JP2004276811A - エアバッグの展開許可装置、展開許可方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラム - Google Patents

エアバッグの展開許可装置、展開許可方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】エアバッグECUの装置構成を複雑化することなく、より少ないコストで電子式のセーフィングシステムを構築するとともに、エアバッグ動作の信頼性を確保することを課題とする。さらに、処理の遅れを生じさせない電子セーフィングシステムを構築することを課題とする。
【解決手段】エアバッグECU20とは別装置である盗難防止ECU10が備える電子部品(図1に示す盗難防止用兼電子セーフィングマイコン12)において、盗難防止用の加速度センサ11aおよびエアバッグECU20の加速度センサ21aの検出結果に基づいてエアバッグの展開を許可するか否かを判定する。また、盗難防止用の加速度センサ11aをセーフィングに利用する際に、盗難防止ECU10の感度切替部14が、加速度センサ11aの検出感度をエアバッグ展開判定用の検出感度(例えば、±100G程度)に切り替える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、加速度センサの検出結果に基づいてエアバッグを展開するエアバッグ装置に対してエアバッグを展開する際の展開許可を付与するエアバッグの展開許可装置、展開許可方法および展開許可プログラムに関し、特に、エアバッグ装置の装置構成を複雑化することなく、より少ないコストで電子式のセーフィングシステムを構築することが可能になるとともに、エアバッグ動作の信頼性を確保することが可能なエアバッグの展開許可装置、展開許可方法および展開許可プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車などの車両においては、搭乗者を事故から保護するために、加速度センサの検出結果から車両の衝突を検知してエアバッグを展開するエアバッグECU(エアバッグ制御装置)が搭載されている。さらに、かかるエアバッグECUには、エアバッグの誤動作を防止して確実な動作を確保するために、上記した通常の電子式の加速度センサとは別の機械式の加速度センサ(いわゆるセーフィングセンサ)も一般的に搭載され、機械式の加速度センサに続いて電子式の加速度センサの順に衝突を検出している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
これを具体的に説明すると、従来の一般的なエアバッグECUでは、通常の電子式の加速度センサによって事故発生が検知されただけでエアバッグを展開するのではなく、セーフィングセンサによっても車両衝突が検知され、かつ、通常の電子式の加速度センサによって事故発生が検知されている場合に初めてエアバッグを展開している。つまり、セーフィングセンサによって、車両衝突を別途検知して、エアバッグを展開する際の前提条件として展開許可を付与している。
【0004】
さらに、最近に至っては、上記のセーフィングセンサの代わりに、電子式の加速度センサだけでなく、判定用のロジックIC(integrated circuit)やマイコン(超小型コンピュータシステム)を搭載し、電子式のセーフィングシステムを構築することによって、精度良くエアバッグの展開許可を判定するようにしたエアバッグECUも実用化されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−347569号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術では、以下に述べるように、エアバッグECUの装置構成や製造コスト、動作の信頼性などの観点から種々の問題点があった。
【0007】
すなわち、上記の従来技術では、電子式のセーフィングシステムを構築する上で、加速度センサ、ロジックIC、マイコンという新部品をエアバッグECUに追加搭載するので、エアバッグECUの装置構成が複雑化するだけでなく、製造コストも高くなるという問題点があった。
【0008】
また、上記の従来技術では、エアバッグECUという同一装置内に搭載された各種の部品(例えば、加速度センサ、ロジックIC、マイコンなど)を使用して展開の許可および実際の展開を行うので、各部品が電磁波ノイズ等の影響を同時に受けて同時に誤動作する可能性があり、必ずしも動作の信頼性を確保することができないという問題点があった。
【0009】
そこで、この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、エアバッグECUの装置構成を複雑化することなく、より少ないコストで電子式のセーフィングシステムを構築することが可能になるとともに、エアバッグ動作の信頼性を確保することが可能なエアバッグの展開許可装置、展開許可方法および展開許可プログラムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に係る発明は、加速度検出手段の検出結果に基づいてエアバッグを展開するエアバッグ装置に対して前記エアバッグを展開する際の展開許可を付与するエアバッグの展開許可装置であって、エアバッグ制御とは異なる所定制御を行うために車両に設けられた制御装置が備える電子部品を使用し、所定の加速度検出手段の検出結果に基づいて前記エアバッグの展開を許可するか否かを判定する展開許可判定手段を備え、前記所定制御は、前記エアバッグ制御を行う必要がある際には動作が不要な制御であることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、エアバッグ制御とは異なる制御であってエアバッグ制御を行う必要がある際には動作が不要な制御である所定制御を行うために車両に設けられた制御装置が備える電子部品を使用し、所定の加速度検出手段の検出結果に基づいてエアバッグの展開を許可するか否かを判定する。したがって、エアバッグECUに新たにロジックICやマイコンを搭載するのではなく、エアバッグECUとは別の装置に既に搭載されたロジックICやマイコンを利用してエアバッグの展開許可を行うので、エアバッグECUの装置構成を複雑化することなく、より少ないコストで電子式のセーフィングシステムを構築することが可能になるとともに、エアバッグ動作の信頼性を確保することが可能になる。
【0012】
ここで、エアバッグECUとは別装置で電子セーフィングシステムを構築する場合に、エアバッグの展開判定は高速判定が必要であるのに、別装置が装置本来の制御とエアバッグ展開判定の制御とを並行して行う構成にすると、車載用の低性能のCPUでは処理に遅れが生じてしまうおそれがある。したがって、このような場合に、エアバッグ制御を行う必要がある際には動作が不要な制御である所定制御を行う別装置を適用することで、上記した問題点を回避し、処理の遅れを生じさせない電子セーフィングシステムを構築することが可能になる。
【0013】
また、請求項2に係る発明は、加速度検出手段の検出結果に基づいてエアバッグを展開するエアバッグ装置に対して前記エアバッグを展開する際の展開許可を付与するエアバッグの展開許可装置であって、車両の盗難を防止する車両盗難防止装置が備える電子部品を使用し、所定の加速度検出手段の検出結果に基づいて前記エアバッグの展開を許可するか否かを判定する展開許可判定手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、車両の盗難を防止する車両盗難防止装置が備える電子部品を使用し、所定の加速度検出手段の検出結果に基づいて前記エアバッグの展開を許可するか否かを判定する。したがって、エアバッグECUに新たにロジックICやマイコンを搭載するのではなく、エアバッグECUとは別の装置である車両盗難防止装置に既に搭載されたロジックICやマイコンを利用してエアバッグの展開許可を行うので、エアバッグECUの装置構成を複雑化することなく、より少ないコストで電子式のセーフィングシステムを構築することが可能になるとともに、エアバッグ動作の信頼性を確保することが可能になる。
【0015】
ここで、エアバッグECUとは別装置で電子セーフィングシステムを構築する場合に、エアバッグの展開判定は高速判定が必要であるのに、別装置が装置本来の制御とエアバッグ展開判定の制御とを並行して行う構成にすると、車載用の低性能のCPUでは処理に遅れが生じてしまうおそれがある。したがって、このような場合に、別装置として盗難防止ECUを適用すると、かかる盗難防止ECUは本来的にエアバッグの制御が必要な条件下では動作していない(盗難防止ECUは乗員が不存在の場合に動作する)ので、上記した問題点を回避し、処理の遅れを生じさせない電子セーフィングシステムを構築することが可能になる。
【0016】
