JP3235630B2 - インクジェット式記録ヘッド - Google Patents

インクジェット式記録ヘッド

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JP3235630B2
JP3235630B2 JP30115093A JP30115093A JP3235630B2 JP 3235630 B2 JP3235630 B2 JP 3235630B2 JP 30115093 A JP30115093 A JP 30115093A JP 30115093 A JP30115093 A JP 30115093A JP 3235630 B2 JP3235630 B2 JP 3235630B2
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット式記録
ヘッドより詳細には、圧電振動子の伸縮により弾性変形
する振動板と、インク滴を噴射するノズル開口が穿設さ
れたノズルプレートとを一定の間隔に保持して圧力発生
室、リザーバ、及びこれらを連通させるインク供給口を
形成するスペーサをシリコン単結晶基板により構成した
インクジェット式記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式記録ヘッドは、記録媒
体上のドットをインク滴により構成する関係上、インク
滴のサイズを小さくすることにより極めて高い解像度で
の印刷が可能であるものの、効率よく印刷するためには
ノズル開口の数を多くする必要があり、特に圧電振動子
をインク滴噴射源に使用するものにあっては、圧電振動
子のエネルギを効率よく使用するために圧力発生室を可
及的に大きくする必要があり、小型化の要請と相反する
ことになる。 このような相反する問題を解消するた
め、通常、隣り合う圧力室を区画している壁を可及的に
薄くするとともに、圧力発生室の形状を長手方向に大き
くして容積を稼ぐことが行われている。
【0003】このような圧力発生室やリザーバは、振動
板とノズルプレートの間隔を所定の値に保持する部材で
あるスペーサに通孔を穿設して形成されているが、上述
したように極めて小さく、しかも複雑な形状を備えた圧
力発生室に一致する通孔を形成する必要上、通常エッチ
ング技術が使用されている。このようなスペーサを構成
する材料としては、通常感光性樹脂膜が使用されている
が、これは機械的強度が低いため、クロストークやたわ
み等が生じ、高い解像度を実現しようとすると印字品質
が低下するという問題がある。
【0004】このような問題を解消するために、結晶方
位(110)のシリコン単結晶基板をスペーサに適した
厚さに切り出し、これを圧力発生室やリザーバを構成す
るのに必要な形状に異方性エッチングを行うことが、米
国特許第4312008号に提案されている。このような単結
晶シリコンを使用したスペーサは、機械的合成が高いた
め、圧電振動子の変形の伴う記録ヘッド全体のたわみを
可及的に小さくすることができるとともに、エッチング
を受けた壁面が表面に対してほぼ垂直であるため、圧力
発生室を均一に構成することが可能であるという大きな
利点を備えている。しかしながら、エッチングが結晶方
位に依存するため、インクジェット式記録ヘッドの圧力
発生室として理想的な形状に加工することが困難で、圧
力発生室内にインクの淀みや気泡の停滞を招き易いとい
う不都合を抱えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題に鑑みてなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、インクの流れが滑らかなシリコン単結晶基板の異
方性エッチングにより加工した圧力発生室、インク供給
口、及びリザーバを備えたインクジェット式記録ヘッド
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような課題を達成す
るために本発明のインクジェット式記録ヘッドは、外部
からインクの供給を受けるリザーバ、ノズル開口に連通
