JPH09248885A - レトルト用ポリオレフィンフィルム - Google Patents

レトルト用ポリオレフィンフィルム

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JPH09248885A
JPH09248885A JP8088743A JP8874396A JPH09248885A JP H09248885 A JPH09248885 A JP H09248885A JP 8088743 A JP8088743 A JP 8088743A JP 8874396 A JP8874396 A JP 8874396A JP H09248885 A JPH09248885 A JP H09248885A
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JP
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film
retort
copolymer
propylene
weight
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JP8088743A
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Kokichi Hashimoto
幸吉 橋本
Masayoshi Asakura
正芳 朝倉
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Toray Advanced Film Co Ltd
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Toray Plastic Films Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温ヒートシール性、セミレトルト耐熱性、
透明性を保持しつつ低温での耐衝撃性に優れたレトルト
用ポリオレフィンフィルムを提供する。 【解決手段】 融点が140〜165℃のプロピレン・
エチレンブロック共重合体を主成分とするポリオレフィ
ン(a)50〜80重量%と融点が130〜150℃の
プロピレン共重合体(b)50〜20重量%からなる混
合樹脂100重量部に熱可塑性エラストマー(c)を3
〜20重量部配合してなることを特徴とするレトルト用
ポリオレフィンフィルムおよびその積層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レトルト用ポリオ
レフィンフィルムに関するものである。さらに詳しく
は、基材と積層するシートとして、レトルト包装袋に用
いる場合のヒートシール層に用いられるフィルムに関す
るもので、安定した低温ヒートシール性、透明性および
低温での耐衝撃性に優れ、低温での落袋時の破袋し難い
レトルト用包装フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の、レトルト用ポリプロピレン系フ
ィルムは、160℃付近に融点を持つプロピレン・エチ
レンブロック共重合体を主成分としたハイレトルト用
(130〜135℃の高温殺菌処理)タイプとプロピレ
ン・エチレンランダム共重合体を主成分としたセミレト
ルト用(120℃付近での殺菌処理)タイプに大別する
ことができる。
【0003】プロピレン・エチレンブロック共重合体を
主成分としたハイレトルト用フィルムは、低温での耐衝
撃性および耐熱性に優れるが、フィルム自身が不透明で
あるため透明性を要求される用途には使用できなかっ
た。また、ナイロンフィルムとラミネートして包装袋と
したときに、所望するヒートシール強度を得ることが困
難であった。
【0004】また、プロピレン・エチレンランダム共重
合体を主成分としたセミレトルト用フィルムは、透明性
および、ナイロンフィルムとラミネートして包装袋とし
たときに所望するヒートシール強度を得ることはできる
が、低温下(−5〜5℃付近)で耐衝撃性が急激に低下
しやすいため、このフィルムを用いた包装袋を寒冷地で
