JPH09242166A - マンホールと管状体との接続構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】軽量であり、水の流れやゴミ等の滞留がなく、
施工が容易なマンホールと管状体との接続構造を提供す
る。 【解決手段】樹脂製マンホール１に流入口や流出口を形
成する管状体が接続されたマンホールと管状体との接続
構造である。樹脂製マンホール１の側壁に貫通孔１１，
１２が穿孔され、その貫通孔内に、先端がその中途に達
するように管状体の接続部が挿入され、その管状体の先
端面とマンホール内側の貫通孔内面との間に形成される
段部を埋めるようにコーキング層４が設けられ、そのコ
ーキング層の露出表面が熱硬化性接着剤からなる被膜５
にて被覆され、前記貫通孔のマンホール外側の開口部位
において、前記管状体の外周面とマンホールの外壁面間
が溶接されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、マンホールと管状
体との接続構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、有人マンホールは、コンクリート
により製せられたものが広く使用されている。しかしな
がら、コンクリート製マンホールの場合には、重量的に
非常に重いため、施工性が悪いという不都合がある。
又、マンホールに流入口や流出口を形成する樹脂管を接
続するには、マンホールに掘削した接続孔にモルタル仕
上げ等で現場的に行われており、その接続作業が煩雑で
あるという問題点があった。

【０００３】この点に鑑み、例えば、図３に示すような
樹脂製マンホールａを用いて、図３（ａ）に示すように
樹脂製マンホールａの側壁に貫通孔ｂを穿設し、次いで
図３（ｂ）に示すように貫通孔ｂ内に、流入管や流出管
等の樹脂管ｃの接続部をその先端が貫通孔ｂの中途に達
するように挿通して接合する方法が行われることがあ
る。

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この接
続構造の場合には、樹脂管ｃの先端面と貫通孔ｂの内周
面との間に、樹脂管ｃの厚み分の段差が生ずるので、水
の流れの抵抗となったり、ゴミ等がたまり易いという不
都合があった。

【０００４】又、段差部分を樹脂の溶接により埋める手
段も考えられる、マンホール内は狭く、又、曲面をなし
ているため、溶接作業がむずかしいという問題点があ
る。

【０００５】本発明を上記の如き従来の問題点を解消
し、軽量であり、水の流れやゴミ等の滞留がなく、施工
が容易なマンホールと管状体との接続構造を提供するこ
とを目的としてなれたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本願の請求項１に記載の
発明（以下、本発明１という）は、樹脂製マンホールに
流入口や流出口を形成する管状体が接続されたマンホー
ルと管状体との接続構造であって、樹脂製マンホールの
側壁に貫通孔が穿孔され、その貫通孔内に管状体の接続
部が挿入され、その管状体の先端面とマンホール内側の
貫通孔内面との間に形成される段部を埋めるようにコー
キング層が設けられ、そのコーキング層の露出表面が熱
硬化性接着剤からなる被膜にて被覆され、前記貫通孔の
マンホール外側の開口部位において、前記管状体の外周
面とマンホールの外壁面間が溶接されているマンホール
と管状体との接続構造である。

【０００７】本願の請求項２に記載の発明（以下、本発
明２という）は、前記被膜を形成する熱硬化性接着剤
が、硬化剤により硬化する２液型のものからなり、前記
樹脂製マンホールを構成する樹脂がポリエチレンである
本発明１に記載のマンホールと管状体との接続構造であ
る。

【０００８】本発明１及び本発明２（以下、併せて本発
明という）において、樹脂製マンホール及び管状体を形
成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリプロピレン、アクリロニトリル─ブタジエ
ン─スチレン共重合体等の剛性樹脂が好適に使用され
る。

【０００９】本発明において、管状体としては、樹脂製
マンホールに流入口や流出口を形成するものであって、
例えば、直管、直管部又は曲り管部の一端に受口部等の
配管接続部が設けられたもの等が挙げられる。

