JPH09244658A - 電子楽器の鍵盤装置 - Google Patents

電子楽器の鍵盤装置

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JPH09244658A
JPH09244658A JP8052171A JP5217196A JPH09244658A JP H09244658 A JPH09244658 A JP H09244658A JP 8052171 A JP8052171 A JP 8052171A JP 5217196 A JP5217196 A JP 5217196A JP H09244658 A JPH09244658 A JP H09244658A
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Takamichi Masubuchi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 押鍵過程,押鍵後および離鍵過程の押鍵力を
直接的に検出可能にし、且つ電気的および機械的なノイ
ズが強調して検出されないようにする。 【解決手段】 複数の鍵11を、支持部材である鍵フレ
ームにそれぞれ揺動可能に支持し、その各鍵の前端部に
回転軸11bによってぞそれ質量体であるハンマ13を
回動可能に軸支し、そのアクチュエータ部13dを支持
部21によって回動可能に支持する。その支持部21
は、各鍵ごとに独立してそれぞれ一端が梁支持部材19
を介して鍵フレーム12に固定された板バネによる梁2
0の自由端部上に設け、その梁20の歪み又は変位をフ
ォトリフレクタ18によって検出することにより、鍵操
作中に支持部21に発生する力を各鍵毎に独立して検出
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子ピアノ等の
電子楽器における鍵に連動して駆動される質量体(ハン
マ)を有する鍵盤装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子ピアノの鍵盤装置は、支持部材であ
る鍵盤フレームに複数の鍵をそれぞれ揺動可能に支持す
ると共に、その各鍵の揺動に伴ってそれぞれ回動する質
量体(「ハンマ」と称す)を回動可能に設け、押鍵時に
アコースティックピアノに似たタッチ感触が得られるよ
うにしている。また、押鍵速度を検出して楽音制御をし
たり、押鍵時に発生する楽音のアタックレベルを制御し
たり各種効果を付与したりする楽音制御が行なわれるも
のがある。さらに、アフタタッチ制御としての押鍵力を
検出して楽音制御しようとするものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】直接押鍵力を検出する
手段としては、いわゆるアフタタッチセンサがあるが、
これは押鍵後の力を検出するものであり、押鍵過程およ
び離鍵過程での押鍵力を検出することはできない。
【0004】押鍵過程および離鍵過程の押鍵力を検知す
る方法としては、鍵の変位を検出し、時間軸上で2回微
分することによって押鍵力波形を検知することが考えら
れる。しかし、微分とは微小時間の変動量を表わすもの
であるため、電気的なノイズや機械的なノイズ(ガタや
スリップあるいはバックラッシュ等)をも検知してしま
う。さらに、2回微分においてはこの傾向が強調され、
現実的には信号として使い物にならない。
【0005】この発明は、このような問題を解決するた
めになされたものであり、演奏者の鍵操作による押鍵過
程,押鍵後および離鍵過程の各押鍵力を直接的に検出可
能にし、且つ上述のようなノイズの問題もなくすことを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するため、複数の鍵と、その各鍵を揺動可能に支持
する支持部材と、各鍵の揺動に伴ってそれぞれ回動する
質量体と、その各質量体を回動可能に支持する支持部と
を備えた電子楽器の鍵盤装置において、上記支持部に発
生する力を検出する力検出手段を設けたものである。
【0007】また、上記各鍵の各質量体に対して独立し
て、それぞれ一端又は両端が固定された梁を設け、その
各梁上に上記支持部を設け、その各梁の歪み又は変位を
検出することによって、上記支持部に発生する力を各鍵
毎に独立して検出する力検出手段を設けるとよい。ある
いは、一端又は両端が固定された複数の梁を設け、その
複数の梁で複数の鍵の各質量体に対して共通の取付部を
支持させ、その共通の取付部上に上記支持部を設けると
共に、上記複数の梁の歪み又は変位をそれぞれ検出し、
その各検出結果の和を求めることによって上記支持部に
発生する力を複数鍵に亘って検出する力検出手段を設け
るようにしてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて具体的に説明する。図1は、この発明の第
1の実施形態を示す鍵盤装置の白鍵部の長手方向に沿う
断面図である。この図1において、支持部材である鍵フ
レーム12は下側のメイン水平部12aと、その後端か
ら上方へ直角に折曲した垂直部12bと、その上端から
折り返すように直角に折曲した上側のサブ水平部12c
とからなり、そのサブ水平部12cの後端部付近に係止
孔12dを設けている。
【0009】そして、この鍵フレーム12は、その係止
孔12dに各鍵11(白鍵と黒鍵があるが図では白鍵を
示している)の後端部下面に設けた係合突部11aを嵌
入させて、各鍵11を当接点aを支点として押離鍵方向
に揺動可能に支持している。なお、押離鍵動作をしても
鍵が係止孔12dから離脱しないように、破線で示した
支点への圧接バネSPや、一点鎖線で示した弾性部材7
付き鍵脱落防止部材8、あるいはその両方を設けるよう
にするとよい。また、鍵11の前端部付近の内側には、
内側に突出して鍵幅方向にハンマ回転軸11bを設け、
そのハンマ回転軸11bに、く字形アーム状の質量体で
あるハンマ13の前端部13aを回転自在に枢着してい
る。
【0010】そのハンマ13の後端部13bは鍵11の
揺動支点付近まで延び、その内部に質量の大きい鉄,鉛
等からなる錘り13cを埋設している。また、このハン
マ13の折曲部付近の下側にアクチュエータ部13dを
突設している。このハンマ13は、鍵11にアコーステ
ィックピアノの鍵に似た重みのあるタッチ感を与えるた
めと、上昇方向の復帰力を与える役目をなす。
【0011】鍵フレーム12のサブ水平部12cの前端
部には、キーガイド16を立設しており、このキーガイ
ド16を鍵11の両側壁11c間に挿入して、鍵1の押
離鍵方向をガイドしている。一方、鍵フレーム12のメ
イン水平部12aの前端部には、鍵並び方向に延びる梁
支持部材19とその後方にプリント基板17が配設さ
れ、そのプリント基板17上に各鍵毎のセンサとしてフ
ォトリフレクタ18を配設している。
【0012】このフォトリフレクタ18は、合成ゴム等
によって成形されたドーム状弾性体18aの基部をプリ
ント基板17上に固定し、上部に円柱状の押圧部18b
を突設して、その内面に平面状の反射面18cを形成し
ている。そして、その反射面18cに対向するプリント
基板17上に、発光素子Pと受光素子Qを所定の間隔で
配設した反射型フォトセンサ18dを設けている。
【0013】そして、各鍵11のハンマ13ごとに、板
バネからなる梁20の一端を梁支持部材19上に固定
し、他端を自由端として鍵長手方向の後方へ延設してい
る。その梁20の長手方向の中間部の下面をフォトリフ
レクタ18の押圧部18bの上面に当接させ、それより
自由端寄りの上面に、フエルトあるいは樹脂等の緩衝材
兼滑り部材を貼着した支持部21を設け、その上面にハ
ンマ13のアクチュエータ部13dを当接させ、その当
接点dをハンマ13の揺動支点とするように、これらの
支持部21,梁20,梁支持部材19,及びフォトリフ
レクタ18によって、鍵フレーム12上に各鍵のハンマ
13をそれぞれ揺動可能に支持している。
【0014】そして、梁20とフォトリフレクタ18に
よって、支持部21に発生する力を検出する力検出手段
を構成し、各梁20の歪み又は変位を各フォトリフレク
タ18によって検出することによって、支持部21に発
生する力を各鍵ごとに独立して検出する。なお、梁20
はその長手方向の両端を、一対の梁支持部材19を介し
て鍵フレーム12に固定するようにしてもよい。両端支
持の場合は、支持部21を両端の支持点の中央に位置す
るようにすると変位対力の変換効率をよくすることがで
きる。
【0015】鍵フレーム12のメイン水平部12aの後
端部寄りの上面には、ハンマ13の後端部13bの下降
位置を規制するハンマ下限ストッパ15を、サブ水平部
12cの係止孔12dの手前側の下面に、ハンマ13の
後端部13bの上昇位置を規制するハンマ上限トッパ1
4を、それぞれ鍵並び方向に沿って延びるフエルトある
いは軟質樹脂等の緩衝材により、各鍵のハンマ13に共
通に配設している。
【0016】次に、この鍵盤装置の作用を説明する。鍵
11の前端部が演奏者の指25によってF1の力で押下
されると、鍵11がa点を中心に矢視G方向に揺動し、
ハンマ回転軸11bが下降するので、ハンマ13が梁2
0上の支持部21との当接点dを支点として矢視H方向
に揺動する。このとき、ハンマ13の揺動に応じて当接
点dが若干後方へずれる。すなわち、支持部21は摺動
支点となっており、ハンマ回転軸11bの中心から当接
