JPH09248460A - 重質油の水素化処理用触媒および水素化処理方法 - Google Patents

重質油の水素化処理用触媒および水素化処理方法

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JPH09248460A
JPH09248460A JP8084510A JP8451096A JPH09248460A JP H09248460 A JPH09248460 A JP H09248460A JP 8084510 A JP8084510 A JP 8084510A JP 8451096 A JP8451096 A JP 8451096A JP H09248460 A JPH09248460 A JP H09248460A
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JP
Japan
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catalyst
weight
heavy oil
stage
pores
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JP8084510A
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Tateo Imagishi
健郎 今岸
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Original Assignee
Japan Energy Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 前段のガード触媒である脱メタル触媒で十分
脱メタルできないメタル分を除去するとともに、かつ高
い、脱硫、脱窒素等の水素化精製や水素化分解活性を有
し、後段の水素化精製、軽質化機能に優れた触媒の寿命
を延ばすとともに、重質油の処理量の増加を図ることが
できる前記前段と後段との間に用いることができる水素
化処理用触媒を提供すること。 【解決手段】 酸化亜鉛を2〜10重量%含むアルミナ
担体に周期律表第VI族元素を5〜12重量%、第VIII族
元素を0.5〜5重量%の範囲で担持し、かつ窒素吸脱
着法により測定した中央細孔直径が120〜140Åで
あって、直径が20〜600Åの範囲にある細孔が占め
る容積のうち中央細孔直径±10Åの範囲にある細孔が
占める容積が少なくとも25%からなる重質油の水素化
処理用触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バナジウム、ニッ
ケル、鉄等のメタル分を含有した重質油の水素化処理用
触媒およびこの触媒を用いる重質油の水素化処理方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】製油所においては、重質油を、水素化脱
硫、水素化脱窒素、水素化分解などの水素化精製、軽質
化処理を行うことにより付加価値の高い燃料油を得てい
る。このような水素化精製、軽質化処理は、触媒の存在
下に行われるが、重質油中に含まれるバナジウム、ニッ
ケル、鉄等のメタル分は、水素化処理の際に、触媒の活
性点上に堆積し触媒を失活させる。原油の常圧蒸留残油
や減圧蒸留残油等、メタル分が高濃度で含まれる重質油
を水素化処理すると触媒劣化が著しくなり、触媒交換の
ための費用が膨大となる。このため、一般に、脱メタル
機能を有するが、水素化精製、軽質化機能が抑制され
た、いわゆる脱金属触媒をガード触媒として、前段に充
填し、触媒活性を劣化させるメタル分を予め除去した
後、水素化精製、軽質化機能に優れた触媒で、所望の精
製、軽質化を行い、長時間にわたって、安定運転ができ
るようにしている。
【0003】この脱金属触媒を用いた脱メタル反応で
は、取り除かれた原料油中のメタル分が触媒細孔内に堆
積し、新たな原料油の細孔内への拡散が妨げられる。こ
のため、細孔の入口付近の閉塞を防止するために大きな
細孔径を、また、細孔内部の堆積による失活を防ぐため
に大きい細孔容量を有する触媒が用いられている。
【0004】最近、処理原油の劣質化による金属含有量
