリップ
される。更に、走査子78が右へ移動するとグリッパ6
2の爪がブラックグリッパ75の爪Iの内側に入り込
む。キャリアモータ71は余剰の移動分脱調した後、停
止する。次に、走査子78がブラックキャリッジ12と
ともに反転して左方へ移動し、そしてセンサ74を通過
した後、初期位置で停止する。同時にプラテンローラ3
が回転し排紙をして、新しい用紙9が給紙され再び記録
に備える。一方、前記の判断の直前までカラーキャリッ
ジ38で記録動作していた場合には、走査子78を左へ
350mm移動させる。その後の過程は上述のブラック
キャリッジ12のリリーフと同じである。このように、
不測の事態で走査子78とキャリッジ12または38が
分離しても、リリーフシーケンスを自動的に実施して記
録の実行を可能にしている。
【0038】上述したように、本実施形態では、記録信
号の種類によってその記録の種類に適した機能素子を搭
載したキャリッジを選択し記録を行なう。また、このよ
うな選択は、記録装置の操作モードに応じて行うように
してもよい。また、本実施形態では、カラーインクカー
トリッジ44の記録ヘッドとして、縦(被搬送媒体の搬
送方向に沿った方向)に異なる色のインク吐出ノズルを
一列に並べたヘッドを用いたので、横に並べる方式より
横幅が小さくなり、装置全体をコンパクトに構成できる
効果がある。
【0039】また本実施形態では、キャリッジ12,3
8が待機あるいは保持される第1,第2待機部を、走査
子78の走査方向に関して両端部側に離して設けている
ため、走査子78を一方向または他方向に走査させるだ
けで、走査子78に対してキャリッジ12,38を簡易
に着脱させることができ、装置全体の構成の簡素化およ
び小型化を図ることができる。
【0040】なお、本実施形態では、インクカートリッ
ジ13,44をキャリッジ12,38に搭載したが、キ
ャリッジ12,38は存在せずに、カートリッジ13,
44あるいは記録ヘッドそのものを走査子78で受け渡
しして、選択的に走査子78に結合させる構成でも良
い。また、本実施例では、キャリッジ12,38を走査
子78に結合する手段およびキャッピング位置に拘束す
る手段として、樹脂製の二股状の爪を有するグリッパ6
2を使用したが、これに限定されることなく、例えば、
ソレノイドを用いて二股状の爪の開閉を行なう方式や、
電磁石と金属相互の吸引力を利用した方法などの結合・
離脱手段も実現手段として含まれる。
【0041】また、機能素子は何ら記録ヘッドのみに特
定されず任意であり、例えば、画像の読み取りセンサを
機能素子として備えることにより、画像の読み取り装置
を構成することもできる。また、キャリッジ12,38
の一方をインクジェット記録ヘッド専用のキャリッジ、
他方を画像の読み取りヘッド専用のキャリッジを備えて
もよい。キャリッジ12,38を同一のものとして、一
方を予備として備えるようにしてもよい。また、機能素
子として、解像度が例えば300dpi、350dp
i、600dpi、720dpiのように異なる画像の
読み取りヘッドを交換可能に備えたり、吐出するインク
の種類が異なる記録ヘッド、例えば濃ブラックインク吐
出用、イエロー,マゼンタ,シアンのインク吐出用、イ
エロー,マゼンタ,シアン,ブラックのインク吐出用、
または淡ブラックインク吐出用の記録ヘッドを交換可能
に備えてもよい。勿論、記録ヘッドとしては、サーマル
ヘッド等の種々の方式のものを採用することができる。
【0042】(第2の実施形態)本発明の第2の実施形
態を図8を用いて説明する。ここでは、前述した第1の
実施形態との相違点について説明する。
【0043】ゴムパッド200の表面には凸部207が
設けられている。フレキシブルケーブル32の先端には
導体露出したアース部分208が形成され、そのアース
部分208とケーブル32の基幹部分との間には切れ目
208Aが入れられている。ケーブルカバー203には
カートリッジ13側に曲げられた押さえ部209が形成
され、この押さえ部209と凸部207との間にてアー
ス部分208が挾持されている。したがって、アース部
分208は押さえ部209に沿って湾曲されることにな
る。
【0044】カートリッジ13のセット時には、まず、
押さえ部209がカートリッジ13に備わる不図示のア
ルミ板に接触して、凸部207がたわむ。この凸部20
7の弾性力により、アミル板とアース部分208は適当
な圧で接触し電気的に導通する。そのアルミ板は、前述
したようにカートリッジ13におけるアースライン導通
しているため、カートリッジ13のアースラインとフレ
キシブルケーブル32のアースラインとが導通すること
になる。そして、その後に、ケーブル32の導体露出部
