JPH0924052A - 手術用蛍光画像撮像装置 - Google Patents

手術用蛍光画像撮像装置

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JPH0924052A
JPH0924052A JP7175995A JP17599595A JPH0924052A JP H0924052 A JPH0924052 A JP H0924052A JP 7175995 A JP7175995 A JP 7175995A JP 17599595 A JP17599595 A JP 17599595A JP H0924052 A JPH0924052 A JP H0924052A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 明室状態下でも微弱な蛍光を高S/Nで検出
可能で、良質の蛍光像を撮像することができる手術用蛍
光画像撮像装置を得る。 【解決手段】 生体の露出された部位23に対して、励起
光源10からの励起光L1、照明光源15からの照明光L2
を照射する。この際、回転するシャッタ18により励起光
L1と照明光L2の部位23への照射を、それぞれパルス
状でかつ交互となるように切り換える。励起光L1の照
射により部位23から発せられた蛍光L3を第1の撮像手
段31により検出して蛍光像を撮像し、部位23で反射した
照明光L2を第2の撮像手段35により検出して通常像を
撮像する。このとき、モータ駆動制御回路20により回転
シャッタ36の駆動を制御して、励起光L1が部位23に照
射されているとき蛍光L3を第1の撮像手段31に導き、
照明光L2が部位23に照射されているときそこで反射し
た照明光L2を第2の撮像手段35に導く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光を発する光感
受性物質を吸収している生体に励起光を照射し、そのと
き該光感受性物質から発せられる蛍光による画像を撮像
する蛍光画像撮像装置に関し、さらに詳しくは、手術に
より露出した生体部分の蛍光像を撮像する手術用蛍光画
像撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、一般にPDD(Photodynamic
Diagnosis)と称される光力学診断についての研究が種
々なされている。このPDDとは、腫瘍親和性を有し、
光により励起されたとき蛍光を発する光感受性物質を予
め生体の腫瘍部分に吸収させておき、その部分に光感受
性物質の励起波長領域にある励起光を照射して蛍光を生
じさせ、この蛍光による画像を表示して腫瘍部分を診断
する技術である。
【0003】例えば特公昭63−9464号公報、特開
平1−136630号公報、特開平7−59783号公
報には、このPDDを行なうための蛍光画像撮像装置が
開示されている。この種の蛍光画像撮像装置は基本的
に、光感受性物質の励起波長領域にある励起光を生体に
対して照射する励起光照射手段と、光感受性物質が発す
る蛍光を検出して生体の蛍光像を撮像する手段とからな
るものであり、多くの場合、生体内部に挿入される内視
鏡や、手術用顕微鏡等に組み込まれた形に構成される。
【0004】また、通常は上記各手段に加えて、蛍光像
が撮像されていないときに通常白色光である照明光を生
体に対して照射する手段と、生体において反射した照明
光を検出して生体の通常像を撮像する撮像手段と、この
撮像手段の出力を受けて上記通常像を表示する画像表示
手段(一般には蛍光像表示用のものと兼用される)とが
設けられ、この通常像で示される生体の状態を観察した
り、光照射および撮像手段の先端部分と生体との位置関
係を監視できるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、人体等の生
体に対しては、腫瘍摘出のために開腹、開胸等の手術が
施されることがある。この種の生体切開を伴なう手術
(Open Surgery)において、上述の蛍光画像診断装置を
適用して蛍光像を表示できれば、腫瘍の位置や大きさを
正確に把握可能となり、腫瘍摘出のための切除範囲を最
小限に抑えられる、等の効果が期待できる。
【0006】しかし、前記特公昭63−9464号公
報、特開平1−136630号公報、特開平7−597
83号公報に示された蛍光画像撮像装置は、いずれも内
視鏡に組み込まれたものであって、明室で行なわれる手