使用した場合には、落袋により破袋が生じる危険性が大
きいという欠点を有することが一般に知られている。
【0005】これらの問題点を一挙に解決するために、
例えば特開昭59−115312号公報にみられるよう
な柔軟樹脂の共重合化あるいは特開昭62−3951号
公報にみられるような複合化が行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術では、セミレトルト用フィルムに必要とされる
特性、すなわち安定したヒートシール性、セミレトルト
耐熱性、透明性、低温での耐衝撃性を一挙に解決するこ
とは難しいのが現状である。
【0007】本発明者らは、レトルト処理に耐える耐
熱性を有していること、低温での耐衝撃性に優れてい
ること、安定したヒートシール強度を有すること、
透明性を有すること、食品衛生性に優れていること、
などレトルト用フィルムとして要求される特性を同時に
満足し、特に、寒冷地での使用を考慮し、種々のポリオ
レフィン系フィルムについて低温における耐衝撃性を検
討した。
【0008】
【課題を解決するための手段】これらの要求特性を一挙
に解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した
ものである。すなわち、本発明は、融点が140〜16
5℃のプロピレン・エチレンブロック共重合体を主成分
とするポリオレフィン(a)50〜80重量%と融点が
130〜150℃のプロピレン共重合体(b)50〜2
0重量%からなる混合樹脂100重量部に熱可塑性エラ
ストマー(c)を3〜20重量部配合してなることを特
徴とするレトルト用ポリオレフィンフィルムを提供する
ものである。
【0009】上記フィルムにおいては、該フィルムの少
なくとも片面に、好ましくは両面に融点が135〜15
0℃のプロピレン共重合体(d)を主成分とする樹脂層
を積層することが望ましい。また、0℃雰囲気下におけ
る1000回繰り返し屈曲疲労テストにおけるピンホー
ルの発生個数が5個以下であることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるプロピレン・
エチレンブロック共重合体を主成分とするポリオレフィ
ン(a)とは、豊富な量のプロピレンと少量のエチレン
および/またはα−オレフィンとの共重合体成分と、少
量のプロピレンと豊富なエチレンとの共重合体成分とが
ブロック的に共重合したものであり、それぞれの共重合
組成、ブロックの分子量は重合段階で制御できる。一般
的には、特開昭59−115312号公報に示されるよ
うに2段以上の重合方法によって得ることができる。特
に本発明では限定されるものではないが、プロピレン・
エチレンブロック共重合体の融点(示差走査型熱量計で
の結晶融解時の最大ピークの頂点温度)は、豊富な量の
プロピレンと少量のエチレンおよび/またはα−オレフ
ィンとの共重合体成分のポリプロピレン成分量で変化
し、その値は140〜165℃の範囲で変化できる。
【0011】また、プロピレン・エチレンブロック共重
合体を主成分とするポリオレフィン(a)のエチレン量
は、特に限定されないが、低温耐衝撃性の点で2〜17
重量%が好ましく、さらに10重量%以下が好ましい。
【0012】さらに、プロピレン・エチレンブロック共
重合体を主成分とするポリオレフィン(a)は、融点が
140〜165℃の範囲とされる。165℃を越える場
合はフィルムの透明性が劣りやすくなり、また、ヒート
シール温度が高くなるので好ましくない。140℃未満
では低温での耐衝撃性が劣りやすくなるので好ましくな
い。
【0013】本発明で使用されるプロピレン共重合体
(b)とは、その融点が130〜150℃の範囲にあ
り、プロピレンとα−オレフィンモノマーとのランダム
共重合体である。α−オレフィンモノマーとしては、エ
チレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテ
ン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等を用いることが
でき、エチレン、ブテン−1が特に好ましい。また、本
