JPH09242803A - 緩衝器の減衰バルブ固定構造 - Google Patents

緩衝器の減衰バルブ固定構造

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JPH09242803A
JPH09242803A JP7328596A JP7328596A JPH09242803A JP H09242803 A JPH09242803 A JP H09242803A JP 7328596 A JP7328596 A JP 7328596A JP 7328596 A JP7328596 A JP 7328596A JP H09242803 A JPH09242803 A JP H09242803A
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JP
Japan
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piston
shock absorber
damping force
spring constant
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JP7328596A
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English (en)
Inventor
Naoyuki Yoshimura
直行 吉村
Etsuro Nakada
悦郎 中田
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストンの当接面側に介装した部品の部分を
利用して、圧側および伸側減衰力の発生時や少なくとも
その何れか一方の発生によって起るピストンナットの緩
みとピストン部分の各部品に生じる面ダレとを、併せて
或いは選択的に防止する。 【解決手段】 ピストン2の当接面2a側に介装した間
座3とリバウンドストッパ5との間に、ピストン2の反
対面側におけるばね定数と同程度のばね定数をもつ段付
ディスク17をリバウンドストッパ5へと突起18の部
分を当接して挟み込み、かつ、当該段付ディスク17を
圧側および伸側減衰力の両方の発生に伴って撓み得るよ
うにするなり、或いは、その何れか一方において撓み得
るように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、緩衝器のピスト
ンロッドに対して減衰バルブを備えたピストンを取り付
けるための固定手段に関する。
【0002】
【従来の技術】この発明は、油圧式に限らず空圧式等の
各種の緩衝器に適用し得るが、説明の便宜上からここで
は油圧式の緩衝器(以下、油圧緩衝器という)を例にと
って説明する。
【0003】図6は、一例として、従来から一般に用い
られている油圧緩衝器のピストン固定構造を示す部分縦
断面図である。
【0004】すなわち、このものは、ピストンロッド1
に対するピストン2の当接面2a側に位置して、圧側減
衰力を調整する間座3を挟んで圧側減衰バルブ4とリバ
ウンドストッパ5を配置している。
【0005】一方、ピストン2の当接面2aと反対側の
面には、サブリーフバルブ6とスペシャルワッシャ7を
重ねて配置し、これらをピストンロッド1へと嵌挿した
のちにピストンロッド1の先端からピストンナット8を
ねじ込み、当該ピストンナット8でこれらの部品をピス
トン2と共にピストンロッド1に締結している。
【0006】なお、上記において、サブリーフバルブ6
とピストンナット8の鍔9との間には、ピストンナット
8の外周面に沿いメインバルブ10とメインスプリング
11を介装し、これらサブリーフバルブ6とメインバル
ブ10およびメインスプリング11とで伸側減衰バルブ
12を構成している。
【0007】また、ピストンロッド1には、予め、リバ
ウンドクッション13を嵌挿しておき、当該リバウンド
クッション13を通して油圧緩衝器のリバウンド時にお
