JPH09242681A - ヘリカルブレード式圧縮機 - Google Patents

ヘリカルブレード式圧縮機

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JPH09242681A
JPH09242681A JP4752796A JP4752796A JPH09242681A JP H09242681 A JPH09242681 A JP H09242681A JP 4752796 A JP4752796 A JP 4752796A JP 4752796 A JP4752796 A JP 4752796A JP H09242681 A JPH09242681 A JP H09242681A
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oil
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/08Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing
    • F04C18/10Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing of internal-axis type with the outer member having more teeth or tooth equivalents, e.g. rollers, than the inner member
    • F04C18/107Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing of internal-axis type with the outer member having more teeth or tooth equivalents, e.g. rollers, than the inner member with helical teeth

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、ヘリカルブレード式の圧縮機構であ
り、ローラの周速を小さして、このスラスト面における
摺動損失の低減を図り、よって圧縮効率の向上に寄与す
るヘリカルブレード式圧縮機を提供する。 【解決手段】シリンダ5と、このシリンダに収容され偏
心配置されたローラ11と、このローラの周面に沿って
設けられた螺旋状溝14と、この螺旋状溝に突没自在に
嵌め込まれシリンダとの空間を複数の圧縮室16に区画
形成する螺旋状のブレード15とを備え、さらに上記ロ
ーラをシリンダ内で公転運動させるクランクシャフト9
のクランク部9a,9bを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば冷凍サイ
クル装置に用いられ、作動流体としての冷媒ガスを圧縮
するヘリカルブレード式圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より多用されるレシプロ方式、ロ―
タリ方式等、各種の圧縮機には、回転力を圧縮機部に伝
達するクランクシャフト等の駆動部や、圧縮部の構造が
複雑であり、部品点数が多い。
【0003】そして、圧縮効率を高めるために、吐出側
に逆止弁を設ける必要があるが、この逆止弁の両サイド
の圧力差は非常に大きいため、逆止弁からガスがリ―ク
し易く圧縮効率が低い。
【0004】このような問題を解消するためには、各部
品の寸法精度や組立精度を高める必要があり、その結
果、製造コストが高くなるなどの不具合がある。そこで
近時、流体圧縮機とも呼ばれるヘリカルブレード式圧縮
機が提案されている。これは、回転駆動源に連結される
シリンダ内に回転体であるピストンが偏心して配置さ
れ、シリンダと同期して回転駆動される。このピストン
の周面には螺旋状溝が設けられ、ここにブレードが出入
り自在に巻装される。
【0005】上記ブレードとピストン周面およびシリン
ダ内周面との間に圧縮室が形成されていて、冷凍サイク
ルにおける作動流体である冷媒ガスを上記圧縮室の一端
部に吸込んで、他端部側に徐々に移送しながら圧縮する
ようになっている。
【0006】この種の圧縮機によれば、従来の圧縮機に
おける上述のごとき不具合を除去でき、比較的簡単な構
成によりシ―ル性を向上させて効率の良い圧縮が可能で
あるとともに、部品の製造および組立が容易となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】問題は構造上、回転駆
動源に連結されるシリンダが所定の回転数で回転駆動
(自転)され、シリンダの周速が大となる。その一方
で、シリンダの一方の端部が高圧の吐出部、他方の端部
が低圧の吸込み部となるので、高圧側から低圧側へスラ
スト力が発生する。
【0008】したがって、シリンダのスラスト方向の端
面が、シリンダを枢支する軸受け具側面に摺接してしま
う。しかもシリンダは所定の回転数で回転して、その周
速が大であるところから、摺動損失が無視できないもの
となっていて、当然、圧縮効率に悪影響が生じる。
【0009】本発明は上記事情にもとづいてなされたも
のであり、その目的とするところは、ヘリカルブレード
式の圧縮機構を備えることが前提であり、ローラの周速
を小さくする構成とし、このスラスト面における摺動損
失の低減を図り、よって圧縮効率の向上に寄与するヘリ
