JPH09248914A - インクジェットヘッドおよびその製造方法並びにそのヘッドを用いたプリンタ - Google Patents

インクジェットヘッドおよびその製造方法並びにそのヘッドを用いたプリンタ

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JPH09248914A
JPH09248914A JP5793796A JP5793796A JPH09248914A JP H09248914 A JPH09248914 A JP H09248914A JP 5793796 A JP5793796 A JP 5793796A JP 5793796 A JP5793796 A JP 5793796A JP H09248914 A JPH09248914 A JP H09248914A
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真一 紙透
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (110)面方位単結晶Si基板1表面
に対し、TM法のドライエッチングにより垂直に加工し
たインクキャビティ3と、インクリザーバ5とを連通す
る供給路4を形成したSi基板1と、インクキャビティ
3に対応してインク吐出用のノズル6を形成したノズル
プレート2とを接合してインクジェットヘッドを得る。 【効果】 隣合うインクキャビティ間の壁部の面積が小
さく、したがって、剛性の高いインクキャビティを加工
でき、応答周波数が高く、高速で安定した微小インク吐
出ができる、すなわち高印字品質のインクジェット記録
装置を安価に提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク滴を紙等に
吐出し印字するインクジェット記録装置に用いられるイ
ンクジェットヘッドおよびその製造方法、更にはそのイ
ンクジェットヘッドを有するインクジェットプリンタに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録装置には、ま
すます高解像度で高速な印刷が要求されている。この要
求に応えるために、たとえば、特開平7−96605号
公報で開示されているようなインクジェット記録装置が
提案されている。このインクジェット記録装置では、イ
ンクを加圧・吐出するための圧力室を形成するために、
(110)面方位の単結晶Si基板の両面からアルカリ
液による湿式異方性エッチングにより貫通部を形成し、
このSi基板をスペーサとして使用している。Si基板
をエッチングにより加工して得られる3次元形状は高精
度であり、したがって、高精細な印刷が得られるインク
ジェット記録装置を得ることができた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
技術によるアルカリ液による湿式異方性エッチングによ
り貫通部を形成する方法では、必然的に隣合う圧力室間
の壁部は、用いたSi基板の厚みと同一の幅を有する板
状のSiであり、インクを吐出するために前記貫通部か
らなる圧力室中のインクに圧力を加えた場合に前記壁部
が剛性不足により変形し、高周波駆動におけるインク吐
出が安定しなくなるおそれがある。さらなる高精細化、
高速印刷化の要求に対し圧力室の幅を小さくしてノズル
密度を向上する場合は、前記壁部の厚みも小さくしなけ
ればならず、すなわち、インクジェット記録装置の高精
細・高速化に伴い、前記壁部の剛性が低下し、かえっ
て、微小インク滴を吐出する場合の高速吐出特性が悪化
するという矛盾を抱えていた。
【0004】そこで本発明は、上記したような課題を解
決するもので、その目的とするところは高精細かつ高速
印刷のインクジェット記録装置に必要とされるインク流
路の剛性が高く、微小インク滴の高周波吐出が可能であ
るインクジェットヘッドを提供するところにある。ま
た、本発明のその他の目的は、微小インク滴の高周波吐
出が可能であるインクジェットヘッドを安価に提供する
ことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
ヘッドは、インクジェット記録装置に用いられ、インク
