JPH09240417A - エアバッグ制御装置 - Google Patents

エアバッグ制御装置

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JPH09240417A
JPH09240417A JP8044888A JP4488896A JPH09240417A JP H09240417 A JPH09240417 A JP H09240417A JP 8044888 A JP8044888 A JP 8044888A JP 4488896 A JP4488896 A JP 4488896A JP H09240417 A JPH09240417 A JP H09240417A
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air bag
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 側突エアバッグを備えていても小容量のバッ
クアップコンデンサでエアバッグ展開できるようにして
ユニットを小型化する。 【解決手段】 通常時、前方衝突用エアバッグセンサユ
ニット100 、側方衝突用エアバッグセンサユニット200
それぞれにおいて故障検出処理と衝突発生の有無の判定
処理を所定の周期で繰り返し実行している。そして前方
衝突又は側方衝突が発生した時には前方衝突用エアバッ
グセンサユニット100 又は側方衝突用エアバッグセンサ
ユニット200 のいずれか一方が衝突検知処理を開始する
が、この時、衝突検知していない他方のエアバッグセン
サユニットの動作クロックを低下させることによって電
力消費を抑制するようにし、小容量のバックアップコン
デンサでもエアバッグ展開に必要な電力をまかなえるよ
うにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は前方衝突用エアバッ
グと側方衝突用エアバッグとの両方の展開制御を行うエ
アバッグ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の衝突事故時の乗員の安全
性をより高めるために前方衝突用エアバッグと共に側方
衝突用エアバッグを自動車に装備し、側方から受ける衝
撃に対しては側方衝突用エアバッグを展開させて乗員の
安全を確保する技術が研究、開発されている。
【0003】このような従来のエアバッグ制御装置は図
4に示す回路構成であり、前方衝突用エアバッグ展開を
制御するためのセンタユニット1と、側方衝突用エアバ
ッグ展開を制御するためのサテライトユニット2とから
構成されている。
【0004】そしてセンタユニット1、サテライトユニ
ット2共に共通の電源系統から受電して所定の動作クロ
ック、例えば10MHzの動作クロックで動作し、内部
に組み込まれている種々のプログラムを実行するマイク
ロコンピュータ4,5と、車両の前方、側方それぞれの
衝突時の衝撃を加速度として検出する加速度センサ6,
7と、これらの加速度センサ6,7が所定以上の衝撃を
検出し、マイクロコンピュータ4,5がエアバッグ展開
信号を出力する時に導通するエアバッグ展開スイッチ
8,9と、展開スイッチ8,9が導通することによって
エアバッグ展開電流を受けエアバッグを展開させるスク
イブ10,11から構成されている。
【0005】さらにこれらの前方衝突用のセンタユニッ
ト1と側方衝突用のサテライトユニット2とに対するバ
ッテリからの電源系統が衝突の衝撃などで切断された場
合にもこれらの2ユニット1,2が作動してエアバッグ
を展開させられるようにバックアップ電源を供給するた
めのバックアップコンデンサ12が備えてられている。
【0006】マイクロコンピュータ4,5それぞれに組
み込まれているプログラムによって実行される機能とし
ては、加速度センサ6,7からの加速度検出信号を受け
て所定値以上の加速度が検出された時にエアバッグを展
開させる必要がある衝突であるかどうかの衝突検知演算
を開始し、エアバッグの展開が必要な衝突であると判断
すればエアバッグ展開スイッチ8,9にエアバッグ展開
信号を出力する衝突検知部4A,5Aと、マイクロコン