カルブレード式圧縮機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明のヘリカルブレード式圧縮機は、請求項1とし
て、シリンダと、このシリンダ内に偏心配置されたロー
ラと、このローラの周面に沿って設けられた螺旋状溝
と、この螺旋状溝に出入り自在に嵌め込まれシリンダと
の空間を複数の圧縮室に区画形成する螺旋状のブレード
とを備えたヘリカルブレード式圧縮機において、上記ロ
ーラを、シリンダ内で公転運動させる駆動手段を備えた
ことを特徴とする。
【0011】請求項2として、請求項1記載のローラを
シリンダ内で公転運動させる上記駆動手段は、上記ロー
ラに対して摺動自在に設けられ、ローラを上記シリンダ
内で偏心して移動させるクランク部を有するクランクシ
ャフトであることを特徴とする。
【0012】請求項3として、請求項1記載の上記ロー
ラの周面に設けられる螺旋状溝は1条であって、ここに
突没自在に嵌め込まれる上記螺旋状のブレードは1組で
あることを特徴とする。
【0013】請求項4として、請求項2記載の上記クラ
ンクシャフトは、その一方の端部にクランクシャフトを
回転駆動する電動機部が連結され、この電動機部側の上
記クランクシャフト端部は主軸受けによって回転自在に
枢支され、電動機部とは反対側の上記クランクシャフト
端部は副軸受けによって回転自在に枢支され、上記副軸
受け側の上記圧縮室を吸込み部、上記主軸受け側の上記
圧縮室を吐出部としたことを特徴とする。
【0014】請求項5として、請求項4記載の上記ロー
ラの吐出部側に、クランクシャフトの回転駆動を受けて
公転運動する上記ローラの自転を防止するオルダム機構
を備えたことを特徴とする。
【0015】請求項6として、請求項4記載の上記ロー
ラは円筒体であり、この円筒体ローラの内周部に凹陥形
成される内腔部が設けられ、上記吸込み部側内腔部に上
記吐出部圧縮室から吐出される高圧ガスを導入すること
を特徴とする。
【0016】請求項7として、請求項4記載の上記ロー
ラは円筒体であり、この円筒体ローラの内周部に段状に
凹陥形成される内腔部が設けられ、上記クランクシャフ
トのクランク部は上記内腔部のうちの軸芯側に突出形成
される内腔枢支部に摺接することを特徴とする。
【0017】請求項8として、請求項7記載の上記クラ
ンクシャフトのクランク部とローラ内腔枢支部との摺接
位置は、ローラの軸方向の中央部もしくは中央部から左
右均等の距離を存した位置に設定したことを特徴とす
る。
【0018】請求項9として、請求項4記載の上記クラ
ンクシャフトは、上記主軸受けの枢支部と上記副軸受け
枢支部との間の周面にカウンタバランスを設けたことを
特徴とする。
【0019】請求項10として、請求項1記載の上記ロ
ーラは、鉄よりも比重の軽い素材からなることを特徴と
する。請求項11として、請求項4記載の上記クランク
シャフトの副軸受け枢支部近傍に給油ポンプが設けら
れ、上記クランクシャフトに、上記給油ポンプが吸い上
げた潤滑油を各摺接部に導く給油通路を設けたことを特
徴とする。
【0020】請求項12として、請求項11記載の上記
クランクシャフトに設けられる給油通路は、上記クラン
ク部周面に連通する油孔が設けられ、上記ローラは、上
記クランクシャフトのクランク部との摺接部に上記螺旋
状溝に連通する油孔が設けられ、クランクシャフトの油
孔とローラの油孔は、クランクシャフトの一回転中に少
なくとも1度は互いに一致することを特徴とする。
【0021】請求項13として、請求項7記載の上記ロ
ーラとクランクシャフトクランク部との摺接部は、その
両側面に開口する油逃げ孔が貫通して設けられることを
特徴とする。
【0022】請求項14として、請求項4記載の上記吸
込み部は、ローラ外周面とシリンダ内周面の少なくとも
いずれか一方に、吸込みガスを一時的に溜めるバッファ
部を備えたことを特徴とする。
【0023】このような課題を解決する手段を備えるこ
とにより、請求項1ないし請求項3の発明のいずれにお
いても、ローラがシリンダ内で公転運動するところか
ら、スラスト面における周速が、シリンダを回転駆動
(自転)させる従来の構成と比較して小さくなり、摺動
損失が低減する。
【0024】請求項4の発明では、クランクシャフトの
両側端部を軸受けで枢支するとともに、吸込み部と吐出
部の位置を限定することにより、スラスト力がバランス
し、ローラが軸方向に安定して保持され異音の発生がな
い。
【0025】請求項5の発明では、オルダム機構をロー
ラがスラスト力によって付勢される吸込み部側とは反対
側の吐出側に設け、荷重がかからないようにした。請求
項6の発明では、ローラの吸込み部側内腔部に吐出圧を
導くことから、副軸受け側のスラスト力をさらに小さく
でき、スラスト損失がさらに低減する。
【0026】請求項7の発明では、ローラに内腔部を設
けることによって、ローラの重量を軽減し、振動の発生
を抑制する。請求項8の発明では、クランクシャフトと
ローラとの摺接部位置を設定したので、ローラを公転運
動させる作用点がバランスのとれたものとなり、転覆モ
ーメントが低減し、摺動損失のさらなる低減につなげら
れる。
【0027】請求項9の発明では、カウンタバランス
が、ローラの公転運動によるアンバランスを打ち消し合
う。その結果、振動が低減し、クランクシャフトに対す
る転覆モーメントが低減する。
【0028】請求項10の発明では、ローラの材質を鉄
よりも比重の軽い材料とすることにより、ローラの重量
の軽減化を図り、振動低減を得る。請求項11の発明で
は、給油ポンプを電動機部とは反対側の端部である副軸