キャビティと、インクリザーバと、インクキャビティと
インクリザーバとを連結する供給路が形成されたSi基
板を構成部材とするインクジェットヘッドにおいて、前
記インクキャビティは前記Si基板にドライエッチング
により穿孔されたものであることを特徴とし、また、前
記Si基板とインク吐出用のノズルが形成されたノズル
プレートが接合された構造を有することを特徴とする。
【0006】また、インクキャビティと、インクリザー
バと、インクキャビティとインクリザーバとを連結する
供給路と、インク吐出用のノズルが形成されたSi基板
を構成部材とするインクジェットヘッドにおいて、前記
インクキャビティが前記Si基板の一方の面から所定の
深さまでドライエッチングにより加工されたものであ
り、インク吐出用のノズルが前記Si基板の他方の面か
ら前記インクキャビティに対応した位置に加工され、か
つ前記インクキャビティと前記ノズルとは連通している
ことを特徴とし、また、前記ノズルはドライエッチング
により加工されてなることを特徴とする。
【0007】また、前記Si基板が(110)面方位の
単結晶Siであることを特徴とする。
【0008】本発明のインクジェットヘッドの製造方法
は、インクキャビティまたはインクキャビティおよびノ
ズルのドライエッチング方法がTM法であることを特徴
とする。
【0009】また、前述のインクジェットヘッドを有す
ることを特徴とするインクジェットプリンタであること
を特徴とする。
【0010】なお、TM法(タイムモジュレイティド
法)とは、ドライエッチングにおいて、高アスペクト比
の構造を得るための方法であり、エッチングの最中にエ
ッチングにより加工された凹部の側壁を保護するために
エッチング反応を生じさせる化学種(ラジカル、イオン
等)を発生させるサイクルと、側壁を保護するための保
護膜を堆積させるサイクルとを交互に行うエッチングの
ことである(産業図書株式会社「半導体ドライエッチン
グ技術」336ページ参照)。このTM法を用いること
により、インクキャビティおよびノズルの側壁をSi基
板表面に対し垂直に加工できるため、インク吐出特性に
関して最適な形状を形成できる。また、本発明のインク
ジェットヘッドの製造方法は、前記インクキャビティを
前記Si基板の一方の面から所定の深さまでTM法を用
いたドライエッチングにより加工したのちに前記Si基
板をアルカリエッチング液で処理することを特徴とす
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例(第1の
実施例)について、詳細に説明する。
【0012】図1は、本発明の第1の実施例におけるイ
ンクジェットヘッドの主要部分の斜視図であり、一部断
面を示してある。本実施例におけるインクジェットヘッ
ドは、Si基板1表面に対し垂直に加工されたインクキ
ャビティ3と、インクリザーバ5と、インクキャビティ
3とインクリザーバ5とを連通する供給路4が形成され
たSi基板1と、ノズル6が形成されたノズルプレート
2とを接合してなる構造であり、Si基板1は、(11
0)面方位単結晶Siである。
【0013】また、図1に示したインクジェットヘッド
の製造工程図を図2に示す。板厚150ミクロンのSi
基板1を摂氏1100度、水蒸気を含む雰囲気下で、4
時間の熱処理を行い、Si基板1の両面に熱酸化膜7・
8を形成し(図2(a))、ついで、熱酸化膜7にフォ
トエッチングによりインクキャビティ3および供給路4
およびインクリザーバ5に対応するパターンを形成す
る。その際、インクキャビティ3およびインクリザーバ
5に対応するパターンでは熱酸化膜7をすべて除去する
のに対し、供給路4に対応するパターンでは熱酸化膜7
の総厚1.5ミクロンのうち、1ミクロンを残すように
エッチングを行い熱酸化膜7aとする(図2(b))
が、その方法は、本出願人が特開平5−62964号公
報により開示した方法による。次に、Si基板1の熱酸
化膜7の側に対し、TM法によるドライエッチングを施
し、Si基板1を貫通するまでのエッチングにより、イ
ンクキャビティ3およびインクリザーバ5が形成される
(図2(c))。TM法におけるエッチングガスとして
は6フッ化イオウを、側壁保護膜の堆積用ガスとしては
