JPH06286610A - 連結器用緩衝装置 - Google Patents

連結器用緩衝装置

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JPH06286610A
JPH06286610A JP7237893A JP7237893A JPH06286610A JP H06286610 A JPH06286610 A JP H06286610A JP 7237893 A JP7237893 A JP 7237893A JP 7237893 A JP7237893 A JP 7237893A JP H06286610 A JPH06286610 A JP H06286610A
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Japan
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shock absorber
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JP7237893A
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Hiroshi Yamada
博 山田
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】主緩衝体の経時劣化に基づく車体の伴板守との
ガタツキを抑制することのできる連結器用緩衝装置を提
供する。 【構成】中央空間11とその両側の一対の端部空間1
2、13とを区画する緩衝枠1の一対の肩部14、15
間の間隔は、車体5側の伴板守51、52間の間隔より
所定量大きく設定されている。緩衝枠1の中央空間11
にその両端面が各肩部14、15にそれぞれ所定の隙間
δを介して配置された主緩衝体2は、その両端面が一対
の伴板守51、52に所定の予備圧縮力Pm0 で挟持さ
れている。緩衝枠1に保持されて各端部空間12、13
に主としてそれぞれ配設された一対の副緩衝体3は、そ
の先端面が主緩衝体2の各端面に当接している。主緩衝
体2の上記予備圧縮力Pm0 を経時劣化を見越して大き
く設定しておけば、主緩衝体2が劣化しても伴板伴5
1、52と緩衝枠1とのガタツキを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道車輌等で使用され
る連結器用緩衝装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、鉄道車輌等の連結器用緩衝装
置として、図10及び図11に示すように、中央空間8
1と中央空間81の両側にある各端部空間82a、82
bとを区画する一対の肩部83a、83bをもつ緩衝枠
84と、中央空間81に配設されるとともに肩部83
a、83bにそれぞれ当接して押圧される一対の第1伴
板85a及び第2伴板85bと、中央空間81内で一対
の伴板85a、85b間に圧縮状態で挟持される緩衝ゴ
ム単体を複数積層した主弾性体86と、各伴板85a、
85bを介して緩衝枠84との間の実質的に端部空間8
2a、82b内にそれぞれ圧縮状態で挟持される一対の
第1副弾性体87a及び第2副弾性体87bとから構成
されているものが知られている(特公昭63−4326
6号公報)。この連結器用緩衝装置は、緩衝枠84の一
端に形成された連結部88に車輌連結器がピン等を介し
て結合され、一対の伴板85a、85bが車体90の第
1伴板守91a、第2伴板守91bに当接して保持され
て、使用に供される。
【0003】この使用状態で、車体90に対して緩衝枠
84が例えば図10及び図11の左側に引っ張られる
と、左側の第1伴板85aは左側の第1伴板守91aに
当接して移動しないので、主弾性体86が第1伴板85
a及び第2伴板85b間で圧縮される。また、左側の第
1副弾性体87aは、第1伴板85aと緩衝枠84との
間隔が広がるため、圧縮されていたのが元の状態に開放
される。一方、右側の第2副弾性体87bは、右側の第