受け枢支部近傍に設けたので、設計的に余裕が出る配置
となる。
【0029】請求項12の発明では、クランクシャフト
の回転中に、必ず、シャフトの油孔とローラの油孔が連
通し、これら摺接部は常時油膜が形成されてガスシール
され、圧縮室のガスシールが向上し、ブレードに対する
信頼性の向上が得られる。
【0030】請求項13の発明では、油逃げ孔に潤滑油
が連通して、潤滑油が一部に偏って溜まることを防止す
る。請求項14の発明では、吸込みガスを一時的に溜め
るバッファ部を備えたことにより、吸込み側のガス通路
の断面積が拡大して、体積効率が向上する。
【0031】
【実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図面にも
とづいて説明するに、ここに開示されるヘリカルブレー
ド式圧縮機は、たとえば空気調和機の冷凍サイクルに用
いられるものとする。
【0032】図1に示すように、密閉ケース1は、軸方
向を水平方向に向け両端が開口するケース本体1aと、
このケース本体1aの一端開口部を閉塞する上蓋1b
と、他端開口部を閉塞する蓋板1cとから構成される。
【0033】この密閉ケース1内には、圧縮機構部3お
よび電動機部4が収容される。すなわち、密閉ケース1
の軸方向ほぼ中央部を境に、図において右側の部分が圧
縮機構部3、左側の部分が電動機部4となる。
【0034】上記圧縮機構部3は、両側端が開口する中
空筒体であり、かつその両側端の外周面に一対の鍔部5
a,5bが突設されたシリンダ5を有している。このシ
リンダ5の少なくとも一方の鍔部5aは、上記密閉ケー
ス1を構成するケース本体1aに圧入嵌着され、シリン
ダの位置決め固定がなされている。
【0035】上記シリンダ5の一方側(図の左側)の側
面には、主軸受け6が固定具7を介して取付け固定さ
れ、シリンダの開口部が閉成される。他方側(図の右
側)の側面には、副軸受け8が固定具7を介して取付け
固定され、シリンダの開口部が閉成される。
【0036】このような主軸受け6と副軸受け8の軸芯
に沿ってクランクシャフト9が挿通され、回転自在に枢
支される。上記クランクシャフト9は、主軸受け6と副
軸受け8との間であるシリンダ5内に貫通するばかりで
なく、主軸受け6から図の左側方向に突設され、後述す
る電動機部4の回転軸部9Zを構成する。
【0037】上記クランクシャフト9についてなお説明
すると、上記主軸受け6と副軸受け8との間の周面に
は、互いに離間した位置で、かつクランクシャフト軸芯
aとは所定寸法eだけ偏心した軸芯bの2つのクランク
部9a,9bが一体に設けられる。
【0038】図の左側のクランク部9aを第1のクラン
ク部と呼び、右側のクランク部9bを第2のクランク部
と呼ぶ。互いのクランク部9a,9bは同一の所定幅寸
法に形成される。
【0039】第1のクランク部9aのさらに左側の部位
に隣接して、カウンタバランス部9cがクランクシャフ
トと一体に設けられる。このカウンタバランス部9c
は、上記第1のクランク部9aの偏心突出方向とは軸芯
を介して反対側の周面部位に偏心している。
【0040】また、第2のクランク部9bのさらに右側
の部位に隣接して、クランクシャフト9とは別体のカウ
ンタバランサ10が嵌着される。このカウンタバランサ
10は、上記第2のクランク部9bの偏心突出方向とは
反対側の周面部位に偏心している。
【0041】このようなクランクシャフト9と上記シリ
ンダ5との間には、その材質が鉄よりも比重の小さなた
とえばアルミ合金の素材から選択される、ローラ11が
介在される。このローラ11は、両端が開口する円筒体
であり、軸方向長さはシリンダの軸方向長さと一致す
る。
【0042】ローラ11の内周部には段状の内腔部12
が形成されていて、特に、上記クランクシャフト9の第
1,第2のクランク部9a,9bと対向する部位は、こ
れらクランク部と同一幅で、かつ外周面と回転自在に摺
接する第1,第2の内腔枢支部12a,12bとなって
いる。
【0043】このことにより、ローラ11の軸芯bは第
1,第2のクランク部9a,9bの軸芯bと一致し、シ
リンダ5などの軸芯aに対してe寸法だけ偏心している
ことになる。そして、ローラ11の外周壁一部はシリン
ダ5の内周壁一部に軸方向に沿って転接するように寸法
設定されている。
【0044】なお、上記クランクシャフト9の第1,第
2のクランク部9a,9bと、ローラ11の第1,第2
の内腔枢支部12a,12bとの摺接部は、ローラの軸
方向の中央部から左右均等の距離を存した位置に設定し
てある。
【0045】特に、図2にも示すように、ローラ11の
内腔部12は、その直径寸法φD2,φD3 が第1,第
2の内腔枢支部12a,12bの直径寸法φD1 よりも
大に形成されており(φD2 ,φD3 >φD1 )、かつ
素材の選択から、ローラの重量の軽減が図られている。
【0046】上記ローラ11の主軸受け6側端部と、ロ
ーラ11部位との間には、オルダム機構13が介設され
る。このオルダム機構13は、ローラ11の自転を規制
するものである。
【0047】このことから、クランクシャフト9が回転
すると、ここに設けられる第1,第2のクランク部9
a,9bが偏心回転をなし、かつこのクランク部の外周
面に枢支されるローラ11が偏心移動である公転運動を
なす。
【0048】そして、ローラ11の公転運動にともなっ
て、ローラ外周壁のシリンダ5内周壁に対する転接部位
は、シリンダの周方向に沿って漸次移動することとな
る。上記ローラ11の外周面には、副軸受け8取付け側