術には適用できないものとなっている。すなわち、暗い
生体内部においては微弱な蛍光も比較的検出しやすい
が、手術中は手術部位を十分に明かるい照明光で照射し
続ける必要があり、そのため、微弱な蛍光を高S/Nで
検出することが困難となるのである。
【0007】手術室を暗くすれば、微弱な蛍光も比較的
容易に検出できるが、手術室が暗い間は生体の状態が確
認できなくなるので、生体の安全性を考えると、そのよ
うなことは避けなければならない。
【0008】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、明室状態下でも微弱な蛍光を高S/Nで検出可
能で、良質の蛍光像を撮像することができる手術用蛍光
画像撮像装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による手術用蛍光
画像撮像装置は、請求項1に記載の通り、蛍光を発する
光感受性物質を吸収している部位を含む、生体の露出し
た部分、すなわち切開された部分や、皮膚等の表面部分
に対して、光感受性物質の励起波長領域にある励起光を
照射する励起光照射手段と、上記露出した部分に照明光
を照射する照明光照射手段と、励起光と照明光の上記露
出した部分への照射を、それぞれパルス状でかつ交互と
なるように切り換える光照射切換手段と、上記蛍光が入
射する位置に配されて、該蛍光の通過を制限する第1の
シャッタと、上記露出した部分で反射した照明光が入射
する位置に配されて、該照明光の通過を制限する第2の
シャッタと、上記光照射切換手段の作動と同期させて上
記2つのシャッタの駆動を、励起光が上記露出した部分
に照射されているとき第1のシャッタが開き、照明光が
上記露出した部分に照射されているとき第2のシャッタ
が開くように制御するシャッタ制御手段と、上記第1の
シャッタを介して蛍光を検出して生体の蛍光像を撮像す
る第1の撮像手段と、上記第2のシャッタを介して照明
光を検出して生体の通常像を撮像する第2の撮像手段
と、を備えたことを特徴とするものである。
【0010】なお上記第1の撮像手段としては、請求項
2に記載の通り、露光時間を変更可能なものを用いるの
が望ましい。
【0011】またこの第1の撮像手段としては、請求項
3に記載の通り、第1のシャッタが開いている期間の複
数に亘る露光時間で蛍光像を撮像するものであるのが望
ましい。
【0012】さらに上記第2の撮像手段も、請求項4に
記載の通り、第2のシャッタが開いている期間の複数に
亘る露光時間で生体の通常像を撮像するものであるのが
望ましい。
【0013】一方本発明の手術用蛍光画像撮像装置にお
いては、請求項5に記載の通り、励起光照射手段および
照明光照射手段としてそれぞれ、励起光、照明光を連続
的に発するものを用いることができ、その場合光照射切
換手段としては、これら励起光および照明光の光路にそ
れぞれ配したシャッタを交互に開かせる構成のものを好
適に用いることができる。
【0014】また本発明の手術用蛍光画像撮像装置にお
いては、請求項6に記載の通り、光照射切換手段とし
て、励起光照射手段および照明光照射手段を構成する各
光源を交互にパルス状に点灯させるものを用いることも
できる。
【0015】また本発明の手術用蛍光画像撮像装置にお
いては、請求項7に記載の通り、励起光照射手段と照明
光照射手段としてそれぞれ、励起光、照明光を連続的に
発するものを用いた場合、光照射切換手段は、回転体
と、この回転体に固定されて該回転体が所定の回転位置
にあるとき励起光を前記部位に向かう方向に反射させる
励起光反射ミラーと、上記回転体に固定されて該回転体
が上記所定の回転位置とは異なる回転位置にあるとき照
明光を前記部位に向かう方向に反射させる送光用照明光
反射ミラーとから構成し、また第1のシャッタ、第2の
シャッタおよびシャッタ制御手段は、上記回転体と、こ
の回転体に固定されて、該回転体が励起光反射ミラーに
より励起光を反射させる回転位置にあるとき前記蛍光を
第1の撮像手段に向かう方向に反射させる蛍光反射ミラ
ーと、上記回転体に固定されて、該回転体が上記送光用
照明光反射ミラーにより照明光を反射させる回転位置に
あるとき上記部位で反射した照明光を第2の撮像手段に
向かう方向に反射させる受光用照明光反射ミラーとから
構成することができる。
【0016】
【発明の効果】上記構成を有する本発明の手術用蛍光画
像撮像装置においては、光照射切換手段とシャッタ制御
手段との作用により、生体の露出した部分から発せられ