また、請求項3に係る発明は、請求項2に記載の発明において、前記展開許可判定手段は、前記車両盗難防止装置が備える加速度検出手段の検出結果に基づいて、前記エアバッグの展開を許可するか否かを判定することを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、車両盗難防止装置が備える加速度検出手段の検出結果に基づいて、エアバッグの展開を許可するか否かを判定する。したがって、エアバッグECUに新たに加速度センサを搭載するのではなく、エアバッグECUとは別装置(例えば、盗難防止ECU)に既に搭載された加速度センサを利用してエアバッグの展開許可を行うので、エアバッグECUの装置構成を複雑化することなく、より少ないコストで電子式のセーフィングシステムを構築することが可能になるとともに、エアバッグ動作の信頼性を確保することが可能になる。
【0018】
また、請求項4に係る発明は、請求項2に記載の発明において、前記展開許可判定手段は、前記エアバッグ装置が備える加速度検出手段の検出結果に基づいて、前記エアバッグの展開を許可するか否かを判定することを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、エアバッグ装置が備える加速度検出手段の検出結果に基づいて、エアバッグの展開を許可するか否かを判定する。したがって、エアバッグECUに既に搭載された加速度センサを利用して別装置でエアバッグの展開許可を行うので、エアバッグECUの装置構成を複雑化することなく、より少ないコストで電子式のセーフィングシステムを構築することが可能になるとともに、エアバッグ動作の信頼性を確保することが可能になる。
【0020】
また、請求項5に係る発明は、請求項2、3または4に記載の発明において、前記展開許可判定手段によって前記エアバッグの展開が許可された場合に、前記エアバッグ装置に対して展開許可をシリアル信号によって送信する展開許可送信手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、エアバッグの展開が許可された場合に、エアバッグ装置に対して展開許可をシリアル信号によって送信する。したがって、所定のプロトコルを持ったシリアル信号として展開許可を送信するので、ノイズの影響を抑えて、エアバッグ動作の信頼性を確実に確保することが可能になる。
【0022】
また、請求項6に係る発明は、加速度検出手段の検出結果に基づいてエアバッグを展開するエアバッグ装置に対して前記エアバッグを展開する際の展開許可を付与するエアバッグの展開許可装置であって、車両の盗難を防止する車両盗難防止装置が備える電子部品を使用し、所定の加速度検出手段の検出結果に基づいて前記エアバッグの展開を許可するか否かを判定する第1の判定手段と、前記エアバッグ装置が備える電子部品を使用し、前記加速度検出手段の検出結果に基づいて前記エアバッグの展開を許可するか否かを判定する第2の判定手段と、を備え、前記第1および第2の判定手段によって前記エアバッグの展開が許可された場合に、当該エアバッグの展開が行われることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、車両の盗難を防止する車両盗難防止装置が備える電子部品を使用し、所定の加速度検出手段の検出結果に基づいてエアバッグの展開を許可するか否かを判定するとともに、エアバッグ装置が備える電子部品を使用し、加速度検出手段の検出結果に基づいてエアバッグの展開を許可するか否かを判定し、それぞれでエアバッグの展開が許可された場合に、エアバッグの展開が行われる。したがって、エアバッグECUに新たに加速度センサ、ロジックICやマイコンを搭載するのではなく、エアバッグECUとは別装置である盗難防止ECUに既に搭載された加速度センサ、ロジックICやマイコンを利用してエアバッグの展開許可を行うので、エアバッグECUの装置構成を複雑化することなく、より少ないコストで電子式のセーフィングシステムを構築することが可能になるとともに、エアバッグ動作の信頼性を確保することが可能になり、さらに、盗難防止ECUに搭載された加速度センサを別装置である盗難防止ECUおよびエアバッグECUで重複利用して展開許可の判定を行うので、精度良く展開許可を判定することが可能になる。
【0024】
また、請求項7に係る発明は、請求項6に記載の発明において、前記第1および/または第2の判定手段は、前記車両盗難防止装置が備える加速度検出手段の検出結果と、前記エアバッグ装置が備える加速度検出手段の検出結果とに基づいて、前記エアバッグの展開を許可するか否かを判定することを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、車両盗難防止装置が備える加速度検出手段の検出結果と、エアバッグ装置が備える加速度検出手段の検出結果とに基づいて、エアバッグの展開を許可するか否かを判定する。したがって、別の装置内に搭載された複数の加速度センサを利用して展開許可の判定を行うので、精度良く展開許可を判定することが可能になる。
【0026】
また、請求項8に係る発明は、加速度検出手段の検出結果に基づいてエアバッグを展開するエアバッグ装置に対して前記エアバッグを展開する際の展開許可を付与するエアバッグの展開許可装置であって、エアバッグ制御とは異なる所定制御を行うために車両に設けられた制御装置が備える電子部品を使用し、当該制御装置が備える加速度検出手段および前記エアバッグ装置が備える加速度検出手段の検出結果から合成ベクトルを算出する第1の合成ベクトル算出手段と、前記エアバッグ装置が備える電子部品を使用し、前記制御装置が備える加速度検出手段および前記エアバッグ装置が備える加速度検出手段の検出結果から合成ベクトルを算出する第2の合成ベクトル算出手段と、前記第1および第2の合成ベクトル算出手段によってそれぞれ算出された各合成ベクトルに基づいて、前記エアバッグの展開を許可するか否かを判定する展開許可判定手段と、を備え、前記所定制御は、前記エアバッグ制御を行う必要がある際には動作が不要な制御であることを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、エアバッグ制御とは異なる制御であってエアバッグ制御を行う必要がある際には動作が不要な制御である所定制御を行うために車両に設けられた制御装置が備える電子部品を使用し、当該制御装置が備える加速度検出手段およびエアバッグ装置が備える加速度検出手段の検出結果から合成ベクトルを算出するとともに、エアバッグ装置が備える電子部品を使用し、制御装置が備える加速度検出手段およびエアバッグ装置が備える加速度検出手段の検出結果から合成ベクトルを算出し、それぞれ算出された各合成ベクトルに基づいて、エアバッグの展開を許可するか否かを判定する。したがって、エアバッグECUに新たに加速度センサ、ロジックICやマイコンを搭載するのではなく、エアバッグECUとは別装置に既に搭載された加速度センサ、ロジックICやマイコンを利用してエアバッグの展開許可を行うので、エアバッグECUの装置構成を複雑化することなく、より少ないコストで電子式のセーフィングシステムを構築することが可能になるとともに、エアバッグ動作の信頼性を確保することが可能になり、さらに、別装置でそれぞれ算出したベクトルを利用するので、精度良く展開許可を判定することが可能になる。
【0028】
ここで、エアバッグECUとは別装置で電子セーフィングシステムを構築する場合に、エアバッグの展開判定は高速判定が必要であるのに、別装置が装置本来の制御とエアバッグ展開判定の制御とを並行して行う構成にすると、車載用の低性能のCPUでは処理に遅れが生じてしまうおそれがある。したがって、このような場合に、エアバッグ制御を行う必要がある際には動作が不要な制御である所定制御を行う別装置を適用することで、上記した問題点を回避し、処理の遅れを生じさせない電子セーフィングシステムを構築することが可能になる。
【0029】
また、請求項9に係る発明は、請求項8に記載の発明において、前記第1および第2の合成ベクトル算出手段は、所定の第1の方向に係る加速度を検出する前記制御装置が備える加速度検出手段の検出結果と、当該第1の方向とは異なる所定の第2の方向に係る加速度を検出する前記エアバッグ装置が備える加速度検出手段の検出結果との間で合成ベクトルを算出することを特徴とする。
【0030】
この発明によれば、所定の第1の方向に係る加速度を検出する制御装置が備える加速度検出手段の検出結果と、当該第1の方向とは異なる所定の第2の方向に係る加速度を検出するエアバッグ装置が備える加速度検出手段の検出結果との間で合成ベクトルを算出する。したがって、例えば、盗難防止ECUのY軸加速度センサと前突用エアバッグのX軸加速度センサとの間の合成ベクトルをエアバッグECUおよび盗難防止ECUそれぞれで算出したり、盗難防止ECUのX軸加速度センサと側突用エアバッグのY軸加速度センサとの間の合成ベクトルをエアバッグECUおよび盗難防止ECUそれぞれで算出することで、簡便に精度良く展開許可を判定することが可能になる。
【0031】
また、請求項10に係る発明は、請求項8または9に記載の発明において、前記エアバッグ装置とは異なる制御装置は、前記車両の盗難を防止する車両盗難防止装置であって、前記第1および第2の合成ベクトル算出手段は、前記車両盗難防止装置が備える加速度検出手段および前記エアバッグ装置が備える加速度検出手段の検出結果から合成ベクトルを算出することを特徴とする。
【0032】
