JP4174265B2 - 減圧軽油の水素化処理触媒、その製造方法、及び減圧軽油の水素化処理方法 - Google Patents

減圧軽油の水素化処理触媒、その製造方法、及び減圧軽油の水素化処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する利用分野】
本発明は、減圧蒸留軽油の水素化処理触媒と、この触媒の製造方法と、この触媒を用いた減圧蒸留軽油の水素化処理方法とに関し、詳しくは、減圧蒸留軽油を水素化処理する際に、減圧蒸留軽油中の硫黄分を従来のこの種の触媒を使用する場合よりも大幅に低減することができる、優れた活性を有する触媒と、その製造方法と、この触媒を用いて減圧蒸留軽油を低硫黄化する方法とに関する。
【0002】
【技術背景】
原油の蒸留や分解によって得られる各油留分は、一般に硫黄化合物を含み、これらの油を燃料として使用する場合には、この硫黄化合物に起因する硫黄酸化物等が発生する。そのため、原油から石油製品を製造する工程には、硫黄化合物を除去するための、脱硫工程が設けられている。
減圧蒸留装置から得られる留出油である減圧蒸留軽油にも、硫黄化合物が高濃度に存在する。そのため、従来から、減圧蒸留軽油は、間接脱硫装置により接触水素化脱硫処理がなされてきた。
【0003】
ところで、近年、ガソリン車の燃費向上を目指したリーンバーンエンジン等、従来の空燃比と異なる燃焼形態をとるガソリンエンジンが増加してきた。
このようなエンジンからの排気処理には、従来の3元触媒だけでは対応できず、窒素酸化物(NOx)を除去するdeNOx触媒が併用されている。
このdeNOx触媒は、硫黄分による被毒を受け易いため、軽油の硫黄分規制と同様の理由で、ガソリンに関しても硫黄分の低減が求められてきている。
そのため、ガソリン基材の製造原料となる減圧蒸留軽油にも、より一層の硫黄分低下が求められ、間接脱硫装置でのさらなる硫黄分除去能力の向上が求められている。
【0004】
また、脱硫に際して、重質油留分の水素化分解も同時に進行するので、ナフサ、灯油、軽油等のような付加価値のより高い軽質留分も生成する。
近年は、軽質油留分の需要の増加にともなって、重質留分の水素化分解活性の高い水素化脱硫触媒が要望されている。
このような軽質油留分の増産をはかる装置として、MHC(マイルドハイドロクラッキング)プロセス(ヨーロッパ特許第0244106号)が商業化されている。
【0005】
従来、減圧蒸留軽油中の硫黄化合物を除去すると同時に軽質化することを目的とする水素化脱硫処理のための触媒は、モリブデン等の周期律表第VIA族(以下、6A族)の金属と、コバルトやニッケル等の周期律表第VIII族(以下、8族)の鉄族金属を活性成分とし、これらをアルミナ、マグネシア、シリカ等の無機酸化物担体に担持させた触媒が用いられている。
このような脱硫触媒の活性をさらに向上させたものとして、リン、ホウ素等を添加した触媒(特開昭52−13503号公報)、担体中にゼオライトを含有させた触媒(特開昭56−20087号公報)等が知られているが、さらなる性能の向上が求められている。
【0006】
さらに、脱硫率を上げる技術として、水素化脱硫の運転条件、例えば、反応温度、液空間速度等を過酷にすることも行われている。
しかし、反応温度を上げると、触媒上に炭素質が析出して触媒の活性が急速に低下し、また液空間速度を下げると、脱硫能は向上するものの、精製処理能力が低下するため、設備の規模を拡張する必要が生じる。しかも、このような過酷な運転条件は、貯蔵安定性等の性状面への悪影響もある。
そのため、運転条件を過酷にしないで、減圧蒸留軽油の高品位化を達成し得る最も良い方法として、触媒の活性点数を増やすことや、活性金属量当たりの脱硫活性を上げることによる、より優れた脱硫活性や分解活性を有する触媒を開発することが求められている。
【0007】
【発明の目的】
本発明の目的は、水素化脱硫活性点を大幅に増やすことができ、その結果、脱硫活性を高めることができる、安価な、減圧蒸留軽油の水素化処理触媒と、その製造方法、更にはこの触媒を用いた減圧蒸留軽油の水素化処理方法を提供することである。
【0008】
【発明の概要】
本発明者らは、上記目的を達成するために、6A族−鉄族/アルミナ含有担体触媒において、
1)触媒表面上での6A族金属の分散状態を良好にするために、担体であるアルミナの表面状態を精密制御し、
2)原料油と触媒の接触効率を向上させて触媒ペレット内に原料油を十分に拡散させるために、接触外表面積が大きな触媒形状を選択すること、
3)触媒充填層における油の流通が滑らかであるために、上記の触媒が充填されて触媒充填層を形成した場合に、この触媒充填層には、一定以上の空隙率が保持されていることが望ましいこと、
4)アルミナ含有担体の製造時において、アルミナ水和物スラリーを成形前の最終脱水工程で圧搾濾過器を用いて脱水することがアルミナ表面状態を向上させる点で望ましいこと、
5)これらの結果として、脱硫反応が効率的に進行し、反応条件を過酷にせずに、深度脱硫を容易に達成することができる高性能脱硫触媒を得ることができること、
の知見を得た。
【0009】
これらの知見に基づき、本発明の減圧軽油の水素化脱硫触媒は、
〔1〕アルミナ担体又はアルミナを主成分とする複合酸化物担体(以下、アルミナ含有担体等と記す)に、鉄族金属と6A族金属を担持した触媒において、
前記担体を構成するアルミナの状態が、27Al−NMR(核磁気共鳴)を用いて分析した場合に、Al原子の配位構造に占める四配位Alに帰属される面積強度のの割合が全体の30%以上であり、かつ触媒の外表面積が3500mm/ml以上であることを特徴とする。このとき、触媒は、充填されて触媒充填層を形成した場合に、この触媒充填層が空隙率0.45ml/ml以上となることが好ましい。
また、本発明の減圧軽油水素化脱硫触媒の製造方法は、
〔2〕アルミナ含有担体の製造時において、アルミナ水和物スラリーを、成形前の最終脱水工程で圧搾濾過器を用いて脱水することを特徴とする。