する圧力発生室、及び前記リザーバと圧力発生室とを接
続するインク供給口を形成する通孔を備えたスペーサ
と、前記スペーサの開口面を封止する蓋部材と、前記圧
力発生室のインクを加圧する圧力発生手段とを備えたイ
ンクジェット式記録ヘッドにおいて、前記スペーサは、
結晶方位(110)のシリコン単結晶基板を異方性エッ
チングすることにより形成され、前記圧力発生室を形成
する通孔のノズル開口近傍の端部が、相互に平行な2つ
の壁面と、前記平行な壁を閉じるように互いに鈍角で接
する3つの壁面とで形成されている。
【0007】
【作用】インクが停滞しやすいノズル開口近傍が鈍角で
接する5つの壁面で形成されているため、滑らかな形状
となり、インクの流れをスムースにできてノズル開口近
傍の気泡の停滞を防止することができる。
【0008】
【実施例】そこで以下に本発明の詳細を図示した実施例
に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例を示すも
ので、図中符号1はノズルプレートで、所定のピッチ、
例えば180DPIとなるようにノズル開口2.2、2
‥‥が穿設された開口列が、3、3‥‥が形成されてい
る。
【0009】4は、後述する振動板10とノズルプレー
ト1の間に挟まれて配置されるスペーサで、図2に示し
たようにノズル列に対応するように圧力発生室、リザー
バ、これらを接続するインク供給口、インクタンクから
のインクを各リザーバに分配する流路等を形成する通孔
5、5、5‥‥、6、6、6‥‥7、7、7‥‥、8、
8、8‥‥が形成されている。
【0010】10は振動板で、スペーサ4を介してノズ
ルプレート1と対向して圧力発生室を形成するもので、
図3に示したように後述する圧電振動子ユニットの2
1、21、21‥‥の圧電振動子30、30の先端に当
接してこれの変位を可及的に広い面積に伝達するように
剛性を備えたアイランド部11と、これのその周縁領域
に薄肉部12とを形成して構成されている。このような
構成により圧電振動子30、30‥‥の圧電振動子3
0、30の伸縮に応動して、圧力発生室を効率的に縮
小、膨張させることが可能となる。
【0011】これら圧電振動子ユニット21、21、2
1‥‥は、図4に示したように圧電振動子30、30、
30‥‥の一半を固定基板31に一定ピッチで固定し
て、他半が縦振動モードでの振動が可能にまとめられて
いる。各振動子30は、図5に示したように圧電振動材
料32と駆動電極33と共通電極34とを交互にサンド
イッチ状に積層して構成されている。そして駆動電極3
3、33、33‥‥は、圧電振動子30の後端側で端面
から露出していて、蒸着などで形成された駆動外部電極
35により並列に接続され、また共通電極34、34、
34‥‥は圧電振動子30の自由端側に露出し、かつ側
方にまで延長されていて共通外部電極36により並列に
接続されている。
【0012】各圧電振動子30の駆動外部電極35は、
端面が固定基板31とほぼ同一面となるように位置決め
されており、また各圧電振動子30、30、30‥‥の
共通外部電極36は、導電部材38を介して振動子3
0、30、30‥‥の両側に位置するダミー振動子39
の後端面の電極40に導通関係を持つように接続されて
いる。ダミ−振動子39の後端面には、駆動外部電極3
5と同様に電極40が構成されていて、接続用回路基板
との接続が可能となっている。
【0013】再び図1に戻って、図中符号42は、基台
で、圧電振動子30、30、30‥‥の自由端側が露出
するように振動子ユニット21、21、21‥‥を収容
するユニット収容穴43、43、43‥‥と、インクタ
ンクからのインクをリザーバに供給するためのインク供
給口44が設けられており、表面に振動板10、スペー
サ4、ノズルプレート1を位置決めして静電シールドを
兼ねる枠体45により固定して記録ヘッド本体としてま
とめ上げている。なお、図中符号46はインクタンクか
らのインクの流入口を示す。これにより図6に示したよ
うにスペーサの通孔5、5は、その開口がノズルプレー
ト1と振動板10により封鎖されて圧力発生室を構成す