この発明によれば、車両の盗難を防止する車両盗難防止装置が備える加速度検出手段およびエアバッグ装置が備える加速度検出手段の検出結果から合成ベクトルを算出する。したがって、ここで、エアバッグECUとは別装置で電子セーフィングシステムを構築する場合に、エアバッグの展開判定は高速判定が必要であるのに、別装置が装置本来の制御とエアバッグ展開判定の制御とを並行して行う構成にすると、車載用の低性能のCPUでは処理に遅れが生じてしまうおそれがある。したがって、このような場合に、別装置として盗難防止ECUを適用すると、かかる盗難防止ECUは本来的にエアバッグの制御が必要な条件下では動作していない(盗難防止ECUは乗員が不存在の場合に動作する)ので、上記した問題点を回避し、処理の遅れを生じさせない電子セーフィングシステムを構築することが可能になる。
【0033】
また、請求項11に係る発明は、請求項1〜10のいずれか一つに記載の発明において、前記エアバッグ制御とは異なる所定制御を行う制御装置または前記車両盗難防止装置が備える加速度検出手段の検出感度をエアバッグ展開判定用の検出感度に切り替える感度切替手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0034】
この発明によれば、エアバッグ制御とは異なる所定制御を行う制御装置または車両盗難防止装置が備える加速度検出手段の検出感度をエアバッグ展開判定用の検出感度に切り替える。すなわち、例えば、盗難防止ECUに搭載された加速度センサの検出感度(具体的には、車両の盗難判定に利用可能な検出感度である。例えば、ジャッキアップなどによる車両の傾斜を検出可能な検出感度であって、±2G程度、または盗難に繋がるような不穏な行為による車両の振動を検出可能な検出感度など)をエアバッグ展開判定用の検出感度(例えば、エアバッグを制御するための衝撃を検出可能な検出感度であって、±100G程度)に切り替える。したがって、エアバッグのセーフィング以外の用途から車両に搭載される加速度センサをエアバッグの展開判定に兼用する場合でも、確実に展開判定を行うことが可能になる。
【0035】
また、請求項12に係る発明は、請求項1〜11のいずれか一つに記載の発明において、前記エアバッグ制御とは異なる所定制御を行う制御装置または前記車両盗難防止装置が備える加速度検出手段に付設されるノイズ除去フィルタのカットオフ周波数をエアバッグ展開判定用の周波数に切り替える周波数切替手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0036】
この発明によれば、エアバッグ制御とは異なる所定制御を行う制御装置または車両盗難防止装置が備える加速度検出手段に付設されるノイズ除去フィルタのカットオフ周波数をエアバッグ展開判定用の周波数に切り替える。したがって、いわゆるハイパスとロウパスのフィルタ回路の切り替えによって、エアバッグの展開を判定する際に妨げとなる高周波ノイズ成分(振動や電磁波ノイズなどによる高周波ノイズ成分)を除去することができ、確実に精度良く展開判定を行うことが可能になる。
【0037】
また、請求項13に係る発明は、請求項1〜12のいずれか一つに記載の発明において、エアバッグ制御とは異なる所定制御を行う制御装置または車両盗難防止装置が備える電子部品のうちの、前記展開許可判定手段および/または第1の判定手段に対してのみ電源の供給を行うエアバッグ展開判定用の電源供給モードに切り替える電源供給切替手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0038】
この発明によれば、エアバッグ制御とは異なる所定制御を行う制御装置または車両盗難防止装置が備える電子部品のうちの、展開許可判定手段および/または第1の判定手段に対してのみ電源の供給を行うエアバッグ展開判定用の電源供給モードに切り替える。したがって、バッテリまたは電池の電源を効率良く使用した上で、エアバッグの展開判定を確実に行うことが可能になる。
【0039】
また、請求項14に係る発明は、請求項11、12または13か一つに記載の発明において、前記車両の状況を監視して、前記感度切替手段、周波数切替手段および/または電源供給切替手段に対して切替指示を送出する切替指示手段をさらに備え、前記感度切替手段、周波数切替手段および/または電源供給切替手段は、前記切替指示手段によって送出された切替指示を受けて、前記検出感度、周波数および/または電源供給モードを切り替えることを特徴とする。
【0040】
この発明によれば、車両の状況を監視して、切替指示を送出し、送出された切替指示を受けて、検出感度、周波数および/または電源供給モードを切り替える。したがって、車両が運転中であるかなどの状況に応じて適切に切替指示を送出し、適切なタイミングで検出感度、周波数および/または電源供給モードを切り替えることが可能になる。
【0041】
また、請求項15に係る発明は、請求項14に記載の発明において、前記切替指示手段は、イグニッションキーの状態を監視し、前記イグニッションキーがオン状態にある場合に、前記検出感度、周波数および/または電源供給モードを前記エアバッグ展開判定用に切り替えるように前記切替指示を送出することを特徴とする。
【0042】
この発明によれば、イグニッションキーの状態を監視し、イグニッションキーがオン状態にある場合に、検出感度、周波数および/または電源供給モードをエアバッグ展開判定用に切り替える。したがって、イグニッションキーのオン状態を車両の運転中とみなして自動的にエアバッグ展開判定用に切り替えるので、運転手による切り替えのための特別の操作を必要とせず、常に適切なタイミングでエアバッグ展開判定用に切り替えることが可能になる。
【0043】
また、請求項16に係る発明は、請求項14に記載の発明において、前記切替指示手段は、イグニッションキーの状態および乗員検知手段の検知結果を監視し、前記イグニッションキーがオン状態にあり、かつ、前記乗員検知手段が乗員を検知した場合に、前記検出感度、周波数および/または電源供給モードを前記エアバッグ展開判定用に切り替えるように前記切替指示を送出することを特徴とする。
【0044】
この発明によれば、イグニッションキーの状態および乗員検知手段の検知結果を監視し、イグニッションキーがオン状態にあり、かつ、乗員検知手段が乗員を検知した場合に、検出感度、周波数および/または電源供給モードをエアバッグ展開判定用に切り替える。したがって、イグニッションキーのオン状態で乗車を検知した状態を車両の運転中とみなして自動的にエアバッグ展開判定用に切り替えるので、運転手による切り替えのための特別の操作を必要とせず、常に適切なタイミングでエアバッグ展開判定用に切り替えることが可能になる。
【0045】
また、請求項17に係る発明は、請求項14に記載の発明において、前記切替指示手段は、イグニッションキーの状態および前記エアバッグ制御とは異なる所定制御を行う制御装置または前記車両盗難防止装置の状態を監視し、前記イグニッションキーがオン状態にあり、かつ、前記制御装置または前記車両盗難防止装置がオフ状態にある場合に、前記検出感度、周波数および/または電源供給モードを前記エアバッグ展開判定用に切り替えるように前記切替指示を送出することを特徴とする。
【0046】
この発明によれば、イグニッションキーの状態およびエアバッグ制御とは異なる所定制御を行う制御装置または車両盗難防止装置の状態を監視し、イグニッションキーがオン状態にあり、かつ、制御装置または車両盗難防止装置がオフ状態にある場合に、検出感度、周波数および/または電源供給モードをエアバッグ展開判定用に切り替える。したがって、イグニッションキーのオン状態で制御装置(例えば、盗難防止ECU)の電源オフを検知した状態を車両の運転中とみなして自動的にエアバッグ展開判定用に切り替えるので、運転手による切り替えのための特別の操作を必要とせず、常に適切なタイミングでエアバッグ展開判定用に切り替えることが可能になる。
【0047】
また、請求項18に係る発明は、請求項14〜17のいずれか一つに記載の発明において、前記切替指示手段は、イグニッションキーの状態を監視し、前記イグニッションキーがオフ状態になってから所定の時間の間は、前記検出感度、周波数および/または電源供給モードを前記エアバッグ展開判定用に保持するように前記切替指示を送出することを特徴とする。
【0048】
この発明によれば、イグニッションキーの状態を監視し、イグニッションキーがオフ状態になってから所定の時間の間は、検出感度、周波数および/または電源供給モードをエアバッグ展開判定用に保持する。したがって、イグニッションキーがオフ状態になってから所定の時間の間もエアバッグの展開判定用の検出感度、周波数および/または電源供給モードが維持されるので、車両を駐車した直後の事故発生に対しても確実にエアバッグの展開判定を行うことが可能になる。
【0049】
また、請求項19に係る発明は、加速度検出手段の検出結果に基づいてエアバッグを展開するエアバッグ装置に対して前記エアバッグを展開する際の展開許可を付与するエアバッグの展開許可方法であって、エアバッグ制御とは異なる所定制御を行うために車両に設けられた制御装置が備える電子部品を使用し、所定の加速度検出手段の検出結果に基づいて前記エアバッグの展開を許可するか否かを判定する展開許可判定工程を含み、前記所定制御は、前記エアバッグ制御を行う必要がある際には動作が不要な制御であることを特徴とする。
【0050】