さらに、本発明の減圧蒸留軽油の水素化処理方法は、
〔3〕〔1〕の触媒の存在下、水素分圧3〜8MPa、温度300〜420℃、液空間速度0.3〜5hr−1で、硫黄分を含む減圧蒸留軽油留分の接触反応を行うことを特徴とする。
【0010】
本発明における対象油は、減圧蒸留軽油(VGO)である。この原料油の代表的な性状例として、沸点範囲が150〜450℃、硫黄分が5質量%以下のものが挙げられる。
【0011】
本発明触媒の担体を構成するアルミナは、α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、δ−アルミナ等の種々のアルミナを使用できるが、多孔質で高比表面積であるアルミナが好ましく、中でもγ−アルミナが適している。
アルミナの純度は、約98質量%以上、好ましくは約99質量%以上のものが適している。
アルミナ中の不純物としては、SO 2−、C1、Fe、NaO等が挙げられるが、これらの不純物はできるだけ少ないことが望ましく、不純物全量では2質量%以下、好ましくは1質量%以下であり、成分毎ではSO 2−−<1.5質量%、C1、Fe、NaO<0.1質量%であることが望ましい。
【0012】
アルミナを主成分とする複合酸化物担体は、上記アルミナにゼオライト、ボリア、シリカ、ジルコニアから選ばれる一種以上を複合化させたものであり、中でもゼオライト、シリカから選ばれる一種以上を複合化させたものが好ましい。
上記のボリア、シリカ、ジルコニアは、一般に、この種触媒の担体成分として使用されるものを使用することができる。
【0013】
一方、ゼオライトとしては、フォージャサイトX型ゼオライト、フォージャサイトY型ゼオライト、βゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ZSM系ゼオライト(ZSM−4,5,8,11,12,20,21,23,34,35,38,46等がある)、MCM−41,MCM−22,MCM−48,SSZ−33,UTD−1,CIT−5,VPI−5,TS−1,TS−2等が使用でき、好ましくはY型ゼオライト、安定化Yゼオライト、βゼオライトであり、中でもプロトン型が好ましい。
また、ゼオライトの電子顕微鏡写真での測定による平均粒子径は、約2.5〜6μm、好ましくは約3〜5μm、より好ましくは約3〜4μmである。
さらに、ゼオライトの粒子径6μm以下のものがゼオライト全粒子に対して占める割合は、約70〜98%、好ましくは約75〜98%、より好ましくは約80〜98%である。
【0014】
ゼオライトにこのような特性を求める理由としては、難脱硫性物質の細孔内拡散を容易にするために、細孔直径を精密に制御する上で必須である点が挙げられる。
例えば、平均粒子径が大きすぎたり、大きな粒子径の含有量が多かったりすると、複合酸化物担体を調製する過程で、アルミナとゼオライトの吸着水量や結晶性の違いから、加熱焼成時のアルミナとゼオライトの収縮率が異なり、複合酸化物担体の細孔として比較的大きなメゾあるいはマクロポアーが生じる。
また、これらの大きな細孔は、表面積を低下させるばかりでなく、残油を処理するような場合には触媒毒となるメタル成分の内部拡散を容易にし、延いては脱硫、脱窒素、分解活性を低下させることとなる。
【0015】
上記のアルミナに複合化させる成分の配合量は、複合酸化物担体中、アルミナが約92〜99.5質量%に対し、約0.5〜8質量%である。
これらの成分を添加することで、適度なブレンステッド酸点やルイス酸点の付与がなされ、活性が向上する。
一方、これらの成分の添加量が多すぎると、Moが高分散化できなくなることや、細孔直径の制御がし難くなることがある。
上記成分をアルミナに複合化させる方法としては、共沈法、混練法等があげられるが、共沈法が好ましい。
【0016】
本発明のアルミナ含有担体は、アルミナの構造が、27Al−NMR(核磁気共鳴)を用いて下記条件で分析した場合に、Al原子の配位構造のうち四配位Alに帰属される面積強度の占める割合が全体の30%以上であることが必須要素である。なお、四面体構造に帰属されるAlのピークは化学シフト約67ppmに現れる。この計算においてスピニングサイドバンドは含まれない。
Figure 0004174265
【0017】
アルミナが上記の必須要件を満たす限り、担体の製造方法としては、種々の方法を用いることができるが、最も好ましい方法は、担体製造時において、アルミナ水和物スラリーを、成形前の最終脱水工程で圧搾濾過器を用いて脱水する方法である。この一例を挙げると次の通りである。
【0018】
先ず、アルミナ水和物含有スラリーを、硫酸水溶液、アルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウムを混合する等して調製する。アルミナを主成分とする複合酸化物担体を共沈法で製造する場合には、上記アルミナ水和物スラリーに複合化させる成分を添加することが好ましい。
上記アルミナ水和物スラリーは、回転円筒型連続真空濾過器等により、適宜、水分除去と純水洗浄を行い、最終的に水分除去しゲルとする。なお、この純水洗浄を、濾液中にSO 2−、Naが検出できなくなるまで行うことで、前記したレベルの純度のアルミナを調製することができる。
このようにして得られるゲルを、純水に混濁させて均一なスラリーとし、このスラリーを圧搾濾過器により脱水しケーキを得る。この脱水操作に圧搾濾過器を用いることで、本発明の必須要件であるアルミナ原子の四配位Alに帰属される面積強度を効率よく得ることができる。
【0019】
上記の圧搾濾過器は、スラリーに圧縮空気又はポンプ圧を作用させ濾過するもので、圧濾器とも呼ばれる。圧搾濾過器には、板枠型と凹板型があるが、どのタイプのものも好ましく用いることができる。
