JPH09248196A - フマル酸の製造法 - Google Patents
フマル酸の製造法Info
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- JPH09248196A JPH09248196A JP8057540A JP5754096A JPH09248196A JP H09248196 A JPH09248196 A JP H09248196A JP 8057540 A JP8057540 A JP 8057540A JP 5754096 A JP5754096 A JP 5754096A JP H09248196 A JPH09248196 A JP H09248196A
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- maleic acid
- catalase
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- fumaric acid
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 マレイン酸イソメラーゼを活性化及び安定化
させ、効率的にフマル酸を製造する。 【解決手段】 酵素反応によりフマル酸を製造するに当
たり、カタラ−ゼおよび/またはSODあるいは該酵素
生成微生物等を添加し、反応を行う。
させ、効率的にフマル酸を製造する。 【解決手段】 酵素反応によりフマル酸を製造するに当
たり、カタラ−ゼおよび/またはSODあるいは該酵素
生成微生物等を添加し、反応を行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マレイン酸の異性
化によりフマル酸を製造する方法に関する。フマル酸
は、主に無水マレイン酸からマレイン酸の異性化によっ
て製造され、医薬、食品、工業原料として、広く利用さ
れている。フマル酸からは、酵素法等により例えば食
品、医薬、工業原料として有用なL−アスパラギン酸、
L−リンゴ酸、L−アラニンが製造される。
化によりフマル酸を製造する方法に関する。フマル酸
は、主に無水マレイン酸からマレイン酸の異性化によっ
て製造され、医薬、食品、工業原料として、広く利用さ
れている。フマル酸からは、酵素法等により例えば食
品、医薬、工業原料として有用なL−アスパラギン酸、
L−リンゴ酸、L−アラニンが製造される。
【0002】
【従来の技術】マレイン酸の異性化によるフマル酸の製
造法としては、主に化学的方法が提案されている(米国
特許第2,816,923号明細書、2,955,13
6号明細書、3,332,992号明細書)が、反応平
衡によりフマル酸への変換率が制約を受けること、反応
条件が高温反応由にマレイン酸あるいはフマル酸劣化が
起こり、副生成物を生成し、収量が低くなるなどの問題
点を有している。
造法としては、主に化学的方法が提案されている(米国
特許第2,816,923号明細書、2,955,13
6号明細書、3,332,992号明細書)が、反応平
衡によりフマル酸への変換率が制約を受けること、反応
条件が高温反応由にマレイン酸あるいはフマル酸劣化が
起こり、副生成物を生成し、収量が低くなるなどの問題
点を有している。
【0003】一方、酵素法では、マレイン酸イソメラー
ゼがマレイン酸を異性化してフマル酸を生成すること
が、知られている(K.Otsuka Agric.B
iol.Chem.,25,(9),p726(196
1))が、酵素学的性質について検討しているに過ぎ
ず、産業上の応用の観点から、効率良くフマル酸を製造
するための検討はほとんどなされていない。
ゼがマレイン酸を異性化してフマル酸を生成すること
が、知られている(K.Otsuka Agric.B
iol.Chem.,25,(9),p726(196
1))が、酵素学的性質について検討しているに過ぎ
ず、産業上の応用の観点から、効率良くフマル酸を製造
するための検討はほとんどなされていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、効率よく
フマル酸を製造する方法を確立すべく、鋭意検討を行っ
た結果、マレイン酸イソメラーゼ活性を有する微生物ま
たはその処理物をマレイン酸を含有する水溶液中で酵素
反応させるに際し、反応系にカタラーゼおよび/または
スーパーオキシドディスムターゼ(以下、SODと略す
ことがある)を添加することにより、マレイン酸イソメ
ラーゼを活性化あるいは安定化させることができ、大き
な活性減衰なく、連続的に、フマル酸を製造することが
可能な事を見いだし、本発明を完成するに到った。
フマル酸を製造する方法を確立すべく、鋭意検討を行っ
た結果、マレイン酸イソメラーゼ活性を有する微生物ま
たはその処理物をマレイン酸を含有する水溶液中で酵素
反応させるに際し、反応系にカタラーゼおよび/または
スーパーオキシドディスムターゼ(以下、SODと略す
ことがある)を添加することにより、マレイン酸イソメ
ラーゼを活性化あるいは安定化させることができ、大き
な活性減衰なく、連続的に、フマル酸を製造することが
可能な事を見いだし、本発明を完成するに到った。
【0005】すなわち、本発明の要旨は、マレイン酸イ
ソメラーゼ活性を有する微生物またはその処理物を用い
てマレイン酸を異性化してフマル酸を製造するに際し、
(i)カタラーゼあるいはカタラーゼ活性を有する微生
物もしくはその処理物および/または(ii)スーパー
オキシドディスムターゼあるいはスーパーオキシドディ
スムターゼ活性を有する微生物もしくはその処理物を添
加することを特徴とするフマル酸の製造法に存する。
ソメラーゼ活性を有する微生物またはその処理物を用い
てマレイン酸を異性化してフマル酸を製造するに際し、
(i)カタラーゼあるいはカタラーゼ活性を有する微生
物もしくはその処理物および/または(ii)スーパー
オキシドディスムターゼあるいはスーパーオキシドディ
スムターゼ活性を有する微生物もしくはその処理物を添
加することを特徴とするフマル酸の製造法に存する。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるマレイン酸イ