分202がカートリッジ13のコンタクト部に圧接す
る。
【0045】このように本例では、ゴムパッド200の
表面に凸部207を設けて、アース部分208と押さえ
部209をカートリッジ13寄りに偏倚させることによ
り、アースライン以外の信号ラインよりも先に、カート
リッジ13とフレキシブルケーブル32のアースライン
同士を導通させるようにした。
【0046】なお、凸部207によって湾曲されたアー
ス部分208をカートリッジ13のアースラインに直接
的に圧接させるようにしてもよい。
【0047】(第3の実施形態)本発明の第3の実施形
態を図9を用いて説明する。ここでも前述した第1の実
施形態との相違点について説明する。
【0048】図9において、210はステンレス製の圧
縮コイルばねであり、そのコイル部内に、キャリッジ1
2から突出した軸212が挿入される。ばね210は、
そのL字状の端部210Aが穴部211内に差し込まれ
ることによって固定される。このばね210は、フレキ
シブルケーブル32に備わる導体露出したアースライン
部206に常時接触している。カートリッジ13のセッ
ト時には、まず、カートリッジ13に備わりかつカート
リッジ13のアースラインに導通する不図示のアルミ板
に対して、ばね210が接触し、その後に、ケーブル3
2の導体露出部分202がカートリッジ13のコンタク
ト部に圧接する。
【0049】このように本例では、カートリッジ13と
の対向方向に延在する導電性のばね210をアースライ
ン部分206に接続することにより、アースライン以外
の信号ラインよりも先に、カートリッジ13とフレキシ
ブルケーブル32のアースライン同士を導通させるよう
にした。
【0050】(第4の実施形態)本発明は、上述した第
1,第2,第3の実施形態のように2つのキャリッジ1
2,38を備えて、それらをキャリアとしての走査子7
8に対して選択的に結合・分離可能とした構成のプリン
ト装置の他、1つのキャリッジを走査子78に対して結
合・分離可能とした構成のプリント装置や、また、1つ
のキャリッジが走査子78と一体化した構成のプリント
装置にも適用可能である。
【0051】図10は、本発明の第4の実施形態として
のインクジェットプリント装置の概略斜視図であり、そ
のプリント装置には、1つのキャリッジが備えられ、そ
れがキャリアとしての走査子の機能をも有する。
【0052】図10において、インクジェットカートリ
ッジ120は、前述した実施形態におけるカートリッジ
13または44と同様に構成されており、インクジェッ
ト記録ヘッド121と、このインクジェット記録ヘッド
121に供給するインクを収納するインクタンク(不図
示)とが一体化されて、キャリッジ116に着脱自在に
保持されている。それらカートリッジ120とキャリッ
ジ106との間の電気的な接続部は、前述した第1,第
2または第3の実施形態におけるカートリッジ13,4
4とキャリッジ12,38との間の電気的な接続部と同
様に構成されている。
【0053】キャリッジ116は、駆動モータ117の
駆動力を伝達する駆動ベルト118の一部に連結され
て、互いに平行に配設された2本のガイドシャフト11
9a,119bに対して摺動自在に取り付けられてい
る。一方、インクジェット記録ヘッド121のインク吐
出口(不図示)が形成された吐出口面にはプラテン12
4が対向して配置され、駆動モータ117の駆動力によ
りインクジェットカートリッジ120を往復移動させな
がら、インクジェット記録ヘッド121に記録信号を与
えて吐出口からインクを吐出することにより、プラテン
124上に搬送された被記録部材としての記録紙(不図
示)の全幅にわたっての記録が行える構成となってい
る。
【0054】インクジェットカートリッジ120の記録
動作における往復移動の範囲外の、例えばホームポジシ
ョンと対向する位置には、ヘッド回復装置126が配設
されている。ヘッド回復装置126は、インクジェット
記録ヘッド121の吐出口面をキャッピングするキャッ
プ部材126aを備え、伝動機構123を介したクリー
ニング用モータ122の駆動力によって駆動される。こ
のキャップ部材126aによるインクジェット記録ヘッ
ド121の吐出口面のキャッピングに関連して、ヘッド
回復装置126内に設けられた適宜の吸収手段によるイ
ンク吸収、もしくはインクジェット記録ヘッド121へ
のインク供給経路に設けられた適宜の加圧手段によるイ
ンクの圧送を行い、インクを吐出口より強制的に排出さ
せることにより、インクジェット記録ヘッド121のイ
ンク流路内の増粘インクを除去する等の吐出回復処理が
行われる。また、記録終了時等にキャッピングをするこ