上記の板枠型圧濾器は、濾板と濾枠が交互に端板間に締め付けられており、濾枠の中へスラリーを圧入して濾過する構造となっており、濾板は濾液流路となる溝を持ち、濾枠には濾布が貼設してあるものが一般的である。
一方、上記の凹板型圧濾器は、濾布と凹板型の濾板を交互に並べて、端板との間で締め付け濾室を構成する構造を有している。
【0020】
この圧搾濾過器による脱水は、脱水後のケーキの含水率が約60〜90質量%となるようにすることが好適である。
含水率が約90質量%より多いと、脱水が不充分であり、押出成形をする段階で成形性が悪化し、約60質量%未満であると、四配位Alが減少してしまう。
【0021】
圧搾濾過により得られるケーキは、加熱しながら均一になるように混錬する。この混練には、加熱型ニーダー等を使用することができる。
アルミナを主成分とする複合酸化物担体を混練法で製造する場合には、この時点で複合化させる成分を添加することが好ましい。
混錬したケーキは押出成形器で成形し、これを乾燥、焼成することにより本発明の担体を得ることができる。
【0022】
本発明の触媒は、接触外表面積が3500mm/ml以上であることが必須である。触媒の接触外表面積を3500mm/ml以上とすることで、境膜拡散が促進され、触媒中心部まで原料油が拡散し易くなり、また従来の減圧軽油用触媒に対して十分優位な活性を得るためには最低で3500mm/ml以上、望ましくは3800mm/ml以上の外表面積が必要である。
このように、触媒の外表面積は、できるだけ大きいことが望ましいが、あまり大きすぎると触媒ペレット間の空隙が減少して反応装置内における差圧の原因となるため、上限は4500mm/ml程度とすることが望ましい。
【0023】
さらに、触媒は、充填されて触媒充填層を形成した場合に、この触媒充填層の空隙率が0.45ml/ml以上、好ましくは0.5ml/ml以上、より好ましくは0.55ml/ml以上となるようにすることで、触媒充填層における油の流通が滑らかとなり、差圧を生じ難くする効果を得ることができる。
この空隙率は、大きすぎると原料油との接触が少なくなり、製品油中の硫黄分を所期通り低減することができなくなるため、上限は0.65ml/ml程度とすることが望ましい。
【0024】
触媒の大きさは、直径2〜0.8mm、長さ2〜5mmであることが好ましい。
触媒形状としては、特に制限はないが、円柱型よりも、図1(A),(B)に示すような断面四葉型の柱状とすることが好ましい(長径a、短径bは同じでも異なっていてもよい)。
この断面四葉型の柱状(以下、四葉形状、四葉型等と略すこともある)で上記接触外表面積を満たすためには、長径a及び短径bを2.0〜0.8mmとすることが好ましく、より好ましくは1.5〜1mmであり、長さcが2〜5mmである。
また、長径a/短径bは1.5以下とすることが好ましく、より好ましくは1.2以下である。
【0025】
このように、減圧蒸留軽油の脱硫において円柱型より四葉型の触媒を好ましく用いることができる主な理由としては、触媒体積当たりの外表面積が大きく、上記接触外表面積に適合するものを得易いこと、触媒充填層の好ましい空隙率を得易いこと、が挙げられる。
なお、円柱型であっても、長さと直径の比を最適化することにより接触外表面積を大きくすることはできるが、その場合には同時に触媒充填層の空隙率や触媒ペレット内への原料油の拡散を最適にするのは難しい。
また、四葉型触媒は、同等のペレット直径をもつ円柱型触媒と比較して、触媒の機械的強度が高い、という利点もある。
【0026】
触媒の機械的強度は、側面破壊強度(SCS:Side crushing strength)で2lbs/mm以上が好ましい。SCSが、2lbs/mm未満では、反応装置に充填した触媒が破壊され、反応装置内で差圧が発生し、水素化処理運転の続行が不可能となる。触媒の最密充填かさ密度(CBD:Compacted Bulk Density)は、0.6〜0.9が好ましい。
【0027】
本発明の担体の比表面積、細孔容積、及び平均細孔直径は、特に制限されないが、軽油に対する水素化脱硫活性の高い触媒にするためには、比表面積が約240〜400m/g、好ましくは約300〜390m/g、細孔容積が約0.55〜0.9m1/g、好ましくは約0.65〜0.8m1/g、平均細孔径が約60〜120Å、好ましくは約65〜90Åのものが適している。
【0028】
比表面積が、約240m/g未満では、活性金属の分散性が悪くなるため、低脱硫活性の触媒となり、約400m/gより大きいと、細孔直径が極端に小さくなるため、触媒の細孔直径も小さくなる。そして、細孔直径が小さいと、硫黄化合物の触媒細孔内への拡散が不十分となり、脱硫活性が低下する。
【0029】
細孔容積が約0.55m1/g未満では、通常の含浸法で触媒を調製する場合、細孔容積内に入り込む溶媒が少量となり、溶媒が少量であると、活性金属化合物の溶解性が悪くなり、金属の分散性が低下し、低活性の触媒となる。
細孔容積が約0.9m1/gより大きいと、比表面積が極端に小さくなって、活性金属の分散性が悪くなり、脱硫活性の低い触媒となる。
【0030】
細孔直径が約60Å未満では、活性金属を担持した触媒の細孔直径も小さくなる。触媒の細孔直径が小さいと、硫黄化合物の触媒細孔内への拡散が不十分となり、脱硫活性が低下する。
細孔直径が約120Åより大きいと、比表面積が小さくなる。比表面積が小さいと、活性金属の分散性が悪くなり、脱硫活性の低い触媒となる。
【0031】
また、本発明の担体において、アンモニア−TPD法で測定される酸量は、約0.5〜0.8mmo1/gが好ましい。
約0.5mmo1/g未満では、水酸基量が少なくなりすぎて、6A族が高分散化できず、脱硫活性の低い触媒となることがあり、約0.8mmo1/gより大きいと、酸点上で軽油留分が急激に過分解し、活性劣化の主原因となる炭素析出を招くことになる。
【0032】
以上のアルミナ含有担体に担持させる活性成分は、Mo,W等の6A族金属と8族のうちのCo,Ni等の鉄族金属である。