の増大や水素化脱硫、水素化脱窒素、水素化分解等の触
媒の性能向上による運転期間の延長や運転条件の過酷化
によって、メタル除去能力のさらなる向上が求められ、
原料となる重質油の量も増え、処理量の増加に対処でき
る水素化処理方法が求められていた。
【0005】しかしながら、より重質な、とりわけメタ
ル分の多い原料油を処理する場合に、前段触媒の改良に
よってのみ対応しようとすれば触媒の細孔径および細孔
容積を大きくし、脱メタル活性および脱メタル量を増大
する必要が生じてくる。このためには中央細孔径や細孔
容積の大きな触媒が必要になってくるが、かかる触媒
は、実用上機械的強度が不足し、触媒の充填時あるいは
反応中に触媒が粉化し、反応器中の差圧を上昇させ、装
置の運転を中止せざるを得ない事態が生じるという問題
があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明は、
上記課題を解決するもので、前段のガード触媒である脱
メタル触媒で十分脱メタルできないメタル分を除去する
とともに、かつ高い、脱硫、脱窒素等の水素化精製や水
素化分解活性を有し、後段の水素化精製、軽質化機能に
優れた触媒の寿命を延ばすとともに、重質油の処理量の
増加を図ることができる前記前段と後段との間に用いる
ことができる水素化処理用触媒、および劣質な重質油の
処理量の増加に対処するための水素化処理方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸化亜鉛を2
〜10重量%含むアルミナ担体に周期律表第VI族元素を
5〜12重量%、第VIII族元素を0.5〜5重量%の範
囲で担持し、かつ窒素吸脱着法により測定した中央細孔
直径が120〜140Åであって、直径が20〜600
Åの範囲にある細孔が占める容積のうち中央細孔直径±
10Åの範囲にある細孔が占める容積が少なくとも25
%からなる重質油の水素化処理用触媒である。
【0008】また、他の本発明は、第1段に、担体に周
期律表第VI族元素を1〜10重量%の範囲で担持し、か
つ窒素吸脱着法により測定した中央細孔直径が120〜
190Åである触媒を触媒全体の20〜40重量%用
い、第2段に、前記水素化処理用触媒を触媒全体の25
〜45重量%用い、第3段に、担体に周期律表第VI族元
素を5〜20重量%、第VIII族元素を1〜5重量%の範
囲で担持し、かつ窒素吸脱着法により測定した中央細孔
直径が85〜105Åである触媒を触媒全体の25〜4
5重量%用いることからなる重質油の水素化処理方法で
ある。
【0009】上記本発明にいう窒素吸脱着法とは、窒素
ガスを、加熱、減圧した触媒に物理吸着させ、相対圧
0.05〜0.30の範囲の3点の相対圧から平衡吸着量
を求め、BET式から比表面積を、また圧力を下げて窒素
ガスを脱離させた際の脱離等温線からBJH法を用いて細
孔容積、中央細孔径を算出する方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の重質油の水素化処理用触
媒は、酸化亜鉛を2〜10重量%含むアルミナ担体を用
いるが、アルミナに酸化亜鉛を2重量%以上加えること
により、細孔径の分布を大きい方にシフトさせても触媒
の強度が低下しなくなる。なお、酸化亜鉛を10重量%
以上加えると水素化精製、軽質化機能についての活性が
低下傾向となる。
【0011】この酸化亜鉛を2〜10重量%含むアルミ
ナ担体は、亜鉛原料をアルミナ原料と混合し、好ましく
は、これらの原料の乾燥基準で、5〜15重量%の硝酸
等の解膠剤を加え、適量の水の存在下、好ましくは、乾
燥状態(130℃、6時間)で、混練生成物(ドウ)重
量の48〜58%の範囲になるような水分量で、混練
し、得られたドウを、押出、または射出成形してペレッ
ト状の成型物として得、80〜200℃温度、10分〜
12時間乾燥し、続いて、600〜850℃の温度、3
0〜180分焼成する。
【0012】この場合、亜鉛原料として多種多様のも
の、具体的には、酸化亜鉛、水酸化亜.鉛、さらに各種
の亜鉛塩、例えば、硝酸亜鉛、炭酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢
酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、塩化亜鉛等を用いることができ