ピュータ4,5の動作故障の自己診断を行う故障診断部
4B,5Bを備えている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来のエアバッグ制御装置では、衝突時の衝撃で電源系
統が切断されてもマイクロコンピュータ4,5がいずれ
も衝突検知機能と故障診断機能を維持し、さらにエアバ
ッグ展開電流をスクイブ10,11に供給できるように
バックアップコンデンサ12に大容量のものを採用する
必要があり、近年、1台の車両に装備するエアバッグの
数が増加傾向にあるためにバックアップコンデンサ12
として大容量のものを採用する必要があり、その容積が
増大してユニット1,2を収容するケースのサイズも大
きくなってしまう問題点があった。
【0008】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、前方衝突、側方衝突のいずれか一方の
衝突検知機能が働き始めたなら、他方のセンサユニット
のマイクロコンピュータの動作クロックを低いものに変
更することによって他方のセンサユニットの消費電力を
抑制し、少ない容量のバックアップコンデンサでも展開
が本当に必要な側のエアバッグに対して十分な展開電流
を供給することができるようにし、全体としてバックア
ップコンデンサに必要とされる容量を小さくし、それだ
け容積も小さくして装置全体のサイズの小型化が図れる
エアバッグ制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明のエアバ
ッグ制御装置は、前方衝突の衝撃を検知して衝突検知処
理を開始すると共に、常時、前方衝突用エアバッグシス
テムの故障検出処理を実行する前方衝突用エアバッグセ
ンサユニットと、側方衝突の衝撃を検知して衝突検知処
理を開始すると共に、常時、側方衝突用エアバッグシス
テムの故障検出処理を実行する側方衝突用エアバッグセ
ンサユニットと、前記前方衝突用、側方衝突用エアバッ
グセンサユニットの両者に対するバックアップ電源と、
前記前方衝突用エアバッグセンサユニット又は側方衝突
用エアバッグセンサユニットのいずれか一方が衝突検知
した時に、前記エアバッグセンサユニットのいずれか他
方の動作クロック周期を低下させる動作クロック変更手
段とを備えたものである。
【0010】この請求項1の発明のエアバッグ制御装置
では、前方衝突用エアバッグセンサユニット又は側方衝
突用エアバッグセンサユニットのいずれか一方が衝突検
知機能を開始した時には、動作クロック変更手段が他方
のエアバッグセンサユニットの動作クロック周期を低い
ものに変更し、そこでの消費電力をより小さくする。
【0011】これによって、衝突の衝撃で電源系統が遮
断され、電源バックアップコンデンサの電荷によってこ
れらの前方衝突用、側方衝突用それぞれのエアバッグセ
ンサユニットの電力をまかなう必要が生じた際でも、実
際にエアバッグ展開を必要とする側のエアバッグセンサ
ユニットに十分な電流を供給することができるようにな
り、結果としてバックアップコンデンサに要求される容
量を小さくでき、ひいては容積もより小型のものを採用
することができてエアバッグ数の増加にかかわらず、装
置全体の大型化を避けることができるようになる。
【0012】請求項2の発明は、請求項1記載のエアバ
ッグ制御装置において、さらに、動作クロック変更手段
が動作クロック周期を低下させた時に、動作クロック周
期の低下した方のエアバッグセンサユニットの故障検出
処理を停止し、かつ衝突検知演算処理回数を倍加させる
演算処理変更手段を備えたものである。
【0013】この請求項2の発明のエアバッグ制御装置
では、請求項1のエアバッグ制御装置のように前方衝突
又は側方衝突が発生した時、衝突検知処理を開始したエ
アバッグセンサユニットとは異なる側のエアバッグセン
サユニットにおいて動作クロックを低いものに切り替え
ると共に、演算処理変更手段が動作クロック周期を低く
した方のエアバッグセンサユニットの故障検出処理を停
止し、かつ衝突検知演算処理回数を倍加させる。
【0014】これによって、動作クロック周期を低くす
ることによる応答性の後退を衝突検知演算処理回数を倍
