JP5337978B2 - 水素化処理触媒及び減圧軽油の水素化処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭化水素油の水素化処理触媒に関し、特に減圧軽油中の硫黄分を大幅に低減することができる、優れた活性を有する減圧軽油の水素化処理触媒、及び、前記水素化処理触媒を用いた減圧軽油の水素化処理方法に関する。
原油の蒸留や分解によって得られる各炭化水素油留分は、一般に硫黄化合物を含み、これらの炭化水素油を燃料として使用する場合には、この硫黄化合物に起因する硫黄酸化物等が発生する。そのため、原油から石油製品を製造する工程には、硫黄化合物を除去するための脱硫工程が設けられている。減圧蒸留装置から得られる留出油である減圧軽油にも、硫黄化合物が高濃度に存在する。そのため、従来から、減圧軽油は、間接脱硫装置により接触水素化脱硫処理がなされてきた。
ところで、近年、ガソリン車の燃費向上を目指したリーンバーンエンジン等、従来の空燃比と異なる燃焼形態をとるガソリンエンジンが増加してきた。このようなエンジンからの排気処理には、従来の3元触媒だけでは対応できず、窒素酸化物(NOx)を除去するdeNOx触媒が併用されている。このdeNOx触媒は、硫黄分による被毒を受け易いため、軽油の硫黄分規制と同様の理由で、ガソリンに関しても硫黄分の低減が求められてきている。そのため、ガソリン基材の製造原料となる減圧軽油にも、より一層の硫黄分低下が求められ、間接脱硫装置でのさらなる硫黄分除去能力の向上が求められている。
従来、減圧軽油中の硫黄化合物を除去すると同時に軽質化することを目的とする水素化脱硫処理のための触媒は、モリブデン等の周期律表第6族金属と、コバルトやニッケル等の周期律表第8族金属を活性成分とし、これらをアルミナ、マグネシア、シリカ等の無機酸化物担体に担持させた触媒が用いられている。
さらに、脱硫率を上げる技術として、水素化脱硫の運転条件、例えば、反応温度、液空間速度等を過酷にすることも行われている。しかし、反応温度を上げると、触媒上に炭素質が析出して触媒の活性が急速に低下し、また液空間速度を下げると、脱硫能は向上するものの、精製処理能力が低下するため、設備の規模を拡張する必要が生じる。しかも、このような過酷な運転条件は、貯蔵安定性等の性状面への悪影響もある。そのため、運転条件を過酷にしないで、減圧軽油の高品位化を達成し得る最も良い方法として、触媒の活性点数を増やすことや、活性金属量当たりの脱硫活性を上げることによる、より優れた脱硫活性を有する触媒を開発することが求められている。
近年、活性金属の種類、活性金属の含浸方法、触媒担体の改良、触媒の細孔構造制御、活性化法等について多くの検討が多方面において進められており、高性能な脱硫触媒の開発成果が報告され、知られている。
例えば、担体中にリンを含有させた触媒(特許文献1、2参照)や、担体であるアルミナの表面状態を精密制御させた触媒(特許文献3参照)等があるが、さらなる性能の向上が求められている。また、細孔構造が一定に制御された触媒(特許文献4参照)や、アルミナに一定量の一定成分を複合化した一定の複合酸化物を担体に用いる触媒(特許文献5参照))等もあるが、これらの触媒もさらなる性能の向上が求められている。
特開2005−169232号公報 特開2006−341221号公報 特開2004−074075号公報 特開2000−135438号公報 特開2000−342976号公報
本発明の目的は、水素化脱硫活性点を大幅に増やすことができ、その結果、脱硫活性を高めることができる、安価な水素化処理触媒と、この触媒を用いた減圧軽油の水素化処理方法を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するために、下記構成の触媒を提供し、更には減圧軽油の水素化処理方法を提供する。
1.リンを担体基準、酸化物換算で1〜2.5質量%含有し、比表面積が327〜359m/gであるリン含有無機酸化物を担体として、
触媒基準、酸化物換算にて、周期律表第6属金属から選ばれた少なくとも1種を16〜24質量%、及び、周期律表第8族金属から選ばれた少なくとも1種を3〜6質量%含み、前記金属の酸化物換算質量比(第6族金属/第8族金属比)が4.4〜5であり、
下記の式(1)で表されるA値が165〜400であり、
Iave.(center±10%)が1000以上であり、
比表面積が200〜257m /gであり、
細孔容積が0.48〜0.6ml/gであり、
細孔直径(Å)が平均細孔直径±15Åの範囲にある細孔の全容積と全細孔容積の比を百分率(%)で示した値が75〜86%であることを特徴とする減圧軽油の水素化処理触媒。
A=1.74×SA+8.68×PSD−960・・・・式(1)