る。これらの中でも、酸化亜鉛が好適である。酸化亜鉛
は市販品でも、他の亜鉛化合物から加水分解、乾燥、焼
成を経て製造したものでも良い。なお、これらの亜鉛原
料は、1種で用いても、あるいは2種以上を混合して用
いても良い。
【0013】一方、アルミナ原料としては、従来のアル
ミナ担体やシリカアルミナ、その他アルミナ系の触媒の
調製に用いられる多くの種類のアルミナが使用可能であ
る。具体的には、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウ
ム、水酸化アルミニウム、アルミナ類(例えば、水和ア
ルミナ、アルミナゾル等)、アルミニウムアルコキシ
ド、アルミン酸ナトリウム等を用いることができるが、
これらの中でも、アルミナ類が好適であり、特に水和ア
ルミナが好適である。水和アルミナは市販品でも、他の
アルミニウム化合物から加水分解、乾燥を経て製造した
ものでも良い。なお、これらのアルミナ原料は、1種で
用いても、あるいは2種以上を混合して用いても良い。
【0014】なお、このアルミナ担体には、上記酸化亜
鉛以外にも、シリカ、マグネシア、カルシア、チタニア
等の無機酸化物が5重量%以下であれば含まれていて
も、特に支障はない。
【0015】本発明の触媒は、上記のアルミナ担体に周
期律表第VI族元素を5〜12重量%、第VIII族元素を
0.5〜5重量%の範囲で担持したものであるが、この
場合の第VI族元素としては、モリブデン、タングステン
が好適で、第VIII族元素としては、コバルト、ニッケ
ル、鉄が好適に用いられる。これらの元素は、1種また
は2種以上を組み合わせて用いることができる。第VI族
元素が5重量%以下では、また第VIII族元素が0.5重
量%以下では、触媒の水素化機能に対する活性が十分に
発揮されず、また第VI族元素を12重量%以上、また第
VIII族元素を5重量%以上担持しても、担持量の増加に
比して前記活性は向上せず、経済的でない。
【0016】これらの元素の担持方法については、特に
制限は無く、通常用いられる含浸法、例えば、pore-fil
ling法、加熱含浸法、真空含浸法等、浸漬法、混練法等
の公知の手法を用いて担持できる。元素を担持した後、
80〜200℃の温度、10分〜12時間乾燥し、40
0〜600℃、好ましくは450〜550℃の温度で、
15分〜10時間焼成することにより触媒とすることが
できる。
【0017】本発明の触媒は、特に、窒素吸脱着法によ
り測定した中央細孔直径が120〜140Åであって、
直径が20〜600Åの範囲にある細孔が占める容積の
うち中央細孔直径±10Åの範囲にある細孔が占める容
積が少なくとも25%としたものである。中央細孔直径
が120Å以下であると、脱メタル活性が低く、また、
140Å以上であると、脱硫、脱窒素活性が十分でなく
なる。また、直径が20〜600Åの範囲にある細孔が
占める容積のうち中央細孔直径±10Åの範囲にある細
孔が占める容積が25%以下であれば、脱硫、脱窒素活
性が低くなる。
【0018】このような細孔分布を有する触媒は、特
に、アルミナ担体の製造において、混練工程で、水分
量、温度、時間、混練応力のかけ方等を調整することに
より、調製することができる。
【0019】上記の本発明の水素化処理用触媒は、高い
メタル活性を有するとともに、かつ高い、脱硫、脱窒素
等の水素化精製や水素化分解活性を有するため、重質油
の脱メタルとともに、脱硫、脱窒素等の水素化精製ある
いは軽質化のための水素化処理用触媒として有用なもの
である。なお、この水素化処理用触媒は、反応温度が3
00〜500℃、好ましくは350〜450℃、反応圧
力が、水素圧として20〜250kg/cm2、好ましくは5
0〜200kg/cm2、液空間速度(LHSV)が0.05
〜7hr-1、好ましくは0.1〜2hr-1、水素ガスと原料
油の供給割合(H2/Oil)が300〜3000Nm3/kl、好
ましくは500〜1500Nm3/klで使用することが好適
である。
【0020】一方、本発明の触媒は、水素化脱メタル触
媒と一般に用いられている脱硫、脱窒素等の水素化精製
触媒や水素化分解触媒との間に用いることにより、劣質
