JPH09240447A - 車両運動制御装置 - Google Patents

車両運動制御装置

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JPH09240447A
JPH09240447A JP8052757A JP5275796A JPH09240447A JP H09240447 A JPH09240447 A JP H09240447A JP 8052757 A JP8052757 A JP 8052757A JP 5275796 A JP5275796 A JP 5275796A JP H09240447 A JPH09240447 A JP H09240447A
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JP
Japan
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vehicle motion
trc
motion control
abs
vehicle
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Application number
JP8052757A
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English (en)
Inventor
Shoichi Miyanochi
昇一 宮後
Hiroki Asada
宏起 浅田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の車両運動制御を単一のマイクロコンピ
ュータで実行する車両運動制御装置を提供すること。 【解決手段】 車両に配備された1または2以上の検出
手段からの情報に基づいて車両状態を判定し、この判定
結果に基づいて車両に配備された1または2以上のアク
チュエータの制御を行う車両運動制御であって互いに共
通の処理を有する複数の車両運動制御を単一のマイクロ
コンピュータを用いて実行する車両運動制御装置におい
て、複数の車両運動制御のうちの所定の車両運動制御が
実行されているときには前記共通処理を除いて他の車両
運動制御の処理を禁止するようになっている。上述した
他の車両運動制御におけるアクチュエータ制御は、所定
の車両運動制御が終了した後の所定時間内では禁止され
ることが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロコンピュ
ータを用いて車両の運動を制御する車両運動制御装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両運動制御には種々のものがあり、制
動操作中の車輪のロックを防止するためのいわゆるAB
S(アンチロックブレーキシステム)や、加速操作中の
車輪のスピンを防止するためのTRC(トラクションコ
ントロール)などがその代表的な制御である。
【0003】これらの車両運動制御の演算処理の中に
は、例えば車輪速演算のような種々の車両運動制御に共
通な演算処理がある。この共通な演算処理の結果は、そ
れぞれの車両運動制御の結果に整合性を持たせるため
に、各制御間でバラツキがないことが望ましい。このた
めには、共通演算処理を各車両運動制御とは切り離して
独立に行い、その結果を必要に応じて各車両運動制御に
提供すればよい。
【0004】これを達成するための技術として、特開平
2−193247号に開示された方法がある。特開平2
−193247号の発明は、複数の車両運動制御に対し
て、単一の制御装置を用いるものであり、制御装置内に
複数のマイクロコンピュータを搭載した構成となってい
る。つまり、複数の車両運動制御用マイクロコンピュー
タから、共通演算処理用マイクロコンピュータを分け、
上位階層マイクロコンピュータを介して各制御用マイク
ロコンピュータとのデータ通信を行う構成となってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平2−19324
7号の発明によれば、処理速度をある程度確保しつつ共
通演算処理の演算結果を共用化することが可能である
が、マイクロコンピュータの搭載数が増加することにな
り、高価となる。
【0006】これに対して、単一のマイクロコンピュー
タを用い、1回の周回処理において、最初に共通演算処
理を行い、この演算結果を利用して複数の車両運動制御
を実行する方法が考えられ、これによれば、部品の中で
も最も高価なものの一つであるマイクロコンピュータが
一つしか用いられていないので、コストの上昇は十分に
抑えられる。しかし、この方法では、複数の車両運動制
御を1回の周回処理中に実行するのであるから、1周回