また、本発明では、これらの活性成分と共に、リン、ホウ素、
等の第三成分を担持させてもよい。
【0033】
これらの活性成分のうち、鉄族金属の含有量は、触媒基準、酸化物換算で、約3〜6質量%、好ましくは約2.5〜3.8質量%とする。
鉄族金属が約3質量%未満では、鉄族金属に帰属する活性点が十分に得られず、約6質量%を超えると、触媒活性の向上がみられない上、逆に触媒活性が低下する。
【0034】
6A族金属の含有量は、触媒基準、酸化物換算で、約16〜24質量%、好ましくは約18〜23質量%とする。
6A族金属が約16質量%未満では、6A族金属に起因する効果を発現させるには不十分であり、約24質量%を超えると、触媒活性の向上がみられない。
【0035】
第三成分の含有量は、触媒基準、酸化物換算で、約0.8〜4.5質量%、好ましくは約1.0〜4質量%とする。
第三成分は、活性金属量当たりの脱硫活性を向上させるために活性点の質的向上を図る成分として加えられるものであり、高活性な例えばCoMo系触媒ではCo−Mo−S相(脱硫活性点)を精密に創製する役割をなす。
第三成分が約0.8質量%未満では、上記作用(役割)が十分に発現せず、軽油留分中の硫黄分を効率的に除去することができず、約4.5質量%を超えても、この作用(役割)は飽和して不経済となるばかりでなく、触媒の表面積や細孔容積の減少が起こり、脱硫活性が低下する。
【0036】
なお、上記各成分の上記した含有量において、鉄族金属(例えばCo)と6A族金属(例えばMo)の最適質量比は、鉄族金属酸化物/(鉄族金属酸化物+6A族金属酸化物)(〔CoO〕/〔CoO+MoO〕)の値で、約0.12〜0.25であり、第三成分(例えばP)の最適質量比は、第三成分酸化物/6A族金属酸化物(〔P〕/〔MoO〕)の値で、約0.05〜0.25である。
鉄族金属と6A族金属の質量比が上記の値で約0.12未満では脱硫活性が向上せず、約0.25より大きいと触媒活性が低下する。
6A族金属と第三成分の質量比が上記の値で約0.05未満では、鉄族金属と6A族金属の渾然一体化が図れず、最終的に上記した脱硫活性点が得られ難く、活性の低い触媒となり、約0.25より大きいと、触媒の表面積及び細孔容積の減少を招き、触媒の活性が低下するのみならず、酸量が増えることとなり、炭素析出を招いて活性劣化を引き起こし易くなる。
【0037】
本発明の触媒は、前述のアルミナ含有担体に、水、酸等の溶媒に上記各成分の化合物を溶解させて調製した溶液を含浸させて調製することができる。
担体に、上記の各活性成分を含浸させる方法としては、これら各成分を同時に含浸させる一段含浸法と、鉄族と6A族を二段で含浸させる方法があるが、脱硫活性点数、酸性質、細孔等の触媒特性の面、あるいは操作性の面から、一段含浸法が有利と考えられる。
【0038】
上記の溶液の調製時、上記の各成分化合物の溶解を促進するために、加温(約30〜100℃)や、酸(硝酸、有機酸《クエン酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸等》)の添加を行ってもよい。
この溶液中での上記担体の含浸時間は約1分〜5時間、好ましくは約5分〜3時間、温度は約5〜100℃、好ましくは約10〜80℃、雰囲気は大気中、窒素中、真空中が適している。
【0039】
含浸担持後、常温〜約80℃、窒素気流中、空気気流中、あるいは真空中で、水分をある程度(LOI《Loss on ignition》約50%以下となるように)除去し、乾燥炉、空気気流中、約80〜150℃で、約10分〜10時間乾燥する。次いで、焼成炉、空気気流中、約300〜700℃で、約10分〜10時間焼成を行う。
【0040】
以上のようにして調製される本発明の触媒は、減圧蒸留軽油留分に対する水素化活性及び脱硫活性を高めるために、その比表面積、細孔容積及び平均細孔径が、以下の値を示すことが好ましい。
窒素吸着法(BET法)で測定した比表面積は、約200〜300m/g、好ましくは約220〜270m/gである。
水銀圧入法で測定した細孔容積は、約0.36〜0.6m1/g、好ましくは約0.45〜0.55m1/gである。
水銀圧入法で測定した細孔分布での平均細孔直径は、約75〜95Å、好ましくは約80〜90Åである。
また、上記の細孔条件を満たす細孔の有効数を多くするために、触媒の細孔径分布、すなわちち平均細孔径±約15Åの細孔径を有する細孔の割合は、約75%以上、好ましくは約80%以上である。
しかも、細孔分布は、モノモーダル(細孔径分布がシャープ)であることが好ましい。
【0041】
また、本発明の触媒は、硫化処理後において、6A族金属への硫黄の配位数が、XAFS(X−ray Absorption Fine Structure《X線吸収微細構造》)測定で、5〜6である。
【0042】
更に、本発明の触媒は、硫化処理後に、NOを吸着させ、拡散反射法FT−IRで観察した際に、鉄族金属(例えばCo)に吸着したNOスペクトル(1860cm−1)の強度をICo、6A族金属(例えばMo)に吸着したNOスペクトル(1690cm−1)の強度をIMoとした場合、ICo/(ICo+IMo)の値が、0.3〜0.55の範囲内にあることが好ましい。
【0043】
本発明の触媒は、活性金属が均一に分布しているユニフォーム型が好ましい。なお、本発明の触媒は、使用前に(すなわち、本発明の水素化処理方法を行うのに先立って)、反応装置中で硫化処理して活性化する。この硫化処理は、200〜400℃、好ましくは250〜350℃、常圧あるいはそれ以上の水素分圧の水素雰囲気下で、硫黄化合物を含む石油蒸留物、それにジメチルジスルファイドや二硫化炭素等の硫化剤を加えたもの、あるいは硫化水素を用いて行う。
【0044】
以上の本発明の触媒を使用する本発明の水素化処理方法は、水素分圧3〜8MPa、300〜420℃、及び液空間速度0.3〜5hr−1の条件で、本発明の触媒と硫黄化合物を含む減圧蒸留軽油留分とを接触させて、減圧蒸留軽油留分中の硫黄分を減少する方法である。
