JP3200738B2 - ダイナミックダンパー - Google Patents

ダイナミックダンパー

Info

Publication number
JP3200738B2
JP3200738B2 JP02068890A JP2068890A JP3200738B2 JP 3200738 B2 JP3200738 B2 JP 3200738B2 JP 02068890 A JP02068890 A JP 02068890A JP 2068890 A JP2068890 A JP 2068890A JP 3200738 B2 JP3200738 B2 JP 3200738B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass member
center
shaft
rubber
elastic body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP02068890A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03229036A (ja
Inventor
雅昭 山下
政昭 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kinugawa Rubber Industrial Co Ltd
Original Assignee
Kinugawa Rubber Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kinugawa Rubber Industrial Co Ltd filed Critical Kinugawa Rubber Industrial Co Ltd
Priority to JP02068890A priority Critical patent/JP3200738B2/ja
Publication of JPH03229036A publication Critical patent/JPH03229036A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3200738B2 publication Critical patent/JP3200738B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車の動力伝達系に用いられるダイナミ
ックダンパーに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の動力伝達系におけるトルク伝達チューブ、例
えばプロペラシャフトのねじり振動や曲げ振動(プロペ
ラシャフトの軸直角方向の振動)を低減させて振動特性
の改善を図るために、例えば図6(A),(B)に示す
ようにプロペラシャフト1の内周にゴム系弾性体2,3を
介して質量部材4を同心状に設けることによって、いわ
ゆるダイナミックダンパーを付加することがある(例え
ば「自動車工学全書 9巻 動力伝達装置」,(昭55.1
1.20),山海堂,P297、および実開昭63−196849号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のダイナミックダンパーにおいては、
図6から明らかなように、ゴム系弾性体2,3の弾性中心P
2と、質量部材4の重心P1とが軸方向において一致して
いる故に、ダイナミックダンパー効果が得られるねじり
振動または曲げ振動の周波数の固有値が単一である。そ
のため、例えばねじり方向と曲げ方向の双方について振
動低減効果を得ようとする場合には、ねじり方向および
曲げ方向ごとに個別に質量部材4を設けなければなら
ず、結果的にプロペラシャフト1、ひいては車両全体の
重量増加を招くという問題がある。
【0004】 一方、一つの質量部材4のみでねじり方向および曲げ
方向の二方向についてそれぞれ上記の固有値を得ること
も可能ではあるが、その場合にはゴム系弾性体2,3のね
じり方向と曲げ方向とのばね比等の制約のために、ダイ
ナミックダンパー効果が得られる固有値は、 ねじり方向の値<曲げ方向の値 とならざるを得ない。その結果、ねじり方向および曲げ
方向においてダイナミックダンパー効果が得られる各固
有値が必ずしも車両の要求特性と合致しなくなり、ねじ
り方向および曲げ方向について双方同時に所期の振動低
減効果を得ることができなくなる。
【0005】 本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、質量部材が一つであ
りながらダイナミックダンパー効果が得られる固有値の
制約を受けることなく、ねじり方向および曲げ方向の双
方について同時に必要十分な振動低減効果が得られるダ
イナミックダンパーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、プロペラシャフト等に代表されるトルク伝
達チューブの内周にゴム系弾性体を介して質量部材をト
ルク伝達チューブと同心状に設けた構造のダイナミック