この発明によれば、エアバッグ制御とは異なる制御であってエアバッグ制御を行う必要がある際には動作が不要な制御である所定制御を行うために車両に設けられた制御装置が備える電子部品を使用し、所定の加速度検出手段の検出結果に基づいてエアバッグの展開を許可するか否かを判定する。したがって、エアバッグECUに新たにロジックICやマイコンを搭載するのではなく、エアバッグECUとは別の装置に既に搭載されたロジックICやマイコンを利用してエアバッグの展開許可を行うので、エアバッグECUの装置構成を複雑化することなく、より少ないコストで電子式のセーフィングシステムを構築することが可能になるとともに、エアバッグ動作の信頼性を確保することが可能になる。さらに、エアバッグ制御を行う必要がある際には動作が不要な制御である所定制御を行う別装置を適用することで、処理の遅れを生じさせない電子セーフィングシステムを構築することが可能になる。
【0051】
また、請求項20に係る発明は、加速度検出手段の検出結果に基づいてエアバッグを展開するエアバッグ装置に対して前記エアバッグを展開する際の展開許可を付与するエアバッグの展開許可方法をコンピュータに実行させる展開許可プログラムであって、エアバッグ制御とは異なる所定制御を行うために車両に設けられた制御装置が備える電子部品を使用し、所定の加速度検出手段の検出結果に基づいて前記エアバッグの展開を許可するか否かを判定する展開許可判定手順をコンピュータに実行させ、前記所定制御は、前記エアバッグ制御を行う必要がある際には動作が不要な制御であることを特徴とする。
【0052】
この発明によれば、エアバッグ制御とは異なる制御であってエアバッグ制御を行う必要がある際には動作が不要な制御である所定制御を行うために車両に設けられた制御装置が備える電子部品を使用し、所定の加速度検出手段の検出結果に基づいてエアバッグの展開を許可するか否かを判定する。したがって、エアバッグECUに新たにロジックICやマイコンを搭載するのではなく、エアバッグECUとは別の装置に既に搭載されたロジックICやマイコンを利用してエアバッグの展開許可を行うので、エアバッグECUの装置構成を複雑化することなく、より少ないコストで電子式のセーフィングシステムを構築することが可能になるとともに、エアバッグ動作の信頼性を確保することが可能になる。さらに、エアバッグ制御を行う必要がある際には動作が不要な制御である所定制御を行う別装置を適用することで、処理の遅れを生じさせない電子セーフィングシステムを構築することが可能になる。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明に係るエアバッグの展開許可装置、展開許可方法および展開許可プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下では、本発明を盗難防止ECUおよびエアバッグECUに適用した場合を実施の形態とし、かかる本実施の形態の概略および特徴を最初に説明した後に、本実施の形態に係る盗難防止ECUおよびエアバッグECUの構成および処理手順を説明し、最後に他の実施の形態として種々の変形例を説明する。
【0054】
(本実施の形態の概要および特徴)
まず最初に、図1を用いて、本実施の形態に係る盗難防止ECU(車両盗難防止装置)およびエアバッグECU(エアバッグ制御装置)の概要および特徴を説明する。図1は、本実施の形態に係る盗難防止ECUおよびエアバッグECUの構成を示すブロック図である。同図に示すように、本実施の形態に係る装置は、盗難防止ECU10とエアバッグECU20とを配線接続して構成される。
【0055】
このうち、盗難防止ECU10は、基本的には、車両のX軸方向の加速度を検出する盗難防止用の加速度センサ11aを傾斜センサ(または振動センサ)として利用して、車両やタイヤを盗難しようとする場合のジャッキアップなどによる車両の傾斜(または盗難に繋がるような不穏な行為による車両の振動)を検出し、車両の盗難防止に係る警報(サイレン等)を出力するものである。
【0056】
一方、エアバッグECU20は、基本的には、車両のX軸方向の加速度を検出するエアバッグ用の加速度センサ21aを衝撃センサとして利用して、車両の衝突事故が発生した場合の衝撃を検出し、エアバッグを展開するものである。また、このエアバッグECU20は、エアバッグ用の加速度センサ21aの検出結果だけでエアバッグを展開するのではなく、エアバッグを展開する際の前提条件である展開許可がいわゆるセーフィングとして付与され、かつ、加速度センサ21aによって事故発生が検知されている場合に初めてエアバッグを展開するものである。つまり、セーフィングによって車両衝突を別途検知して、エアバッグを展開する際の前提条件として展開許可を付与している。
【0057】
そして、本実施の形態に係る盗難防止ECU10およびエアバッグECU20は、エアバッグECU20に対してエアバッグの展開を許可するセーフィングに主たる特徴があり、エアバッグECU20の装置構成や製造コスト、動作の信頼性などの観点から優れたセーフィングを実現するようにしている。
【0058】
ここで、この主たる特徴を簡単に説明すると、本実施の形態では、エアバッグECU20とは別装置である盗難防止ECU10が備える電子部品(図1に示す盗難防止用兼電子セーフィングマイコン12)において、盗難防止用の加速度センサ11aおよびエアバッグECU20の加速度センサ21aの検出結果に基づいてエアバッグの展開を許可するか否かを判定するようにしている。すなわち、エアバッグECU20に新たにロジックICやマイコン、セーフィング用の加速度センサを搭載するのではなく、エアバッグECUとは別の装置である盗難防止ECU10に既に搭載されたロジックICやマイコン、加速度センサを利用してエアバッグの展開許可を行うようにしている。したがって、上記した主たる特徴の如く、エアバッグECU20の装置構成を複雑化することなく、より少ないコストで電子式のセーフィングシステムを構築することが可能になるとともに、エアバッグ動作の信頼性を確保することが可能になる。
【0059】
また、エアバッグECU20とは別装置で電子セーフィングシステムを構築する場合に、エアバッグの展開判定は高速判定が必要であるのに、別装置が装置本来の制御とエアバッグ展開判定の制御とを並行して行う構成にすると、車載用の低性能のCPUでは処理に遅れが生じてしまうおそれがある。そこで、本実施の形態では、本来的にエアバッグの制御が必要な条件下では動作していない盗難防止ECU10(すなわち、乗員が不存在の場合に動作する盗難防止ECU10)を別装置として適用して、上記した問題点を回避し、処理の遅れを生じさせない電子セーフィングシステムを構築することができるようにしている。
【0060】
さらに、本実施の形態に係る盗難防止ECU10およびエアバッグECU20は、上記の主たる特徴に関連して、以下に列挙するような特徴も付加的に有する。つまり、本実施の形態では、エアバッグのセーフィング以外の用途から車両に搭載される盗難防止用の加速度センサ11aをエアバッグの展開判定(セーフィング)に兼用する場合でも、確実に展開判定を行うことができるようにしている点にも特徴がある。
【0061】
これを簡単に説明すると、盗難防止の判定に用いられる検出感度(例えば、±2G程度)は、エアバッグの展開判定に適した検出感度(例えば、±100G程度)と比較して著しく高いものであるので、盗難防止用の加速度センサ11aの検出結果を単純に展開判定に利用したのでは、無駄に反応が連発されることとなる。そこで、本実施の形態では、盗難防止用の加速度センサ11aをセーフィングに利用する際に、図1に示す盗難防止ECU10の感度切替部14が、加速度センサ11aの検出感度をエアバッグ展開判定用の検出感度に切り替えることによって、確実に展開判定を行うことができるようにしている。
【0062】
また、本実施の形態では、上記の検出感度の切替に合わせて、盗難防止ECU10の周波数切替部15が、加速度センサ11aに付設されるノイズ除去フィルタのカットオフ周波数を当該盗難防止用の周波数(例えば、50Hz程度)とは異なるエアバッグ展開判定用の周波数(例えば、200Hz程度)に切り替える。すなわち、これによって、いわゆるハイパスとロウパスのフィルタ回路の切り替えによって、エアバッグの展開を判定する際に妨げとなる高周波ノイズ成分(振動や電磁波ノイズなどによる高周波ノイズ成分)を除去することができ、確実に精度良く展開判定を行うことができるようにしている。
【0063】
また、本実施の形態では、上記の検出感度の切替に合わせて、盗難防止ECU10の電源供給切替部16が、盗難防止ECU10内の加速度センサ11aに対してのみバッテリ1から電源を供給する(すなわち、盗難防止ECU10に本来的に内蔵され、盗難防止に対して機能を発揮する送受信部などの他機器に対しては電源供給を停止する)ように、エアバッグ展開判定用の電源供給モードに切り替える。すなわち、これによって、バッテリ1の電源を効率良く使用した上で、エアバッグの展開判定を確実に行うことができるようにしている。
【0064】
さらに、本実施の形態では、盗難防止ECU10のIGキーモニタ17が、IGキーSW(イグニッションキースイッチ)2のオンオフ状態を監視し、これがオフ状態からオン状態になった場合に、感度切替部14、周波数切替部15および電源供給切替部16に対してエアバッグ展開判定用の切替指示を送出する。すなわち、これによって、IGキーSW2のオン状態を車両の運転中とみなして自動的にエアバッグ展開判定用の切替指示を送出し、運転手による切り替えのための特別の操作を必要とせず、常に適切なタイミングで検出感度、周波数および電源供給をエアバッグ展開判定用に切り替えることができるようにしている。
