JPH09240696A - チューブ状容器およびその口頭部 - Google Patents

チューブ状容器およびその口頭部

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JPH09240696A
JPH09240696A JP4583996A JP4583996A JPH09240696A JP H09240696 A JPH09240696 A JP H09240696A JP 4583996 A JP4583996 A JP 4583996A JP 4583996 A JP4583996 A JP 4583996A JP H09240696 A JPH09240696 A JP H09240696A
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JP
Japan
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mouth
vinyl acetate
acetate copolymer
ethylene
melting point
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JP4583996A
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Shukichi Kawamura
修吉 河村
Kazuyori Yoshimi
一頼 吉見
Makio Tokoo
万喜雄 床尾
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 口頭部と筒状胴部の熱接合性及び口頭部のガ
スバリアー性を改善した2ピースチューブ状容器を提供
すること。 【解決手段】 最内層がエチレンー酢酸ビニル共重合体
ケン化物からなる筒状胴部に口頭部を熱接合してなる2
ピースチューブ状容器において、前記口頭部は、融点が
135℃以上のエチレンー酢酸ビニル共重合体ケン化物
(A)、ポリオレフィン系樹脂(B)および融点が13
0℃以下のエチレンー酢酸ビニル共重合体ケン化物
(C)からなり、かつ(A)はマトリックス相として、
更に(B)は分散相として存在する組成物よりなること
を特徴とするチューブ状容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品、化粧品、医
薬品、等の内容物が充填されるチューブ状容器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、内容物を保護するためのアルミニ
ウムなどのバリアー材を含むラミネートフィルムをシー
ルして成形した筒状体、あるいはバリアー材を含む熱可
塑性樹脂を環状ダイより共押出して成形した多層の筒状
体にポリオレフィン系樹脂よりなる口頭部を熱接合して
チューブ状容器を作る方法、すなわち2ピースチューブ
状容器の製造方法は、実開昭49−115346号公報
などにより紹介されている。更に以下の方法も公知であ
る。
【0003】(1)射出成形法 射出成形金型に予め作成した胴部となる筒状体を挿入し
た状態で、口頭部となる樹脂を射出成形すると同時に口
頭部と筒状胴部を熱接合してチューブ状容器を作る方
法。
【0004】(2)ディスク成形法 口頭部となる樹脂を押出成形法でシートを作成し次いで
円盤状に打ち抜くと同時に予め作成した胴部となる筒状
体を押圧して口頭部と筒状胴部を熱接合してチューブ状
容器を作る方法。
【0005】(3)圧縮成形法 可塑化した口頭部となる樹脂を雌金型に投入し、併せて
予め作成した胴部となる筒状体を雄金型内に入れ押圧し
て、口頭部を成形すると同時に口頭部と筒状胴部を熱接
合してチューブ状容器を作る方法(特公昭64−785
0号)。
【0006】(4)バリアー材を含む熱可塑性樹脂を共
押出してパリソンを成形後、金型内でブロー成形してチ
ューブ状容器を作る方法、すなわち1ピースチューブ状
容器の製造方法(特公昭57−57338号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記2ピースチューブ
状容器の口頭部は、通常ポリオレフィン系樹脂で形成さ
れている為にバリアー性は、不充分であり、更に筒状胴
体の最内層がエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物か
ら成る場合には、完全に熱接合せず到底実用に耐えな
い。又、特開平6−80150号公報に記載の口頭部
は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を含んでい
るのでバリアー性は良好であるが、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物が分散相として存在している為にバ
リアー性は、必ずしも充分満足するとは言えない。又、
