JP3535675B2 - 流体圧縮機 - Google Patents

流体圧縮機

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JP3535675B2
JP3535675B2 JP28832596A JP28832596A JP3535675B2 JP 3535675 B2 JP3535675 B2 JP 3535675B2 JP 28832596 A JP28832596 A JP 28832596A JP 28832596 A JP28832596 A JP 28832596A JP 3535675 B2 JP3535675 B2 JP 3535675B2
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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/08Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing
    • F04C18/10Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing of internal-axis type with the outer member having more teeth or tooth equivalents, e.g. rollers, than the inner member
    • F04C18/107Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing of internal-axis type with the outer member having more teeth or tooth equivalents, e.g. rollers, than the inner member with helical teeth

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば冷凍サイ
クル装置に用いられ、作動流体としての冷媒ガスを圧縮
する流体圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より多用されるレシプロ方式、ロ―
タリ方式等、各種の圧縮機には、回転力を圧縮機部に伝
達するクランクシャフト等の駆動部や、圧縮部の構造が
複雑であり、部品点数が多い。
【0003】そして、圧縮効率を高めるために、吐出側
に逆止弁を設ける必要があるが、この逆止弁の両サイド
の圧力差は非常に大きいため、逆止弁からガスがリ―ク
し易く圧縮効率が低い。
【0004】このような問題を解消するためには、各部
品の寸法精度や組立精度を高める必要があり、その結
果、製造コストが高くなるなどの不具合がある。そこで
近時、ヘリカルブレード式圧縮機とも呼ばれる流体圧縮
機が提案されている。これは、回転駆動源に連結される
シリンダ内に回転体であるピストンが偏心して配置さ
れ、シリンダ内で旋回駆動される。このピストンの周面
には螺旋状溝が設けられ、ここにブレードが出入り自在
に巻装される。
【0005】上記ブレードとピストン周面およびシリン
ダ内周面との間に圧縮室が形成されていて、冷凍サイク
ルにおける作動流体である冷媒ガスを上記圧縮室の一端
部に吸込んで、他端部側に徐々に移送しながら圧縮する
ようになっている。
【0006】この種の圧縮機によれば、従来の圧縮機に
おける上述のごとき不具合を除去でき、比較的簡単な構
成によりシ―ル性を向上させて効率の良い圧縮が可能で
あるとともに、部品の製造および組立が容易となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の流
体圧縮機では、シリンダの一方の端部が高圧の吐出部、
他方の端部が低圧の吸込み部となるので、高圧側である
吐出部端部から低圧側である吸込み部端部の方向へスラ
スト力が発生する。
【0008】したがって、シリンダのスラスト方向であ
る吸込み部側の端面が、シリンダを枢支する軸受け具側
面に摺接し易く、この部位への給油は欠かせないものと
なっている。
【0009】従来の構成は、特に、上記ローラ内周の吸
込み側を密閉空間とし、ここに潤滑油を集溜することに