た蛍光が第1の撮像手段に入射する状態と、上記露出し
た部分で反射した照明光が第2の撮像手段に入射する状
態とが、短い時間間隔で交互に切り換えられるようにな
る。つまり、第1の撮像手段が蛍光を検出している間
は、生体の露出した部分に照明光が照射されることはな
いので、微弱な蛍光を高S/Nで検出することができ、
よって良質の蛍光像を撮像可能となる。
【0017】そして、励起光照射のために照明光がパル
ス状に照射されても、その照射間隔が短ければ、術者等
は照明光の断状態を知覚できず、通常の明室におけるの
と同様にして生体の状態を確認することができる。そう
であれば、蛍光像を長い時間に亘って撮像していても、
生体の安全性は確保される。
【0018】また上記の構成においては、第2の撮像手
段により、反射した照明光による画像すなわち通常像の
撮像を短い時間間隔で繰り返すことができ、その出力を
用いれば、生体部分をリアルタイムで表示可能となる。
したがって、術者等はこの通常像を観察して生体の状態
を確認することもできる。
【0019】なお、第1の撮像手段による適正な露光時
間は、前述した光感受性物質の種類により異なることが
ある。そこで、この第1の撮像手段として露光時間を変
更できるものを用いれば、使用される光感受性物質が変
わっても、それに対応させて適正な露光時間を設定でき
るようになる。
【0020】また、上記第1の撮像手段として、第1の
シャッタが開いている期間の複数に亘る露光時間で撮像
するものを適用した場合は、厳密に言えば連続露光では
ないものの、合計の露光時間が長くなって、蛍光像を高
感度で撮像可能となる。
【0021】また、光照射切換手段による励起光と照明
光の照射切換えは、フリッカを感じさせない周期、すな
わち通常1/60秒よりも短い周期で行なうことが望まし
い。このように照射切換えの周期をかなり短く設定して
も、その場合は第2の撮像手段を、第2のシャッタが開
いている期間の複数に亘る露光時間で撮像するように構
成すれば、通常像も高感度で撮像されるようになる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実
施の形態である手術用蛍光画像撮像装置を示すものであ
る。この手術用蛍光画像撮像装置は、例えば青色領域の
励起光L1を連続的に発する励起光源10と、この励起光
L1を平行光化するコリメーターレンズ11と、平行光化
された励起光L1を反射させるダイクロイックミラー12
と、このダイクロイックミラー12で反射した励起光L1
を集光する集光レンズ13と、対物レンズ14とを有してい
る。
【0023】さらに、白色光である照明光L2を連続的
に発する照明光源15と、この照明光L2を平行光化する
コリメーターレンズ16と、平行光化された照明光L2を
反射させるミラー17とが設けられている。上記ダイクロ
イックミラー12はこの照明光L2を透過させるものであ
る。そしてミラー17は、そこで反射した照明光L2がダ
イクロイックミラー12を透過した後、励起光L1と同じ
光路を辿るように配置されている。
【0024】また、コリメーターレンズ11とダイクロイ
ックミラー12との間の励起光L1の光路、およびコリメ
ーターレンズ16とミラー17との間の照明光L2の光路に
は、シャッタ18が挿入されるようになっている。このシ
ャッタ18は、複数のスリット(図示せず)を有し、高速
回転するモータ19により駆動されて回転する。このモー
タ19の駆動は、該モータ19およびシャッタ18とともに光
照射切換手段を構成するモータ駆動制御回路20によって
制御される。
【0025】シャッタ18の複数のスリットは、それらの
うちの1つが励起光L1を通過させる位置に来たとき、
照明光L2の光路にはスリットが位置せず(つまりシャ
ッタ18が照明光L2を遮断する)、反対にスリットの1
つが照明光L2を通過させる位置に来たとき、励起光L
1の光路にはスリットが位置しない(つまりシャッタ18
が励起光L1を遮断する)ように配置されている。これ
ら励起光L1、照明光L2の各光路におけるシャッタ18
の開閉タイミングを、それぞれ図2の(a)、(b)に
示す。なお本例では、シャッタ18の開閉周期は1/120
秒である。
【0026】生体22の、手術により切開されて露出した
診断部位23には腫瘍24があり、この診断部位23には、腫
瘍親和性を有し、光により励起されたとき蛍光を発する
光感受性物質が予め吸収されている。この光感受性物質
としては、例えばポルフィリン系のものが用いられる。