2伴板85bと緩衝枠84とはその間隔を変えずに左側
に移動されるので、第2副弾性体87bも圧縮されたそ
のままの状態で左側に移動する。
【0004】ここで、上記従来の連結器用緩衝装置は、
車体90の各伴板守91a、91bに組み込んだ無荷重
状態において、車体90の各伴板守91a、91bに保
持される各伴板85a、85bの内面に、主弾性体86
の初圧Pm0 を作用させるとともに、各伴板85a、8
5bの背面に各副弾性体87a、87bの初圧Ps0
作用させ、かつ、双方の初圧をPm0 =Ps0 となるよ
うに均衡させている。このため、各伴板85a、85b
を中立位とすることができ、これにより極めて小さな衝
撃に対しても緩衝作用を効果的に果たすことが可能とな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の連結器用緩
衝装置では、Pm0 =Ps0 (あるいはPm0 >P
0)として各伴板85a、85bを緩衝枠84の各肩
部83a、83bにそれぞれ当接させ、かつ、この各伴
板85a、85bを車体90の各伴板守91a、91b
にそれぞれ当接させて保持されるように設定されてい
る。つまり、緩衝枠84の各肩部83a、83b間の間
隔と、車体90の各伴板守91a、91b間の間隔とは
同等に設定されている。
【0006】しかし、この主弾性体86の初圧Pm0
副弾性体87a、87bの初圧Ps 0 との均衡は、主弾
性体86の経時劣化により容易にくずれてしまい、上記
Pm 0 =Ps0 の均衡を維持することが極めて困難であ
る。そして、上記Pm0 =Ps0 の均衡がくずれてPm
0 <Ps0 となった場合、各伴板85a、85bと各伴
板守91a、91bとの間に隙間ができ、緩衝枠84と
車体90の伴板守91a、91bとの間にガタツキを生
ずるという問題がある。
【0007】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、上記主弾性体の経時劣化に基づく車体の伴板守と
のガタツキを抑制することのできる連結器用緩衝装置を
提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の連結器用緩衝装置は、方形状の中央空間と該中央空
間の両側中央部に連絡し互いに背向する方向に伸びる一
対の端部空間とを有し、該中央空間と該端部空間とを区
画する一対の肩部間の間隔が車体側の伴板守間の間隔よ
り所定量大きい緩衝枠と、該緩衝枠の該中央空間に配置
されるとともに、その両端部が該伴板守に所定の予備圧
縮状態で挟持される主緩衝体と、該緩衝枠に保持されて
実質的に各該端部空間にそれぞれ配設され、無荷重時
に、その先端面が該主緩衝体の該両端部にそれぞれ当接
して該両端部と各該肩部との間にそれぞれ所定の隙間を
形成する一対の副緩衝体とから構成されていることを特
徴とするものである。
【0009】ここで、前記主緩衝体は、複数の緩衝ゴム
単体を積層するとともに、その両端に剛性の伴板を備え
た構成とすることが好ましい。また、前記主緩衝体の両
端部が前記伴板守に予備圧縮状態で挟持される際の予備
圧縮力をPm0 とし、無荷重時に前記副緩衝体の先端面
が前記主緩衝体の前記端部に当接して該主緩衝体の該端
部と前記緩衝枠の肩部との間に形成される隙間をδと
し、該副緩衝体が該隙間δ量に相当する分だけ圧縮され
たときの該副弾性体の力をPs1 としたとき、Pm0
Ps1 となるように設定することが好ましい。これによ
り、後述するように不緩衝域のない良好な緩衝作用を果
たす。
【0010】
【作用】本発明の連結器用緩衝装置は、一対の肩部間の
間隔が車体側の伴板守間の間隔より所定量大きくされて
おり、このため主緩衝体が所定の予備圧縮された状態で
車体の伴板守に挟持されたとき主緩衝体の各端部は緩衝
枠の肩部にそれぞれ所定の隙間を介して非接触とされて
いる。そして、緩衝枠に保持され主緩衝体の両側に配設
された各副緩衝体の先端面が主緩衝体の各端部にそれぞ
れ当接することにより、伴板守に挟持された主緩衝体と
緩衝枠とのガタツキが防止されている。このため、本発