式(1)中のSAは、水素化処理触媒の比表面積(m/g)であり、PSDは、細孔直径(Å)が平均細孔直径±15Åの範囲にある細孔の全容積と全細孔容積の比を百分率(%)で示した値である。
(Iave.(center±10%)は、下記条件下で行うEPMA線分析による、触媒の中心より前後にそれぞれ触媒直径の10%の距離の範囲おける、リン原子のX線強度(単位:count per second)の平均値である。
〔EPMA線分析条件〕
・試料作成
触媒試料をMMA樹脂に包埋し、切削法により、平滑な触媒断面を得た後、表面にカーボン蒸着する。
・測定条件
測定装置;日本電子製JXA−8200装置
加速電圧;15 kV
照射電流;1×10−7
デ−タ点数;250
取り込み時間;30msec/点 )
.前記A値が165〜173であることを特徴とする上記1に記載の水素化処理触媒。
.上記1または2に記載の水素化処理触媒の存在下、水素分圧3〜5MPa、温度300〜420℃、LHSV0.3〜5hr−1の条件で、減圧軽油留分の接触反応を行うことを特徴とする減圧軽油の水素化処理方法。
本発明によれば、優れた脱硫活性を有する炭化水素油の水素化処理触媒が得られる。さらに、本発明の水素化処理触媒を用いて炭化水素油(特に減圧軽油)の水素化脱硫処理を行うと、反応条件を過酷にせずに、深度脱硫を容易に達成することができる。
本発明における水素化処理触媒の対象油は、炭化水素油であれば特に限定されないが、軽油類(例えば、直流軽油、分解軽油、減圧軽油)等を対象とすることができ、中でも減圧軽油(VGO)を対象とすることが好適である。この原料油の代表的な性状例として、沸点範囲が150〜450℃、硫黄分が5質量%以下のものが挙げられる。
以下、本発明の水素化処理触媒(以下、単に「触媒」ともいう)について、詳しく説明する。
本発明の触媒は、担体として、リンを特定量含有するリン含有無機酸化物を用いる。無機酸化物としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、ボリア等1種以上を用いることができ、中でもアルミナを用いることが好ましい。
リン含有無機酸化物において無機酸化物にリンを含有させる方法としては、特に限定するものではないが、平衡吸着法、混練法、共沈法などが挙げられ、この中でも、触媒劣化が少なく、且つ水素化脱硫性能の高い触媒が得られる点で、混練法によることが好ましい。一例としてリン含有アルミナ担体を製造するには、アルミナゲルを洗浄、乾燥した後、リンを含む水溶液で水分調整し、混練、成形、焼成することにより、リン含有アルミナ担体を調製することができる。この方法により得られたリン含有アルミナ担体は、触媒の上記性能の発現において特に優れた結果が得られるため、好ましい。
本発明に係る触媒の担体としてリン含有アルミナを用いる場合、アルミナとしては、α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、δ−アルミナ等の種々のアルミナを使用できるが、多孔質で高比表面積であるアルミナが好ましく、中でもγ−アルミナが適している。アルミナの純度は、98質量%以上、好ましくは99質量%以上のものが適している。
アルミナ中の不純物としては、SO 2−、C1、Fe、NaO等が挙げられるが、これらの不純物はできるだけ少ないことが望ましく、不純物は全量で2質量%以下、好ましくは1質量%以下であり、成分毎ではSO 2−<1.5質量%、C1、Fe、NaO<0.1質量%であることが望ましい。
無機酸化物担体には、ゼオライト、ボリア、シリカ、ジルコニアから選ばれる一種以上を複合化させてもよい。例えば無機酸化物としてアルミナを使用する場合、アルミナには、ゼオライト、シリカから選ばれる一種以上を複合化させることが好ましい。この際、ボリア、シリカ、ジルコニアは、一般に、この種触媒の担体成分として使用されるものを使用することができる。
アルミナに複合化させる成分の配合量は、複合化酸化物担体中、アルミナが92〜99.5質量%に対し、0.5〜8質量%が適当である。これらの成分を添加することで、適度なブレンステッド酸点やルイス酸点の付与がなされ、触媒活性が向上する。これらの成分の添加量が多すぎると、Moが高分散化できなくなることや、細孔直径の制御がし難くなることがある。
上記成分をアルミナに複合化させる方法としては、共沈法、混練法等が挙げられる。
上記複合化成分のゼオライトとしては、フォージャサイトX 型ゼオライト、フォージャサイトY 型ゼオライト、βゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ZSM系ゼオライト(ZSM−4,5,8,11,12,20,21,23,34,35,38,46等がある)、MCM−41,MCM−22,MCM−48,SSZ−33,UTD−1,CIT−5,VPI−5,TS−1,TS−2等が使用でき、好ましくはY型ゼオライト、安定化Yゼオライト、βゼオライトであり、中でもプロトン型が好ましい。