励起光L1あるいは照明光L2が診断部位23に照射され
ると、それらの光は診断部位23で反射し、また特に励起
光L1が照射された場合は、上記光感受性物質から蛍光
L3が発せられる。
【0027】これらの光L3、L1(あるいはL2)は
対物レンズ14で集光され、コリメーターレンズ27によっ
て平行光化され、ビームスプリッタ28において一部が反
射し、残余がそこを透過する。ビームスプリッタ28で反
射した光は集光レンズ29で集光され、励起光カットフィ
ルター30を介して、第1の撮像手段31に入射する。蛍光
像撮像用に設けられたこの第1の撮像手段31は、長時間
露光が可能な例えば電荷蓄積機能を有するCCD撮像板
等からなり、その出力はCRT等からなる画像表示手段
32に入力される。
【0028】一方、ビームスプリッタ28を透過した光は
ミラー33で反射し、集光レンズ34で集光されて、第2の
撮像手段35に入射する。通常像撮像用に設けられたこの
第2の撮像手段35は例えばカラーCCD撮像板等からな
り、その出力も上記画像表示手段32に入力される。
【0029】また、ビームスプリッタ28と集光レンズ29
との間の光路、およびミラー33と集光レンズ34との間の
光路には、シャッタ36が挿入されるようになっている。
このシャッタ36は複数のスリット(図示せず)を有し、
高速回転するモータ37により駆動されて回転する。この
モータ37の駆動は、前述したモータ駆動制御回路20によ
って制御される。
【0030】シャッタ36の複数のスリットは、前述した
シャッタ18におけるのと同様、それらのうちの1つがビ
ームスプリッタ28で反射した光を通過させる位置に来た
とき、ミラー33で反射した光をシャッタ36が遮断し、反
対にスリットの1つがミラー33で反射した光を通過させ
る位置に来たとき、ビームスプリッタ28で反射した光を
シャッタ36が遮断するように配置されている。
【0031】ここで、モータ駆動制御回路20によりモー
タ19とモータ37とが互いに同期を取って駆動されること
により、ビームスプリッタ28で反射した光の光路におけ
るシャッタ36の開閉タイミングは、図2の(a)に示し
た励起光L1の光路におけるシャッタ18の開閉タイミン
グと同じとされ、ミラー33で反射した光の光路における
シャッタ36の開閉タイミングは、図2の(b)に示した
照明光L2の光路におけるシャッタ18の開閉タイミング
と同じとされている。
【0032】以下、上記構成の手術用蛍光画像撮像装置
の作用について説明する。シャッタ18が前述のように回
転されることにより、対物レンズ14には励起光L1と照
明光L2が短い時間間隔で交互に入射する。そこで診断
部位23には、対物レンズ14からそれぞれパルス状に出射
する励起光L1と照明光L2が、交互に照射される。
【0033】ここで、シャッタ18とシャッタ36の開閉タ
イミングが上述のように設定されているので、励起光L
1が診断部位23に照射されるとき、第1の撮像手段31へ
の光路が開いて第2の撮像手段35への光路は閉じられ、
一方、照明光L2が診断部位23に照射されるとき、第2
の撮像手段35への光路が開いて第1の撮像手段31への光
路は閉じられる。
【0034】したがって、励起光L1が照射されたとき
診断部位23から発せられた蛍光L3は、前述のように対
物レンズ14、集光レンズ27、ビームスプリッタ28を経た
後、シャッタ36のスリットを通過し、集光レンズ29によ
り集光されて、第1の撮像手段31に入射する。そこでこ
の第1の撮像手段31により診断部位23の蛍光像が撮像さ
れ、この蛍光像Aが画像表示手段32に表示される。なお
上記光感受性物質は腫瘍親和性を有するので、基本的に
腫瘍部分のみが蛍光像Aとして示される。
【0035】ここで、第1の撮像手段31の電荷蓄積の動
作タイミングは、図2の(c)に示すものとなってい
る。すなわち、第1の撮像手段31は、そこに向かう蛍光
L3の光路が開かれている期間(1/240 秒)の複数に
亘る比較的長い時間T(例えば1秒〜数秒程度)電荷蓄
積を続ける。そこで第1の撮像手段31は、1/120 秒の
周期でパルス状に入射して来る蛍光L3を、合計では長
時間検出することになり、蛍光像Aを高感度で撮像可能
となる。
【0036】また、第1の撮像手段31が蛍光L3を検出
している間は、露出した診断部位23に照明光L2が照射
されることはないので、微弱な蛍光L3を高S/Nで検
出することができ、よって良質の蛍光像Aを撮像可能と
なる。
【0037】なお、上述のように第1の撮像手段31が電
