JP2008290043A - 重質炭化水素油の水素化処理触媒、その製造方法、及び水素化処理方法 - Google Patents

重質炭化水素油の水素化処理触媒、その製造方法、及び水素化処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水素化脱硫活性点を増やすことにより、脱硫活性を高めることができる触媒を提供すること、更には、この触媒上における活性点構造を精密に制御することにより、従来難しいとされてきた脱硫反応に対する脱残炭反応の選択性を向上させること。
【解決手段】リンを担体基準、酸化物換算で0.1〜4質量%含み、亜鉛を担体基準、酸化物換算で4〜10質量%含むリン・亜鉛含有アルミナを担体として、それに周期律表第6族金属から選ばれる少なくとも1種を触媒基準、酸化物換算で8〜20質量%、周期律表第8族金属から選ばれる少なくとも1種を触媒基準、酸化物換算で2〜5質量%担持してなり、且つ、下記式で表される、XPS定量解析結果の周期律表第6族金属の硫化度が84モル%以上であることを特徴とする重質炭化水素油の水素化処理触媒。
周期律表第6族金属の硫化度=[M6(IV)/M6]×100
[上記式中、M6(IV)は、硫化した触媒中の周期律表第6族金属硫化物のモル量であり、M6は、硫化した触媒中の周期律表第6族金属のモル量である]
【選択図】なし

Description

本発明は、直接脱硫装置による常圧蒸留残渣(以下「AR」ともいう。)や、減圧蒸留残渣(以下「VR」ともいう。)の水素化脱硫に用いられ、これらの重質油中の硫黄化合物及び残炭分を長期間にわたり、高い効率で除去することができる重質炭化水素油の水素化処理触媒、該水素化処理触媒の製造方法、及び該水素化処理触媒を用いた重質炭化水素油の水素化処理方法に関する。
原油を常圧蒸留装置により処理して得られたARや、ARを更に減圧蒸留装置で処理することにより得られるVR 等の重質油には多量の硫黄化合物が含有されている。これらの重質油を脱硫処理することなく燃料として用いた場合には、多量の硫黄酸化物(SOx)が大気中に排出され、環境破壊の一因となる。そのため、重質油中の硫黄化合物を低減する必要がある。
また、重質燃料油の需要が減少傾向にある昨今では、ARやVRを脱硫処理した後に流動接触分解装置(以下「FCC装置」という)で二次処理を行いガソリンや、灯油・軽油等の中間留分を生産している。FCC装置に供せられる原料油は、FCC触媒保護の観点から硫黄分や窒素分を一定のレベル以下に減少させる必要がある。また、FCC装置の原料油中に含まれる残留炭素分が高くなるとFCC装置の再生塔温度が上昇して運転が不可能になる。そのため、FCC装置の原料油を前処理することにより、残炭分も一定のレベル以下に低減することが必要である。
そこで従来から、原油から種々の石油製品を製造する工程の一つとして、また、FCC装置の前処理装置として直接脱硫装置による重質油の水素化脱硫処理が取り入れられ、重質油中の硫黄化合物等の不純物除去が行われている。そして、重質油用水素化処理触媒として、周期律表第6族のモリブデン、タングステン、第8族のコバルト、ニッケルを活性発現成分とし、これらをアルミナ、マグネシア、シリカ、チタニア等の無機酸化物担体に担持させたものが開発されている。
しかしながら、重質油中には水素化脱硫反応の障害となるアスファルテン、あるいは触媒活性を低下させる有機金属化合物(ニッケル及びバナジウム等) を含んだ巨大分子が存在し、上記した触媒の水素化脱硫活性を長期にわたり維持することは難しい。
このため、重質油を高効率に水素化処理する目的で、水素化処理触媒の高脱硫性能化、長寿命化に関する研究が盛んに行われている。触媒の長寿命化を目的に、ニッケル及びバナジウム等からの触媒劣化(メタル劣化)を抑制するには、一般的に触媒の細孔容積及び細孔径を大きくすることにより達成できる。しかし、細孔容積及び細孔径を大きくすると比表面積が減少し、その結果、脱硫性能が低下する。
また、触媒の高脱硫性能化を目的として、触媒の水素化脱硫活性点を制御するための一つの方法として、第三成分を添加することが知られている。添加する第三成分として亜鉛(特許文献1、2、3参照)、リン(特許文献4参照)、ボリア、アルカリ金属等、種々の化合物が報告されている。また、水素化脱硫活性点を制御するための他の一つの方法として、担体のアルミナの表面状態を精密制御することも知られている(特許文献5参照)。しかし、これらいずれの方法による触媒もさらなる脱硫性能の向上が求められている。
特開平3−278839号公報 特開平7−194979号公報 特開2001−314770号公報 特開2005−169232号公報 特開2004−74075号公報
本発明の目的は、上記従来の状況に鑑み、第1には、水素化脱硫活性点を増やすことにより、脱硫活性を高めることができる触媒を提供することにあり、第2には、この触媒上における活性点構造を精密に制御することにより、従来難しいとされてきた脱硫反応に対する脱残炭反応の選択性を向上させることにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、アルミナ系の重質炭化水素油の水素化処理触媒において、担体であるアルミナに亜鉛及びリンを含有させると、モリブデンの触媒表面上での分散状態が良好になり、また活性点の構造が精密に制御されて質的に向上して、脱硫性能が向上すると共に、脱残炭反応の選択性も向上すること、及び、アルミナ担体への亜鉛及びリンの添加による活性点の質的向上がXPS(X線光電子分光法)定量解析結果のMo硫化度[Mo(IV)/Mo]×100]に反映されると考えられることを見出した。更には、アルミナ担体の製造時において、アルミナ水和物スラリーを成形前の最終脱水工程で圧搾濾過器を用いて脱水することが、アルミナ表面状態を向上させ得て、触媒性能の向上に有益であることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。