【0065】
(盗難防止ECUの構成)
次に、図1を用いて、同図に示した盗難防止ECU10の構成を説明する。この盗難防止ECU10は、車両の盗難を防止するための装置として車両の中央部に配置され(図5参照)、基本的には、車両の運転停止中(IGキーSW2がオフ状態である場合)に、車両やタイヤを盗難しようとする場合のジャッキアップなどによる車両の傾斜(または盗難に繋がるような不穏な行為による車両の振動)を検出し、車両の盗難防止に係る警報(サイレン等)を出力するものである。
【0066】
そして、その基本的な構成として、図1に示すように、車両のX軸方向の加速を検出する加速度センサ11aと、盗難防止用マイコン12と、サイレン等13(例えば、緊急通報送信アンテナや、サイレンスピーカ、ハザードランプ、ヘッドランプなど)を備える。つまり、この盗難防止ECU10では、IGキーSW2がオフ状態である場合に、加速度センサ11aの検出結果が盗難防止用マイコン12に入力される。そして、盗難防止用マイコン12は、その検出結果から車両の盗難状態(傾斜や振動)を判定し、かかる傾斜や振動を検出した場合には、サイレン等13を介して警報行為を実行する(例えば、サイレンスピーカから警報サイレンを鳴らすとともに、ハザードランプやヘッドランプを点滅させ、さらに、緊急通報アンテナから所有者に緊急事態を通知する)。
【0067】
一方、かかる盗難防止ECU10は、このような基本的な構成以外にも、上述した特徴に係る構成として、図1に示すように、感度切替部14と、周波数切替部15と、電源供給切替部16と、IGキーモニタ17と、電子セーフィング用マイコン26(上記の盗難防止用マイコン12と兼用。)とを備え、IGキーSW2がオフ状態である場合に、いわゆる電子セーフィングを行う。以下に、これらの特徴に係る構成を説明する。
【0068】
感度切替部14は、IGキーモニタ17から切替指示を受けて、加速度センサ11aの検出感度をエアバッグ展開判定用または盗難防止用の検出感度に切り替える処理部である。具体的には、IGキーモニタ17からエアバッグ展開判定用の切替指示を受けると、盗難防止の判定に用いられていた検出感度(±2G程度)をエアバッグの展開判定に適した検出感度(±100G程度)に切り替える。この結果、IGキーSW2がオン状態になった後には、加速度センサ11aの加速度の検出結果が±100G程度の分解能で電子セーフィング用マイコン26および電子セーフィングIC25に出力されることとなる。なお、この検出感度の切替については「加速度センサにおける周辺の回路構成」として後述する。
【0069】
周波数切替部15は、加速度センサ11aの検出結果から高周波ノイズを除去するために、IGキーモニタ17から切替指示を受けて、フィルタのカットオフ周波数をエアバッグ展開判定用または盗難防止用に切り替える処理部である。具体的には、IGキーモニタ17からエアバッグ展開判定用の切替指示を受けると、盗難防止用である50Hz程度のローパス(ハイカット)フィルタを、エアバッグ展開判定用である200Hz程度のハイパス(ローカット)フィルタに切り替える。なお、このフィルタの切替についても「加速度センサにおける周辺の回路構成」として後述する。
【0070】
電源供給切替部16は、IGキーモニタ17から切替指示を受けて、盗難防止ECU10内の電源供給をエアバッグ展開判定用モードまたは盗難防止用モードに切り替える処理部である。具体的には、IGキーモニタ17からエアバッグ展開判定用の切替指示を受けると、電子セーフィング用マイコン26に対してのみバッテリ1から電源を供給する(つまり、リモコンとの間で信号のやりとりをするための送受信部など、エアバッグ制御に必要のない部分には電源を供給しない)ように電源供給を切り替える。なお、この電源供給の切替は、いわゆるスイッチ制御によって実現することができる。
【0071】
IGキーモニタ17は、IGキーSW2のオンオフ状態を監視し、IGキーSW2がオン状態になった場合に、感度切替部14、周波数切替部15および電源供給切替部16に対してエアバッグ展開判定用の切替指示を送出する。また、IGキーSW2がオフ状態になった場合には、所定の時間を置いてから、感度切替部14、周波数切替部15および電源供給切替部16に対して盗難防止用の切替指示を送出する。
【0072】
このように、IGキーSW2がオフ状態になってから所定の時間後に盗難防止用の切替指示を送出することとしたのは、エアバッグ展開判定用の検出感度、周波数および電源供給を所定の時間維持し、車両を駐車した直後の事故発生に対しても確実にエアバッグの展開判定を行うことができるようにするためである。なお、かかる「所定時間後」という条件以外にも、例えば、乗員が降車したことを検知(乗車センサやドアカーテシスイッチによりドアの開閉を検出など)してから切り替えを行うなど、あらゆる条件を適用して切り替えを行うことができる。
【0073】
電子セーフィング用マイコン26は、盗難防止ECU10の加速度センサ11aの検出結果に基づいてエアバッグの展開を許可するか否かを判定するコンピュータ処理部である。具体的には、盗難防止用の加速度センサ11aの検出結果だけでなく、エアバッグ用の加速度センサ21aの検出結果も利用して、両者の検出結果それぞれが所定の閾値を超えたか否かをコンピュータで判定し、それぞれの検出結果が所定の閾値を超えた場合に、エアバッグの展開を許可するための点火許可をエアバッグECU20の電子セーフィングIC25に対して付与する。なお、このように、エアバッグの展開許可判定においてエアバッグ用の加速度センサ21aも利用することとしたのは、別の装置内に搭載された複数の加速度センサを利用することで、判定の精度を高めるためである。
【0074】
ここで、図2および図3を用いて、盗難防止ECU10内の加速度センサ11aにおける周辺の回路構成を明らかにした上で、検出感度および周波数の切替を説明する。図2は、加速度センサ11aにおける周辺の回路構成を示す図であり、図3は、検出感度および周波数の切替を説明するための図である。
【0075】
図2に示すように、加速度センサチップおよびAMP(アンプ)を内蔵した加速度センサICにおいて、加速度センサチップの出力端は、コンデンサC1、抵抗R2(100K)および抵抗R1(100K)を介してマイコン(図1に示した盗難防止用マイコン12兼電子セーフィング用マイコン26)の入力端に接続される。また、加速度センサICのAMP(アンプ)においては、プラス側入力端には基準電源2.5Vが接続され、また、マイナス側入力端(Vi)は抵抗R1およびR2の接続端に接続され、出力端(Vo)はマイコンの入力端に接続される。さらに、同図に示すように、コンデンサC1にはフィルタ切替SW2が並列接続され、抵抗R2には、抵抗R2’およびGAIN切替SW1が並列接続され、抵抗R1には、コンデンサC2およびフィルタ切替SW3が並列接続される。
【0076】
このような回路構成において、IGキーSW2がオフ状態である場合には、図3(a)に示すように、IGキーモニタ17から盗難防止用の切替指示を受けて、GAIN切替SW1、フィルタ切替SW2およびフィルタ切替SW3は、全てがON状態になる。そして、この場合には、図2に示した回路が図3(b)に示すような構成になる(すなわち、Vo=−(Vi−2.5)R1/R3、R3=R2×R2’(R2+R2’)となる。)ので、GAINは±2G程度となり、フィルタのカットオフ周波数も50Hz(ローパス)となる。
【0077】
このような状態から、IGキーSW2がオン状態になった場合には、図3(a)に示すように、IGキーモニタ17からエアバッグ展開判定用の切替指示を受けて、GAIN切替SW1、フィルタ切替SW2およびフィルタ切替SW3は、全てがOFF状態になる。そして、この場合には、図2に示した回路が図3(c)に示すような構成になる(すなわち、Vo=−(Vi−2.5)R1/R2となる。)ので、GAINは±50G程度に切り替えられ、フィルタのカットオフ周波数も200Hz(ハイパス)に切り替えられる。
【0078】
(エアバッグECUの構成)
次に、図1を用いて、同図に示したエアバッグECU20の構成を説明する。このエアバッグECU20は、いわゆる前突用のエアバッグを制御するための装置として車両の中央部に配置され(図5参照)、車両の運転中(IGキーSW2がオン状態である場合)に、車両の衝突事故が発生した場合の衝撃を検出し、エアバッグを展開するものである。そして、その基本的な構成として、図1に示すように、車両のX軸方向の加速度を検出する加速度センサ21aと、エアバッグ制御用メインマイコン22と、点火IC23と、スクイブ24とを備える。
【0079】
すなわち、このエアバッグECU20では、加速度センサ21aから検出結果がエアバッグ制御用メインマイコン22に入力される。このエアバッグ制御用メインマイコン22は、入力された加速度の大きさや時間的な変化に基づいて、車両の衝突事故による衝撃が発生したか否かを判定し、かかる衝撃の発生を検知した場合には、点火IC23に対して点火信号を入力する。
【0080】