筒状胴体の最内層がエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン
化物の場合には、熱接合が完全ではない。
【0008】前記口頭部のバリアー性と熱接合性を改善
するために、筒状胴部と熱接合する面を接着性樹脂やエ
チレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を外層とする多層
シートを打ち抜くディスク法では多層が故に工程が複雑
となり、打ち抜き時のヒゲや、打ち抜き後のスクラップ
処分に問題がある。
【0009】また、前記1ピースチューブ状容器は、ブ
ロー成形時の割り金型のウエルドラインは、口頭部のネ
ジ精度に劣り又、外観が美麗ではない。
【0010】本発明は、これら従来技術の欠点を解消す
る為に創案されたものであり、前記2ピースチューブ状
容器において、特に次の課題1)〜4)を解決すること
を目的にしている。 1)口頭部と筒状胴部の熱接合性の改善 2)口頭部の溶融成形の改善 3)口頭部のバリアー性の改善 4)口頭部の強度の改善
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的は、口頭部と最
内層がエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物からなる
筒状胴部とを熱接合してなる2ピースチューブ状容器に
おいて、前記口頭部は、融点が135℃以上のエチレン
−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)、ポリオレフィン
系樹脂(B)および融点が130℃以下のエチレン−酢
酸ビニル共重合体ケン化物(C)からなり、かつ(A)
はマトリックス相として、および(B)は分散相として
存在する組成物、又は、好ましくは、この組成物に無機
フィラー、とくに重量平均フレーク径が50μ以下で重
量平均アスペクト比が3以上の無機フィラー(D)を配
合した組成物からなるチューブ状容器を提供する事によ
って達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】ここで、(A)と(C)の両方を
含有させ、かつ、(A)の融点を135℃以上、好適に
は135℃〜195、更に好適には140℃〜170℃
とし、(C)の融点を130℃以下、好ましくは85℃
〜125℃とし、更に好ましくは無機フィラー(D)を
樹脂(A)、(B)及び(C)の合計量100重量部に
対して1〜40重量部、好適には1〜30重量部、さら
に好適には5〜20重量部含有させることが、口頭部の
溶融成形性、バリアー性及び強度改善の点、さらには胴
部との接合性の点で重要である。
【0013】(A)の融点が135℃を下回る場合、あ
るいは、(C)の融点が130℃を上回る場合には、前
記口頭部のバリアー性、胴部との接合性に劣る。また、
(A)の融点の上限が195℃である事が好ましく、又
(C)の融点の下限は、85℃である事が好ましい。こ
れらの値を上回るか下回る場合には、溶融成形性および
筒状胴部の最内層のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン
化物との接合性に劣る。
【0014】(A)のケン化度は、95%以上、好適に
は97%以上、更に好適には99%以上であり、また、
(C)のケン化度は、20%以上、好適には50%以
上、更に好適には65%〜99%である。(A)のケン
化度は、(C)のケン化度より高くすることが好まし
く,特に1%以上、さらには2%以上高くすることが好
ましい。(A)および(C)のケン化度が、前記、範囲
を外れた場合、あるいは、(A)のケン化度が、(C)
のケン化度より低い場合には、口頭部のバリアー性、強
度に劣り、また、口頭部の溶融成形時、溶融粘度の低下
などの不都合を生じる場合がある。
【0015】前記ケン化物(A)および(C)のメルト
フローレート(MFR)はいずれも0.5〜50g/1
0分の範囲、特に、(A)のMFRは、3.0〜40g
/10分、(C)のMFRは、2.0〜20g/10分
の範囲とすることが、口頭部のバリアー性、溶融成形
性、外観の点で好ましい。なお、前記ケン化物(A)お
よび(C)は、本発明の目的、作用、効果を損なわない
範囲で、他のコモノマーが共重合されたものであっても
よい。
【0016】本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂
(B)は、オレフィン単独重合体、及び共重合体を挙げ
る事ができ、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレ
ン、超低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレンと(メタ)アクリル酸またはそのエステ