明の連結器用緩衝装置では、主緩衝体の経時劣化を見越
して強めに予備圧縮しておけば、主緩衝体が経時劣化し
ても、主緩衝体が各伴板守に圧縮、挟持されている限
り、該伴板守と緩衝枠とのガタツキが発生しない。
【0011】そして、本発明の連結器用緩衝装置は、主
緩衝体が伴板守に予備圧縮状態で挟持されたときの予備
圧縮力をPm0 とし、副緩衝体が上記隙間δ量に相当す
る分だけ圧縮されたときの力をPs1 としたとき、Pm
0 ≦Ps1 となるように設定されることにより、後述の
実施例で詳述するように、不緩衝域を発生させることな
く良好に緩衝作用を果たす。
【0012】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。 (実施例1)図1〜図4に示す本実施例1の連結器用緩
衝装置は、緩衝枠1と、主緩衝体2と、一対の副緩衝体
3とを備えている。
【0013】緩衝枠1は、相対向する一対の側面が開口
する中空の箱状のもので、方形状の中央空間11と、中
央空間11の両側中央部に連絡し互いに背向する方向に
伸びる一対の端部空間12、13とを有している。これ
らの中央空間11及び各端部空間12、13は一対の肩
部14、15により区画され、この各肩部14、15間
の間隔は、後述する車体5の一対の伴板守51、52間
の間隔よりも所定量(2δ)だけ大きく設定されてい
る。各端部空間12、13には、副緩衝体3の中間板
(後述する)35が当接保持される段部12a、13a
がそれぞれ設けられている。なお、緩衝枠1の一端側に
は図示しない車輌連結器に連結するための取付穴(図示
せず)が設けられている。
【0014】主緩衝体2は、図2に示すように、その軸
方向両端に対向配置された一対の環状の伴板212、2
13と、この伴板212、213間に挟持され中央孔2
1aを有する円筒状の緩衝ゴム部211とから構成され
ている。各伴板212、213の内周面の開口側端部に
は、環状段部212a、213aがそれぞれ設けられて
いる。緩衝ゴム部211は、JIS A硬さ70°の硬
度を有する天然ゴム又は合成ゴムよりなり中央孔を有す
る短い円筒状の緩衝ゴム単体を複数積層したものであ
る。主緩衝体2の周縁部の一部は緩衝枠1の一対の上記
開口側面から外方に突出しており、軸方向両端部が車体
5の一対の伴板守51、52に所定の予備圧縮力Pm0
(Pm0 =3ton)で挟持されている。そして、主緩
衝体2は、緩衝枠1の中央空間11にその軸方向両端部
が緩衝枠1の各肩部14、15にそれぞれ所定の隙間δ
(δ=約5mm)を介して配置されている。なお、主緩
衝体2の弾性係数は、150kg/mmである。
【0015】上記主緩衝体2の中央孔21aには組付部
材22が配置されている。この組付部材22は、一端側
に径方向外方に膨出する環状突起221aが設けられ、
他端側の端面に雌螺子孔221bが穿設された第1部材
221と、開口端側に径方向外方に膨出する環状突起2
22aが設けられた有底筒状の第2部材222と、両者
を結合させるボルト223とから構成されている。第2
部材222の底面には、ボルト223を挿通する挿通孔
222bが設けられている。なお、第1部材221の環
状突起221a、第2部材222の環状突起222a
は、それぞれ主緩衝体2の各伴板212、213の環状
段部212a、213aに係合している。そして、ボル
ト223で第1部材221と第2部材222とを互いに
軸方向内方に締結することにより、緩衝ゴム部211を
圧縮挟持できるようになっている。また、主緩衝体2を
一対の伴板守51、52間に圧縮、挟持させた状態で、
上記第1部材221と第2部材222との対向する端面
間には、余分の隙間が形成されている。これは、主緩衝
体2を一対の伴板守51、52間に組込む際、主緩衝ゴ
ム部211を余分に圧縮して組込み易くするようにした
分の隙間である。
【0016】主緩衝体2の図1の左側の端部空間12に
配設され、その一端面が主緩衝体2の端面に当接する副
緩衝体3は、図3に示すように、他端側に雌螺子部31
aを有する円柱状の中央部材31と、中央部材31の一
端側に固着された第1規制板32と、中央部材31の他