な重質油の処理量の増加を図ることができる。
【0021】特に、この場合、水素化脱メタル触媒とし
て、担体に周期律表第VI族元素を1〜10重量%の範囲
で担持し、かつ窒素吸脱着法により測定した中央細孔直
径が120〜190Åである触媒、特には、そのうちで
も、直径が20〜600Åの範囲にある細孔が占める容
積のうち170〜190Åの範囲にある細孔が占める容
積が5〜15%からなる触媒を用いると本発明の効果が
より顕著に生じる。
【0022】この場合の担体としては、アルミナ、ある
いはアルミナに、シリカ、マグネシア、酸化亜鉛等を5
重量%以下添加した原料を、前述したのと同様に硝酸等
の解膠剤を加え、適量の水の存在下、好ましくは、乾燥
状態(130℃、6時間)で、混練生成物(ドウ)重量
の48〜58%の範囲になるような水分量で混練し、得
られたドウを、押出、または射出成形してペレット状の
成型物として得、80〜200℃温度、10分〜12時
間乾燥し、続いて、600〜850℃の温度、30〜1
80分焼成する。この場合、主として、混練条件を調整
することにより、最終触媒の細孔分布が上述した中央細
孔直径を120〜190Å、直径が20〜600Åの範
囲にある細孔が占める容積のうち170〜190Åの範
囲にある細孔が占める容積を5〜15%とすることがで
きる。
【0023】また、この担体上に担持される周期律表第
VI族元素は、特には、モリブデンが好ましい。
【0024】この触媒は、この周期律表第VI族元素以外
に、さらに第VIII族元素、特には、ニッケル、コバル
ト、鉄等を3重量%以下、さらにはリンを5重量%以
下、担持したものを用いてもよい。
【0025】また、後段に用いる脱硫、脱窒素等の水素
化精製触媒として、担体に周期律表第VI族元素を5〜2
0重量%、第VIII族元素を1〜5重量%の範囲で担持
し、かつ窒素吸脱着法により測定した中央細孔直径が8
5〜105Åであり、特には、直径が20〜600Åの
範囲にある細孔が占める容積のうち85〜105Åの範
囲にある細孔が占める容積が30〜50%からなる触媒
を用いると本発明の効果がより顕著に生じる。
【0026】この場合の触媒も上記と同様にして得ら
れ、混練条件を調整することにより、最終触媒の細孔分
布が上述した中央細孔直径を85〜105Å、直径が2
0〜600Åの範囲にある細孔が占める容積のうち85
〜105Åの範囲にある細孔が占める容積を30〜50
%とすることができる。
【0027】この担体上に担持される周期律表第VI族元
素は、特には、モリブデンが、また第VIII族元素は、特
に、ニッケル、コバルトが好ましい。この触媒は、この
周期律表第VI族元素、第VIII族元素以外にも、さらにリ
ンを5重量%以下、担持したものを用いてもよい。
【0028】これらの触媒は、反応塔に、第1段とし
て、上記水素化脱メタル触媒を触媒全体の20〜40重
量%用い、第2段として、本発明の水素化処理用触媒を
触媒全体の25〜45重量%用い、第3段として、上記
水素化精製触媒を触媒全体の25〜45重量%充填して
用いると良い。
【0029】この場合の反応条件は、反応温度が300
〜500℃、好ましくは350〜450℃、反応圧力が
水素圧として20〜250kg/cm2、好ましくは50〜2
00kg/cm2、液空間速度(LHSV)が0.05〜7hr
-1、好ましくは0.1〜2hr-1、水素ガスと原料油の供
給割合(H2/Oil)が300〜3000Nm3/kl、好ましく
は500〜1500Nm3/klの範囲から適宜選定するとよ
い。なお、上記第1〜3段の各触媒床間では、反応条件
を同じとしても、例えば、反応温度等を、違えてもよ
い。
【0030】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を具体
的に説明する。しかし、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0031】(実施例1) [触媒調製]アルミナとして70〜80重量%を含む水
和アルミナ2kgに、61重量%濃度の硝酸319gに酸
化亜鉛粉末93.4gを加えて純水で希釈して液量を1 l
とした溶液を添加し、混練機により、混練状態を見な
がら純水を、全量で1.2 l 添加しながら、2時間混練