とにより、インクジェット記録ヘッド121が保護され
る。
【0055】ヘッド回復装置126の側面には、シリコ
ーンゴムで形成されるワイピング部材としてのブレード
130が配置される。ブレード130は、ブレード保持
部材130aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回
復装置126と同様、クリーニング用モータ122およ
び伝動機構123によって動作し、インクジェット記録
ヘッド121の吐出口面に押圧可能となっている。これ
により、インクジェット記録ヘッド121の記録動作に
おける適切なタイミングで、あるいはヘッド回復装置1
26を用いた吐出回復処理後に、ブレード130をイン
クジェット記録ヘッド121の移動経路中に突出させ、
インクジェット記録ヘッド121の移動動作に伴ってイ
ンクジェット記録ヘッド121の吐出口面における結
露、濡れあるいは塵埃を拭き取るものである。
【0056】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0057】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0058】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0059】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0060】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0061】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0062】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0063】さらに加えて、本発明の実施の形態として
は、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末とし
て用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装置、
さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を
採るもの等であってもよい。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の走査型キ
ャリアを備える機器は、キャリッジに機能素子を装着す
る際に、機能素子のアースラインが接続されてから、そ
の信号ラインが接続されるため、機能素子の装着時にユ
ーザに帯電した静電気はアースラインに落ちることにな
り、それが信号ラインに落ちることによって生じる機能
素子の破損や誤動作等を未然に回避することができる。
【0065】また、本発明のプリント装置は、キャリッ
ジにプリントヘッドを装着する際に、プリントヘッドの
アースラインが接続されてから、その信号ラインが接続
されるため、プリントヘッドの装着時にユーザに帯電し
た静電気はアースラインに落ちることになり、それが信
号ラインに落ちることによって生じるプリントヘッドの
破損や誤動作等を未然に回避することができる。
【0066】さらに、本発明の走査型キャリアを備える
機器およびプリント装置は、突出する板ばねなどの導電
体を用いて、機能素子のアースライン接続用の電気接点
を構成することにより、そのアンテナ効果によって、静
電気をアースラインに確実に落とすことができ、また、
その導電体をケーブル固定用のケーブルカバーの一部と
することにより、構造の簡素化をも図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態としてのインクジェッ
トプリント装置全体の斜視図である。
【図2】図1に示すブラックインク用キャリッジの斜視
図である。
【図3】図1に示すブラックインク用キャリッジの分解
斜視図である。
【図4】図1に示すカラーインク用キャリッジの斜視図
である。
【図5】図1に示すブラックインク用キャリッジとキャ
リアと結合動作を説明するための要部の正面図である。
【図6】図1に示すブラックインク用キャリッジとキャ
リアとの結合状態を説明するための正面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態としてのプリント装置
の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態におけるブラックイン
ク用キャリッジの分解斜視図である。
【図9】本発明の第3の実施形態におけるブラックイン