ルとの共重合体、アイオノマーなどのポリエチレン系樹
脂、あるいはポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹
脂、ポリペンテン系樹脂などを例示する事ができ、これ
らのポリオレフィン系樹脂を二種以上配合しても良い。
【0017】本発明にかかる口頭部を構成するポリオレ
フィン系樹脂は、口頭部の強度、溶融成形性の点から密
度(JISK7112)が0.930g/cm3 を越え
る中ないし高密度ポリエチレンが最も好ましいが、口頭
部の柔軟性を求める場合には、密度が0.910g/c
3 を越える低密度ポリエチレンでも良い。
【0018】口頭部を構成するポリオレフィン系樹脂
は、メルトフローレート(MFR)が0.5〜30g/
10分のもの、特に2.0〜20g/10分のもの、と
りわけ3.0〜15g/10分のものが溶融成形性、外
観の点で好ましい。
【0019】本発明にかかる口頭部を構成する組成物の
メルトフローレート(MFR)は、0.5〜30g/1
0分、特に、2.0〜20g/10分となるように、各
成分を配合することが、溶融成形性、胴部との熱接合性
の点で好ましい。なお、本発明でいうメルトフローレー
ト(MFR)は、温度210℃、荷重2160gの条件
でJISK6760に準じて測定したものである。
【0020】前記口頭部を構成する組成物には、一般的
に、樹脂に配合される各種添加剤、例えば、着色剤、遮
光剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを、その目
的に応じて、一種または二種以上を組み合わせて配合し
ても良い。また、口頭部を構成する組成物には、
(A)、(B)、(C)以外の樹脂を本発明の目的・作
用効果を損なわない範囲で配合することもできる。
【0021】本発明においては、口頭部を構成する組成
物が、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)を
マトリックス相とし、ポリオレフィン系樹脂(B)を分
散相とした構造が口頭部に優れたバリアー性、溶融成形
性、強度、筒状胴部の最内層との熱接合性を付与するの
で重要である。
【0022】又、胴部との熱接合性については、ケン化
物(A)をマトリックス相とし、ポリオレフィン系樹脂
(B)を分散相とすることにより、胴部の最内層を構成
するエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物との熱接合
性に優れる。ポリオレフィン系樹脂(B)をマトリック
ス相とし、ケン化物(A)を分散相としたのでは、かか
る熱接合性は大幅に劣る。しかも、融点が130℃以下
のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(C)を配合
することにより、前記ポリオレフィン系樹脂(B)の分
散性が改善され、溶融成形性が大幅に改善される。
【0023】前記ケン化物(A)をマトリックス相と
し、ポリオレフィン系樹脂(B)を分散相とするには、
ケン化物(A)と(C)の融点、ケン化度、メルトフロ
ーレート(MFR)、ポリオレフィン系樹脂(B)のポ
リマー性状、メルトフローレート(MFR)、更に
(A),(B),(C)及び(D)の配合割合が関与す
るが、少なくともベースとなるケン化物(A)をバリア
ー性、溶融成形性、胴部との熱接合性、強度などの観点
から特定した上で、(A)、(B)、(C)及び必要に
応じて(D)の配合割合を変更することにより、容易に
達成することができる。
【0024】本発明においては、口頭部を構成する組成
物の酸素透過係数(20℃、85%RH)を1×10
-11 cc・cm/cm2 ・sec ・cmHg以下、特に1.5×10
-12 cc・cm/cm2 ・sec ・cmHg以下とすることが、内容
物の空気による酸化劣化防止、内容物のフレーバー散逸
防止など、いわゆるガスおよび/またはフレーバーバリ
アー性の点で好ましい。
【0025】かかるバリアー性は、口頭部を構成するケ
ン化物(A)及び(C)、ポリオレフィン系樹脂(B)
の種類、分散状態、配合割合などによって変化するが、
前記の通り、各樹脂(A)、(B)および(C)、ある
いは更に無機フィラー(D)の配合割合を適宜変更する
ことで、目的を達成することができる。
【0026】かかる組成物の各成分の分散状態は、成形
物の押出ないし射出方向、および押出ないし射出方向と
直角方向の切断面を顕微鏡などで直接観察することによ
り、あるいは、ヨード呈色反応等を利用してケン化物
(A)を着色した後、観察できるが、本発明でいう最も
好ましい分散状態都は、ケン化物(A)のマトリックス
相中にポリオレフィン系樹脂(B)が押出ないし射出方
向に、実質的に二次元的に層状に配向し、且つ、微分散
している状態をいう。
【0027】前記良好な分散状態を得るためには、ケン
化物(A)とポリオレフィン系樹脂(B)のメルトフロ