そして、点火IC23は、エアバッグ制御用メインマイコン22から入力される点火信号と、後述する電子セーフィングIC25から入力される展開許可信号とをハード的な制御によって監視する。その結果、点火IC23は、点火信号と展開許可信号とのANDが成立した場合に、スクイブ24を点火させてエアバッグを瞬時に展開させるように制御する。
【0081】
一方、かかるエアバッグECU20は、上述した電子セーフィング用マイコン26に関連する構成として、図1に示すように、電子セーフィングIC25を備え、セーフィングとして上記の点火IC23に対して点火許可信号を入力する。この電子セーフィングIC25は、電子セーフィング用マイコン26と同様(かつ協同して)エアバッグの展開許可を判定する手段であるが、電子セーフィング用マイコン26と異なりハード的に判定を行うロジックICである。
【0082】
具体的には、盗難防止用の加速度センサ11aおよびエアバッグ用の加速度センサ21aの検出結果をそれぞれ積分してラッチし、両者の検出結果それぞれが所定の閾値を超えた場合に、エアバッグの展開を許可するための点火許可を発効する。そして、電子セーフィング用マイコン26から付与された点火許可と、内部で発効した点火許可とのANDが成立した場合に、エアバッグの展開を最終的に許可するための点火許可信号を上記した点火IC23に対して入力する。
【0083】
なお、このように、電子セーフィング用マイコン26だけでなく電子セーフィングIC25においてもエアバッグの展開許可判定を行うこととし、しかも、それぞれが異なる手段(マイコンとロジックIC)で展開許可判定を行うこととしたのは、判定の精度を高めるためである。
【0084】
(盗難防止ECUおよびエアバッグECUの処理手順)
次に、図4を用いて、盗難防止ECU10およびエアバッグECU20の処理手順(エアバッグの展開許可方法)を説明する。図4は、本実施の形態に係る盗難防止ECUおよびエアバッグECUの処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、盗難防止ECU10のIGキーモニタ17は、IGキーSW2がオン状態になったか否かを繰り返し監視する(ステップS401)。
【0085】
そして、IGキーSW2がオン状態になった場合には(ステップS401肯定)、感度切替部14、周波数切替部15および電源供給切替部16に対してエアバッグ展開判定用の切替指示を送出し、それぞれの切替を実行させる(ステップS402)。すなわち、加速度センサ11aの検出感度をエアバッグの展開判定に適した検出感度(±100G程度)に切り替え、ノイズ除去用のフィルタをエアバッグ展開判定用である200Hz程度のハイパス(ローカット)に切り替え、バッテリ1からの電源供給を加速度センサ11aに対してのみ電源供給するように切り替える。なお、この切替に応じて、加速度センサ11aの検出結果がエアバッグECUに入力されるようになる。
【0086】
続いて、電子セーフィング用マイコン26は、エアバッグの展開を許可するか否かを判定する(ステップS403)。すなわち、電子セーフィング用マイコン26では、盗難防止用の加速度センサ11aおよびエアバッグ用の加速度センサ21aの検出結果それぞれが所定の閾値を超えたか否かをコンピュータで判定する。その結果、それぞれの検出結果が所定の閾値を超えた場合には(ステップS403肯定)、点火許可をエアバッグECU20の電子セーフィングIC25に対して送信する。
【0087】
なお、電子セーフィングIC25では、盗難防止用の加速度センサ11aおよびエアバッグ用の加速度センサ21aの検出結果をそれぞれ積分してラッチし、両者の検出結果それぞれが所定の閾値を超えた場合に、エアバッグの展開を許可するための点火許可を発効する。そして、電子セーフィングIC25は、電子セーフィング用マイコン26から付与された点火許可と、内部で発効した点火許可とのANDが成立した場合に、エアバッグの展開を最終的に許可するための点火許可信号を点火IC23に対して出力する。
【0088】
上記した一連の処理を経ることによって、エアバッグECU20に新たにロジックICやマイコン、セーフィング用の加速度センサを搭載するのではなく、エアバッグECUとは別の装置である盗難防止ECU10に既に搭載されたロジックICやマイコン、加速度センサを利用してエアバッグの展開許可を行うことができる。したがって、上記した主たる特徴の如く、エアバッグECU20の装置構成を複雑化することなく、より少ないコストで電子式のセーフィングシステムを構築することが可能になるとともに、エアバッグ動作の信頼性を確保することが可能になる。
【0089】
(他の実施の形態)
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてもよいものである。そこで、以下では、(1)適用構成、(2)展開許可判定、(3)フィルタ、(4)電源供給、(5)切替指示、(6)その他にそれぞれ区分けして異なる実施の形態を説明する。
【0090】
(1)適用構成
本実施の形態では、電子セーフィング用マイコン26および電子セーフィングIC25の展開判定において、盗難防止用の加速度センサ11aだけでなくエアバッグ用の加速度センサ21aをも利用する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、盗難防止用の加速度センサ11aのみを利用するようにしてもよい。
【0091】
また、本実施の形態では、前突用のエアバッグECU20のセーフィングに本発明を適用した場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、側突用のサイドエアバッグECU(図5参照)のセーフィングにも同様に適用することができる。つまり、この場合には、図6に示すように、盗難防止ECU10が備える電子部品(図6に示す電子セーフィングマイコン26)において、盗難防止ECU10に別途搭載されたY軸方向の加速度センサ11bの検出結果とサイドエアバッグECU30の加速度センサ21bの検出結果とに基づいて、サイドのエアバッグの展開を許可するか否かを判定する。
【0092】
本実施の形態では、電子セーフィング用マイコン26と電子セーフィングIC25とでエアバッグの展開判定を多段的に行う場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電子セーフィング用マイコン26のみが単独で展開判定を行う場合にも同様に適用することができる。つまり、図7に示すように、盗難防止ECU10からエアバッグECU20の点火IC23に対して展開許可を直接送信するようにしてもよい。また、この展開許可をHigh/Low信号によって送信するのではなく、所定のプロトコルを持ったシリアル信号として送信するようにしてもよく、かかるシリアル信号によって、ノイズの影響を抑え、エアバッグ動作の信頼性を確実に確保することができるようになる。
【0093】
また、本実施の形態では、盗難防止ECU10が備える部品として、盗難防止ECU10が備えるマイコンを展開判定に利用する場合を説明したが、加速度センサ11(11aまたは11b)のみを展開判定に利用するような場合にも同様に適用することができる。つまり、この場合には、図8に示すように、エアバッグECU20に対して盗難防止用の加速度センサ11aの検出結果を送信し、エアバッグECU20が備える電子部品(図8に示す電子セーフィングマイコン26)において、エアバッグの展開を許可するか否かを判定する。
【0094】
また、図7や図8のような図示はしていないが、盗難防止ECU10が備える電子部品およびエアバッグECU20が備える電子部品のそれぞれにおいて、盗難防止用の加速度センサ11および/またはエアバッグ用の加速度センサ21の検出結果に基づいてエアバッグの展開を許可するか否かを判定することによって、それぞれで展開が許可された場合に、エアバッグの展開を最終的に許可するようにしてもよい。
【0095】
なお、図6〜図7において、図1と同様の符号が付された各部は、それぞれが同様の機能で動作するものであり、例えば、図6〜図7においても、電子セーフィングIC25はソフト的に動作し、点火IC23および電子セーフィングIC25はハード的に動作する。
【0096】
また、本実施の形態では、他の制御装置として盗難防止ECU10に本発明を適用した場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、エアバッグ制御を行う必要がある時に動作していない車両搭載ECUであれば同様に適用することができる。
【0097】
(2)展開許可判定
本実施の形態では、電子セーフィング用マイコン26および電子セーフィングIC25の展開判定において、盗難防止用の加速度センサ11aおよびエアバッグ用の加速度センサ21aの検出結果それぞれが所定の閾値を超えることを判定条件としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、いずれか一方の検出結果だけでも閾値を超えることを判定条件としてもよい。つまり、この場合には、いずれか一方の検出結果が所定の閾値を超えれば、エアバッグの展開が許可されるので、いずれか一方が故障したような場合でも対応が可能である。
【0098】