また、使用するゼオライトの電子顕微鏡写真での測定による平均粒子径は、2.5〜6μm、好ましくは3〜5μm、より好ましくは3〜4μmであることが望ましい。さらに、使用するゼオライトにおける粒子径6μm以下のものがゼオライト全粒子に対して占める割合は、70〜98%、好ましくは75〜98%、より好ましくは80〜98%であることが望ましい。
使用するゼオライトにこのような特性を求める理由としては、難脱硫性物質の細孔内拡散を容易にするために、細孔直径を精密に制御する上で必須である点が挙げられる。例えば、ゼオライトの平均粒子径が大きすぎたり、大きな粒子径の含有量が多かったりすると、複合化酸化物担体を調製する過程で、無機酸化物とゼオライトの吸着水量や結晶性の違いから、加熱焼成時の無機酸化物とゼオライトの収縮率が異なり、複合化酸化物担体の細孔として比較的大きなメゾあるいはマクロポアーが生じる可能性がある。
本発明の触媒の担体に使用するリン酸化物の原料としては、種々の化合物を使用することができ、例えば、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸等が挙げられるが、オルトリン酸が好ましい。
リンの含有量は、リン含有無機酸化物担体を基準として、酸化物換算で表示して、下限値が1質量%、好ましくは2質量%、上限値が3質量%、好ましくは2.5質量%である。リンの含有量が上記範囲であることにより、リン添加が活性金属の高分散化に寄与し、高い脱硫活性を有する触媒が得られる。3質量%以下であれば、過剰なリンが被毒物質として触媒活性点を被覆して触媒活性が低下することや、細孔容積の大幅な低下等による触媒寿命の低下を引き起こさないため好ましい。
ここで、リンの含有量に関して、「担体を基準として酸化物換算で表示する」とは、担体全質量に対するリンの酸化物質量の割合を意味する。リンの酸化物質量は五酸化二リンに換算して求める。
本発明に係るリン含有無機酸化物担体を得る方法の一例として、アルミナゲルを用いてリン含有アルミナ担体を製造する方法について詳しく説明する。まず始めにアルミナゲルを製造する。アルミナゲルの製造方法は特に限定されず、通常の方法を採用することができる。すなわち、水溶性のアルミニウム化合物、例えば、アルミニウムの硫酸塩、硝酸塩あるいは塩化物をアンモニアのような塩基で中和するか、又はアルカリ金属アルミン酸塩を酸性アルミニウム塩又は酸で中和するなどして、アルミナゲルを得る。
通常のアルミナ担体は、アルミナゲルを熟成、洗浄、脱水乾燥、水分調整、成形、乾燥、焼成等の一般的な工程により製造することができる。リン含有アルミナ担体は、脱水乾燥後のアルミナゲル中にリンを含む水溶液を添加して水分調整し、混練する工程を上記成形工程の前に付加して製造することが好ましい。
担体として好適な構造物性を有する担体を得るには、沈殿剤や中和剤などを添加してアルミナゲルを作る際のpH、これら薬剤の濃度、時間、温度等を適宜調整すればよい。なお、ゲル生成の際のpHを酸性側にすれば、比表面積が大きくなり、後述するA値を増大できるため好ましい。アルミナゲルを生成させるに際しては、pHは4〜8、温度は15〜90℃の範囲内とすることが好ましい。
アルミナゲル生成後、熟成、不純物の洗浄除去、脱水乾燥を行う。熟成は、熟成後のアルミナゲルからの不純物の除去のし易さ及びアルミナゲルの比表面積を適度な大きさに維持する観点から、pH4〜9、15〜90℃で1〜25時間の範囲で行うことが好ましい。
また、脱水乾燥は、アルミナゲルになるべく熱を加えずに、含有水分量を調整することにより行う。例えば、15〜90℃、0.01〜2MPaでの自然濾過、吸引濾過、加圧濾過、圧搾濾過などが挙げられるが、圧搾濾過が好ましい。アルミナゲルに余分な熱を加えずに含有水分量を調整することで、担体の表面構造の制御が可能となり、触媒の水素化脱硫活性を向上させることができる。
上記のようにして得られるアルミナゲルを、純水に混濁させて均一なスラリーとし、このスラリーを圧搾濾過器により脱水しケーキを得る。圧搾濾過器は、スラリーに圧縮空気又はポンプ圧を作用させ濾過するもので、圧濾器とも呼ばれる。圧搾濾過器には、板枠型と凹板型があるが、どのタイプのものも好ましく用いることができる。
上記の板枠型圧濾器は、濾板と濾枠が交互に端板間に締め付けられており、濾枠の中へスラリーを圧入して濾過する構造となっており、濾板は濾液流路となる溝を持ち、濾枠には濾布が貼設してあるものが一般的である。一方、上記の凹型圧濾器は、濾布と凹板型の濾板を交互に並べて、端板との間で締め付け濾室を構成する構造を有している。