即ち、本発明は、上記目的を達成するために、下記構成の水素化処理触媒、水素化処理触媒の製造方法、及び重質炭化水素油の水素化処理方法を提供する。
(1)リンを担体基準、酸化物換算で0.1〜4質量%含み、亜鉛を担体基準、酸化物換算で4〜10質量%含むリン・亜鉛含有アルミナを担体として、それに周期律表第6族金属から選ばれる少なくとも1種を触媒基準、酸化物換算で8〜20質量%、周期律表第8族金属から選ばれる少なくとも1種を触媒基準、酸化物換算で2〜5質量%担持してなり、且つ、下記式で表される、XPS定量解析結果の周期律表第6族金属の硫化度が84モル%以上であることを特徴とする重質炭化水素油の水素化処理触媒。
周期律表第6族金属の硫化度=[M6(IV)/M6]×100
[上記式中、M6(IV)は、硫化した触媒中の周期律表第6族金属硫化物のモル量であり、M6は、硫化した触媒中の周期律表第6族金属のモル量である]
(2)アルミナゲルを調製する工程、
該アルミナゲルにリンを担体基準、酸化物換算で0.1〜4質量%、亜鉛を担体基準、酸化物換算で4〜10質量%含むようにリン化合物及び亜鉛化合物を混練する工程、
得られた混練物を成型し、これを乾燥、焼成して、リン・亜鉛含有アルミナ担体を得る工程、
該リン・亜鉛含有アルミナ担体に、周期律表第6族金属から選ばれる少なくとも1種を触媒基準、酸化物換算で8〜20質量%、周期律表第8族金属から選ばれる少なくとも1種を触媒基準、酸化物換算で2〜5質量%含むように担持させる工程を含む、重質炭化水素油の水素化処理触媒の製造方法であって、
前記アルミナゲルを調製する工程またはリン化合物及び亜鉛化合物を混練する工程の少なくとも一方の後に、圧搾濾過器による脱水工程を含むことを特徴とする水素化処理触媒の製造方法。
(3)上記(1)に記載の重質炭化水素油の水素化処理触媒の存在下、水素分圧8〜20MPa、300〜420℃、液空間速度0.1〜2hr−1で、硫黄分を含む常圧蒸留残渣、減圧蒸留残渣、又はこれらの残渣の混合物の接触反応を行うことを特徴とする重質炭化水素油の水素化処理方法。
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
(a)本発明の水素化処理触媒は、高い脱硫活性を有すると共に、脱残炭反応の選択性が向上し、常圧残渣油、減圧残渣油、あるいはこれらの混合油を長期間安定に脱硫することができる。
(b)本発明の水素化処理触媒を用いれば、重質油脱硫装置において、従来よりも重質な原料油から、従来と同等以上の良好な性状の生成油を製造することができ、FCC装置に好適な原料油を供給することができる。即ち、重質油脱硫装置に本発明の触媒を用いると、重質油を付加価値の高いガソリンや、灯・軽油等の中間留分に変換する効率が高くなり、化石資源の有効活用が図られる。
<水素化処理触媒>
以下、本発明の水素化処理触媒(以下、「本発明の触媒」とも言う。)を詳細に説明する。
本発明の触媒は、アルミナを担体主成分とする。アルミナとしては、α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、δ−アルミナ等の種々のアルミナを使用することができるが、多孔質で高比表面積であるアルミナが好ましく、中でもγ−アルミナが適している。
アルミナの純度は、98質量%以上、好ましくは99質量%以上のものが適している。アルミナ中の不純物としては、SO 2−、Cl、Fe、NaO等が挙げられるが、これらの不純物はできるだけ少ないことが望ましく、不純物全量で2質量%以下、好ましくは1質量%以下で、成分毎ではSO 2−が1.5質量%以下、C1、Fe、NaOが0.1質量%以下であることが好ましい。
また、本発明の触媒の担体に用いるアルミナは、ゼオライト、ボリア、シリカ、及びジルコニアから選ばれる一種以上を複合化させて、複合化されたアルミナ担体としてもよい。この複合化されたアルミナ担体においては、アルミナが40〜95質量%、好ましくは65〜93質量%、ゼオライト、ボリア、シリカ、及びジルコニアから選ばれる一種以上が0〜8質量%であることが好ましい。この際、上記ゼオライト、ボリア、シリカ、及びジルコニアの複合化成分は、一般に、この種の触媒の担体成分として使用されるものを使用することができる。
本発明の触媒に用いる担体は、上記方法により得られたアルミナに、亜鉛及びリンをさらに含有させた、リン・亜鉛含有アルミナ担体である。亜鉛及びリンは、活性金属量当たりの脱硫活性及び脱残炭活性を向上させるために活性点の質的向上を図る成分として加えられものであり、高活性なNiMoS相、NiWS相等の活性金属−硫黄相を精密に創製する役割をなす。上記作用は、XPS定量解析結果で得られるMo硫化度[Mo(IV)/Mo]×100]や、Ni硫化度[(NiS/Ni)×100]に反映されていると考えられる。
亜鉛の含有量は、担体基準、酸化物換算で4〜10質量%、好ましくは6〜8質量%である。また、触媒基準、酸化物換算で好ましくは3〜9質量%である。亜鉛の含有量が4質量%未満では、モリブデンの硫化度を向上させるために十分ではなく、また、亜鉛の含有量が10質量%を超えると、細孔容積や比表面積の低下が起こり、モリブデンの分散を妨げるばかりか、更にはNi硫化度の低下が著しくなる。