ける荷重をリバウンドストッパ5で受けるようにしてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来のピストンロッド1に対するピストン2の固定手段に
あっては、以下に述べるような問題点を有する。
【0009】図7は、ピストンナット8の初期締付時に
おけるピストンロッド1とピストン2、およびピストン
2に設けた間座3,圧側減衰バルブ4,リバウンドスト
ッパ5,サブリーフバルブ6,スペシャルワッシャ7の
伸び縮みの状態を示す説明図である。
【0010】図7から分かるように、ピストンロッド1
は、ピストンナット8による初期締付荷重Wにより引っ
張られて長さがL1だけ伸びる。
【0011】それに対して、間座3,圧側減衰バルブ
4,リバウンドストッパ5,サブリーフバルブ6および
スペシャルワッシャ7を含むピストン2の部分(以下、
単にピストン2の部分という)は、逆に、ピストンナッ
ト8の初期締付け荷重Wで長さが全体としてL2だけ縮
められる。
【0012】そして、これらピストンロッド1とピスト
ン2の部分は、ピストンナット8の初期締付荷重Wによ
る伸び縮みL1,L2の弾性変形量の総和がLとなった
所定の荷重状態の下で互に釣合状態を保持している。
【0013】なお、図7にあっては、ピストンロッド1
におけるピストン2の取付部分のばね定数をK1(以
下、単にピストンロッド1のばね定数という)で、ま
た、ピストン2のばね定数をK2でそれぞれ示してあ
る。
【0014】同様に、ピストン2の当接面2a側に介装
した間座3と圧側減衰バルブ4およびリバウンドストッ
パ5(以下、ピストン2の当接面2a側に介装した部品
という)の部分のばね定数をK3で示すと共に、反対面
側にあるサブリーフバルブ6とスペシャルワッシャ7お
よびピストンナット8(以下、ピストン2の反対面側に
ある部品という)の部分のばね定数をK4でそれぞれ示
している。
【0015】さらに、ピストン2の部分における上記ば
ね定数K2,K3,K4の直列合成ばね定数をK5で示
してあり、当該直列合成ばね定数K5は、後述する図1
0の中で使用されている。
【0016】かくして、図6の状態から油圧緩衝器が圧
縮動作を始めると、ピストン2の反対面側にある油室1
4が収縮して、内部にあった作動油が圧側減衰バルブ4
を押し開きつつそのとき拡張するピストン2の当接面2
a側にある油室15へと向って流れる。
【0017】このとき、圧側減衰バルブ4を通して流れ
る作動油の流動抵抗により油室14内の作動油圧力が上
昇してピストン2の両面に圧力差が生じ、この圧力差が
圧側減衰力となってピストン2とシリンダ16との間に
作用する。
【0018】図8は、上記した圧側減衰力の発生時にお
けるピストン2の部分の荷重状態を示す説明図であっ
て、当該圧側減衰力は、ピストン2に対してピストンロ
ッド1に沿い油室15側へと向って押す荷重W1を加え
る。
【0019】このピストン2に加わった荷重W1は、ピ
ストン2の当接面2a側に介装した部品の部分に追加荷
重W3を加え、ピストン2の反対面側にある部品からは
荷重W4を減少させる。
【0020】それに対して、図6の状態から逆に油圧緩
衝器が伸張動作したときには、今度は、ピストン2の当
接面2a側にある油室15内の作動油が伸側減衰バルブ
12を押し開いて反対側の油室14へと流れる。
【0021】このことから、油室15内の作動油圧力が
上昇してピストン2の両面に圧縮動作時とは逆向きの圧
力差が生じ、この圧力差が伸側減衰力となってピストン
2とシリンダ16との間に作用すると共に、図9で示す
ように、ピストン2に対してピストンロッド1に沿い油
室14側へと向って押す荷重W2を加える。
【0022】この伸側減衰力の発生によってピストン2
に加わった荷重W2は、ピストン2の反対面側にある部
品の部分に追加荷重W5を加え、ピストン2の当接面2
a側に介装した部品の部分からは荷重W6を減少させ
る。
【0023】なお、圧縮動作時である図8では、ピスト
ン2のばね定数K2とピストン2の当接面2a側に介装
した部品のばね定数K3の直列合成ばね定数をK6とし