ソメラーゼ活性を有する微生物としては、本活性を有す
る微生物であれば特に限定されるものではないが、アル
カリゲネス属、シュードモナス属、キサントモナス属、
バチルス属に属する微生物が好適に用いられる。特にア
ルカリゲネス フェカリス(Alcaligenes
faecalis)IFO 12669、同 IFO
13111、同 IAM 1473、アルカリゲネス
ユウトロファス(Alcaligenes eutro
phus)、シュウドモナス フルオレッセンス(Ps
eudomonas fluolescens)ATC
C 23728、シュードモナス マルトフィラ(Ps
eudomonas maltophila)ATCC
13270、バチルス ステアロサーモフィラス(B
acillus stearothermophilu
s)MI−101(FERM BP−5160)、同
MI−102 (FERM BP−5161)、同 M
I−105 (FERM BP−5164)、同 MI
−110 (FERM BP−5339)、バチルス
ブレビス(Bacillus brevis)MI−1
03(FERM BP−5162)等が好適に用いられ
る。さらに、上記微生物の遺伝子を組換えた遺伝子改変
微生物を用いても何等差し支えない。
ソメラーゼ活性を有する微生物としては、本活性を有す
る微生物であれば特に限定されるものではないが、アル
カリゲネス属、シュードモナス属、キサントモナス属、
バチルス属に属する微生物が好適に用いられる。特にア
ルカリゲネス フェカリス(Alcaligenes
faecalis)IFO 12669、同 IFO
13111、同 IAM 1473、アルカリゲネス
ユウトロファス(Alcaligenes eutro
phus)、シュウドモナス フルオレッセンス(Ps
eudomonas fluolescens)ATC
C 23728、シュードモナス マルトフィラ(Ps
eudomonas maltophila)ATCC
13270、バチルス ステアロサーモフィラス(B
acillus stearothermophilu
s)MI−101(FERM BP−5160)、同
MI−102 (FERM BP−5161)、同 M
I−105 (FERM BP−5164)、同 MI
−110 (FERM BP−5339)、バチルス
ブレビス(Bacillus brevis)MI−1
03(FERM BP−5162)等が好適に用いられ
る。さらに、上記微生物の遺伝子を組換えた遺伝子改変
微生物を用いても何等差し支えない。
【0008】マレイン酸イソメラーゼ活性を有する微生
物の培養には、肉エキス、酵母エキス、ペプトン等の天
然栄養源を添加した用いた一般的な培地を用いる事がで
きる。該培地には、必要に応じ、窒素源として、塩化ア
ンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等
のアンモニウム塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝
酸アンモニウム等の硝酸塩、アンモニア等を、無機物と
しては、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム、鉄、マン
ガン、亜鉛、銅等を添加して培養することもできる。
物の培養には、肉エキス、酵母エキス、ペプトン等の天
然栄養源を添加した用いた一般的な培地を用いる事がで
きる。該培地には、必要に応じ、窒素源として、塩化ア
ンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等
のアンモニウム塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝
酸アンモニウム等の硝酸塩、アンモニア等を、無機物と
しては、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム、鉄、マン
ガン、亜鉛、銅等を添加して培養することもできる。
【0009】また、マレイン酸イソメラーゼ活性を高め
るためには、培地中にマレイン酸またはマロン酸のアナ
ログを添加することが望ましい。マレイン酸、マロン酸
等の添加濃度は10〜200mM、好ましくは50〜1
00mMである。培養した各菌体は、予めリン酸緩衝液
等の緩衝液(pH7)等で洗浄した後、用いることも出
来る。洗浄用のリン酸緩衝液の濃度は0.05M〜0.
2M程度が好適に用いられる。菌体はそのまま使用して
も良いが、必要により、処理物を用いても良い。
るためには、培地中にマレイン酸またはマロン酸のアナ
ログを添加することが望ましい。マレイン酸、マロン酸
等の添加濃度は10〜200mM、好ましくは50〜1
00mMである。培養した各菌体は、予めリン酸緩衝液
等の緩衝液(pH7)等で洗浄した後、用いることも出
来る。洗浄用のリン酸緩衝液の濃度は0.05M〜0.
2M程度が好適に用いられる。菌体はそのまま使用して
も良いが、必要により、処理物を用いても良い。
【0010】処理物とは、該菌体を超音波破砕等で処理
をした菌体破砕物や該破砕物を遠心分離した無細胞抽出
液、該無細胞抽出液を硫安分画法、イオン交換カラムク
ロマトグラフィー、ゲルろ過カラムクロマトグラフィー
等で精製した精製酵素、または該菌体や菌体破砕物をア
クリルアミドモノマー、アルギン酸等の担体を用いた固
定化酵素等を言う。
をした菌体破砕物や該破砕物を遠心分離した無細胞抽出
液、該無細胞抽出液を硫安分画法、イオン交換カラムク
ロマトグラフィー、ゲルろ過カラムクロマトグラフィー
等で精製した精製酵素、または該菌体や菌体破砕物をア
クリルアミドモノマー、アルギン酸等の担体を用いた固
定化酵素等を言う。
【0011】菌体をもちいる場合、予め菌体を凍結した
り、上記緩衝液中にTritonX−100、Twee
n 20等の界面活性剤を0.01〜0.2%添加した
液中で、15〜40℃、10〜120分間、菌体を処理
することにより菌体の透過性を高めてから使用する事も
できる。本発明では、マレイン酸イソメラーゼ活性を有
する微生物またはその処理物をマレイン酸を含有する水
溶液中で酵素反応させるに際し、反応系にカタラーゼ
(EC 1.11.1.6)および/またはスーパーオ