より、シリンダと軸受け具との摺接部へ潤滑油を確実に
供給するようになっている。
【0010】ところが、この密閉空間には、ピストンの
偏心回転のバランスをとるためのバランサが位置してお
り、ピストンとともに回転して密閉空間に集溜される潤
滑油を掻き回す。
【0011】潤滑油は密閉空間で撹拌される上に逃げ場
を失い、乱流状態となって上記ローラに対して波動的な
圧力をかける。その影響で、圧縮機構部における振動が
大になり、圧縮機と配管の接続部が振動するばかりでな
く運転騒音が大になる。また、潤滑油は密閉空間に集溜
されているので、油温が上昇して劣化が促進される。
【0012】本発明は上記事情にもとづいてなされたも
のであり、その目的とするところは、スラスト面に対す
る給油を確保するとともに、振動を低減して静粛運転を
なし、しかも潤滑油の劣化を防止して圧縮効率の向上に
寄与する流体圧縮機を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
第1の発明の流体圧縮機は、請求項1として、シリンダ
と、このシリンダ内に偏心配置され、シリンダ内を旋回
運動するローラと、このローラとシリンダとの空間を複
数の圧縮室に区画形成する螺旋状のブレードとを備えた
流体圧縮機において、上記ローラは、このローラ内部空
間に供給される潤滑油を外部に逃がす連通孔を具備した
ことを特徴とする。
【0014】請求項2として、請求項1において上記連
通孔は、上記ローラの中心を対称とした位置に複数設け
られることを特徴とする。請求項3として、請求項1に
おいて上記連通孔は、上記ローラの重心がローラの中心
位置とずれている場合において、ローラの重心側に設け
られる。
【0015】請求項4として、請求項1において上記シ
リンダとローラおよび他の構成部品は、その軸芯が水平
方向に向けて配置され、上記連通孔は、ローラの軸芯よ
りも上方部位に設けられることを特徴とする。
【0016】請求項5として、請求項4において上記ロ
ーラは、その軸芯よりも下方部位に、一側部が開口しな
い孔部が設けられることを特徴とする。上記目的を達成
するため第2の発明の流体圧縮機は、請求項6として、
シリンダと、このシリンダ内に偏心配置されるローラ
と、このローラをシリンダ内に旋回駆動するシャフト
と、このシャフトを軸支する軸受けと、上記ローラの周
面とシリンダとの空間を複数の圧縮室に区画形成する螺
旋状のブレードとを備えた流体圧縮機において、上記シ
ャフトを軸支する軸受けは、上記ローラ内部空間に供給
される潤滑油を外部へ逃がす連通孔を具備したことを特
徴とする。
【0017】請求項7として、請求項6において上記シ
リンダとローラおよび他の構成部品は、その軸芯が水平
方向に向けて配置され、上記連通孔は、上記軸受けの軸
芯よりも上方部位に設けられることを特徴とする。
【0018】このような課題を解決する手段を備えるこ
とにより、請求項1および請求項2の発明では、ローラ
のスラスト力により押し付けられる部位に対して常に確
実な給油がなされ、かつローラに設けられる連通孔を介
してローラの内部空間が開放空間となるので、潤滑油が
撹拌されても振動源とならずにすむ。
【0019】請求項3の発明では、さらに加えて、ロー
ラの重心がずれていても、連通孔を設けることにより重
心を中心位置にほぼ一致させられる。請求項4の発明で
は、いわゆる横置き形の圧縮機であり、連通孔の位置を
限定して潤滑油の集溜を確保する。
【0020】請求項5の発明では、いわゆる横置き形の
圧縮機であり、連通孔の位置を限定して潤滑油の集溜を
確保するとともに、ローラの重心がずれていても、一側
部が開口しない孔部を設けることにより重心を中心位置
にほぼ一致させられる。
【0021】請求項6の発明では、ローラのスラスト力
により押し付けられる部位に対して常に確実な給油がな
され、軸受けに設けた連通孔を介してローラの内部空間
が開放空間となるので、潤滑油が撹拌されても振動源と
ならずにすむ。請求項7の発明では、さらに加えて、い
わゆる横置き形の圧縮機で連通孔の位置を限定して潤滑
油の集溜を確保する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面にもとづいて説明するに、ここに開示されるヘリカル
ブレード式圧縮機は、たとえば空気調和機の冷凍サイク
ルに用いられるものとする。
【0023】図1に示すように、密閉ケース1は、軸方