て示すと共に、ピストンロッド1のばね定数K1とピス
トン2の反対面側にある部品の部分のばね定数K4の合
成ばね定数をK8で示してある。
【0024】同様に、伸張動作時における図9にあって
は、ピストン2のばね定数K2と反対面側にある部品の
部分のばね定数K4の直列合成ばね定数をK7として示
すと共に、ピストンロッド1のばね定数K1と当該直列
合成ばね定数K7の合成ばね定数をK9で示してあり、
これらは、後述する図10の中で使用されている。
【0025】以上のように、図8と図9にあっては、ピ
ストン2のばね定数K2が、圧縮および伸張動作時にお
いて、ピストン2の当接面2a側と反対面側に設けた各
部品の部分のばね定数K3,K4に含まれるものとして
ピストン2をそれぞれ剛体として示してある。
【0026】図10は、上記したピストンナット8の初
期締付荷重Wと圧縮および伸張動作時において、ピスト
ン2に加わる荷重W1,W2による各構成部品の伸び縮
みの状態(変形量)を示す荷重−変形図である。
【0027】当該図10において、圧側および伸側減衰
力が共に発生しない油圧緩衝器の静止時にあっては、ピ
ストンナット8の初期締付荷重Wでピストンロッド1が
L1だけ伸び、ピストン2の部分がL2だけ縮んで両者
がA点で釣り合った状態にある。
【0028】そして、この状態から油圧緩衝器が圧縮動
作して圧側減衰力が発生したとすると、当該圧側減衰力
の発生に伴ってピストン2に加わる荷重W1で当接面2
a側に介装した部品の部分に追加荷重W3が加わり、ピ
ストン2の反対面側にある部品の部分からは荷重W4が
減少する。
【0029】すると、それまでA点での変形量で釣合状
態を保持していたピストン2とピストン2の当接面2a
側に介装した部品の部分は、ピストンロッド1とピスト
ン2の反対面側にある部品の部分のばね力と追加荷重W
3との合力で押されながら直列合成ばね定数K6の特性
に沿って縮んでいく。
【0030】また逆に、ピストンロッド1とピストン2
の反対面側にある部品の部分は、それぞれのばね定数K
1,K4の合成ばね定数K8の特性に沿って伸びてい
く。
【0031】これは、図10において、A点が各合成ば
ね定数K6,K8の特性に沿いピストン2に加わった荷
重W1の大きさに対応してA1点およびA2点の方向へ
と移動し、例えば、これらA1,A2点において釣合状
態となることに相当する。
【0032】このことから、油圧緩衝器の圧縮速度が速
くて発生する圧側減衰力が大きくなると、ピストン2の
当接面2a側に介装した部品の部分への追加荷重W3が
大きくなって当該部分での部品の降伏点A3を越えるこ
とも考えられる。
【0033】この場合には、圧側減衰力の消滅後におい
て、A2点は、同一経路を辿ってA点へと戻るが、A1
点は、同一経路を辿ってA点に戻ることなくA4点へと
向って戻ることになる。
【0034】これにより、釣合点Aが新しい釣合点A4
へと移ってピストンロッド1とピストン2の部分の伸び
縮みL1,L2の弾性変形量の総和LがΔLだけ減少
し、かつ、ピストンナット8による初期締付荷重WもΔ
Wだけ低下する。
【0035】しかも、この初期締付荷重Wの低下量ΔW
は、ピストン2と当該ピストン2の当接面2a側に介装
した部品の部分の直列合成ばね定数K6が高ければ高い
ほど大きくなり、ピストンナット8の戻り回転に対する
余裕の減少をもたらして当該ピストンナット8が緩み易
くなる。
【0036】一方、油圧緩衝器の伸張動作に伴う伸側減
衰力の発生時にあっては、ピストン2に作用する荷重W
2によって逆にピストン2の当接面2a側に介装した部
品の部分から荷重W6を減少させ、ピストン2の反対面
側にある部品の部分に対しては追加荷重W5を加える。
【0037】その結果、ピストン2とその反対面側にあ
る部品の部分は、ピストン2の当接面2a側に介装した
部品の部分のばね力で押されながらピストンロッド1と
ピストン2およびピストン2の反対面側にある部品の部
分の合成ばね定数K9の特性に沿って縮む。
【0038】それに対して、ピストン2の当接面2a側
に介装した部品の部分は、当該部分におけるばね定数K