また、本実施の形態では、各加速度センサ(例えば、盗難防止用の加速度センサ11aや、エアバッグ用の加速度センサ21a)の検出結果をそれぞれ単独で利用してエアバッグの展開判定を行う場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の加速度センサの検出結果から算出した合成ベクトルを利用することによって、精度良く展開許可を判定する場合にも同様に適用することができる。
【0099】
すなわち、この場合には、図9に示すように、盗難防止ECU10が備える電子部品(同図に示す盗難防止用マイコン12と兼用の合成ベクトル算出用マイコン18)およびエアバッグECU20が備える電子部品(同図に示す合成ベクトル算出用マイコン27)それぞれにおいて、盗難防止用のY軸加速度センサ11bと前突用エアバッグのX軸加速度センサ21aとの間の合成ベクトルを算出する。そして、エアバッグECU20が備える電子部品(同図に示す点火許可IC28)において、それぞれが算出した合成ベクトルが一致(大きさおよび方向)するか否かを判定し、一致する場合に、点火IC23に対して点火許可信号を入力する。
【0100】
また、かかる合成ベクトルを利用した展開判定は、上記の図9に示したものに限定されず、例えば、図10に示すように、盗難防止用のX軸加速度センサ11aと側突用エアバッグのY軸加速度センサ21bとの間の合成ベクトルをサイドエアバッグECU30および盗難防止ECU10それぞれで算出する場合にも同様に適用することができる。なお、図10〜図13においても、上記図9と同様、合成ベクトル算出用マイコン18は盗難防止用マイコン12と兼用である。
【0101】
また、これと同様に、図11に示すように、盗難防止用のX軸加速度センサ11aと盗難防止用のY軸加速度センサ11bとの間の合成ベクトルを盗難防止ECU10で算出する一方で、前突用エアバッグのX軸加速度センサ21aと盗難防止用のY軸加速度センサ11bとの間の合成ベクトルをエアバッグECU20で算出する場合にも、同様に適用することができる。
【0102】
また、例えば、図12に示すように、盗難防止用のX軸加速度センサ11aと盗難防止用のY軸加速度センサ11bとの間の合成ベクトルを盗難防止ECU10で算出する一方で、側突用エアバッグのY軸加速度センサ21bと盗難防止用のX軸加速度センサ11aとの間の合成ベクトルをサイドエアバッグECU30で算出する場合にも、同様に適用することができる。
【0103】
さらに、図13に示すように、盗難防止用のX軸加速度センサ11aと盗難防止用のY軸加速度センサ11bとの間の合成ベクトルを盗難防止ECU10で算出する一方で、前突用エアバッグのX軸加速度センサ21aと側突用エアバッグのY軸加速度センサ21bとの間の合成ベクトルをエアバッグECU20で算出する場合にも、同様に適用することができる。
【0104】
なお、図9〜図13において、合成ベクトル算出用マイコン18および27は、図1に示した電子セーフィングIC25と同様、ソフト的に動作するものであるが、点火許可IC28および点火IC23は、図1に示した電子セーフィングIC25などと同様、ハード的に動作するものである。
【0105】
また、上記では、盗難防止ECU10においてベクトル演算を利用した電子セーフィング制御を行う場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記したような盗難防止ECU10以外の車両搭載ECUでベクトル演算を行う場合にも同様に適用することができる。
【0106】
(3)フィルタ
本実施の形態では、フィルタによってノイズを除去する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、加速度センサの検出結果を区間積分するなど、あらゆるノイズ除去手法を同様に適用することができる。すなわち、フィルタ回路を用いることなく、区間積分などによって高周波ノイズ成分を簡易に除去するようにすることも可能である。
【0107】
また、本発明では、フィルタによるノイズ除去だけでなく、上記したような区間積分によるノイズ除去をも併用して、高周波ノイズ成分を簡易かつ確実に除去するようにすることも可能になる。なお、区間積分によるノイズ除去を採用する場合にも、フィルタのカットオフ周波数の切替(ハイパスとロウパスの切替)と同様、除去対象とするノイズの帯域を切り替える。
【0108】
(4)電源供給
本実施の形態では、図1に示した盗難防止ECU10において、エアバッグの展開判定に際して電子セーフィング用マイコン26に対してのみ電源供給を行う場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、盗難防止ECU10においてエアバッグの展開判定に必要な部品にのみ電源供給を行う場合であれば同様に適用することができる。すなわち、図8〜図13に示した盗難防止ECU10においては、エアバッグの展開判定に際して合成ベクトル算出用マイコン18に対してのみ電源供給を行うこととなる。
【0109】
また、本実施の形態では、車両のバッテリ1から電源を供給する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、盗難防止ECU10やエアバッグECU20に搭載された電池から電源を供給するなど、バッテリ1以外から電源を供給する場合にも同様に適用することができる。なお、盗難防止ECU10やエアバッグECU20に搭載された電池から電源を供給する場合にも、エアバッグの展開判定に際して電子セーフィング用マイコン26や合成ベクトル算出用マイコン18に対してのみ電源供給を行うように制御される。
【0110】
(5)切替指示
本実施の形態では、IGキーモニタ17がIGキーSW2の状態を監視し、IGキーSW2がオン状態になると、エアバッグの展開判定用の切替指示を送出する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、IGキーSW2以外の他の状況(例えば、エンジンの駆動状態、他のスイッチや機器の状況など)を監視して切替指示を送出する場合にも同様に適用することができる。
【0111】
つまり、例えば、IGキーSW2のオンオフ状態および乗員検知センサ(圧力センサ)の検知結果を監視し、IGキーSW2がオン状態にあり、かつ、乗員検知センサが乗員を検知した場合に、エアバッグ展開判定用の切替指示を送出することによって、IGキーSW2のオン状態で乗車を検知した状態を車両の運転中とみなして自動的にエアバッグ展開判定用に切り替えるようにしてもよい。
【0112】
また、例えば、IGキーSW2のオンオフ状態および盗難防止ECU10のオンオフ状態(電源スイッチの状態)を監視し、IGキーSW2がオン状態にあり、かつ、盗難防止ECU10の電源スイッチがオフ状態になった場合に、エアバッグ展開判定用の切替指示を送出することによって、IGキーSW2のオン状態で盗難防止ECU10の電源オフを検知した状態を車両の運転中とみなして自動的にエアバッグ展開判定用に切り替えるようにしてもよい。
【0113】
(6)その他
また、各図で示した盗難防止ECUおよびエアバッグECUの各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要さず、その全部または一部を処理負荷や製造状況、使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、図1に示した盗難防止ECU10において盗難防止用マイコン12と電子セーフィング用マイコン26とを分離したり、図9に示したエアバッグECU20において合成ベクトル算出用マイコン27とエアバッグ制御用メインマイコン22とを統合する等して構成することができる。
【0114】
また、各図で示した盗難防止ECUおよびエアバッグECUの回路構成およびON/OFF理論は図示のものに限定されず、同様の機能を果たす別の回路や理論で構成するようにしてもよい。また、これと同様に、各ECUにて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得るようにしてもよい。例えば、図1に示したエアバッグECU20の電子セーフィング用マイコン26の機能をロジックICによって実現したり、これとは逆に、電子セーフィングIC25の機能をマイコンによって実現する等して構成することができる。
【0115】
さらに、本実施の形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理(例えば、検出感度の切替、周波数の切替、電源供給の切替など)の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報(例えば、検出感度のGAIN値、カットオフ周波数、抵抗値など)については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0116】