荷蓄積を続けている間、診断部位23には照明光L2が何
回か照射され、そのとき診断部位23で反射した照明光L
2の一部はビームスプリッタ28で反射する。しかし、診
断部位23に照明光L2が照射される期間は、第1の撮像
手段31に向かう光の光路がシャッタ36によって閉じられ
るから、第1の撮像手段31はこの反射した照明光L2を
検出することはなく、蛍光L3のみを検出し続ける。ま
た、診断部位23で反射して第1の撮像手段31に向かう励
起光L1は、励起光カットフィルター30によってカット
される。
【0038】一方、照明光L2が照射された際に診断部
位23で反射した照明光L2は、前述のように対物レンズ
14、集光レンズ27、ビームスプリッタ28、ミラー33を経
た後、シャッタ36のスリットを通過し、集光レンズ34に
より集光されて、第2の撮像手段35に入射する。そこで
この第2の撮像手段35により診断部位23のカラー通常像
が撮像され、この通常像Bが画像表示手段32に表示され
る。
【0039】ここで、第2の撮像手段35の電荷蓄積の動
作タイミングは、図2の(d)に示すものとなってい
る。すなわち、第2の撮像手段35は、フィールド周期が
1/60秒であるNTSC規格のビデオ・レートで通常像
Bを撮像する。したがって画像表示手段32には、診断部
位23の通常像Bがリアルタイムで表示されるようにな
る。そこで術者や助手は、この通常像Bを観察すること
により、診断部位23の状態や、プローブ21と診断部位23
との位置関係を確認可能となる。そうであれば、上記の
ように蛍光像Aを長い時間に亘って撮像していても、生
体22の安全性が確保される。
【0040】また、照明光L2はパルス状に照射される
が、その断時間は1/240 秒と短いから、術者等は照明
光L2の断状態を知覚できず、通常の明室におけるのと
同様にして診断部位23の状態を確認することができる。
【0041】なお第1の撮像手段31と第2の撮像手段35
の電荷蓄積の動作タイミングは、モータ駆動制御回路20
が出力する同期信号に基づいて、シャッタ18および36の
動作タイミングと同期が取られる。
【0042】また本例では、励起光L1と照明光L2の
照射切換え周期は、表示画像においてフリッカを感じさ
せないように、1/120 秒と十分に短く設定されてい
る。このように照射切換えの周期が短くても、第2の撮
像手段35が、診断部位23に照明光L2が照射されている
期間の複数に亘る露光時間(1/80秒)で1画像を撮像
しているので、通常像Bも高感度で撮像されるようにな
る。
【0043】また、第2の撮像手段35が電荷蓄積を続け
ている間、診断部位23には励起光L1が1回照射され、
そのとき診断部位23で反射した励起光L1および蛍光L
3の一部はビームスプリッタ28を透過する。しかし、診
断部位23に励起光L1が照射される期間は第2の撮像手
段35に向かう光の光路がシャッタ36によって閉じられる
から、第2の撮像手段35はこの反射した励起光L1や蛍
光L3を検出することはなく、照明光L2のみを検出す
る。
【0044】以上説明した実施の形態では、シャッタ制
御手段を構成するモータ駆動制御回路20により、1つの
シャッタ36の駆動が制御されているが、第1の撮像手段
31に向かう蛍光L3の通過を制限する第1のシャッタ
と、第2の撮像手段35に向かう照明光L2の通過を制限
する第2のシャッタとして別個のものを設け、それら2
つのシャッタの駆動をシャッタ制御手段によって制御す
るようにしてもよい。
【0045】また、第1の撮像手段31に向かう蛍光L3
の通過を制限する第1のシャッタや、第2の撮像手段35
に向かう照明光L2の通過を制限する第2のシャッタ、
さらに励起光L1と照明光L2の照射を切り換えるシャ
ッタとしては、機械的に作動するものに限らず、PLZ
TやPLHT等からなるものを用いることもできる。
【0046】次に図3を参照して、本発明の手術用蛍光
画像撮像装置の第2の実施の形態について説明する。な
おこの図3において、図1中の要素と同等の要素には同
番号を付し、それらについての説明は特に必要の無い限
り省略する(以下、同様)。
【0047】この第2の実施の形態の手術用蛍光画像撮
像装置は、第1の実施の形態の手術用蛍光画像撮像装置
と比べると、励起光と照明光の照射を切り換えるための
構成、およびこの光照射切換えと同期させてシャッタ36
の駆動を制御するための構成が異なるものである。すな
わちこの第2の実施の形態では、励起光源10および照明