端部から主軸受け6取付け側端部へ徐々にピッチを小と
する螺旋状溝14が設けられ、この溝には螺旋状のブレ
ード15が出入り自在に巻装される。
【0049】上記ブレード15は、たとえば弗素樹脂な
ど高滑性素材が用いられ、その内径寸法はローラ11の
外径寸法よりも大に形成される。すなわち、ブレード1
5は強制的に直径を縮小した状態で螺旋状溝14に嵌め
込まれており、その結果、ローラ11ごとシリンダ5内
に組み込まれた状態でブレード15の外周面が常にシリ
ンダ内周壁に弾性的に当接するよう膨出変形している。
【0050】上述したように、ローラ11が公転運動し
てシリンダ5に対する転接位置が移動すると、転接部位
が接近するのにともなってブレード15は螺旋状溝14
内に没入し、転接位置でブレード外周面はローラ外周面
と完全に同一になる。
【0051】逆に、転接部位が通過すれば、ここからの
距離に応じてブレード15は螺旋状溝14から突出し、
転接部位とは軸芯bを介して180°対向する部位で、
ブレード15の突出長さが最大になる。この後は、再び
転接部位に接近して行くので、上述の作用になる。
【0052】上記シリンダ5とローラ11を径方向に沿
って断面してみると、シリンダ5に対してローラ11が
偏心して収容され、かつローラの周面一部がシリンダに
転接状態にあるところから、これらシリンダとローラと
の間に三ケ月状の空間部が形成されることになる。
【0053】上記空間部を軸方向に沿ってみると、ロー
ラ11の螺旋状溝14にブレード15が巻装され、その
外周面がシリンダ5内周壁に転接しているところから、
ローラとシリンダとの間はブレードによって複数の空間
部に仕切られる。
【0054】これら仕切られた空間部を圧縮室16…と
呼ぶ。各圧縮室16の容積は、上記螺旋状溝14の設定
から、副軸受け8側端部から主軸受け6側端部に亘っ
て、徐々に容積が小となる。
【0055】一方、上記密閉ケース1を構成する蓋板1
cには、吸込み管17が貫通して設けられるとともに、
この近傍位置に吐出管18が接続される。上記吸込み管
17は冷凍サイクルを構成する蒸発器に連通され、上記
吐出管18は同じく冷凍サイクルを構成する凝縮器に連
通される。(いずれも図示しない)上記密閉ケース蓋板
1cを貫通する吸込み管17は、密閉ケース1内部にお
いて、上記副軸受け8に設けられる接続部8aに接続さ
れる。この接続部8aは、副軸受け8のシリンダ5接合
面に開口している。上記吐出管18は、その開口端を密
閉ケース1内に臨ませられる。
【0056】上記副軸受け接続部8aの対向端に対向す
るシリンダ5の鍔部5b部位には、凹陥部19が設けら
れ、吸込み管17から導かれるガスを一旦溜められるよ
うになっている。
【0057】一方、図3(B),(C)に示すように、
ローラ11の一端部にはガス通路用凹部20が設けられ
る。このガス通路用凹部20は、公転運動をなすローラ
11がどの位置にあっても、シリンダ5に設けられる上
記凹陥部19と対向する。
【0058】したがって、図1にも示すように、これら
ガス通路用凹部20と凹陥部19とで、吸込み管17か
ら導かれたガスを一旦貯溜する、容積の大きなバッファ
部21が形成されることになる。
【0059】再び図3に示すように、上記ガス通路用凹
部20と同一部位にほぼ矩形状の凹部22が設けられて
いて、この軸方向に沿う反対側の端部周面にも同様の凹
部22が設けられている。
【0060】これら凹部22,22は、また、ローラ1
1の螺旋状溝14端部に対向する位置にある。すなわ
ち、圧縮機として組立てられた状態で、各凹部22と対
向するシリンダ5部位には、図示しないブレードストッ
パが取付けられ、上記ブレード15の螺旋状溝14から
抜出を規制する。
【0061】同図(A)に示される一対の溝23,23
は、上記オルダム機構13を構成する部品が掛合するた
めのオルダム溝である。再び図1に示すように、上記主
軸受け6の側面部には吐出用孔24が設けられる。この
吐出用孔24を介して、シリンダ5およびローラ11側
端空間部と、電動機部4側空間部とが連通される。
【0062】上記螺旋状溝14のピッチの設定から、上
記バッファ部21が設けられる側の圧縮室16が吸込み
部Aとなり、これと反対側の吐出用孔24が設けられる
側の圧縮室16が吐出部Bとなる。
【0063】そして、上記主軸受け6とクランクシャフ
ト9およびローラ11とで囲繞される、第1の空間部2
5が形成される。クランクシャフト9とローラ11とで
囲繞される、第2の空間部26が形成される。副軸受け
8とクランクシャフト9およびローラ11とで囲繞され
る、第3の空間部27が形成される。
【0064】上記クランクシャフト9の副軸受け8側端
面から中途部である主軸受け6の枢支部分に亘り、かつ
クランクシャフトの軸芯に沿って案内用孔28が設けら
れる。この案内用孔28の開口端と、副軸受け8のシャ
フト枢支部開口端は、副軸受け端面に固定具29を介し
て取付けられる閉塞板30によって閉塞される。
【0065】上記案内用孔28とクランクシャフト9外
周面とは、後述する複数のガス用孔および油用孔で連通
される。すなわち、第1のガス用孔31は、上記第1の
空間部25と連通する部位に設けられる。第2のガス用
孔32は、上記第3の空間部27と連通する部位に設け
られる。
【0066】第1の油用孔33は、副軸受け8の枢支部
に対して開口される。第2の油用孔34は、第2のクラ
ンク部9bの周面に開口され、ローラ11の第2の内腔
枢支部12bに対向している。
【0067】第3の油用孔35は、第1のクランク部9