向を水平方向に向け両端が開口するケース本体1aと、
このケース本体1aの一端開口部を閉塞する上蓋1b
と、他端開口部を閉塞する蓋板1cとから構成される。
【0024】この密閉ケース1内には、圧縮機構部3お
よび電動機部4が収容される。すなわち、密閉ケース1
の軸方向ほぼ中央部を境に、図において右側の部分が圧
縮機構部3、左側の部分が電動機部4となる。
【0025】上記圧縮機構部3は、両側端が開口する中
空筒体であり、かつその両側端の外周面に一対の鍔部5
a,5bが突設されたシリンダ5を有している。このシ
リンダ5の少なくとも一方の鍔部5aは、上記密閉ケー
ス1を構成するケース本体1aに圧入嵌着され、シリン
ダの位置決め固定がなされている。
【0026】上記シリンダ5の一方側(図の左側)の側
面には、主軸受け6が固定具7を介して取付け固定さ
れ、シリンダの開口部が閉成される。他方側(図の右
側)の側面には、副軸受け8が固定具を介して取付け固
定され、シリンダの開口部が閉成される。
【0027】このような主軸受け6と副軸受け8の軸芯
に沿ってクランクシャフト9が挿通され、回転自在に枢
支される。上記クランクシャフト9は、主軸受け6と副
軸受け8との間であるシリンダ5内に貫通するばかりで
なく、主軸受け6から図の左側方向に突設され、電動機
部4の回転軸部9Zを構成する。
【0028】上記クランクシャフト9についてなお説明
すると、圧縮機構部3における長手方向のほぼ中央部
で、かつクランクシャフト軸芯aとは所定寸法eだけ偏
心した軸芯bのクランク部9aが一体に設けられる。
【0029】このクランク部9aのさらに図の左側部位
に隣接して、カウンタバランス部9cがクランクシャフ
トと一体に設けられる。このカウンタバランス部9c
は、上記第1のクランク部9aの偏心突出方向とは軸芯
を介して反対側の周面部位に偏心している。
【0030】また、クランク部9aの右側部位に隣接し
て、クランクシャフト9とは別体のカウンタバランサ1
0が嵌着される。このカウンタバランサ10は、クラン
ク部9aの偏心突出方向とは反対側の周面部位に偏心し
ている。
【0031】このようなクランクシャフト9と上記シリ
ンダ5との間には、その材質が鉄よりも比重の小さな、
たとえばアルミニュウム合金からなるローラ11が介在
される。このローラ11は、両端が開口する円筒体であ
り、軸方向長さはシリンダの軸方向長さと一致する。
【0032】ローラ11の内周部には段状の内腔部12
が形成されていて、特に、上記クランクシャフト9のク
ランク部9aと対向する部位は、このクランク部と同一
幅で、かつ外周面と回転自在に摺接する内腔枢支部12
aとなっている。
【0033】このことにより、ローラ11の軸芯bはク
ランク部9aの軸芯bと一致し、シリンダ5などの軸芯
aに対してe寸法だけ偏心していることになる。そし
て、ローラ11の外周壁一部はシリンダ5の内周壁一部
に軸方向に沿って転接するように寸法設定されている。
【0034】上記ローラ11の主軸受け6側端部と、ロ
ーラ11部位との間には、オルダム機構13が介設され
る。このオルダム機構13は、ローラ11の自転を規制
するものである。
【0035】すなわち、クランクシャフト9が回転する
と、ここに設けられるクランク部9aが偏心回転をな
し、かつこのクランク部の外周面に枢支されるローラ1
1が偏心移動である旋回運動をなす。そして、ローラ1
1の旋回運動にともなって、ローラ外周壁のシリンダ5
内周壁に対する転接部位は、シリンダの周方向に沿って
漸次移動することとなる。
【0036】上記ローラ11の外周面には、副軸受け8
取付け側端部から主軸受け6取付け側端部へ徐々にピッ
チを小とする螺旋状溝14が設けられ、この溝には螺旋
状のブレ−ド15が出入り自在に巻装される。
【0037】上記ブレード15は、たとえば弗素樹脂な
ど高滑性素材が用いられ、その内径寸法はローラ11の
外径寸法よりも大に形成される。すなわち、ブレード1
5は強制的に直径を縮小した状態で螺旋状溝14に嵌め
込まれており、その結果、ローラ11ごとシリンダ5内
に組み込まれた状態でブレード15の外周面が常にシリ
ンダ内周壁に弾性的に当接するよう膨出変形している。
【0038】上述したように、ローラ11が旋回運動し
てシリンダ5に対する転接位置が移動すると、転接部位
が接近するのにともなってブレード15は螺旋状溝14
