JPH0924586A - 多層フィルム - Google Patents

多層フィルム

Info

Publication number
JPH0924586A
JPH0924586A JP7176176A JP17617695A JPH0924586A JP H0924586 A JPH0924586 A JP H0924586A JP 7176176 A JP7176176 A JP 7176176A JP 17617695 A JP17617695 A JP 17617695A JP H0924586 A JPH0924586 A JP H0924586A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethylene
multilayer film
olefin copolymer
density
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7176176A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3528343B2 (ja
Inventor
Kenzou Chikanari
謙三 近成
Kazunori Kanamori
一典 金森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP17617695A priority Critical patent/JP3528343B2/ja
Publication of JPH0924586A publication Critical patent/JPH0924586A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3528343B2 publication Critical patent/JP3528343B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 衝撃強度、引張強度や引裂強度などの機械的
強度、剛性に加え、低温ヒートシール性およびホットタ
ック性が優れ、さらに食品衛生性などの食品包装材料と
しても適用可能な包装用多層フィルムを得る。 【解決手段】 密度、メルトフローレート、示差熱ピー
ク各特性が特定範囲のC4〜C12α−オレフィン・エ
チレン共重合体を基材層とし、少なくとも片面に(a)
上記該特性が特定範囲のエチレン・C4 12α−オレフ
ィン共重合体5〜95重量部、( b) 密度、メルトフロ
ーレート、GPC法Mn35, 000〜150, 000
であり、Mw/Mn比が1.8〜3.0、示差熱量ピー
クの各特性が特定範囲のエチレン・C3 12α−オレフ
ィン共重合体またはその混合物5〜95重量部を均一に
溶融混合して得られる、密度が0.890〜0.920
g/cm3 、メルトフローレートが0.5〜20g/1
0分、n−ヘキサン可溶分が6重量%以下である組成物
層を積層してなる多層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温ヒートシール
性、ホットタック性に優れ、同時に剛性や耐熱性が高
く、ハンドリング性の優れた包装用フィルムとして有用
であり、さらに溶剤抽出性が少なく、食品包装用フィル
ムとしても利用可能な多層フィルムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】包装材料の多くは、優れたヒートシール
特性、ホットタック性などの点からエチレン系樹脂、例
えば、ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマーなど
がヒートシール層として使用されている。包装形態の多
様化している現在、材料に要求される性能を充分に満足
させるため、エチレン系重合体樹脂を他の適当なフィル
ムに積層した形をとるものが多い。例えば、包材の基材
として延伸ポリアミドやポリエチレンテレフタレートと
いったフィルムが多く使用されているが、単体では強
度、剛性、耐熱性、ガスバリア性や安全衛生性など多く
の面で優れているもののヒートシール性が劣るといった
欠点を有する。一方、ポリオレフィン系樹脂フィルムに
おいては、単体では、ヒートシール性は良いが、強度、
剛性や耐熱性といった面では上記基材フィルムに比べ劣
る。一般的には、両者の欠点を相補うためにこれらを積
層する手法が用いられ、多くの多層フィルムが提案され
ている。例えば、特開平2−150442号公報には、
エチレン・α−オレフィン共重合体をシーラント材とし
た積層フィルムが開示されているが、低温ヒートシール
性やホットタック性などのシール特性において満足でき
るものではない。
【0003】また、ポリオレフィン樹脂のみからなる包
材においても同様の目的でいくつかの積層フィルムが考
案されている。例えば特公平3−21344号公報に
は、エチレン・α−オレフィン共重合体の混合物からな
るシーラント層と高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポ
リエチレンなどの基材層からなる多層フィルムが開示さ
れており、強度、耐熱性やヒートシール性が優れる特長
を有するものの、強度、低温ヒートシール性やホットタ
ック性のバランスにおいて満足できるものではない。ま
た特公平4−59140号公報にはエチレン・α−オレ
フィン共重合体をシーラント層とした低温衝撃強度とヒ
ートシール性が優れた多層フィルムが開示されている
が、低温ヒートシール性において十分満足できるもので
はない。さらに特公平6−102375号公報には、低
結晶性のエチレン・α−オレフィンをシーラント層とし
た低温ヒートシール性に優れた多層フィルムを提案して
いるが、低温ヒートシール性は優れるものの高温でのホ
ットタック性や溶剤抽出性(食品衛生性)、強度、剛性
において十分満足できるものではない。
【0004】また、食品包装用材料に使用される場合に
は、衝撃強度、引張強度や引裂強度などの機械的強度、
剛性や低温ヒートシール性、ホットタック性に加えて食
品衛生性が要求されている。
【0005】食品包装用材料のヒートシール層に使用さ
れるエチレン系樹脂として、これまでに多くの材料が提
案されている。低温ヒートシール性および低温ホットタ
ック性に優れた材料では、包装される食品によっては、
エチレン系樹脂中の成分の一部が、食品中に移行する
為、食品衛生上問題が生じる。特にその食品がオイル状
物である場合には、使用できない。通常、エチレン系樹
脂中の成分が食品中への移行する程度を表す指標として