【0045】
本発明の水素化処理方法を商業規模で行うには、本発明の触媒の固定床、移動床、あるいは流動床式の触媒層を反応装置内に形成し、この反応装置内に原料油を導入し、上記の条件下で水素化反応を行えばよい。
最も一般的には、固定床式触媒層を反応装置内に形成し、原料油を反応装置の上部に導入し、固定床の上から下に通過させ、反応装置の下部から生成物を流出させるものか、反対に原料油を反応装置の下部に導入し、固定床の下から上に通過させ、反応装置の上部から生成物を流出させるものである。
【0046】
本発明の水素化処理方法は、本発明の触媒を、単独の反応装置に充填して行う一段の水素化処理方法であってもよいし、幾つかの反応装置に充填して行う多段連続水素化処理方法であってもよい。
【0047】
【実施例】
〔触媒の調製〕
以下の実施例及び比較例で使用した担体についてのアンモニア−TPD法の測定要領は、次の通りとした。
日本ベル(株)製のアンモニア−TPD装置を使用し、試料(担体)0.1gを吸着管に充填し、前処理として、He気流中で500℃まで50分かけて昇温し、同気流中、500℃で1時間保持し、室温まで11分30秒で降温し、室温、常圧で15分アンモニアを吸着させた後、Heを流した状態で、150Torrの減圧下、100℃で12分30秒、脱気処理を行った。この脱気後の試料について、昇温速度10℃/分、He気流中で、アンモニア脱離スペクトルを観測し、全アンモニア脱離量を求め、酸量とした。
【0048】
実施例1
先ず、シリカ−アルミナ複合酸化物担体の調製を、次の要領で行った。
12質量%の硫酸水溶液1.5リットル(以下、L)を、攪拌釜に張込んだ純水100Lに投入し、95℃に加熱した後、5分間、攪拌羽根で激しく攪拌し、そこへアルミナ濃度70g/Lのアルミン酸ナトリウム3.9Lを投入して、水酸化アルミニウムを調製した。
ここに、12質量%の硫酸水溶液1.5L及び5.6g/Lのコロイダルシリカ500mlを投入し、24時間攪拌羽根で攪拌した。
得られたスラリーをろ過器に投入し、ろ過を行い水分を除去した。
得られたゲルを純水を用いて、ろ液中にSO 2−、Naが検出できなくなるまで洗浄した。
洗浄後のゲルを純水に混濁させ、均一なスラリーとし、そのスラリーを圧搾型ろ過器へ投入した。スラリーは、ろ布を介して、ろ板に挟み込まれ、ろ板を圧搾することで脱水を行い、ケーキ中の水分量が80%になった時点でろ過を中断した。
このケーキを加温型ニーダー(設定温度80℃)に投入し、均一になるように十分に混練した。
【0049】
混練後のケーキを押出成形器に投入し、図1に示すような、長径a1.3mm、短径b1.1mm、長さc1.33mmの四葉型形状の押出成形物とした。
成形後、乾燥し、600℃で4時間焼成し、シリカ−アルミナ(γ−Al、SiO0.60質量%、酸量0.52mmol/g)担体を得た。
この担体は、細孔容積0.69ml/g、表面積343m/g、平均細孔直径70Åであった。
【0050】
ナス型フラスコ中に、上記シリカ−アルミナ担体50.00gを投入し、そこへイオン交換水40.5gに炭酸コバルト5.5114gとモリブドリン酸19.0187gとオルトリン酸1.9418gを溶解させた溶液をピペットで添加し、約25℃で1時間浸漬後、窒素気流中で風乾し、マッフル炉中120℃で約1時間乾燥させ、次いで500℃で4時間焼成し、触媒Aを得た。
【0051】
実施例2
ゼオライト−アルミナ複合酸化物担体の調製を、次の要領で行った。
実施例1と同様にして水酸化アルミニウムを調製し、ここに12質量%の硫酸水溶液1.5Lを投入し、24時間攪拌羽根で攪拌した。
得られたスラリーにつき、実施例1と同様にして水分量が80%のケーキを得、このケーキを加温型ニーダー(設定温度80℃)に投入し、均一になるように十分に混練した。
混練中のケーキに、更にSiO/A1モル比6のSHYゼオライト粉末(平均粒子径3.5μm、粒子径6μm以下のものがゼオライト全粒子の87%)20.5gを投入し、均一になるように十分に混練した。
混練後のケーキを押出成形器に投入し、実施例1と同一寸法の四葉型形状の押出成形物とした。
成形後、乾燥、550℃で4時間焼成し、ゼオライト−アルミナ複合酸化物担体を得た。
【0052】
ナス型フラスコ中に、上記のゼオライト−アルミナ複合酸化物担体(ゼオライト/アルミナ質量比=7/93、酸量0.57mmo1/g、細孔容積0.67m1/g、比表面積377m/g、平均細孔直径70A)30.00gを投入し、そこへイオン交換水23.1gに炭酸コバルト1.8315gとモリブドリン酸8.9534gとオルトリン酸0.6258gを溶解させた溶液を、実施例1と同じ条件で添加浸漬、風乾、乾燥、焼成を行い、触媒Bを得た。
【0053】
参考例
コロイダルシリカ500mlを投入しない以外は、実施例1と同様にして、四葉型形状のアルミナ(γ−Al、酸量0.50mmol/g)担体を得た。
この担体は、細孔容積0.69ml/g、表面積343m/g、平均細孔直径70Åであった。
このアルミナ担体50.00gを使用する以外は、実施例1と同様にして、触媒Cを得た。
【0054】
比較例1
シリカ−アルミナ複合酸化物担体を、円柱状に押出成形し、焼成温度を650℃にする以外は、実施例1と同様にして調製した。
得られたシリカ−アルミナ複合酸化物担体は、細孔容積0.71ml/g、表面積286m/g、平均細孔直径75Å、直径1/16インチの円柱状、酸量0.46mmol/gであり、アルミナはγ−Al、SiOは0.51質量%であった。
【0055】
ナス型フラスコ中に、上記シリカ−アルミナ複合酸化物担体30.00gを投入し、そこへイオン交換水23.5gに炭酸コバルト1.9047gとモリブドリン酸9.3115gとオルトリン酸2.3079gを溶解させた溶液を、実施例1と同じ条件で添加浸漬、風乾、乾燥、焼成を行い、触媒aを得た。
【0056】
比較例2