発明範囲の融点を有する共重合体は、各種の方法によ
り、1種以上のα−オレフィンモノマーを2〜15重量
%の範囲で共重合したプロピレンから入手可能である。
メルトフローインデックス(MI)は、低温での耐衝撃
性の点で1〜10g/10分の範囲が好ましく、より好
ましくは2〜5g/10分である。本発明のポリプロピ
レン共重合体(b)の融点が150℃を越える場合はフ
ィルムの透明性が劣りやすくなり、また、ヒートシール
温度が高くなるので好ましくない。
【0014】本発明のレトルト用ポリオレフィンフィル
ムのプロピレン・エチレンブロック共重合体を主成分と
するポリオレフィン(a)とポリプロピレン共重合体
(b)との樹脂組成比は、(a)としては、(a)+
(b)の総和の50〜80重量%であり、(b)として
は、(a)+(b)の総和の50〜20重量%である。
プロピレン・エチレンブロック共重合体を主成分とする
ポリオレフィン(a)およびポリプロピレン共重合体
(b)のそれぞれの融点および組成比から相反するレト
ルト耐熱性と低温でのヒートシール性とのバランスの良
い組み合わせのものを適宜選択することができる。低温
での耐衝撃性、低温でのヒートシール性、透明性、レト
ルト耐熱性のバランスの点から、(a)成分が55〜7
0重量%の範囲が特に好ましい。(a)成分が本発明の
範囲未満ではレトルト耐熱性や低温での耐衝撃性が劣り
やすくなる。また、(a)成分が本発明の範囲を越える
場合は透明性が劣りやすくなり、ヒートシール温度が高
くなるので好ましくない。
【0015】本発明で使用される熱可塑性エラストマー
(c)としては、エチレン・プロピレン共重合体(EP
R)、エチレン・ブテン共重合体(EBR)、エチレン
・酢酸ビニル共重合体(EVA)、水添ブロック共重合
体などの1種以上の熱可塑性エラストマーが3〜20重
量部の範囲で添加される。好ましくは5〜15重量部の
範囲が望ましい。上記範囲未満であると低温での耐衝撃
性が劣るので好ましくなく、この範囲を越えると溶剤な
どでの抽出量が多くなり易くなるので食品衛生上問題と
なる場合がある。水添ブロック共重合体とは、少なくと
も1個のビニール芳香族化合物を主成分とする重合体ブ
ロックAと少なくとも1個の水素添加された共役ジエン
化合物を主成分とする共重合体ブロックBとからなる構
造を有しており、例えばA−B−A、B−A−B−A、
B−A−B−A−Bおよびこれらの混合物等からなる水
添ブロック共重合体である。そして、該水添ブロック共
重合体としては、ビニル芳香族化合物を10〜40重量
%含むものを用いることができる。
【0016】該水添ブロック共重合体を構成するビニル
芳香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチルス
チレン等を用いることができ、特にスチレンが好まし
い。また、水素添加された共役ジエン化合物を構成する
水添前の共役ジエン化合物としては、例えばブタジエ
ン、イソプレン、1−3ペンタジエンを用いることがで
き、特にブタジエンが好ましい。ビニル芳香族化合物−
共役ジエン化合物ブロック共重合体の共役ジエン化合物
に基づく脂肪族2重結合の80%、好ましくは90%以
上水素添加し、オレフィン系化合物重合体ブロックBと
したものが好ましい。代表的な共重合体例としてスチレ
ン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体をが挙げる
ことができ、スチレンの共重合量としては、10〜30
重量%のものが好ましい。透明性の点からは、10〜2
0重量%のものが好ましく、EPR、EBRの方がより
好ましい。また、熱可塑性エラストマー(c)は、耐衝
撃性の点からは、SEBS、EPRが好ましい。熱可塑
性エラストマー(c)のメルトフローインデックス(M
I)は、低温での耐衝撃性の点で5g/10分以下が好
ましく、好適には0.2〜5g/10分である。
【0017】本発明のフィルムの両面に積層するポリプ
ロピレン共重合体(d)は、融点が135〜150℃の
プロピレンとα−オレフィンモノマーとのランダム共重