端側に配設され中央部材31の外径よりも大きな内径の
孔を有する環状板33と、第1規制板32及び環状板3
3にそれそれ加硫接着され中央部材31の外径よりも大
きな内径の孔を有する略円筒状の副ゴム部34と、副ゴ
ム部34の軸方向略中央に配設され副ゴム部34の孔の
内径よりも大きな内径を有する環状の中間板35と、中
央部材31の他端側の端面及び環状板33に当接され後
述するボルト37を挿通させる挿通孔36aを有する第
2規制板36と、中央部材31と第2規制板36とを結
合させるボルト37とから構成されている。
【0017】上記副ゴム部34はJIS A硬さ50〜
65°の硬度を有する天然ゴムよりなり、副ゴム部34
の”へたり”を抑制する目的で、中央部材31に第2規
制板36をボルト37により締結させることにより、環
状板33を介して第2規制板36と第1規制板32との
間で予備圧縮されている。なお、予備圧縮される前の副
ゴム部34の弾性係数ks は300kg/mmであり、
予備圧縮された状態での副ゴム部34の弾性係数は
s ’は700kg/mmである。そして、この副緩衝
体3は、中間板35が緩衝枠1の段部12aに当接し、
第1規制板32が主緩衝体2の端面に当接するように、
緩衝枠1と主緩衝体2との間に嵌合固定されている。し
たがって、この副緩衝体3から主緩衝体2に作用する力
をPsとし、緩衝枠1が車体5に対して変位していない
ときの無荷重状態で、副緩衝体3から主緩衝体2に作用
する初期の力をPs0 としたとき、Ps0 =0に設定さ
れている。また、この副緩衝体3は、前記隙間δ(約5
mm)分だけ圧縮されたときの力、つまり前記隙間δ分
だけ圧縮されたときに副緩衝体3から主緩衝体2に作用
する力をPs1 としたとき、Pm0 <Ps1 となるよう
に設定されている。具体的には、 Ps1 =(予備圧縮された状態での副ゴム部34の弾性
係数ks ’)×δ=(700kg/mm)×(5mm)
=3.5ton に設定されている。
【0018】また、主緩衝体2の右側には、緩衝枠1に
段部13aを設けて形成された端部空間13に、副緩衝
体3が同様に保持されている 本実施例の連結器用緩衝装置は、以下のようにして車体
5の一対の伴板守51、52間に組付けることができ
る。まず、組付部材22の第1部材221及び第2部材
222を互いに近づけるようにボルト223を締めつ
け、緩衝体2を一対の伴板守51、52間の間隔よりも
若干短くなるように余分に予備圧縮する。前の車体に連
結された緩衝枠1の肩部14、15間の中心と、後ろの
車体5の伴板守51、52間の中心とを軸方向に合わせ
た状態で、上記主緩衝体2を緩衝枠1の中央空間11に
配設しつつ、主緩衝体2の周縁部を一対の伴板守51、
52間に対向させた後、ボルト223を所定量緩めて主
緩衝体2を復元させ、主緩衝体2の軸方向両端面を一対
の伴板守51、52に当接させる。これにより、主緩衝
体2は一対の伴板守51、52に所定の予備圧縮力Pm
0 で挟持される。そして、中央部材31に第2規制板3
6をボルト37により締結させることにより副ゴム部3
4を所定量予備圧縮させた副緩衝体3を、中間板35が
緩衝枠1の段部12a、13aに当接し、第1規制板3
2が主緩衝体2の端面に当接するように、緩衝枠1と主
緩衝体2との間に嵌合固定させる。
【0019】このように、本実施例の連結器用緩衝装置
は、主緩衝体2を所定の予備圧縮状態で一対の伴板守5
1、52間に挟持させるものであるにもかかわらず、そ
の組付を極めて容易に行うことができる。そして、本実
施例の連結器用緩衝装置は、主緩衝体2が所定の予備圧
縮力Pm 0 で予備圧縮された状態で車体5の一対の伴板
守51、52に挟持され、このとき主緩衝体2の各端面
は緩衝枠1の各肩部14、15にそれぞれ所定の隙間δ
を介して非接触とされている。そして、緩衝枠1に保持
され主緩衝体2の両側に配設された各副緩衝体3、3の
先端面が主緩衝体2の各端面にそれぞれ当接することに
より、伴板守51、52間に挟持された主緩衝体2と緩
衝枠1とのガタツキが防止されている。このため、本実