シリカ−アルミナ複合酸化物担体を、コロイダルシリカの添加量を250mlとし、円柱状に押出成形し、焼成温度を700℃にする以外は、実施例1と同様にして調製した。
得られたシリカ−アルミナ複合酸化物担体は、細孔容積0.64ml/g、表面積236m/g、平均細孔直径77Å、直径1/16インチの円柱状、酸量0.38mmol/g、アルミナはγ−Al、SiOは0.26質量%であった。
【0057】
ナス型フラスコ中に、上記シリカ−アルミナ複合酸化物担体30.00gを投入し、そこへイオン交換水21.4gに炭酸ニッケル1.3882gとモリブドリン酸7.7219gとオルトリン酸1.1810gを溶解させた溶液を、実施例1と同じ条件で添加浸漬、風乾、乾燥、焼成を行い、触媒bを得た。
【0058】
比較例3
ゼオライト−アルミナ複合酸化物担体を、円柱状に押出成形する以外は、実施例2と同様にして調製した。
得られたゼオライト−アルミナ複合酸化物担体は、細孔容積0.66ml/g、表面積355m/g、平均細孔直径89Å、直径1/16インチの円柱状、酸量0.54mmol/g、アルミナはγ−Al、ゼオライトは実施例2と同じSiO2/A12O3モル比6のSHYゼオライト粉末、ゼオライト/アルミナ質量比=7/93であった。
【0059】
ナス型フラスコ中に、上記ゼオライト−アルミナ複合担体30.00gを投入し、そこへイオン交換水22.6gに炭酸コバルト1.8315gとモリブドリン酸8.9534gとオルトリン酸0.6258gを溶解させた溶液を、実施例1と同じ条件で添加浸漬、風乾、乾燥、焼成を行い、触媒cを得た。
【0060】
比較例4
シリカ−アルミナ複合酸化物担体を、次の要領で調製した。
実施例1と同様にして水酸化アルミニウムを調製し、ここに実施例1と同様にしてコロイダルシリカを投入してスラリーを得、ろ過器で水分を除去し、得られたゲルを実施例1と同様にして洗浄し、洗浄後のゲルを純水に混濁させ、均一なスラリーとし、そのスラリーを噴霧乾燥機(スプレードライ)で乾燥した。
得られた粉体に純水を加え、水分量が約60%のケーキを作成し、このケーキを実施例1と同様にして、実施例1と同様のシリカ−アルミナ複合酸化物担体を得た。
このシリカ−アルミナ複合酸化物担体は、細孔容積0.67ml/g、表面積336m/g、平均細孔直径70Åで、酸量0.51mmol/g、アルミナはγ−Al、SiO0.58質量%であった。
【0061】
上記のシリカ−アルミナ複合酸化物担体を用い、実施例1と同様にして触媒dを得た。
【0062】
比較例5
ゼオライト−アルミナ複合酸化物担体を、次の要領で調製した。
実施例2と同様にして水酸化アルミニウムを調製し、実施例2と同様にしてスラリーを得、ろ過器で水分を除去し、得られたゲルを実施例2と同様にして洗浄し、洗浄後のゲルを純水に混濁させ、均一なスラリーとし、そのスラリーを噴霧乾燥機(スプレードライ)で乾燥した。
得られた粉体に純水を加え、水分量が約60%のケーキを作成し、実施例2と同様にして、実施例2と同様のゼオライト−アルミナ複合酸化物担体を得た。
このゼオライト−アルミナ複合酸化物担体は、細孔容積0.66m1/g、比表面積365m/g、平均細孔直径70Aで、ゼオライト/アルミナ質量比=7/93であった。
【0063】
上記のゼオライト−アルミナ複合酸化物担体を用い、実施例2と同様にして触媒eを得た。
【0064】
比較例6
シリカ−アルミナ複合酸化物担体を、直径1.1mmの円柱状に成形し、焼成温度を650℃にする以外は、実施例1と同様にして調製した。
このシリカ−アルミナ複合酸化物担体は、細孔容積0.71ml/g、表面積286m/g、平均細孔直径75Åで、酸量0.46mmol/g、アルミナはγ−Al、SiO0.51質量%であった。
【0065】
上記のシリカ−アルミナ複合酸化物担体を用い、比較例1と同様にして触媒fを得た。
【0066】
比較例7
シリカ−アルミナ複合酸化物担体を、直径2.1mmの円柱状に成形し、焼成温度を650℃にする以外は、実施例1と同様にして調製した。
このシリカ−アルミナ複合酸化物担体の物性等は、比較例6と同じであった。
【0067】
上記のシリカ−アルミナ複合酸化物担体を用い、比較例1と同様にして触媒gを得た。
【0068】
以上の実施例、比較例で調製した触媒の元素分析値、物性値を表1〜3に示す。
触媒の分析に用いた方法と分析機器を以下に示す。
【0069】
〔1〕物理性状の分析
a)測定方法及び使用機器:
・比表面積は、窒素吸着によるBET法により測定した。
窒素吸着装置は、日本ベル(株)製の表面積測定装置(ベルソープ28)を使用した。
・細孔容積、平均細孔直径、及び細孔分布は、水銀圧入法により測定した。
水銀圧入装置は、ポロシメーター(MICROMERITICS AUTO−PORE 9200:島津製作所製)を使用した。
【0070】
b)測定原理:
・水銀圧入法は、毛細管現象の法則に基づく。
水銀と円筒細孔の場合には、この法則は次式で表される。
すなわち、掛けた圧力Pの関数としての細孔への進入水銀体積を測定する。
なお、触媒の細孔水銀の表面張力は484dyne/cmとし、接触角は130°とした。
【0071】
【数1】
D=−(1/P)4γcosθ
D:細孔直径、
P:掛けた圧力
γ:表面張力
θ:接触角
【0072】
・細孔容積は、細孔へ進入した触媒グラム当たりの全水銀体積量である。
平均細孔直径は、Pの関数として算出されたDの平均値である。
・細孔分布は、Pを関数として算出されたDの分布である。
【0073】
c)測定手順:
▲1▼真空加熱脱気装置の電源を入れ、温度400℃、真空度5×10−2Torr以下になることを確認する。
▲2▼サンプルビュレットを空のまま真空加熱脱気装置に掛ける。
▲3▼真空度が5×10−2Torr以下となったら、サンプルビュレットを、そのコックを閉じて真空加熱脱気装置から取り外し、冷却後、重量を測定する。
▲4▼サンプルビュレットに試料(触媒)を入れる。
