JPH09241506A - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物

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JPH09241506A
JPH09241506A JP7821196A JP7821196A JPH09241506A JP H09241506 A JPH09241506 A JP H09241506A JP 7821196 A JP7821196 A JP 7821196A JP 7821196 A JP7821196 A JP 7821196A JP H09241506 A JPH09241506 A JP H09241506A
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JP7821196A
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Kazuo Kasai
和雄 河西
Kazuhiro Nakamura
和洋 中村
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリアミド4,6樹脂にリチウム化合物を添加
配合することによって、従来に比べ極めて優れたウエル
ド強度、ウエルド外観、引張伸びを併せ持つポリアミド
樹脂組成物の提供を目的とする。 【解決手段】難燃性樹脂組成物:1)ポリアミド4,6
(ポリテトラメチレンアジパミド)、2)リチウム化合
物、および、3)臭素化ポリスチレン、ポリ臭素化スチ
レン からなるポリアミド樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウエルド強度、ウ
エルド外観、引張伸びに優れたポリアミド樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】テトラメチレンジアミンとアジピン酸か
ら得られるポリテトラメチレンアジパミド樹脂(以下ポ
リアミド4,6という)は、オランダDSM社が198
4年に世界で初めて工業的な生産方法の確立に成功した
高融点・高結晶性のポリアミド樹脂で、強度・耐衝撃性
・耐摩耗性などの機械的性質が優れ、耐熱性や耐薬品性
が高いといった性能が高く評価され、既存汎用エンプラ
からの代替、あるいは、金属部品の樹脂化における対象
材料として、その特徴を活かした用途開発が車両分野、
電気・電子分野、機械分野などで活発に展開中のエンジ
ニアリングプラスチックである。ポリアミド樹脂にリチ
ウム化合物を添加配合することによって、ポリアミド樹
脂の優れた性能をさらに改良するための検討はすでに数
例行われている。特公昭53−2666公報ではハロゲ
ン化リチウム添加によるポリ−ε−カプラミドフィルム
の延伸性改良について、特開平5−163402公報で
はリチウム化合物添加によるポリアミドエラストマ−と
スチレン系樹脂との組成物のウエルド外観改良について
示されているが、ウエルド強度についてはまだ改良が不
充分であった。特に、ポリアミド4,6樹脂には他のポ
リアミドに比べ、融点(295℃)と熱分解開始温度(3
45℃)が極めて近いという加工を困難とする性質があ
る。そのため、特に、難燃剤やガラス繊維等の充填材を
含むポリアミド4,6樹脂組成物でのウエルド強度とウ
エルド外観の改良が、ポリアミド6、ポリアミド6,6等
よりも困難である。また、特開昭63−218736号
公報では、ポリアミド4,6樹脂にポリアミド母材のカ
ラ−コンセントレ−トを配合する着色方法が検討されて
おり、主に着色むらを防ぐ観点から、ポリアミド4,6
樹脂よりも粘度の低いポリアミドを母材とするカラ−コ
ンセントレ−トを規定している。この例にもあるよう
に、ポリアミド4,6樹脂に、それより低粘度のポリア
ミド6等を添加することによって、成形性や成形外観が
改良されることは知られているが、ウエルド強度やウエ
ルド外観についてはまだ改良が不充分であり、ウエルド
強度のさらなる改良が待たれていた。さらに、ポリアミ
ド4,6樹脂の耐熱性を損なわないために、ウエルド強
度やウエルド外観改良のための添加剤はなるべく微量で
効果があるものが好ましく、低粘度のポリアミド6等で
は通常5%以上と添加量が多すぎるという課題があっ
た。さて、一般にポリアミド樹脂はその化学構造上アミ
ド基の窒素のために燃えにくい材料であり、ASTM
D635による試験では自己消化性(self-extinguishin
g)の部類に入る。しかし、最近、家庭用品、電気機器、
建築材料、自動車の部品等、一般家庭でも利用される製