内に没入し、転接位置でブレード外周面はローラ外周面
と完全に同一になる。
【0039】逆に、転接部位が通過すれば、ここからの
距離に応じてブレード15は螺旋状溝14から突出し、
転接部位とは軸芯bを介して180°対向する部位で、
ブレード15の突出長さが最大になる。その後は、再び
転接部位に接近して行くので、上述の作用になる。
【0040】上記シリンダ5とローラ11を径方向に沿
って断面してみると、シリンダ5に対してローラ11が
偏心して収容され、かつローラの周面一部がシリンダに
転接状態にあるところから、これらシリンダとローラと
の間に三ケ月状の空間部が形成される。
【0041】一方、上記空間部を軸方向に沿ってみる
と、ローラ11の螺旋状溝14にブレード15が巻装さ
れ、その外周面がシリンダ5内周壁に転接しているとこ
ろから、ローラとシリンダとの間はブレードによって複
数の空間部に仕切られる。
【0042】これら仕切られた空間部を圧縮室16…と
呼ぶ。各圧縮室16の容積は、上記螺旋状溝14の設定
から、副軸受け8側端部から主軸受け6側端部に亘っ
て、徐々に容積が小となる。
【0043】一方、上記密閉ケース1を構成する蓋板1
cには、吸込み管17が貫通して設けられるとともに、
この近傍位置に開口端部を密閉ケース1内に望ませられ
た吐出管18が接続される。上記吸込み管17は冷凍サ
イクルを構成する蒸発器に連通され、上記吐出管18は
同じく冷凍サイクルを構成する凝縮器に連通される。
(いずれも図示しない) 上記密閉ケース蓋板1cを貫通する吸込み管17は、密
閉ケース1内部において、上記副軸受け8に設けられる
接続部8aに接続される。この接続部8aは、副軸受け
8のシリンダ5接合面に開口している。
【0044】上記副軸受け接続部8aと対向するシリン
ダ5の鍔部5b部位には凹陥部19が設けられていて、
上記吸込み管17から導かれるガスを一旦溜められるよ
うになっている。
【0045】なお、ここでは図示しないが、ローラ11
の副軸受け8側端部外周面にはガス通路用凹部が設けら
れていて、公転運動をなすローラ11がどの位置にあっ
ても、シリンダ5に設けられる上記凹陥部19と対向す
る。
【0046】上記主軸受け6の側面部には吐出用孔24
が設けられる。この吐出用孔24を介して、シリンダ5
およびローラ11側端空間部と、電動機部4側空間部と
が連通される。
【0047】そして、上記ケース本体1aに圧入される
シリンダ5の各鍔部5a,5bと、上記副軸受け8の図
の上部側には、この両側面を貫通してガス案内孔43,
44が設けられる。
【0048】上記螺旋状溝14のピッチの設定から、上
記凹陥部19が設けられる側の圧縮室16が吸込み部A
となり、これと反対側の吐出用孔24が設けられる側の
圧縮室16が吐出部Bとなる。
【0049】上記クランクシャフト9のクランク部9a
と、ローラ12の内腔枢支部12aとの摺接部を境に、
主軸受け6とクランクシャフト9およびローラ11とで
囲繞される空間部を第1の空間部25と呼ぶ。また、副
軸受け8とクランクシャフト9およびローラ11とで囲
繞される空間部を第2の空間部26と呼ぶ。
【0050】上記密閉ケース1の内底部には、潤滑油を
集溜する油溜り部37が形成される。この油溜り部37
の潤滑油中に、副軸受け具8に設けられる油吸上げ路3
8が浸漬している。
【0051】この油吸上げ路38の上端部は、副軸受け
8枢支部の内周面であるクランクシャフト9の摺接面に
連通している。これらと対向するクランクシャフト部位
には、給油ポンプ部39が設けられる。
【0052】上記クランクシャフト9の副軸受け8側端
面から中途部である主軸受け6の枢支部分に亘り、かつ
クランクシャフトの軸芯に沿って案内用孔28が設けら
れる。この案内用孔28の開口端と、副軸受け8のシャ
フト枢支部開口端は、副軸受け端面に固定具29を介し
て取付けられる閉塞板30によって閉塞される。
【0053】上記案内用孔28とクランクシャフト9外
周面とは、複数の油用孔で連通される。すなわち、第1
の油用孔33は、副軸受け8の枢支部に対して開口され
る。第2の油用孔34は、バランサ10に設けられる油
用孔を介して第2の空間部26に対して開口される。第
3の油用孔35は、第1の空間部25に対して開口され
る。第4の油用孔36は、主軸受け6の枢支部に対して
開口される。
【0054】このようにして、上記案内用孔28ととも