▲5▼試料入りサンプルビュレットを真空加熱脱気装置に掛け、真空度が5×10−2Torr以下になってから1時間以上保持する。
▲6▼試料入りサンプルビュレットを真空加熱脱気装置から取り外し、冷却後、重量を測定し、試料重量を求める。
▲7▼AUTO−PORE 9200用セルに試料を入れる。
▲8▼AUTO−PORE 9200により測定する。
【0074】
〔2〕6A族(本例ではMo)金属への硫黄の配位数の測定
硫化処理後の触媒中のモリブデン金属への硫黄の配位数をXAFS測定により調べた。
a)触媒の前処理と測定用ディスクの作成:
触媒の前処理は、触媒を流通式反応管に詰め、室温で窒素気流中5分処理し、雰囲気ガスをHS(5%)/Hに切り換え、速度5℃/minで昇温し、400℃に達した後、4時間保持した。その後、同雰囲気下で200℃まで降温し、雰囲気ガスを窒素に切り換え、常温まで降温し、前処理(硫化処理)を終了した。
測定用ディスクは、上記の前処理後、反応管に窒素ガスを通気したまま出口、入口の順でバルブを閉めた反応管をそのまま、窒素置換したグローブバッグ中に移し、グローブバッグ内で、反応管内の触媒をメノウ乳鉢に移して粉砕し、直径13mmのIR用ディスク成型器で、180kg/cmの圧力で成型した。成型したディスクは、XAFS測定を行うまで窒素置換したグローブボックス中で保存した。
【0075】
b)測定:
高エネルギー物理学研究所の高エネルギー加速器研究機構放射光実験施設(KEK−PF)の硬X線ビームラインを使用し、XAFS測定装置BL−10Bを用いて、上記のディスクを測定した。
【0076】
c)解析:
標準試料として二硫化モリブデン結晶(MoS)のXAFS測定を行い、触媒上のモリブデン硫化物でのMo−Sのピーク強度をモリブデン金属への硫黄の配位原子数に対応するものとして、各触媒のXAFS動径分布関数からモリブデンへの硫黄の平均配位原子数を算出した。
【0077】
具体的には、以下の式より算出した。先ず、結晶構造の明確な標準試料(二硫化モリブデン結晶)のXAFS測定を行い、(1)、(2)式により、ΔR、Kを求める。
次に、(3)、(4)式にΔR及びKを代入し、原子間距離(R)を求め、各触媒の平均配位原子数(N)を求める。
【0078】
【数2】
ΔR=Rr−Robs,r (1)
Nr=K・hr・Rr (2)
Rr :結晶学的データによる原子間距離(Å)
Robs,r:動径分布関数における原子間距離(Å)
Nr :結晶学的データによる配位数
hr :動径分布関数におけるピーク強度
K :定数
Rr=Robs,s+ΔR (3)
Nr=K・hs・R (4)
Robs,s:各触媒の動径分布関数における原子間距離(Å)
hs :各触媒の動径分布関数におけるピーク強度
【0079】
〔3〕NO吸着FT−IR(フーリエ変換赤外分光光度)測定
前処理後の触媒中の活性金属(Co、Mo)へのNOガス吸着量を調べるために、前処理後の触媒にNOを吸着させ、拡散反射法FTIR(FTIR−8100M、島津製作所製)で観察した。このときの加熱真空型拡散反射用セル(KBr窓板)は、スペクトラテック社製を使用した。
【0080】
a)触媒の前処理(硫化処理):
触媒は、粉砕後拡散反射用セルに入れ、He気流中で昇温し、400℃に達した後、30分保持し、次いでHS(5%)/Hガスに切り替え、2時間保持し、続いてHeガスに切り替え、30分フラッシュイングした後、同気流中で常温まで降温し、前処理を終了した。
【0081】
b)FT−IR測定:
常温で、NOガス気流中で30分保持した後、Heガスに切り替え、30分排気処理後、FT−IR測定を行った。
【0082】
c)測定結果の解析:
Coに吸着したNOスペクトル(1860cm−1)、及びMoに吸着したNOスペクトル(1690cm−1)のそれぞれの強度を調べ、以下の式で示す値で、各触媒を比較した。
【0083】
【数3】
ICoMoS=ICo/(ICo+IMo)
ICo:コバルトに吸着したNOスペクトルの強度
IMo:モリブデンに吸着したNOスペクトルの強度
【0084】
〔4〕触媒中のアルミナの配位構造を調べるために、27Al−NMRを調べた。測定には、BRUKER製MSL 400を用いた。4配位、6配位のアルミナの定量は、NMRスペクトルの面積値から算出した。
・前処理条件:24時間以上飽和水蒸気下で水和させる
・測定条件:
パルス幅;15°以下
繰り返し時間;2秒以上
マジックアングルスピニング(MAS)速度;3500Hz〜4000Hz
・装置スペック:固体NMR測定用超伝導磁石(9.4テスラー)
・ピークの帰属:
67ppm ;4配位Al
5.6ppm;6配位Al
46、−33ppm;6配位Alのスピニングサイドバンド(SSB)
【0085】
表1〜3中の略語は、次を意味する。
SA:比表面積
PV:細孔容積
MPD:平均細孔直径
PSD:細孔分布
CBD:細密充填嵩密度
MoS配位数:XAFSで測定したMoに対する硫黄の配位数
ICoMoS:IR測定による相対的NO吸着量
【0086】
【表1】
Figure 0004174265
【0087】
【表2】
Figure 0004174265
【0088】
【表3】
Figure 0004174265
【0089】
〔減圧軽油の水素化処理反応〕
以下の要領にて、下記性状の減圧軽油の水素化処理を行った。
先ず、触媒を高圧流通式反応装置に充填して固定床式触媒層を形成し、下記の条件で前処理した。次に、反応温度に加熱した原料油と水素含有ガスとの混合流体を、反応装置の上部より導入して、下記の条件で脱硫反応と分解反応の水素化反応を進行させ(脱硫運転モードで反応を行った後、mild hydrocracking運転モードで反応を行った)、生成油とガスの混合流体を、反応装置の下部より流出させ、気液分離器で生成油を分離した。
【0090】
触媒の前処理条件:
圧力(水素分圧);4.9MPa
硫化剤;上記の〔直留軽油の水素化処理反応〕における原料油(中東系直留軽油)