3の特性に沿って伸びることになる。
【0039】かくして、この場合にあっては、図10の
釣合点Aがこれらばね定数K3と合成ばね定数K9の特
性に沿いピストン2に加わった荷重W2の大きさに対応
してそれぞれA5点,A6点の方向へと移動して釣り合
うことになる。
【0040】そのために、油圧緩衝器の伸張速度が速く
なって発生する伸側減衰力が大きくなると、ピストン2
の当接面2a側に介装した部品の部分から差し引かれる
荷重W6が大きくなってその部分での残存荷重W7が小
さくなる。
【0041】特に、最悪の場合には、残存荷重W7がゼ
ロとなってピストンロッド1とリバウンドストッパ5の
当り面との間に隙間が発生する。
【0042】こうなると、ピストンロッド1に加わった
回転トルクがそのままピストンナット8に対して全て加
わり、当該ピストンナット8が戻り易くなって容易に緩
む恐れを生じる。
【0043】しかも、当該隙間は、伸側減衰力の消滅に
よって無くなることになるので、油圧緩衝器の伸縮動作
に伴い伸側および圧側減衰力の発生が交互に繰り返して
急激に行われると、ピストンロッド1とリバウンドスト
ッパ5との間だけでなく、ピストン2の部分の各部品間
において叩くような動きが生じ、各部品の部分に過大な
応力が発生して面ダレの原因にもなる。
【0044】また、上記した残存荷重W7も、ピストン
2とその当接面2a側に介装した部品の部分のばね定数
K3が高ければ高いほど、上記隙間が発生し易くかつ大
きくなってピストンナット8の緩みと面ダレの発生とを
増長する。
【0045】なお、ピストンロッド1におけるピストン
2の取付部分は、一般に細長く構成されるのが普通であ
るので、その部分のばね定数K1は、ピストン2のばね
定数K2やピストン2の当接面2a側に介装した部品の
部分のばね定数K3および反対面側にある部品の部分の
ばね定数K4に比べると小さい。
【0046】その結果、油圧緩衝器の圧縮動作時におけ
るピストンロッド1とピストン2の反対面側にある部品
の部分のばね定数K1,K4との合成ばね定数K8と、
伸張動作時におけるピストンロッド1とピストン2の反
対面側にある部品の部分のばね定数K1,K7との合成
ばね定数K9はそれぞれ小さくなる。
【0047】このことから、圧側減衰力の発生時におけ
るピストン2の反対面側にある部品の部分の残存荷重は
大きくなり、かつ、伸側減衰力の発生時において当該部
品の部分に加わる荷重も比較的小さくなる。
【0048】したがって、ピストンロッド1の部分の荷
重によって、上述したピストン2の当接面2a側に介装
した部品の部分で生じたような問題が発生することは殆
どない。
【0049】以上のことから、圧側減衰力と伸側減衰力
の発生の如何に拘らずピストン2の当接面2a側に介装
した部品の部分のばね定数K3を下げて、ピストンナッ
ト8の緩みに対する安全率の向上と面ダレの防止とを図
るなり、或いは、少なくとも圧側減衰力と伸側減衰力の
何れか一方の発生時において上記の改善策を施してして
やることが望ましい。
【0050】しかし、ピストン2の当接面2a側に介装
される部品は、機能上から一般に大径でしかも厚さが薄
いのが普通であるので、その部分のばね定数K3を現状
以上に下げることはできない。
【0051】そのために、これら圧側および伸側減衰力
の発生時において、ストンンナット8の緩みに対する安
全率を大きくしたり、また、面ダレの発生を防止すると
いうことができないという不都合があった。
【0052】以上述べた点に基いて、この発明の目的
は、ピストンの当接面側に介装した部品の部分を利用し
て、圧側および伸側減衰力の発生時や少なくともその何
れか一方の発生によって起るピストンナットの緩みとピ
ストン部分の各部品に生じる面ダレとを、併せて或いは
選択的に防止することのできる緩衝器の減衰バルブ固定
構造を提供することである。
【0053】
【課題を解決するための手段】上記した目的は、この発
明によれば、ピストンロッドに対するピストンの当接面
側に位置して、当該ピストンの反対面側におけるばね定