時間が長くなり、制御精度の低下を招く。また、1周回
時間の短縮化のためにクロックの高速化を行うと処理の
安定性を確保することが困難となる。さらに、処理能力
の高いマイクロコンピュータを採用すれば、コストの大
幅な増大を避けることはできない。
【0007】本発明の課題は、コスト上昇および制御精
度の低下を抑制しつつ、複数の車両運動制御に共通な演
算処理の重複処理を避けて処理結果の共用化を図るもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、本発明の車両運動制御装置は、車両に配備さ
れた1または2以上の検出手段からの情報に基づいて車
両状態を判定し、この判定結果に基づいて車両に配備さ
れた1または2以上のアクチュエータの制御を行う車両
運動制御であって互いに共通の処理を有する複数の車両
運動制御を単一のマイクロコンピュータを用いて実行す
る車両運動制御装置において、複数の車両運動制御のう
ちの所定の車両運動制御が実行されているときには共通
処理を除いて他の車両運動制御の処理を禁止することを
特徴とするものである。
【0009】そして、上述した他の車両運動制御におけ
るアクチュエータ制御は、所定の車両運動制御が終了し
た後の所定時間内では禁止されることが望ましい。
【0010】所定の車両運動制御が上述したABSであ
り、他の車両運動制御が上述したTRCであることが考
えられる。
【0011】
【作用】所定の車両運動制御については、他の車両運動
制御専用の処理が禁止されるので、所定車両運動制御専
用のマイクロコンピュータで制御を行ったときと、ほぼ
同一の処理速度で制御が実行される。しかも、同じマイ
クロコンピュータを用いて他の車両運動制御も必要に応
じて行うことができる。
【0012】また、特定車両運動制御以外の車両運動制
御におけるアクチュエータ制御を、所定の車両運動制御
が終了した後の所定時間内では禁止することにより、当
該他の車両運動制御についての判定処理が不安定な時期
にはアクチュエータ制御が行われない。
【0013】ABSを特定車両運動制御としTRCを他
方の車両運動制御をとした場合には、ABS実行中はT
RCの処理が禁止される。そして、ABS終了後にTR
Cの開始条件が揃ってもABS終了時から所定時間が経
過しなければTRC制御が実行されない。逆に、TRC
終了後にABSへ移行する際には、ABS開始条件が揃
った時点で直ちにABS制御が安定に実行される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
と共に説明する。この実施形態では車両運動制御として
ABSとTRCの2つを考える。ABSは、車輪速の検
出および必要に応じて車体加減速の検出を行い、これら
から車輪のスリップ関連量を算出した後、スリップ関連
量が所定値以下になるようにブレーキ油圧回路の増減圧
制御を行う制御システムであり、車両制動操作中に制御
が実行される。一方、TRCは車両加速操作中に実行さ
れる制御であり、車輪速の検出を行い、これから車輪の
スリップ関連量を算出し、その結果からブレーキ油圧回
路の増減圧制御およびエンジンの出力制御を行うもので
ある。
【0015】図1は本実施形態の車両運動制御装置の電
子制御ユニット(ECU)の構成を示すブロック図であ
り、図2はその動作フローを示すフローチャートであ
る。また、図3は図1に示すECUからの指令に基づい
てABSおよびTRCのブレーキ制御を行う油圧回路を
示す図である。
【0016】図1に示すように、この車両運動制御装置
のECU11は、単一のCPU(マイクロコンピュー
タ)12と、図2のフローチャートに示す制御動作プロ
グラム等が格納されたROM(リードオンリメモリ)1
3と、各種のデータを一時的に保存するRAM(ランダ
ムアクセスメモリ)14と、前後左右の車輪に設けられ
た車輪速センサからのセンサパルス等を入力するセンサ
インターフェース15と、CPU12からの指令に基づ
いて図3に示す油圧回路の各アクチュエータの動作を制
御する信号を出力する油圧回路アクチュエータインター
フェース16と、CPU12からの指令に基づいて不図
示のエンジンの動作を制御する信号を出力するエンジン
アクチュエータインターフェース17とを備え、これら
がバスライン18を介して互いに接続されている。
【0017】CPU12は、図2に示すフローチャート
に従ってABSとTRCの2つの車両運動制御を必要に
応じて実行する。両制御の開始条件は後述するが、AB
SおよびTRCのいずれかが開始されると、いずれの場
合もブレーキ油圧回路の各アクチュエータが制御され、
増圧・減圧・保持の中の一つの状態が選択される。
【0018】そこで、図2の説明に先立って図3の油圧