キシドディスムターゼ(EC 1.15.1.1)を添
加することにより、マレイン酸イソメラーゼを活性化あ
るいは安定化させ、連続反応における大きな活性減衰な
くフマル酸を製造することに特徴を有する。
り、上記緩衝液中にTritonX−100、Twee
n 20等の界面活性剤を0.01〜0.2%添加した
液中で、15〜40℃、10〜120分間、菌体を処理
することにより菌体の透過性を高めてから使用する事も
できる。本発明では、マレイン酸イソメラーゼ活性を有
する微生物またはその処理物をマレイン酸を含有する水
溶液中で酵素反応させるに際し、反応系にカタラーゼ
(EC 1.11.1.6)および/またはスーパーオ
キシドディスムターゼ(EC 1.15.1.1)を添
加することにより、マレイン酸イソメラーゼを活性化あ
るいは安定化させ、連続反応における大きな活性減衰な
くフマル酸を製造することに特徴を有する。
【0012】本発明に用るカタラーゼは、例えばウシ肝
臓(Bovine liver)の他、アスペルギルス
・ニガー(Aspergillus niger)、バ
イソン肝臓(Bison Liver)、イヌ肝臓(D
og Liver)、ヒト赤血球(Human ery
throcyte)、マウス肝臓(Mouse liv
er)等、市販品(シグマ社等)を用いることができ
る。また、カタラーゼ活性を有する微生物としては、、
エシェリヒア属(Escherichia coli,
1979,J.Biol.Chem. 98:1055
−1061)、シュードモナス属(Pseudomon
as fluorescens, 1956,J.Bi
ol.Chem. 220:967−982)、ロドシ
ュードモナス属(Rhodopseudomonas
capsulata, 1987, J.Biol.C
hem, 264:6871−6876)、ストレプト
コッカス属(Streptococcus faeca
lis, 1957, J. Biol.Chem.2
25:557−573)、バチルス属(Bacillu
s stearothermophilus, 198
9, J.Bacteriol.171:4871−4
875)、サッカロミセス属(Saccharomyc
es cerevisiae, 1984, J.Bi
ol.Chem. 259:13027−13036)
等がよく知られており、これらの微生物またはその処理
物の他、その遺伝子をクローニングした後、生体内で高
発現させた遺伝子改変微生物等を用いることもできる。
臓(Bovine liver)の他、アスペルギルス
・ニガー(Aspergillus niger)、バ
イソン肝臓(Bison Liver)、イヌ肝臓(D
og Liver)、ヒト赤血球(Human ery
throcyte)、マウス肝臓(Mouse liv
er)等、市販品(シグマ社等)を用いることができ
る。また、カタラーゼ活性を有する微生物としては、、
エシェリヒア属(Escherichia coli,
1979,J.Biol.Chem. 98:1055
−1061)、シュードモナス属(Pseudomon
as fluorescens, 1956,J.Bi
ol.Chem. 220:967−982)、ロドシ
ュードモナス属(Rhodopseudomonas
capsulata, 1987, J.Biol.C
hem, 264:6871−6876)、ストレプト
コッカス属(Streptococcus faeca
lis, 1957, J. Biol.Chem.2
25:557−573)、バチルス属(Bacillu
s stearothermophilus, 198
9, J.Bacteriol.171:4871−4
875)、サッカロミセス属(Saccharomyc
es cerevisiae, 1984, J.Bi
ol.Chem. 259:13027−13036)
等がよく知られており、これらの微生物またはその処理
物の他、その遺伝子をクローニングした後、生体内で高
発現させた遺伝子改変微生物等を用いることもできる。
【0013】また、SODは、例えば、バチルス属(B
acillus stearothermophilu
s)由来のものの他、エシェリヒア コリ(Esche
richia coli)、西洋わさび(Horser
adish)、ウシ肝臓(Bovine Live
r)、ウシ腎臓(Bovine Kidney)、イヌ
赤血球(Dog Erythrocytes)、ヒト赤
血球(Human Erythrocytes)等、市
販品(シグマ社等)を用いることができる。また、SO
D活性を有する微生物としては、エシェリヒア属(Es
cherichiacoli,1986, EMBO
J. 5:623−630)、バチルス属(Bacil
lus stearothermophilus, 1
990,J. Bacteriol.172:1539
−1546)、サッカロミセス属(Saccharom
yces cerevisiae, 1988, Pr
oc. Natl. Acsd. Sci, USA
85:4789−4793)等がよく知られており、こ
れらの微生物またはその処理物の他、その遺伝子をクロ
ーニングした後、生体内で高発現させた遺伝子改変微生
物等を用いることもできる。
acillus stearothermophilu
s)由来のものの他、エシェリヒア コリ(Esche
richia coli)、西洋わさび(Horser
adish)、ウシ肝臓(Bovine Live
r)、ウシ腎臓(Bovine Kidney)、イヌ
赤血球(Dog Erythrocytes)、ヒト赤
血球(Human Erythrocytes)等、市
販品(シグマ社等)を用いることができる。また、SO
D活性を有する微生物としては、エシェリヒア属(Es
cherichiacoli,1986, EMBO
J. 5:623−630)、バチルス属(Bacil
lus stearothermophilus, 1
990,J. Bacteriol.172:1539
−1546)、サッカロミセス属(Saccharom
yces cerevisiae, 1988, Pr
oc. Natl. Acsd. Sci, USA
85:4789−4793)等がよく知られており、こ