aの周面に開口され、ローラの第1の内腔枢支部12a
に対向している。第4の油用孔36は、主軸受け6の枢
支部に対して開口される。上記案内用孔28とともに、
第1ないし第4の油用孔33ないし36からなる給油通
路Sが構成される。
【0068】特に第3の油用孔35は、図4に示すよう
に、第1のクランク部9a周面一部に沿って設けられる
油案内溝35aに連通していて、ここに潤滑油を溜めら
れるようになっている。
【0069】なお、油案内溝35aは第1のクランク部
9a周面一部に設けられるばかりでなく、図5に示すよ
うに、クランク部9aの周面に沿って設けられる油案内
溝35bであってもよい。
【0070】再び図1に示すように、上記密閉ケース1
の内底部には潤滑油を集溜する油溜り部37が形成され
る。この油溜り部37の潤滑油中に、副軸受け具8のシ
ャフト枢支部に接続される油吸上げ管38が浸漬され
る。
【0071】この油吸い上げ管38の接続部は、副軸受
け8枢支部の内周面であるクランクシャフト9の摺接面
に連通している。これらと対向するクランクシャフト部
位には、給油ポンプ部39が設けられる。
【0072】ローラ11の第2の内腔枢支部12bに
は、この左右両側面に開口され貫通する複数の油逃げ用
連通孔40が設けられる(図2にも示す)。この油逃げ
用連通孔40は、上記第2の空間部26と第3の空間部
27とを互いに連通する。
【0073】上記ローラ11の特に第1の内腔枢支部1
2aには、その内周面から上記螺旋状溝14底面に亘っ
て油案内孔41が設けられる。この第1の内腔枢支部1
2aと掛合するクランクシャフト9の第1のクランク部
には、上記油案内溝35aが設けられるところから、ク
ランクシャフトの1回転中に必ず1度は油案内溝35a
が油案内孔41に連通するようになっている。
【0074】上記ローラ11の吐出部B側端部には、こ
の内周面から外周面に亘って油逃げ孔42が設けられ
る。上記ケース本体1aに圧入されるシリンダ5の鍔部
5aには、図の上部側にガス案内孔43が設けられ、下
部側の油溜まり部37の潤滑油に浸漬される部位には油
案内孔44が設けられる。
【0075】各案内孔43,44とも、鍔部5a両側面
を貫通して設けられ、この鍔部によって仕切られる密閉
ケース1内部を連通する。すなわち、ガス案内孔43は
上記吐出部Bから吐出される高圧ガスを導通案内するた
めのものであり、油案内孔44は上記油溜まり部37の
潤滑油を導通案内するためのものである。
【0076】一方、上記電動機部4は、主軸受け6から
突出するクランクシャフト9の回転軸部9Zに嵌着され
るロータ45と、このロータの外周面と所定の間隙を存
して上記ケース本体1a内周面に嵌着されるステータ4
6とから構成される。
【0077】このようにして構成されるヘリカルブレー
ド式圧縮機であり、電動機部4に通電してロータ45と
ともにクランクシャフト9を一体に回転駆動する。この
クランクシャフト9の回転力は、第1,第2のクランク
部9a,9bを介してローラ11に伝達される。
【0078】すなわち、クランク部9a,9bが偏心し
て設けられており、ここにローラ11の内腔枢支部12
a,12bが回転自在に掛合しているので、ローラ11
はクランク部に押される。しかも、クランクシャフト9
とローラ11との間に架設されるオルダム機構13はロ
ーラの自転を規制するところから、ローラは公転運動を
なす。
【0079】その一方で、吸込み管17から低圧の冷媒
ガスが吸込まれ、シリンダ5とローラ11とで形成され
るバッファ部21に一時的に溜められる。そして、吸込
み部A側の圧縮室16に導かれる。
【0080】ローラ11の公転運動にともなって、ロー
ラのシリンダ5内周面に対する転接位置が周方向に漸次
移動し、ブレ−ド15は螺旋状溝14に対して出入りす
る。すなわち、ブレード15はローラの径方向に突没移
動する。
【0081】吸込み部A側の圧縮室16に導かれた冷媒
ガスは、ブレード15が螺旋状に形成されるところか
ら、ローラ11の公転運動にともなって吐出部B方向の
圧縮室16に順次移送される。
【0082】上記ブレード15は吸込み部Aから吐出部
B側へ順次ピッチが小さくなるよう設定されており、こ
のブレードによって仕切られる圧縮室16の容積は順次
縮小されるので、冷媒ガスは圧縮室を順次移送される間
に圧縮され、最も吐出部B側の圧縮室において所定圧ま
で上昇し高圧化する。
【0083】高圧ガスは、吐出部Bの圧縮室16から吐
出され、第1の空間部25に充満してから、主軸受け6
に設けられる吐出用孔24を介して電動機部4側の空間
部に導かれる。そして、シリンダ5の鍔部5aに設けら
れるガス案内孔43を介して圧縮機構部3側の空間部に
導かれ充満する。
【0084】この空間部には吐出管18の開口端が対向
しているところから、高圧ガスは吐出管に導かれ、ここ
から凝縮器へ導出される。なお、ローラ11の一方の端
部に吐出部Bが形成され、他方の端部に吸込み部Aが形
成されるので、吐出部Bから吸込み部A方向へスラスト
力が発生し、ローラの吸込み部A側の端面が副軸受け8
に摺接し易い状態となる。
【0085】しかしながら、この発明の特徴であるロー
ラ11を公転運動することにより、ローラの周速が小さ
くてすみ、圧縮効率に影響を与えるがごとき摺動損失の
発生がない。
【0086】しかも、吐出部Bから吐出されて、第1の
空間部25に充満する高圧ガスの一部は、クランクシャ
フト9に設けられる第1のガス用孔31を介してシャフ
トの軸芯に沿って設けられる案内用孔28に導かれる。
【0087】高圧ガスは、案内用孔28から第2のガス