光源15として、それぞれ励起光L1、照明光L2をパル
ス状に発するものが用いられている。そしてこれらの励
起光源10および照明光源15は光源駆動制御回路40によ
り、一方が消灯している間に他方が点灯し、他方が消灯
すると一方が点灯するように駆動制御される。これらの
励起光源10および照明光源15の駆動タイミングを、それ
ぞれ図4の(a)、(b)に示す。図中、ONが点灯を
示し、OFFが消灯を示している。
【0048】また上記光源駆動制御回路40とモータ駆動
制御回路20が、同期制御回路41から入力される同期信号
に基づいて作動することにより、ビームスプリッタ28で
反射した光の光路におけるシャッタ36の開閉タイミング
は、図4の(a)に示した励起光源10のON−OFFタ
イミングと同じとされ、ミラー33で反射した光の光路に
おけるシャッタ36の開閉タイミングは、図4の(b)に
示した照明光源15のON−OFFタイミングと同じとさ
れている。
【0049】以上の構成においても、励起光L1が診断
部位23に照射されるとき、第1の撮像手段31への光路が
開いて第2の撮像手段35への光路は閉じられ、一方、照
明光L2が診断部位23に照射されるとき、第2の撮像手
段35への光路が開いて第1の撮像手段31への光路は閉じ
られるようになる。
【0050】第1の撮像手段31と第2の撮像手段35の電
荷蓄積の動作タイミングは、それぞれ図4の(c)、
(d)に示すものとなっており、蛍光像Aおよび通常像
Bの撮影、表示は、第1の実施の形態におけるのと同様
になされる。
【0051】次に図5および6を参照して、本発明の手
術用蛍光画像撮像装置の第3の実施の形態について説明
する。この第3の実施の形態の手術用蛍光画像撮像装置
においては、励起光L1と照明光L2の照射を切り換え
るために、一般にシャッタドラムと称されるものが用い
られている。このシャッタドラム50は、図示しない駆動
手段により回転軸51を中心として一定方向に回転駆動さ
れる回転体52を有している。回転軸51は、励起光L1お
よび照明光L2の進行方向に対して直交する向きに配さ
れている。なお図5と図6は、回転体52の回転位置が互
いに90°異なる状態を示している。
【0052】上記回転体52には、互いに高さ位置(回転
軸51と平行な方向)を揃えて、2つのミラー53a、53b
と、同じく2つのビームトラップ54a、54bが固定され
ている。ミラー53a、53bは互いに回転軸51からの距離
が等しい位置において、回転軸51の周りに180 °の角度
を置いて配設されている。ビームトラップ54a、54b
も、互いに回転軸51からの距離が等しい位置において、
回転軸51の周りに180 °の角度を置いて配設されてい
る。そしてミラー53aとビームトラップ54aは、回転軸
51の周りに互いに90°角度をずらして配設されている。
【0053】また回転体52には、上記ミラー53a、53b
およびビームトラップ54a、54bとは異なる高さ位置に
おいて、2つのミラー55a、55bおよび2つのビームト
ラップ56a、56bが、互いに高さ位置を揃えて固定され
ている。ミラー55a、55bは互いに回転軸51からの距離
が等しい位置において、回転軸51の周りに180 °の角度
を置いて配設されている。ビームトラップ56a、56b
も、互いに回転軸51からの距離が等しい位置において、
回転軸51の周りに180 °の角度を置いて配設されてい
る。そしてミラー55aとビームトラップ56aとは、回転
軸51の周りに互いに90°角度をずらして配設されてい
る。
【0054】図中下方のミラー53a、53bと上方のミラ
ー55a、55bとは、回転軸51の周りに互いに90°角度を
ずらして配設されている。図中下方のビームトラップ54
a、54bと上方のビームトラップ56a、56bも、回転軸
51の周りに互いに90°角度がずれた状態となっている。
また、下方のミラー53a、53bと上方のミラー55a、55
bとは、互いに回転軸51からの距離が等しい位置に配設
されている。図中下方のビームトラップ54a、54bと上
方のビームトラップ56a、56bも、互いに回転軸51から
の距離が等しい位置に配設されている。そして下方のビ
ームトラップ54a、54bは、上方のミラー55a、55bと
比べて、より回転軸51に近い位置に配設されている。
【0055】上記の構成において、励起光源10および照
明光源15はともに連続的に駆動される。回転体52が図5