4塩化炭素を用い、これらのガスを交互にドライエッチ
ング装置に供給することによって、Si基板1に深い垂
直穴を形成できる。上記のドライエッチングにおいて
は、Si基板1と熱酸化膜7とのエッチングレート比
(選択比)は、約200程度であり、上記のドライエッ
チングが終了した時点での熱酸化膜7の厚みは約0.7
5ミクロン、また、供給路4に対応するパターンの熱酸
化膜7aの厚みは約0.25ミクロンとなっている。次
に、Si基板1を熱酸化膜7aが丁度除去できるような
条件により、フッ酸系エッチング液による処理を行い
(図2(d))、ついで、Si基板1の熱酸化膜7の側
に対し、さらにTM法によるドライエッチングを施し、
深さ50ミクロンの供給路4を形成する(図2
(e))。最後に、Si基板1にフッ酸系エッチング液
による処理を行い、熱酸化膜7および7aおよび8をす
べて除去し(図2(f))、Si基板1とインクキャビ
ティ3に対応して、インク吐出用のノズル6が形成され
たノズルプレート2とを接合、アクチュエータ等の部品
(図示しない)とともに組み立て、インクジェットヘッ
ドが完成する。本実施例においては、Si基板1にTM
法によるドライエッチングを施すことで、従来のインク
ジェットヘッドに比較して隣合う圧力室間の壁部の面積
を激減させた小さなインクキャビティ3を形成すること
ができ、したがってインク流路剛性の高いインクジェッ
トヘッドを提供することができた。インク流路剛性が高
いことで、アクチュエータからの入力によるインク流路
の変形が小さく、すなわち、応答周波数が高く、高速で
インク吐出ができるインクジェットヘッドを提供するこ
とができた。本実施例におけるインクジェットヘッドで
は、10kHzまでの周波数でインク吐出の各特性(イ
ンク滴重量、インク吐出速度等)が安定していた。ま
た、本実施例では、Si基板として、(110)面方位
の単結晶Siを用いたが、他の面方位、たとえば(10
0)や(111)面方位の単結晶Siを用いても、得ら
れる効果は全く同一である。
【0014】次に、本発明の別の実施例(第2の実施
例)について詳細に説明する。
【0015】図3は、本発明の第2の実施例におけるイ
ンクジェットヘッドの主要部分の斜視図であり、一部断
面を示してある。図3に示したように、本実施例におけ
るインクジェットヘッドは、Si基板1b表面に対し垂
直に加工されたインクキャビティ3bと、インクリザー
バ5bと、インクキャビティ3bとインクリザーバ5b
とを連通する供給路4bと、各インクキャビティ3bに
対応したインク吐出用のノズル6bが形成されたSi基
板1bと、アクチュエータ等の部品(図示しない)とを
組み立ててなる構造であり、Si基板1bは、(11
0)面方位単結晶Siである。図3に示したインクジェ
ットヘッドの製造工程を図4に示す。本発明の第1の実
施例の場合と同様に、板厚150ミクロンのSi基板1
bの両面に熱酸化膜7bおよび8bを形成し(図4
(a))、ついで熱酸化膜7bにインクキャビティ3b
および供給路4bおよびインクリザーバ5bに対応する
パターンを、また熱酸化膜8bにはノズル6bに対応す
るパターンを形成する(図4(b))。その際、インク
キャビティ3bおよび供給路4bおよびインクリザーバ
5bに対応するパターンの形成は、上記の本発明の第1
の実施例の場合と全く同一の工程で行い、すなわち、イ
ンクキャビティ3bおよびインクリザーバ5bに対応す
るパターンでは熱酸化膜7bのすべてを除去するのに対
し、供給路4bに対応するパターンでは熱酸化膜7bの
総厚1.5ミクロンのうち、1ミクロンを残すようにエ
ッチングを行い、熱酸化膜7cとする(図4(b))。
次に、Si基板1bの熱酸化膜8bの側に本発明の第1
の実施例の場合と同様にTM法によるドライエッチング
を施し、ノズル6bとなるべき深さ20ミクロンの凹部
を形成する(図4(c))。次に、Si基板1bの熱酸
化膜7b側のドライエッチング処理およびフッ酸系エッ
チング液処理を、本発明の第1の実施例と同様に行うこ
とにより、インクキャビティ3bおよび供給路4bおよ
びインクリザーバ5bを形成するが、インクキャビティ
3bおよびインクリザーバ5bの深さは135ミクロン
とする(図4(d))。その結果、インクキャビティ3