回路の構成および動作を説明する。この油圧回路300
は、ブレーキペダル301の動作に伴う圧力を直接受
け、その圧力に応じた油圧を発生するマスタシリンダ3
70と前後左右の車輪の各ディスクブレーキ用ロータに
それぞれ設けられたホイールシリンダ302〜305と
の間を油圧パイプで連結したものであり、その間にEC
U11によって制御されるABSアクチュエータ320
とTRCアクチュエータ340とが介在している。AB
Sアクチュエータ320は、4つの3ポジションソレノ
イドバルブ322〜325を備え、ソレノイドバルブ3
22はフロント左ホイールシリンダ302に、ソレノイ
ドバルブ323はフロント右ホイールシリンダ303
に、ソレノイドバルブ324はリア左ホイールシリンダ
304に、そしてソレノイドバルブ325はリア右ホイ
ールシリンダ305にそれぞれ接続されている。ABS
アクチュエータ320はさらに、フロント用のポンプ3
26、リザーバー327、バルブ328、329と、リ
ア用のポンプ330、リザーバー331、バルブ33
2、333とを備えている。
【0019】TRCアクチュエータ340は、2つの2
ポジションソレノイドバルブ341、342と3つのバ
ルブ343、344、345とを備えている。また、T
RCアクチュエータ340の他にTRC用の要素とし
て、TRCポンプ351、リザーバータンク351が設
けられている。
【0020】この油圧回路300の各ソレノイドバル
ブ、各ポンプ等はすべてECU11により制御される。
なお、油圧回路300に含まれるものではないが、各車
輪のロータには、車輪速センサ362、363、36
4、365がそれぞれ設けられており、その出力センサ
パルスはECU11に送られる。
【0021】つぎに、この油圧回路300の動作を、A
BS・TRC非作動時、ABS作動時、TRC作動時の
3つに分けて簡単に説明する。両制御非作動時には、ソ
レノイドバルブ322、323、324、325、34
1、342がそれぞれ図示の状態になっており、この状
態でブレーキペダル301が踏まれると、マスタシリン
ダ370の油圧が上昇し、フロントホイール系ではブレ
ーキフルードがマスタシリンダ370からソレノイドバ
ルブ322、323を経てホイールシリンダ302、3
03に至り、フロントホイールのロータを締め付ける。
同時に、リアホイール系ではブレーキフルードがマスタ
シリンダ370からソレノイドバルブ341、ソレノイ
ドバルブ324、325を経てホイールシリンダ30
4、305に至る。ブレーキペダル301が解放される
と、踏み込み時と逆のルートでブレーキフルードがマス
タシリンダ370に戻る。
【0022】ABS作動時の減圧モードでは、ソレノイ
ドバルブ322〜325のマスタシリンダ側のポートが
閉じてリザーバー側のポートが開くため、各ホイールシ
リンダのブレーキフルードが対応するソレノイドバルブ
を経てリザーバー327、331に至り、各ホイールシ
リンダの圧力が減じる。リザーバー327、331に溜
まったブレーキフルードはそれぞれポンプ326、33
0によってマスタシリンダ370に戻される。ABS保
持モードでは、ソレノイドバルブ322〜325のマス
タシリンダ側とリザーバー側の2つのポートが閉じるた
め、各ホイールシリンダの油圧が保持される。ABS増
圧モードでは、ソレノイドバルブ322〜325の状態
は非作動時と同じとなり、マスタシリンダ370のブレ
ーキフルードがホイールシリンダ302、303、30
4、305に送られる。このとき、リザーバー327、
331にブレーキフルードが残っていればポンプ32
6、330でブレーキフルードをマスタシリンダ370
に汲み上げる。
【0023】TRC作動時の増圧モードでは、ソレノイ
ドバルブ342のマスタシリンダ370側のポートが閉
じTRCポンプ351側のポートが開き、ソレノイドバ
ルブ341のポートは開いて、TRCポンプ351が作
動状態となる。ABSアクチュエータ320のリアホイ
ール側のソレノイドバルブ324、325はリザーバー
331側が閉じマスタシリンダ370側が開いている。
これにより、ブレーキフルードはTRCポンプ351か
らソレノイドバルブ341、ソレノイドバルブ324、
325を経てホイールシリンダ304、305に送ら
れ、ロータが締め付けられる。TRCポンプ351の吐
出圧はバルブ343により一定に調整されている。TR
C保持モードでは、TRCアクチュエータ340および
TRCポンプ351が増圧モードと同じ状態であり、A
BSアクチュエータ320のソレノイドバルブ324、
325がABSのときと同じ保持状態となる。これによ
り、ホイールシリンダ304、305の油圧は保持され
る。TRC減圧モードでは、ソレノイドバルブ341の
TRCポンプ351側ポートが開きマスタシリンダ37