れらの微生物またはその処理物の他、その遺伝子をクロ
ーニングした後、生体内で高発現させた遺伝子改変微生
物等を用いることもできる。
【0014】カタラーゼおよび/またはスーパーオキシ
ドディスムターゼの添加方法は、マレイン酸イソメラー
ゼ活性を有する微生物またはその処理物に、酵素あるい
は微生物またはその処理物を直接添加してもよいし、あ
らかじめプラスミド等を利用した遺伝子組換え技術の手
法を用いてイソメラーゼ活性含有微生物菌体内で高発現
させておいてもよい。
ドディスムターゼの添加方法は、マレイン酸イソメラー
ゼ活性を有する微生物またはその処理物に、酵素あるい
は微生物またはその処理物を直接添加してもよいし、あ
らかじめプラスミド等を利用した遺伝子組換え技術の手
法を用いてイソメラーゼ活性含有微生物菌体内で高発現
させておいてもよい。
【0015】上記、マレイン酸イソメラーゼ酵素を用い
るマレイン酸の異性化反応を行うには、pH5〜10好
ましくは6〜9で、反応温度は20〜50℃、好ましく
は25〜37℃で、通常5〜120時間反応させる。カ
タラーゼの添加量は、5〜5,000,000ユニッ
ト、好ましくは10〜1,000,000ユニットであ
り、SODの添加量は、2〜5,000,000ユニッ
ト、好ましくは、5〜500,000ユニットである。
るマレイン酸の異性化反応を行うには、pH5〜10好
ましくは6〜9で、反応温度は20〜50℃、好ましく
は25〜37℃で、通常5〜120時間反応させる。カ
タラーゼの添加量は、5〜5,000,000ユニッ
ト、好ましくは10〜1,000,000ユニットであ
り、SODの添加量は、2〜5,000,000ユニッ
ト、好ましくは、5〜500,000ユニットである。
【0016】ここで、カタラーゼ 1ユニットとは、2
5℃で1分間に1μmolのH2O2が分解される酵素量
をいい、SOD 1ユニットとは、30℃でチトクロー
ムCの還元反応を50%阻害する酵素量をいう。本反応
液には、必要に応じカルシウム塩、マグネシウム塩、マ
ンガン塩等の2価金属塩を添加することができる。
5℃で1分間に1μmolのH2O2が分解される酵素量
をいい、SOD 1ユニットとは、30℃でチトクロー
ムCの還元反応を50%阻害する酵素量をいう。本反応
液には、必要に応じカルシウム塩、マグネシウム塩、マ
ンガン塩等の2価金属塩を添加することができる。
【0017】反応に用いる菌体またはその処理物の添加
量は、特に制限されるものではないが、菌体重量(湿菌
体)として1〜30%が好適に用いられる。上記の方法
で生成したフマル酸は、限外ろ過膜分離、遠心分離等に
より菌体及びその処理物から分離した後、硫酸等電点沈
澱法等の公知の方法で沈澱させ、水洗、乾燥する事によ
り、結晶として採取できる。
量は、特に制限されるものではないが、菌体重量(湿菌
体)として1〜30%が好適に用いられる。上記の方法
で生成したフマル酸は、限外ろ過膜分離、遠心分離等に
より菌体及びその処理物から分離した後、硫酸等電点沈
澱法等の公知の方法で沈澱させ、水洗、乾燥する事によ
り、結晶として採取できる。
【0018】以下の実施例により本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明は実施例により制限されるものでは
ない。
説明するが、本発明は実施例により制限されるものでは
ない。
【0019】
<参考例1> アルカリゲネス・フェカリスIFO13
111株由来のマレイン酸異性化酵素の精製 マレイン酸-ブイヨン培地[組成:マレイン酸ナトリウ
ム 10g、牛肉エキス10g、NaCl 5g、蒸留水
1000ml(pH7に調整)]100mlを500
ml容の三角フラスコに分注し、120℃、20分間滅
菌処理したものに、アルカリゲネス・フェカリスIFO
13111株を植菌し、30℃にて24時間振とう培養
した。
111株由来のマレイン酸異性化酵素の精製 マレイン酸-ブイヨン培地[組成:マレイン酸ナトリウ
ム 10g、牛肉エキス10g、NaCl 5g、蒸留水
1000ml(pH7に調整)]100mlを500
ml容の三角フラスコに分注し、120℃、20分間滅
菌処理したものに、アルカリゲネス・フェカリスIFO
13111株を植菌し、30℃にて24時間振とう培養
した。
【0020】次いで、上記と同様の培地1000mlを
3L容のジャーファーメンターに入れ、120℃、20
分間滅菌処理したものに、上記培養物30mlを接種
し、30℃にて24時間通気撹拌培養した。培養後の培
養液を遠心分離(3,500×g、4℃、20分間)し
菌体を回収した。得られた菌体からのマレイン酸異性化
酵素の抽出は、菌体を0.5mM ジチオスレイトール
を含むリン酸緩衝液(20mM、pH7.2)に懸濁
し、超音波破砕器(ブランソン社製)により菌体を破砕
することにより行った。菌体破砕物を遠心分離(10,
000×g、4℃、30分間)し、上清の可溶性画分を
粗酵素液として得た。
3L容のジャーファーメンターに入れ、120℃、20
分間滅菌処理したものに、上記培養物30mlを接種
し、30℃にて24時間通気撹拌培養した。培養後の培
養液を遠心分離(3,500×g、4℃、20分間)し
菌体を回収した。得られた菌体からのマレイン酸異性化
酵素の抽出は、菌体を0.5mM ジチオスレイトール
を含むリン酸緩衝液(20mM、pH7.2)に懸濁
し、超音波破砕器(ブランソン社製)により菌体を破砕
することにより行った。菌体破砕物を遠心分離(10,
000×g、4℃、30分間)し、上清の可溶性画分を
粗酵素液として得た。
【0021】次に、この粗酵素液を硫安分画(40〜7
0%)し、上記リン酸緩衝液中に対して4℃で一夜透析
した。次いで、この透析液をDEAEセファロースカラ
ム(ファルマシア社製)クロマトグラフィー、ゲル濾過
カラム(セファクリルS−200、ファルマシア社製)
クロマトグラフィー、モノQカラム(ファルマシア社
製)クロマトグラフィーにかけ、マレイン酸異性化酵素
の活性画分を得た。マレイン酸異性化酵素の活性の検出
は、大塚らの方法[Agric.Biol.Che
m., Vol.25, p.726 (1961)]
に従い、ブタ心臓由来フマラーゼ(ベーリンガーマンハ