加させることで補い、結果的に見かけ上の衝突検知演算
処理周期を変更しないようにして、衝突検知処理性能を
低下させないでバックアップコンデンサの小型化が図れ
るようになる。
【0015】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、衝突の衝撃で
電源系統が遮断され、電源バックアップコンデンサの電
荷によってこれらの前方衝突用、側方衝突用それぞれの
エアバッグセンサユニットの電力をまかなう必要が生じ
た際でも、衝突検知処理を開始していない方のエアバッ
グセンサユニットにおける動作クロックを低いものに切
替えるようにしているので、回路の消費電力を抑制し、
結果としてバックアップコンデンサに要求される容量が
小さくできて容積のより小さなものが採用でき、ひいて
は装置全体の小型化が図れる。
【0016】請求項2の発明によれば、請求項1のエア
バッグ制御装置のように前方衝突又は側方衝突が発生
し、しかも電源系統が遮断されたためにバックアップコ
ンデンサからエアバッグ展開のために電流を供給する必
要が生じた時、衝突検知処理を開始したエアバッグセン
サユニットとは異なる側のエアバッグセンサユニットに
おいて動作クロックを低いものに切り替えるが、これと
共に、演算処理回数変更手段が動作クロック周期を低く
した方のエアバッグセンサユニットの故障検出処理を停
止し、かつ衝突検知演算処理回数を倍加させるので、動
作クロック周期を低くすることによる応答性の後退を衝
突検知演算処理回数を倍加させることで補うことがで
き、結果的に見かけ上の衝突検知演算処理周期を遅くせ
ず、したがって衝突検知処理性能を低下させないでバッ
クアップコンデンサの小型化が図れる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて詳説する。図1は本発明の1つの実施の形態の
回路構成を示しており、前方衝突用エアバッグ展開を制
御するためのセンタユニット100と、側方衝突用エア
バッグ展開を制御するためのサテライトユニット200
とから構成されている。
【0018】センタユニット100とサテライトユニッ
ト200とは共に、共通の電源系統(バッテリ)から受
電して、例えば10MHzといった所定の周波数の動作
クロックで動作し、内部に組み込まれている種々のプロ
グラムを実行するマイクロコンピュータ40,50と、
車両の前方、側方それぞれの衝突時の衝撃を加速度とし
て検出する加速度センサ6,7と、これらの加速度セン
サ6,7が所定以上の衝撃を検出し、マイクロコンピュ
ータ40,50がエアバッグ展開信号を出力する時に導
通するエアバッグ展開スイッチ8,9と、展開スイッチ
8,9が導通することによってエアバッグ展開電流を受
け、エアバッグを展開させるスクイブ10,11から構
成されている。
【0019】またこれらの前方衝突用のセンタユニット
100と側方衝突用のサテライトユニット200とに対
するバッテリからの電源系統が衝突の衝撃などで切断さ
れた場合にもこれらのセンタユニット100及びサテラ
イトユニット200が作動してエアバッグを展開させら
れるようにバックアップ電源を供給するためのバックア
ップコンデンサ120が備えてられている。
【0020】マイクロコンピュータ40,50にはそれ
ぞれに組み込まれているプログラムによって実行される
機能として、加速度センサ6,7からの加速度検出信号
を受けて所定値以上の加速度が検出される時に、エアバ
ッグの展開が必要な衝突であるかどうか、加速度の時間
積分演算を開始して所定値以上の積分値になればエアバ
ッグの展開が必要な衝突が発生したと判断してエアバッ
グ展開スイッチ8,9にエアバッグ展開信号を出力する
衝突検知部40A,50Aと、マイクロコンピュータ4
0,50の動作故障の自己診断を行う故障診断部40
B,50Bと、互いに相手方のマイクロコンピュータ5
0,40の衝突検知部50A,40Aから衝突検知信号
を受けて自分方のマイクロコンピュータ40,50の動
作クロックを通常時のものから低下させた動作クロック
に変更する(例えば、10MHz動作だってものを、5
MHzに低下させる)動作クロック変更部40C,50
Cとを備えている。