ることになる。圧力発生室48は、圧電振動子30の伸
縮をアイランド部11により受ける振動板10の薄肉部
12の変形により収縮したときに、ここに存在するイン
クを圧縮して、ノズル開口2からインク滴として飛翔さ
せることになる。
【0014】図7は、前述したスペーサ4の一実施例を
圧力発生室を構成する通孔5、5、5‥‥の近傍を拡大
して示すものであって、スペーサとして必要な厚み、例
えば220μmを備えた結晶方位(110)のシリコン
単結晶基板に圧力発生室48となる通孔5、リザーバと
なる通孔6、及びこれらを連通するインク供給口となる
通孔7が形成されている。
【0015】インク供給口となる通孔7は、これを区画
する両側の壁面7a、7bの一方が圧力発生室を形成す
る通孔5の一方の壁5aと一致するように、また他方の
壁面7bがインク供給口に適した流路抵抗を実現できる
程度に間隔をおいて形成されている。これら通孔の周囲
には、振動板10、及びノズルプレート1との接着を接
着剤により行う場合には、一辺が100μm程度の接着
剤吸収用の凹部50、50、50‥‥がやはり異方性エ
ッチングにより形成されている。これら凹部50、5
0、50‥‥は、余分な接着剤を収容できる程度の容積
を備える最小限の深さとなるようにそのサイズが設定さ
れている。なお、共晶接合等のように接着剤を必要とし
ない場合にはこれら接着剤吸収用の孔は不要となる。
【0016】図8は、圧力発生室を形成する通孔、イン
ク供給口を形成する通孔を形成する壁面のなす角度を示
すものであって、圧力発生室を形成している通孔5は、
詳細には壁面5a乃至5hの8つの壁面からなってい
て、ノズル開口2が対向する面5b、5f、5g、5
h、5aは、それぞれが角度θ3、θ4、θ5、θ6で接し
ており、これら角度θ3、θ4、θ5、θ6はそれぞれ約1
52度、154度、125度、110度なる鈍角となっ
ている。またインク供給口となる通孔7に連通する側に
おいては壁面5c、5d、5eが形成されていて、イン
ク供給口と圧力発生室とを圧力発生室側に広がるように
形成されている。
【0017】さらにインク供給口を形成する通孔7の一
方の壁面7aは、圧力発生室を形成する通孔5の一方の
壁面5aと同一壁面となるように形成され、また他方の
壁面7bは、インク供給口として必要十分な流体抵抗と
なる程度の間隔を空けて壁面7aに平行に形成されてい
る。圧力発生室からインク供給口に一直線で延びる壁面
7aは、リザーバを形成する通孔6の壁面6aと2つの
面6b、6cにより形成された拡開部を経て接続されて
いる。なお、図中θ1で示す角度は、30度前後であ
り、またθ2で示す角度は、約70度前後の値である。
【0018】図9は、ノズル開口2に対向する壁面5g
の断面構造を示すものであって、それぞれ表面と角度θ
7=約35度をなす斜面5g1、5g2が形成されてい
る。この斜面5g1、5g2は、異方性エッチングに随伴
して生じる非対象形状に起因する圧力発生室のおけるノ
ズル開口2近傍の流れを可及的に均一にして、気泡等の
停滞を防止するのに寄与している。
【0019】このように構成されたスペーサ4に接着剤
を塗布し、ノズルプレート1及び振動板10を位置合わ
せして圧着する。この圧着により余剰となった接着剤
は、圧力発生室、インク供給口、及びリザーバとなる通
孔5、7、6を取り囲むように形成されている微細な凹
部50、50、50‥‥に流れ込む。このため、圧力発
生室、インク供給口、及びリザーバの容積が接着剤の流
れ込みにより変化するのを防止される。接合が完了する
と、図7(ロ)に示したように圧力発生室を形成する通
孔5の中心線の先端近傍にノズルプレートのノズル開口
2が、またほぼ全域の及ぶように振動板4のアイランド
部11が位置することになる。この状態で圧電振動子3
0を駆動すると、その変位がアイランド部11を介して
圧力発生室全体に及ぶため、圧電振動子30の変位を高
い効率で圧力発生室の容積変化に変換することができ
る。
【0020】図10は、上述したスペーサの製造工程を
示すものであって、図中符号60は、スペーサとして機