数と同程度のばね定数をもつ弾性部材を挟み込んで介装
し、かつ、当該弾性部材を圧側および伸側減衰力の両方
の発生に伴って撓み得るようにするなり、或いは、その
何れか一方において撓み得るように構成することで達成
される。
【0054】すなわち、弾性部材を圧側および伸側減衰
力の両方で撓み得るようにすることにより、圧側減衰力
の発生時には、ピストンが弾性部材を撓ませつつ変位
し、逆に、伸側減衰力の発生時には、弾性部材がその復
元力でピストンを押し進めるように作用する。
【0055】また、弾性部材を圧側減衰力の発生時にお
いてのみ撓み得るようにしたときには、当該圧側減衰力
の発生時においてのみピストンが弾性部材を撓ませて変
位すると共に、伸側減衰力の発生時においてのみ弾性部
材が復元動作すようにした場合には、当該弾性部材の復
元力でピストンを押し進めるようにのみ作用する。
【0056】そして、上記した圧側減衰力の発生時にお
ける弾性部材の撓み作用は、ピストンの当接面側に介装
した部品の部分の直列合成ばね定数を従来例のものより
も低く保ち、圧側減衰力の発生時に当該部品の部分に加
わる荷重が降伏点を越えた場合のピストンナットの初期
締付荷重の低下量を低く抑えてピストンナットの緩みに
対する安全率を高める。
【0057】一方、弾性部材の復元作用は、過大な伸側
減衰力の発生時におけるピストンの当接面側に介装した
部品の部分の残存荷重を大きく保ち、この残存荷重の増
大によりピストンナットの緩みに対する安全率を大きく
確保して当該ピストンナットの緩みを防止する共に、ピ
ストンの部分の各部品間に隙間が生じるのも防いで面ダ
レの発生をも防止することになる。
【0058】
【発明の実施の形態】この発明による緩衝器の減衰バル
ブ固定構造は、従来の技術の説明の冒頭でも述べたよう
に各種の形式の緩衝器に適用し得るが、ここでは、図1
に示す油圧式の緩衝器を例にとって説明することにす
る。
【0059】すなわち、このものは、ピストンロッド1
に対するピストン2の当接面2a側に圧側減衰力を調整
する間座3を挟んで圧側減衰バルブ4とリバウンドスト
ッパ5を配置する際に、当該間座3とリバウンドストッ
パ5との間に弾性部材としての働きを行う段付ディスク
17を介在させ、当該段付ディスク17の周囲の突起1
8をリバウンドストッパ5側へと向けて配置している。
【0060】また、ピストン2の反対面側には、従来例
と同様に、サブリーフバルブ6とスペシャルワッシャ7
を重ねて配置し、これらをピストンロッド1へと嵌挿し
たのちに当該ピストンロッド1の先端からピストンナッ
ト8をねじ込み、当該ピストンナット8でこれら部品を
ピストンロッド1に締結している。
【0061】この際、上記ピストンナット8は、段付き
ディスク17の周囲の突起18がリバウンドストッパ5
に当り、かつ、段付きディスク17がリバウンドストッ
パ5側へと向って半分ほど撓まむようにしてを締め付け
ている。
【0062】なお、サブリーフバルブ6とピストンナッ
ト8の鍔9との間に伸側減衰バルブ12を構成するメイ
ンバルブ10とメインスプリング11を介装すると共
に、ピストンロッド1にリバウンドクッション13を嵌
挿して油圧緩衝器のリバウンド荷重をリバウンドストッ
パ5で受けるようにしており、これらの点は従来例と同
じである。
【0063】このように、図1の実施の形態にあって
は、従来例に対してピストン2の当接面2a側に介装し
た部品の部分に段付ディスク17を追加して介装すると
いう極めて簡単な構成をとっているに過ぎない。
【0064】しかし、この段付ディスク17は、油圧緩
衝器の伸縮動作に伴う伸側および圧側減衰力の発生によ
ってピストン2の当接面2a側に介装した部品の部分と
共に動作して伸縮方向へと弾性変形を起す。
【0065】そのために、ピストン2の当接面2a側に
介装した部品の部分におけるばね定数K3は、主として
厚みのあるリバウンドストッパ5の圧縮変形量に頼る従
来例のものに比べて遥かに小さくなる。
【0066】しかも、この部分のばね定数K3は、段付
ディスク17の弾性特性を任意に選定することで大きく