ダンパーにおいて、上記質量部材の重心と、ゴム系弾性
体の弾性中心とを、トルク伝達チューブの軸心方向にお
いて相互にずらし、ねじり方向と曲げ方向との連成され
た振動モードにおける曲げ方向の振動周波数の固有値を
低下させるようにしたことを特徴とする。
【0007】 また、請求項2の発明は、トルク伝達チューブとして
のプロペラシャフトを形成するシャフト本体の端部にヨ
ーク部材を連結し、シャフト本体の内周にゴム系弾性体
を介して質量部材を前記シャフト本体と同心状に設けた
構造のダイナミックダンパーであって、前記質量部材を
中空状のものとし、ヨーク部材から質量部材側に向けて
軸部を突出させて該軸部を前記質量部材に挿入し、前記
シャフト本体と質量部材との間に介装されるゴム系弾性
体とは別にその質量部材の内周と軸部との間にゴム系弾
性体を介装し、これらのゴム系弾性体の弾性中心と質量
部材の重心とを、シャフト本体の軸心方向において相互
にずらし、ねじり方向と曲げ方向との連成された振動モ
ードにおける曲げ方向の振動周波数の固有値を低下させ
るようにしたことを特徴とする。
【0008】 上記各発明において、弾性中心と質量部材の重心とを
相互にずらすオフセット量としては、ねじり方向および
曲げ方向においてダイナミックダンパー効果を得たい振
動周波数の各固有値に応じて設定する。
【0009】
【作 用】
このような構造によると、質量部材はねじり方向と曲
げ方向との連成された振動モードで振動するが、この質
量部材の重心と、ゴム系弾性体の弾性中心とを軸心方向
に相互にずらせたことで、曲げ方向の振動モードをねじ
り方向の振動モードに対して独立して対応することが可
能となり、それゆえ曲げ方向の振動周波数の固有値とし
ては従来の値よりも低下させることができる。
【0010】 また、ねじり方向の振動周波数の固有値は、ゴム系弾
性体の弾性中心と質量部材の重心とを軸心方向に相互に
ずらしたとしても、ずらす前と比べて何ら変化しないこ
とから、上記のようにねじり方向と曲げ方向との連成さ
れた振動モードでの曲げ方向の固有値を低下させること
ができることによって、相対的に曲げ方向の固有値に比
してより高いねじり方向の固有値を必要とする場合に特
に効果を発揮し、結果的にねじり方向および曲げ方向の
双方について同時に必要十分な振動低減効果が得られ
る。
【0011】
【実施例】
図1(A)および(B)は本発明の一実施例を示すも
ので、トルク伝達チューブとしてのプロペラシャフト1
の内部には、図のように軸心方向に間隔をおいて配した
同一サイズ、同一ばね定数の一対のゴム系弾性体2,3を
介して、質量部材としての中実状のウエイト4がプロペ
ラシャフト1と同心状に配置されている。そして、ウエ
イト4の両端においてゴム系弾性体2,3からのウエイト
4自体の突出量l1,l2を相互に異ならしめることによっ
て、同図(B)に示すようにゴム系弾性体2,3の弾性中
心P2をウエイト4の重心P1に対し所定オフセット量eを
もってプロペラシャフト1の軸心方向すなわち同図
(B)の左方にずらしてある。
【0012】 オフセット量eとしては、ダイナミックダンパー効果
を得るべきねじり方向および曲げ方向の振動周波数の各
固有値に応じて適宜設定する。
【0013】 この実施例構造によると、ウエイト4はゴム系弾性体
2,3をばねとして、ねじり方向と曲げ方向との連成され
た振動モードで振動して、それぞれの振動周波数の固有
値に応じた所定のダイナミックダンパー効果が得られる
のであるが、上記のようにゴム系弾性体2,3の弾性中心P
2とウエイト4の重心P1とをオフセットさせて、曲げ方
向の振動モードをねじり方向の振動モードに対して独立
して対応させるようにしたことで、ダイナミックダンパ
ー効果が得られる曲げ方向の振動周波数の固有値として
は従来の値よりも低下させることができ、曲げモードの
振動の低減が可能となる。
【0014】 また、ゴム系弾性体2,3の弾性中心P2とウエイト4の
重心P1とを軸心方向にオフセットさせたとしても、ねじ
り方向の振動周波数の固有値はオフセットさせる前と比
べて何ら変化しないことから、上記のようにねじり方向
と曲げ方向との連成された振動モードでの曲げ方向の固
有値を低下させることができることによって、相対的に
曲げ方向の固有値よりも高いねじり方向の固有値を必要
とする場合に特にねじり方向の振動低減効果を発揮す
る。したがって、結果的にはねじり方向および曲げ方向
の双方について同時に必要十分な振動低減効果が得られ
る。
【0015】 図2(A),(B)に示す実施例は、図のように軸方
向に間隔をおいて一対のゴム系弾性体12,13を配したも
のにおいて、一方のゴム系弾性体13のばね定数を、他方
のゴム系弾性体12のばね定数よりも大きく設定して、ウ
エイト4の重心P1よりもゴム系弾性体12,13の弾性中心P
2を同図(B)の右方にオフセット量eだけずらしたも
のである。
【0016】 図3(A),(B)に示す実施例は、中実のウエイト
14の一端部に空洞部5を形成し、これによってゴム系弾
性体2,3の弾性中心P2よりもウエイト14の重心P1を同図