ーレート(MFR)が重要な要素となり、ケン化物
(A)のMFRをポリオレフィン系樹脂(B)のMFR
より大きくすることが好適であり、更に好適には、ケン
化物(A)のMFRをポリオレフィン系樹脂(B)のM
FRより5g/10分以上、更に好適には、10g/1
0分以上大きくすることが推奨される。
【0028】次に、本発明では、無機フィラー(D)を
(A)、(B)および(C)に配合することにより、圧
縮法や射出成形法での樹脂垂れ現象等を解消し、さらに
ディスク法での打ち抜き性を改善し、更にチューブ状容
器のキャップ開閉時などに外力が加わった場合、優れた
強度が付与される。無機フィラーとしては、重量平均フ
レーク径が50μ以下の粒径であり、3以上の重量平均
アスペクト比を有しているものが好ましい。重量平均フ
レーク径が50μより大きくなると樹脂とのブレンド性
およびブレンド後の成形性が悪くなり、アスペクト比が
3より小さいと改質効果が十分でなくなる。なお、上記
した無機フィラーの重量平均フレーク径およびアスペク
ト比は、ブレンド前の原料無機フィラーとブレンド後の
口頭部中に存在する無機フィラーの値とにほとんど差の
ないことが走査型電子顕微鏡により確認されている。
【0029】無機フィラーの重量平均フレーク径は、好
適には30μ以下、更に好適には20μ以下である。下
限値についてはとくに限定されないが、好適には1μ、
更に好適には3μである。
【0030】無機フィラーの重量平均アスペクト比は、
好適には5以上、更に好適には10以上である。
【0031】本発明における重量平均フレーク径とは、
無機フィラーを各種のマイクロシーブまたは、フルイで
分級し、その結果をRosin-Rammlar 線図にプロットし、
測定に供した無機フィラーの全重量の50重量%が通過
するマイクロシーブまたは、フルイの目開きl50に相当
する値である。
【0032】すなわち無機フィラーの重量平均フレーク
径lは、下記式(1)または、(2)で定義される。 l=l50(マイクロシーブの場合) (1) l=20.5 ・l50(フルイの場合) (2) ここで粒度の大きい部分についてはフルイによって分級
されるものであり、粒度の細かい部分については、マイ
クロシーブによって分級されるものである。
【0033】本発明における重量平均アスペクト比αと
は、重量平均フレーク径lと、以下の方法により測定さ
れる無機フィラーの重量平均フレーク厚さdより式
(3)を用いて算出される値である。 α=l/d (3) 式(3)における重量平均フレーク厚さdは、C.E.Cape
s らの報告による水面単粒子膜法(C.E.Capes and R.C.C
oleman.Ind.Eng.Chen.Fundan.,Vol.12,p.124・126(197
3) )により測定されるフレークの水面での占有面積S
を用いて式(4)から算出される値である。 d=W/{ρ(1−ε)・S} (4) ここでWは、測定に供した無機フィラーの重量、ρは、
無機フィラーの比重、(1−ε)は、無機フィラが水面
上で最密充填状態を取った場合の占有率であり、一般な
0.9を計算に際して使用した。本発明で用いられる無
機フィラーとしてはタルク、クレ−等が挙げられ、特に
タルクが好ましい。
【0034】本発明にかかる口頭部を構成する組成物が
下記、式(5)、式(6)、式(7)及び式(8)を満
足するように各成分を配合することにより、好ましく
は、下記、 式(9)、式(10)、式(11)及び式
(12)を満足するように各成分を配合する事により、
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)をマトリ
ックス相とし、ポリオレフィン系樹脂(B)を分散相と
なり、良好な分散状態を実現する事が出来、本発明の作
用効果を一層向上させることが可能である。 0.7≦W(A)/W(A,B,C)≦0.95…(5) 0.025≦W(B)/W(A,B,C)≦0.30…(6) 0.025≦W(C)/W(A,B,C)≦0.30…(7) 1≦W(D)/W(A,B,C)≦30 …(8) 好ましくは、 0.75≦W(A)/W(A,B,C)≦0.9 …(9) 0.05≦W(B)/W(A,B,C)≦0.25…(10) 0.05≦W(C)/W(A,B,C)≦0.25…(11) 3≦W(D)/W(A,B,C)≦20 …(12) 但し、 W(A,B,C):樹脂組成物の全重量{(A)、
(B)および(C)の合計重量} W(A):組成物中の(A)の重量 W(B):組成物中の(B)の重量 W(C):組成物中の(C)の重量 W(D):樹脂組成物中W(A,B,C)に占める
(D)の重量
【0035】次に樹脂組成物(A、BおよびC)に無機
フィラーを分散させるには、まずヘンシェルミキサー、
スーパーミキサーで混合するか、樹脂(A)、又は
(B)のいずれかの溶融物に無機フィラーを混合してマ
スターを作成し、これを用いる方法もあげられる。
【0036】無機フィラーの凝集性のない、高度な分散