イム社製)存在下、マレイン酸の減少を240nmの吸
光度変化として測定した。
0%)し、上記リン酸緩衝液中に対して4℃で一夜透析
した。次いで、この透析液をDEAEセファロースカラ
ム(ファルマシア社製)クロマトグラフィー、ゲル濾過
カラム(セファクリルS−200、ファルマシア社製)
クロマトグラフィー、モノQカラム(ファルマシア社
製)クロマトグラフィーにかけ、マレイン酸異性化酵素
の活性画分を得た。マレイン酸異性化酵素の活性の検出
は、大塚らの方法[Agric.Biol.Che
m., Vol.25, p.726 (1961)]
に従い、ブタ心臓由来フマラーゼ(ベーリンガーマンハ
イム社製)存在下、マレイン酸の減少を240nmの吸
光度変化として測定した。
【0022】上記マレイン酸異性化酵素の精製画分をポ
リアクリルアミドゲル(4〜20%グラジエントゲル)
電気泳動[25mM トリス−192mM グリシンか
らなる緩衝液(pH8.4)中にて、40mA定電流で
1時間泳動]により分離し、クマシーブルー色素[組
成:0.2%(w/v)クマシーブリリアントブルーR
250、40%(v/v)メタノール、10%(v/
v)酢酸]によって染色したところ、分子量約60kD
aの単一バンドが検出された。更に同精製画分をドデシ
ル硫酸ナトリウム(SDS)処理液[組成:62.5m
M トリス−塩酸(pH6.8)、2% SDS、10
% グリセロール、5% 2−メルカプトエタノール、
0.001% ブロモフェノールブルー(BPB)]に
溶解し、95℃にて3分間熱変性処理後、ポリアクリル
アミドゲル(10〜20%グラジエントゲル)電気泳動
[25mM トリス−192mM グリシン−0.1%
SDSからなる緩衝液(pH8.4)中にて、40m
A定電流で1時間泳動]により分離し、上記と同様に染
色したところ、分子量約30kDaのバンドのみを検出
した。これらの結果より、該マレイン酸異性化酵素の構
成は、分子量約30kDaのサブユニットから成る分子
量約60kDaの2量体であることが推定された。
リアクリルアミドゲル(4〜20%グラジエントゲル)
電気泳動[25mM トリス−192mM グリシンか
らなる緩衝液(pH8.4)中にて、40mA定電流で
1時間泳動]により分離し、クマシーブルー色素[組
成:0.2%(w/v)クマシーブリリアントブルーR
250、40%(v/v)メタノール、10%(v/
v)酢酸]によって染色したところ、分子量約60kD
aの単一バンドが検出された。更に同精製画分をドデシ
ル硫酸ナトリウム(SDS)処理液[組成:62.5m
M トリス−塩酸(pH6.8)、2% SDS、10
% グリセロール、5% 2−メルカプトエタノール、
0.001% ブロモフェノールブルー(BPB)]に
溶解し、95℃にて3分間熱変性処理後、ポリアクリル
アミドゲル(10〜20%グラジエントゲル)電気泳動
[25mM トリス−192mM グリシン−0.1%
SDSからなる緩衝液(pH8.4)中にて、40m
A定電流で1時間泳動]により分離し、上記と同様に染
色したところ、分子量約30kDaのバンドのみを検出
した。これらの結果より、該マレイン酸異性化酵素の構
成は、分子量約30kDaのサブユニットから成る分子
量約60kDaの2量体であることが推定された。
【0023】さらに精製酵素0.2mgを反応液[0.
4mM マレイン酸ナトリウム ]1mlに添加後、3
0℃で15分間反応させた。反応終了後、煮沸処理によ
り反応を停止させた後、反応液を遠心分離(8,000
×g、4℃、20分間)し、得られた上清液について有
機酸カラム(島津製作所製SCR−101Hカラム)、
UV検出器(210nm)を用いた高速液体クロマトグ
ラフィー分析(島津社製、LC-5A)に供した。その
結果、原料マレイン酸のピークの他にフマル酸のピーク
を検出し、また、原料マレイン酸が減少していることが
確認された。
4mM マレイン酸ナトリウム ]1mlに添加後、3
0℃で15分間反応させた。反応終了後、煮沸処理によ
り反応を停止させた後、反応液を遠心分離(8,000
×g、4℃、20分間)し、得られた上清液について有
機酸カラム(島津製作所製SCR−101Hカラム)、
UV検出器(210nm)を用いた高速液体クロマトグ
ラフィー分析(島津社製、LC-5A)に供した。その
結果、原料マレイン酸のピークの他にフマル酸のピーク
を検出し、また、原料マレイン酸が減少していることが
確認された。
【0024】<参考例2> バチルス・ステアロサーモ
フィラスMI−105株(FREM BP−5164)
が産生するマレイン酸異性化酵素の精製 5L容ジャーファーメンターに、培地A[組成:マレイ
ン酸二ナトリウム 5g、KH2PO4 0.7g、K2
HPO4 1.4g、NH4NO3 1g、MgSO4・7
H2O 0.2g、ビオチン 0.2mg、チアミン・
塩酸塩 0.2mg、FeSO4・7H2O 20mg、
MnSO4 20mg、蒸留水 1L(pH7.2)]
3Lを入れ、121℃にて20分間減菌処理したものに
MI−105株を植菌し、50℃にて24時間振とう培
養した。培養後、遠心分離(3,000×g、4℃、2
0分間)により培養液より菌体を回収し、緩衝液A[組
成:200mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.
2)、0.5mM ジチオスレイトール]で洗浄した。
フィラスMI−105株(FREM BP−5164)
が産生するマレイン酸異性化酵素の精製 5L容ジャーファーメンターに、培地A[組成:マレイ
ン酸二ナトリウム 5g、KH2PO4 0.7g、K2
HPO4 1.4g、NH4NO3 1g、MgSO4・7
H2O 0.2g、ビオチン 0.2mg、チアミン・
塩酸塩 0.2mg、FeSO4・7H2O 20mg、
MnSO4 20mg、蒸留水 1L(pH7.2)]
3Lを入れ、121℃にて20分間減菌処理したものに
MI−105株を植菌し、50℃にて24時間振とう培
養した。培養後、遠心分離(3,000×g、4℃、2
0分間)により培養液より菌体を回収し、緩衝液A[組
成:200mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.