(B)の左方にオフセット量eだけずらしたものであ
る。
【0017】 また図4(A),(B)に示す実施例は、図のように
軸方向に間隔をおいてゴム系弾性体22,23を配したもの
において、一方の一つのゴム系弾性体23に対して他方の
ゴム系弾性体22を二つ並列に設け、これによってゴム系
弾性体22,23の弾性中心P2をウエイト4の重心P1よりも
同図(B)の左方にオフセット量eだけずらしたもので
ある。
【0018】 これら図2,図3および図4の実施例の場合にも第1の
実施例と同様の作用効果が得られる。
【0019】 さらに図5に示す実施例は、プロペラシャフト1を形
成するシャフト本体6とジョイントヨーク7との連結部
において、ジョイントヨーク7の中心部からシャフト本
体6側に向けて軸部8を一体に突出形成する一方、この
軸部8を、シャフト本体6の内周に配された質量部材と
してのスリーブ状のウエイト9に挿入し、軸部8とウエ
イト9との間、ならびにウエイト9とシャフト本体6と
の間にそれぞれゴム系弾性体32,33を介装したものであ
る。
【0020】 この実施例の場合、ゴム系弾性体32,33同士の幅を相
互に異ならしめると同時に、これらゴム系弾性体32,33
の位置をウエイト9の重心P1に対して軸心方向に片寄ら
せることで、ゴム系弾性体32,33の弾性中心P2とウエイ
ト9の重心P1とが相互に軸心方向にずれることになり、
これにより上記の各実施例と同様の作用効果が得られ
る。
【0021】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ゴム系弾性体の弾性中
心と質量部材の重心とを、トルク伝達チューブの軸心方
向において相互にずらしたことにより、重量の増加を招
くことなく一つの質量部材のみでねじり方向および曲げ
方向の双方の振動を同時に低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明の第1の実施例を示す要部断面図、
(B)は同図(A)をモデル化した説明図である。
【図2】 (A)は本発明の第2の実施例を示す要部断面図、
(B)は同図(A)をモデル化した説明図である。
【図3】 (A)は本発明の第3の実施例を示す要部断面図、
(B)は同図(A)をモデル化した説明図である。
【図4】 (A)は本発明の第4の実施例を示す要部断面図、
(B)は同図(A)をモデル化した説明図である。
【図5】 本発明の第5の実施例を示す要部断面図である。
【図6】 (A)は従来のダイナミックダンパーの一例を示す要部
断面図、(B)は同図(A)をモデル化した説明図であ
る。
【符号の説明】
1……トルク伝達チューブとしてのプロペラシャフト 2,3,12,13,22,23,32,33……ゴム系弾性体 4,5……質量部材としてのウエイト 6……シャフト本体 7……ジョイントヨーク(ヨーク部材) 8……軸部 9……質量部材としてのウエイト P1……重心 P2……弾性中心。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トルク伝達チューブの内周にゴム系弾性体
    を介して質量部材をトルク伝達チューブと同心状に設け
    た構造において、 上記質量部材の重心と、ゴム系弾性体の弾性中心とを、
    トルク伝達チューブの軸心方向において相互にずらし、
    ねじり方向と曲げ方向との連成された振動モードにおけ
    る曲げ振動の周波数の固有値を低下させるようにしたこ
    とを特徴とするダイナミックダンパー。
  2. 【請求項2】トルク伝達チューブとしてのプロペラシャ
    フトを形成するシャフト本体の端部にヨーク部材を連結
    し、シャフト本体の内周にゴム系弾性体を介して質量部
    材を前記シャフト本体と同心状に設けた構造であって、 前記質量部材を中空状のものとし、ヨーク部材から質量
    部材側に向けて軸部を突出させて該軸部を前記質量部材
    に挿入し、 前記シャフト本体と質量部材との間に介装されるゴム系
    弾性体とは別にその質量部材の内周と軸部との間にゴム
    系弾性体を介装し、 これらのゴム系弾性体の弾性中心と質量部材の重心と
    を、シャフト本体の軸心方向において相互にずらし、ね
    じり方向と曲げ方向との連成された振動モードにおける
    曲げ方向の振動周波数の固有値を低下させるようにした
    ことを特徴とするダイナミックダンパー。
JP02068890A 1990-01-31 1990-01-31 ダイナミックダンパー Expired - Lifetime JP3200738B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02068890A JP3200738B2 (ja) 1990-01-31 1990-01-31 ダイナミックダンパー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02068890A JP3200738B2 (ja) 1990-01-31 1990-01-31 ダイナミックダンパー