温度;290℃にて1.5hr維持、次いで320℃にて15hr維持のステップ昇温(昇温速度は25℃/hr)
【0091】
脱硫反応(脱硫運転モード)条件:
反応温度;360℃
圧力(水素分圧);4.9MPa
液空間速度;0.66hr−1
水素/オイル比;560m/m
分解反応(mild hydrocracking運転モード)条件:
反応温度;400℃
圧力(水素分圧);4.9MPa
液空間速度;0.66hr−1
水素/オイル比;560m(normal)/kL
【0092】
原料油の性状:
油種;アラビアンライト減圧軽油
比重(15/4℃);0.9185
蒸留性状;初留点が349.0℃、50%点が449.0℃、90%点が529.0℃、終点が566.0℃
硫黄成分;2.45質量%
窒素成分;0.065質量%
流動点;35℃
アスファルテン;<100ppm
アニリン点;82℃
【0093】
脱硫活性については、以下の方法で解析し、結果を表4に示す。
360℃で反応装置を運転し、10日経過した時点で生成油を採取し、その性状(脱硫率(HDS)(%)、脱硫反応速度定数(Ks)、比活性(%))を分析した。
〔1〕脱硫率(HDS)(%):原料中の硫黄分を脱硫反応によって硫化水素に転換することにより、原料油から消失した硫黄分の割合を脱硫率と定義し、原料油及び生成油の硫黄分析値から以下の式により算出した。
〔2〕脱硫反応速度定数(Ks):生成油の硫黄分(Sp)の減少量に対して、1.5次の反応次数を得る反応速度式の定数を脱硫反応速度定数(Ks)とする。なお、反応速度定数が高い程、触媒活性が優れていることを示している。
【0094】
【数4】
脱硫率(%)=〔(Sf−Sp)/Sf〕×100
脱硫反応速度定数=〔1/√(Sp)−1/√(Sf)〕×(LHSV)
Sf:原料油中の硫黄分(質量%)
Sp:反応生成油中の硫黄分(質量%)
LHSV:液空間速度(hr−1
比活性(%)=各脱硫反応速度定数/比較触媒aの脱硫反応速度定数×100
【0095】
分解活性については、以下の方法で解析し、結果を表5に示す。
脱硫活性評価終了後、反応温度を400℃に昇温し同温度で反応装置を運転し、20日経過した時点で生成油を採取し、その性状を分析した。
〔1〕分解率(HYC)(%):触媒の水素化分解率は、ASTM D2887準拠のガスクロマトグラフィー蒸留にて得られる生成油全留分中の343℃以下の留分が占める割合で示した。触媒の分解活性が高い程、343℃以下の軽質留分の得率が高くなる。
〔2〕分解反応速度定数(Kc):分解率に対して、1次の反応次数を得る反応速度式の定数を分解反応速度定数(Kc)とする。反応速度定数が高い程、触媒活性が優れていることを示している。
【0096】
【数5】
分解率(%)=〔生成油中343℃の量/生成油全留分の量〕×100
分解反応速度定数=−(LHSV)・ln(1−分解率/100)
比活性(%)=〔各分解反応速度定数/比較触媒aの分解反応速度定数〕×100
【0097】
【表4】
Figure 0004174265
【0098】
【表5】
Figure 0004174265
【0099】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)高い脱硫活性を有するため、減圧蒸留軽油の硫黄分の含有量を、大幅に低減させることができる。
(2)反応条件を、従来の水素化処理の際とほぼ同じ反応条件とすることができるため、従来の装置を大幅改造することなく転用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の触媒の形状を説明するための図で、(A)が斜視図、(B)が断面図である。
【符号の説明】
a 長径
b 短径
c 長さ

Claims (6)

  1. ルミナを主成分とする複合酸化物担体に、周期律表第VIA族金属と第VIII族金属とリンを担持した触媒において、
    前記担体を構成するアルミナの状態が、27Al−NMRを用いて分析した場合に、Al原子の配位構造に占める四配位Alに帰属される面積強度の割合が全体の30%以上であり、
    媒の外表面積が3500mm/ml以上4500mm /ml以下であり、
    リンと第VIA族金属との質量比が、リン酸化物/第VIA族金属酸化物の値で、0.05〜0.25であることを特徴とする減圧軽油の水素化脱硫触媒。
  2. 前記四配位Alに帰属される面積強度の割合が、32.8%以下であることを特徴とする請求項1に記載の減圧軽油の水素化脱硫触媒。
  3. 触媒形状が断面四葉型の柱状で、断面における長径a及び短径bが0.8〜2.0mmであり、かつ長径a/短径bが1.18〜1.5であることを特徴とする請求項1又は2に記載の減圧軽油の水素化脱硫触媒。
  4. 触媒が、充填されて触媒充填層を形成した場合に、該触媒充填層の空隙率が0.45ml/ml以上0.65ml/ml以下となることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の減圧軽油の水素化脱硫触媒。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の減圧軽油水素化脱硫触媒の製造方法であって、アルミナ担体又はアルミナを主成分とする複合酸化物担体の製造時において、アルミナ水和物スラリーを、成形前の最終脱水工程で圧搾濾過器を用いて脱水することを特徴とする減圧軽油水素化脱硫触媒の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の触媒の存在下、水素分圧3〜8MPa、温度300〜420℃、液空間速度0.3〜5hr−1で、硫黄分を含む減圧蒸留軽油留分の接触反応を行うことを特徴とする減圧蒸留軽油の水素化処理方法。
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