2)、0.5mM ジチオスレイトール]で洗浄した。
【0025】得られた菌体を再度緩衝液Aに懸濁し、約
30%(w/v)の菌体懸濁液を超音波破砕器(ブラン
ソン社)にかけ菌体を破壊した。次いで、この菌体破壊
物を遠心分離(12,000×g、4℃、30分間)に
かけ、マレイン酸異性化酵素を含有する粗酵素液として
上清を回収した。得られた粗酵素液につき、2.2%
(w/v)となるようにストレプトマイシン硫酸塩を添
加し、除核酸した後、常法により30〜70%硫安沈澱
画分を回収し、上記緩衝液A(4℃)中にて一夜透析し
た。得られた硫安画分を、緩衝液Aにて平衡化したDE
AE−Sephacelカラム(直径2.6cm×30
cm、ファルマシア社製)に吸着させ、同緩衝液Aにて
十分洗浄後、塩化カリウムの直線濃度勾配(0〜0.2
M)によって溶出した。尚、流速は2ml/分とし、各
フラクションは10mlずつ分取した。マレイン酸異性
化酵素画分の検出は、マレイン酸異性化酵素活性を大塚
らの方法[Agric.Biol.Chem.,vo
l.25,p.726(1961)]に従い、ブタ心臓
由来フマラーゼ(ベーリンガーマンハイム社製)存在下
で、45℃における基質マレイン酸の減少を、240n
mの吸光度減少として分光光度計(ベックマン社DU7
500)を用いて測定することにより行った。
30%(w/v)の菌体懸濁液を超音波破砕器(ブラン
ソン社)にかけ菌体を破壊した。次いで、この菌体破壊
物を遠心分離(12,000×g、4℃、30分間)に
かけ、マレイン酸異性化酵素を含有する粗酵素液として
上清を回収した。得られた粗酵素液につき、2.2%
(w/v)となるようにストレプトマイシン硫酸塩を添
加し、除核酸した後、常法により30〜70%硫安沈澱
画分を回収し、上記緩衝液A(4℃)中にて一夜透析し
た。得られた硫安画分を、緩衝液Aにて平衡化したDE
AE−Sephacelカラム(直径2.6cm×30
cm、ファルマシア社製)に吸着させ、同緩衝液Aにて
十分洗浄後、塩化カリウムの直線濃度勾配(0〜0.2
M)によって溶出した。尚、流速は2ml/分とし、各
フラクションは10mlずつ分取した。マレイン酸異性
化酵素画分の検出は、マレイン酸異性化酵素活性を大塚
らの方法[Agric.Biol.Chem.,vo
l.25,p.726(1961)]に従い、ブタ心臓
由来フマラーゼ(ベーリンガーマンハイム社製)存在下
で、45℃における基質マレイン酸の減少を、240n
mの吸光度減少として分光光度計(ベックマン社DU7
500)を用いて測定することにより行った。
【0026】得られた活性画分を、限外濾過装置(東洋
濾紙製UHP−43K、分画分子量20,000)によ
り濃縮後、緩衝液Aで平衡化されたゲル濾過カラム(フ
ァルマシア社製Sephacryl S−200、φ
l.6×60cm)にのせ、流速0.5mlで溶出し
た。活性画分は上記と同様な方法で検出した。次に、得
られた活性画分を、緩衝液Aで平衡化された陰イオン交
換カラム(ファルマシア社製「Mono−Q」、φ1×
10cm)にのせ、塩化カリウムの直線濃度勾配(0〜
1M)によって溶出し、得られた活性画分をマレイン酸
異性化酵素の精製画分とした。
濾紙製UHP−43K、分画分子量20,000)によ
り濃縮後、緩衝液Aで平衡化されたゲル濾過カラム(フ
ァルマシア社製Sephacryl S−200、φ
l.6×60cm)にのせ、流速0.5mlで溶出し
た。活性画分は上記と同様な方法で検出した。次に、得
られた活性画分を、緩衝液Aで平衡化された陰イオン交
換カラム(ファルマシア社製「Mono−Q」、φ1×
10cm)にのせ、塩化カリウムの直線濃度勾配(0〜
1M)によって溶出し、得られた活性画分をマレイン酸
異性化酵素の精製画分とした。
【0027】マレイン酸異性化酵素の活性の検出は、大
塚らの方法[Agric.Biol.Chem., V
ol.25, p.726 (1961)]に従い、ブ
タ心臓由来フマラーゼ(ベーリンガーマンハイム社製)
存在下、マレイン酸の減少を240nmの吸光度変化と
して測定した。上記マレイン酸異性化酵素の精製画分を
ポリアクリルアミドゲル(4〜20%グラジエントゲ
ル)電気泳動[25mM トリス−192mM グリシ
ンからなる緩衝液(pH8.4)中にて、40mA定電
流で1時間泳動]により分離し、クマシーブルー色素
[組成:0.2%(w/v)クマシーブリリアントブル
ーR250、40%(v/v)メタノール、10%(v
/v)酢酸]によって染色したところ、分子量約60k
Daの単一バンドが検出された。更に同精製画分をドデ
シル硫酸ナトリウム(SDS)処理液[組成:62.5
mM トリス−塩酸(pH6.8)、2% SDS、1
0% グリセロール、5% 2−メルカプトエタノー
ル、0.001% ブロモフェノールブルー(BP
B)]に溶解し、95℃にて3分間熱変性処理後、ポリ
アクリルアミドゲル(10〜20%グラジエントゲル)
電気泳動[25mM トリス−192mM グリシン−
0.1% SDSからなる緩衝液(pH8.4)中に
て、40mA定電流で1時間泳動]により分離し、上記
と同様に染色したところ、分子量約30kDaのバンド
のみを検出した。これらの結果より、該マレイン酸異性
化酵素の構成は、分子量約30kDaのサブユニットか
ら成る分子量約60kDaの2量体であることが推定さ
れた。
塚らの方法[Agric.Biol.Chem., V
ol.25, p.726 (1961)]に従い、ブ
タ心臓由来フマラーゼ(ベーリンガーマンハイム社製)
存在下、マレイン酸の減少を240nmの吸光度変化と
して測定した。上記マレイン酸異性化酵素の精製画分を
ポリアクリルアミドゲル(4〜20%グラジエントゲ
ル)電気泳動[25mM トリス−192mM グリシ
ンからなる緩衝液(pH8.4)中にて、40mA定電
流で1時間泳動]により分離し、クマシーブルー色素
[組成:0.2%(w/v)クマシーブリリアントブル
ーR250、40%(v/v)メタノール、10%(v
/v)酢酸]によって染色したところ、分子量約60k
Daの単一バンドが検出された。更に同精製画分をドデ
シル硫酸ナトリウム(SDS)処理液[組成:62.5
mM トリス−塩酸(pH6.8)、2% SDS、1
0% グリセロール、5% 2−メルカプトエタノー
ル、0.001% ブロモフェノールブルー(BP
B)]に溶解し、95℃にて3分間熱変性処理後、ポリ
アクリルアミドゲル(10〜20%グラジエントゲル)
電気泳動[25mM トリス−192mM グリシン−
0.1% SDSからなる緩衝液(pH8.4)中に
て、40mA定電流で1時間泳動]により分離し、上記
と同様に染色したところ、分子量約30kDaのバンド
のみを検出した。これらの結果より、該マレイン酸異性
化酵素の構成は、分子量約30kDaのサブユニットか
ら成る分子量約60kDaの2量体であることが推定さ
れた。
【0028】さらに精製酵素0.2mgを反応液[0.