品の安全性向上の目的で、難燃化に対する要求が強くな
るとともに、難燃性に対する規制も厳しくなってきてい
る。このため各国で国情に応じた規制処置がとられ、試
験方法が定められている。アメリカでは特に厳しく、ア
ンダ−ライタ−ズラボラトリ−(Underwriters Laborat
ory)規格では耐熱性とともに詳細な試験法が決められ
て、電気機器等の安全性向上に寄与している。電気機器
等に用いられる合成樹脂組成物の難燃性では、UL−9
4試験法による燃焼試験でV−0規格に合格することが
要求されることもある。一般に樹脂の燃焼過程は、加熱
による昇温、溶融、劣化・分解、気化・拡散、着火、燃
焼の継続であるが、燃焼現象の解明や難燃化機構の解明
は個々の高分子材料により現象発現の仕方が異なること
から必ずしも充分ではなく、さらに、ポリアミド4,6
の場合には、その高い加工温度から、従来の有機ハロゲ
ン化合物では、ポリアミド4,6の性能維持、具体的に
は、ウエルド強度、成形外観、引張伸び等の点で不充分
な場合もあり、難燃性とともにこの点についても改良が
求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の課題を背景になされたもので、従来に比べ極めて優れ
たウエルド強度、ウエルド外観、引張伸びを併せ持つポ
リアミド樹脂組成物の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリアミ
ド4,6樹脂にリチウム化合物を添加配合することによ
って、従来に比べ極めて優れたウエルド強度、ウエルド
外観、引張伸びを併せ持つポリアミド樹脂組成物が得ら
れることを見出し本発明に至った。すなわち、本発明
は、 (1)、下記の(a)および(c)成分、または
(a)、(b)および(c)成分を含有してなるポリア
ミド樹脂組成物。(a)ポリアミド4,6樹脂 、(b)
数平均分子量(Mn)が1×104〜10×104、重量
平均分子量(Mw)/Mnの比が5以下である臭素化ポ
リスチレンもしくはポリ臭素化スチレン、(c)(a)
成分または(a)および(b)成分の合計100重量部
に対し0.001〜7重量部のリチウム化合物、ならび
に、 (2)、上記(1)の(a)および(c)成分、または
(a)、(b)および(c)成分の合計100重量部に
対し、(d)充填材1〜200重量部を含有してなるポ
リアミド樹脂組成物。を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明(a)成分のポリアミド
4,6は、テトラメチレンジアミンとアジピン酸とから
得られるポリテトラメチレンアジパミドであり、ポリテ
トラメチレンアジパミド単位を主たる構成成分とする共
重合ポリアミドを含む。共重合成分は特に制限がなく、
公知のアミド形成成分を用いることができる。共重合成
分の代表的な例としては、6-アミノカプロン酸、11-
アミノウンデカン酸、12-アミノウンデカン酸、パラ
アミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε-カプロラク
タム、ω-ラウリルラクタムなどのラクタム、ヘキサメ
チレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメ
チレンジアミン、2,2,4-/2,4,4-トリメチルヘキ
サメチレンジアミン、5-メチルノナメチレンジアミ
ン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミ
ン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,
4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1-アミノ-
3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサ
ン、ビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタ
ン、2,2-ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパ
ン、2,2-ビス(アミノプロシル)ピペラジン、アミノ
エチルピペラジンなどのジアミンとアジピン酸、スベリ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸、2-クロルテレフタル酸、2-
メチルテレフタル酸、5-メチルイソフタル酸、5-ナト
リウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル
酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ジグリコ−ル酸などの
ジカルボン酸などを挙げることができる。また、本発明
で用いられるポリアミド4,6の製造方法は任意であ
る。たとえば特開昭56−149430号公報、特開昭
56−149431号公報、特開昭58−83029号
公報および特開昭61−43631号公報などで開示さ
れた方法、つまりまず環状末端基が少ないプレポリマ−
を特定の条件下で製造した後、これを水蒸気雰囲気下で
固相重合して高粘度ポリアミド4,6を調製する方法あ
るいは2-ピロリドンやN-メチルピロリドンなどの極性
有機溶媒中で加熱してそれを得る方法などがある。ポリ
アミド4,6の重合度については特に制限はないが、2
5℃、96%硫酸中、1g/dlにおける相対粘度が2
〜6の範囲内にあるポリアミド4,6が好ましく用いら
れる。本発明における(a)成分ポリアミド4,6樹脂
の好ましい配合量は、(a)および(b)成分の合計量
に対して50〜100重量%、より好ましくは55〜1
00重量%、さらに好ましくは60〜100重量%、特
に好ましくは65〜100重量%である。(a)成分の
配合量が50重量%未満であると(a)成分の優れた引
張伸びが損なわれる。
【0006】本発明(b)成分は臭素化ポリスチレン、
ポリ臭素化スチレンである。臭素化スチレンとは、ポリ
スチレンを後から臭素化したものであり、ポリスチレン
のベンゼン環に水素と替わって結合する臭素数は1〜5
で、好ましくは2〜3である。ポリ臭素化スチレンは、
一臭素化スチレン、二臭素化スチレン、三臭素化スチレ
ン等の臭素化スチレンモノマ−を1種類、あるいは、2種
類以上重合して得られ、好ましくは二臭素化スチレン単
位を50重量%以上、さらに好ましくは55重量%以上
有しているポリ臭素化スチレンである。本発明のポリ臭
素化スチレンとしては、主として二臭素化スチレンモノ
マ−の重合体であってももちろんよいが、二臭素化スチ
レンモノマ−と三臭素化スチレンモノマ−の共重合体も
臭素含有率が上がるという点から好ましい。本発明の臭
素化ポリスチレン、ポリ臭素化スチレン中の臭素含有率
は好ましくは40〜75重量%、さらに好ましくは50
〜75重量%である。また、スチレンモノマ−や臭素化
スチレンモノマ−の重合時に必要に応じて他の共重合可
能な単量体を用いてもよい。共重合可能な単量体として
は、例えば、オレフィンやビニルなどが挙げられ、官能基
を含有するものであってもよい。オレフィンやビニルと
してはエチレン、プロピレン、ブタジエン、ブテン、ヘキセ
ン、ペンテン、メチレブテン、メチルペンテン、スチレン、
アクリロニトリル、塩化ビニル、酢酸ビニルなどが挙げら
れ、エチレン、プロピレン、ブタジエン、スチレン、アクリ
ロニトリルが好ましい。 共重合可能な単量体が含有し
てもよい官能基としては、例えば、カルボキシル基、酸無
水物基、オキサゾリン基、エポキシ基から選ばれた1種あ
るいは2種以上の官能基が挙げられ、具体的には、アクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水イ
タコン酸、ビニルオキサゾリン、グリシジルメタクリレ−
ト、アリルグリシジルエ−テル等を挙げることができ
る。あるいは、上述の官能基をスチレンや臭素化スチレ
ンと共重合したり、あるいは、臭素化ポリスチレン、ポリ
臭素化スチレンの末端等に修飾したりしてもよい。
【0007】なお、数平均分子量(Mn)ならびに重量
平均分子量(Mw)は、ゲルパ−ミエ−ションクロマト
グラフィ−(GPC)を用い、テトラヒドロフラン(T
HF)を溶媒として、当該難燃剤を1mg/mlの濃度
に溶解させ、流量1.0ml/分、温度36〜40℃に
て測定することにより、ポリスチレン換算の数平均分子
量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を得ることが
できる。本発明の臭素化ポリスチレン、ポリ臭素化スチ
レンの数平均分子量(Mn)は、 1×104〜10×
104、好ましくは1×104〜9×104、 さらに好
ましくは1×104〜8×104、特に好ましくは1×1
4〜7×104である。一方、重量平均分子量(Mw)
/Mnの比は5以下、好ましくは4.5以下、さらに好
ましくは1〜4、特に好ましくは1.1〜3.5であ
る。数平均分子量(Mn)およびMw/Mnが本発明の
範囲外の臭素化ポリスチレン、ポリ臭素化スチレンを用
いた場合には、ウエルド強度、ウエルド外観、引張伸び
のうちの少なくとも1つの性能が本発明の目的に達する
ことができない。本発明の臭素化ポリスチレン、ポリ臭