を有する組成物を得る為には、連続式インテンシブミキ
サー、ニーディングタイプ二軸押出機等の連続型混練機
が最適であるが、バンバリーミキサー、インテンシブミ
キサー、加圧ニーダー等のバッチ型混練機を用いること
ができる。これら混練機を使用するにあたっては、ロー
ターやディスクの間隙が重要な役目を果たす。特に、ミ
キシングチャンバーとローターあるいは、ディスクとの
間隙は、1〜3mmが最適である。
【0037】また、本発明の良好な分散性を有する組成
物を得るには混練機の比動力は、0.05kwh/kg
以上、望ましくは0.1〜0.8kwh/kgである。
比動力は、混練に使用される消費電力を一時間あたりの
混練処理量で徐した値で、その単位は、kwh/kgで
ある。
【0038】比動力を0.05kwh/kg以上とする
為には、単に混練機の回転数を上げるだけでは不十分
で、混練中の組成物をジャケットなどで冷却して温度を
下げ、粘度を上昇させることが好ましい。混練温度はケ
ン化物(A)の融点〜融点+80℃、好ましくは、
(A)の融点〜融点+60℃である。混練温度は、排出
口から出る組成物の温度である。
【0039】また、ローター、あるいはディスクの回転
数は、50〜700rpm、好ましくは、100〜50
0rpmである。
【0040】次に本発明のチューブ状容器において、前
記口頭部と熱接合する筒状胴部としては、少なくとも胴
部の最内層(口頭部と熱接合する層)にエチレン−酢酸
ビニル樹脂を用いることが、口頭部との熱接合性、バリ
アー性などの点で重要である。
【0041】胴部を構成する最内層のエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物としては、エチレン含有量が25
モル%から60モル%、好ましくは、30〜50モル
%、ケン化度は、95%以上、好ましくは、98%以上
のものが用いられる。
【0042】かかるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン
化物は、酸素等のガスバリアー性、耐薬品性、内容物の
フレーバーバリアー性などの点で優れている。
【0043】本発明にかかるチューブ状容器において、
好ましい胴部の構成は、最内層をエチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物とし、中間層を延伸ポリアミドフィル
ムや延伸ポリエステルフィルムなどとし、外層をエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体ケン化物もしくはポリオレフィ
ン系樹脂とした多層構成である。最内層には、エチレン
−酢酸ビニル共重合体ケン化物以外の他の樹脂や添加剤
を配合することは、本発明の目的が阻害されない限り、
自由である。又、最内層の厚みは好適には、3〜100
μ、更に好適には5〜80μ、さらには5〜50μであ
る。
【0044】また、エアー・バック性を防止するために
は、中間層に紙および/またはアルミニウム箔を複合す
ることが好ましい。
【0045】かかる胴部は、フィルムをドライラミネー
ト後、筒状にシールして形成するか、胴部を構成する素
材がすべて熱可塑性樹脂の場合には、共押出成形法のT
ダイを用いて多層フィルムないしシートを成膜後、筒状
にシールするか、あるいは環状ダイを用いて直接筒状胴
部を形成する等の方法により得ることができる。
【0046】本発明にかかる組成物を用いてチューブ状
容器を作る方法としては、前記した射出成形法、ディス
ク成形法及び圧縮成形法など公知の成形法が採用出来
る。
【0047】
【実施例】次に実施例により、本発明を更に説明する。
なお、試験に使用した筒状胴部の構成は、外側から低密
度ポリエチレンフィルム(密度0.920g/cm3
150μ/接着性樹脂10μ/エチレンビニルアルコー
ル共重合体樹脂(エチレン含有量47モル%)最内層3
0μの3層構成である。
【0048】実施例の評価は次の方法に基づいて実施し
た。
【0049】(1)バリアー性(酸素透過係数) 口頭部の樹脂組成物をTダイにより230℃にて溶融押
出して、厚み100μのフィルムを成膜後、35℃、8
5%RHの条件下で3週間調湿し、モダン・コントロー
ル社製Ox−Tran100型酸素透過率測定装置を用
いて、温度35℃、湿度85%RHの条件でJISK7
126に準じて酸素透過率を求めた。
【0050】(2)熱接合性 チューブ胴部を15mm幅で縦方向に2か所、それぞれ
が対向するように、口頭部との熱接合部分迄切り取り、
20℃、65%RHにて1週間状態調節後、前記胴部切
開部分の各端部を引張試験機に取り付け、JISK71
27に基づき、20℃、65%RH下で引張速度50m
m/分の条件で熱接合部分の剥離強度を求めた。実用的
には、少なくとも、1.0kg/15mm幅以上、好ま
しくは、2.5kg/15mm幅以上、さらに、耐圧の
要求される物については、3.0kg/15mm幅以上