に、第1ないし第4の油用孔33ないし36からなる給
油通路Sが構成される。なお、特に、第2,第3の油用
孔34,35は各空間部26,25に開口しているとこ
ろから、潤滑油ばかりでなくガスの流通も可能である。
【0055】上記クランクシャフト9のクランク部9a
には、第1の空間部25と第2の空間部26を連通する
連通孔27が設けられる。すなわち、連通孔27はクラ
ンク部9aの軸方向に沿って設けられ、その両端開口部
が各空間部25,26に臨ませられる。
【0056】一方、上記電動機部4は、主軸受け6から
突出するクランクシャフト9の回転軸部9Zに嵌着され
るロータ45と、このロータの外周面と所定の間隙を存
して上記ケース本体1a内周面に嵌着されるステータ4
6とから構成される。
【0057】このようにして構成される流体圧縮機であ
り、電動機部4に通電してロータ45とともにクランク
シャフト9を一体に回転駆動する。このクランクシャフ
ト9の回転力は、クランク部9aを介してローラ11に
伝達される。
【0058】すなわち、クランク部9aが偏心して設け
られており、ここに上記ローラ11の内腔枢支部12a
が回転自在に掛合しているので、ローラ11は旋回運動
をなす。
【0059】その一方で、吸込み管17から低圧の冷媒
ガスが吸込まれ、シリンダ5に形成される凹陥部19か
ら吸込み部A側の圧縮室16に導かれる。ローラ11の
旋回運動にともなって、ローラのシリンダ5内周面に対
する転接位置が周方向に漸次移動し、ブレ−ド15は螺
旋状溝14に対して出入りする。すなわち、ブレード1
5はローラの径方向に突没移動する。
【0060】吸込み部A側の圧縮室16に導かれた冷媒
ガスは、ブレード15が螺旋状に形成されるところか
ら、ローラ11の公転運動にともなって吐出部B方向の
圧縮室16に順次移送される。
【0061】上記ブレード15は吸込み部Aから吐出部
B側へ順次ピッチが小さくなるよう設定されており、こ
のブレードによって仕切られる圧縮室16の容積は順次
縮小されるので、冷媒ガスは圧縮室を順次移送される間
に圧縮され、最も吐出部B側の圧縮室において所定圧ま
で上昇し高圧化する。
【0062】高圧ガスは、吐出部Bの圧縮室16から吐
出され、第1の空間部25に充満してから、主軸受け6
に設けられる吐出用孔24を介して電動機部4側の空間
部に導かれる。そして、シリンダ5の鍔部5a,5bに
設けられるガス案内孔43,44を介して圧縮機構部3
側の空間部に導かれ充満する。この空間部には吐出管1
8の開口端が対向しているところから、高圧ガスは吐出
管に導かれ、ここから凝縮器へ導出される。
【0063】このように、本発明におけるヘリカルブレ
ード式の圧縮機構部3は、固定のシリンダ5に対してロ
ーラ11を旋回運動させるところから、従来から提案さ
れるピストンとシリンダとが同期して回転するヘリカル
ブレード式の圧縮機構と比較して、ローラ11の周速が
小さくなる。したがって、ローラ11のスラスト面にお
ける摺動損失の低減を得られ、代って圧縮効率の向上が
図られる。
【0064】なお、ローラ11の主軸受け6側端部に吐
出部Bが形成され、副軸受け8側端部に吸込み部Aが形
成されるので、吐出部Bから吸込み部A方向へスラスト
力が発生し、ローラの吸込み部A側の端面が副軸受け8
に摺接する。
【0065】しかしながら、高圧の吐出ガスが第1の空
間部25から連通孔27を介して吸込み部Aと同位置の
第2の空間部26に導かれとともに、第1の空間部25
から第2の油用孔35、案内用孔28および第2の油用
孔34を介して第2の空間部26に導かれるので、ロー
ラ11の両側部はバランスし、ローラが受けるスラスト
損失が低減して入力をさらに小さくできる。
【0066】一方、クランクシャフト9の回転にともな
って給油ポンプ部39が作動し、油溜まり部37の潤滑
油を油吸い上げ路38を介して吸い上げる。吸い上げら
れた潤滑油は、クランクシャフトの軸芯に沿って設けら
れる案内用孔28に導かれ、さらに第1ないし第4の油
用孔33ないし36からなる給油通路Sを介して、クラ
ンクシャフトとその摺接面に給油され、これらの潤滑性
を確保する。
【0067】特に、第2の油用孔34から第2の空間部
26に供給される潤滑油は、ここから吸込み部Aである
副軸受け8とローラ11との摺接面であるスラスト面に
導かれ、常に、確実な給油が行われる。
【0068】そして、第2の空間部26と第1の空間部