この圧搾濾過器による脱水は、脱水後のケーキの含水率が60〜90質量%となるようにすることが好適である。含水率が90質量%より多いと、脱水が不十分であり、押し出し成形をする段階で成形性が悪化する。含水率が、60質量%未満であると、含水率が不十分であり、均一な形状を有する担体が得られない。
圧搾濾過により得られるケーキは、加熱しながら均一になるように混練する。この混練には、加熱型ニーダー等を使用することができる。
複合化酸化物担体、リン化合物を含有させたアルミナを主成分としたリン含有無機酸化物を混練法で製造する場合には、この時点で複合化させる成分を添加することが好ましい。
混練したケーキは押し出し成形器で成形し、これを乾燥、焼成することにより本発明で用いる担体を得ることができる。
本発明で用いる担体の比表面積、細孔容積、及び平均細孔直径は、特に制限されないが、水素化脱硫活性の高い触媒にするためには、比表面積が、下限値240m/g、好ましくは300m/g、上限値400m/g、好ましくは390m/gであり、細孔容積が、下限値0.55m1/g、好ましくは0.65m1/g、上限値0.9m1/g、好ましくは0.8m1/gであり、平均細孔径が、下限値60Å、好ましくは65Å、上限値120Å、好ましくは90Åであるものが適している。
比表面積が240m/g未満では、活性金属の分散性が悪くなるため、低脱硫活性の触媒となる。また、比表面積が400m/gより大きいと、細孔直径が極端に小さくなるため、触媒の細孔直径も小さくなる。そして、細孔直径が小さいと、硫黄化合物の触媒細孔内への拡散が不十分となり、脱硫活性が低下する。
細孔容積が0.55m1/g未満では、通常の含浸法で触媒を調製する場合、細孔容積内に入り込む溶媒が少量となる。溶媒が少量であると、活性金属化合物の溶解性が悪くなり、金属の分散性が低下し、低活性の触媒となる。また、細孔容積が0.9m1/gより大きいと、比表面積が極端に小さくなって、活性金属の分散性が悪くなり、脱硫活性の低い触媒となる。
細孔直径が60Å未満では、活性金属を担持した触媒の細孔直径も小さくなる。触媒の細孔直径が小さいと、硫黄化合物の触媒細孔内への拡散が不十分となり、脱硫活性が低下する。また、細孔直径が120Åより大きいと、比表面積が小さくなる。比表面積が小さいと、活性金属の分散性が悪くなり、脱硫活性の低い触媒となる。
本発明の触媒に含有させる周期律表第6族金属(以下、「6族金属」という)は、モリブデン、タングステンが好ましく、モリブデンが特に好ましい。
6族金属の含有量は、触媒基準、酸化物換算で、下限値が16質量%、好ましくは18質量%、上限値は24質量%、好ましくは23質量%とする。6族金属が16質量%以上であれば、6族金属に起因する効果を発現させるには十分であり、24質量%以下であれば、6族金属の含浸(担持)工程で6族化合物の凝集が僅かであり、6族金属を効率的に分散できるため、好ましい。
本発明の触媒に含有させる周期律表第8族金属(以下、「8族金属」という)は、コバルト、ニッケルが好ましく、コバルトが特に好ましい。
8族金属の含有量は、触媒基準、酸化物換算で、下限値が3質量%、好ましくは3.5質量%、上限値は6質量%とする。3質量%以上であれば、8族金属に帰属する活性点を十分に得ることができ、6質量%以下であれば、8族金属の含有(担持)工程で8族金属化合物の凝集をほとんど生じることなく、8族金属の分散性を維持することに加え、不活性なコバルト、ニッケル種であるCo種、Ni3種の前駆体であるCoO種、NiO種等や、担体の格子内に取り込まれたCoスピネル種、Niスピネル種等の生成を抑制することが考えられるため、好ましい。
ここで、6族金属及び8族金属の含有量に関して、「触媒を基準として酸化物換算で表示する」とは、触媒全質量に対するそれぞれの金属の酸化物質量の割合を意味する。6族金属及び8族金属の酸化物質量は、6族金属については6価の酸化物、8族金属については2価の酸化物に換算して求める。
8族金属、6族金属の上記した含有量において、8族金属と6族金属の最適質量比は、好ましくは、酸化物換算で、〔6族金属〕/〔8族金属〕(質量比)の値で、下限値が3.6、好ましくは3.7、上限値が5.5、好ましくは5である。
この値が上記範囲であると、脱硫の活性点と考えられるCoMoS相、NiMoS相等が十分に生成して脱硫活性が向上し、しかも上記の不活性なコバルト、ニッケル種(Co種、Ni種)の生成が僅かであり、触媒活性の低下が実質上起こらない。
本発明の触媒は、水素化脱硫及び脱硫活性を高めるために、上記の組成を有すると共に、その比表面積、細孔容積及び平均細孔直径が、以下の値を示すことが好ましい。
窒素吸着法(BET法)で測定した比表面積は、下限値が200m/gであることが好ましく、250m/gであることがより好ましい。比表面積の上限値は、330m/gであることが好ましく、300m/gであることがより好ましい。