【0021】ここで故障診断部40B,50Bそれぞれ
は、互いに相手方のマイクロコンピュータ50,40の
衝突検知部50A,40Aから衝突検知信号を受けるこ
とによって故障診断機能を中止する機能を有しており、
また衝突検知部40A,50Aそれぞれは、動作クロッ
ク変更部40C,50Cによって動作クロック変更され
た時に衝突検知演算処理周期を倍加させる機能を有して
いる。
【0022】次に、上記構成のエアバッグ制御装置の動
作について説明する。バックアップコンデンサ120は
通常時、電源系統からこれらのセンサユニット100、
サテライトユニット200に供給されるバッテリ電力の
一部を受けて、その容量いっぱいまで蓄電している。
【0023】センタユニット100の加速度センサ6
は、主に自動車の前方衝突時の衝撃加速度を検出して衝
突検知部40Aに出力する。同様にサテライトユニット
200の加速度センサ7は主に自動車の側方衝突時の衝
撃加速度を検出して衝突検知部50Aに出力する。
【0024】センタユニット100、サテライトユニッ
ト200それぞれのマイクロコンピュータ40,50の
動作クロック変更部40C,50Cそれぞれは、通常
時、所定周波数の動作クロック、例えば10MHz周波
数の動作クロック指令を出力し、衝突検知部40A,5
0A、故障診断部40B,50Bはすべてこの動作クロ
ックを所定数カウントするごとに1回の割合で、つまり
所定の周期ごとに故障診断、衝突検知の処理機能を繰り
返す。例えば、動作クロック周波数が10MHzである
時に、故障診断処理、衝突検知処理を100msごとに
繰り返し実行する。
【0025】そして、いま前方衝突が発生して加速度セ
ンサ6から大きな加速度信号が衝突検知部40Aに与え
られると、衝突検知部40Aは所定の衝撃加速度、例え
ば、5Gよりも大きな加速度が検知されたかどうか判断
し、所定の衝撃加速度5Gを超える衝撃加速度を検知し
た時に衝突検知動作を開始する。
【0026】衝突検知部40Aが衝突検知動作を開始す
ると、その信号は相手方であるサテライトユニット20
0のマイクロコンピュータ50の故障診断部50Bと動
作クロック変更部50Cに出力され、故障診断部50B
では自分方のマイクロコンピュータ50の故障診断処理
を中断する。そして動作クロック変更部50Cはマイク
ロコンピュータ50の動作クロックを通常時の周波数1
0MHzから遅い周波数、例えば5MHzに低下させる
処理を行う。そしてこの動作クロックの変更と共に、衝
突検知部50Aはそれまでの衝突検知処理周期をCPU
の軽減された負荷時間を利用して倍加させ、見かけ上、
衝突検知処理周期を変化させないようにして、いままで
と同じ速い周期で衝突検知処理を繰返すようにする。
【0027】逆に側方衝突が発生してサテライトユニッ
ト200側の加速度センサ7が大きな加速度を検知して
マイクロコンピュータ50の衝突検知部50Aに大きな
加速度検出信号を与えれば、衝突検知部50Aは相手方
のセンタユニット100のマイクロコンピュータ40の
故障診断部40Bと動作クロック変更部40Cに衝突検
知処理開始信号を与えて、センタユニット100側のマ
イクロコンピュータ40の故障診断処理を中断させ、ま
た動作クロック周波数を低下させ、同時に衝突検知部4
0Aの衝突検知処理周期を倍加させ、見かけ上、衝突検
知処理周期を変化させないようにして、いままでと同じ
速い周期で衝突検知処理を繰返すようにする。
【0028】なお、それぞれのセンサユニット100,
200の衝突検知部40A,50Aそれぞれは、加速度
センサ6,7それぞれからの加速度信号が所定の加速度
を超える時にその衝突がエアバッグ展開を必要とするよ
うな衝突であるかどうかの衝突検知演算処理を開始し、
エアバッグ展開が必要な衝突であると判断すればエアバ
ッグ展開スイッチ8,9それぞれに対してオン指令信号
を出力してこれらのエアバッグ展開スイッチ8,9それ
ぞれを導通させ、バッテリ電源系統が健全であればバッ
テリ電源系統からスクイブ10,11それぞれにエアバ
ッグ展開電流を供給してエアバッグを展開させることに
なる。
【0029】しかしながら、衝突の衝撃でバッテリ電源
系統が遮断されてこれらのセンタユニット100、サテ