n−ヘキサンに対する抽出量が用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、食品包装材
料をはじめとする電子部品、機械部品など各種包装用多
層フィルムを提供しようとするものであり、具体的に
は、衝撃強度、引張強度や引裂強度などの機械的強度、
剛性に加え、低温ヒートシール性およびホットタック性
が優れ、さらに食品衛生性などの食品包装材料としても
適用可能な包装用多層フィルムを得ることを目的として
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点を解決するために鋭意検討した結果、特定のエチ
レン・α−オレフィン共重合体を基材層とし、少なくと
も片側に特定のエチレン・α−オレフィン共重合体を溶
融混合してなる組成物層をシーラント層として積層する
ことにより、これらの問題が解決され、優れた機械的物
性、剛性に加え、炭化水素溶媒による抽出性が少なく、
かつ低温シール性やホットタック性の良い多層フィルム
が得られることを見出した。
【0008】すなわち本発明は、エチレンおよび炭素数
が4〜12のαオレフィンからなる、密度0.910〜
0.945g/cm3 、メルトフローレート0.5〜3
0g/10分、示差走査熱量計による最高融解ピーク温
度が110℃以上であるエチレン・α−オレフィン(炭
素数4〜12)とのランダム共重合体を含有する層を基
材層とし、少なくとも片面に(a) エチレンおよび炭素
数が4〜12のαオレフィンからなり、密度0.900
〜0.940g/cm3 、メルトフローレート0.5〜
30g/10分、示差走査熱量計による最高融解ピーク
温度が110℃以上であるエチレン・α−オレフィン
(炭素数3〜12)とのランダム共重合体5〜95重量
部、(b) エチレンおよび炭素数が3〜12のαオレフ
ィンからなり、密度0.880〜0.920g/c
3 、メルトフローレート0.5〜30g/10分、G
PC法により測定された数平均分子量が35, 000〜
150,000であり、重量平均分子量/数平均分子量
なる比で表される分子量分布が1.8〜3.0、示差走
査熱量計による最高融解ピーク温度が60〜110℃の
範囲内に観測されるエチレン・α−オレフィン共重合体
またはその混合物5〜95重量部を均一に溶融混合して
得られる、密度が0.890〜0.920g/cm 3
メルトフローレートが0.5〜20g/10分、n−ヘ
キサン可溶分が6重量%以下である組成物層を積層して
なる多層フィルムに係るものである。
【0009】本発明の多層フィルムを構成する基材層お
よび組成物層の(a) 成分として用いられるエチレン・
α−オレフィン共重合体において、エチレンと共重合さ
せるα−オレフィンは、炭素数3〜12のものである。
具体的には、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、
4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−
1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ドデセン
−1等およびこれらの混合物などを挙げることができ
る。これらのうち特に好ましいのは、プロピレン、ブテ
ン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、4−
メチルヘキセン−1、オクテン−1である。さらに好ま
しくはブテン−1、ヘキセン−1である。エチレン・α
−オレフィン共重合体中のα−オレフィン含有量は1〜
20モル%であることが好ましい。
【0010】本発明の多層フィルムを構成する基材層お
よび組成物層(a) 成分として用いられるエチレン・α
−オレフィン共重合体の製造にあたっては、一般にエチ
レンとα−オレフィンを用いて、イオン重合法により、
少なくとも遷移金属を含有する固体系触媒成分と有機ア
ルミニウム化合物化合物からなる触媒の存在下で通常3
0〜300℃、常圧〜3000kg/cm2 、溶媒の存
在下もしくは無溶媒下、気−固、液−固または均一液相
下で重合、製造される。遷移金属を含有する固体系触媒
成分としては、例えば酸化クロム、酸化モリブデン、三
塩化チタン、四塩化チタン、四塩化チタン−アルキルア
ルミニウム、四塩化チタンなどのチタン化合物−塩化マ
グネシウム化合物などのマグネシウム化合物−(塩化)
アルキルアルミニウム化合物などが挙げられる。
【0011】本発明の多層フィルムを構成する組成物層
(b) 成分として用いられるエチレン・α−オレフィン
共重合体の製造にあたっては、一般にイオン重合法によ
り、メタロセン系触媒もしくは、チーグラー系触媒の存
在下で通常、30〜300℃、常圧〜3000K g/c
2 、溶媒の存在下もしくは無溶媒下、気−固、液−固
または均一液相下で製造される。
【0012】メタロセン化合物としては、遷移金属を含
む特定の構造を有する化合物と有機アルミニウム化合物
の複合触媒系、またチーグラー系触媒としてはバナジウ
ム化合物と有機アルミニウム化合物との複合触媒系など
が挙げられる。
【0013】メタロセン系触媒としては、一般式R1 k
2 l 3 m 4 n M(ただし、Mはジルコニウム、チ
タン、ハフニウムまたはバナジウムであり、R1 はシク
ロアルカジエニル骨格を有する基であり、R2 、R3
よびR4 はシクロアルカジエニル骨格を有する基、アル
キル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル
基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子また
は水素であり、kおよびlは1以上の整数であり、k+
l+m+n=4である。)で示され、1.シクロアルカ
ジエニル骨格を有する配位子を含む遷移金属化合物およ
び2.有機アルミニウムオキシド化合物を主とする化合
物からなる触媒系があげられる。
【0014】例えば、シクロアルカジエニル骨格を有す
る配位子を含む遷移金属化合物としては下記の化合物が
使用される。シクロアルカジエニル骨格を有する配位子
を含む遷移金属化合物としては、ビス(シクロペンタジ
エニル)ジエチルジルコニウム、ビス(ペンタメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウム、ビス(シクロペン
タジエニル)ジクロロジルコニウム、ビス(シクロペン
タジエニル)モノクロリドモノハイドライド、ビス(イ
ンデニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライ
ド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチ
レンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレ
ンビス(インデニル)メチルジルコニウムクロリド、エ
チレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エ
チレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(4,
5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジメチル
ジルコニウム、エチレンビス(4−メチル−1−インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2,3
−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド
などが挙げられる。好ましくは、ビスシクロペンタジエ
ニルジメチルジルコニウム、ビスペンタジエニルジルコ
ニウムジクロリドが使用される。有機アルミニウムオキ
シド化合物としては、テトラメチルジアルミノキサン、
テトラエチルジアミノキサン、テトラブチルジアルミノ
キサン、テトラヘキシルジアルミノキサン、メチルアル
ミノキサン、エチルアルミノキサン、ブチルアルミノキ
サン、ヘキシルアルミノキサンなどが挙げられる。中で
もメチルアルミノキサンが好ましく使用される。
【0015】バナジウム化合物と有機アルミニウム化合
物からなる触媒系としては、例えばバナジウム化合物と
しては、一般式VO(OR) n 3-n (但し、Rは炭化
水素基、Xはハロゲン、0≦n≦3なる数を示す。)で
示され、VOCl3 、VO(OCH3)Cl2 、VO (O
CH3)2 Cl、VO (OCH3)3 、VO (OC2 5)C
2 、VO(OC2 5)2 Cl、VO(OC2 5)3
VO(OC3 7)Cl 2 、VO (OC3 7)2 Cl、V
O (OC3 7)3 、VO (OisoC37)Cl2 、V
O(OisoC37)2 Cl、VO(OisoC37)
3 、あるいはこれらの混合物を例示することができる。
これらの化合物のうち、0≦n≦1で示される化合物が
特に好ましく使用される。有機アルミニウム化合物とし
ては、一般式R' m AlX3-m (但し、R’は炭化水素
基、Xはハロゲン、1≦m≦3なる数を示す。)で示さ
れ、(C2 5)2 AlCl、(C4 9)2 AlCl、
(C 6 13)2AlCl、(C2 5)1.5 AlCl1.5
(C4 9)1.5 AlCl1.5、(C6 13)1.5AlCl
1.5 、C2 5 AlCl2 、C4 9 AlCl2 、C 6
13AlCl2 等が例示できる。本発明においてより好
ましい効果を発揮させるには、1≦m≦2を満足するも
のであり、特に(C2 5)1.5 AlCl1.5 が好ましく
使用される。
【0016】さらに、これらのバナジウム化合物/有機
アルミニウム化合物触媒系にハロゲン化エステルを組み
合わせることにより、より分子量分布が狭く、組成分布
が均一なエチレン・α−オレフィン共重合体を得ること
ができ、本発明の組成物を得るには好適である。ハロゲ
ン化エステルは、一般式R”COOR'''(但し、R”は
炭素数1〜20の炭化水素基の一部の水素原子または全
部の水素原子をハロゲンで置換した有機基、R''' は炭
素数1〜20の炭化水素基を示す。)で示され、好まし
くは、R”の置換基が全てクロル置換された化合物、例
えばパークロルクロトン酸エステルなどが有効である。
具体的にはエチルジクロルアセテート、メチルトリクロ
ルアセテート、エチルトリクロルアセテート、メチルジ
クロルフェニルアセテート、エチルジクロルフェニルア
セテート、メチルパークロルクロトネート、エチルパー
クロルクロトネート、プロピルパークロルクロトネー
ト、イソプロピルパークロルクロトネート、フェニルパ
ークロルクロトネート等が例示できる。
【0017】本発明の多層フィルムを構成する基材層の
エチレン・α−オレフィン共重合体においては、密度が
0.910〜0.945g/cm3 の範囲にあり、密度
が0.910g/cm3 以下では、最終的に得られる多
層フィルムの機械的物性や剛性が低下し、本発明の目的
において満足する性能が得られない。逆に0.945g
/cm3 以上になると、得られる多層フィルムの耐衝撃
性が低下したり、カール(反り)によるハンドリング性
が悪化する。
【0018】本発明の多層フィルムを構成する組成物層
の(a) 成分として用いられるエチレン・α−オレフィ
ン共重合体においては、密度が0.900〜0.940
g/cm3 の範囲にあり、密度が0.900g/cm3
以下では、最終的に得られる多層フィルムの高温でのホ
ットタック性が低下したり、n−ヘキサン可溶分が増加
し、食品衛生上問題をきたしたり、フィルムにべたつき
を生じ、ブロッキングし易くなるなど、目的とする多層
フィルムの性質として満足できるものでない。逆に0.
940g/cm3 以上になると、得られる多層フィルム
の低温ヒートシール性、低温ホットタック性が悪化す
る。
【0019】また、この多層フィルムを構成する基材層
および組成物層(a) 成分のMFRはJISーK721
0の表ー1の条件4で規定された方法で測定される。こ
れらのエチレン・α−オレフィン共重合体成分のMFR
は0.5〜30g/10分の範囲にある。MFRが0.
5g/10分未満では、本発明の多層フィルムを得るた
めに、基材層または組成物層を押出加工する際に押出機
樹指圧力が大きくなり、押出加工性を大幅に低下させ、
逆にMFRが30g/10分以上になると、押出加工の
際、引取サージングなどを起こし易く、製膜性の点で好
ましくなく、多層フィルムとして満足できるものが得ら
れない。
【0020】エチレン−α−オレフィン共重合体の最高
融解ピーク温度とは、パーキンエルマー7型DSC装置
を使用し、JIS K7122に基づき、融解熱量を測
定する事により得られる。なお、測定方法は、K712
1の3−(2)項に準拠する。基材層に含有するエチレ
ン・α−オレフィン共重合体および組成物層(a) 成分
として用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体に
おいては、上記方法より求めた吸熱曲線の1個ないし複
数個存在する吸熱ピークの内の最高ピークの温度が11
0℃以上であることが重要である。好ましくは、115
℃以上に存在する。また吸熱ピークの数は複数個あるも
のが特に好ましく使用される。
【0021】本発明の多層フィルムを構成する組成物層
の(b) 成分として用いられるエチレン・α−オレフィ
ン共重合体において、エチレンと共重合させるα−オレ