リンの含有量は、担体基準、酸化物換算で、0.1〜4質量%、好ましくは0.5〜2.5質量%である。また、触媒基準、酸化物換算で好ましくは0.08〜3.6質量%である。リンの含有量が0.1質量%未満では、モリブデンの硫化度が十分に高くならず、また、リンの含有量が4質量%を超えると、細孔容積や比表面積の低下が起こり、モリブデンの分散を妨げるため、リンの添加効果は飽和してしまう。
ここで、亜鉛及びリンの含有量に関して、「担体基準、酸化物換算で」とは、担体中に含まれる全ての元素の質量をそれぞれの酸化物として算出し、その合計質量に対する亜鉛の酸化物量、及びリンの酸化物質量の割合を意味する。亜鉛の酸化物質量は酸化亜鉛に、リンの酸化物質量は五酸化二リンに換算してそれぞれ求める。
含有させる亜鉛及びリンの原料化合物としては、種々の化合物を使用することができる。 亜鉛化合物としては、酸化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、水酸化亜鉛、シュウ酸亜鉛等が挙げられ、中でも酸化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛が好ましい。また、リン化合物としては、例えばオルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸等が挙げられ、中でもオルトリン酸が好ましい。
亜鉛やリンの添加は、6族金属や8族金属と担体の相互作用を緩和し、6族金属や8族金属の硫化がそれぞれ容易になると考えられる。しかし、一方で、6族金属や8族金属と担体の相互作用が弱くなりすぎると、活性金属の凝集が起ってしまうため、亜鉛やリンの添加には精密な制御が必要である。本発明の触媒では、亜鉛やリンを精密に制御して添加することにより、NiMoS相、NiWS相等の活性金属−硫黄相が高分散である状態を保持しつつ、積層数などの構造形態も最適化されると考えられる。
本発明の触媒に用いるリン・亜鉛含有アルミナ担体を得るには、まず、常法によりアルミナゲルを得る。アルミナゲルの調製としては、例えば、攪拌釜で硫酸水溶液、アルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウムを混合してスラリーを調製する。得られたスラリーを回転円筒型連続真空濾過器による水分除去、純水洗浄を行いアルミナゲルを得る。
次いで、それを濾液中にSO 2−、Naが検出できなくなるまで洗浄した後、このゲルを純水に混濁させて均一なスラリーとする。得られたスラリーを、水分量が60〜90質量%となるまで脱水して、その濾室からケーキを得る。なお、この他にも、アルミナゲルの調製としては、アルミナ原料を含む水溶液をアルミン酸ナトリウム、アルミン酸、アンモニア等の中和剤で中和する方法、あるいはヘキサンメチレンテトラミン、炭酸カルシウム等の沈殿剤と混合する方法等がある。
本発明の製造方法では、このアルミナゲルスラリーの脱水を、圧搾濾過器によって行うことが好ましい。ここで、圧搾濾過器とは、スラリーに圧縮空気又はポンプ圧を作用させ濾過するものであり、一般に圧濾器とも呼ばれる。圧搾濾過器には板枠型と凹板型がある。板枠型圧濾器は、濾板と濾枠が交互に端板間に締め付けられており、濾枠の中へスラリーを圧入して濾過する。ここで、濾板は濾液流路となる溝を持ち、炉枠には炉布が張ってある。一方、凹板型圧濾器は、濾布と凹板型の濾板を交互に並べて端板との間で締め付け濾室を構成している(参考文献:化学工学便覧p715)。
このように、本発明の製造方法では、担体に用いるアルミナを調製する際の水分調整を、上記圧搾濾過器で行うことを特徴とする。圧搾濾過器で脱水することにより、担体の表面状態を向上させることができ、後述する触媒活性金属の硫化度のレベル向上に有益である。なお、この圧搾濾過器による脱水工程は、上記アルミナゲルを調製する工程、及び後述するリン化合物及び亜鉛化合物を混練する工程のうち少なくとも一方の工程の後に行うものとするが、いずれの工程の後に行ってもよい。好ましくは、アルミナゲル調製後、リン化合物及び亜鉛化合物の混練前に行う。
なお、アルミナゲル調製の際、上記ゼオライトを初めとする複合化成分とアルミナを複合化する場合は、得られたアルミナゲルを熟成、洗浄、脱水乾燥、水分調整を行った後、リン化合物水溶液と亜鉛化合物水溶液を添加する前に行えばよく、共沈法、混練法等によりアルミナを複合化成分と複合化することができる。この場合も同様に、該複合化されたアルミナ担体のスラリーの成形前の最終脱水工程で圧搾濾過器を用いて脱水することが好ましい。
次に、得られたアルミナゲルに、リン化合物と亜鉛化合物を混練により添加する。具体的には、50〜90℃に加熱したアルミナゲルの水分調整物に、常温〜90℃に加熱したリン化合物水溶液と亜鉛化合物水溶液を添加する。そして、加熱ニーダー等を用いて混練、攪拌し、リン・亜鉛含有アルミナ担体の混練物を得る。なお、上述したように、圧搾濾過器による脱水を、アルミナゲルとリン化合物及び亜鉛化合物とを混練、攪拌した後に行ってもよい。
そして、得られた混練物を成型、乾燥、焼成に供する。上記混練物の成型に当たっては、押出し成型、加圧成型等の種々の成型方法により行うことができる。また、得られた成型物の乾燥に当たっては、乾燥温度は常温〜150℃が好ましく、特に好ましくは80〜120℃であり、乾燥時間は30分以上が望ましい。更にまた、得られた乾燥物の焼成に当たっては、焼成温度は必要に応じて適宜設定できるが、例えばγ‐アルミナとするためには450℃以上で焼成することが好ましく、更に好ましくは480℃〜600℃である。焼成時間は2時間以上が好ましく、特に好ましくは3〜12時間である。