素化スチレンのうち、高温における熱安定性とウエルド
強度の点から、ポリ臭素化スチレンの方がより好まし
い。本発明の(b)成分臭素化ポリスチレン、ポリ臭素
化スチレン、あるいは両者の混合物の合計の好ましい配
合量は、(a)および(b)成分の合計量に対して0〜
50重量%、より好ましくは0〜45重量%、さらに好
ましくは0〜40重量%、特に好ましくは0〜35重量
%である。(b)成分の配合量が50重量%を超えると
ポリアミド4,6樹脂の優れた引張伸びが損なわれ、ウエ
ルド外観が劣る。
【0008】本発明(c)成分のリチウム化合物として
は、例えば、LiF、LiCl、LiBr、LiI、L
iSCN、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、L
iCF3SO3、LiC612SO3、LiHgI2、Li
AlH4、LiBH4、Li2CO3、Li3657・4
2O、LiOH・H2O、LiNO3、Li3PO4、L
2SO4・H2O、LiB47等の無機化合物の他、カ
ルボキシル基、フェノ−ル基、スルホン酸基、リン酸
基、亜リン酸基等の酸基を有する有機化合物のリチウム
塩を用いることができる。これらの例として、ラウリル
酸リチウム、ステアリン酸リチウム、ロジン酸リチウム
等が挙げられる。上記リチウム化合物のうち、好ましく
はハロゲン化リチウム、特に好ましくはLiClであ
る。本発明において(c)成分がウエルド強度やウエル
ド外観を良好にする効果は、ポリアミドが溶融状態から
固化していく際に、リチウム化合物が部分的に配位する
ことによってポリアミドの結晶化をある程度阻害し、結
晶化速度と結晶化度を下げるためと推察される。本発明
における(c)成分の添加方法は特に限定されず、リチ
ウム化合物をポリアミド4,6樹脂の重合段階で添加す
る方法、リチウム化合物をポリアミド4,6樹脂ペレッ
トまたは粉末と混合後押出機で溶融混練する方法、リチ
ウム化合物を水などの溶媒に溶かしてポリアミド4,6
樹脂ペレットまたは粉末を浸漬する方法、リチウム化合
物をポリアミド4,6樹脂ペレットまたは粉末にまぶし
て付着させ射出成形する方法など、任意の方法が実施で
きる。
【0009】本発明における(c)成分の好ましい配合
量は、(a)、(b)成分の合計量100重量部に対
し、0.01〜7重量部、より好ましくは0.05〜5重
量部、さらに好ましくは0.1〜4重量部である。
(c)成分の配合量が0.01重量部未満であるとウエ
ルド強度、ウエルド外観の少なくとも一方が劣り、また
(c)成分の配合量が7重量部を超えると(a)成分の
優れた引張伸びが損なわれる。
【0010】請求項2のポリアミド樹脂組成物は、上記
(a)、(b)、および(c)成分にさらに(d)成分
として充填材を含有するものである。(d)成分を用い
ることで、剛性、寸法安定性をさらに向上させたポリア
ミド樹脂組成物が得られる。本発明(d)成分は、繊維
状、粉末状、粒状、板状、針状、クロス状、マット状を
有する種々の充填材であり、代表的な例としては、ガラ
ス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、グラファイト繊
維、アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、
炭酸カルシウム、タルク、カタルボ、ワラステナイト、
シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、ケイソウ土、クレ
−、焼成クレ−、カオリン、マイカ(微細雲母)、粒状
ガラス、ガラスフレ−ク、ガラスバル−ン(中空ガラ
ス)、せっこう、フェノ−ル樹脂、フッ素系樹脂、各種
熱硬化性樹脂、ベンガラ、金属繊維、二酸化チタン、チ
タン酸カリウムウイスカ−やホウ酸アルミニウムウイス
カ−等の合成および天然鉱物ウイスカ−、酸化マグネシ
ウム、ケイ酸カルシウム、アスベスト、アルミン酸ナト
リウム、アルミン酸カルシウム、アルミニウム、酸化ア
ルミニウム、水酸化アルミニウム、銅、ステンレス、酸
化亜鉛、金属ウイスカ−などを挙げることができる。本
発明の目的から、ガラス繊維、炭素繊維、カオリン、マ
イカ、タルク、各種ウイスカ−が好ましく、とりわけそ
の経済性からガラス繊維、カオリン、タルクが好まし
い。それらは、本発明の成形性や物性を損なわない限り
において表面処理を施したものであってもよく、なかで
も、アミノシラン、アクリルシラン、ビニル、ウレタ
ン、アクリルウレタンなどに代表される化合物による表
面処理を施されたものが好ましい。本発明における
(d)充填材の添加量は、本発明の構成成分(a)、