フィンは、樹脂組成物の(a) 成分エチレン・α−オレ
フィン共重合体に用いられるものと同様のものが使用さ
れる。また共重合体中に含まれるα−オレフィン含有量
は1〜40モル%であることが好ましい。
【0022】本発明の多層フィルムを構成する(b) 成
分に用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体にお
いては、密度が0.880〜0.920g/cm3 の範
囲にあり、密度が0.880g/cm3 以下では、多層
フィルムの機械的強度、剛性が低下するうえ、最終的に
得られる組成物のn−ヘキサン可溶分が増加して食品衛
生性に問題が生じたり、多層フィルムにべたつきを生
じ、ブロッキングし易くなる。逆に0.920g/cm
3 以上になると、得られる多層フィルムの低温ヒートシ
ール性が低下する。
【0023】また、MFRはJISーK7210の表ー
1の条件4で規定された方法で測定される。組成物層の
(b) 成分として用いられるエチレン・α−オレフィン
共重合体成分のMFRは0.5〜30g/10分、GP
C法により測定された数平均分子量が35, 000〜1
50, 000である。MFRが0.5g/10分未満ま
たは数平均分子量が150, 000を越えるものでは、
本発明の多層フィルムを得るために、最終的に得られた
組成物を押出加工する際に押出機樹指圧力が大きくな
り、押出加工性を低下させる。逆にMFRが30g/1
0分以上かまたは平均分子量が35, 000に満たない
ものでは、押出加工の際、引取サージングなどを起こし
易く、製膜性の点で好ましくなく、多層フィルムとして
満足できるものが得られない。
【0024】さらに、本発明の多層フィルムを構成する
(b) 成分エチレン・α−オレフィン共重合体のGPC
法により測定された重量平均分子量/数平均分子量の比
で表される分子量分布は1.8〜3.0である。この値
が1.8未満では、押出成形時のモーター負荷上昇によ
り、成形が困難となり、3.0を越えると成形加工性は
向上するものの、ヒートシール強度およびホットタック
強度において満足できるものが得られない。
【0025】本発明で使用されるエチレン−α−オレフ
ィン共重合体の最高融解ピーク温度とは、パーキンエル
マー7型DSC装置を使用し、JIS K7122に基
づき、融解熱量を測定する事により得られる。なお、測
定方法は、K7121の3ー(2)項に準拠する。本発
明の多層フィルムの組成物層の(b) 成分として用いら
れるエチレン・α−オレフィン共重合体においては、上
記方法より求めた吸熱曲線の1個ないし複数個存在する
吸熱ピークの内の最高ピークの温度であり、60〜11
0℃に存在することが重要である。好ましくは、80〜
100℃、さらに好ましくは85〜95℃の範囲に存在
することである。また吸熱ピークの数は複数個あっても
良いが、唯1個のみ存在するものが特に好ましく使用さ
れる。
【0026】本発明の多層フィルムを構成する組成物層
の材料は、(a) 成分および(b)成分をドライブレン
ドまたはメルトブレンドすることにより行われる。ドラ
イブレンドはヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー
などの各種ブレンダーが使用され、メルトブレンドは、
単軸押出機、二軸押出機、バンバリ−ミキサー、熱ロー
ルなどの各種ミキサーが用いられる。
【0027】本発明の多層フィルムを構成する組成物層
において(a) 成分エチレン・α−オレフィン共重合体
と(b) 成分エチレン・α−オレフィン共重合体の混合
割合は、(a) 成分が5〜95重量部に対し、(b) 成
分が95〜5重量部混合される。好ましくは(a) 成分
が30〜95重量部、(b) 成分が70〜5重量部で混
合される。さらに好ましくは、(a) 成分が40〜90
重量部、(b) 成分が50〜10重量部の割合で混合さ
れるのが良い。(a) 成分の混合割合が95重量部を越
え、(b) 成分の混合割合が5重量部に満たないと、本
発明の目的である低温時におけるヒートシール強度が満
足できるものでなく、逆に(a) 成分の混合割合が5重
量部未満であり、(b) 成分の混合割合が95重量部を
越える場合には、フィルムの機械的強度が低下したり、
高温でのホットタック強度の低下、べたつきによるブロ
ッキングが起こるといった欠点が生ずる。
【0028】本発明の(a) 成分エチレン・α−オレフ
ィン共重合体と(b) 成分エチレン・α−オレフィン共
重合体を特定の割合で混合して得られる多層フィルムを
構成する組成物層において、密度は0.890〜0.9
20g/cm3 の範囲にあることが重要である。好まし
くは密度が0.895〜0.915g/cm3 の範囲で
ある。密度が0.890g/cm3 以下の場合、高温で
のホットタック性が低下したり、溶媒抽出性が高くなる
ことから食品衛生性に劣り、またフィルム物性としての
ブロッキング性が悪化する。また密度が0.920g/
cm3 を越える場合には、低温ヒートシール性において
満足できるものが得られず、また押出成形時に膜切れな
どの問題を生じやすくなる。
【0029】また、本発明の多層フィルムを構成する組
成物層のMFRは、0.5〜20g/10分の範囲にあ
る。MFRが0.5g/10分未満の場合、押出成形時
の樹脂圧力が上昇し、モーター負荷が過大となるため、
好ましくない。また、MFRが20g/10分を越える
と、押出成形時にサージングなどのトラブルを起こしや
すい。
【0030】さらに該組成物層のn−ヘキサン可溶分が
6重量%以下であることが重要である。ヒートシール特
性、ホットタック性およびその他の機械的物性と食品衛
生性などのより好ましいバランスを考慮すると、n−ヘ
キサン可溶分が5重量%以下であることが好ましい。
【0031】n−ヘキサン不溶分はFDA規格の第17
7章第1520節に記載される、50℃でのn−ヘキサ
ンによる最大溶出量測定法により測定される。具体的に
は、所定量のサンプル試片をn−ヘキサン中、50℃で
2時間保持させ、不溶成分を濾過し、溶剤残渣を濃縮乾
固して得られる残渣の量からn−ヘキサン不溶分を算出
すことができる。
【0032】この組成物層のn−ヘキサン可溶分が6重
量%以上になると、組成物層中の一部の成分が、包装さ
れる食品へ移行することにより、食品衛生上問題が生じ
たり、フィルム表面のべたつきが起こり、ブロッキング
を起こしたり、ヒートシール特性やホットタック性を阻
害する原因となる。
【0033】本発明の多層フィルムを製造するために
は、一般にインフレーションフィルム製造装置やTダイ
フィルム製造装置などを用いて共押出法、押出コーティ
ング法(押出ラミネート法ともいう。)などの技術を採