に示す回転位置に来ると、励起光L1がミラー53aで反
射して集光レンズ13に入射し、そこで集光されて送光用
光ファイバー14に入射する。このとき照明光L2はビー
ムトラップ56aに吸収され、送光用光ファイバー14に入
射することはない。そこでこの場合は、診断部位23に励
起光L1のみが照射される。
【0056】それにより診断部位23から発せられた蛍光
L3は、集光レンズ25、受光用光ファイバー26、集光レ
ンズ27を経てミラー53bで反射し、集光レンズ29により
集光されて、第1の撮像手段31に入射する。そこでこの
第1の撮像手段31により診断部位23の蛍光像が撮像さ
れ、この蛍光像Aが画像表示手段32に表示される。
【0057】一方、図5に示す状態から回転体52が90°
回転すると、図6に示す状態となる。この状態では、照
明光L2がミラー55aで反射して集光レンズ13に入射
し、そこで集光されて送光用光ファイバー14に入射す
る。このとき励起光L1はビームトラップ54aに吸収さ
れ、送光用光ファイバー14に入射することはない。そこ
でこの場合は、診断部位23に照明光L2のみが照射され
る。
【0058】このとき診断部位23で反射した照明光L2
は、集光レンズ25、受光用光ファイバー26、集光レンズ
27を経てミラー55bで反射し、集光レンズ34により集光
されて、第2の撮像手段35に入射する。そこでこの第2
の撮像手段35により診断部位23のカラー通常像が撮像さ
れ、この通常像Bが画像表示手段32に表示される。
【0059】図6に示す状態から回転体52がさらに90°
回転すると、診断部位23に励起光L1が照射されて、蛍
光像Aが撮像されるようになる。ただしこのときは、励
起光L1がミラー53bで反射し、蛍光L3がミラー53a
で反射することになる。
【0060】そこから回転体52がさらに90°回転する
と、診断部位23に照明光L2が照射されて、通常像Bが
撮像されるようになる。ただしこのときは、送光用光フ
ァイバー14に入射する前の照明光L2がミラー55bで反
射し、診断部位23で反射して受光用光ファイバー26から
出射した照明光L2がミラー55aで反射する。
【0061】以上のようにして、回転体52の回転にとも
なって、蛍光像Aと通常像Bが交互に撮像されるように
なる。
【0062】なおこの実施の形態では、ミラー53a、53
bがそれぞれ、励起光反射ミラーとしてもまた蛍光反射
ミラーとしても作用するようになっているが、励起光反
射ミラーおよび蛍光反射ミラーとして各々専用のものを
用いることもできる。例えば、図5および6に示される
ような構造においては、ミラー53a、53bを互いに高さ
位置を変えて回転体52に固定しておけばよい。
【0063】またこの実施の形態では、ミラー55a、55
bがそれぞれ、送光用照明光反射ミラーとしてもまた受
光用照明光反射ミラーとしても作用するようになってい
るが、それらについても上記と同様のことが言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による手術用蛍光画
像撮像装置を示す概略図
【図2】上記第1の実施の形態の手術用蛍光画像撮像装
置における励起光と照明光の照射切換えを行なうシャッ
タの開閉タイミングと、撮像手段の露光タイミングとを
示すグラフ
【図3】本発明の第2の実施の形態による手術用蛍光画
像撮像装置を示す概略図
【図4】上記第2の実施の形態の手術用蛍光画像撮像装
置における励起光源と照明光源の点灯タイミングと、撮
像手段の露光タイミングとを示すグラフ
【図5】本発明の第3の実施の形態による手術用蛍光画
像撮像装置を示す概略図
【図6】上記第3の実施の形態の手術用蛍光画像撮像装
置の、図5とは異なる状態を示す概略図
【符号の説明】
10 励起光源 11、16、27 コリメーターレンズ 12 ダイクロイックミラー 13、25、29、34 集光レンズ 14 対物レンズ 15 照明光源 17、33 ミラー 18、36 シャッタ 19、37 モータ 20 モータ駆動制御回路 22 生体 23 診断部位 28 ビームスプリッタ 30 励起光カットフィルター 31 第1の撮像手段 32 画像表示手段 35 第2の撮像手段 40 光源駆動制御回路 41 同期制御回路 50 シャッタドラム 51 回転軸 52 回転体 53a、53b、55a、55b ミラー 54a、54b、56a、56b ビームトラップ L1 励起光 L2 照明光 L3 蛍光