(b)、(c)成分の合計量100重量部に対して、1
〜200重量部であり、好ましくは2〜160重量部、
さらに好ましくは3〜120重量部である。充填材の添
加量が1重量部未満では(d)成分の添加目的が達成され
ず、一方、200重量部を超えると加工性、特に押出成
形性や射出成形性が悪化し好ましくない。
【0011】本発明のポリアミド樹脂組成物には、必要
に応じて、難燃性をさらに高めるために難燃助剤を添加
することができる。難燃助剤としては、例えば、三酸化
アンチモン、五酸化アンチモン、トリフェニルアンチモ
ン等のアンチモン化合物、リン酸エステル等が挙げら
れ、これらのうちで好ましいものとして三酸化アンチモ
ン、五酸化アンチモンが挙げられる。難燃助剤の添加量
は、(a)、(b)、(c)成分の合計100重量部に
対して、好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは
1〜10重量部である。1重量部未満では添加目的が達
成されず、20重量部を超えると機械的強度等が低下す
るため好ましくない。
【0012】本発明のポリアミド樹脂組成物には、その
用途から要求される性能に応じて、その成形性や特性を
損なわない限りにおいて他の成分、例えば顔料、染料、
着色剤、有機補強材、耐熱剤、銅化合物やヒンダ−ドフ
ェノ−ル系化合物等に代表される安定剤、変性ポリオレ
フィンやフッ素系重合体等に代表される燃焼時ドリッピ
ング防止剤、酸化防止剤、光保護剤、耐候剤、光安定
剤、結晶核剤、潤滑剤、離型剤、可塑剤、帯電防止剤、
他の重合体などを添加導入することができる。ここで、
他の重合体としては、例えば、ポリプタジエン(P
B)、ポリエチレン(PE)、エチレン-プロピレン共
重合体(EPおよびEPDM)、ブタジエン-スチレン
共重合体、スチレン-エチレン-ブテン-スチレン共重合
体(SEBS)、アルリルゴム(AR)、フッ素ゴム
(FR)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重
合体(ABS)、アクリロニトリル-エチレンプロピレ
ン-スチレン共重合体(AES)、アクリロニトリル-ス
チレン共重合体(AS)、ポリスチレン(PS)、ポリ
エチレンテレフタレ−ト(PET)、ポリブチレンテレ
フタレ−ト(PBT)、ポリエステル混合物、ポリカ−
ボネ−ト(PC)、ポリスルホン、ポリエ−テルスルホ
ン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリフェニレンス
ルフィド(PPS)、ポリエ−テルエ−テルケトン(P
EEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、
ポリオキシメチレン(POM)、ポリフェニレンエ−テ
ル(PPE)、ポリアミド4,6以外のポリアミド等、
および、それらの変性物を挙げることができる。本発明
のポリアミド樹脂組成物の成形性や特性を損なわない好
ましい添加量としては、本発明のポリアミド樹脂組成物
100重量部に対して50重量部以下、更に好ましくは
30重量部以下適宜混合できる。
【0013】本発明のポリアミド樹脂組成物は、上記の
樹脂組成物を公知の成形方法、例えば、射出成形、押出
成形、ブロ−成形、真空成形、圧縮成形など通常の熱可
塑性樹脂に対して用いられる成形に供することにより各
種の成形品に成形することができる。本発明のポリアミ
ド樹脂組成物の用途について特に制限はないが、例え
ば、各種電気・電子部品、車両部品、機械部品、OA機
器部品、雑貨、耐熱性容器、各種キャスタ−やフィルタ
−等としても特に好適に用いることができる。
【0014】
【実施例および比較例】以下、実施例および比較例によ
り本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに
限定されるものではない。実施例および比較例において
は次のような材料を用いた。 成分(a) a−1:ポリアミド4,6樹脂、オランダ国DSM社製
「Stanyl」、96%硫酸1g/dlでの相対粘度
3.0。 a−2:ポリアミド6,6樹脂、東レ製アミランCM3
001を比較例で用いた。
【0015】成分(b) b−1:ポリ臭素化スチレン、臭素含有量61重量%、
数平均分子量Mn=21,000、Mw/Mn=1.8
6、 ジブロモスチレンの重合体。 b−2:ポリ臭素化スチレン、臭素含有量68重量%、
数平均分子量Mn=30,000、Mw/Mn=2.1
3、 ジブロモスチレン:トリブロモスチレン=2:8の共重
合体。 b−3:変性ポリ臭素化スチレン、臭素含有量60重量
%、数平均分子量Mn=52,000、Mw/Mn=1.