用することができる。またこれらの装置を用いて得た多
層または単層フィルムを用いてドライラミネート法、ウ
ェットラミネート法、サンドラミネート法、ホットメル
トラミネート法などのラミネーション法など公知の技術
により目的とする多層フィルムを製造することも可能で
ある。
【0034】共押出法においては、溶融・押し出された
本発明多層フィルムを構成するエチレン・α−オレフィ
ン共重合体からなる基材層およびエチレン・α−オレフ
ィン共重合体を特定の割合で溶融混合してなる組成物層
をダイの内部および/または外部で接触させる。
【0035】押出コーティング法においては、基材層の
少なくとも片側の表面に、溶融・押し出されたエチレン
・α−オレフィン共重合体からなる組成物層をコーティ
ングする。これらの詳細については、加工技術研究会発
行の「ラミネート加工便覧」に記載されている。
【0036】ラミネーション法においては、本発明の多
層フィルムを構成する基材層と組成物層とを溶剤型接着
剤、水性型接着剤、ホットメルト接着剤、溶融重合体な
どによって貼り合わせる。
【0037】本発明の多層フィルムを構成するエチレン
・α−オレフィン共重合体からなる基材層の厚さは10
ないし300μである。厚さがこの範囲より薄いと、剛
性、機械的強度において十分な性能が得られず、逆に厚
い場合には、耐衝撃性が低下するといった欠点を生ず
る。また組成物層の厚さは、1ないし200μm、特に
3ないし50μmであることが望ましい。厚さがこの範
囲より薄いと、均一な厚さのフィルムを得ることなど加
工が困難であるうえにヒートシール特性やホットタック
性が発揮されにくくなる。
【0038】本発明の多層フィルムは、その卓越した、
低温ヒートシール特性、低温および高温ホットタック
性、低いn−ヘキサン抽出性と機械的物性、剛性などの
バランスを利用し、目的に応じて、少なくともエチレン
・α−オレフィン共重合体を含有する基材層と組成物層
から構成されていれば、基材層側にさらに他の基材を積
層して使用することもできる。その方法は、上記で述べ
た本発明の多層フィルムを製造する方法と同様の方法で
行うことができる。
【0039】本発明の多層フィルムと積層して使用され
る基材としては、フィルム形成の可能な任意の重合体、
セロハン、紙、板紙、織物、アルミニウム箔などから選
択できる。フィルム形成の可能な重合体としては、たと
えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイ
ロン12などのポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステ
ル樹脂、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4
−メチル−1−ペンテン、ポリエチレン、エチレン・酢
酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共
重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチ
レン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸共
重合体、アイオノマーなどのポリオレフィン系樹脂、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポ
リビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重
合体などから、各々のガスバリヤー性、印刷性、透明
性、剛性、接着性などを勘案して、複合フィルムとする
目的に応じて選択することができる。基材が延伸可能で
ある場合、特にポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リプロピレンなどのように延伸されることによってフィ
ルムの特性が向上する場合、基材は1軸あるいは2軸に
延伸されていても良い。これらの基材フィルムとの積層
フィルムの形態である場合、本発明の多層フィルムの層
の厚さは、11ないし500μm、特に10ないし10
0μmであることが好ましい。基材の厚さは任意であっ
て、目的に応じて選択できる。複数の基材を種々の構成
でもって複合することも、すでに広く行われていること
であって、本発明でも採用することができる。
【0040】このように製造された複合フィルムのう
ち、基材が1軸あるいは2軸に延伸が可能である場合に
は、さらに1軸あるいは2軸の延伸を加えることができ
る。延伸は、テンター延伸方式、インフレーション延伸
方式、ロール延伸方式など公知の方法によって、基材が
延伸可能な温度範囲に複合フィルムを加熱することによ
ってでき、必要とあらばさらにヒートセットされる。
【0041】本発明の多層フィルムを構成するエチレン
・α−オレフィン共重合体を含有する基材層および組成
物層においては、多層フィルムとしてのさらなる物性向
上を計るため、必要に応じて2,6−ジ−t−ブチル−
p−クレゾール(BHT)、テトラキス[メチレン−3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタン(IRGANOX 101
0)やn−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−
3,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート
(IRGANOX 1076)で代表されるフェノール
系安定剤、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペ
ンタエリスリトールジホスファイトおよびトリス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどで代表
されるホファイト系安定剤、ステアリン酸アミド、オレ
イン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、エ
チレンビスステアリンアミド、エチレンビスオレイン酸
アミド等の高級脂肪酸アミドで代表される滑剤、炭素数
8〜22の脂肪酸のグリセリンエステルやソルビタン酸
エステル、ポリエチレングリコールエステルなどの帯電
防止剤、シリカ、炭酸カルシウム、タルクなどで代表さ
れるブロッキング防止剤などが添加される。
【0042】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これら
の例になんら制約されるものではない。はじめに、以下
の実施例および比較例における物性値の測定方法を示