【００１０】本発明において、コーキング層を形成する
コーキング材としては、例えば、ＪＩＳに示されるよう
な天然及び合成の油脂又は樹脂等の液状展色材と石綿や
炭酸カルシウム等の鉱物質充填材を主な原料とし、よく
混ぜて均一にしたもの等が使用される。

【００１１】本発明において、被膜を形成する熱硬化性
接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、不飽和ポリエステル等が挙げられるが、硬化剤によ
り硬化する２液型のものが、低温にて硬化させて熱硬化
性接着層を形成することができ、又、樹脂製マンホール
を構成する樹脂が表面活性の低いポリエチレン等である
場合にも、問題なく使用することができるので好まし
い。

【００１２】（作用）本発明１のマンホールと管状体と
の接続構造は、樹脂製マンホールに流入口や流出口を形
成する管状体が接続されたマンホールと管状体との接続
構造であって、樹脂製マンホールの側壁に貫通孔が穿孔
され、その貫通孔内に管状体の接続部が挿入され、その
管状体の先端面とマンホール内側の貫通孔内面との間に
形成される段部を埋めるようにコーキング層が設けら
れ、そのコーキング層の露出表面が熱硬化性接着からな
る被膜にて被覆され、前記貫通孔のマンホール外側の開
口部位において、前記管状体の外周面とマンホールの外
壁面間が溶接されていることにより、部材が樹脂からな
るので軽量であり、作業性の悪いマンホール内面側は、
コーキング層の形成と、熱硬化性接着剤からなる被膜に
て被覆を行うだけでよいので、現場での施工性に優れて
おり、マンホール外側において、管状体の外周面とマン
ホールの外壁面間が溶接されているので強度面では心配
がなく、管状体の先端面と貫通孔の内周面との間に、管
状体の厚み分の段差が生ずることがないので、水の流れ
の抵抗となったり、ゴミ等がたまったり、漏水したりす
ることがない。

【００１３】本発明２のマンホールと管状体との接続構
造は、更に、前記熱硬化性接着剤が、硬化剤により硬化
する２液型のものからなり、前記樹脂製マンホールを構
成する樹脂がポリエチレンであることにより、コーキン
グ層の露出表面上を低温にて熱硬化性接着剤からなる被
膜にて覆うことができるので、熱に弱いポリエチレンか
らなる樹脂製マンホールに対しても、問題なく適用する
ことができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図１及び図２は、本発明のマンホ
ールと管状体との接続構造の一例の説明図である。図１
は、樹脂製マンホールに、比較的小径、例えば口径１５
０ｍｍ以下の管を接続した状態を示す断面図であり、図
２は、樹脂製マンホールに管状体を接続する前の状態を
示す断面図である。

【００１５】図１に示すように、ポリエチレンあるいは
ポリエチレン系樹脂（例えば、ポリエチレンに４０重量
％のエポキシ樹脂を混入した複合樹脂）からなる樹脂製
マンホール１に、同じ樹脂かちなる流入管２と流出管３
とが接続されている。

【００１６】図２に示すように、流入管２は、直管部２
１の一端部に樹脂製マンホール１と接続する接続部２２
が設けられ、他端部に排水配管を接続する受口部２３が
設けられている。流出管３は、直管からなり、一端部に
樹脂製マンホール１と接続する接着部３１が設けられて
いる。

【００１７】樹脂製マンホール１の一側壁の下部に、流
入管２の接続部２２が挿入される第１の貫通孔１１が穿
孔されており、他側壁の下部に、流出管３の接続部３１
が挿入される第２の貫通孔１２が穿孔されている。

【００１８】図１に示すように、樹脂製マンホールの第
１の貫通孔１１に、流入管２の接続部が、先端がその中
途に達するように挿入されている。流入管２の先端面と
マンホール内側の第１の貫通孔１１内面との間に形成さ
れる段部に、その部分を埋めるようにコーキング材が充
填された後乾燥されるようにして、コーキング層４が設
けられている。