能するに必要な厚み、例えば220μmを有する結晶方
位(110)のシリコン単結晶基板で、これの表面には
熱酸化法により、異方性エッチングの保護膜として機能
できる程度の厚み、例えば1μm程度の二酸化珪素膜6
1が形成されている(図10(a))。
【0021】二酸化珪素膜61が形成された基板60の
表面及び裏面に前述した通孔5、6、7、及び必要に応
じて凹部50に一致した窓63、64を備えたフッ化水
素保護膜62をフォトリソグラフィにより形成する(図
10(b))。この状態でフッ化水素によりエッチング
を実行すると、通孔5、6、7、及び凹部50を形成す
べき領域の窓63、64に一致して二酸化珪素膜61が
除去される(図9(c))。なお、表面、及び裏面に形
成される二酸化珪素膜のパターン61a、及び61b
は、一方の面のパターン61aが他方の面のパターン6
1bを取り囲むように、サイズを若干異ならせて形成さ
れている。
【0022】このようにして二酸化珪素のパターン形成
が終了した段階で、一定温度、例えば80°Cに保温さ
れた濃度17%程度の水酸化カリウムの水溶液を用いて
エッチングを実行すると、二酸化珪素膜のパターン61
a、61bを保護膜として窓63、64の部分だけが、
毎分2μm程度の速度で両面から表面に対して約35度
の面、つまり結晶方位(111)の面に垂直にエッチン
グが進行する。
【0023】ところで、前述したように基板60の表
面、及び裏面に形成されているパターン61a、61b
は、その一方が他方を取り囲むように大き目に設定され
ているため、エッチングが終了した段階では、窓のサイ
ズが大きなパターン61bに一致するサイズの通孔65
が形成される(図10(d))。この結果、表裏のパタ
ーンの若干の位置ずれが生じたとしても、少なくとも外
側に位置するパターンのエッジがエッチング面となるの
で、エッチング位置の管理を行うことが可能となる。
【0024】すなわち、図11に示したようにサイズが
等しいパターン70、71を基板72の表裏に形成した
場合、これらパターンがずれていると、表裏で対向する
パターンの内の形成すべき通孔73の外側に位置するパ
ターン70a、71aの境界に一致して壁面72a、7
2bが形成されるため、パターン70、71により規定
されるサイズとは異なるサイズの通孔73が形成される
ことになり、通孔のサイズや、エッチング面の位置を管
理することが不可能となる。
【0025】このようにして通孔65が形成された段階
で、マスクとして使用した二酸化珪素膜61a、61b
をフッ化水素により除去した後、再び熱酸化を行って露
出面、全面に保護膜として十分な厚み、例えば1μm程
度の二酸化珪素66を形成して、インクに対する保護膜
とする(図10(e))。
【0026】ところで、このような結晶方位(110)
の単結晶シリコン基板に対して異方性エッチングを実行
すると、目的のパターンに至る過程では、図12に示し
たように結晶方位(110)に対して約35度の角度、
つまり結晶方位(111)の面に一致してエッチングが
進行する。
【0027】このような性質を積極的に利用するため、
図13(イ)に示したように圧力発生室となる通孔5の
ノズル開口が対向する側の約1/2の領域は、その壁面
を規定するエッチングパターン80の境界線80aを他
方の壁面5aとなる側へ変移させて形成しておく。また
インク供給口となる通孔7を形成する壁面の内、圧力発
生室となる通孔5の壁面5aと一直線上に位置する壁面
7aに対向する側の壁面7bには、これから通孔5側に
延長された剣状のエッチング保護パターン81を、さら
にリザーバとなる通孔6には、やはりインク供給口7を
形成している各壁面7a、7bに一致する剣状のエッチ
ング保護パターン82、83を形成しておく。
【0028】上述のように形成したエッチングパターン
を用いて異方性エッチングを実行すると、通孔5の形成
にあたってはパターン80がエッジ部80bを備えてい
るため、このエッジ部80bのエッチングが壁面5bに
対して所定の角度θ、約35度で進行する。このためノ
ズル開口に対向する領域までエッチングが進行すると、