す。 (1)密度(d) JIS K6760に規定された方法に従った。100
℃の水中で1時間アニール処理を行った後密度を測定し
た。 (2)メルトフローレート(MFR) JIS K6760に規定された方法に従った。 (3)最高融解ピーク温度(Tm) 測定は示差走査熱量計(DSC)パーキンエルマー社製
DSC−7を用いた。熱プレスにより作成した厚さ約
0.5mmのシートから切り出した約10mgの試片を
DSC測定用サンプルパンに入れ、DSC中で150℃
から5分間プレメルトし、1℃/分で40℃まで降温
し、5分間保持させた後10℃/分の速度で150℃ま
で昇温しサーモグラムを得た。融解ピークが複数本存在
する場合、最も高い値を最高融解ピーク温度とした。
【0043】(4)数平均分子量(Mn)および分子量
分布(Mw/Mn) GPC(Gel Permeation Chroma
toghr aphy)測定は、Waters社製15
0C型GPC測定装置を使用し、カラムに東ソー社製G
MH6−HT、溶媒にo−ジクロルベンゼンを用い、1
45℃で測定した。検量線は東ソー社製の標準ポリスチ
レンを使用し、常法により作成した。分子量分布(Q
値)は、重量平均分子量/数平均分子量の比として計算
した。
【0044】(5)n−ヘキサン可溶分 測定は、FDA規格の第177章第1520節に記載さ
れる方法に従った。具体的には、樹脂2.5±0.00
1gをフラスコにとり、n−ヘキサン1000mlを加
え、あらかじめ50℃に調整したウォーターバスにフラ
スコを入れ、加熱を行った。フラスコ中のn−ヘキサン
の温度が50℃に達してから、マグネット式スターラー
により撹拌しながら、正確に2時間放置した。その後、
n−ヘキサンがあたたかいうちに、濾紙を用いて、自然
濾過を行った。濾液は、あらかじめ精秤したフラスコに
採取し、回収濾液を秤量した結果、回収濾液は、最初の
仕込み量に対していずれも90%以上回収した。次に溶
剤濾液の約半分を、1リットルのビーカーに移し、スチ
ームバスを用いて加熱、濃縮を行った。濃縮の間、ビー
カー内に高純度の窒素ガスを吹き付けた。ビーカー内の
溶剤量が蒸発により減少したところで、さらに残りの溶
剤濾液を加え、最後には全ての溶剤濾液を移した。濃縮
液が、約50ミリリットルになった時点で、その濃縮液
をあらかじめ重量を測った100ミリリットルの蒸発皿
に移しかえた。ビーカーは、加温したn−ヘキサンで2
回洗浄し、洗浄液を同じ蒸発皿に加えた。この蒸発皿を
さらに高純度窒素の気流下でスチームバスにより濃縮を
行い、最終的には全ての溶剤を蒸発させた。残渣のはい
った蒸発皿を真空デシケータに移し、12時間以上放置
した後、乾燥残渣の正味の重量を0.0001gの精度
で秤量した。その結果は、試験に使用したn−ヘキサン
中の不揮発性物質に相当する空試験値で補正した。以上
の方法による結果からn−ヘキサン可溶分を以下の式で
算出した。
【0045】(6)低温ヒートシール性 本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体組成物フィ
ルムを延伸ナイロンなどの基材にラミネートして得られ
た2枚の複合フィルムを15mm幅に切り出し、エチレ
ン・αオレフィン共重合体組成物からなる層どうしを重
ね合わせ、テスター産業社製ヒートシーラーを用いて、
シール面圧力2.0kg/cm2 、シール時間0.5秒
の条件でシール幅10mmのヒートシールを行った。シ
ールバーの温度を5℃ずつ変えて同様にヒートシールを
行った。これから、シール面に直角方向に幅15mmの
試片を切り出し、ショッパー型引張り試験機を用いて2
00mm/分の速度で180°剥離強度を測定した。低
温ヒートシール性は、上記条件で測定したシール強度が
2kg/15mm幅を越える時の最低温度(ヒートシー
ル発現温度)を示す。この温度が低いほど低温ヒートシ
ール性が良好であることを示す。
【0046】(7)低温ホットタック性および高温ホッ
トタック性 (4)と同様にして得られた、15mm幅の2枚の複合
フィルムのエチレン・αオレフィン共重合体組成物から
なる層どうしを重ね合わせ、片方には滑車を介して10
g〜200g(10g単位)の荷重をかけておき、テス
ター産業社製ヒートシーラーを用いて、シール面圧力
1.3kg/cm2 、シール時間0.3秒の条件でシー
ル幅20mmのヒートシールを行った。シール終了と同
時に荷重が落下し、シール終了から0.14秒後に、シ
ール面に荷重により剥離力がかかることになる。30g
の荷重をかけシールバー温度(ヒートシール温度)を1
10〜160℃の範囲で5℃ずつ変えてゆき、試験を行
うことにより、各シール温度における剥離距離を測定し
た。低温ホットタック性は、剥離距離が8mmを越える
時の低温側の温度、すなわち低温ホットタック性発現温
度で示した。低温ホットタック性発現温度が低い程、低
温ホットタック性が良好であることを示す。また高温ホ
ットタック性は、剥離距離が8mmを越える時の高温側
の温度、すなわち高温ホットタック性発現温度で示し
た。高温ホットタック性発現温度が高い程、高温ホット
タック性が良好であることを示す。
【0047】(8)1%正割弾性率(1%−SM:Se
c ant Modu lus) フィルムの加工方向(MD)に幅2cmの試片を切り出
し、引張試験機にチャック間距離6cmで取り付け、5
mm/minの速度で引っ張り、1%伸長時の応力か
ら、100×(応力)/(断面積)の計算式により求め
た。
【0048】本実施例で用いたサンプルとして以下のも
のを使用した。基材層エチレン・α−オレフィン共重合体および組成物
層(a) 成分エチレン・α−オレフィン共重合体 (1)共重合体1 エチレン−1−ブテンランダム共重合体(d=0.92
4、MFR=2.0g/10分、Tm=122℃) (2)共重合体2 エチレン−1−ヘキセンランダム共重合体(d=0.9
21、MFR=1.9g/10分、Tm=121℃) (3)共重合体3 エチレン−1−ヘキセンランダム共重合体(d=0.9
30、MFR=2.0g/10分、Tm=123℃) (4)共重合体4 エチレン−1−ヘキセンランダム共重合体(d=0.9
12、MFR=2.0g/10分、Tm=121℃) (5)共重合体5 エチレン−1−ヘキセンランダム共重合体(d=0.9
08g/cm3 、MFR=2.0g/10分、Tm=1
19℃) 上記のエチレン・α−オレフィン共重合体はいずれもチ
タン系触媒を用いた高圧イオン重合により製造された。
【0049】組成物層(b) 成分エチレン・α−オレフ
ィン共重合体 (1)共重合体6 エチレン−1−ヘキセンランダム共重合体(d=0.9
06g/cm3 、MFR=1.9g/10分、Tm=9