【００１９】コーキング層４の露出表面上は、熱硬化性
接着剤が塗布された後硬化されるようにして、熱硬化性
接着剤からなる被膜５にて被覆されている。又、第１の
貫通孔１１のマンホール外側の開口部位において、流入
管２の外周面とマンホールの外壁面間が溶接されてい
る。

【００２０】樹脂製マンホールの第２の貫通孔１２に、
流出管３の接続部が、先端がその中途に達するように挿
入されている。流出管３の先端面とマンホール内側の第
２の貫通孔１２内面との間に形成される段部に、その部
分を埋めるようにコーキング材が充填された後乾燥され
るようにして、コーキング層４が設けられている。

【００２１】コーキング層４の露出表面上は、熱硬化性
接着剤が塗布された後硬化されるようにして、熱硬化性
接着剤からなる被膜５にて被覆されている。又、第２の
貫通孔１２のマンホール外側の開口部位において、流出
管３の外周面とマンホールの外壁面間が溶接されてい
る。

【００２２】

【発明の効果】本発明１のマンホールと管状体との接続
構造は、上記の如き構成とされているので、軽量であり
施工性に優れており、水の流れゴミ等が滞留したり、漏
水したりすることがない。

【００２３】本発明２のマンホールと管状体との接続構
造は、上記の如き構成とされているので、熱に弱い樹脂
製マンホールであっても、コーキング層の露出表面を熱
硬化性接着剤からなる被膜にて問題なく覆うことができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のマンホールと管状体との接続構造の一
例の説明図である。

【図２】樹脂製マンホールに管状体を接続する前の状態
を示す断面図である。

【図３】従来の樹脂製マンホールと樹脂管との接続構造
の施工工程の一例の説明図であり、（ａ）は、樹脂製マ
ンホールの側壁に貫通孔を穿設する工程を説明する断面
図、（ｂ）は貫通孔内に、流入管や流出管等の樹脂管の
接続部をその先端が貫通孔の中途に達するように挿通し
て接合する工程を説明する断面図である。

【符号の説明】

１ 樹脂製マンホール ２ 流入管 ３ 流出管 ４ コーキング層 ５ 被膜

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【手続補正書】

【提出日】平成８年５月２９日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００３

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００３】 この点に鑑み、例えば、図３に示すよう
な樹脂製マンホールａを用いて、樹脂製マンホールａの
側壁に貫通孔ｂを穿設し、次いで貫通孔ｂ内に、流入管
や流出管等の樹脂管ｃの接続部をその先端が貫通孔ｂの
中途に達するように挿通して接合する方法が行われるこ
とがある。

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図面の簡単な説明

【補正方法】変更

【補正内容】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のマンホールと管状体との接続構造の一
例の説明図である。

【図２】樹脂製マンホールに管状体を接続する前の状態
を示す断面図である。

【図３】従来の樹脂製マンホールと樹脂管との接続構造
の一例の説明図である。

【符号の説明】 １ 樹脂製マンホール ２ 流入管 ３ 流出管 ４ コーキング層 ５ 被膜

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 樹脂製マンホールに流入口や流出口を形
   成する管状体が接続されたマンホールと管状体との接続
   構造であって、樹脂製マンホールの側壁に貫通孔が穿孔
   され、その貫通孔内に管状体の接続部が挿入され、その
   管状体の先端面とマンホール内側の貫通孔内面との間に
   形成される段部を埋めるようにコーキング層が設けら
   れ、そのコーキング層の露出表面が熱硬化性接着剤から
   なる被膜にて被覆され、前記貫通孔のマンホール外側の
   開口部位において、前記管状体の外周面とマンホールの
   外壁面間が溶接されていることを特徴とするマンホール
   と管状体との接続構造。
2. 【請求項２】 前記被膜を形成する熱硬化性接着剤が、
   硬化剤により硬化する２液型のものからなり、前記樹脂
   製マンホールを構成する樹脂がポリエチレンであること
   を特徴とする請求項１に記載のマンホールと管状体との
   接続構造。