先端の壁面5hに対して鈍角で接する壁面5fが形成さ
れることになる。この結果、ノズル開口2とこれに対向
する壁面5a、5b、5f、5g、5hとの距離が可及
的に均等になる。またインク供給口と圧力発生室、及び
インク供給口とリザーバとの接続点におけるエッチング
の進行を、インクの流れに対して隘路となるインク供給
口の流入口、流出口でのインクの流れの停滞を防止でき
る程度に拡開させる程度で停止させ、インク供給口とし
て適正な流体抵抗を確保することができる。
【0029】一方、インク供給口となる通孔7のエッチ
ング時には、その端部が壁面から延長して形成された剣
状のエッチング保護パターン81、82、83の領域が
エッチングを受けるため(図13(ロ))、最終段階、
つまり両面からのエッチングにより貫通孔が形成され、
さらに目的の形状までエッチングが進んだ段階では、図
8に示したようにインク供給口となる通孔7の圧力発生
室側には、壁面5c、及び壁面7bに対して角度θ1=
30度前後の角度を持つ壁面5d、5eが形成され、ま
たリザーバ側には壁面6a、7aに対して角度θ1=3
0度前後の角度を持つ壁面6b、6cが形成されること
になる。この結果、インク供給口の流入口と排出口には
拡開した開口が形成されることになり、リザーバから圧
力発生室へのインクの流入がスムースに行なわれ、気泡
の停滞が防止される。
【0030】図14は、1つのリザーバにより2列の圧
力発生室にインクを供給する場合の、リザーバとなる通
孔6側のパターンを拡大して示すもので、各列に配置さ
れているノズルがそれぞれ若干位置をずらして構成され
ている関係上、各列の圧力発生室のインク供給口となる
通孔7、7、7‥‥、及び7’、7’、7’‥‥から延
長された剣状のパターン82、82、82‥‥、83、
83、83‥‥、及び82’、82’、82’‥‥、8
3’、83’、83’‥‥が殆んどラップすることなく
形成できる。
【0031】図15(イ)は、異方性エッチングのパタ
ーンの他の実施例を示すものであって、この実施例にお
いては、インク供給口となる通孔7とリザーバとなる通
孔6との接続点を、細いパターンからなる連続部85と
して形成し、ここから1本の剣状のエッチング保護パタ
ーン86をインク供給口となる通孔7の軸線方向に延長
して形成したものである。この実施例のエッチングパタ
ーンによれば、インク供給口7とリザーバとなる通孔6
との接続点が連続部85により阻止されるから、1本の
剣状部86により無用なエッチングの進行を阻止するこ
とが可能となる。
【0032】この実施例によれば、前述したような1つ
のリザーバにより2列の圧力発生室にインクを供給する
場合、図16に示したようにリザーバとなる通孔6側に
形成するインク供給口を形成する通孔7、7、7‥‥、
及び7’、7’、7’‥‥の先端にそれぞれ連続部とな
るエッチング保護パターン85、85、85‥‥、及び
85’、85’、85’‥‥を形成し、ここから各イン
ク供給口となる通孔7、7、7‥‥、及び7’、7’、
7’‥‥に一致するようにそれぞれ1本の剣状のエッチ
ング保護パターン86、86、86‥‥、86’、8
6’、86’‥‥を形成すればよく、このため各ノズル
列のノズルがずらされている場合には、剣状のエッチン
グ保護パターン86、86、86‥‥、及び86’、8
6’86’をラップさせることなく、平面に展開して配
置することができる。
【0033】図17は、本発明のインクジェット式記録
ヘッドの第2の実施例をスペーサに形成する圧力発生室
とインク供給口の接続領域近傍の形状で示すものであっ
て、図中符号90は、圧力発生室を形成する通孔で、こ
の実施例においては、リザーバを形成する通孔91と接
続するインク供給口をなす通孔92を、圧力発生室を区
画する長手方向の壁面90a、90bから斜めに延びる
壁面90c、90dを形成し、圧力発生室のほぼ中心線
上で接続するように構成されている。この実施例によれ
ばリザーバからのインクを圧力発生室の端部中央で拡開
する壁面90c、及び90dとエッチングの過程で形成
される結晶軸に沿って自然発生的に生じる壁面90e、