比表面積が200m以上であれば、活性金属を高分散化するのに好ましく、硫化処理することによる活性金属の凝集等を抑制でき高脱硫性能を発現可能であり、また、330m/g以下であれば、触媒細孔径が極端に小さくならないため、脱硫対象となる硫黄化合物が十分に細孔内で拡散可能である点から好ましい。
水銀圧入法で測定した細孔容積は、下限値が0.36m1/gであることが好ましく、0.45m1/gであることがより好ましい。細孔容積の上限値は、0.6m1/gであることが好ましく、好ましくは0.55m1/gであることがより好ましい。
水銀圧入法で測定した細孔径分布での平均細孔直径は、下限値が75Åであることが好ましく、80Åであることがより好ましい。平均細孔直径の上限値は95Åであることが好ましく、90Åであることがより好ましい。
また、脱硫対象となる硫黄化合物が十分に細孔内で拡散でき、かつ、活性金属を高分散化するためには、上記細孔条件を満たす細孔の有効数を多くすることが好ましい。上記の細孔条件を満たす細孔の有効数を多くするためには、触媒の細孔径分布、すなわち細孔直径が平均細孔直径±15Åの範囲にある細孔の全容積の全細孔容積に対する割合(PSD)は、70%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましい。
そして、細孔径分布として、有効数が多い場合モノモーダルを示し、さらに細孔径分布がシャープであることが好ましい。
しかして、本発明の触媒は、比表面積と、細孔直径(Å)が平均細孔直径±15Åの範囲にある細孔の全容積の全細孔容積に対する割合との関係が、下記の式(1)を満足するものである。
A=1.74×SA+8.68×PSD−960≧150 ‥ ‥ ‥ 式(1)
式(1)において、SAは比表面積、PSDは細孔直径(Å)が平均細孔直径±15Åの範囲にある細孔の全容積と全細孔容積の比を百分率で示した値である。
本発明の触媒は、式(1)で示されるA値が150以上、好ましくは165以上であることが肝要である。A値が高い程、活性金属の触媒活性を有効に発現できることを示しており、A値が150以上であれば、活性金属の分散性と脱硫対象硫黄化合物の拡散性の制御が好適である。A値の上限は、特に限定されるものではないが、400程度に設定することが望ましい。
また、本発明の触媒は、リン原子の分散状態が触媒の中心部分に存在するように制御されていて、リン原子の分散状態の指標であるIave.(center±10%)が1000以上であり、好ましくは1400以上である。Iave.(center±10%)とは、EPMA線分析による、触媒の中心より前後にそれぞれ触媒直径の10%の距離の範囲おける、リン原子のX線強度(cps)の平均値である。なお、EPMA線分析は、エレクトロンプローブ・マイクロアナリシス(EPMA)装置による、触媒中心を通る断面幅方向における線分析を意味する。X線強度は、触媒に1秒間X線を照射したときに検出されるX線光量子の数(cps)を意味する。
Iave.(center±10%)が大きいほど触媒ペレット内部までリン原子が存在し、リン原子の分布が制御されていることを示す。Iave.(center±10%)が1000以上であれば触媒ペレット内部までリン原子が十分に存在し、リン原子の分布が制御されているため、触媒活性の向上が望める。Iave.(center±10%)の上限は、特に限定されるものではないが、3000程度に設定することが望ましい。
本発明の触媒は、使用に当たり反応装置に充填して触媒充填層を形成する場合は、この触媒充填層の空隙率が好ましくは0.40ml/ml以上、より好ましくは0.45ml/ml以上、さらには0.50ml/ml以上となるようにすることが好ましく、そうすることにより触媒充填層における油の流通が滑らかとなり、差圧を生じ難くすることができる。この空隙率は、大きすぎると原料油との接触が少なくなり、製品油中の硫黄分を所期通り低減することができなくなるため、上限は0.65ml/ml程度とすることが望ましい。
本発明の触媒の大きさは、好ましくは直径2〜0.8mmであり、長さ2〜5mmであることがより好ましい。触媒形状としては、特に制限はないが、円柱型よりも、断面四葉型の柱状(以下、「四葉型」と略す)とすることが好ましい。
円柱型より四葉型が好ましい主な理由としては、触媒体積当たりの外表面積が大きいこと、触媒充填層の好ましい空隙率を得易いことが挙げられる。なお、円柱型であっても、長さと直径の比を最適化することにより外表面積を大きくすることはできるが、その場合には同時に触媒充填層の空隙率や触媒ペレット内への原料油の拡散を最適にするのは難しい。また、四葉型触媒は、同等のペレット直径をもつ円柱型触媒と比較して、触媒の機械的強度が高いという利点もある。