ク用キャリッジの分解斜視図である。
【図10】本発明の第4の実施形態としてのインクジェ
ットプリント装置の要部の斜視図である。
【符号の説明】
3 プラテンローラ 9 記録用紙(記録媒体) 12 ブラックインク用キャリッジ 13 ブラックインクカートリッジ 32 フレキシブルケーブル 38 カラインク用キャリッジ 44 カラーインクカートリッジ 62 グリッパ 78 走査子(キャリア) 200 ゴムパッド 202 導体露出部分 203 ケーブルカバー 204,205 ばね接点 206 アースライン部分

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動力を受けて走査を行う走査型キャリ
    アと、前記キャリアに結合・分離可能なキャリッジと、
    前記キャリッジに着脱可能に装着される機能素子とを有
    する走査型キャリアを備える機器において、 前記キャリッジに、前記機能素子の信号ラインとアース
    ラインのそれぞれに電気的に接続可能な信号ライン接続
    部とアースライン接続部を設け、 前記キャリッジに前記機能素子を装着するときに、前記
    アースラインと前記アースライン接続部が電気的に接続
    してから、前記信号ラインと前記信号ライン接続部が電
    気的に接続することを特徴とする走査型キャリアを備え
    る機器。
  2. 【請求項2】 前記信号ラインと前記信号ライン接続
    部、および前記アースラインと前記アースライン接続部
    のそれぞれは、前記キャリッジに対する前記機能素子の
    装着方向において互いに対向する電気接点を有し、 前記キャリッジに前記機能素子を装着するときに、前記
    アースラインの電気接点と前記アースライン接続部の電
    気接点が圧接してから、前記信号ラインの電気接点と前
    記信号ライン接続部の電気接点が圧接することを特徴と
    する請求項1に記載の走査型キャリアを備える機器。
  3. 【請求項3】 前記アースラインの電気接点と前記アー
    スライン接続部の電気接点の少なくとも一方は、それら
    の電気接点の圧接方向に突出する導電体によって形成さ
    れていることを特徴とする請求項2に記載の走査型キャ
    リアを備える機器。
  4. 【請求項4】 前記導電体は、弾性の板状ばねであるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の走査型キャリアを備え
    る機器。
  5. 【請求項5】 前記アースライン接続部は導電ケーブル
    に接続され、 前記導電体は、前記アースライン接続部に電気的に接続
    されかつ前記導電ケーブルを前記キャリッジに取付ける
    ためのケーブルカバーによって形成されていることを特
    徴とする請求項3に記載の走査型キャリアを備える機
    器。
  6. 【請求項6】 前記導電体はコイルばねであることを特
    徴とする請求項3に記載の走査型キャリアを備える機
    器。
  7. 【請求項7】 前記信号ライン接続部と前記アースライ
    ン接続部の少なくとも一方は、導電ケーブルの端部に形
    成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれ
    かに記載の走査型キャリアを備える機器。
  8. 【請求項8】 前記キャリアは往復走査可能にガイドさ
    れ、 前記キャリッジとして、第1の機能素子が装着可能でか
    つ前記キャリアの走査方向の一方側に待機する第1のキ
    ャリッジと、第2の機能素子が装着可能でかつ前記キャ
    リアの走査方向の他方側に待機する第2のキャリッジを
    備え、 前記第1,第2のキャリッジは前記キャリアに対して選
    択的に結合・分離可能であることを特徴とする請求項1
    から7のいずれかに記載の走査型キャリアを備える機
    器。
  9. 【請求項9】 前記機能素子は、記録媒体に記録を行う
    プリントヘッドであることを特徴とする請求項1から8
    のいずれかに記載の走査型キャリアを備える機器。
  10. 【請求項10】 前記プリントヘッドは、インクを吐出
    するインクジェットヘッドであることを特徴とする請求
    項9に記載の走査型キャリアを備える機器。
  11. 【請求項11】 前記インクジェットヘッドは、電気熱
    変換体を備え、該電気熱変換体が発生する熱エネルギー
    を利用してインクを吐出するインクジェットヘッドであ
    ることを特徴とする請求項10に記載の走査型キャリア