6℃、DSCによる融解ピークの数=1、Mn=970
00、Mw/Mn=2.1) (2)共重合体7 エチレン−1−ブテンランダム共重合体(d=0.89
5g/cm3 、MFR=2.0g/10分、Tm=84
℃、Mn=95400、Mw/Mn=2.0) (3)共重合体8 エチレン−1−ブテンランダム共重合体(d=0.90
9g/cm3 、MFR=2.0g/10分、Tm=11
9℃、Mn=72800、Q=3.7) (4)共重合体9 エチレン−1−ヘキセンランダム共重合体(d=0.8
95g/cm3 、MFR=1.7g/10分、Tm=8
4℃、Mn=98300、Mw/Mn=2.0) (5)共重合体10 エチレン−1−ブテンランダム共重合体(d=0.87
5g/cm3 、MFR=2.0g/10分、Tm=60
℃、Mn=95200、Mw/Mn=2.0) 上記のエチレン・α−オレフィン共重合体は、共重合体
8と共重合体9以外はいずれもバナジウム系触媒を用い
たスラリ−重合法により製造された。共重合体8はチタ
ン系触媒を用いた高圧イオン重合法により製造された。
共重合体9はメタロセン系触媒を用いた溶液重合法によ
り製造された。
【0050】エチレン・α−オレフィン共重合体組成物
の調製および多層フィルムの製造 基材層のエチレン・α−オレフィン共重合体および組成
物層の(a) 成分、(b) 成分のエチレン・α−オレフ
ィン共重合体ペレットを所定の混合割合でドライブレン
ドしたものをそれぞれ90mmφと50mmφの2台の
押出機を用いて溶融混練し、フィードブロック型のTダ
イ(ダイ幅140mm、リップ開度1.5mm)に導入
して押し出し、240℃のダイ設定温度、75℃のチル
ロール温度で厚み40μまたは50μの多層フィルムを
得た。
【0051】複合フィルムの製造 康井精機製卓上型テストコーターを用いて、前記の多層
フィルムを、2g/m 2 となるようにウレタン系接着剤
を塗布した厚さ15μmの延伸ナイロン基材フィルム
に、40℃、3kg/cm2 で圧着させた後、40℃で
2日間、加熱熟成することによりドライラミネーション
複合フィルムを得た。
【0052】実施例1〜5、比較例1〜5 表1および表2に示した原料樹脂および配合により、前
記の方法によりフィルム化を行った。得られた多層フィ
ルムの密度およびn−ヘキサン不溶分を測定した。さら
にこのフィルムを前述の方法により、延伸ナイロン基材
にドライラミネート法により貼り合わせた後、低温ヒー
トシール性および低温ホットタック性および高温ホット
タック性、剛性を評価した。結果を表1および表2に示
した。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】本発明の多層フィルムは、ヒートシール
性およびホットタック性の発現する温度が低く、かつそ
の温度領域が広く高温まで優れた性能を有し、さらに炭
化水素溶媒に対する抽出性が少ないといった特徴を有
し、これらと衝撃強度、引裂強度などの機械的物性、剛
性などの物性バランスに優れる。この多層フィルム(他
の基材との積層フィルムを含む)は、こんにゃく、漬物
などのように水とともに包装される食品類、ミルク、
酒、醤油などの液体の食品類、菓子などのような乾燥し
た食品類、ハム・ソーセージなど加工肉類の包装等々の
食品包装をはじめ電気部品、機械部品、薬品など種々の
製品の包装に利用することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンおよび炭素数が4〜12のαオ
    レフィンからなる、密度0.910〜0.945g/c
    3 、メルトフローレート0.5〜30g/10分、示
    差走査熱量計による最高融解ピーク温度が110℃以上
    であるエチレン・α−オレフィン共重合体を基材層と
    し、少なくとも片面に(a) エチレンおよび炭素数が4
    〜12のαオレフィンからなり、密度0.900〜0.
    940g/cm3 、メルトフローレート0.5〜30g
    /10分、示差走査熱量計による最高融解ピーク温度が
    110℃以上であるエチレン・α−オレフィン共重合体
    5〜95重量部、( b) エチレンおよび炭素数が3〜1
    2のαオレフィンからなり、密度0.880〜0.92
    0g/cm3 、メルトフローレート0.5〜30g/1
    0分、GPC法により測定された数平均分子量が35,
    000〜150, 000であり、重量平均分子量/数平
    均分子量なる比で表される分子量分布が1.8〜3.
    0、示差走査熱量計による最高融解ピーク温度が60〜
    110℃の範囲内に観測されるエチレン・α−オレフィ
    ン共重合体またはその混合物5〜95重量部を均一に溶
    融混合して得られる、密度が0.890〜0.920g
    /cm3、メルトフローレートが0.5〜20g/10
    分、n−ヘキサン可溶分が6重量%以下である組成物層
    を積層してなる多層フィルム。
  2. 【請求項2】 組成物層の(b) 成分エチレン・α−オ
    レフィン共重合体の示差走査熱量計による吸熱ピークが
    唯1本のみ存在することを特徴とする請求項1記載の多
    層フィルム。
  3. 【請求項3】 組成物層の(b) 成分エチレン・α−オ
    レフィン共重合体が、メタロセン系触媒により重合して
    得られることを特徴とする請求項1記載の多層フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 組成物層の(a) 成分エチレン・α−オ
    レフィン共重合体を構成するα−オレフィンの炭素数が
    6以上であることを特徴とする請求項1記載の多層フィ
    ルム。
JP17617695A 1995-07-12 1995-07-12 多層フィルム Expired - Fee Related JP3528343B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17617695A JP3528343B2 (ja) 1995-07-12 1995-07-12 多層フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17617695A JP3528343B2 (ja) 1995-07-12 1995-07-12 多層フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0924586A true JPH0924586A (ja) 1997-01-28
JP3528343B2 JP3528343B2 (ja) 2004-05-17