本発明の触媒の機械的強度は、側面破壊強度(SCS:Side crushing strength)で2lbs/mm以上が好ましい。SCS が、2lbs/mm以上であれば、反応装置に充填した触媒が破壊され、反応装置内で差圧が発生し、水素化処理運転の続行が不可能となることを防ぐことができる。触媒の最密充填かさ密度(CBD:Com pacted Bulk Density)は、0.6〜0.9が好ましい。
以上述べた特性を有する本発明の触媒を得るには、担体である上記リン含有無機酸化物に、水、酸等の溶媒に上記6属金属や8属金属の各活性成分を含む化合物を溶解させて調製した溶液を含浸させて調製することができる。
担体に、上記各活性成分を含浸させる方法としては、これら各活性成分を同時に含浸させる一段含浸法と、8族金属と6族金属を個別に二段で含浸させる方法があるが、脱硫活性点数、酸性質、細孔等の触媒特性の面、あるいは触媒調製の操作性の面から、一段含浸法が有利と考えられる。
上記の含浸溶液中に使用する6族金属を含む化合物として、種々のものを用いることができる。モリブデン化合物の具体例として、酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン縮合酸塩等が挙げられるが、酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム、モリブドリン酸が好ましい。また、タングステン化合物の具体例として、酸化タングステン、タングステン酸アンモニウム、タングステン縮合酸塩等が挙げられるが、酸化タングステン、タングステン酸アンモニウム、タングストリン酸が好ましい。これら化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。勿論、モリブデン化合物とタングステン化合物を組み合わせて用いることができる。
上記の含浸溶液中に使用する8族金属を含む化合物としては、種々のものを用いることができる。コバルト化合物の具体例として、硝酸コバルト、硫酸コバルト、炭酸コバルト、酢酸コバルト、シュウ酸コバルト、塩化コバルト等が挙げられるが、硝酸コバルト、炭酸コバルト、酢酸コバルトが好ましい。また、ニッケル化合物の具体例として、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、酢酸ニッケル、シュウ酸ニッケル、塩化ニッケル等が挙げられるが、硝酸ニッケル、炭酸ニッケル、酢酸ニッケルが好ましい。これらの化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。勿論、ニッケル化合物とコバルト化合物を組み合わせて用いることができる。
上記の含浸溶液の調製時、上記の各活性成分を含む化合物の溶解を促進するために、加温(30〜100℃)や、酸(硝酸、有機酸(クエン酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸等)、リン酸)の添加を行ってもよい。
上記担体の含浸時間は、好ましくは1分〜5時間、より好ましくは5分〜3時間、温度は好ましくは5〜100℃、より好ましくは10〜80℃が、雰囲気は大気中、窒素中、真空中が、それぞれ適している。
各活性成分の含浸担持後は、一般に、常温〜80℃、窒素気流中、空気気流中、あるいは真空中で、水分をある程度〔LOI(Loss on ignition)50%以下となるように〕除去し、乾燥炉にて、空気気流中、80〜150℃で、10分〜10時間乾燥する。次いで、焼成炉にて、空気気流中、下限値が300℃、好ましくは400℃、上限値が700℃、好ましくは550℃、より好ましくは500℃の温度範囲で、10分〜10時間焼成を行う。
本発明の触媒は、使用前に(すなわち、本発明の水素化処理方法を行うのに先立って)、一般に反応装置中で、硫化処理して活性化する。この硫化処理は、一般に、200〜400℃ 、好ましくは250〜350℃、常圧あるいはそれ以上の水素分圧の水素雰囲気下で、硫黄化合物を含む石油蒸留物、それにジメチルジスルファイドや二硫化炭素等の硫化剤を加えたもの、あるいは硫化水素を用いて行う。
以上述べた本発明の触媒を使用する本発明の水素化処理方法は、水素分圧3〜5MPa、300〜420℃、及び液空間速度(LHSV)0.3〜5hr−1の条件で、本発明の触媒と硫黄化合物を含む原料油の減圧軽油留分とを接触させて、原料油の減圧軽油留分中の硫黄分を減少させる方法である。
本発明の水素化処理方法を商業規模で行うには、本発明の触媒の固定床、移動床、あるいは流動床式の触媒層を反応装置内に形成し、この反応装置内に原料油を導入し、上記の条件下で水素化反応を行えばよい。