合体であり、α−オレフィンモノマーとしては、エチレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−
1、ヘキセン−1、オクテン−1等を用いることがで
き、中でもエチレン、ブテン−1が特に好ましい。ま
た、本発明の範囲の融点を有する共重合体は各種の方法
により1種以上のα−オレフィンモノマーを2〜15重
量%の範囲で共重合したプロピレンから入手可能であ
る。メルトフローインデックス(MI)は、低温での耐
衝撃性の点で1〜10g/10分の範囲が好ましく、よ
り好ましくは2〜7g/10分である。本発明のポリプ
ロピレン共重合体(d)の融点が135℃未満である場
合は、セミレトルト耐性が劣りやすく、逆に150℃を
越える場合はフィルムの透明性が劣りやすくなり、ま
た、ヒートシール温度が高くなるので好ましくない。ま
た、積層樹脂に使用するポリプロピレン共重合体の融点
は、前記したポリプロピレン共重合体(b)の融点と同
一の樹脂であっても、また共重合モノマー、共重合量を
変更して融点が異なるものでもよいが、融点が同一の樹
脂を使用する方が生産上好ましい。さらに、中心層のフ
ィルムがプロピレン・エチレンブロック共重合体を主成
分とするポリオレフィン(a)の単独組成では、ポリプ
ロピレン共重合体(d)を両面に積層したフィルムを製
袋し、低温での落袋破袋テストを行った場合、積層した
層が劈開等破袋を生じやすいが、基材フィルムに本発明
で特定した範囲のポリプロピレン共重合体(b)を添加
し、(b)と同一樹脂を積層することで、耐衝撃性が向
上するので、(b)と同一の方がより好ましい。積層す
る樹脂は、ポリプロピレン共重合体(d)に前述の熱可
塑性エラストマー(c)を15重量%以下で添加した樹
脂とするのが好ましい。
【0018】本発明に使用されるレトルト用ポリオレフ
ィンフィルムは、0℃雰囲気下における1000回繰り
返し屈曲疲労テストにおけるピンホールの発生個数が5
個以下であることが好ましい。ピンホールの発生個数が
5個を越えると耐ピンホール性に劣り、低温にでの落袋
時の破袋が発生しやすい。
【0019】本発明のフィルムには、本発明による効果
を失わない限り、必要に応じて、熱安定剤、酸化防止
剤、無機・有機の滑剤、帯電防止剤等を含有せしめるこ
とができる。
【0020】また、本発明のフィルムの表面には、ナイ
ロン二軸延伸フィルム、ポリエチレンテレフタレート二
軸延伸フィルム等と接着剤を介してラミネートする面の
接着性等を増すために、必要に応じて、表面処理を施す
ことができる。その表面は、物理的あるいは化学的に表
面処理されていることが好ましい。かかる表面処理法と
しては、例えば、放電処理、プラズマ処理等の電気的表
面処理や、酸処理、アルカリ処理等の化学薬品処理等を
例示することができ、これらを単独で、あるいは複合し
て用いることができる。
【0021】本発明のフィルム厚みは30〜500μm
の範囲が好ましい。また、積層フィルムでは、表面層と
中心層の厚み構成比は1:1〜1:50の範囲が好まし
い。
【0022】次に、本発明のフィルムの製造方法につい
て説明する。まず、本発明に係る樹脂を所定の組成比に
混合した原料を準備し、押出機に供給し、230〜28
0℃の温度で溶融押出し、濾過フィルターを経た後、口
金からシート状に成形し金属ドラムに巻き付けて冷却固
化せしめ、レトルト用ポリオレフィンフィルムとする。
このとき、冷却用の金属ドラムの温度を20〜55℃と
する。
【0023】このような本発明のフィルムによれば、特
定のプロピレン・エチレンブロック共重合体と特定のプ
ロピレン共重合体とを特定の範囲に調製し、熱可塑性エ
ラストマーを特定の範囲で添加すること、あるいは積層
フィルムとすることで、安定した低温ヒートシール性、
セミレトルト耐熱性、透明性を保持しつつ、従来では到
達し得なかった低温での耐衝撃性を、一挙に解決するこ
とができる。
【0024】本発明において用いた特性値は、次の測定
法による。 (1)融点(Tm) 昇温スピード10℃/分の条件にて示差走査型熱量計
(DSC)にて測定したチャートの結晶融解時の最大ピ
ークの頂点温度を融点とした。
【0025】(2)メルトフローインデックス(MI) JIS−K−6758に準じて測定した。