25とは、連通孔27を介して連通しているところか
ら、連通孔27は第2の空間部26に集溜される潤滑油
の油逃げの機能を有する。
【0069】すなわち、第2の空間部26において回転
するバランサ10が、第2の空間部26に集溜する潤滑
油を掻き回して遠心力を与えると、潤滑油は上記連通孔
27を介して第1の空間部25に逃げる。第2の空間部
26において潤滑油が振動源となることはなく、したが
って運転騒音の抑制が得られる。
【0070】図2(A)に示すように、上記連通孔27
は、ローラ11Aの中心から対称の位置に複数設けると
よい。すなわち、ローラ11Aの回転にともなう重量バ
ランスのずれを防止することができ、円滑な回転が保証
される。
【0071】同図(B)に示すように、ローラ11Bの
重心が中心からずれている場合は、その重心のずれ方向
と一致する方向に、複数の連通孔27を集中した状態で
設けるとよい。その結果、ローラ11Bの重心のずれが
矯正されることになり、円滑な回転が保証される。
【0072】たとえば、ローラ11Bにオルダム機構1
3のキーまたはキー溝を形成した場合には、ローラの重
心が中心からずれることがあるが、同図(B)の構成に
より、重心のずれを矯正できる。
【0073】同図(C)に示すように、連通孔27はロ
ーラ11Cの水平方向の中心軸Lより上部に設けるとよ
い。すなわち、図1で説明したシリンダ5とローラ11
および他の構成部品の軸芯a,bが水平方向に向けて配
置される、いわゆる横置き形の圧縮機の場合は、水平方
向の中心軸Lよりも下部側に潤滑油が集溜される。
【0074】ここに上記連通孔を設けると、第2の空間
部26の潤滑油は、この連通孔から流出してほとんど存
在しなくなる。したがって、水平方向の中心軸Lよりも
上部に連通孔27を設けて、必要以上の潤滑油の逃げを
防止する。
【0075】図3に示すように、ローラ11Dの上部側
にのみ複数の連通孔27を設けることにより重心が上部
側にずれる場合は、内腔枢支部12aの下部側に、一側
部が開口し、他側部は開口しない孔部27aを設ける。
【0076】したがって、第1の空間部26からの潤滑
油の連通がない状態で、ローラ11D下部側の重量が軽
減し、上部側にずれている重心を下部側に戻し、中心と
一致させることができる。
【0077】また、上記各実施の形態においては、連通
孔27をローラ11の内腔枢支部12aに設けることを
基本としたが、これに限定されるものではない。図4に
示すように、たとえば副軸受け8に連通孔27Aを設け
てもよい。なお説明すれば、上記実施の形態の圧縮機と
同様、ここでもいわゆる横置き形の流体圧縮機であっ
て、副軸受け8の軸芯よりも上方部位に上記連通孔27
Aが設けられる。(なお、上記実施の形態と同一部品に
ついては、同番号を付して新たな説明は省略する。) 第2の空間部26に集溜する潤滑油は、吸込み部Aであ
る副軸受け8とローラ11との摺接面に常に、確実に給
油されることは勿論、第2の空間部26で回転するバラ
ンサ10によって撹拌されても、上記連通孔27Aを介
して第2の空間部外部へ導かれる。すなわち、連通孔2
7Aは上記実施の形態と同様、ローラ11の内部空間で
ある第2の空間部26における潤滑油の油逃げ用として
機能することとなり、同様の効果を得られる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、流体圧縮機において、ローラの内部空間に供給さ
れる潤滑油を外部へ逃がす連通孔をローラに設けた。請
求項2の発明によれば、上記連通孔をローラの中心を対
称とした位置に複数設けた。
【0079】したがって、これら発明によれば、スラス
ト面に対する給油を確保するとともに、振動を低減して
静粛運転をなし、しかも潤滑油の劣化を防止して圧縮効
率の向上に寄与する効果を奏する。
【0080】請求項3の発明によれば、連通孔をローラ
の重心側に設けて、ローラの重心をローラの中心位置に
近付けた。したがって、請求項1および請求項2の効果
に加えて、ローラの重心がずれていても、連通孔を設け
ることにより重心を中心位置にほぼ一致させられ、円滑
な回転を得る。
【0081】請求項4の発明によれば、シリンダとロー
ラおよび他の構成部品の軸芯を水平方向に向けて配置
し、連通孔は、ローラの軸芯よりも上方部位に設けた。
したがって、いわゆる横置き形の圧縮機においても、連