bを形成する際に、すでに形成されているノズル6bと
なるべき凹部の底面が貫通し、インクキャビティ3bと
ノズル6bとが連通する。最後に、Si基板1b全体を
フッ酸系エッチング液に浸漬し、熱酸化膜7bおよび7
cおよび8bを除去し(図4(e))、Si基板1bと
アクチュエータ等の部品(図示しない)とを組み立て、
インクジェットヘッドが完成する。本実施例において
は、Si基板1bの両面にTM法によるドライエッチン
グを施すことで、同一のSi基板1bに従来のインクジ
ェットヘッドに比較して隣合う圧力室間の壁部の面積を
激減させた小さなインクキャビティ3bとインクキャビ
ティ3bに対応するノズル6bとを形成することがで
き、したがってインク流路剛性の高いインクジェットヘ
ッドを提供することができた。インク流路剛性が高いこ
とで、アクチュエータからの入力によるインク流路の変
形が小さく、すなわち、応答周波数が高く、高速で安定
したインク吐出ができるインクジェットヘッドを提供す
ることができた。実際には、本実施例におけるインクジ
ェットヘッドでは、10kHzまでの周波数でインク吐
出の各特性(インク滴重量、インク吐出速度等)が安定
していた。また、本実施例ではノズル6bが形成された
別の部品を用いることなく、さらには、個々のインクキ
ャビティ3bとそれに対応するノズル6bとの位置合わ
せをフォト工程にて行うことができたため、通常の治具
を用いた組み立て工程に比較して簡単に高精度の位置合
わせが実現でき、かつ、部品点数の削減と、組み立て工
程の削減が実現でき、すなわち、安価に高品質のインク
ジェットヘッドを提供することができた。また、本実施
例では、Si基板として、(110)面方位の単結晶S
iを用いたが、他の面方位、たとえば(100)や(1
11)面方位の単結晶Siを用いても、得られる効果は
全く同一である。
【0016】次に、本発明のさらに別の実施例(第3の
実施例)について詳細に説明する。
【0017】図5は、本発明の第3の実施例におけるイ
ンクジェットヘッドの主要部分の斜視図であり、一部断
面を示してある。図5に示したように、本実施例におけ
るインクジェットヘッドは、Si基板1d表面に対し垂
直に加工されたインクキャビティ3dと、インクリザー
バ5dと、インクキャビティ3dとインクリザーバ5d
とを連通する供給路4dと、各インクキャビティ3dに
対応したインク吐出用のノズル6dが形成されたSi基
板1dと、アクチュエータ等の部品(図示しない)とを
組み立ててなる構造であり、Si基板1dは、(11
0)面方位単結晶Siである。図5に示したインクジェ
ットヘッドの製造工程を図6に示す。本発明の第1の実
施例の場合と同様に、板厚150ミクロンのSi基板1
dの両面に熱酸化膜7dおよび8dを形成し(図6
(a))、ついで熱酸化膜7dにインクキャビティ3d
および供給路4dおよびインクリザーバ5dに対応する
パターンを、また熱酸化膜8dにはノズル6dに対応す
るパターンを形成する。その際、インクキャビティ3d
および供給路4dおよびインクリザーバ5dに対応する
パターンの形成は上記の本発明の第1の実施例の場合と
全く同一の工程で行い、すなわち、インクキャビティ3
dおよびインクリザーバ5dに対応するパターンでは熱
酸化膜7dのすべてを除去するのに対し、供給路4dに
対応するパターンでは熱酸化膜7dの総厚1.5ミクロ
ンのうち、1ミクロンを残すようにエッチングを行い、
熱酸化膜7eとする。また、同様に熱酸化膜8dに形成
するノズル6dに対応するパターンでも熱酸化膜8dの
総厚1.5ミクロンのうち、1ミクロンを残すようにエ
ッチングを行い、熱酸化膜8eとする(図6(b))。
次に、Si基板1dの熱酸化膜8dの側に本発明の第1
の実施例の場合と同様にTM法によるドライエッチング
を施し、インクキャビティ3dおよびリザーバ5dとな
るべき深さ135ミクロンの凹部を形成し(図6
(c))、次に、Si基板1dをフッ酸系エッチング液
に浸漬し、供給路4dに対応する熱酸化膜7eが丁度除
去できるだけのエッチングを施す(図6(d))。次
に、アルカリエッチング液によるエッチングを施し、深
さ50ミクロンの供給路4dを形成するが、このとき同
時にインクキャビティ3dとなるべき凹部の底部もエッ
チングされ、(111)結晶面からなりSi基板1d表