    を備える機器。
  12. 【請求項12】 前記機能素子は、原稿の画像を読み取
    る読み取りヘッドであることを特徴とする請求項1から
    8のいずれかに記載の走査型キャリアを備える機器。
  13. 【請求項13】 駆動力を受けて主走査方向に走査を行
    う走査型キャリアと、前記主走査方向に対して略直交す
    る副走査方向に沿って記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記キャリアに対して結合・分離可能とされ、かつ前記
    記録媒体に対するプリントが可能なプリントヘッドが着
    脱可能に装着されるキャリッジとを有するプリント装置
    において、 前記キャリッジに、前記プリントヘッドの信号ラインと
    アースラインのそれぞれに電気的に接続可能な信号ライ
    ン接続部とアースライン接続部を設け、 前記キャリッジに前記プリントヘッドを装着するとき
    に、前記アースラインと前記アースライン接続部が電気
    的に接続してから、前記信号ラインと前記信号ライン接
    続部が電気的に接続することを特徴とするプリント装
    置。
  14. 【請求項14】 主走査方向に走査を行い、かつ記録媒
    体に対するプリントが可能なプリントヘッドが着脱可能
    に装着されるキャリッジと、前記主走査方向に対して略
    直交する副走査方向に沿って記録媒体を搬送する搬送手
    段とを有するプリント装置において、 前記キャリッジに、前記プリントヘッドの信号ラインと
    アースラインのそれぞれに電気的に接続可能な信号ライ
    ン接続部とアースライン接続部を設け、 前記キャリッジに前記プリントヘッドを装着するとき
    に、前記アースラインと前記アースライン接続部が電気
    的に接続してから、前記信号ラインと前記信号ライン接
    続部が電気的に接続することを特徴とするプリント装
    置。
  15. 【請求項15】 前記信号ラインと前記信号ライン接続
    部、および前記アースラインと前記アースライン接続部
    のそれぞれは、前記キャリッジに対する前記プリントヘ
    ッドの装着方向において互いに対向する電気接点を有
    し、 前記キャリッジに前記プリントヘッドを装着するとき
    に、前記アースラインの電気接点と前記アースライン接
    続部の電気接点が圧接してから、前記信号ラインの電気
    接点と前記信号ライン接続部の電気接点が圧接すること
    を特徴とする請求項13または14に記載のプリント装
    置。
  16. 【請求項16】 前記アースラインの電気接点と前記ア
    ースライン接続部の電気接点の少なくとも一方は、それ
    らの電気接点の圧接方向に突出する導電体によって形成
    されていることを特徴とする請求項15に記載のプリン
    ト装置。
  17. 【請求項17】 前記導電体は、弾性の板状ばねである
    ことを特徴とする請求項16に記載のプリント装置。
  18. 【請求項18】 前記アースライン接続部は導電ケーブ
    ルに接続され、 前記導電体は、前記アースライン接続部に電気的に接続
    されかつ前記導電ケーブルを前記キャリッジに取付ける
    ためのケーブルカバーによって形成されていることを特
    徴とする請求項16に記載のプリント装置。
  19. 【請求項19】 前記導電体はコイルばねであることを
    特徴とする請求項16に記載のプリント装置。
  20. 【請求項20】 前記信号ライン接続部と前記アースラ
    イン接続部の少なくとも一方は、導電ケーブルの端部に
    形成されていることを特徴とする請求項13から19の
    いずれかに記載のプリント装置。
  21. 【請求項21】 前記プリントヘッドは、インクを吐出
    するインクジェットヘッドであることを特徴とする請求
    項13から20のいずれかに記載のプリント装置。
  22. 【請求項22】 前記インクジェットヘッドは、電気熱
    変換体を備え、該電気熱変換体が発生する熱エネルギー
    を利用してインクを吐出するインクジェットヘッドであ
    ることを特徴とする請求項21に記載のプリント装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013226658A (ja) * 2012-04-24 2013-11-07 Seiko Epson Corp 記録装置

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