も小さくも自由にとれることから、必要によってピスト
ン2の当接面2a側に介装した部品の部分のばね定数K
3を反対面側にある部品の部分のばね定数K4と同程度
にとることもできる。
【0067】かくして、圧縮動作時における当該部分で
のばね定数K3は勿論のこと、それと併せて、ピストン
2の部分の全体での直列合成ばね定数K5と伸張動作時
におけるピストン2を含めた当該部分での直列合成ばね
定数K7を従来例のものよりも低くとることが可能とな
る。
【0068】このことは、図2で示した当該実施の形態
の荷重−変形図において、これらばね定数K3,K6の
特性が図10で示した従来例の荷重−変形図におけるこ
れらのばね定数K3,K6の特性に比べて傾きがなだら
かになることを意味する。
【0069】これにより、油圧緩衝器の圧縮動作時にお
いて、過大な圧側減衰力の発生に伴いピストン2の当接
面2a側に介装した部品の部分で分担する追加荷重W3
が低下する。
【0070】したがって、過大な圧側減衰力の発生によ
ってピストン2の当接面2a側に介装した部品の部分に
ピストン2を通しての降伏点A3を越えるような荷重W
1が加わったとしても、釣合点Aが釣合点A4に移るだ
けでピストンナット8による初期締付荷重Wの低下量Δ
Wと弾性変形量ΔLは小さくなる。
【0071】その結果、ピストンナット8の戻り回転に
余裕を与えてピストンナット8の緩みに対する安全率を
大きく保ち、過大な圧側減衰力の発生によるピストンナ
ット8の緩みを防止することになる。
【0072】また、過大な伸側減衰力の発生時にあって
は、今度は、当該伸側減衰力の発生に伴ってピストン2
に加わる荷重W2によりピストン2が押されてピストン
ナット8側へと変位する。
【0073】しかし、この場合にあっては、それに伴っ
て段付ディス17が復元動作することから、ピストン2
の当接面2a側に介装した部品の部分のばね定数K3を
小さく保って当該部分での荷重W6を低く保つ。
【0074】このことから、ピストン2の当接面2a側
に介装した部品の部分における残存荷重W7は、主とし
てリバウンドストッパ5の弾性変形量に頼る従来例のも
のに比べて遥かに大きくなる。
【0075】この残存荷重W7の増大によって過大な伸
側減衰力の発生時にあっても、ピストンナット8の緩み
に対する安全率を大きく確保して当該ピストンナット8
の緩みを防止する共に、ピストン2の部分の各部品間に
隙間が生じるのを防いで面ダレの発生をも防止すること
になる。
【0076】図3は、先の図1と異なる実施の形態を示
すもので、当該実施の形態にあっては、ピストンナット
8を締め付ける際に間座3で段付ディスク17の内周部
分を押し、当該内周部分がリバウンドストッパ5に当る
まで段付ディスク17を撓ませて締め付けるようにして
おり、この点で先の図1の実施の形態と異なる。
【0077】このものによれば、段付ディスク17を撓
ませながらリバウンドストッパ5に押し付けて締め上げ
るようにしたので大きな締付荷重Wが得られる。
【0078】しかも、油圧緩衝器の伸張動作時には、伸
側減衰力の発生に伴う追加荷重W2でピストン2がピス
トンナット8側へと押されたときに、それに伴って段付
ディスク17が復元動作しつつピストン2の当接面2a
側に介装した部品を押す。
【0079】これにより、ピストン2の当接面2a側に
残される残存荷重W7を、図1の実施の形態の場合の残
存荷重W7よりも大きく保ってピストンナット8の緩み
に対する安全率を向上させると共に、当該部分に生じる
隙間の発生をも抑えて面ダレの原因をも除去する。
【0080】ただし、上記段付ディスク17は、圧縮動
作時の追加荷重W1によってピストン2が逆の方向に押
されたときにはリバウンドストッパ5に当ったままとな
るので、ピストン2を含めた当接面2a側の部品の部分
の直列合成ばね定数K6は従来例の場合と同様の高いば
ね定数となる。
【0081】したがって、圧側減衰力の発生に際しては
段付ディスク17が作用せず、従来例のままとなる。
【0082】図4は、さらに別の実施の形態を示すもの
で、当該実施の形態にあっては、ピストンナット8の初