施例の連結器用緩衝装置では、主緩衝体2の緩衝ゴム部
211が経時劣化しても、主緩衝体2が各伴板守51、
52間に圧縮、挟持されている限り、該伴板守51、5
2と緩衝枠1とのガタツキが発生しない。具体的には、
主緩衝体2が所定の予備圧縮力Pm0 (Pm0 =3to
n)で予備圧縮された状態で車体5の一対の伴板守5
1、52に挟持され、かつ、緩衝枠1が車体5に対して
変位していないときの無荷重状態で副緩衝体3から主緩
衝体2に作用する力Ps0 はPs0 =0に設定されてい
る。したがって、主緩衝体2の”へたり”により、伴板
守51、52間に挟持された主緩衝体2と緩衝枠1との
間にガタツキが発生するまでには3tonもの余裕があ
る。
【0020】また、本実施例の連結器用緩衝装置は、主
緩衝体2が伴板守51、52間に圧縮、挟持される予備
圧縮力をPm0 とし、副緩衝体3が上記隙間δ分だけ圧
縮されたときの力、つまり副緩衝体3から主緩衝体2に
作用する力をPs1 としたとき、Pm0 <Ps1 となる
ように設定されるいるので、以下に示すように良好な緩
衝作用を果たす(図7参照)。
【0021】すなわち、緩衝枠1が車体5に対して一方
側(図1の右側)から他方側(図1の左側)へ相対変位
した場合を考えると、主緩衝体2の他方側の端面は車体
5の他方側の伴板守51に規制されているので、該他方
側の伴板守51と緩衝枠1との間で主緩衝体2及び一方
側の副緩衝体3が圧縮、挟持される。このとき、主緩衝
体2はPm0 で予備圧縮されているため、一方側の副緩
衝体3の力がPm0 に到達するまでは、まず一方側の副
緩衝体3のみが圧縮変形する。なお、緩衝枠1が車体5
に対して変位し始めると、他方側の副緩衝体3は主緩衝
体2の他方側の端面から離れる。この間の車体5に対す
る緩衝枠1の荷重−たわみ特性は副緩衝体3のみのバネ
特性に依存する。そして、緩衝枠1の相対変位が進みこ
の一方側の副緩衝体3の力Psが主緩衝体2の予備圧縮
力Pm0 に到達した以降は、一方側の副緩衝体3ととも
に主緩衝体2も圧縮変形する。この間の車体5に対する
緩衝枠1の荷重−たわみ特性は、主緩衝体2及び副緩衝
体3の合成のバネ特性に依存する。車体5に対する緩衝
枠1の相対変位がさらに進み、一方側の副緩衝体3が上
記隙間δ分だけ圧縮されて(該副緩衝体3の力PsはP
1 に到達する)、緩衝枠1の一方側の肩部15が主緩
衝体2の一方側の端面に当接すると、これ以降は主緩衝
体2のみが圧縮変形する。この間の車体5に対する緩衝
枠1の荷重−たわみ特性は主緩衝体2のみのバネ特性に
依存する(図4参照)。
【0022】このように、本実施例の連結器用緩衝装置
は、車体5に対して緩衝枠1が相対変位すると、初期段
階の副緩衝体3のバネ特性に始まり、中期段階の主緩衝
体2及び副緩衝体3の合成のバネ特性を介して、終期段
階の主緩衝体2のバネ特性へと連続的に緩衝枠1全体の
荷重−たわみ特性を変化させ、したがってこの間不緩衝
域を発生させることなく良好に緩衝作用を果たす。
【0023】なお、副緩衝体3のバネ弾性係数の値が一
定の場合、上記隙間δを大きく設定するほど、隙間δ分
だけ圧縮された時の副緩衝体3の力Ps1 が大きくなる
関係上、初期段階の副緩衝体3のバネ特性から中期段階
の主緩衝体2及び副緩衝体3の合成のバネ特性への移
行、及び中期段階の主緩衝体2及び副緩衝体3の合成の
バネ特性から終期段階の主緩衝体2のバネ特性への移行
がなめらかになるので好ましい。
【0024】また、上記隙間δが一定の場合、副緩衝体
3のバネ弾性係数を大きくする程、隙間δ分だけ圧縮さ
れた時の副緩衝体3の力Ps1 が大きくなる関係上、初
期段階の副緩衝体3のバネ特性から中期段階の主緩衝体
2及び副緩衝体3の合成のバネ特性への移行、及び中期
段階の主緩衝体2及び副緩衝体3の合成のバネ特性から
終期段階の主緩衝体2のバネ特性への移行がなめらかに
なるので好ましい。但し、この場合、副緩衝体3のバネ
特性が硬くなりすぎて、初期段階での副緩衝体3のバネ
特性による緩衝作用を良好に果たせなくなるおそれがあ
るので、所望とする緩衝作用に応じて副緩衝体3のバネ
弾性係数を良好に設定する必要がある。