0側ポートが閉じ、ソレノイドバルブ342のポートが
開く。また、ABSアクチュエータ320のソレノイド
バルブ324、325はソレノイドバルブ341側ポー
トが閉じホイールシリンダ304、305側ポートが開
く。これにより、ブレーキフルードはホイールシリンダ
304、305からソレノイドバルブ324、325、
ソレノイドバルブ342を経てマスタシリンダリザーバ
ー352に送られる。
【0024】さて、つぎに図2に示すフローチャートを
中心に図1および図3を参照しながら本実施形態の車両
運動制御装置の全体動作を説明する。ABSもTRCも
通常走行時においては待機状態にあり、車両制動時に車
輪がロックしたと判定するとABSが作動し、車両加速
時に車輪が所定量以上スリップしたと判定するとTRC
が作動する。この車両運動制御装置はこのような2つの
制御動作を実現するものである。
【0025】通常走行時には、マイクロコンピュータ
(CPU)12は図2に示すステップ201、202、
203、205、206、207、208を経て201
に戻るというサイクルを繰り返す。ABS作動時にはス
テップ201、202、203、204、205を経て
201に戻るというサイクルを繰り返す。TRC作動時
にはステップ201、202、203、205、20
6、207、208、209を経て201に戻るという
サイクルを繰り返す。そして、ABS作動終了時から急
にTRC作動開始条件が成立した場合には、ステップ2
01、202、203、205、206、207を経て
201に戻るというサイクルを一旦実行し、TRC禁止
が解除された時点でTRC作動サイクルに入る。
【0026】この車両運動制御装置のマイクロコンピュ
ータは以上の通常走行時、ABS作動時、TRC作動
時、ABSからTRCへの移行過渡時の4つの作動サイ
クルのいずれかの状態を常に選択している。以下に各作
動サイクルについて詳細に説明する。
【0027】まず、CPU11は、図3に示す車輪速セ
ンサ362、363、364、365からのセンサパル
スをセンサインターフェース15を介して入力し、前後
左右の各車輪の速度を算出し(ステップ201)、続い
てABS用車両監視処理を行う(ステップ202)。こ
のステップでは、ABSを開始するか否かの判断、AB
S制御中において増圧するか保持するか減圧するか等の
判断を行う。ABSの制御は、車輪がスリップして車輪
速度が推定車体速度よりも基準値を越えて落ち込んだと
きに開始されるのであるが、このときの推定車体速度や
基準値は1〜数周期前の監視処理のデータ等を利用して
決定される。また、車輪速度もステップ201で算出し
た車輪速生値に所定のフィルタ演算処理を施したもので
ある。このようなABS用車両監視処理は、従来の一般
的な処理と同じである。
【0028】監視処理202が終了すると判断ボックス
203に移行する。通常走行時には車輪のスリップがな
いか小さいため、ABS用車両監視処理202における
ABS開始条件を満たさない。その結果、判断ボックス
203ではABSは作動中ではないと判断され、つぎの
判断ボックス205に移行する。判断ボックス205で
も判断ボックス203と同じ判断を行い、通常走行時に
はTRC用車両監視処理(ステップ206)に移行す
る。
【0029】TRC用車両監視処理でも、TRCの開始
条件を満たしたか否かの判断、TRC制御中における状
態の判断等を行う。TRCの制御では、左右前輪(従動
輪)の車輪速度から車体速度を推定してTRC制御目標
速度を設定し、後輪(駆動輪)速度がTRC制御目標速
度を越えたときにTRC開始の判定を下す。また、TR
C作動中にも後輪のスリップ状態を判断し、その判断結
果は後のアクチュエータ制御ステップにおいて利用され
る。スリップ状態の判断にあたっては、車輪速度のフィ
ルタ演算処理、油圧回路の油圧の推定処理、ブレーキパ
ッドの温度の推定処理等が前もって行われ、その結果に
基づいて判断を行う。次式は、このTRCに用いられる
車輪速フィルタ演算の式である。
【0030】
【数1】
【0031】この監視処理206が終了すると、判断ボ
ックス207に移行する。判断ボックス207では、T
RCが禁止中であるか否かの判断を行う。TRCは、A
BS制御が終了した後の一定時間、例えば50〜100
msの間禁止される。したがって、ここではABS終了
後の時間経過を監視することになる。TRCの禁止期間
を設けるのは、上述した車輪速度のフィルタ演算処理等
のいわゆるプリ処理の安定化を図るためである。
【0032】この車両運動制御装置では、ABSの高速
かつ安定な動作を維持するために、ABS作動中は判断
ボックス205によってTRC用車両監視処理206を
含むTRC特有の処理230がスキップされる。そのた
め、ABS制御終了から急にTRC制御に移った場合に