期締付荷重Wで段付ディスク17を撓ませることなく、
突起18をリバウンドストッパ5に当てるだけの締付力
で締め付けている。
【0083】このことから、段付ディスク17は、圧側
減衰力の発生時においてのみ撓みを生じるだけで、伸側
減衰力の発生時にはリバウンドストパ5から離れるよう
に動作する。
【0084】そのために、上記した図3の実施の形態と
は逆に、伸側減衰力の発生に際しては従来例のままとな
るが、過大な圧側減衰力の発生時には、段付ディスク1
7が撓んでピストンナット8の初期締付荷重Wの低下量
ΔWと弾性変形量ΔLを小さくし、過大な圧側減衰力の
発生によるピストンナット8の緩みを防止する。
【0085】また、図5に示す実施の形態は、段付ディ
スク17の代わりに薄板状のディスク17aを重ねて用
い、かつ、突起18をリバウンドストッパ5側に形成し
た点で先の図1の実施の形態と異なっている。
【0086】このものでも、積層した薄板状のディスク
17aが、油圧緩衝器の伸張および圧縮動作に伴いそれ
ぞれ撓んでばね作用を行うことから、先の図1の実施の
形態における段付ディスク17と同様に作用してピスト
ンナット8の緩みと面ダレの発生とを防止する。
【0087】なお、特に図示はしないが、上記した図5
の実施の形態にあっても、ディスク17aをリバウンド
ストッパ5に当るまで撓ませるなり、或いは、全く撓ま
せることなくリバウンドストッパ5の突起18に当てた
状態でピストンナット8を締め付けることにより、図3
および図4の実施の形態と同様の作用を果し得ることは
これまでの説明に基いて容易に理解できよう。
【0088】しかも、これらのものによれば、積層する
薄板状のディスク17aの枚数を変えるだけで当該ディ
スク17aのばね定数を任意に設定できる。
【0089】したがって、ピストン2の当接面2a側の
部品の部分のばね定数K3とピストン2をも含めた直列
合成ばね定数K6の選択が自由にできることになる。
【0090】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、ピストンの当接面側に介装した部品の部分に弾性部
材を介装するという極めて簡単な構成を追加するだけ
で、過大な圧側減衰力の発生によって起るピストンナッ
トの緩みと、伸側減衰力の発生で起るピストンナットの
緩みと面ダレとを、併せて或いは選択して防止すること
ができる。
【0091】また、請求項2の発明によっても、上記と
同等の効果を発揮し得る。
【0092】請求項3の発明によれば、過大な圧側減衰
力の発生によって起るピストンナットの緩みと、伸側減
衰力の発生で起るピストンナットの緩みと面ダレの両方
を併せて防止することができる。
【0093】請求項4の発明によれば、過大な圧側減衰
力の発生によって起るピストンナットの緩みを防止する
ことができる。
【0094】請求項5の発明によれば、伸側減衰力の発
生で起るピストンナットの緩みと面ダレとを同時に防止
することができる。
【0095】請求項6の発明によれば、弾性部材として
極めて簡単な構造の段付ディスクを用いて上記請求項
1,2,3,4または5と同等の効果を発揮させること
ができる。
【0096】さらに、請求項7の発明によれば、リバウ
ンドストッパ側の突起と薄板状の積層ディスクからなる
簡単な構造の弾性部材を用いて、上記請求項1,2,
3,4または5と同等の効果を発揮させることができる
きるばかりでなく、積層ディスクの枚数を変えるだけで
弾性部材のばね定数を任意に設定し、それによって、ピ
ストンの当接面側の部品の部分のばね定数とピストンを
も含めた直列合成ばね定数の大きさとを自由に選ぶこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による緩衝器の減衰バルブ固定構造を
示す部分縦断正面図である。
【図2】上記した緩衝器の減衰バルブ固定構造による荷
重−変形図である。
【図3】この発明による緩衝器の減衰バルブ固定構造の
変形例を示す部分縦断正面図である。
【図4】この発明による緩衝器の減衰バルブ固定構造の