92、 無水マレイン酸(2wt%)とジブロモスチレンの共重合体。 b−4:後臭素化ポリスチレン、臭素含有量67重量
%、数平均分子量Mn=84,000、Mw/Mn=2.
39。 b−5:後臭素化ポリスチレン、臭素含有量58重量
%、数平均分子量Mn=32,000、Mw/Mn=6.
12。 b−6:後臭素化ポリスチレン、臭素含有量59重量
%、数平均分子量Mn=120,000、Mw/Mn=
3.30。
【0016】成分(c) c−1:塩化リチウム(LiCl) c−2:ヨウ化リチウム(LiI) c−3:ステアリン酸リチウム c−4:塩化ナトリウム(NaCl) c−5:ヨウ化カリウム(KI) c−6:ポリアミド6、オランダ国DSM社製「Aku
lon」、96%硫酸1g/dlでの相対粘度3.0。
【0017】成分(d) d−1:ガラス繊維。旭ファイバ−グラス製、直径約1
0μmの連続長繊維のストランドから作られた平均の長
さ3mmのチョップドストランド。 d−2:カオリナイト。エンゲルハルト社製、平均径1
〜2ミクロン。 d−3:ワラストナイト。NYCO製、平均径約3ミク
ロン。 d−4:チタン酸カリウムウイスカ−。大塚化学製、平
均繊維長10〜20ミクロン、繊維径0.2〜0.5ミク
ロン。
【0018】実施例および比較例の樹脂組成物は、バレ
ル温度300〜320℃に設定した2軸押出機(池貝鉄
工PCM45)を用い、溶融混練しペレットとした。得
られたペレットを射出成形機(シリンダ−温度295〜
320℃、金型温度80℃)にて所定の試験片を作製し
性能試験に供した。なお、実施例および比較例中に記し
た試料の性能測定は以下の方法によった。 ウエルド強度:長さ127mm、幅12.7mm、厚さ0.