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光を発する光感受性物質を吸収してい
    る部位を含む、生体の露出した部分に対して、前記光感
    受性物質の励起波長領域にある励起光を照射する励起光
    照射手段と、 前記露出した部分に照明光を照射する照明光照射手段
    と、 前記励起光と照明光の前記露出した部分への照射を、そ
    れぞれパルス状でかつ交互となるように切り換える光照
    射切換手段と、 前記蛍光が入射する位置に配されて、該蛍光の通過を制
    限する第1のシャッタと、 前記露出した部分で反射した照明光が入射する位置に配
    されて、該照明光の通過を制限する第2のシャッタと、 前記光照射切換手段の作動と同期させて前記2つのシャ
    ッタの駆動を、前記励起光が前記露出した部分に照射さ
    れているとき第1のシャッタが開き、前記照明光が前記
    露出した部分に照射されているとき第2のシャッタが開
    くように制御するシャッタ制御手段と、 前記第1のシャッタを介して前記蛍光を検出して生体の
    蛍光像を撮像する第1の撮像手段と、 前記第2のシャッタを介して前記照明光を検出して生体
    の通常像を撮像する第2の撮像手段と、を備えたことを
    特徴とする手術用蛍光画像撮像装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の撮像手段として、露光時間を
    変更可能なものが用いられていることを特徴とする請求
    項1記載の手術用蛍光画像撮像装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の撮像手段が、前記第1のシャ
    ッタが開いている期間の複数に亘る露光時間で前記蛍光
    像を撮像するものであることを特徴とする請求項1また
    は2記載の手術用蛍光画像撮像装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の撮像手段が、前記第2のシャ
    ッタが開いている期間の複数に亘る露光時間で前記通常
    像を撮像するものであることを特徴とする請求項1から
    3いずれか1項記載の手術用蛍光画像撮像装置。
  5. 【請求項5】 前記励起光照射手段と照明光照射手段が
    それぞれ、前記励起光、照明光を連続的に発するもので
    あり、 前記光照射切換手段が、これら励起光および照明光の光
    路にそれぞれ配したシャッタを交互に開かせるものであ
    ることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の
    手術用蛍光画像撮像装置。
  6. 【請求項6】 前記光照射切換手段が、前記励起光照射
    手段および照明光照射手段を構成する各光源を交互にパ
    ルス状に点灯させるものであることを特徴とする請求項
    1から4いずれか1項記載の手術用蛍光画像撮像装置。
  7. 【請求項7】 前記励起光照射手段と照明光照射手段が
    それぞれ、前記励起光、照明光を連続的に発するもので
    あり、 前記光照射切換手段が、回転体と、この回転体に固定さ
    れて該回転体が所定の回転位置にあるとき前記励起光を
    前記部位に向かう方向に反射させる励起光反射ミラー
    と、前記回転体に固定されて該回転体が前記所定の回転
    位置とは異なる回転位置にあるとき前記照明光を前記部
    位に向かう方向に反射させる送光用照明光反射ミラーと
    から構成され、 前記第1のシャッタ、第2のシャッタおよびシャッタ制
    御手段が、前記回転体と、この回転体に固定されて、該
    回転体が前記励起光反射ミラーにより励起光を反射させ
    る回転位置にあるとき前記蛍光を前記第1の撮像手段に
    向かう方向に反射させる蛍光反射ミラーと、前記回転体
    に固定されて、該回転体が前記送光用照明光反射ミラー
    により照明光を反射させる回転位置にあるとき前記部位
    で反射した照明光を前記第2の撮像手段に向かう方向に
    反射させる受光用照明光反射ミラーとから構成されてい
    ることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の
    手術用蛍光画像撮像装置。
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