【0025】さらに、上記実施例ではPm0 <Ps1
なるように設定する例について説明したが、Pm0 =P
1 となるように設定した場合も同様に不緩衝域を発生
させることなく良好に緩衝作用を果たすことができる
(図8参照)。つまり、緩衝枠1が車体5に対して一方
側(図1の右側)から他方側(図1の左側)へ相対変位
すると、上記実施例と同様に、まず一方側の副緩衝体3
のみが圧縮変形する。この間の車体5に対する緩衝枠1
の荷重−たわみ特性は副緩衝体3のみのバネ特性に依存
する。そして、緩衝枠1の相対変位が進み、この一方側
の副緩衝体3の力Psが主緩衝体2の予備圧縮力Pm0
に到達すると、Pm0 =Ps1 より該副緩衝体3は上記
隙間δ分だけ圧縮され、緩衝枠1の一方側の肩部15が
主緩衝体2の一方側の端面に当接することとなる。した
がって、これ以降は主緩衝体2のみが圧縮変形し、この
間の車体5に対する緩衝枠の荷重−たわみ特性は主緩衝
体のみのバネ特性に依存する。
【0026】このように、Pm0 =Ps1 となるように
設定した場合、車体5に対して緩衝枠1が相対変位する
と、副緩衝体3のバネ特性から主緩衝体2のバネ特性へ
と連続的に緩衝枠全体の荷重−たわみ特性を変化させ、
したがってこの間不緩衝域を発生させることなく良好に
緩衝作用を果たす。なお、比較のため、Pm0 >Ps1
となるように設定した場合を説明する(図9参照)。
【0027】緩衝枠1が車体5に対して一方側(図1の
右側)から他方側(図1の左側)へ相対変位すると、上
記実施例と同様に、まず一方側の副緩衝体3のみが圧縮
変形する。この間の車体5に対する緩衝枠1の荷重−た
わみ特性は副緩衝体3のみのバネ特性に依存する。そし
て、緩衝枠1の相対変位が進と、Pm0 >Ps1 より、
この一方側の副緩衝体3の力Psが主緩衝体2の予備圧
縮力Pm0 に到達する前に、該副緩衝体3は上記隙間δ
分だけ圧縮され、緩衝枠1の肩部15が主緩衝体2の一
方側の端面に当接することとなる。このとき、(Pm0
−Ps1 )分の荷重差による不緩衝により、緩衝枠1の
肩部15が主緩衝体2の端面に衝突する際のショック感
を生ずる。そして、これ以降は主緩衝体2のみが圧縮変
形し、この間の車体5に対する緩衝枠1の荷重−たわみ
特性は主緩衝体2のみのバネ特性に依存する。
【0028】(実施例2)図5及び図6に示す本実施例
2の連結器用緩衝装置は、緩衝枠1の各端部空間12、
13に段部12a、13aが設けられていないこと、及
び副緩衝体3の構成を変更したこと以外は上記実施例1
の連結器用緩衝装置と同様の構成を有する。
【0029】すなわち、本実施例2の連結器用緩衝装置
に係る副緩衝体3は、緩衝枠1にボルト39により締結
固定された基板38と、基板38に加硫接着されJIS
A硬さ50〜65°の硬度を有する天然ゴムよりなる
略立方体形状の副ゴム部34’とから構成されている。
この副ゴム部34’の弾性係数は700kg/mmであ
る。なお、主緩衝体2とともに緩衝枠1が車体5の伴板
守51、52間に組み込まれた状態で、副緩衝体3の先
端面は主緩衝体2の端面に単に当接しているのみで、副
緩衝体3には初圧がかけられていない。
【0030】そして副緩衝体3を構成する副ゴム部3
4’は、前記隙間δ分だけ圧縮されたときの力、つまり
副緩衝体3から主緩衝体2に作用する力をPs1 とした
とき、Pm0 <Ps1 となるように設定されている。具
体的には、 Ps1 =(副ゴム部34’の弾性係数ks )×δ=(7
00kg/mm)×(5mm)=3.5ton に設定されている。
【0031】本実施例2の連結器用緩衝装置は、副緩衝
体3の構成が前記実施例1のものと比較して簡単である
が、前記実施例1と同様に作用する。なお、前述の実施
例1及び実施例2では、緩衝枠1が車体5に対して変位
していないときの無荷重状態で、副緩衝体3から主緩衝
体2に作用する力Ps0 は、Ps0 =0に設定する例に
ついて説明したが、Ps0 <Pm0 ≦Ps1 を満足する
範囲内で、Ps0 >0となるように設定することも可能
である。この場合、緩衝枠1が車体5に対して変位し始