8mmの成形品を両端2つのゲ−トをもつ金型を用いて成
形し、中央部にできたウエルド部の引張強度をASTM
D638に準ずる方法で測定した。 ウエルド外観:の成形品の中央部にできたウエルド
部外観を肉眼・目視で判定した(○=良好、△=一部不
良、×=不良)。 引張伸び:ASTM D638に準ずる方法で測定し
た。
【0019】実施例および比較例として、以下にその組
成および上記項目の評価結果を表−1〜2に示す。 実施例1〜12 上述の方法での評価を行い、表1の結果を得た。これら
の結果から、本発明のポリアミド樹脂組成物は、リチウ
ム化合物をポリアミド4,6樹脂に配合することによっ
て、難燃剤、および、充填材を添加した場合も含め、ウ
エルド強度、ウエルド外観、引張伸びのすべてに優れた
ポリアミド樹脂組成物であることがわかる。
【0020】
【表1】
【0021】比較例1〜15 実施例同様の評価を行い、表2の結果を得た。比較例1
は本発明(c)成分を添加しなかった場合、すなわち、
(a)成分が本発明特許請求の範囲を超え、(c)成分
が本発明特許請求の範囲未満の場合であり、ウエルド外
観が劣る。比較例2および3では、比較例1および実施
例1と同様の実験をポリアミド6,6を用いて行った
が、ポリアミド4,6の場合とは異なり、(c)成分添
加の有無にかかわらず評価結果は同じであった。比較例
4は、充填材を含む組成において、実施例8に対して
(c)成分を添加しなかった場合であり、ウエルド外観
が充填材を含まない組成の場合よりもさらに悪いことが
わかる。比較例5および6では、比較例4および実施例
8と同様の実験をポリアミド6,6を用いて行った(た
だし、ポリアミド4,6とポリアミド6,6とでは融点が
それぞれ295℃、262℃と約30℃違うため、押出
および射出成形時のシリンダ−温度はポリアミド4,6
よりも約30℃低くした。射出成形の金型温度はポリア
ミド4,6と同じで80℃で成形した。)。ポリアミド
4,6の場合とは異なり、(c)成分添加の有無にかか
わらず評価結果は同じであった。比較例7は本発明
(c)成分の添加量が本発明特許請求の範囲未満の場合
であり、ウエルド外観が劣る。比較例8は、逆に、
(c)成分の添加量が本発明特許請求の範囲を超えた場
合であり、ウエルド強度、ウエルド外観、引張伸びのす
べてが劣る。比較例9〜11は、本発明(c)成分とし
て本発明特許請求の範囲外の化合物を用いた場合であ
り、実施例1〜3とは異なり、ウエルド外観が劣る。比
較例12は、本発明(c)成分を添加しなかった場合で
あり、ウエルド強度、ウエルド外観、引張伸びのすべて
が劣る。また、比較例13および14は、本発明(b)
成分として本発明特許請求の範囲外の化合物を用いた場
合であり、特に、ウエルド強度と引張伸びが劣る。
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】ポリアミド4,6樹脂は、強度、耐衝撃
性、耐摩耗性などの機械的性質が優れ、耐熱性や耐薬品
性が高いといった特長をもち、成形加工性も良好なため
に、自動車部品、電気部品、一般機械部品などの種々の用
途に使用されている利用価値の高いエンジニアリングプ
ラスチックであるが、ウエルド強度、ウエルド外観とい
った点で未だ性能的に不充分な点があった。本発明で
は、ポリアミド4,6樹脂にリチウム化合物を添加配合
することによって、従来に比べ極めて優れたウエルド強
度、ウエルド外観、引張伸びを併せ持つポリアミド樹脂
組成物の提供を可能とした。本発明によりポリアミド
4,6樹脂の優れた性能が充分に発揮できる用途への展
開が可能となり、工業的価値は極めて高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 25/18 LEK C08L 25/18 LEK

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の(a)および(c)成分、または
    (a)、(b)および(c)成分を含有してなるポリア
    ミド樹脂組成物。 (a)ポリテトラメチレンアジパミド樹脂 、(b)数
    平均分子量(Mn)が1×104〜10×104、重量平
    均分子量(Mw)/Mnの比が5以下である臭素化ポリ
    スチレンもしくはポリ臭素化スチレン、(c)(a)成
    分または(a)および(b)成分の合計100重量部に
    対し0.001〜7重量部のリチウム化合物
  2. 【請求項2】請求項1の(a)および(c)成分、また
    は(a)、(b)および(c)成分の合計100重量部
    に対し、(d)充填材1〜200重量部を含有してなる
    ポリアミド樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002303319A (ja) * 2001-04-06 2002-10-18 Apurusu Kk ガイドローラーおよびその製造方法
JP2008514802A (ja) * 2004-09-30 2008-05-08 ケムチュア コーポレイション 制御された分子量を有するブロモスチレンの改良されたポリマー

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JP2002303319A (ja) * 2001-04-06 2002-10-18 Apurusu Kk ガイドローラーおよびその製造方法
JP2008514802A (ja) * 2004-09-30 2008-05-08 ケムチュア コーポレイション 制御された分子量を有するブロモスチレンの改良されたポリマー

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