を行なった。得られた混練物を押出成形機により、直径
1mmの円柱状に成形し、130℃で10時間乾燥した
後、ロータリーキルンにより、800℃で、1時間焼成
して、酸化亜鉛を含むアルミナ担体を得た。このアルミ
ナ担体は、亜鉛として5重量%含んでいた。
【0032】上記担体160gに、モリブデン酸水溶液
(モリブデン酸アンモニウム6水和物27.65gを担体
160gの吸水量に相当する水に溶解して調製)をスプ
レー法で含浸させた後、130℃で20時間乾燥し、硝
酸ニッケル水溶液(硝酸ニッケル6水和物20.47gを
乾燥担体の吸水量に相当する水に溶解して調製)をスプ
レー法で含浸させた後、130℃で20時間乾燥し、さ
らに500℃で30分焼成することによりモリブデンを
MoO2として12重量%およびニッケルをNiOとして2.8
重量%担持した。
【0033】上記触媒の比表面積、細孔容量、細孔分布
を窒素吸脱着法(マイクロメリテック社製、ASAP2400)
により測定し、BET法およびBJH法を用いることにより算
出した。また、触媒の機械的強度の指標として、SCS
(Side Crushing Strength:側面破壊強度)を、富山産
業社製錠剤破壊強度測定器を用いて測定した。これらの
結果を表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】[性能評価]流通式固定床高圧反応装置を
用い、原料油として中東系常圧蒸留残油と減圧蒸留残油
の重量等量混合油で、表2に示した性状を有する油を用
いて性能評価を行った。
【0036】
【表2】
【0037】反応器の上段に、アルミナ担体にモリブデ
ンをMoO2として4重量%担持し、表3に示した窒素吸脱
着法による細孔分布を有する触媒を25.4g、中段に上
記触媒を36.1g、下段にアルミナ担体にモリブデンを
MoO2として15重量%、ニッケルをNiOとして3.8重量
%、リンをP2O3として6.9重量%担持し、表3に示し
た窒素吸脱着法による細孔分布を有する触媒を54.1g
充填し、反応温度は上段、中段は370〜390℃、下
段は中段に対し、常に、20℃高い温度で、液空間速度
(LHSV)0.5hr-1、水素圧140kg/cm2、水素/
オイル比670l/lで反応試験を行った。
【0038】
【表3】
【0039】中段触媒と下段触媒との間及び下段触媒の
後で、一定時間ごとに生成油をサンプリングし、硫黄分
およびメタル分を測定し、脱硫、脱メタルの反応速度を
求めた。この結果を図1〜4に実線で示した。図1及び
図2は上段と中段の触媒による生成油、すなわち中段触
媒と下段触媒との間でサンプリングした生成油で、図1
が脱硫の反応速度の経時変化、図2が脱メタルの反応速
度の経時変化を、また図3及び図4は、上段、中段及び
下段の触媒による生成油、すなわち下段触媒の後でサン
プリングした生成油で、図3が脱硫の反応速度の経時変
化、図4が脱メタルの反応速度の経時変化を示したもの
である。
【0040】(比較例1)実施例1の中段触媒として、
表1の比較例1に示した物性を有する触媒を、実施例1
の[性能評価]の中段の触媒に代え、他は実施例1と全
く同様の方法で試験した。これらの結果を図1〜4中
に、破線で示した。
【0041】図1から、本発明の触媒を用いると、反応
当初は脱硫活性がやや活性が低いが、反応時間2000
時間の反応中期で逆転しており、脱メタル活性が向上
し、堆積メタル量が多くてもなお失活しないことが分か
る。
【0042】図2から、本発明の触媒は、脱メタル活性
が反応中、つねに高く、また多量のメタルが堆積しても
なお高い脱メタル活性を維持していることが分かる。
【0043】図3から、本発明の触媒を中段触媒として
用いると、反応前期で、前段、中段触媒での脱硫活性が
図1に示したように低いにもかかわらず、脱メタルがよ
り高いレベルで行われて、後段触媒での脱硫が進行しや
すくなっているので、前段、中段、後段触媒のトータル
での脱硫活性が高くなっていることがわかる。また、反
応中期以降は、中段触媒の脱メタル活性が維持されてい
るので、トータルでの脱硫活性を高いレベルで維持して
いることが分かる。
【0044】図4から、本発明の触媒を用いると、前
段、中段、後段触媒のトータルとしても、脱メタル活性
が反応中、つねに高く維持できることが分かる。