は、ステップ206での車輪速度のフィルタ演算処理に
用いるTRC専用の履歴データがない。そこで、ABS
制御終了の一定時間中は、上記「数1」に示した車輪速
度フィルタ演算式には、前回値としてABS制御中に演
算されていた車輪速度値を代入するとともに、その結果
に基づくTRCアクチュエータ制御を禁止する。なお、
運転者のブレーキからアクセルへのペダルの踏み換えに
は、熟練者でも数10ms以上の時間を要するので、5
0〜100msのTRC禁止は動作上問題となることは
ほとんどない。
【0033】通常走行時では、判断ボックス207は否
定され、次の判断ボックス208でも否定されるのでT
RC用アクチュエータ制御209がスキップされて再び
車輪速センサパルス処理201に戻り、同様の処理が繰
り返される。
【0034】このようなステップ201、202、20
3、205、206、207、208を経て201に戻
る通常走行時のサイクルが繰り返されるなかで、ステッ
プ202のABS用車両監視処理においてABS開始の
判定が下されると、判断ボックス203からABS用ア
クチュエータ制御204に移行すると共に、TRC専用
の処理230をすべてスキップする。すなわち、ステッ
プ201、202、203、204、205を経て20
1に戻るというABSのサイクルが繰り返される。この
サイクルは、判断ボックス205を除けば、ABS専用
のCPUでABS制御を行っている場合と全く同じとな
る。すなわち、車輪速センサパルス処理201および車
両監視処理202で車輪のロック状態を監視しつつ、そ
の状態に応じてアクチュエータ制御処理204で油圧回
路300のソレノイドバルブおよびポンプを制御し、ホ
イールシリンダの油圧の増圧・保持・減圧の調整を行
う。増圧・保持・減圧の際にそれぞれソレノイドバルブ
およびポンプをどのように制御するかは上述した通りで
ある。また、車両状態の判断およびその判断に基づくホ
イールシリンダの増圧・保持・減圧のタイミング設定等
の基準は既に様々な態様が考えられており、適宜選択す
ればよい。
【0035】つぎに、通常走行時(停止時も含む)のサ
イクルが繰り返されるなかで、TRC用車両監視処理2
06においてTRC開始の判定が下された場合を考え
る。この場合、判断ボックス207、208を経てTR
C用アクチュエータ制御209に移行してTRC専用ル
ーチンが繰り返されることになるが、このとき、ABS
専用ルーチン220の中のABS用車両監視処理202
も同時に繰り返される。これは、TRC制御中もABS
のためのプリ処理を停止させないことを意味し、これに
より、TRCからABS開始状態へ急に移行しても、車
両監視処理において正しい車両状態の判断を行うことが
できる。換言すると、ABSについては、プリ処理が安
定するまでアクチュエータ制御を禁止するという必要が
ない。このようなルーチンとしたのは、ABS制御をT
RC制御に優先させる、すなわち、制動を駆動に優先さ
せるという考え方に基づくものである。
【0036】TRCのアクチュエータ制御では、油圧回
路300を制御する他に、エンジン出力の制御を行う。
すなわち、TRC開始条件が整ったら、後輪(駆動輪)
にブレーキを掛けるように、油圧回路のソレノイドバル
ブやポンプを制御すると共に、エンジンのサブスロット
ルバルブを閉じ、点火時期を遅角させてエンジン出力を
低下させる。これによって、車輪スリップ量を減少させ
る。このTRCにおける車両状態の判断、およびその判
断に基づくホイールシリンダの増圧・保持・減圧のタイ
ミング設定、サブスロットルバルブのを閉じ角度、点火
時期の遅角量等の基準値は、ABSと同様に既に様々な
態様が考えられており、適宜選択が可能である。
【0037】ABSからTRCへ急に移行した場合は、
上述したようにTRC専用ルーチン230の中のTRC
用アクチュエータ制御209を一定時間禁止し、禁止解
除後に正規のTRCサイクル(ステップ201、20
2、203、205、206、207、208、209
を経て201に戻るサイクル)に移行して、TRC制御
が実行される。禁止時間帯を設けた理由は既に述べた
が、この禁止期間中に、油圧回路300のTRCポンプ
351のモータを駆動すれば(ステップ210)、TR
C制御動作の立上がり早くなり、禁止時間によるTRC
制御の開始の遅れを少なくすることができる。なお、T
RCポンプ351のモータをABS動作中にも作動させ
ている場合は、ステップ210の動作は、モータの作動
を開始させるというよりもモータ作動を継続させること
になる。
【0038】本実施形態の車両運動制御装置は、ABS
とTRCという2つの車両運動制御を一つのマイクロコ
ンピュータを内蔵した制御回路で行うものであるが、本
発明の車両運動制御装置の制御内容はこの2つに限定さ