めたときの初期段階で、副緩衝体3のみのバネ特性に依
存する車体5に対する緩衝枠1の荷重−たわみ特性は、
副緩衝体3に初圧がかけられている分だけ硬くなる。
【0032】また、前述の実施例1及び実施例2では、
主緩衝体2及び副緩衝体3として、ゴム弾性体を用いる
例について説明したが、主緩衝体2及び副緩衝体3にコ
イルバネを利用することもできる。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の連結器用緩
衝装置は、長期使用により主緩衝体が経時劣化しても、
主緩衝体の予備圧縮力Pm0 を適当に確保することによ
り、伴板守と緩衝枠とのガタツキを有効に抑制すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の連結器用緩衝装置に係り、緩衝枠が
車体に対して変位していないときの無荷重状態を示す断
面図である。
【図2】実施例1の連結器用緩衝装置に係り、主緩衝体
を示す断面図である。
【図3】実施例1の連結器用緩衝装置に係り、副緩衝体
を示す断面図である。
【図4】実施例1の連結器用緩衝装置に係り、緩衝枠が
車体に対して所定量変位した状態を示す部分断面図であ
る。
【図5】実施例2の連結器用緩衝装置に係り、緩衝枠が
車体に対して変位していないときの無荷重状態を示す部
分断面図である。
【図6】実施例2の連結器用緩衝装置に係り、緩衝枠が
車体に対して所定量変位した状態を示す部分断面図であ
る。
【図7】車体に対する緩衝枠の荷重−たわみ特性を示す
線図である。
【図8】車体に対する緩衝枠の荷重−たわみ特性を示す
線図である。
【図9】車体に対する緩衝枠の荷重−たわみ特性を示す
線図である。
【図10】従来の連結器用緩衝装置の側面図である。
【図11】従来の連結器用緩衝装置の平面図である。
【符号の説明】
1は緩衝枠、11は中央空間、12、13は端部空間、
14、15は肩部、2は主緩衝体、3は副緩衝体、5は
車体、51、52は伴板守である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 方形状の中央空間と該中央空間の両側中
    央部に連絡し互いに背向する方向に伸びる一対の端部空
    間とを有し、該中央空間と該端部空間とを区画する一対
    の肩部間の間隔が車体側の伴板守間の間隔より所定量大
    きい緩衝枠と、 該緩衝枠の該中央空間に配置されるとともに、その両端
    部が該伴板守に所定の予備圧縮状態で挟持される主緩衝
    体と、 該緩衝枠に保持されて実質的に各該端部空間にそれぞれ
    配設され、無荷重時に、その先端面が該主緩衝体の該両
    端部にそれぞれ当接して該両端部と各該肩部との間にそ
    れぞれ所定の隙間を形成する一対の副緩衝体とから構成
    されていることを特徴とする連結器用緩衝装置。
  2. 【請求項2】 前記主緩衝体は、前記両端部に剛性の伴
    板を備えていることを特徴とする請求項1記載の連結器
    用緩衝装置。
  3. 【請求項3】 前記主緩衝体の両端部が前記伴板守に予
    備圧縮状態で挟持される際の予備圧縮力をPm0 とし、
    無荷重時に前記副緩衝体の先端面が前記主緩衝体の前記
    端部に当接して該主緩衝体の該端部と前記緩衝枠の肩部
    との間に形成される隙間をδとし、該副緩衝体が該隙間
    δ量に相当する分だけ圧縮されたときの該副弾性体の力
    をPs1 としたとき、Pm0 ≦Ps1 となるように設定
    されていることを特徴とする請求項1記載の連結器用緩
    衝装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009153951A1 (ja) * 2008-06-20 2009-12-23 株式会社パトライト 報知装置の取付構造

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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