ライトユニット200への電源供給が停止した時にはバ
ックアップコンデンサ120が蓄電していた電荷を放電
することによってマイクロコンピュータ40,50の動
作を継続させ、またスクイブ10,11へのエアバッグ
展開電流を補給することになる。そしてこのバックアッ
プコンデンサ120の電力を利用する時にはその容量に
限りがあり、しかもその中でエアバッグ展開電流を確保
しなければならないので、上述したようにセンタユニッ
ト100とサテライトユニット200とのいずれかで衝
突検知処理を開始した時には相手方のセンサユニットで
の電力消費量を抑制するためにマイクロコンピュータの
動作クロックを強制的に低下させ、また故障診断処理を
中断させるのである。
【0030】ここで、この時に相手方の衝突検知処理機
能自体の制御周期を動作クロックと同じように低下させ
るならば、続いて発生するかも知れない衝突の衝撃に対
して即応することができなくなるので、衝突検知部の衝
突検知処理周期を倍加させることによって即応性を確保
する。
【0031】以上の処理手順を図2及び図3のフローチ
ャートに基づいて説明する。図2に示すように、センタ
ユニット100側では、マイクロコンピュータ40の動
作クロックに基づいて設定されている所定の周期毎に衝
突検知部40Aが前方衝突用加速度センサ6から加速度
検出信号G1を取込み、衝突検知処理開始基準加速度
(ここでは、5Gに設定)と比較する(ステップS1,
S2)。
【0032】この加速度検出信号G1と基準加速度5G
との比較において、加速度検出信号G1の方が大きい時
には衝突検知処理機能を開始し、衝突検知部40Aから
サテライトユニット200側に省電力モードに移行する
要求信号を出力する(ステップS3)。
【0033】そして相手方であるサテライトユニット2
00側からも衝突検知処理機能を開始して同じように省
電力モードに移行する要求信号を発していないか判断し
(ステップS4)、その信号が来ていなければ前方衝突
のみであるので、衝突検知アルゴリズムの演算を実行
し、加速度センサ6の検出する加速度の変化がエアバッ
グ展開の必要な態様であれば前方衝突用エアバッグ(フ
ロントエアバッグ)の展開電流がスクイブ10に流れる
ようにエアバッグ展開スイッチ8をオンさせる(ステッ
プS7〜S9)。
【0034】しかしながらステップS2の加速度センサ
6の加速度検出信号G1と基準加速度5Gとの比較にお
いて加速度信号G1が小さくても、また加速度信号G1
が基準加速度5Gよりも大きくてステップS3でサテラ
イトユニット200に対して省電力モードへの移行要求
を出していたとしても、サテライトユニット200側か
ら省電力モードへの移行要求が来ていれば(ステップS
3,S4)、故障診断部40Bの故障診断を中断させ、
また動作クロック変更部40Cで自分方のマイクロコン
ピュータ40の動作クロックを通常の10MHzの周波
数から5MHzの周波数へ低下させ、同時に衝突検知部
40Aに衝突検知処理を2度実行させる(ステップS
5,S6,S7)。
【0035】逆に相手方であるサテライトユニット20
0においては、図3に示すフローチャートにしたがって
衝突検知、エアバッグ展開処理を実行する。サテライト
ユニット200側では、マイクロコンピュータ50の動
作クロックに基づいて設定されている所定の周期毎に衝
突検知部50Aが前方衝突用加速度センサ7から加速度
検出信号G2を取込み、衝突検知処理開始基準加速度
(ここでも、5Gに設定)と比較する(ステップS1
1,S12)。
【0036】この加速度検出信号G2と基準加速度5G
との比較において、加速度検出信号G2の方が大きい時
には衝突検知処理機能を開始し、衝突検知部50Aから
センタユニット100側に省電力モードに移行する要求
信号を出力する(ステップS13)。
【0037】そして相手方であるセンタユニット100
側からそちらでも衝突検知処理機能を開始して同じよう
な省電力モードに移行する要求信号を発していないか判
断し(ステップS14)、その信号が来ていなければ側
方衝突のみであるので、衝突検知アルゴリズムの演算を
実行し、加速度センサ7の検出する加速度の変化がエア
バッグ展開の必要な態様であれば前方衝突用エアバッグ