さらに他の変形例を示す部分縦断正面図である。
【図5】この発明による緩衝器の減衰バルブ固定構造の
別の実施の形態を示す部分縦断正面図である。
【図6】従来の緩衝器における減衰バルブ固定構造を示
す縦断正面図である。
【図7】緩衝器の減衰バルブ固定構造の初期締付時にお
けるピストン側各部の状態を模式的に示す説明図であ
る。
【図8】緩衝器の減衰バルブ固定構造の圧側減衰力発生
時におけるピストン側各部の状態を模式的に示す説明図
である。
【図9】同じく、伸側減衰力の発生時におけるピストン
側各部の状態を模式的に示す説明図である。
【図10】上記した従来の緩衝器の減衰バルブ固定構造
による荷重−変形図である。
【符号の説明】
1 ピストンロッド 2 ピストン 2a ピストンの当接面 3 間座 4 圧側減衰バルブ 5 リバウンドストッパ 6 サブリーフバルブ 7 スペシャルワッシャ 8 ピストンナット 12 伸側減衰バルブ 17 弾性部材である段付ディスク 17a 弾性部材である積層した薄板状のディスク 18 突起

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンロッドに対するピストンの当接
    面側に位置して、当該ピストンの反対面側におけるばね
    定数と同程度のばね定数をもつ弾性部材を挟み込んで介
    装したことを特徴とする緩衝器の減衰バルブ固定構造。
  2. 【請求項2】 ピストンロッドに対するピストンの当接
    面側に位置して、当該ピストンロッドやピストンおよび
    ピストンナット等の締付側の部材よりも弾性係数の小さ
    い材料からなる弾性部材を挟み込んで介装したことを特
    徴とする緩衝器の減衰バルブ固定構造。
  3. 【請求項3】 圧側および伸側減衰力の両方に対して撓
    みを生じる弾性部材を用いた請求項1または2の緩衝器
    の減衰バルブ固定構造。
  4. 【請求項4】 圧側減衰力の発生時においてのみ撓みを
    生じる弾性部材を用いた請求項1または2の緩衝器の減
    衰バルブ固定構造。
  5. 【請求項5】 伸側減衰力の発生時においてのみ撓みを
    生じる弾性部材を用いた請求項1または2の緩衝器の減
    衰バルブ固定構造。
  6. 【請求項6】 弾性部材として偏芯位置に突起をもつ段
    付きディスクを用いた請求項1,2,3,4または5の
    緩衝器の減衰バルブ固定構造。
  7. 【請求項7】 弾性部材として薄板からなるディスクを
    積み重ねて用い、かつ、相手側部材の偏芯位置に突起を
    形成して当接させた請求項1,2,3,4または5の緩
    衝器の減衰バルブ固定構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100890038B1 (ko) * 2007-08-22 2009-03-25 에스앤티대우(주) 차량용 쇽업소버의 피스톤밸브유닛
CN107401576A (zh) * 2017-09-14 2017-11-28 河海大学常州校区 一种受电弓阻尼器
CN108443388A (zh) * 2018-03-28 2018-08-24 河海大学常州校区 一种受电弓阻尼器

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KR100890038B1 (ko) * 2007-08-22 2009-03-25 에스앤티대우(주) 차량용 쇽업소버의 피스톤밸브유닛
CN107401576A (zh) * 2017-09-14 2017-11-28 河海大学常州校区 一种受电弓阻尼器
CN107401576B (zh) * 2017-09-14 2019-06-11 河海大学常州校区 一种受电弓阻尼器
CN108443388A (zh) * 2018-03-28 2018-08-24 河海大学常州校区 一种受电弓阻尼器

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