4mM マレイン酸ナトリウム ]1mlに添加後、3
0℃で15分間反応させた。反応終了後、煮沸処理によ
り反応を停止させた後、反応液を遠心分離(8,000
×g、4℃、20分間)し、得られた上清液について有
機酸カラム(島津製作所製SCR−101Hカラム)、
UV検出器(210nm)を用いた高速液体クロマトグ
ラフィー分析(島津社製、LC-5A)に供した。その
結果、原料マレイン酸のピークの他にフマル酸のピーク
を検出し、また、原料マレイン酸が減少していることが
確認された。
4mM マレイン酸ナトリウム ]1mlに添加後、3
0℃で15分間反応させた。反応終了後、煮沸処理によ
り反応を停止させた後、反応液を遠心分離(8,000
×g、4℃、20分間)し、得られた上清液について有
機酸カラム(島津製作所製SCR−101Hカラム)、
UV検出器(210nm)を用いた高速液体クロマトグ
ラフィー分析(島津社製、LC-5A)に供した。その
結果、原料マレイン酸のピークの他にフマル酸のピーク
を検出し、また、原料マレイン酸が減少していることが
確認された。
【0029】〔実施例1〕カタラーゼおよびスーパーオ
キシドディスムターゼによるアルカリゲネス・フェカリ
ス由来マレイン酸イソメラーゼの活性化および安定化 保存液(1.5Mアスパラギン酸溶液)に、実施例1で
得られたアルカリゲネス・フェカリスIFO13111
株由来のマレイン酸異性化酵素の精製酵素液(0.1m
g/4ml保存液)を添加し、そこにカタラーゼ20,
000ユニットおよび/またはスーパーオキシドディス
ムターゼ(SOD)5,000ユニットを添加した後、
30℃で保温し、それぞれのマレイン酸異性化酵素に対
する効果を検討した。一定時間後に精製酵素保存液1m
lを抜き取り、反応液[0.4mM マレイン酸ナトリ
ウム ]1mlを添加後、30℃で15分間反応させ
た。反応終了後、煮沸処理により反応を停止させた後、
反応液を遠心分離(8,000×g、4℃、20分間)
し、得られた上清液について有機酸カラム(島津製作所
製SCR−101Hカラム)、UV検出器(210n
m)を用いた高速液体クロマトグラフィー分析(島津社
製、LC-5A)に供し、原料のマレイン酸の減少を定
量することによりマレイン酸イソメラーゼの残存活性を
定量した。カタラーゼはウシ肝臓由来カタラーゼ(シグ
マ社製)を、スーパーオキシドディスムターゼは大腸菌
由来マンガン・スーパーオキシドディスムターゼ(シグ
マ社製)を用いた。
キシドディスムターゼによるアルカリゲネス・フェカリ
ス由来マレイン酸イソメラーゼの活性化および安定化 保存液(1.5Mアスパラギン酸溶液)に、実施例1で
得られたアルカリゲネス・フェカリスIFO13111
株由来のマレイン酸異性化酵素の精製酵素液(0.1m
g/4ml保存液)を添加し、そこにカタラーゼ20,
000ユニットおよび/またはスーパーオキシドディス
ムターゼ(SOD)5,000ユニットを添加した後、
30℃で保温し、それぞれのマレイン酸異性化酵素に対
する効果を検討した。一定時間後に精製酵素保存液1m
lを抜き取り、反応液[0.4mM マレイン酸ナトリ
ウム ]1mlを添加後、30℃で15分間反応させ
た。反応終了後、煮沸処理により反応を停止させた後、
反応液を遠心分離(8,000×g、4℃、20分間)
し、得られた上清液について有機酸カラム(島津製作所
製SCR−101Hカラム)、UV検出器(210n
m)を用いた高速液体クロマトグラフィー分析(島津社
製、LC-5A)に供し、原料のマレイン酸の減少を定
量することによりマレイン酸イソメラーゼの残存活性を
定量した。カタラーゼはウシ肝臓由来カタラーゼ(シグ
マ社製)を、スーパーオキシドディスムターゼは大腸菌
由来マンガン・スーパーオキシドディスムターゼ(シグ
マ社製)を用いた。
【0030】その結果を表1に示す。保存後の残存活性
はそれぞれ、カタラーゼおよびSOD無添加の場合の保
温開始前の活性を100とする相対値であらわした。こ
の結果から、カタラーゼおよび/またはSODを添加す
ることで、マレイン酸イソメラーゼを活性化および安定
化させることが確認され、効率的にフマル酸が製造でき
ることが示唆された。
はそれぞれ、カタラーゼおよびSOD無添加の場合の保
温開始前の活性を100とする相対値であらわした。こ
の結果から、カタラーゼおよび/またはSODを添加す
ることで、マレイン酸イソメラーゼを活性化および安定
化させることが確認され、効率的にフマル酸が製造でき
ることが示唆された。
【0031】
【表1】 ──────────────────────────────────── 保存時間 0時間 1時間 17時間 ──────────────────────────────────── 対照(無添加) 100 30 0 カタラーゼ(20,000 ユニット)添加 180 140 50 SOD(5,000 ユニット)添加 180 100 20 カタラーゼおよびSOD添加 180 180 120 (20,000 ユニットおよび5,000 ユニット) ────────────────────────────────────
【0032】〔実施例2〕カタラーゼおよびスーパーオ
キシドディスムターゼによるバチルス・ステアロサーモ
フィラス由来マレイン酸イソメラーゼの活性化および安
定化 保存液(1.5Mアスパラギン酸溶液)に、参考例2で
得られたMI−105株の精製酵素液(0.6mgタン
パク質/4ml保存液)、カタラーゼ 20,000ユ
ニットおよび/またはSOD 5,000ユニットを順
次添加し、N2ガスを1分間吹き込んだ後、すみやかに
容器を密閉した。45℃で保温し、カタラーゼおよびス
ーパーオキシドディスムターゼのマレイン酸異性化酵素
に対する効果を検討した。一定時間後に精製酵素保存液
1mlを抜き取り、反応液[0.4mM マレイン酸ナ
トリウム ]1mlを添加後、45℃で15分間反応さ
せた。反応終了後、煮沸処理により反応を停止させた
後、反応液を遠心分離(8,000×g、4℃、20分
間)し、得られた上清液について有機酸カラム(島津製
作所製SCR−101Hカラム)、UV検出器(210
nm)を用いた高速液体クロマトグラフィー分析(島津
社製、LC-5A)に供し、原料のマレイン酸の減少を
定量することによりマレイン酸イソメラーゼの残存活性
を定量した。カタラーゼはウシ肝臓由来カタラーゼ(シ
グマ社製)を、スーパーオキシドディスムターゼは大腸
菌由来マンガン・スーパーオキシドディスムターゼ(シ
グマ社製)を用いた。
キシドディスムターゼによるバチルス・ステアロサーモ