90fから供給することができるため、インクの流れを
より一層円滑して、淀みを無くすることができる。
【0034】
【発明の効果】以上、説明したように請求項1の発明に
よれば、スペーサは、結晶方位(110)のシリコン単
結晶基板を異方性エッチングすることにより形成され、
前記圧力発生室を形成する通孔のノズル開口近傍の端部
が、相互に平行な2つの壁面と、前記平行な壁を閉じる
ように互いに鈍角で接する3つの壁面とで形成されてい
るので、インクが停滞しやすいノズル開口近傍が鈍角の
壁面で区画されて滑らかな形状となり、インクの流れを
スムーズにできてノズル開口近傍の気胞の停滞を防止す
ることができる。また請求項の発明によれば、スペー
サは、結晶方位(110)のシリコン単結晶異方性エッ
チングにより形成され、インク供給口を形成する通孔の
リザーバに接続する端面、及び圧力発生室に接続する端
部の一方の壁面がそれぞれ2つの壁面により拡開状態に
形成されているので、インクの流れに対して隘路となる
インク供給口の流入ロ、流出口でのインクの流れの停滞
を防止でき、インク供給口として適正な流体抵抗を確保
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット式記録ヘッドの一実施
例を示す組み立て図である。
【図2】同上装置に使用するスペーサの一実施例を示す
平面図である。
【図3】同上装置に使用する振動板の一実施例を示す図
である。
【図4】同上装置に使用する圧電振動子ユニットの一実
施例を示す斜視図である。
【図5】同上圧電振動子の電極構造を示す図である。
【図6】本発明の記録ヘッドの一実施例を圧力発生室を
拡大して示す断面図である。
【図7】同図(イ)、(ロ)は、それぞれ同上スペーサ
の圧力発生室近傍を拡大して示す図、及びノズルプレー
ト、振動板、振動子を固定した場合におけるノズル開
口、アイランド部、及び圧電振動子の位置関係を示す図
である。。
【図8】通孔を形成する各壁面のなす角度を示す図であ
る。
【図9】圧力発生室を構成する通孔のノズル開口近傍の
断面形状を示す図である。
【図10】結晶方位(110)を持つシリコン単結晶基
板を異方性エッチングしてスペーサを製造する工程を示
す説明図である。
【図11】結晶方位(110)を異方性エッチングする
場合に使用する表裏両面に形成されたエッチングパター
ンの位置ずれによるエッチング状況を示す説明図であ
る。
【図12】結晶方位(110)をもつシリコン単結晶基
板の異方性エッチングの進行過程を示す図である。
【図13】同図(イ)、(ロ)は、それぞれシリコン単
結晶基板を異方性エッチングによりスペーサを形成する
場合のパターンの一実施例、及びエッチング終了間際の
状態を示す図である。
【図14】1つのリザーバにより2列の圧力発生室にイ
ンクを供給する場合のリザーバ側のエッチングパターン
の一実施例を拡大して示す図である。
【図15】同図(イ)、(ロ)は、それぞれ異方性エッ
チングに用いるパターンの他の実施例、及びエッチング
終了間際の状態を示す図である。
【図16】1つのリザーバにより2列の圧力発生室にイ
ンクを供給する場合のリザーバ側のエッチングパターン
の他の実施例を拡大して示す図である。
【図17】本発明の他の実施例を通孔の形状で示す図で
ある。
【符号の説明】
1 ノズルプレート 2 ノズル開口 3 ノズル開口列 4 振動板 5 圧力発生室形成用通孔 5a〜5h 圧力発生室を形成する通孔を区画する壁面 6 リザーバ形成用通孔 6a〜6c リザーバを形成する通孔を区画する壁面 7 インク供給口形成用通孔 7a、7b 壁面 10 振動板 11 アイランド部 21 圧電振動子ユニット 30 圧電振動子
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/045 B41J 2/055 B41J 2/16

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部からインクの供給を受けるリザー
    バ、ノズル開口に連通する圧力発生室、及び前記リザー