【0026】(3)フィルムの透明性(ヘイズ) 厚み60μmのフィルムをASTM−D1003−52
に準じて測定し、次の基準で評価した。 ○: トータルヘイズが15%未満のもの △: トータルヘイズが15〜20%で、実用可能なも
の ×: トータルヘイズが20%を超え、実用不可なもの
【0027】(4)低温耐ピンホール性(繰り返し屈曲
疲労テスト) MIL−B−131Fに示されるFed.Test M
ethod Std.No.101CのMethod2
017に従い、いわゆるゲルボテスターでA4サイズの
大きさのフィルムに0℃雰囲気下で1000回繰り返し
屈曲疲労を加えた後、フィルムに発生するピンホールの
個数をその値とする。
【0028】(5)フィルムのレトルト耐熱性 厚み60μmのフィルムを幅30mm、長さ120mm
に2枚切り出し、紙を幅40mm、長さ80mmに切
り、その紙を先に2枚に切ったフィルムを重ねた間の長
手方向の端に寄せて挟み、紙を挟んでない部分(幅30
mm×長さ40mm)に500gの荷重(底面積幅30
mm×長さ40mm)をおいて120℃×30分のレト
ルト殺菌を行った後、冷却し、挟んだ紙を取り除き、引
張試験機で300mm/分の速度で180゜剥離強度を
測定する。n数は5とする。評価基準は次の通りとし
た。 ○: レトルト殺菌後の180゜剥離強度が150g/
30mm未満のもの △: レトルト殺菌後の180゜剥離強度が150〜2
50g/30mmであるが、実用可能なもの ×: レトルト殺菌後の180゜剥離強度が250g/
30mmを越え、実用不可なもの
【0029】(6)フィルムの低温ヒートシール性 厚み60μmのフィルムの片面に濡れ張力48dyne
/cm以下となるように放電処理を行い、その面にポリ
ウレタン系接着剤を用い、支持体フィルム(二軸延伸ナ
イロン−6フィルム、厚み15μm)とラミネートした
後、40℃で5日間エージング硬化した。該フィルムを
150℃の温度の熱板間で1秒加熱圧着した後、幅15
mmに切り出し、引張試験機で300mm/分の速度で
ヒートシール部の剥離強度を測定する。n数は5とす
る。評価基準は次の通りとした。 ○: ヒートシ−ル力が5kg/15mmを超えるもの △: ヒートシール力が3〜5kg/15mmである
が、実用可能なもの ×: ヒートシール力が3kg/15mm未満で、実用
不可なもの
【0030】(7)低温での落袋破袋テスト 厚み60μmのフィルムの片面に濡れ張力48dyne
/cm以下になるように放電処理を行い、その面にポリ
ウレタン系接着剤を用い、支持体フィルム(二軸延伸ナ
イロン−6フィルム、厚み15μm)とラミネートした
後、40℃で、5日間エージング硬化した。フィルムを
内面として150mm×200mmの三方シール袋を作
製し、3重量%食塩水を250ml充填封入し、残る一
方をヒートシールし、120℃で30分のレトルト殺菌
を行ってから、0℃冷凍庫内に12時間以上保持した
後、0℃雰囲気下において1.25mの高さからコンク
リート面へ垂直落下させ、そのときの破袋率で示した。
n数は20個とした。評価基準は次の通りとした。 ○: 破袋率が5%未満であるもの △: 破袋率が5〜15%であるが実用可能なもの ×: 破袋率が15%を超え、実用不可なもの
【0031】
【実施例】次に、本発明を実施例により説明する。 実施例1〜5、比較例1〜6 エチレン量10重量%、メルトフローインデックス(M
I)2g/10分のプロピレン・エチレンブロック共重
合体(a)と、プロピレン共重合体(b)としてプロピ
レン・エチレンランダム共重合体(エチレン量=3.7
重量%、融点=141℃、MI=3.5/10分)とを
用い、熱可塑性エラストマー(c)として三井石油化学
(株)製の“タフマー”PO280(EPR)、“タフ
マー”A4085(EBR)を表1に示すように配合し
て、押出機に供給し、260℃の温度で溶融押出し、ス
リット状吐出口を有する口金に導いてシート状に吐出、
成形した後、表面温度が40℃の金属ドラムに巻き付け
て冷却し、ポリオレフィンフィルムに成形した。フィル
ムには樹脂量に対し、有機滑剤としてオレフィン酸アミ