用孔32を介して第3の空間部27に導かれて充満し、
この全周面に吐出圧を付与する。ただし、空間部27を
構成するクランクシャフト9と副軸受け8は、軸方向お
よび径方向とも、その位置が規制されているので、吐出
圧の影響は全く受けない。
【0088】同様に空間部27を構成する上記ローラ1
1は、上記クランク部9a,9bと掛合しているので径
方向の吐出圧の影響は受けないものの、自由に公転運動
しなければならないので、軸方向には影響を受けてしま
う。
【0089】しかしながら、吸込み部Aと同位置の第3
の空間部27に吐出圧が導かれるので、ローラ11の両
側部はバランスし、ローラが受けるスラスト損失が低減
して、入力をさらに小さくできる。
【0090】なお、吸込み部Aの吸込み圧力と、この内
周側の第3の空間部27の吐出圧力とのガスシールは、
ローラ11と副軸受け8とのスラスト摺動面によるオイ
ルシールで行われる。
【0091】一方、クランクシャフト9の回転にともな
って給油ポンプ部39が作動し、油溜まり部37の潤滑
油を油吸い上げ管38を介して吸い上げる。吸い上げら
れた潤滑油は、クランクシャフトの軸芯に沿って設けら
れる案内用孔28に導かれ、さらに第1ないし第4の油
用孔33ないし36からなる給油通路Sを介して、クラ
ンクシャフトとその摺接面に給油され、これらの潤滑性
を確保する。
【0092】このように、本発明におけるヘリカルブレ
ード式の圧縮機構部3は、固定のシリンダ5に対してロ
ーラ11を公転運動させるところから、従来から提案さ
れるピストンとシリンダとが同期して回転するヘリカル
ブレード式の圧縮機構と比較して、ローラ11の周速が
小さくなる。したがって、ローラ11のスラスト面にお
ける摺動損失の低減を得られ、代って圧縮効率の向上が
図られる。
【0093】ローラ11に設けられる螺旋状溝14を1
条とし、ここに出入り自在に嵌め込まれるブレード15
を1組としたので、ローラに対するスラスト力がバラン
スし難い状態となるが、ローラを公転運動させて周速を
小さくしたので、摺動損失を最大限抑制できる。
【0094】クランクシャフト9は、その一方の端部に
電動機部4が連結され、この端部は主軸受け6、反対側
の端部は副軸受け8によって回転自在に枢支され、かつ
副軸受け側の圧縮室16を吸込み部A、主軸受け側の圧
縮室を吐出部Bとしたので、スラスト力がバランスし
て、一定のスラスト力が副軸受けに働き、ローラが軸方
向に安定して保持され、異音の発生がない。
【0095】上記オルダム機構13は、吐出部B側に設
けられる。ローラ11はスラスト力によって反対側の吸
込み部A側へ付勢されるので、オルダム機構13へは荷
重がかからずにすむ。したがって、オルダム機構13は
円滑に作用して、ローラ11の自転を確実に規制でき
る。
【0096】上記ローラ11の吸込み部A側の内腔であ
る第3の空間部27に吐出圧を導入したから、ローラに
発生するスラスト力をさらに小さくでき、スラスト損失
を低減して入力が減少する。
【0097】ローラ11を円筒体とし、この内周部に直
径φD2 ,φD3 の内腔部12を形成し、さらにこれよ
りも直径の小さい直径φD1 の第1,第2の内腔枢支部
12a,12bを形成して、クランクシャフト9の第
1,第2のクランク部9a,9bと摺動させるようにし
たから、ローラの重量を最大限軽減化でき、したがって
振動の低減に寄与する。
【0098】上記クランクシャフト9の第1,第2のク
ランク部9a,9bと、ローラ11の第1,第2の内腔
枢支部12a,12bとの摺接部は、ローラの軸方向の
中央部から左右均等の距離を存した位置に設定してあ
る。
【0099】このことから、ローラ11を公転運動させ
る作用点が、軸方向の中央部に位置して、ローラに対す
る転覆モーメントが低減する。すなわち、ローラの摺動
損失が低減して、スラスト入力の低減化を得られる。
【0100】なお、クランクシャフト9とローラ11の
摺接部を、ローラの軸方向中央部に1箇所のみ設けて
も、同様の作用効果が得られることは、言うまでもな
い。上記クランクシャフト9は、主軸受け6枢支部と副
軸受け8枢支部との間の周面にカウンタバランス9cお
よびカウンタバランサ10を設けた。その結果、ローラ
11の公転運動によるアンバランスを打ち消し合い、振
動を低減できる。
【0101】上記ローラ11は、鉄よりも比重の軽い素
材、たとえばアルミ材から選択される。したがって、ロ
ーラ11の重量を軽減し、振動の低減を得られる。上記
クランクシャフト9の副軸受け8枢支側端部に給油ポン
プ部39を設けて潤滑油を吸い上げる。クランクシャフ
ト9は、吸い上げた潤滑油を各摺接部に導く案内用孔2
8などからなる給油通路Sを備えている。
【0102】このことから、設計的に余裕が生じるとと
もに、ローラ11が周速の小さい公転運動をなす構成で
あっても、クランクシャフト9の回転にともなって十分
な量の潤滑油を給油でき、潤滑性を確保する。
【0103】上記クランクシャフト9の案内用孔29
に、第1のクランク部9a周面に連通する第3の油用孔
35と油案内溝35aが設けられ、ローラ11の第1の
内腔枢支部12aに螺旋状溝14底面に連通する油案内
孔41が設けられる。
【0104】したがって、第3の油用孔35と油案内孔
41は、クランクシャフト9の一回転中に少なくとも1
度は互いに一致することとなり、これらの摺接部は常時
油膜が形成されてガスシールされる。圧縮室16に対す
るガスシールが向上し、ブレード15の信頼性の向上が
得られる。
【0105】上記ローラ11の第2の内腔枢支部12b