通孔の位置を限定して潤滑油の集溜を確保する。
【0082】請求項5の発明によれば、ローラの軸芯よ
りも下方部位に、ローラ内部空間と外部とを連通するこ
とのない孔部を設けた。したがって、横置き形の圧縮機
で潤滑油の集溜を確保し、かつローラの重心がずれてい
ても、孔部により重心を中心位置にほぼ一致させられ
る。
【0083】請求項6の発明によれば、シャフトを軸支
する軸受けに、ローラ内部空間に供給される潤滑油を外
部へ逃がす連通孔を設けた。したがって、ローラのスラ
スト力により押し付けられる部位に対して常に確実な給
油がなされ、軸受けに設けた連通孔を介して潤滑油の集
溜部分が開放空間となるので、潤滑油が撹拌されても振
動源とならずにすむ。
【0084】請求項7の発明によれば、シリンダとロー
ラおよび他の構成部品の軸芯を水平方向に向けて配置
し、連通孔を軸受けの軸芯よりも上方部位に設けた。し
たがって、いわゆる横置き形の圧縮機に適用でき、潤滑
油の集溜を確保する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の一実施の形態を示す、流体圧縮機
の縦断側面図。
【図2】(A)は、他の実施の形態のローラの正面図。
(B)は、さらに他の実施の形態のローラの正面図。
(C)は、さらに他の実施の形態のローラの正面図。
【図3】さらに他の実施の形態のローラの縦断面図。
【図4】第2の発明の一実施の形態を示す、流体圧縮機
の縦断側面図。
【符号の説明】
5…シリンダ、 11…ローラ、 14…螺旋状溝、 16…圧縮室、 15…ブレード、 8…副軸受け、 27…連通孔。 27a…孔部。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−58086(JP,A) 特開 平8−226392(JP,A) 特開 平7−224762(JP,A) 特開 昭55−29066(JP,A) 実開 昭55−39373(JP,U) 実開 昭59−76784(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 18/344 311 F04C 29/02

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダと、 このシリンダ内に偏心配置され、シリンダ内を旋回運動
    するローラと、 このローラの周面とシリンダとの空間を複数の圧縮室に
    区画形成する螺旋状のブレードとを備えた流体圧縮機に
    おいて、 上記ローラは、このローラ内部空間に供給される潤滑油
    を外部に逃がす連通孔を具備したことを特徴とする流体
    圧縮機。
  2. 【請求項2】上記連通孔は、上記ローラの中心を対称と
    した位置に複数設けられることを特徴とする請求項1記
    載の流体圧縮機。
  3. 【請求項3】上記連通孔は、上記ローラの重心がローラ
    の中心位置とずれている場合において、上記ローラの重
    心側に設けられることを特徴とする請求項1記載の流体
    圧縮機。
  4. 【請求項4】上記シリンダとローラおよび他の構成部品
    は、その軸芯が水平方向に向けて配置され、 上記連通孔は、ローラの軸芯よりも上方部位に設けられ
    ることを特徴とする請求項1記載の流体圧縮機。
  5. 【請求項5】上記ローラは、その軸芯よりも下方部位
    に、一側部が開口しない孔部が設けられることを特徴と
    する請求項4記載の流体圧縮機。
  6. 【請求項6】シリンダと、 このシリンダ内に偏心配置されるローラと、 このローラをシリンダ内に旋回駆動するシャフトと、 このシャフトを軸支する軸受けと、 上記ローラの周面とシリンダとの空間を複数の圧縮室に
    区画形成する螺旋状のブレードとを備えた流体圧縮機に
    おいて、 上記シャフトを軸支する軸受けは、上記ローラ内部空間
    に供給される潤滑油を外部へ逃がす連通孔を具備したこ
    とを特徴とする流体圧縮機。
  7. 【請求項7】上記シリンダとローラおよび他の構成部品
    は、その軸芯が水平方向に向けて配置され、 上記連通孔は、上記軸受けの軸芯よりも上方部位に設け
    られることを特徴とする請求項6記載の流体圧縮機。
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