(フロントエアバッグ)の展開電流がスクイブ11に流
れるようにエアバッグ展開スイッチ9をオンさせる(ス
テップS17〜S19)。
【0038】しかしながらステップS12の加速度セン
サ7の加速度検出信号G2と基準加速度5Gとの比較に
おいて加速度信号G2が小さくても、また加速度信号G
2が基準加速度5Gよりも大きくてステップS13でセ
ンタユニット100に対して省電力モードへの移行要求
を出していたとしても、センタユニット100側から省
電力モードへの移行要求が来ていれば(ステップS2
0,S14)、動作クロック変更部50Cで自分方のマ
イクロコンピュータ50の動作クロックを通常の10M
Hzの周波数から5MHzの周波数へ低下させ、同時に
衝突検知部50Aに衝突検知処理を2度実行させる(ス
テップS15,S16,S17)。
【0039】このようにして、前方衝突あるいは側方衝
突のいずれかを検知した場合、その衝突検知処理機能を
開始するに当って、バッテリ電源ラインが遮断されてバ
ックアップコンデンサ12の蓄電荷を放電させなければ
ならない事態が生じた場合、センタユニット100とサ
テライトユニット200とのいずれか一方が大きな加速
度を検出してエアバッグ展開を必要とする時に、他方の
センサユニットについてはその動作クロックを低下させ
ると共に故障診断処理を中断することによって消費電力
を抑制し、本当にエアバッグを展開させる必要があるセ
ンサユニット側にバックアップコンデンサ12の大部分
の電力を供給させ、確実にエアバッグを展開させるよう
にするのである。
【0040】なお、上記の実施の形態では衝突検知基準
加速度を5Gとしたが、この値は特に限定されることが
なく、変更することができる。またマイクロコンピュー
タの動作クロックも特に限定されることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態の機能ブロック図。
【図2】上記の実施の形態におけるセンタユニットのエ
アバッグ展開処理のフローチャート。
【図3】上記の実施の形態におけるサテライトユニット
のエアバッグ展開処理のフローチャート。
【図4】従来例の機能ブロック図。
【符号の説明】
6 加速度センサ 7 加速度センサ 8 エアバッグ展開スイッチ 9 エアバッグ展開スイッチ 10 スクイブ 11 スクイブ 40 マイクロコンピュータ 40A 衝突検知部 40B 故障診断部 40C 動作クロック変更部 50 マイクロコンピュータ 50A 衝突検知部 50B 故障診断部 50C 動作クロック変更部 100 センタユニット 120 バックアップコンデンサ 200 サテライトユニット

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前方衝突の衝撃を検知して衝突検知処理
    を開始すると共に、常時、前方衝突用エアバッグシステ
    ムの故障検出処理を実行する前方衝突用エアバッグセン
    サユニットと、 側方衝突の衝撃を検知して衝突検知処理を開始すると共
    に、常時、側方衝突用エアバッグシステムの故障検出処
    理を実行する側方衝突用エアバッグセンサユニットと、 前記前方衝突用、側方衝突用エアバッグセンサユニット
    の両者に対するバックアップ電源と、 前記前方衝突用エアバッグセンサユニット又は側方衝突
    用エアバッグセンサユニットのいずれか一方が衝突検知
    した時に、前記エアバッグセンサユニットのいずれか他
    方の動作クロック周期を低下させる動作クロック変更手
    段とを備えて成るエアバッグ制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエアバッグ制御装置にお
    いて、さらに、前記動作クロック変更手段が動作クロッ
    ク周期を低下させた時に、動作クロック周期の低下した
    方のエアバッグセンサユニットの故障検出処理を停止さ
    せ、かつ衝突検知演算処理回数を倍加させる演算処理変
    更手段を備えて成るエアバッグ制御装置。
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