面に対し35度の角度をなす2つの斜面9が形成される
(図6(e))。次に、Si基板1dをフッ酸系エッチ
ング液に浸漬し、ノズル6dに対応する熱酸化膜8eが
丁度除去できるだけのエッチングを施す(図6
(f))。次に、Si基板1dの熱酸化膜8dが形成さ
れている面にノズル6bとなるべき凹部が貫通するまで
ドライエッチングを施す(図6(g))。最後に、Si
基板1d全体をフッ酸系エッチング液に浸漬し、熱酸化
膜7dおよび7eおよび8dを除去し(図6(h))、
Si基板1dとアクチュエータ等の部品(図示しない)
とを組み立て、インクジェットヘッドが完成する。本実
施例においては、Si基板1dの両面にTM法によるド
ライエッチングを施すことで、同一Si基板1d上に、
従来のインクジェットヘッドに比較して隣合う圧力室間
の壁部の面積を激減させた小さなインクキャビティ3d
と前記インクキャビティ3dに対応するノズル6dを形
成することができ、したがってインク流路剛性の高いイ
ンクジェットヘッドを提供することができた。インク流
路剛性が高いことで、アクチュエータからの入力による
インク流路の変形が小さく、すなわち、応答周波数が高
く、高速で安定したインク吐出ができるインクジェット
ヘッドを提供することができた。実際には、本実施例に
おけるインクジェットヘッドでは、10kHzまでの周
波数でインク吐出の各特性(インク滴重量、インク吐出
速度等)が安定していた。また、本実施例ではノズル6
dが形成された別の部品を用いることなく、さらには、
それぞれのインクキャビティ3dとそれに対応するノズ
ル6dとの位置合わせをフォト工程にて行うことができ
たため、部品点数の削減と、組み立て工程の削減が実現
でき、すなわち、安価に高品質のインクジェットヘッド
を提供することができた。さらには、インクキャビティ
3dの底面を斜面9とすることにより、インク中に発生
した気泡の排出性を向上することができた。
【0018】
【発明の効果】以上に記したように、本発明によれば、
インクキャビティと、インクリザーバと、インクキャビ
ティとインクリザーバとを連結する供給路が形成された
Si基板を構成部材とするインクジェットヘッドにおい
て、前記インクキャビティは前記Si基板にドライエッ
チングにより穿孔されたものとすることで、従来のイン
クジェットヘッドに比較して隣合う圧力室間の壁部の面
積を激減させた剛性の高いインクキャビティが加工で
き、したがって、応答周波数が高く、高速で安定した微
小インク吐出ができる、すなわち高印字品質のインクジ
ェットヘッド及びインクジェットプリンタを提供するこ
とができる。
【0019】また、本発明によれば、前記インクキャビ
ティに対応した位置にフォト工程による位置合わせ精度
で高精度なノズルを形成することにより、高印字品質の
インクジェットヘッドを提供することができる。
【0020】また、本発明によれば、(110)面方位
Si基板を用いて、ドライエッチングおよびアルカリ液
を用いた異方性エッチングにより、前記インクキャビテ
ィとインクキャビティの底面に斜面を形成したことで気
泡排出性に優れた高印字品質のインクジェットヘッドを
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるインクジェットヘッ
ドの一部断面を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例におけるインクジェットヘッ
ドの製造工程図である。
【図3】本発明の別の一実施例におけるインクジェット
ヘッドの一部断面を示す斜視図である。
【図4】本発明の別の一実施例におけるインクジェット
ヘッドの製造工程図である。
【図5】本発明の別の一実施例におけるインクジェット
ヘッドの一部断面を示す斜視図である。
【図6】本発明の別の一実施例におけるインクジェット
ヘッドの製造工程図である。
【符号の説明】
1、1b、1d Si基板 2 ノズルプレート 3、3b、3d インクキャビティ 4、4b、4d 供給路 5、5b、5d インクリザーバ 6、6b、6d ノズル 7、7a、7b 熱酸化膜 7c、7d、7e 熱酸化膜 8、8b、8d、8e 熱酸化膜 9 斜面