点dまでの水平距離をL3、錘り13cの重心から当接
点dまでの水平距離をL4とすると、L3:L4=1:
3 程度になるように設定されている。
【0017】ハンマ13の後端部13bに埋設されてい
る錘り13cの質量が20gであり、その他のプラスチ
ック13製のアーム部分の質量を無視すると、ハンマ回
転軸11b上(押鍵力F1の作用位置)を静的に押下す
るのに必要な力は60gfとなる。そして、ハンマ回転
軸11b上における等価質量は180gとなり、極めて
ピアノに類似したタッチ感触を実現できる。
【0018】図2,図3はこの鍵盤装置における押鍵過
程を示す図であり、図2は押鍵初期の状態を、図3は押
鍵後の状態をそれぞれ示している。なお、圧接バネSP
や鍵脱落防止部材8は図示を省略している。ここで、錘
り13cに対して加速を生じさせるような力F3を発生
させるためにF1なる押鍵力が必要であり、その結果、
押鍵過程において支持部21に対する力F2が観測され
る。
【0019】演奏者がF1(gf)の力で押鍵したと
き、支持部21に発生する下向きの力F2(gf)は、
次式によって求められる。 F2=(L1/L2)×F1 ここで、L1は鍵11の揺動支点であるa点から指25
による押圧点までの距離、L2は同じくa点からハンマ
13の当接点dまでの距離である。
【0020】この例においては、L1/L2=1.2で
あり、F2=1.2×F1となる。支持部21は板バネ
の梁20上に設置されており、板バネは力F2の大きさ
に比例して図1に仮想線で示すように変形する。この変
形をフォトリフレクタ18で検出することにより、支持
部21に発生する力F2の大きさを検出することができ
る。これから逆に押鍵力F1を、F1=F2/1.2に
よって求めることができる。
【0021】すなわち、押鍵によりハンマ13のアクチ
ュエータ部13dを支持する支持部21に発生する力F
2によって、板バネによる梁20が仮想線で示すように
弾性変形し、フォトリフレクタ18の押圧部18bを押
圧するので、その反射面18cの位置が変化して、反射
型フォトセンサ18dの受光素子Qによる受光量が変化
し、その出力信号が変わることによって、力F2を検出
することができる。この力F2から逆に押鍵力F1を、
F1=F2/1.2の演算によって求めることもでき
る。また、F3は、F3=(1/3)F1 と表わせ
る。したがつて、F3=(1/3)(F2/1.2) で
ある。
【0022】ここで、実際のピアノに類似した発音感覚
(発音タイミングおよび音量感)を得るために、仮想的
なハンマを考える。仮想的なハンマの質量をM(g)と
すると、仮想的なハンマの加速度はF3/M(cm/s
・s)となる。この仮想的なハンマの加速度を積分する
ことによって仮想的なハンマの速度(Vとする)が判
り、仮想的なハンマの速度Vをさらに積分することによ
って仮想的なハンマの変位(Dとする)がわかる。この
仮想的なハンマが仮想的な弦に到達した時点で発音タイ
ミングを指示する。また、その仮想的な弦に到達した時
点における仮想的なハンマの速度でベロシティを決定す
る。
【0023】以下具体的に説明する。フォトリフレクタ
18の出力をA/D変換した後、演算処理を行ない、力
F2を検知することができる。検知した力F2に対して
fHzのサンプリングを行なう。T=1/f毎にフォトリ
フレクタ18の出力を一時レジスタに取り込んで演算を
行なう。このタイミングは100μSec〜2mSec毎程
度でよく、無駄なく適当な精度で行なわれるためには、
実験によると250μSec即ちf=4KHz前後がよい。
これを事象的に説明すると、押鍵力F1が60gfを越
えた時点、すにわちF3が20gfを越えた時点から、
鍵11の移動すなわちハンマ13の回動が開始する。し
たがって、 F2=1.2×F1=72gf を検知した時点からハンマ13の回動が開始する。
【0024】仮想的なハンマの移動開始後得られる力を
F4とすると、F4=F3−20(gf)がハンマの回
動に寄与するから、このF4のサンプリング値を順次積
算していくことによって、仮想的なハンマの、力F4の
サンプリング時点における速度が得られる。また力F4
のサンプリング値を得た各時点で得られるハンマの各速
度を順次積算していくことによって仮想的なハンマの、
力F4のサンプリング時点における変位が得られる。
【0025】時刻Tにおける仮想的なハンマの速度V
(cm/s)は次のようになる。 V=(ハンマの移動開始後、時刻Tまでに得られるF4
のサンプリング値の総和)/f 時刻Tにおける仮想的なハンマの変位D(cm)は次の
ようになる。 D=(ハンマの移動開始後F4のサンプリングごとに得
られるVの値の総和)/f
【0026】Dの値がピアノにおけるハンマと弦間の距
離に達した時点でキーオン情報を、その時点のVの値に
応じてベロシティを決定して楽音を制御する。離鍵過程
に関しても同様にして、キーオフタイミングを決めてや
ることができる。この仮想的なハンマと弦間の距離を3
cm(=30mm)とした場合の上記の例による処理の
フローチャートを図4に示す。この処理は、この鍵盤装
置に備える図示しないマイクロコンピュータを用いた信
号処理部によって実行される。
【0027】そのマイクロコンピュータでは、音色合
成,音色設定等多数の仕事がメインルーチンにおいてな
されるが、これらの多数の仕事は、並行して行なわれて
いる。そして、その中の一つの仕事に着目して、その処
理を表わすと図4のような書き方になる。図4のフロー
チャートで見る限り、他の多数の仕事が全て省略された
書き方になっている。すなわち、メインルーチンの図示
しないステップでセンシング処理の開始指令(通常は電
子楽器の電源投入後、イニシャライズ処理が終了した
後)があると、図4の処理をスタートし、ステップS1
に移る。
【0028】そのステップS1では、加速度=力/質量
の式にあてはめるため、支持部21に発生する力F2
(gf)を検出して、F3=(1/3)(F2/1.2)
の式によってF3を求める。ついで、ステップS2で、
そのF3からハンマ13が移動を開始するために要する
力20(gf)を減じた力を錘りの質量20(g)で除
して得られる加速度を、1回積分して仮想的ハンマの速
度情報を求めて、それをレジスタVにセトットする。さ
らに、その速度情報をもう1回積分して仮想的ハンマの
変位情報をもとめ、それをレジスタDにセットする。
【0029】そして、ステップS3で、そのレジスタD
の変位情報が「0」以下か否かを判断し、ドリフトなど
によって変位情報が「0」以下の場合には、ステップS
4へ進んで、レジスタDおよびレジスタVをリセット
し、経過時間tのカウント値もリセットする。
【0030】レジスタDの変位情報が「0」以下でない
ときは、ステップS5に進んで、レジスタDの変位情報
が「3」以上か否かを判断する。これは、変位情報が仮
想的なハンマと弦間の距離(3cm)になったとき、す
なわちハンマ停止位置から3cm動いたときにそれを判
断するためであり、このステップS5の判断で「No」
の間はステップS1へ戻って、上述の処理を繰り返す。
ステップS5の判断で「Yes」になると、その時のレ
ジスタVの速度情報に応じたベロシティで発音指示(楽
音発生タイミングを決定)し、その時およびその後の速
度情報に基づいて楽音情報の少なくとも一つを制御す
る。
【0031】この実施形態の効果を、従来の押鍵により
鍵のアクチュエータ部に押圧されて時間差を持ってオン
する2つのスイッチを設けた2メーク方式と比較する
と、次のような利点がある。 ・ピアニシモを表現しやすく、ピアノライクである。す
なわち、接点方式ではないため、必ずしも所定の変位ま
で押し込まれなくても発音できるからである。 ・連打性がよく、ピアノライクである。接点方式ではな
いため、必ずしも所定の変位まで鍵が戻らなくても再発
音させることができる。 ・キーオン・キーオフのタイミングに対して仮想ハンマ
を使っているため、レガーテイブな表現がやりやすく、
ピアノライクである。
【0032】このようにして、演奏者の鍵操作による押
鍵過程および離鍵過程の押鍵力を検出することによっ
て、きわめてピアノに近い発音感覚を実現することがで
きる。押鍵後の押鍵力検出に関しては、図3に示すよう
に押鍵後さらに押鍵力F1を加えると、ハンマ13はハ
ンマ上限ストッパ14によって回動が規制されており、
その結果支持部21に力F2が発生する。この力F2を
フォトリフレクタ18によって検出して、アフタタッチ
データとして使うことができる。この実施形態によれ
ば、各鍵ごとにその発音タイミングおよび発生楽音のパ
ラメータを制御することができる。
【0033】次に、この発明の第2の実施形態を図5お
よび図6によって説明する。図5は、その鍵盤装置の白
鍵部の長手方向に沿う断面図であり、図1と対応する部
分には同一の符号を付している。図6は、その梁24及
び梁支持部材23と共通の取付部22の平面図である。
【0034】この鍵盤装置も、図1に示した第1の実施
形態の鍵盤装置とほぼ同様に構成されているが、各鍵1
1に連動して回動する質量体であるハンマ13の支持部
21は、複数の鍵11の各ハンマ13に対して共通の取
付部22上に設けられている。その共通の取付部22
は、一端が梁支持部材23によって鍵フレーム12に固
定された複数の板バネによる梁24の自由端部上に図6
に示すように鍵配列方向に延びて配設されて支持されて
いる。
【0035】その各梁24の自由端部付近の下面と鍵フ