に、この両側面に開口する油逃げ用連通孔40が設けら
れる。すなわち、この油逃げ用連通孔40を潤滑油が連
通して、潤滑油が一部に偏って溜まることを防止する。
【0106】上記シリンダ5の鍔部5bに凹陥部19が
設けられ、ローラ11にはガス通路用凹部20が設けら
れて、これらでバッファ部21が形成される。このバッ
ファ部21は、吸込み管17から導かれたガスを一旦貯
溜する、容積の大きな空間部となる。したがって、吸込
み部A側のガス通路の断面積が拡大して、十分な量のガ
スを圧縮室16に供給でき、圧縮機の体積効率の向上が
図れる。
【0107】なお、上記実施例においては、ローラ11
を公転運動させるにクランクシャフト9の回転駆動力を
変換して得るようにしたが、これに限定されるものでは
なく、ローラの内部に電動機部を収容し、公転運動に変
換するようにしてもよい。
【0108】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、ローラを、シリンダ内で公転運動させる駆動手段
を備えた。請求項2の発明によれば、上記駆動手段は、
ローラに対して摺動自在で、かつローラをシリンダ内で
偏心して移動させるクランク部を有するクランクシャフ
トとした。
【0109】請求項3として、ローラの周面に螺旋状溝
を1条設け、ここに出入り自在に嵌め込まれるブレード
は1組とした。したがって、これら請求項1ないし請求
項3の発明によれば、ローラが公転運動をなすところか
らスラスト面の周速を小さくなり、摺動損失の低減と、
圧縮効率の向上を得られる効果を奏する。
【0110】請求項4の発明によれば、クランクシャフ
トの一方端部に電動機部を連結し、かつこの端部側を主
軸受け、反対側の端部を副軸受けによって枢支し、副軸
受け側を吸込み部、主軸受け側を吐出部Bとしたから、
スラスト力がバランスして、一定のスラスト力が副軸受
けに働き、ローラが軸方向に安定して保持されて、異音
の発生を抑制するという効果を奏する。
【0111】請求項5の発明によれば、オルダム機構を
吐出部側に設けたから、ローラはスラスト力によって吸
込み部側へ付勢されるので、オルダム機構へは荷重がか
からずにすむ。したがって、オルダム機構は円滑に作用
して、ローラの自転を確実に規制できる効果を奏する。
【0112】請求項6の発明によれば、円筒体からなる
ローラの内周部に内腔部を設け、吸込み部側内腔部に吐
出部から吐出される高圧ガスを導入するようにしたか
ら、ローラに発生するスラスト力をさらに小さくでき、
スラスト損失を低減して入力を減少できる効果を奏す
る。
【0113】請求項7の発明によれば、円筒体ローラの
内周部に段状に凹陥形成される内腔部を設け、クランク
シャフトのクランク部に摺接するようにしたから、ロー
ラの重量を最大限軽減化でき、したがって振動の低減に
寄与する効果を奏する。
【0114】請求項8の発明によれば、クランクシャフ
トのクランク部とローラ内腔部との摺接部は、ローラの
軸方向の中央部もしくは中央部から左右均等の距離を存
した位置に設定したから、ローラを公転運動させる作用
点が軸方向の中央部に位置して、ローラに対する転覆モ
ーメントが低減し、摺動損失が低減して、スラスト入力
の低減化を得られる効果を奏する。
【0115】請求項9記載の発明によれば、クランクシ
ャフトの主軸受け枢支部と副軸受け枢支部との間にカウ
ンタバランスを設けたから、ローラの公転運動によるア
ンバランスを打ち消し合い、振動を低減できる効果を奏
する。
【0116】請求項10記載の発明によれば、ローラ
は、鉄よりも比重の軽い素材を選択したから、ローラの
重量を軽減し、振動の低減を得られる効果を奏する。請
求項11記載の発明によれば、クランクシャフトの副軸
受け枢支部近傍に潤滑油を吸い上げる給油ポンプが設け
られ、この給油ポンプが吸い上げた潤滑油を各摺接部に
導く給油通路を設けたから、設計的に余裕が生じるとと
もに、ローラが周速の小さい公転運動をなす構成であっ
ても、クランクシャフトの回転にともなって十分な量の
潤滑油を給油でき、潤滑性を確保する。
【0117】請求項12記載の発明によれば、給油通路
として、クランク部周面に連通する油孔と、ローラの螺
旋状溝に連通する油孔を備え、これら油孔は、クランク
シャフトの一回転中に少なくとも1度は互いに一致する
位置に設けたから、クランクシャフトとローラの摺接部
は常時油膜が形成されてガスシールされ、圧縮室に対す
るガスシールと、ブレードの信頼性向上が得られる効果
を奏する。
【0118】請求項13記載の発明によれば、ローラと
クランクシャフトクランク部との摺接部は、両側面と開
口する油逃げ孔を設けたから、潤滑油が一部に偏って溜
まることを防止し、常に円滑な給油をなす効果を奏す
る。
【0119】請求項14記載の発明によれば、吸込み部
は、ローラ外周面とシリンダ内周面の少なくともいずれ
か一方に、吸込みガスを一時的に溜めるバッファ部を備
えたから、吸込み部側のガス通路の断面積が拡大して、
十分な量のガスを圧縮室に供給でき、圧縮機の体積効率
の向上が図れる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す、ヘリカルブレード
式圧縮機の縦断側面図。
【図2】(A)は、同実施の形態の、ローラの縦断面
図。(B)は、ローラの側面図。
【図3】(A)は、同実施の形態の、ローラの側面図。
(B)は、ローラの正面図。(C)は、ローラの一部省
略した横断面図。
【図4】(A)は、同実施の形態の、クランクシャフト