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000178270A Division JP2001021002A (ja) 2000-01-01 2000-06-14 ダイナミックダンパー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03229036A JPH03229036A (ja) 1991-10-11
JP3200738B2 true JP3200738B2 (ja) 2001-08-20

Family

ID=12034101

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02068890A Expired - Lifetime JP3200738B2 (ja) 1990-01-31 1990-01-31 ダイナミックダンパー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3200738B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2599059B2 (ja) * 1991-11-25 1997-04-09 東海ゴム工業株式会社 中空ドライブシャフト用ダイナミックダンパ
JP3797239B2 (ja) * 2002-02-12 2006-07-12 日産自動車株式会社 多自由度ダイナミックダンパ
JP2011220445A (ja) * 2010-04-09 2011-11-04 Nok Corp 中空回転軸用ダイナミックダンパ
JP5971613B2 (ja) * 2012-06-28 2016-08-17 Nok株式会社 ダイナミックダンパ
US10393265B2 (en) 2017-10-18 2019-08-27 GM Global Technology Operations LLC Damper for piston and piston pin, for ice engines

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03229036A (ja) 1991-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6243150Y2 (ja)
JP3430669B2 (ja) ダイナミックダンパ付ロッド状振動体
US5836821A (en) Elastic coupling for steering apparatus
US6283867B1 (en) Elastic shaft joint
JPS59172627U (ja) 車両用のトランスミツシヨン装置
EP1247719A3 (en) Intermediate steering shaft for motor vehicle
JP2618767B2 (ja) ステアリングカップリング
JP3797239B2 (ja) 多自由度ダイナミックダンパ
JPS6133367A (ja) 電動パワ−ステアリングの動力伝達装置
JP3200738B2 (ja) ダイナミックダンパー
US5366413A (en) Elastic universal coupling
JP2001021002A (ja) ダイナミックダンパー
JP3520176B2 (ja) 防振装置
JPH09280314A (ja) 防振装置
JP2001260681A (ja) ダイナミックダンパ及びプロペラシャフト
JPH1148988A (ja) ステアリングブッシュ
JPH08128483A (ja) 筒型防振マウント
JP2564552Y2 (ja) ブッシュ
JPH09196077A (ja) 軸継手およびその製造方法
JPS61201924A (ja) 弾性軸継手
JPS60159418A (ja) 軸の連結構造
JP2560554Y2 (ja) プロペラシャフト
JPH06323354A (ja) ピロボールブッシュ
JPH0699746A (ja) 排気管支持装置
JPH083714Y2 (ja) カップリング

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100622

Year of fee payment: 9