以上のようにして調製される本発明の触媒の担体は、上記調製方法の範囲内で調節することで、下記の物性値とすることが好ましい。
担体の比表面積は、窒素吸着法(BET法)による測定値で、200〜380m/g、好ましくは220〜360m/gとする。比表面積が200m/g未満では、活性金属の分散性が悪くなって低脱硫活性の触媒となり、380m/gを超えると、細孔直径が極端に小さくなるため、触媒の細孔直径も小さくなって、水素化処理の際、硫黄化合物の触媒細孔内への拡散が不十分となり、脱硫活性が低下する。
また、水銀圧入法で測定した細孔分布での平均細孔直径は、50〜120Å、好ましくは60〜100Åとする。50Å未満では、反応物質が細孔内に拡散し難くなるため、脱硫反応が効率的に進行せず、100Åより大きいと、細孔内の拡散性は良いものの、細孔内表面積が減少するため、触媒の有効比表面積が減少し、活性が低くなる。
担体の細孔容積は、水銀圧入法による測定値で、0.4〜0.9m1/gとする。細孔容積が0.4m1/g未満では、通常の含浸法で触媒を調製する場合、細孔容積内に入り込む溶媒が少量となる。溶媒が少量であると、活性金属化合物の溶解性が悪くなり、金属の分散性が低下し、低活性の触媒となる。活性金属化合物の溶解性を上げるためには、硝酸等の酸を多量に加える方法があるが、加えすぎると担体の低表面積化が起こり、脱硫性能低下の主原因となる。また、細孔容積が0.9m1/gより大きいと、比表面積が極端に小さくなって、活性金属の分散性が悪くなり、触媒活性の低い触媒となる。
本発明の触媒は、上記リン・亜鉛含有アルミナ担体に、活性金属として周期律表第6族金属から選ばれる少なくとも1種および周期律表第8族金属から選ばれる少なくとも1種を担持させてなる。
周期律表第6族金属としては、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、クロム(Cr)等が挙げられ、中でも単位質量当たりの活性が高いモリブデンが好ましい。
また、第6族金属の含有量は、触媒基準、酸化物換算で、8〜20質量%、好ましくは10〜16質量%である。第6族金属が8質量%未満では、第6族金属に起因する効果を発現させるには不十分であり、20質量%を超えると、第6族金属の凝集によって活性金属の分散性が悪くなるばかりか、効率的に分散する活性金属含有量の限度を超えたり、触媒表面積が大幅に低下する等により、触媒活性の向上がみられない。
ここで、6族金属及び8族金属の含有量に関して、「触媒基準、酸化物換算で」とは、触媒中に含まれる全ての元素の質量をそれぞれの酸化物として算出し、その合計質量に対するそれぞれの金属の酸化物質量の割合を意味する。6族金属及び8族金属の酸化物質量は、6族金属については6価の酸化物、8族金属については2価の酸化物に換算して求める。
周期律表第8族金属としては、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)等が挙げられ、中でも水素化能が高く、触媒調製コストが低いニッケルが好ましい。
第8族金属の含有量は、触媒基準、酸化物換算で、2〜5質量%、好ましくは3〜4質量%である。第8族金属が2質量%未満では、第8族金属に帰属する活性点が十分に得られず、5質量%を超えると、第8族金属化合物の凝集によって活性金属の分散性が悪くなるばかりか、例えばNiを用いた場合に、不活性な前駆体であるNiO種(触媒硫化後や水素化処理中はNiS種として存在する)や、担体の格子内に取り込まれたNiスピネル種を生成するため、触媒活性の向上がみられない上、逆に触媒活性が低下する。
第6族金属、第8族金属各成分の上記した含有量において、活性金属である第6族金属、第8族金属の最適質量比は、〔8族金属酸化物質量〕/〔8族金属酸化物質量+6族金属酸化物質量〕の値で、0.14〜0.3であることが好ましい。
第6族金属、第8族金属の質量比が上記の値で0.14未満の場合、脱硫の活性点と考えられるNiMoS相、NiWS相等の活性金属−硫黄相が十分に生成できず、脱硫活性が向上しない。また、0.3より大きいと、活性に関与しない無駄な金属種(NiS種や、担体の格子内に取り込まれたNiスピネル種)が生成し、触媒活性が低下する。
本発明の触媒において、上記リン・亜鉛含有アルミナ担体に担持させる第6族金属、第8族金属成分の化合物のうち、第6族金属化合物としてはMo化合物が好ましく、三酸化モリブデン、モリブドリン酸、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸等が挙げられ、好ましくはモリブドリン酸、三酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウムである。
第8族金属化合物としてはNi化合物が好ましく、Niの炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩化物が挙げられ、好ましくは炭酸塩、酢酸塩、より好ましくは炭酸塩である。
本発明の触媒を調製するために、リン・亜鉛含有アルミナ担体に、第6族金属、第8族金属成分を含浸させる方法は、これら各成分を同時に含浸させる一段含浸法でも、個別に含浸させる二段含浸法でもよい。