【0045】
【発明の効果】本発明の触媒は、メタル分を有効に除去
するとともに、かつ高い、脱硫、脱窒素等の水素化精製
や水素化分解活性を有し、後段の水素化精製、軽質化機
能に優れた触媒の寿命を延ばすとともに、重質油の処理
量の増加を図ることができるという格別の効果を奏す
る。また、本発明の水素化処理方法は、劣質な重質油の
処理量の増加に対処できるという格別の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例における上段と中段の触媒に
よる生成油の脱硫の反応速度の経時変化を示す図であ
る。実線は実施例、破線は比較例を示す。
【図2】実施例及び比較例における上段と中段の触媒に
よる生成油の脱メタルの反応速度の経時変化を示す図で
ある。実線は実施例、破線は比較例を示す。
【図3】実施例及び比較例における上段、中段及び下段
の触媒による生成油の脱硫の反応速度の経時変化を示す
図である。実線は実施例、破線は比較例を示す。
【図4】実施例及び比較例における上段、中段及び下段
の触媒による生成油の脱メタルの反応速度の経時変化を
示す図である。実線は実施例、破線は比較例を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年5月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】上記担体160gに、モリブデン酸水溶液
(モリブデン酸アンモニウム6水和物27.65gを担
体160gの吸水量に相当する水に溶解して調製)をス
プレー法で含浸させた後、130℃で20時間乾燥し、
硝酸ニッケル水溶液(硝酸ニッケル6水和物20.47
gを乾燥担体の吸水量に相当する水に溶解して調製)を
スプレー法で含浸させた後、130℃で20時間乾燥
し、さらに500℃で30分焼成することによりモリブ
デンをMoOとして12重量%およびニッケルをNi
Oとして2.8重量%担持した。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】反応器の上段に、アルミナ担体にモリブデ
ンをMoOとして4重量%担持し、表3に示した窒素
吸脱着法による細孔分布を有する触媒を25.4g、中
段に上記触媒を36.1g、下段にアルミナ担体にモリ
ブデンをMoOとして15重量%、ニッケルをNiO
として3.8重量%、リンをPとして6.9重量
%担持し、表3に示した窒素吸脱着法による細孔分布を
有する触媒を54.1g充填し、反応温度は上段、中段
は370〜390℃、下段は中段に対し、常に、20℃
高い温度で、液空間速度(LHSV)0.5hr−1
水素圧140kg/cm、水素/オイル比670l/
lで反応試験を行った。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化亜鉛を2〜10重量%以上含むアル
    ミナ担体に周期律表第VI族元素を5〜12重量%、第VI
    II族元素を0.5〜5重量%の範囲で担持し、かつ窒素
    吸脱着法により測定した中央細孔直径が120〜140
    Åであって、直径が20〜600Åの範囲にある細孔が
    占める容積のうち中央細孔直径±10Åの範囲にある細
    孔が占める容積が少なくとも25%からなることを特徴
    とする重質油の水素化処理用触媒。
  2. 【請求項2】 重質油を触媒の存在下に水素化処理する
    方法において、前記触媒として、第1段に、担体に周期
    律表第VI族元素を1〜10重量%の範囲で担持し、かつ
    窒素吸脱着法により測定した中央細孔直径が120〜1
    90Åである触媒を触媒全体の20〜40重量%用い、
    第2段に、上記請求項1に記載の触媒を触媒全体の25
    〜45重量%用い、第3段に、担体に周期律表第VI族元
    素を5〜20重量%、第VIII族元素を1〜5重量%の範
    囲で担持し、かつ窒素吸脱着法により測定した中央細孔
    直径が85〜105Åである触媒を触媒全体の25〜4
    5重量%用いることを特徴とする重質油の水素化処理方
    法。
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