ド0.2重量%、無機滑剤として微粒子シリカ(粒径2
μm)0.2重量%添加し、フィルムの厚みは60μm
となるように調節した。得られたフィルムの特性を表1
に示す。
【0032】実施例6 プロピレン共重合体(d)を主成分とする積層樹脂とし
て、エチレン量3.5重量%共重合したポリプロピレン
ランダム共重合体(融点142℃)に“タフマ”P02
80を12重量%混合した樹脂と実施例1の樹脂混合物
を各々の押出機に供給し、260℃の温度でそれぞれ溶
融押出し、ポリマー管内で樹脂(d)を主成分とする樹
脂層/中心層フィルム/(d)を主成分とする樹脂層の
構成になるように合流し、口金からシート状に吐出、形
成し、金属ドラムに巻き付けて冷却固化せしめ、積層さ
れたレトルト用ポリオレフィンフィルムとした。金属ド
ラム表面温度、滑剤の添加量は実施例1と同様とし、フ
ィルム厚みは60μmとし、その構成は5/50/5μ
mとした。得られたフィルムの特性を表1に示す。
【0033】得られたフィルムの特性を評価したとこ
ろ、表1に見られるように実施例1〜実施例6はレトル
ト耐熱性、透明性、低温ヒートシール性の必要特性に加
え、0℃雰囲気中における1000回繰り返し屈曲疲労
テストにおけるピンホール発生個数が5個以下で、低温
での落袋特性が大幅に改善された、優れたフィルムであ
り、セミレトルト用フィルムとしての必要特性を供えて
いるものであった。また、実施例6の積層フィルムの落
袋破袋テストでは、積層した層の劈開破袋もなく、低温
での落袋特性が大幅に優れたセミレトルト用フィルムと
しての必要特性を供えていた。
【0034】これに比べ、比較例1、比較例2、比較例
3では、エチレン・プロピレンブロック共重合体(b−
EPC)とプロピレン共重合体(EPC)との組成比が
低いため、0℃雰囲気中での1000回繰り返し屈曲疲
労テストにおけるピンホール発生個数が多く、低温での
落袋特性が悪いものであった。これとは逆にb−EPC
90重量%とEPC10重量%の比較例4、b−EPC
100重量%の比較例5および熱可塑性エラストマー無
添加の比較例6は、低温ヒートシール性および透明性に
劣っていた。
【0035】
【表1】
【0036】本発明のレトルト用ポリオレフィンフィル
ムによるときは、混合する樹脂および添加量を特定の範
囲としたこと、あるいは積層フィルムとすることで、低
温ヒートシール性、セミレトルト耐熱性、透明性を同時
に満足し、さらに低温での耐ピンホール性に優れたフィ
ルムとしたことで、低温での落袋時の破袋が起こり難い
レトルト用フィルムを得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が140〜165℃のプロピレン・
    エチレンブロック共重合体を主成分とするポリオレフィ
    ン(a)50〜80重量%と融点が130〜150℃の
    プロピレン共重合体(b)50〜20重量%からなる混
    合樹脂100重量部に熱可塑性エラストマー(c)を3
    〜20重量部配合してなることを特徴とするレトルト用
    ポリオレフィンフィルム。
  2. 【請求項2】 フィルムの少なくとも片面に融点が13
    5〜150℃のプロピレン共重合体(d)を主成分とす
    る樹脂層が積層されている、請求項1に記載のレトルト
    用ポリオレフィンフィルム。
  3. 【請求項3】 0℃雰囲気下における1000回繰り返
    し屈曲疲労テストにおけるピンホールの発生個数が5個
    以下である、請求項1または2に記載のレトルト用ポリ
    オレフィンフィルム。
JP8088743A 1996-03-18 1996-03-18 レトルト用ポリオレフィンフィルム Pending JPH09248885A (ja)

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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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