    バと圧力発生室とを接続するインク供給口を形成する通
    孔を備えたスペーサと、前記スペーサの開口面を封止す
    る蓋部材と、前記圧力発生室のインクを加圧する圧力発
    生手段とを備えたインクジェット式記録ヘッドにおい
    て、 前記スペーサは、結晶方位(110)のシリコン単結晶
    基板を異方性エッチングすることにより形成され、 前記圧力発生室を形成する通孔のノズル開口近傍の端部
    が、相互に平行な2つの壁面と、前記平行な壁を閉じる
    ように互いに鈍角で接する3つの壁面とで形成されてい
    るインクジェット式記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記相互に平行な2つの壁面と、前記平
    行な壁を閉じるように互いに鈍角で接する3つの壁面
    は、前記シリコン単結晶基板の面に対して垂直に形成さ
    れている請求項1に記載のインクジェット式記録ヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 前記平行な壁を閉じるように互いに鈍角
    で接する3つの壁面のうち、1つの壁面には前記シリコ
    ン単結晶基板の表面に対して斜めの壁が形成されている
    請求項1に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記圧力発生室を形成する通孔を区画す
    る壁面の1つと、前記インク供給口を形成する通孔を区
    画する壁面とが同一壁面として形成されている請求項1
    乃至請求項3のいずれかに記載のインクジェット式記録
    ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記インク供給口が、前記圧力室の幅方
    向の略中心線上に形成されている請求項1乃至請求項3
    のいずれかに記載のインクジェット式記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記通孔の周囲には余剰の接着剤を収容
    できる容積を備えた矩形状の凹部が複数形成されている
    請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のインクジェッ
    ト式記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 外部からインクの供給を受けるリザー
    バ、ノズル開口に連通する圧力発生室、及び前記リザー
    バと圧力発生室とを接続するインク供給口を形成する通
    孔を備えたスペーサと、前記スペーサの開口面を封止す
    る蓋部材と、前記圧力発生室のインクを加圧する圧力発
    生手段とを備えたインクジェット式記録ヘッドにおい
    て、 前記スペーサは、結晶方位(110)のシリコン単結晶
    基板を異方性エッチングすることにより形成され、 前記インク供給口を形成する通孔のリザーバに接続する
    端面、及び前記圧力発生室に接続する端部の一方の壁面
    がそれぞれ2つの壁面により拡開状態に形成されている
    インクジェット式記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記圧力発生室を形成する通孔を区画す
    る壁面の1つと、前記インク供給口を形成する通孔を区
    画する壁面が同一壁面として形成されている請求項7に
    記載のインクジェット式記録ヘッド。
  9. 【請求項9】 前記インク供給口が、前記圧力室の幅方
    向の略中心線上に形成されている請求項7に記載のイン
    クジェット式記録ヘッド。
  10. 【請求項10】 前記通孔の周囲には余剰の接着剤を収
    容できる容積を備えた矩形状の凹部が複数形成されてい
    る請求項7乃至請求項9のいずれかに記載のインクジェ
    ット式記録ヘッド。
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