最も一般的には、固定床式触媒層を反応装置内に形成し、原料油を反応装置の上部に導入し、固定床の上から下に通過させ、反応装置の下部から生成物を流出させるものか、反対に原料油を反応装置の下部に導入し、固定床の下から上に通過させ、反応装置の上部から生成物を流出させるものである。
本発明の水素化処理方法は、本発明の触媒を、単独の反応装置に充填して行う一段の水素化処理方法であってもよいし、幾つかの反応装置に充填して行う多段連続水素化処理方法であってもよい。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔触媒の調製〕
実施例1
アルミナ水和物スラリーを濾過器により、SO 2−、Naが検出できなくなるまで、水分除去、純水洗浄を適宜行い、最終的に水分除去しゲルとした。このようにして得たアルミナゲルを、純水に混濁させて均一なスラリーとし、このスラリーを圧搾濾過器により脱水しケーキを得た。
このケーキを加温型ニーダーに投入し、オルトリン酸水溶液により水分調製し、混練、成形、乾燥後、焼成することにより、酸化リン含有量2.1質量%(担体換算)、比表面積359m/g、細孔容積0.69ml/g、平均細孔直径6.4nmの性状を有するリン含有アルミナ担体を調製した。
一方、モリブデン酸アンモニウム20g、炭酸コバルト5.0g、オルトリン酸0.9gをイオン交換水36gに添加し、更に添加した金属化合物が完全に溶解するまでクエン酸を添加し、金属化合物の水溶液を調製した。この水溶液を上記リン含有アルミナ担体50gに滴下した後、室温にて2時間浸漬した。その後、窒素気流中で3時間風乾し、マッフル炉にて120℃で1時間乾燥させ、次いで500℃で4時間焼成して触媒Aを得た。
実施例2
実施例1と同様にして、酸化リン含有量1.4質量%(担体換算)、比表面積327m/g、細孔容積0.70ml/g、平均細孔直径7.0nmの性状を有するリン含有アルミナ担体を調製した。
一方、モリブデン酸アンモニウム19g、炭酸コバルト5.0g、オルトリン酸1.5gをイオン交換水36gに添加し、更に添加した金属化合物が完全に溶解するまでクエン酸を添加し、金属化合物の水溶液を調製した。この水溶液を上記リン含有アルミナ担体50gに滴下した後、実施例1と同様に、浸漬、乾燥、焼成を行い、触媒Bを得た。
比較例1
オルトリン酸水溶液に代えて純水を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比表面積333m/g、細孔容積0.70ml/g、平均細孔直径6.9nmの性状を有するアルミナ担体を調製した。
一方、モリブデン酸アンモニウム17g、炭酸コバルト5.0g、オルトリン酸3.4gをイオン交換水36gに添加し、更に添加した金属化合物が完全に溶解するまでクエン酸を添加し、金属化合物の水溶液を調製した。この水溶液を上記アルミナ担体50gに滴下した後、実施例1と同様に、浸漬、乾燥、焼成を行い、触媒aを得た。
比較例2
実施例1と同様にして、酸化リン含有量2.6質量%(担体換算)、比表面積315m/g、細孔容積0.72ml/g、平均細孔直径6.9 nmの性状を有するリン含有アルミナ担体を調製した。
一方、モリブデン酸アンモニウム16g、炭酸コバルト4.9g、オルトリン酸1.0gをイオン交換水36gに添加し、更に添加した金属化合物が完全に溶解するまでクエン酸を添加し、金属化合物の水溶液を調製した。この水溶液を上記リン含有アルミナ担体50gに滴下した後、実施例1と同様に、浸漬、乾燥、焼成を行い、触媒bを得た。
〔触媒の性状〕
実施例1〜2及び比較例1〜2で得た触媒の化学性状を表1に、物理性状を表2に、EPMAによる線分析で求めたIave.(center±10%)値、比表面積と細孔径分布から求めたA値を表3にそれぞれ示した。
(触媒の化学組成の分析方法)
・担体中、触媒中の金属分析は誘導プラズマ発光分析(ICPS−2000:島津製作所製)を用いて行った。金属の定量は、絶対検量線法で行った。
(触媒の物理性状の分析方法)
・比表面積は、窒素吸着によるBET法により測定した。
窒素吸着装置は、日本ベル(株) 製の表面積測定装置(ベルソープ28)を使用した。
・細孔容積、平均細孔直径、及び細孔径分布は、水銀圧入法により測定した。
水銀圧入装置は、ポロシメーター(MICROMERITICS AUTO−PORE9200:島津製作所製)を使用した。
(EPMA測定)
リン原子の分布状態の指標となるIave.(center±10%)の測定は、日本電子製JXA−8200装置を使用し、触媒の断面を一方の表面から中心を通り、反対側の表面までリン原子のEPMA線分析により実施した。分析条件を以下に示した。
・試料作成
触媒試料をMMA樹脂に包埋し、切削法により、平滑な触媒断面を得た後、表面にカーボン蒸着した。
・測定条件
加速電圧;15 kV