の一部正面図。(B)は、クランクシャフトの側面図。
【図5】(A)は、他の実施の形態の、クランクシャフ
トの一部正面図。(B)は、クランクシャフトの側面
図。
【符号の説明】
5…シリンダ、 11…ローラ、 14…螺旋状溝、 16…圧縮室、 15…ブレード、 9…クランクシャフト、 9a,9b…(第1,第2の)クランク部、 4…電動機部、 6…主軸受け、 8…副軸受け、 A…吸込み部、 B…吐出部、 13…オルダム機構、 12…内腔部、 12a,12b…(第1,第2の)内腔枢支部、 28…案内用孔、 9c…カウンタバランス部、 10…カウンタバランサ、 39…給油ポンプ部、 35…第3の油用孔、 S…給油通路、 41…油案内孔、 40…油逃げ用連通孔、 21…バッファ部。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダと、このシリンダ内に偏心配置さ
    れたローラと、このローラの周面に沿って設けられた螺
    旋状溝と、この螺旋状溝に出入り自在に嵌め込まれシリ
    ンダとの空間を複数の圧縮室に区画形成する螺旋状のブ
    レードとを備えたヘリカルブレード式圧縮機において、 上記ローラを、シリンダ内で公転運動させる駆動手段を
    備えたことを特徴とするヘリカルブレード式圧縮機。
  2. 【請求項2】ローラをシリンダ内で公転運動させる上記
    駆動手段は、上記ローラに対して摺動自在に設けられ、
    ローラを上記シリンダ内で偏心して移動させるクランク
    部を有するクランクシャフトであることを特徴とする請
    求項1記載のヘリカルブレード式圧縮機。
  3. 【請求項3】上記ローラの周面に設けられる螺旋状溝は
    1条であって、ここに突没自在に嵌め込まれる上記螺旋
    状のブレードは1組であることを特徴とする請求項1記
    載のヘリカルブレード式圧縮機。
  4. 【請求項4】上記クランクシャフトは、その一方の端部
    にクランクシャフトを回転駆動する電動機部が連結さ
    れ、 この電動機部側の上記クランクシャフト端部は主軸受け
    によって回転自在に枢支され、電動機部とは反対側の上
    記クランクシャフト端部は副軸受けによって回転自在に
    枢支され、 上記副軸受け側の上記圧縮室を吸込み部、上記主軸受け
    側の上記圧縮室を吐出部としたことを特徴とする請求項
    2記載のヘリカルブレード式圧縮機。
  5. 【請求項5】上記ローラの吐出部側に、クランクシャフ
    トの回転駆動を受けて公転運動する上記ローラの自転を
    防止するオルダム機構を備えたことを特徴とする請求項
    4記載のヘリカルブレード式圧縮機。
  6. 【請求項6】上記ローラは円筒体であり、この円筒体ロ
    ーラの内周部に凹陥形成される内腔部が設けられ、上記
    吸込み部側内腔部に上記吐出部から吐出される高圧ガス
    を導入することを特徴とする請求項4記載のヘリカルブ
    レード式圧縮機。
  7. 【請求項7】上記ローラは円筒体であり、この円筒体ロ
    ーラの内周面に段状に凹陥形成される内腔部が設けら
    れ、上記クランクシャフトのクランク部は上記内腔部の
    うちの軸芯側に突出形成される内腔枢支部に摺接するこ
    とを特徴とする請求項4記載のヘリカルブレード式圧縮
    機。
  8. 【請求項8】上記クランクシャフトクランク部とローラ
    内腔枢支部との摺接位置は、ローラの軸方向の中央部も
    しくは中央部から左右均等の距離を存した位置に設定し
    たことを特徴とする請求項7記載のヘリカルブレード式
    圧縮機。
  9. 【請求項9】上記クランクシャフトは、上記主軸受けの
    枢支部と上記副軸受け枢支部との間の周面にカウンタバ
    ランスを設けたことを特徴とする請求項4記載のヘリカ
    ルブレード式圧縮機。
  10. 【請求項10】上記ローラは、鉄よりも比重の軽い素材
    からなることを特徴とする請求項1記載のヘリカルブレ
    ード式圧縮機。
  11. 【請求項11】上記クランクシャフトの副軸受け枢支部
    近傍に潤滑油を吸い上げる給油ポンプが設けられ、 上記クランクシャフトに、上記給油ポンプが吸い上げた
    潤滑油を各摺接部に導く給油通路が設けられることを特
    徴とする請求項4記載のヘリカルブレード式圧縮機。
  12. 【請求項12】上記クランクシャフトに設けられる給油
    通路は、上記クランク部周面に連通する油孔が設けら
    れ、 上記ローラは、上記クランクシャフトのクランク部との
    摺接部に上記螺旋状溝に連通する油孔が設けられ、 クランクシャフトの油孔とローラの油孔は、クランクシ
    ャフトの一回転中に少なくとも1度は互いに一致する位
    置に設けられることを特徴とする請求項11記載のヘリ
    カルブレード式圧縮機。
  13. 【請求項13】上記ローラとクランクシャフトクランク
    部との摺接部は、その両側面に開口する油逃げ孔が貫通
    して設けられることを特徴とする請求項7記載のヘリカ
    ルブレード式圧縮機。
  14. 【請求項14】上記吸込み部は、ローラ外周面とシリン
    ダ内周面の少なくともいずれか一方に、吸込みガスを一
    時的に溜めるバッファ部を備えたことを特徴とする請求
    項4記載のヘリカルブレード式圧縮機。
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