の剥離強度を要す。
【0051】(3)強度 20℃、65%RHの室内で、チューブ状容器のキャッ
プ開閉を50回繰り返し、口頭部ねじ部の欠け、クラッ
ク発生状況を目視およびルーペで観察して表1の基準に
より評価した。
【0052】
【表1】
【0053】(4)溶融成形性 口頭部を形成する組成物を溶融成形する時の状況、すな
わち、ディスク法ではシート打ち抜き時のヒゲ発生状
況、圧縮法では、定量吐出性、射出成形の場合には、ノ
ズルの樹脂垂れ現象を観察して表2の基準により評価し
た。
【0054】
【表2】
【0055】口頭部切断面の分散状態は、表3の基準に
より判定した。
【0056】
【表3】
【0057】図1は、以下の実施例に係るチューブ状容
器を示し、筒状胴部1の上部3に口頭部2が熱接合さ
れ、胴部1の底部4が熱シールされている。
【0058】本発明の実施例および比較例の詳細を表8
〜9に示す。
【0059】実施例1〜6 表8の実施例1〜6記載の口頭部形成用組成物をタンブ
ラーで予備混合後、40mmの単軸押出機でシリンダー温
度230℃、スクリュー回転数100rpmで溶融混練
して口頭部用ペレットを得た。次に射出成形法チューブ
容器成形機に前記口頭部用ペレットを供給し、一方、同
成形機の金型に予め作成した筒状胴体を供給して射出成
形法によりチューブ状容器を作成した。ここで、上記成
形機は、口径35mmの射出成形機を使用してシリンダー
温度240℃、ノズル温度235℃の条件で口頭部を成
形した。また、当該チューブ状容器の熱接合部の外径3
5mm、口頭部の絞出し部の外径12mm、内径7mmとし、
口頭部の肩部肉厚を2mmとした。
【0060】実施例7〜9 表8の実施例7〜9記載の組成物をヘンシェルミキサー
で予備混合後、30mmの二軸連続混練機で溶融押出して
口頭部用ペレットを得た。二軸連続混練機のローター間
隙は、3mmであり、出口樹脂温度が230℃、ローター
回転数が300rpm及び比動力が0.25kwh/k
gで実施した。次に、射出成形法チューブ容器成形機に
前記口頭部用ペレットを供給し、一方、同成形機の金型
に予め作成した筒状胴体を供給し、射出成形法によりチ
ューブ状容器を作成した。ここで、上記成形機として、
口径35mmの射出成形機を使用してシリンダー温度24
0℃、ノズル温度235℃の条件で口頭部を成形した。
また、当該チューブ状容器の熱接合部の外径35mm、口
頭部の絞出し部の外径12mm、内径7mmとし、口頭部の
肩部肉厚を2mmとした。
【0061】比較例1〜5 表9の比較例1〜5に記載の組成物を用い、実施例1と
同様にしてチューブ状容器を作成した。
【0062】比較例6〜9 表9の比較例6〜9に記載の組成物を用い、実施例7と
同様にしてチューブ状容器を作成した。
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】
【表6】
【0066】
【表7】
【0067】
【表8】
【0068】
【表9】
【0069】
【発明の効果】口頭部と筒状胴部の熱接合性及び口頭部
のバリアー性が優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチューブ状容器を示す。
【符号の説明】
1 筒状胴部 2 口頭部 3 筒状胴部と口頭部の熱接合部 4 底部シール部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最内層がエチレン−酢酸ビニル共重合体
    ケン化物からなる筒状胴部に口頭部を熱接合してなる2
    ピースチューブ状容器において、前記口頭部は、融点が
    135℃以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
    (A)、ポリオレフィン系樹脂(B)および融点が13
    0℃以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
    (C)からなり、かつ(A)はマトリックス相として、
    および(B)は分散相として存在する組成物よりなるこ
    とを特徴とするチューブ状容器。
  2. 【請求項2】 口頭部が、(A)、(B)及び(C)の
    合計量100重量部に対して無機フィラー(D)を1〜
    40重量部含有する組成物からなる請求項1記載のチュ
    ーブ状容器。
  3. 【請求項3】 無機フィラー(D)の重量平均フレーク
    径が50μ以下で重量平均アスペクト比が3以上のタル
    クおよびクレーから選ばれる少なくとも1種である請求
    項2記載のチューブ状容器。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の組成物からなる
    チューブ状容器の口頭部。
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