照射電流;1×10−7
デ−タ点数;250
取り込み時間;30msec/点
Figure 0005337978
Figure 0005337978
Figure 0005337978
〔減圧軽油の水素化処理反応〕
以上の実施例1〜2及び比較例1〜2で得た各触媒の水素化脱硫活性を、原料油に減圧軽油を用い、下記に示す方法で評価した。
まず、触媒を高圧流通式反応装置に充填して固定床式触媒層を形成し、下記の条件で前処理した。
次に、反応温度に加熱した原料油と水素含有ガスとの混合流体を、反応装置の上部より導入して、下記の条件で脱硫反応を進行させ、生成油とガスの混合流体を、反応装置の下部より流出させ、気液分離器で生成油を分離した。
触媒の前処理条件:
圧力(水素分圧);4.9 MPa
硫化剤;上記水素化処理反応実験における原料油(カフジ減圧軽油)
温度;290℃で15hr維持、次いで320℃で15hr維持のステップ昇温(昇温速度は25℃/hr)
脱硫反応条件:
反応温度;360℃
圧力(水素分圧);4.9 MPa
液空間速度;0.66 hr-1
水素/オイル比;500 m3(normal)/Kl
原料油の性状:
油種;カフジ減圧軽油
比重(15/4℃);0.9313
硫黄成分;2.88質量%
窒素成分;0.08質量%
残留炭素分;0.44質量%
各触媒の脱硫活性について、以下の方法で解析した。
上記脱硫反応条件で反応装置を運転し、20日経過した時点で生成油を採取し、生成油中の硫黄分と原料油の硫黄分及び液空間速度から、脱硫反応速度定数(ks)を求め、また、比活性を求めた。このks値の求め方、及び比活性値の求め方を以下に示す。
生成油の硫黄分(Sp)の減少量に対して、1.5次の反応次数を得る反応速度式の定数を脱硫反応速度定数(ks)とする。なお、脱硫反応速度定数が高い程、触媒活性が優れていることを示している。
脱硫反応速度定数=2×〔1/(Sp)0.5−1/(Sf)0.5〕×(LHSV)
式中、Sf:原料油中の硫黄分(質量%)
Sp:反応生成油中の硫黄分(質量%)
LHSV:液空間速度(hr-1
脱硫比活性(%)=(各脱硫反応速度定数/比較触媒aの脱硫反応速度定数)×100
なお、原料油並びに生成油の硫黄濃度の分析は、ニューリー(株)社製、X線硫黄分析計(RX−610SA)で求めた。
表4に、触媒aの脱硫反応速度定数を100としたときの相対値で脱硫比活性を示した。
Figure 0005337978

Claims (3)

  1. リンを担体基準、酸化物換算で1〜2.5質量%含有し、比表面積が327〜359m/gであるリン含有無機酸化物を担体として、
    触媒基準、酸化物換算にて、周期律表第6属金属から選ばれた少なくとも1種を16〜24質量%、及び、周期律表第8族金属から選ばれた少なくとも1種を3〜6質量%含み、前記金属の酸化物換算質量比(第6族金属/第8族金属比)が4.4〜5であり、
    下記の式(1)で表されるA値が165〜400であり、
    Iave.(center±10%)が1000以上であり、
    比表面積が200〜257m /gであり、
    細孔容積が0.48〜0.6ml/gであり、
    細孔直径(Å)が平均細孔直径±15Åの範囲にある細孔の全容積と全細孔容積の比を百分率(%)で示した値が75〜86%であることを特徴とする減圧軽油の水素化処理触媒。
    A=1.74×SA+8.68×PSD−960・・・・式(1)
    式(1)中のSAは、水素化処理触媒の比表面積(m/g)であり、PSDは、細孔直径(Å)が平均細孔直径±15Åの範囲にある細孔の全容積と全細孔容積の比を百分率(%)で示した値である。
    (Iave.(center±10%)は、下記条件下で行うEPMA線分析による、触媒の中心より前後にそれぞれ触媒直径の10%の距離の範囲おける、リン原子のX線強度(単位:count per second)の平均値である。
    〔EPMA線分析条件〕
    ・試料作成
    触媒試料をMMA樹脂に包埋し、切削法により、平滑な触媒断面を得た後、表面にカーボン蒸着する。
    ・測定条件
    測定装置;日本電子製JXA−8200装置
    加速電圧;15 kV
    照射電流;1×10−7
    デ−タ点数;250
    取り込み時間;30msec/点 )
  2. 前記A値が165〜173であることを特徴とする請求項に記載の水素化処理触媒。
  3. 請求項1または2に記載の水素化処理触媒の存在下、水素分圧3〜5MPa、温度300〜420℃、LHSV0.3〜5hr−1の条件で、減圧軽油留分の接触反応を行うことを特徴とする減圧軽油の水素化処理方法。
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