Family

ID=16008996

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17617695A Expired - Fee Related JP3528343B2 (ja) 1995-07-12 1995-07-12 多層フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3528343B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10157035A (ja) * 1996-11-27 1998-06-16 Idemitsu Petrochem Co Ltd 包装袋用フィルム
JP2003011301A (ja) * 2001-06-29 2003-01-15 Grand Polymer Co Ltd ポリプロピレン樹脂多層フィルム
JP2006181831A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Prime Polymer:Kk 二軸延伸エチレン重合体多層フィルム

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6131251A (ja) * 1984-07-23 1986-02-13 出光石油化学株式会社 多層フイルム
JPS61120745A (ja) * 1984-11-16 1986-06-07 出光石油化学株式会社 多層包装袋
JPS6210532B2 (ja) * 1980-08-07 1987-03-06 Mitsui Petrochemical Ind
JPH02150428A (ja) * 1988-07-18 1990-06-08 Viskase Corp ブレンドから得た改良された極低密度ポリエチレンフィルム
JPH03215034A (ja) * 1989-10-09 1991-09-20 Kohjin Co Ltd 多層ポリエチレン系ストレッチシュリンクフイルム及びその製造方法
JPH06102375B2 (ja) * 1988-02-25 1994-12-14 出光石油化学株式会社 ポリエチレン系多層フィルム
JPH07132579A (ja) * 1993-11-10 1995-05-23 Okura Ind Co Ltd n−ヘキサン抽出による溶出物の量が少ないエチレン系熱収縮性フィルム

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6210532B2 (ja) * 1980-08-07 1987-03-06 Mitsui Petrochemical Ind
JPS6131251A (ja) * 1984-07-23 1986-02-13 出光石油化学株式会社 多層フイルム
JPS61120745A (ja) * 1984-11-16 1986-06-07 出光石油化学株式会社 多層包装袋
JPH06102375B2 (ja) * 1988-02-25 1994-12-14 出光石油化学株式会社 ポリエチレン系多層フィルム
JPH02150428A (ja) * 1988-07-18 1990-06-08 Viskase Corp ブレンドから得た改良された極低密度ポリエチレンフィルム
JPH03215034A (ja) * 1989-10-09 1991-09-20 Kohjin Co Ltd 多層ポリエチレン系ストレッチシュリンクフイルム及びその製造方法
JPH07132579A (ja) * 1993-11-10 1995-05-23 Okura Ind Co Ltd n−ヘキサン抽出による溶出物の量が少ないエチレン系熱収縮性フィルム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10157035A (ja) * 1996-11-27 1998-06-16 Idemitsu Petrochem Co Ltd 包装袋用フィルム
JP2003011301A (ja) * 2001-06-29 2003-01-15 Grand Polymer Co Ltd ポリプロピレン樹脂多層フィルム
JP2006181831A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Prime Polymer:Kk 二軸延伸エチレン重合体多層フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP3528343B2 (ja) 2004-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0351189B1 (en) Ethylene-alpha-olefin copolymer and films obtained therefrom
JP6005649B2 (ja) ブテン−1コポリマーを用いる感圧接着剤
US7135526B2 (en) Very low density polyethylene and high density polyethylene blends
CA2414056A1 (en) Very low density polyethylene and high density polyethylene blends
BR112012025925B1 (pt) Mistura polimérica e filme
US6737171B2 (en) Propylenic random copolymer and composition comprising it, and film comprising the copolymer or composition
KR19990067516A (ko) 선형 저밀도 폴리에틸렌 기재의 신장성 다층필름
JP3326873B2 (ja) 包装用フィルム
JP3528343B2 (ja) 多層フィルム
JP2004035730A (ja) 樹脂組成物及びそれを成形して成るフィルム
KR20110098911A (ko) 다층 열수축성 필름
JP2004099679A (ja) ポリエチレン系樹脂組成物およびそれからなるレトルト包装用フィルム
JPH083384A (ja) 食品包装フィルム用樹脂組成物及び食品包装フィルム
JPH0853554A (ja) 食品包装用フィルム
JP3555275B2 (ja) 多層フィルム
JP3555286B2 (ja) 多層フィルム
JPH0987442A (ja) ポリエチレン系樹脂組成物
JP3417023B2 (ja) ポリオレフィン組成物及び該組成物からなるフィルム
JP3822117B2 (ja) ポリオレフィン系多層フィルム
JP3312500B2 (ja) 押出成形用樹脂組成物
CA2355448A1 (en) Resin composition and film thereof
JPH1052897A (ja) 易剥離用フィルム及び易剥離用シール材料
JP3399476B2 (ja) エチレン系共重合体
JPH07196862A (ja) 押出成形用樹脂組成物
JPH1017681A (ja) 包装用フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040216

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090305

Year of fee payment: 5

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D05

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090305

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100305

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110305

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120305

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130305

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130305

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140305

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees