JPH09242804A - 緩衝器の減衰バルブ固定構造 - Google Patents

緩衝器の減衰バルブ固定構造

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JPH09242804A
JPH09242804A JP7328696A JP7328696A JPH09242804A JP H09242804 A JPH09242804 A JP H09242804A JP 7328696 A JP7328696 A JP 7328696A JP 7328696 A JP7328696 A JP 7328696A JP H09242804 A JPH09242804 A JP H09242804A
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JP
Japan
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piston
load
spring constant
shock absorber
piston rod
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Application number
JP7328696A
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English (en)
Inventor
Naoyuki Yoshimura
直行 吉村
Etsuro Nakada
悦郎 中田
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストンの部分を係止するピストンロッドの
段部の部分を利用して、過大な圧側および伸側減衰力発
生によって起るピストンナットの緩みと面ダレとを防止
する。 【解決手段】 ピストンロッド1の段部1aの近傍にお
ける外周面に溝17を設けてピストン2側の部材の荷重
を受け止める鍔状の係止部18を構成し、当該係止部1
8の弾性変形によってピストン2の当接面2a側に介装
した部品の部分の剛性を反対面側にある部品の部分の剛
性と同程度に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、緩衝器のピスト
ンロッドに対して減衰バルブを備えたピストンを取り付
けるための固定手段に関する。
【0002】
【従来の技術】この発明は、油圧式に限らず空圧式等の
各種の緩衝器に適用し得るが、説明の便宜上からここで
は油圧式の緩衝器(以下、油圧緩衝器という)を例にと
って説明する。
【0003】図3は、一例として、従来から一般に用い
られている油圧緩衝器のピストン固定構造を示す部分縦
断面図である。
【0004】すなわち、このものは、ピストンロッド1
の段部1aと対向するピストン2の当接面2a側に位置
して、圧側減衰力を調整する間座3を挟んで圧側減衰バ
ルブ4とリバウンドストッパ5を配置している。
【0005】一方、ピストン2の当接面2aと反対側の
面には、サブリーフバルブ6とスペシャルワッシャ7を
重ねて配置し、これらをピストンロッド1へと嵌挿した
のちにピストンロッド1の先端からピストンナット8を
ねじ込み、当該ピストンナット8でこれらの部品をピス
トン2と共にピストンロッド1に締結している。
【0006】なお、上記において、サブリーフバルブ6
とピストンナット8の鍔9との間には、ピストンナット
8の外周面に沿いメインバルブ10とメインスプリング
11を介装し、これらサブリーフバルブ6とメインバル
ブ10およびメインスプリング11とで伸側減衰バルブ
12を構成している。
【0007】また、ピストンロッド1には、予め、リバ
ウンドクッション13を嵌挿しておき、当該リバウンド
クッション13を通して油圧緩衝器のリバウンド時にお
ける荷重をリバウンドストッパ5で受けるようにしてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来のピストンロッド1に対するピストン2の固定手段に
あっては、以下に述べるような問題点を有する。
【0009】図4は、ピストンナット8の初期締付時に
おけるピストンロッド1とピストン2、およびピストン
2に設けた間座3,圧側減衰バルブ4,リバウンドスト
ッパ5,サブリーフバルブ6,スペシャルワッシャ7の
伸び縮みの状態を示す説明図である。
【0010】図4から分かるように、ピストンロッド1
は、ピストンナット8による初期締付荷重Wにより引っ
張られて長さがL1だけ伸びる。
【0011】それに対して、間座3,圧側減衰バルブ
4,リバウンドストッパ5,サブリーフバルブ6および
スペシャルワッシャ7を含むピストン2の部分(以下、
単にピストン2の部分という)は、逆に、ピストンナッ
ト8の初期締付荷重Wで長さが全体としてL2だけ縮め
られる。
【0012】そして、これらピストンロッド1とピスト
ン2の部分は、ピストンナット8の初期締付荷重Wによ
る伸び縮みL1,L2の弾性変形量の総和がLとなった
所定の荷重状態の下で互に釣合状態を保持している。
【0013】なお、図4にあっては、ピストンロッド1
におけるピストン2の取付部分のばね定数をK1(以
下、単にピストンロッド1のばね定数という)で、ま
た、ピストン2のばね定数をK2でそれぞれ示してあ
る。
【0014】同様に、ピストン2の当接面2a側に介装
した間座3と圧側減衰バルブ4およびリバウンドストッ
パ5(以下、ピストン2の当接面2a側に介装した部品
という)の部分のばね定数をK3で示すと共に、反対面
側にあるサブリーフバルブ6とスペシャルワッシャ7お
よびピストンナット8(以下、ピストン2の反対面側に
ある部品という)の部分のばね定数をK4でそれぞれ示
している。
【0015】さらに、ピストン2の部分側における上記
ばね定数K2,K3,K4の直列合成ばね定数をK5で
示してあり、当該直列合成ばね定数K5は、後述する図
7の中で使用されている。
【0016】かくして、図3の状態から油圧緩衝器が圧
縮動作を始めると、ピストン2の反対面側にある油室1
4が収縮して、内部にあった作動油が圧側減衰バルブ4
を押し開きつつそのとき拡張するピストン2の当接面2
a側にある油室15へと向って流れる。
【0017】このとき、圧側減衰バルブ4を通して流れ
る作動油の流動抵抗により油室14内の作動油圧力が上
昇してピストン2の両面に圧力差が生じ、この圧力差が
圧側減衰力となってピストン2とシリンダ16との間に
作用する。
【0018】図5は、上記した圧側減衰力の発生時にお
けるピストン2の部分の荷重状態を示す説明図であっ
て、当該圧側減衰力は、ピストン2に対してピストンロ
ッド1に沿い油室15側へと向って押す荷重W1を加え
る。
【0019】このピストン2に加わった荷重W1は、ピ
ストン2の当接面2a側に介装した部品の部分に追加荷
重W3を加え、ピストン2の反対面側にある部品からは
荷重W4を減少させる。
【0020】それに対して、図3の状態から逆に油圧緩
衝器が伸張動作したときには、今度は、ピストン2の当
接面2a側にある油室15内の作動油が伸側減衰バルブ
12を押し開いて反対側の油室14へと流れる。
【0021】このことから、油室15内の作動油圧力が
上昇してピストン2の両面に圧縮動作時とは逆向きの圧
力差が生じ、この圧力差が伸側減衰力となってピストン
2とシリンダ16との間に作用すると共に、図6で示す
ように、ピストン2に対してピストンロッド1に沿い油
室14側へと向って押す荷重W2を加える。
【0022】この伸側減衰力の発生によってピストン2
に加わった荷重W2は、ピストン2の反対面側にある部
品の部分に追加荷重W5を加え、ピストン2の当接面2
a側に介装した部品からは荷重W6を減少させる。
【0023】なお、圧縮動作時である図5では、ピスト
ン2のばね定数K2とピストン2の当接面2a側に介装
した部品のばね定数K3の直列合成ばね定数をK6とし
て示すと共に、ピストンロッド1のばね定数K1とピス
トン2の反対面側にある部品の部分のばね定数K4の合
成ばね定数をK8で示してある。
【0024】同様に、伸張動作時における図6にあって
は、ピストン2のばね定数K2と反対面側にある部品の
部分のばね定数K4の直列合成ばね定数をK7として示
すと共に、ピストンロッド1のばね定数K1と当該直列
合成ばね定数K7の合成ばね定数をK9で示してあり、
これらは、後述する図7の中で使用されている。
【0025】以上のように、図5と図6にあっては、ピ
ストン2のばね定数K2が、圧縮および伸張動作時にお
いて、ピストン2の当接面2a側と反対面側に設けた各
部品の部分のばね定数K3,K4に含まれるものとして
ピストン2をそれぞれ剛体として示してある。
【0026】図7は、上記したピストンナット8の初期
締付荷重Wと圧縮および伸張動作時において、ピストン
2に加わる荷重W1,W2による各構成部品の伸び縮み
の状態(変形量)を示す荷重−変形図である。
【0027】当該図7において、圧側減衰力と伸側減衰
力が共に発生しない油圧緩衝器の静止時にあっては、ピ
ストンナット8の初期締付荷重Wでピストンロッド1が
L1だけ伸び、ピストン2の部分がL2だけ縮んで両者
がA点で釣り合った状態にある。
【0028】そして、この状態から油圧緩衝器が圧縮動
作して圧側減衰力が発生したとすると、当該圧側減衰力
の発生に伴ってピストン2に加わる荷重W1で当接面2
a側に介装した部品の部分に追加荷重W3が加わり、ピ
ストン2の反対面側にある部品の部分からは荷重W4が
減少する。
【0029】すると、それまでA点での変形量で釣合状
態を保持していたピストン2とピストン2の当接面2a
側に介装した部品の部分は、ピストンロッド1とピスト
ン2の反対面側にある部品の部分のばね力と追加荷重W
3との合力で押されながら直列合成ばね定数K6の特性
に沿って縮んでいく。
【0030】また逆に、ピストンロッド1とピストン2
の反対面側にある部品の部分は、それぞれのばね定数K
1,K4の合成ばね定数K8の特性に沿って伸びてい
く。
【0031】これは、図7において、A点が各合成ばね
定数K6,K8の特性に沿いピストン2に加わった荷重
W1の大きさに対応してA1点およびA2点の方向へと
移動し、例えば、これらA1,A2点において釣合状態
となることに相当する。
【0032】このことから、油圧緩衝器の圧縮速度が速
くて発生する圧側減衰力が大きくなると、ピストン2の
当接面2a側に介装した部品の部分への追加荷重W3が
大きくなって当該部分での部品の降伏点A3を越えるこ
とも考えられる。
【0033】この場合には、圧側減衰力の消滅後におい
て、A2点は、同一経路を辿ってA点へと戻るが、A1
点は、同一経路を辿ってA点に戻ることなくA4点へと
向って戻ることになる。
【0034】これにより、釣合点Aが新しい釣合点A4
へと移ってピストンロッド1とピストン2の部分の伸び
縮みL1,L2の弾性変形量の総和LがΔLだけ減少
し、かつ、ピストンナット8による締付荷重WもΔWだ
け低下する。
【0035】しかも、この初期締付荷重Wの低下量ΔW
は、ピストン2と当該ピストン2の当接面2a側に介装
した部品の部分の直列合成ばね定数K6が高ければ高い
ほど大きくなり、ピストンナット8の戻り回転に対する
余裕の減少をもたらして当該ピストンナット8が緩み易
くなる。
【0036】一方、油圧緩衝器の伸張動作に伴う伸側減
衰力の発生時にあっては、ピストン2に作用する荷重W
2によって逆にピストン2の当接面2a側に介装した部
品の部分から荷重W6を減少させ、ピストン2の反対面
側にある部品の部分に対しては荷重W5を追加する。
【0037】その結果、ピストン2とその反対面側にあ
る部品の部分は、ピストン2の当接面2a側に介装した
部品の部分のばね力で押されながらピストンロッド1と
ピストン2およびピストン2の反対面側にある部品の部
分の合成ばね定数K9の特性に沿って縮む。
【0038】そてに対して、ピストン2の当接面2a側
に介装した部品の部分は、当該部分におけるばね定数K
3の特性に沿って伸びることになる。
【0039】かくして、この場合にあっては、図7での
釣合点Aがこれらばね定数K3と合成ばね定数K9の特
性に沿いピストン2に加わった荷重W2の大きさに対応
してそれぞれA5点,A6点の方向へと移動して釣り合
うことになる。
【0040】そのために、油圧緩衝器の伸張速度が速く
なって発生する伸側減衰力が大きくなると、ピストン2
の当接面2a側に介装した部品の部分から差し引かれる
荷重W6が大きくなって残存荷重W7が小さくなる。
【0041】特に、最悪の場合には、残存荷重W7がゼ
ロとなってピストンロッド1とリバウンドストッパ5の
当り面との間に隙間が発生する。
【0042】こうなると、ピストンロッド1に加わった
回転トルクがそのままピストンナット8に対して全て加
わり、当該ピストンナット8が戻り易くなって容易に緩
む恐れが生じる。
【0043】しかも、当該隙間は、伸側減衰力の消滅に
よって無くなることになるので、油圧緩衝器の伸縮動作
に伴い伸側および圧側減衰力の発生が交互に繰り返して
急激に行われると、ピストンロッド1とリバウンドスト
ッパ5との間だけでなく、ピストン2の部分の各部品間
において叩くような動きが生じ、各部品の部分に過大な
応力が発生して面ダレの原因にもなる。
【0044】また、上記した残存荷重W7も、ピストン
2とその当接面2a側に介装した部品の部分のばね定数
K3が高ければ高いほど、上記隙間が発生し易くかつ大
きくなってピストンナット8の緩みと面ダレの発生とを
増長する。
【0045】なお、ピストンロッド1におけるピストン
2の取付部分は、一般に細長く構成されるのが普通であ
るので、その部分のばね定数K1は、ピストン2のばね
定数K2やピストン2の当接面2a側に介装した部品の
部分のばね定数K3および反対面側にある部品の部分の
ばね定数K4に比べると小さい。
【0046】その結果、油圧緩衝器の圧縮動作時におけ
るピストンロッド1とピストン2の反対面側にある部品
の部分のばね定数K1,K4との合成ばね定数K8と、
伸張動作時におけるピストンロッド1とピストン2の反
対面側にある部品の部分のばね定数K1,K7との合成
ばね定数K9はそれぞれ小さくなる。
【0047】このことから、圧側減衰力の発生時におけ
るピストン2の反対面側にある部品の部分の残存荷重は
大きくなり、かつ、伸側減衰力の発生時において当該部
品の部分に加わる荷重も比較的小さくなる。
【0048】したがって、ピストンロッド1の部分の荷
重によって、上述したピストン2の当接面2a側に介装
した部品の部分で生じたような問題が発生することは殆
どない。
【0049】以上のことから、圧側減衰力と伸側減衰力
の発生時の如何に拘らずピストン2の当接面2a側に介
装した部品のばね定数K3を下げて、ピストンナット8
の緩みに対する安全率の向上と面ダレの防止とを図るこ
とが望ましい。
【0050】しかし、ピストン2の当接面2a側に介装
される部品は、機能上から一般に大径でしかも厚さが薄
いのが普通であるので、その部分のばね定数K3を現状
以上に下げることはできない。
【0051】そのために、これら圧側および伸側減衰力
の発生時において、ストンンナット8の緩みに対する安
全率を大きくしたり、また、面ダレの発生を防止すると
いうことができないという不都合があった。
【0052】以上述べた点に基いて、この発明の目的
は、ピストンの部分を係止するピストンロッドの段部の
部分を利用して、過大な圧側および伸側減衰力発生によ
って起るピストンナットの緩みと面ダレとを防止するこ
とのできる緩衝器の減衰バルブ固定構造を提供すること
である。
【0053】
【課題を解決するための手段】上記した目的は、この発
明によれば、ピストン側部材を係止するピストンロッド
の段部近傍の外周面に溝を設けてピストン側部材の荷重
を受け止める係止部を構成し、当該係止部の弾性変形に
よってピストンの当接面側に介装した部品の部分の剛性
を反対面側にある部品の部分の剛性と同程度に構成する
ことによって達成される。
【0054】すなわち、ピストンロッドの外周面に溝を
設けてピストン側部材の荷重を受け止める係止部を構成
したことにより、緩衝器の伸縮動作に伴う圧側および伸
側減衰力の発生によって当接係止部が弾性変形を起す。
【0055】その結果、ピストンの当接面側に介装した
部品の部分の弾性変形量が、主としてリバウンドストッ
パの弾性変形量に頼る従来例のものに比べて遥かに大き
くなり、その部分での直列合成ばね定数が従来例のもの
よりも著しく低下する。
【0056】これにより、過大な圧側減衰力の発生にお
いてピストンの当接面側に介装した部品の部分に加わる
荷重が降伏点を越えた場合のピストンナットの初期締付
荷重の低下量を低く抑えてピストンナットの緩みに対す
る安全率を高める。
【0057】一方、伸側減衰力の発生時にあっては、ピ
ストンロッドに設けた係止部の弾性変形でピストンの当
接面側に介装した部品の部分に荷重を加え、その部分に
おける残存荷重を大きく保つ。
【0058】この残存荷重の増大によってピストンナッ
トの緩みに対する安全率を大きく確保し、当該ピストン
ナットの緩みを防止する共に、ピストンの部分の各部品
間に隙間が生じるのも防いで面ダレの発生をも防止する
ことになる。
【0059】
【発明の実施の形態】この発明による緩衝器の減衰バル
ブ固定構造は、従来の技術の説明の冒頭でも述べたよう
に各種の形式の緩衝器に適用し得るが、ここでは、図1
に示す油圧式の緩衝器を例にとって説明することにす
る。
【0060】すなわち、このものは、先に述べた従来例
と同様に、ピストンロッド1の段部1aと対向するピス
トン2の当接面2a側に圧側減衰力を調整する間座3を
挟んで圧側減衰バルブ4とリバウンドストッパ5を配置
している。
【0061】また、同じく、ピストン2の反対側の面に
は、サブリーフバルブ6とスペシャルワッシャ7を重ね
て配置し、これらをピストンロッド1へと嵌挿したのち
に当該ピストンロッド1の先端からピストンナット8を
ねじ込んで、これらの部品をピストン2と共にピストン
ロッド1に締結している。
【0062】さらに、サブリーフバルブ6とピストンナ
ット8の鍔9との間にメインバルブ10とメインスプリ
ング11を介装して伸側減衰バルブ12を構成し、か
つ、ピストンロッド1にリバウンドクッション13を嵌
挿して油圧緩衝器のリバウンド荷重をリバウンドストッ
パ5で受けるようにした点でも従来例と同じである。
【0063】そして、これらに加えて、ピストンロッド
1における段部1aの近傍の外周面に溝17を設け、当
該溝17によってピストン2の部分の荷重を受け止める
鍔状の係止部18を形成した点でのみ従来例のものと異
なっている。
【0064】このように、図1の実施の形態にあって
は、従来例に対してピストンロッド1の段部1aの近傍
に溝17を設けてピストン2の部分の荷重を受け止める
鍔状の係止部18を形成するという極めて簡単な構成を
追加しているに過ぎない。
【0065】しかし、この鍔状の係止部18の部分は、
油圧緩衝器の伸縮動作に伴う圧側および伸側減衰力の発
生によってピストン2の当接面2a側に介装した部品の
部分と共に撓み変形を起す。
【0066】そのために、ピストン2の当接面2a側に
介装した部品の部分におけるばね定数K3は、主として
厚みのあるリバウンドストッパ5の圧縮変形量に頼る従
来例のものに比べて遥かに小さくなる。
【0067】しかも、この部分のばね定数K3は、係止
部18の弾性特性を任意に選定することで大きくも小さ
くも自由にできることから、必要によってピストン2の
当接面2a側に介装した部品の部分の剛性を反対面側に
ある部品の部分の剛性と同程度にとることもできる。
【0068】かくして、圧縮動作時における当該部分で
の直列合成ばね定数K3は勿論のこと、それと併せて、
ピストン2の部分の全体での直列合成ばね定数K5と伸
張動作時におけるピストン2を含めた当該部分での直列
合成ばね定数K6を従来例のものよりも低くとることが
可能となる。
【0069】このことは、図2で示した当該実施の形態
の荷重−変形図において、これらばね定数K3,K6の
特性が図7で示した従来例の荷重−変形図におけるこれ
らのばね定数K3,K6の特性に比べて傾きがなだらか
になることを意味する。
【0070】これにより、油圧緩衝器の圧縮動作時にお
いて、過大な圧側減衰力の発生に伴いピストン2の当接
面2a側に介装した部品の部分で分担する追加荷重W3
が低下する。
【0071】したがって、過大な圧側減衰力の発生によ
ってピストン2の当接面2a側に介装した部品の部分に
ピストン2を通しての降伏点A3を越えるような荷重W
1が加わったとしても、釣合点Aが釣合点A4に移るだ
けでピストンナット8による初期締付荷重Wの低下量Δ
Wと弾性変形量ΔLは小さくなる。
【0072】その結果、ピストンナット8の戻り回転に
余裕を与えてピストンナット8の緩みに対する安全率を
大きく保ち、過大な圧側減衰力の発生によるピストンナ
ット8の緩みを防止することになる。
【0073】また、過大な伸側減衰力の発生時にあって
は、今度は、当該伸側減衰力の発生に伴ってピストン2
に加わる荷重W2によりピストン2が押されてピストン
ナット8側へと変位する。
【0074】しかし、この場合にあっては、ピストンロ
ッド1の係止部18がそれに伴って復元動作することか
ら、ピストン2の当接面2a側に介装した部品の部分の
ばね定数K3を小さく保って当該部分での荷重W6を低
く保つ。
【0075】このことから、ピストン2の当接面2a側
に介装した部品の部分における残存荷重W7は、主とし
てリバウンドストッパ5の弾性変形量に頼る従来例のも
のに比べて遥かに大きくなる。
【0076】この残存荷重W7の増大によって過大な伸
側減衰力の発生時にあっても、ピストンナット8の緩み
に対する安全率を大きく確保して当該ピストンナット8
の緩みを防止する共に、ピストン2の部分の各部品間に
隙間が生じるのを防いで面ダレの発生をも防止すること
になる。
【0077】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、ピス
トン側部材を係止するピストンロッドの段部近傍の外周
面に溝を設けてピストン側部材の荷重を受け止める係止
部を構成とういう極めて簡単な構成を追加するだけで、
当該係止部のばね作用によりピストンの当接面側に介装
した部品の部分のばね定数を小さく保って大きな軸方向
の変形量が得られる。
【0078】これにより、圧側減衰力の発生時におい
て、ピストンの当接面側に介装した部品の部分の分担荷
重を小さくし当該部分での変形量を少なくしつつ、か
つ、伸側減衰力の発生ににおける当該部分での残存荷重
を大きく保って、過大な圧側減衰力の発生に伴って起る
ピストンナットの緩みと、伸側減衰力の発生によって起
るピストンナットの緩みと面ダレの発生とを防止するこ
とができることになる。
【0079】また、上記と併せて、油圧緩衝器のリバウ
ンド時に係止部を形成するピストンロッド側の溝内へと
リバウンドクッションが弾性変形して入り込むことか
ら、緩衝器の全長を長くしなくても、当該リバウンドク
ッションのばね特性を柔らかくすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による緩衝器の減衰バルブ固定構造を
示す部分縦断正面図である。
【図2】上記した緩衝器の減衰バルブ固定構造による荷
重−変形図である。
【図3】従来の緩衝器における減衰バルブ固定構造を示
す縦断正面図である。
【図4】減衰バルブ固定構造の初期締付時におけるピス
トン側各部の状態を模式的に示す説明図である。
【図5】圧側減衰力の発生時におけるピストン側各部の
状態を模式的に示す説明図である。
【図6】同じく、伸側減衰力の発生時におけるピストン
側各部の状態を模式的に示す説明図である。
【図7】上記した従来の緩衝器の減衰バルブ固定構造に
よる荷重−変形図である。
【符号の説明】
1 ピストンロッド 2 ピストン 2a ピストンの当接面 3 間座 4 圧側減衰バルブ 5 リバウンドストッパ 6 サブリーフバルブ 7 スペシャルワッシャ 8 ピストンナット 12 伸側減衰バルブ 17 ピストンロッドの段部近傍の外周面に設けた溝 18 当該溝によってピストンロッドの段部に形成した
鍔状の係止部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストン側部材を係止するピストンロッ
    ドの段部近傍の外周面に溝を設けてピストン側部材の荷
    重を受け止める係止部を構成し、当該係止部の弾性変形
    によってピストンの当接面側に介装した部品の部分の剛
    性を反対面側にある部品の部分の剛性と同程度に構成し
    たことを特徴とする緩衝器の減衰バルブ固定構造。
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