第6族金属、第8族金属を担体に担持させる具体的方法は、次の通りである。まず、第6族金属化合物、第8族金属化合物、リン化合物を含む溶液を調製する。なお、金属化合物にリンが含まれている場合はリン化合物を加えないか、適当量のリン化合物を添加する。調製時、これらの化合物の溶解を促進するために、加温(30〜100℃)や、酸(硝酸、リン酸、有機酸《クエン酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸等》)の添加を行ってもよい。
ここで、第6金属に対する担体に混練されているリンの酸化物換算における質量比は0.25以下であることが好ましい。0.25より大きいと、触媒の表面積及び細孔容積の減少を招き、触媒の活性が低下するのみならず、酸量が増えることとなり、炭素析出を招いて活性劣化を引き起こし易くなる。
続いて、調製した溶液を、リン・亜鉛含有アルミナ担体に、均一になるよう徐々に添加して含浸する。含浸時間は1分〜5時間、好ましくは5分〜3時間、温度は5〜100℃、好ましくは10〜80℃、雰囲気は特に限定しないが、大気中、窒素中、真空中が、それぞれ適している。
第6族金属、第8族金属成分を含浸担持後、一般に、常温〜80℃、窒素気流中、空気気流中、あるいは真空中で、水分をある程度(LOI《Loss on ignition》50%以下となるように)除去し、乾燥炉にて、空気気流中、80〜150℃で、10分〜10時間乾燥する。次いで、焼成炉にて、空気気流中、300〜700℃で、より好ましくは500〜650℃で10分〜10時間、より好ましくは3時間以上焼成を行う。
以上のようにして調製される本発明の触媒は、下記式で表される、XPS定量解析結果の周期律表第6族金属硫化度が84モル%以上、好ましくは86モル%以上であることが肝要である。
周期律表第6族金属硫化度=[(M6(IV)/M6)×100]
[上記式中、M6(IV)は、硫化した触媒中の周期律表第6族金属硫化物のモル量であり、M6は、硫化した触媒中の周期律表第6族金属のモル量である]
ここで、XPS定量解析結果の6族金属硫化度とは、硫化した触媒における6族金属硫化物量(M6(IV))の、全6族金属量(M6)に対する割合(モル比)を意味する。
例えば、本触媒に用いる6族金属にモリブデンを用いた場合、XPS定量解析結果のモリブデン硫化度[(Mo(IV)/Mo)×100]は、硫化した触媒における二硫化モリブデン量(モル量)が全モリブデン量に対する割合(モル比)を意味する。そして、モリブデン硫化度が84モル%以上、より好ましくは86モル%以上であることが好ましい。
また、硫化した触媒における6族金属硫化物量(モル量)は、本発明の触媒を、4.8%HS/Hガス50ml/min流通下、5℃/minで昇温し、300℃で、10min処理して硫化した後、高純度ヘリウムガスで10minパージし、真空排気中にてXPS測定を行うことで得ることができる。
また、本発明の触媒ではさらに、下記式で表される、XPS定量解析結果の周期律表第8族金属硫化度が60モル%以上、より好ましくは65モル%以上であることが望ましい。
周期律表第8族金属硫化度=[(8族金属硫化物量/8族金属量)×100]
ここで、XPS定量解析結果の8族金属硫化度とは、硫化した触媒における8族金属硫化物量(モル量)の、全8族金属量(モル量)に対する割合(モル比)を意味する。
例えば、本触媒に用いる8族金属にニッケルを用いた場合、XPS定量解析結果のニッケル硫化度[(NiS/Ni)×100]は、硫化した触媒における一硫化ニッケル量が全モリブデン量に対する割合(モル比)を意味する。そして、ニッケル硫化度が60モル%以上、より好ましくは65モル%以上であることが好ましい。
本発明の触媒は、モリブデンの硫化度が上記範囲に示すように高いことから、触媒の活性点がより高分散化されて、その絶対数が増加していると考えられる。また、モリブデンとニッケルの硫化度が同時に高い触媒は脱残炭活性も優れている。
さらに、本発明の触媒は、重質油留分に対する水素化活性、脱硫活性、脱残炭活性を高めるために、その比表面積、細孔容積及び平均細孔径を、以下の値に制限することが好ましい。
比表面積は、窒素吸着法(BET法)による測定値で、180〜320m/g、好ましくは200〜300m/gとする。180m/g未満では、活性金属の分散性が悪くなって低脱硫活性の触媒となり、320m/gより大きいと、細孔直径が極端に小さくなるため、触媒の細孔直径も小さくなって、水素化処理の際、硫黄化合物の触媒細孔内への拡散が不十分となり、脱硫活性が低下する。
細孔容積は、水銀圧入法による測定値で、0.45〜0.8m1/g、好ましくは0.5〜0.7m1/gとする。0.45m1/g未満では、水素化処理の際、硫黄化合物の触媒細孔内での拡散が不十分となつて脱硫活性が不十分となり、0.8m1/gより大きいと、触媒の比表面積が極端に小さくなって、活性金属の分散性が低下し、低脱硫活性の触媒となる。
水銀圧入法で測定した細孔分布での平均細孔直径は、70〜130Å、好ましくは80〜120Åとする。70Å未満では、反応物質が細孔内に拡散し難くなるため、脱硫反応が効率的に進行せず、130Åより大きいと、細孔内の拡散性は良いものの、細孔内表面積が減少するため、触媒の有効比表面積が減少し、活性が低くなる。
また、上記の細孔条件を満たす細孔の有効数を多くするために、触媒の細孔径分布、即ち平均細孔径±15Åの細孔径を有する細孔の容積の全細孔容積に対する割合は、45容量%以上、好ましくは55容量%以上とする。
さらに、本発明の触媒中の活性金属の分布状態は、触媒中で活性金属が均一に分布しているユニフォーム型が好ましい。
<水素化処理方法>