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェット記録装置に用いられ、イ
    ンクキャビティと、インクリザーバと、インクキャビテ
    ィとインクリザーバとを連結する供給路が形成されたS
    i基板を構成部材とするインクジェットヘッドにおい
    て、前記インクキャビティは前記Si基板にドライエッ
    チングにより穿孔されたものであることを特徴とするイ
    ンクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記インクキャビティがドライエッチン
    グにより穿孔されたSi基板と、インク吐出用のノズル
    が形成されたノズルプレートとが接合されてなる構造を
    有することを特徴とする請求項1記載のインクジェット
    ヘッド。
  3. 【請求項3】 インクジェット記録装置に用いられ、イ
    ンクキャビティと、インクリザーバと、インクキャビテ
    ィとインクリザーバとを連結する供給路と、インク吐出
    用のノズルが形成されたSi基板を構成部材とするイン
    クジェットヘッドにおいて、前記インクキャビティが前
    記Si基板の一方の面から所定の深さまでドライエッチ
    ングにより加工されたものであり、インク吐出用のノズ
    ルが前記Si基板の他方の面から前記インクキャビティ
    に対応した位置に加工され、かつ前記インクキャビティ
    と前記ノズルとは連通していることを特徴とするインク
    ジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 前記ノズルがドライエッチングにより加
    工されてなることを特徴とする請求項3記載のインクジ
    ェットヘッド。
  5. 【請求項5】 前記Si基板が、(110)面方位の単
    結晶Siであることを特徴とする請求項1ないし4のい
    ずれか記載のインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 インクジェット記録装置に用いられ、イ
    ンクキャビティと、インクリザーバと、インクキャビテ
    ィとインクリザーバとを連結する供給路が形成されたS
    i基板を構成部材とするインクジェットヘッドの製造方
    法において、前記Si基板にTM法のドライエッチング
    によって穿孔させてインクキャビティを形成することを
    特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 インクジェット記録装置に用いられ、イ
    ンクキャビティと、インクリザーバと、インクキャビテ
    ィとインクリザーバとを連結する供給路と、インク吐出
    用のノズルが形成されたSi基板を構成部材とするイン
    クジェットヘッドの製造方法において、前記Si基板の
    一方の面から所定の深さまでTM法のドライエッチング
    により加工してインクキャビティを形成し、前記Si基
    板の他方の面から前記インクキャビティに対応した位置
    に、TM法のドライエッチングでインク吐出用のノズル
    を形成し、前記インクキャビティと前記ノズルとを連通
    させることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記インクキャビティを前記Si基板の
    一方の面から所定の深さまでTM法を用いたドライエッ
    チングにより加工したのちに、前記Si基板をアルカリ
    エッチング液で処理することを特徴とする請求項6また
    は請求項7記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のうちいずれか記載のイ
    ンクジェットを有するインクジェットプリンタ。
JP5793796A 1996-03-14 1996-03-14 インクジェットヘッドの製造方法およびそのヘッドを用いたプリンタ Expired - Lifetime JP3564853B2 (ja)

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