フィラス由来マレイン酸イソメラーゼの活性化および安
定化 保存液(1.5Mアスパラギン酸溶液)に、参考例2で
得られたMI−105株の精製酵素液(0.6mgタン
パク質/4ml保存液)、カタラーゼ 20,000ユ
ニットおよび/またはSOD 5,000ユニットを順
次添加し、N2ガスを1分間吹き込んだ後、すみやかに
容器を密閉した。45℃で保温し、カタラーゼおよびス
ーパーオキシドディスムターゼのマレイン酸異性化酵素
に対する効果を検討した。一定時間後に精製酵素保存液
1mlを抜き取り、反応液[0.4mM マレイン酸ナ
トリウム ]1mlを添加後、45℃で15分間反応さ
せた。反応終了後、煮沸処理により反応を停止させた
後、反応液を遠心分離(8,000×g、4℃、20分
間)し、得られた上清液について有機酸カラム(島津製
作所製SCR−101Hカラム)、UV検出器(210
nm)を用いた高速液体クロマトグラフィー分析(島津
社製、LC-5A)に供し、原料のマレイン酸の減少を
定量することによりマレイン酸イソメラーゼの残存活性
を定量した。カタラーゼはウシ肝臓由来カタラーゼ(シ
グマ社製)を、スーパーオキシドディスムターゼは大腸
菌由来マンガン・スーパーオキシドディスムターゼ(シ
グマ社製)を用いた。
【0033】その結果を表2に示す。保存後の残存活性
はそれぞれ、カタラーゼおよびSOD無添加の場合の保
温開始前の活性を100とする相対値であらわした。こ
の結果から、カタラーゼおよび/またはSODを添加す
ることで、マレイン酸イソメラーゼを活性化および安定
化させることが確認され、効率的にフマル酸が製造でき
ることが示唆された。
はそれぞれ、カタラーゼおよびSOD無添加の場合の保
温開始前の活性を100とする相対値であらわした。こ
の結果から、カタラーゼおよび/またはSODを添加す
ることで、マレイン酸イソメラーゼを活性化および安定
化させることが確認され、効率的にフマル酸が製造でき
ることが示唆された。
【0034】
【表2】 ──────────────────────────────────── 保存時間 0時間 1日間 2日間 ──────────────────────────────────── 対照(無添加) 100 0 0 カタラーゼ(20,000 ユニット)添加 120 50 40 SOD(5,000 ユニット)添加 120 50 5 カタラーゼおよびSOD添加 150 50 40 (20,000 ユニットおよび5,000 ユニット) ────────────────────────────────────
【0035】
【発明の効果】 微生物を用いてマレイン酸を異性化さ
せフマル酸を製造させるに当たり、本発明の方法によれ
ば、酵素を安定化させ、大きな活性減衰なく、連続的に
フマル酸を製造することができる。
せフマル酸を製造させるに当たり、本発明の方法によれ
ば、酵素を安定化させ、大きな活性減衰なく、連続的に
フマル酸を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺沢 真人 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内 (72)発明者 湯川 英明 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 マレイン酸イソメラーゼ活性を有する微
生物またはその処理物を用いてマレイン酸を異性化して
フマル酸を製造するに際し、(i)カタラーゼあるいは
カタラーゼ活性を有する微生物もしくはその処理物およ
び/または(ii)スーパーオキシドディスムターゼあ
るいはスーパーオキシドディスムターゼ活性を有する微
生物もしくはその処理物を添加することを特徴とするフ
マル酸の製造法。 - 【請求項2】 カタラーゼがウシ肝臓由来のカタラーゼ
であることを特徴とする請求項1記載のフマル酸の製造
法。 - 【請求項3】 スーパーオキシドディスムターゼが大腸
菌由来マンガン・スーパーオキシドディスムターゼであ
ることを特徴とする請求項1記載のフマル酸の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8057540A JPH09248196A (ja) | 1996-03-14 | 1996-03-14 | フマル酸の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8057540A JPH09248196A (ja) | 1996-03-14 | 1996-03-14 | フマル酸の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09248196A true JPH09248196A (ja) | 1997-09-22 |
Family
ID=13058605
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8057540A Pending JPH09248196A (ja) | 1996-03-14 | 1996-03-14 | フマル酸の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09248196A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018101188A1 (ja) * | 2016-12-01 | 2018-06-07 | 花王株式会社 | 糸状菌変異株及びそれを用いたc4ジカルボン酸の製造方法 |
CN112805567A (zh) * | 2018-12-25 | 2021-05-14 | 深圳迈瑞生物医疗电子股份有限公司 | 红细胞模拟粒子、其制备方法及含其的质控物或校准物 |
-
1996
- 1996-03-14 JP JP8057540A patent/JPH09248196A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018101188A1 (ja) * | 2016-12-01 | 2018-06-07 | 花王株式会社 | 糸状菌変異株及びそれを用いたc4ジカルボン酸の製造方法 |
CN112805567A (zh) * | 2018-12-25 | 2021-05-14 | 深圳迈瑞生物医疗电子股份有限公司 | 红细胞模拟粒子、其制备方法及含其的质控物或校准物 |
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