れるものではなく、クルーズコントロールをはじめとす
る種々の車両運動制御との組み合わせが可能である。
【0039】また、本発明は、ある所定の車両運動状態
に基づいて所定の制御が実行中となった場合に、その状
態では発生し得ない条件に起因する他の車両運動制御を
禁止するものであり、他の車両運動制御をすべて禁止す
るものではない。たとえば、単一のマイクロコンピュー
タを用いて、ABS、TRCの他に4WS(4ホイール
・ステアリング・システム:前輪だけでなく後輪も操舵
するシステム)も実行しようとする場合には、ABSは
制動動作に基づいて実行されるのに対し、TRCは駆動
動作に基づいて実行されることから、ABS実行中にお
いてはTRC処理が禁止されるが、4WSの処理につい
ては必ずしも禁止する必要はない。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明の車両運動制御装
置によれば、単一のマイクロコンピュータで複数の車両
運動制御を行い、各車両運動制御に共通の処理について
はその結果を共用化すると共に、所定の車両運動制御に
ついては、他の車両運動制御の専用の処理を禁止するの
で、所定車両運動制御専用のマイクロコンピュータで制
御を行ったときと、ほぼ同一の処理速度を確保でき、し
かも安価である。
【0041】また、所定車両運動制御以外の車両運動制
御におけるアクチュエータ制御を、所定の車両運動制御
が終了した後の所定時間内では禁止することにより、す
べての車両運動制御について安定した判定を行うことが
でき、誤動作を防止することができる。
【0042】一般に、制動制御を駆動制御に優先させて
おり、例えばABSをTRCに優先させたい場合には、
ABSを所定車両運動制御としTRCを他方の車両運動
制御とすることにより、ABS実行中はTRCの処理が
禁止される。そして、ABS終了後にTRCの開始条件
が揃っても、ABS終了から所定時間が経過するまで
は、すなわちTRCのプレ処理が安定するまではTRC
制御の実行が禁止されるので、常に安定した制御を行う
ことができる。逆に、TRC終了後にABSへ移行する
際には、ABS開始条件が揃った時点で直ちにABS制
御が安定に実行される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の車両運動制御装置の電子
制御ユニット(ECU)の構成を示すブロック図。
【図2】図1の電子制御ユニット内のマイクロコンピュ
ータの動作フローを示すフローチャート。
【図3】図1に示すECUからの指令に基づいてABS
およびTRCのブレーキ制御を行う油圧回路図。
【符号の説明】
11…電子制御ユニット、12…マイクロコンピュータ
(CPU)、300…油圧回路、301…ブレーキペダ
ル、302〜305…ホイールシリンダ、320…AB
Sアクチュエータ、322〜325…ソレノイドバル
ブ、326,330…ポンプ、327,331…リザー
バー、340…TRCアクチュエータ、341,342
…ソレノイドバルブ、352…リザーバー、362〜3
65…車輪速センサ、370…マスタシリンダ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に配備された1または2以上の検出
    手段からの情報に基づいて車両状態を判定し、この判定
    結果に基づいて前記車両に配備された1または2以上の
    アクチュエータの制御を行う車両運動制御であって互い
    に共通の処理を有する複数の車両運動制御を、単一のマ
    イクロコンピュータを用いて実行する車両運動制御装置
    において、 前記複数の車両運動制御のうちの所定の車両運動制御が
    実行されているときには前記共通処理を除いて他の車両
    運動制御の処理を禁止することを特徴とする車両運動制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記他の車両運動制御におけるアクチュ
    エータ制御は、前記所定の車両運動制御が終了した後の
    所定時間内では禁止されることを特徴とする請求項1に
    記載の車両運動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記所定の車両運動制御は車両制動操作
    中の車輪のロックを防止する制御であり、前記他の車両
    運動制御は車両加速操作中の車輪のスピンを防止する制
    御であり、前記共通の処理が前記車両の車輪速センサパ
    ルス演算処理であることを特徴とする請求項2に記載の
    車両運動制御装置。
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