レーム12のメイン水平部12aとの間に、フォトリフ
レクタ18を設けており、これらによって力検出手段を
構成している。この力検出手段は、押鍵時における複数
(図示の例では一対)の梁24の歪み又は変位を、各フ
ォトリフレクタ18によつてそれぞれ検出し、その各検
出結果の和を求めることによって、支持部21に発生す
る力を複数鍵に亘って検出する。
【0036】この鍵盤装置によっても、前述の第1の実
施形態の電子楽器の鍵盤装置と同様な作用・効果を得る
ことができ、かつ構成を簡素化して安価に提供すること
ができる。なお、図6に仮想線で示すように、梁24を
取付部22を図で右側にも延設し、その先端部をもう1
本の梁支持部材23を介して鍵フレーム12に固定し、
梁24の両端を固定するようにしてもよい。
【0037】なお、いずれの実施形態においても、支持
部21に発生する力F2を検出するためのセンサとして
フォトリフレクタを使用した例を示したが、これに限ら
ず、梁20又は24の歪みあるいは変位を検出できるセ
ンサであれば、種々のセンサを使用することができる。
例えば、歪みゲージ,ロードセル,磁気センサ,静電容
量センサ等を使用できる。
【0038】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
る電子楽器の鍵盤装置は、演奏者による鍵操作中の押鍵
過程,押鍵後,および離鍵過程での押鍵力を直接的に検
出可能であり、それを質量で除した加速度を1回積分す
ることによって仮想的なハンマの速度情報を、2回積分
することによって仮想的なハンマの変位情報をそれぞれ
得ることができるので、微分により電気的および機械的
ノイズを強調して検知してしまうという問題も発生しな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示す鍵盤装置の白
鍵部の長手方向に沿う断面図である。
【図2】図1に示した鍵盤装置の押鍵初期の状態を示す
説明図である。
【図3】図1に示した鍵盤装置の押鍵後の状態を示す説
明図である。
【図4】図1に示した鍵盤装置による具体的に動作例を
示すフロー図である。
【図5】この発明の第2の実施形態を示す鍵盤装置の白
鍵部の長手方向に沿う断面図である。
【図6】図5に示した鍵盤装置における梁及び梁支持部
材と共通の取付部の平面図である。
【符号の説明】
11…鍵、11a…係合突部、11b…ハンマ回転軸、
11c…側壁、12…鍵フレーム(支持部材)、12d
…係止孔、13…ハンマ(質量体)、16…キーガイ
ド、17…プリント基板、18…フォトリフレクタ、1
8a…ドーム状弾性体、18b…押圧部、18c…反射
面、18d…反射型フォトセンサ、19,23…梁支持
部材、20,24…梁(板バネ)、21…支持部、22
…共通の取付部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の鍵と、その各鍵を揺動可能に支持
    する支持部材と、前記各鍵の揺動に伴ってそれぞれ回動
    する質量体と、その各質量体を回動可能に支持する支持
    部とを備えた電子楽器の鍵盤装置において、 前記支持部に発生する力を検出する力検出手段を設けた
    ことを特徴とする電子楽器の鍵盤装置。
  2. 【請求項2】 複数の鍵と、その各鍵を揺動可能に支持
    する支持部材と、前記各鍵の揺動に伴ってそれぞれ回動
    する質量体と、その各質量体を回動可能に支持する支持
    部とを備えた電子楽器の鍵盤装置において、 前記各鍵の各質量体に対して独立して、それぞれ一端又
    は両端が固定された梁を設け、その各梁上に前記支持部
    を設けると共に、 前記各梁の歪み又は変位を検出することによって、前記
    支持部に発生する力を各鍵毎に独立して検出する力検出
    手段を設けたことを特徴とする電子楽器の鍵盤装置。
  3. 【請求項3】 複数の鍵と、その各鍵を揺動可能に支持
    する支持部材と、前記各鍵の揺動に伴ってそれぞれ回動
    する質量体と、その各質量体を回動可能に支持する支持
    部とを備えた電子楽器の鍵盤装置において、 一端又は両端が固定された複数の梁を設け、前記複数の
    鍵の各質量体に対して共通の取付部を前記複数の梁で支
    持し、その共通の取付部上に前記支持部を設けると共
    に、 前記複数の梁の歪み又は変位をそれぞれ検出し、その各
    検出結果の和を求めることによって前記支持部に発生す
    る力を複数鍵に亘って検出する力検出手段を設けたこと
    を特徴とする電子楽器の鍵盤装置。
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