本発明の水素化処理方法は、水素分圧8〜20MPa、300〜420℃、及び液空間速度0.05〜2hr−1の条件で、上記本発明の触媒と硫黄化合物を含む常圧残渣あるいは減圧残渣、あるいはこれらの混合物とを接触させて水素化処理を行い、当該原料油中の硫黄分、残炭分を低減する方法である。
本発明の重質炭化水素油の水素化処理方法で用いる対象油は、常圧蒸留残渣(AR)、減圧蒸留残渣(VR)及びこれらを混合したもの(以下「重質炭化水素油」と総称する)である。これら原料油とする重質炭化水素油の代表的な性状例としては、沸点が300℃以上、硫黄分が5質量%以下のものが挙げられる。
本発明の水素化処理方法を商業規模で行うには、本発明の触媒の固定床、移動床、あるいは流動床式の触媒層を反応装置内に形成し、この反応装置内に原料油を導入し、上記の条件下で水素化反応を行えばよい。最も一般的には、固定床式触媒層を反応装置内に形成し、原料油を反応装置の上部に導入し、固定床を上から下に通過させ、反応装置の下部から生成物を流出させるものか、反対に原料油を反応装置の下部に導入し、固定床を下から上に通過させ、反応装置の上部から生成物を流出させるものである。
本発明の水素化処理方法は、本発明の触媒を、単独の反応装置に充填して行う一段の水素化処理方法であってもよいし、幾つかの反応装置に充填して行う多段連続水素化処理方法であってもよい。
また、本発明の触媒は、使用前に(即ち、本発明の水素化処理方法を行うのに先立って)、一般に反応装置中で硫化処理して活性化する。この硫化処理は、一般に、200〜400℃、好ましくは250〜350℃、常圧あるいはそれ以上の水素分圧の水素雰囲気下で、硫黄化合物を含む石油蒸留物、それにジメチルジスルファイドや二硫化炭素等の硫化剤を加えたもの、あるいは硫化水素を用いて行う。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔触媒の調製〕
実施例1
先ずリン・亜鉛含有アルミナ担体の調製を行った。12質量%の硫酸水溶液1.5lを攪拌釜に張込んだ純水100lに投入し、95℃に加熱した後、5分間、攪拌羽根で激しく攪拌し、そこへアルミナ濃度70g/lのアルミン酸ナトリウム3.9lを投入して、水酸化アルミニウムを調製し、次いで24時間攪拌羽根で攪拌した。得られたスラリーを濾過器に投入し、濾過を行い水分を除去した。次いで、得られたゲルを純水を用いて、ろ液中にSO 2−、Naが検出できなくなるまで洗浄した。次いで、洗浄後のゲルを純水に混濁させ、均一なスラリーとして、そのスラリーを圧搾型濾過器へ投入した。スラリーはろ布を介して、ろ板にはさみこまれ、ろ板を圧搾することにより脱水を行った。得られるケーキ中の水分量が80%になった時点で濾過を中断した。このケーキを加温型ニーダー(設定温度80℃)に投入し、均一になるように十分に混練した。それに、リン酸及び酸化亜鉛を投入し、均一になるように更に混練した。得られた混練したケーキを押し出し成形器に投入し、長径1.3mm、短径1.1mmの四つ葉型形状の押し出し成形物とした。この成形物を、乾燥し、600℃で4時間焼成し、リン・亜鉛含有アルミナ担体を得た。得られた担体のリン及び亜鉛の含有量(担体基準、酸化物換算)を表1に示した。また、得られた担体は、細孔容積0.79ml/g、比表面積255m/g、平均細孔直径91Åの物性を有していた。
ナス型フラスコ中に、上記リン・亜鉛含有アルミナ担体(γ−Alベース、直径1.33mm×1.10mmの四つ葉型成形物)50.00gを投入し、そこへイオン交換水40gに硝酸ニッケル7.21gとモリブデン酸アンモニウム11.36gとオルトリン酸1.00gを投入してクエン酸を加えて溶解させた溶液をピペットで添加し、25℃で1時間浸漬後、窒素気流中で風乾し、マッフル炉中120℃で1時間乾燥させ、次いで500℃で4時間焼成し、触媒Aを得た。触媒Aのモリブデン及びニッケルの担持量(触媒基準、酸化物換算)、及び細孔容積、比表面積、平均細孔直径の物性を表2に示した。
実施例2
担体調製時のリン酸の添加量を実施例1より低減し、担体成型物の焼成を480℃で4時間行ったこと以外は、実施例1と同様にしてリン・亜鉛含有アルミナ担体を得た。得られた担体のリン及び亜鉛の含有量(担体基準、酸化物換算)を表1に示した。また、得られた担体は、細孔容積0.71ml/g、比表面積340m/g、平均細孔直径71Åの物性を有していた。
ナス型フラスコ中に、上記亜鉛・リン含有アルミナ担体(γ−Alベース、直径1.33mm×1.10mmの四つ葉型成形物)50.00gを投入した。一方、ビーカー中のイオン交換水43.0gにモリブデン酸アンモニウム8.76g、硝酸ニッケル9.27gを投入し、溶液が均一になるまでクエン酸を添加して溶解させて溶液を得た。この得られた溶液を、上記担体の投入されたナス型フラスコ中に投入、実施例1と同じ条件で添加浸漬、風乾、乾燥し、650℃で4時間焼成を行い、触媒Bを得た。触媒Bのモリブデン及びニッケルの担持量(触媒基準、酸化物換算)、及び細孔容積、比表面積、平均細孔直径の物性を表2に示した。
比較例1
実施例1と同様にして得られた、水酸化アルミニウムスラリーを濾過器に投入し、濾過を行い水分を除去した。次いで、このゲルを純水を用いて、ろ液中にSO 2−、Naが検出できなくなるまで洗浄した。次いで、洗浄後のゲルを噴霧乾燥機で乾燥し、得られたアルミナ粉末にイオン交換水を加えて調湿した。これを加温型ニーダー(設定温度80℃)に投入し、均一になるように十分に混練した。さらに、酸化亜鉛を投入し、均一になるように更に混練した。混練したケーキを押し出し成形器に投入し、長径1.3mm、短径1.1mmの四つ葉型形状の押し出し成形物とした。この成形物を、乾燥、800℃で4時間焼成し、亜鉛含有アルミナ担体を得た。得られた担体の亜鉛の含有量(担体基準、酸化物換算)を表1に示した。また、得られた担体は、細孔容積0.85ml/g、比表面積141m/g、平均細孔直径172Åの物性を有していた。
ナス型フラスコ中に、上記、亜鉛含有アルミナ担体(γ−Alベース、直径1.33mm×1.10mmの四つ葉型成形物)50.00gを投入した。一方、ビーカー中のイオン交換水45.0gにモリブデン酸アンモニウム6.20g、硝酸ニッケル4.37gを投入し、溶液が均一になるまでクエン酸を添加して溶解させて溶液を得た。この得られた溶液を、上記担体の投入されたナス型フラスコ中に投入、実施例1と同じ条件で添加浸漬、風乾、乾燥し、550℃で4時間焼成を行い、触媒aを得た。触媒aのモリブデン及びニッケルの担持量(触媒基準、酸化物換算)、及び細孔容積、比表面積、平均細孔直径の物性を表2に示した。
比較例2
実施例1と同様にして、水分含有量が80%になったケーキを得、得られたケーキを実施例1と同様に加温型ニーダーで混練し、リン酸を投入し、均一になるように混練した。混練したケーキを実施例1と同様に成形後、乾燥、550℃で4時間焼成し、リン含有アルミナ担体を得た。得られた担体のリンの含有量(担体基準、酸化物換算)を表1に示した。また、得られた担体は、細孔容積0.83ml/g、比表面積283m/g、平均細孔直径94Åの物性を有していた。
ナス型フラスコ中に、上記リン含有アルミナ担体(γ−Alベース、直径1.33mm×1.10mmの四つ葉型成形物)50.00gを投入し、実施例1と同様にして、担体に添加含浸させる溶液を調製し、得られた溶液を用いて、実施例1と同じ条件で添加浸漬、風乾、乾燥、焼成を行い、触媒bを得た。触媒bのモリブデン及びニッケルの担持量(触媒基準、酸化物換算)、及び細孔容積、比表面積、平均細孔直径の物性を表2に示した。
<硫化度>
以上の実施例及び比較例で得た各触媒のモリブデン及びニッケルの硫化度を、以下の方法により測定した。その結果モリブデン硫化度[Mo(IV)/Mo]×100](モル%)、ニッケル硫化度[(NiS/Ni)×100(モル%)]を表2に示した。
a)測定方法及び使用機器:
触媒上のモリブデン及びニッケルの硫化度はX線光電子分析装置(XPS)により分析した。XPS装置はRIGAKU XPS−7000を用いた。X線源は単色化AlKα(モノクロメータ使用)、管電圧14kV、管電流25mA、パスエネルギー 23.5eV、中和銃を使用した。
b)測定原理:
真空中で固体表面にX線を照射することにより、X線によってエネルギーをもらった表面原子から光電子が飛び出す。この光電子は、元素に固有のエネルギー値を有しているため、そのエネルギー分布を測定することによって組成を調べることができる。表面から深いところで発生した光電子は、表面に出てくるまでに吸収されるため、この方法による分析深さは、平均的な表面層の数十原子層(3〜5nm)の領域になる。
また、この分析法は、各種化合物によって結合しているエネルギーが異なるため、光電子のエネルギー分布を調べることによって元素の化学結合の情報が得られる。
c)測定手順:
1)試料台への試料の取り付け(大きいものは切断)
2)4.8%HS/Hガス50ml/min流通下で、触媒を5℃/minで昇温し、300℃,10min処理
3)予備真空室に導入
4)測定室に導入
5)測定位置合わせ
6)測定条件設定
(広域スペクトル、各元素のスペクトル領域、深さ分析条件など)
7)分析
8)データ解析
<触媒の物理性状及び化学性状>
〔1〕物理性状の分析(比表面積、細孔容積、平均細孔直径、及び細孔分布)
a)測定方法及び使用機器:
・比表面積は、窒素吸着によるBET法により測定した。窒素吸着装置は、日本ベル(株)製の表面積測定装置(ベルソープMini)を使用した。
・細孔容積、平均細孔直径、及び細孔分布は、水銀圧入法により測定した。水銀圧入装置は、ポロシメーター(MICROMERITICS AUTO−PORE 9200:島津製作所製)を使用した。
b)測定原理:
・水銀圧入法は、毛細管現象の法則に基づく。水銀と円筒細孔の場合には、この法則は次式で表される。
D=−(1/P)4γcosθ
式中、Dは細孔直径、Pは掛けた圧力、γは表面張力、θは接触角である。掛けた圧力Pの関数としての細孔への進入水銀体積を測定する。なお、触媒の細孔水銀の表面張力は484dyne/cmとし、接触角は130度とした。
・細孔容積は、細孔へ進入した触媒グラム当たりの全水銀体積量である。平均細孔直径は、Pの関数として算出されたDの平均値である。
・細孔分布は、Pを関数として算出されたDの分布である。
c)測定手順:
1)真空加熱脱気装置の電源を入れ、温度400℃、真空度5×10−2Torr以下になることを確認する。
2)サンプルビュレットを空のまま真空加熱脱気装置に掛ける。
3)真空度が5×10−2Torr以下となったなら、サンプルビュレットを、そのコックを閉じて真空加熱脱気装置から取り外し、冷却後、重量を測定する。
4)サンプルビュレットに試料(触媒)を入れる。
5)試料入りサンプルビュレットを真空加熱脱気装置に掛け、真空度が5×10−2Torr以下になってから1時間以上保持する。
6)試料入りサンプルビュレットを真空加熱脱気装置から取り外し、冷却後、重量を測定し、試料重量を求める。
7)AUTO−PORE 9200用セルに試料を入れる。
8)AUTO−PORE 9200により測定する。
〔2〕化学組成の分析
a)分析方法及び使用機器:
・触媒中の金属分析は、誘導結合プラズマ発光分析(ICPS−2000:島津製作所製)を用いて行った。
・金属の定量は、絶対検量線法にて行った。
b)測定手順:
1)ユニシールに、触媒0.05g、塩酸(50%)1ml、フッ酸一滴、及び純水1mlを投入し、加熱して溶解する。
2)溶解後、ポリプロピレン製メスフラスコ(50ml)に移し換え、純水を加えて、50mlに秤量する。
3)この溶液をICPS−2000により測定する。
Figure 2008290043
Figure 2008290043
表2中の略語は、次の通りを意味する。
SA :比表面積
PV :細孔容積
MPD:平均細孔直径
〔重質油の水素化処理反応〕
以下の要領にて、下記性状の常圧蒸留残渣(AR)の水素化処理を行った。先ず、触媒を高圧流通式反応装置に充填して固定床式触媒層を形成し、下記の条件で前処理した。次に、反応温度に加熱した原料油と水素含有ガスとの混合流体を、反応装置の上部より導入して、下記の条件で脱硫反応と分解反応の水素化反応を進行させ、生成油とガスの混合流体を、反応装置の下部より流出させ、気液分離器で生成油を分離した。
触媒の前処理条件:
触媒の予備硫化は減圧軽油により、水素分圧10.3MPa、370℃において12時間おこなった。その後、活性評価用の原料油に切り替えた。
反応条件:
反応温度 ;390℃
圧力(水素分圧);10.3MPa
液空間速度 ;0.4hr−1
水素/オイル比 ;1068m/m
原料油の性状:
油種 ;常圧残渣油90%と減圧残渣油10%の混合油
硫黄成分 ;3.87質量%
残炭分 ;11.7質量%
バナジウム;65ppm
ニッケル;21ppm
脱硫活性について、以下の方法で解析した。380℃で反応装置を運転し、運転開始25日後の生成油を採取し、その性状(脱硫率(HDS)(%)、脱硫反応速度定数(Ks)、比活性(%))を分析した。
〔1〕脱硫率(HDS)(%):原料中の硫黄分を脱硫反応によって硫化水素に転換することにより、原料油から消失した硫黄分の割合を脱硫率と定義し、原料油及び生成油の硫黄分析値から以下の式(1)により算出した。
〔2〕脱硫反応速度定数(Ks):生成油の硫黄分(Sp)の減少量に対して、2次の反応次数を得る反応速度式の定数を脱硫反応速度定数(Ks)とする。以下の式(2)により算出した。なお、反応速度定数が高い程、触媒活性が優れていることを示している。結果は、表3の通りであった。
〔3〕比活性(%):触媒aの脱硫反応速度定数を100としたときの相対値で示した。以下の式(3)により算出した。結果は、表3の通りであった。
脱硫率(%)=〔(Sf−Sp)/Sf〕×100 ………(1)
脱硫反応速度定数=〔1/Sp−1/Sf〕×(LHSV) ………(2)
式中、Sf:原料油中の硫黄分(質量%)
Sp:反応生成油中の硫黄分(質量%)
LHSV:液空間速度(hr−1
脱硫比活性(%)=(各脱硫反応速度定数/比較触媒aの脱硫反応速度定数)×100………(3)
脱残炭活性について、以下の方法で解析した。運転開始26日以降に脱硫率が90%になるように運転条件を調節した後、生成油を採取し、その性状(脱残炭率(%))を分析した。脱残炭率は、以下の式(4)により算出した。結果は、表3の通りであった。
脱残炭率(%)=〔(CCRf−CCRp)/CCRf〕×100 ………(4)
式中、CCRf:原料油中の残炭分(質量%)
CCRp:反応生成油中の残炭分(質量%)
Figure 2008290043

Claims (3)

  1. リンを担体基準、酸化物換算で0.1〜4質量%含み、亜鉛を担体基準、酸化物換算で4〜10質量%含むリン・亜鉛含有アルミナを担体として、それに周期律表第6族金属から選ばれる少なくとも1種を触媒基準、酸化物換算で8〜20質量%、周期律表第8族金属から選ばれる少なくとも1種を触媒基準、酸化物換算で2〜5質量%担持してなり、且つ、下記式で表される、XPS定量解析結果の周期律表第6族金属の硫化度が84モル%以上であることを特徴とする重質炭化水素油の水素化処理触媒。
    周期律表第6族金属の硫化度=[M6(IV)/M6]×100
    [上記式中、M6(IV)は、硫化した触媒中の周期律表第6族金属硫化物のモル量であり、M6は、硫化した触媒中の周期律表第6族金属のモル量である]
  2. アルミナゲルを調製する工程、
    該アルミナゲルにリンを担体基準、酸化物換算で0.1〜4質量%、亜鉛を担体基準、酸化物換算で4〜10質量%含むようにリン化合物及び亜鉛化合物を混練する工程、
    得られた混練物を成型し、これを乾燥、焼成して、リン・亜鉛含有アルミナ担体を得る工程、
    該リン・亜鉛含有アルミナ担体に、周期律表第6族金属から選ばれる少なくとも1種を触媒基準、酸化物換算で8〜20質量%、周期律表第8族金属から選ばれる少なくとも1種を触媒基準、酸化物換算で2〜5質量%含むように担持させる工程を含む、重質炭化水素油の水素化処理触媒の製造方法であって、
    前記アルミナゲルを調製する工程またはリン化合物及び亜鉛化合物を混練する工程の少なくとも一方の後に、圧搾濾過器による脱水工程を含むことを特徴とする水素化処理触媒の製造方法。
  3. 請求項1に記載の重質炭化水素油の水素化処理触媒の存在下、水素分圧8〜20MPa、300〜420℃、液空間速度0.1〜2hr−1で、硫黄分を含む常圧蒸留残渣、減圧蒸留残渣、又はこれらの残渣の混合物の接触反応を行うことを特徴とする重質炭化水素油の水素化処理方法。
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