なお、本実施の形態で説明した展開許可方法は、あらかじめ用意されたプログラムを車載のコンピュータ(盗難防止ECUやエアバッグECUに内蔵されたコンピュータも含む。)で実行することによって実現することもできる。このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【0117】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1、19または20の発明によれば、エアバッグECUに新たにロジックICやマイコンを搭載するのではなく、エアバッグECUとは別の装置に既に搭載されたロジックICやマイコンを利用してエアバッグの展開許可を行うので、エアバッグECUの装置構成を複雑化することなく、より少ないコストで電子式のセーフィングシステムを構築することが可能になるとともに、エアバッグ動作の信頼性を確保することが可能になる。さらに、エアバッグ制御を行う必要がある際には動作が不要な制御である所定制御を行う別装置を適用することで、処理の遅れを生じさせない電子セーフィングシステムを構築することが可能になる。
【0118】
また、請求項2の発明によれば、エアバッグECUに新たにロジックICやマイコンを搭載するのではなく、エアバッグECUとは別の装置である車両盗難防止装置に既に搭載されたロジックICやマイコンを利用してエアバッグの展開許可を行うので、エアバッグECUの装置構成を複雑化することなく、より少ないコストで電子式のセーフィングシステムを構築することが可能になるとともに、エアバッグ動作の信頼性を確保することが可能になる。さらに、盗難防止ECUは本来的にエアバッグの制御が必要な条件下では動作していない(盗難防止ECUは乗員が不存在の場合に動作する)ので、処理の遅れを生じさせない電子セーフィングシステムを構築することが可能になる。
【0119】
また、請求項3の発明によれば、エアバッグECUに新たに加速度センサを搭載するのではなく、エアバッグECUとは別装置(例えば、盗難防止ECU)に既に搭載された加速度センサを利用してエアバッグの展開許可を行うので、エアバッグECUの装置構成を複雑化することなく、より少ないコストで電子式のセーフィングシステムを構築することが可能になるとともに、エアバッグ動作の信頼性を確保することが可能になる。
【0120】
また、請求項4の発明によれば、エアバッグECUに既に搭載された加速度センサを利用して別装置でエアバッグの展開許可を行うので、エアバッグECUの装置構成を複雑化することなく、より少ないコストで電子式のセーフィングシステムを構築することが可能になるとともに、エアバッグ動作の信頼性を確保することが可能になる。
【0121】
また、請求項5の発明によれば、所定のプロトコルを持ったシリアル信号として展開許可を送信するので、ノイズの影響を抑えて、エアバッグ動作の信頼性を確実に確保することが可能になる。
【0122】
また、請求項6の発明によれば、エアバッグECUに新たに加速度センサ、ロジックICやマイコンを搭載するのではなく、エアバッグECUとは別装置である盗難防止ECUに既に搭載された加速度センサ、ロジックICやマイコンを利用してエアバッグの展開許可を行うので、エアバッグECUの装置構成を複雑化することなく、より少ないコストで電子式のセーフィングシステムを構築することが可能になるとともに、エアバッグ動作の信頼性を確保することが可能になり、さらに、盗難防止ECUに搭載された加速度センサを別装置である盗難防止ECUおよびエアバッグECUで重複利用して展開許可の判定を行うので、精度良く展開許可を判定することが可能になる。
【0123】
また、請求項7の発明によれば、別の装置内に搭載された複数の加速度センサを利用して展開許可の判定を行うので、精度良く展開許可を判定することが可能になる。
【0124】
また、請求項8の発明によれば、エアバッグECUに新たに加速度センサ、ロジックICやマイコンを搭載するのではなく、エアバッグECUとは別装置に既に搭載された加速度センサ、ロジックICやマイコンを利用してエアバッグの展開許可を行うので、エアバッグECUの装置構成を複雑化することなく、より少ないコストで電子式のセーフィングシステムを構築することが可能になるとともに、エアバッグ動作の信頼性を確保することが可能になり、さらに、別装置でそれぞれ算出したベクトルを利用するので、精度良く展開許可を判定することが可能になる。さらに、エアバッグ制御を行う必要がある際には動作が不要な制御である所定制御を行う別装置を適用することで、処理の遅れを生じさせない電子セーフィングシステムを構築することが可能になる。
【0125】
また、請求項9の発明によれば、例えば、盗難防止ECUのY軸加速度センサと前突用エアバッグのX軸加速度センサとの間の合成ベクトルをエアバッグECUおよび盗難防止ECUそれぞれで算出したり、盗難防止ECUのX軸加速度センサと側突用エアバッグのY軸加速度センサとの間の合成ベクトルをエアバッグECUおよび盗難防止ECUそれぞれで算出することで、簡便に精度良く展開許可を判定することが可能になる。
【0126】
また、請求項10の発明によれば、エアバッグECUとは別装置で電子セーフィングシステムを構築する場合に、別装置が装置本来の制御とエアバッグ展開判定の制御とを並行して行う構成にすると、車載用の低性能のCPUでは処理に遅れが生じてしまうおそれがあるが、盗難防止ECUは本来的にエアバッグの制御が必要な条件下では動作していない(盗難防止ECUは乗員が不存在の場合に動作する)ので、処理の遅れを生じさせない電子セーフィングシステムを構築することが可能になる。
【0127】
また、請求項11の発明によれば、エアバッグのセーフィング以外の用途から車両に搭載される加速度センサをエアバッグの展開判定に兼用する場合でも、確実に展開判定を行うことが可能になる。
【0128】
また、請求項12の発明によれば、いわゆるハイパスとロウパスのフィルタ回路の切り替えによって、エアバッグの展開を判定する際に妨げとなる高周波ノイズ成分(振動や電磁波ノイズなどによる高周波ノイズ成分)を除去することができ、確実に精度良く展開判定を行うことが可能になる。
【0129】
また、請求項13の発明によれば、バッテリまたは電池の電源を効率良く使用した上で、エアバッグの展開判定を確実に行うことが可能になる。
【0130】
また、請求項14の発明によれば、車両が運転中であるかなどの状況に応じて適切に切替指示を送出し、適切なタイミングで検出感度、周波数および/または電源供給モードを切り替えることが可能になる。
【0131】
また、請求項15の発明によれば、イグニッションキーのオン状態を車両の運転中とみなして自動的にエアバッグ展開判定用に切り替えるので、運転手による切り替えのための特別の操作を必要とせず、常に適切なタイミングでエアバッグ展開判定用に切り替えることが可能になる。
【0132】
また、請求項16の発明によれば、イグニッションキーのオン状態で乗車を検知した状態を車両の運転中とみなして自動的にエアバッグ展開判定用に切り替えるので、運転手による切り替えのための特別の操作を必要とせず、常に適切なタイミングでエアバッグ展開判定用に切り替えることが可能になる。
【0133】
また、請求項17の発明によれば、イグニッションキーのオン状態で制御装置(例えば、盗難防止ECU)の電源オフを検知した状態を車両の運転中とみなして自動的にエアバッグ展開判定用に切り替えるので、運転手による切り替えのための特別の操作を必要とせず、常に適切なタイミングでエアバッグ展開判定用に切り替えることが可能になる。
【0134】
また、請求項18の発明によれば、イグニッションキーがオフ状態になってから所定の時間の間もエアバッグの展開判定用の検出感度、周波数および/または電源供給モードが維持されるので、車両を駐車した直後の事故発生に対しても確実にエアバッグの展開判定を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る盗難防止ECUおよびエアバッグECUの構成を示すブロック図である。
【図2】加速度センサにおける周辺の回路構成を示す図である。
【図3】検出感度および周波数の切替を説明するための図である。
【図4】本実施の形態に係る盗難防止ECUおよびエアバッグECUの処理手順を示すフローチャートである。
【図5】盗難防止ECUおよびエアバッグECUの配置を示す説明図である。
【図6】他の実施の形態として盗難防止ECUにおけるY軸加速度センサを利用して展開許可の判定を行う場合を説明するための図である。
【図7】他の実施の形態として盗難防止ECUにおける加速度センサおよびマイコンのみを利用して展開許可の判定を行う場合を説明するための図である。
【図8】他の実施の形態としてエアバッグECUにおけるマイコンを利用して展開許可の判定を行う場合を説明するための図である。
【図9】他の実施の形態として合成ベクトルを利用して展開許可の判定を行う場合の一例を説明するための図である。
【図10】他の実施の形態として合成ベクトルを利用して展開許可の判定を行う場合の一例を説明するための図である。
【図11】他の実施の形態として合成ベクトルを利用して展開許可の判定を行う場合の一例を説明するための図である。
【図12】他の実施の形態として合成ベクトルを利用して展開許可の判定を行う場合の一例を説明するための図である。
【図13】他の実施の形態として合成ベクトルを利用して展開許可の判定を行う場合の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 バッテリ
2 IGキーSW
10 盗難防止ECU
11 加速度センサ(盗難防止用)
11a X軸加速度センサ(盗難防止用)
11b Y軸加速度センサ(盗難防止用)
12 盗難防止用マイコン(兼電子セーフィング用マイコン)
13 サイレン等
14 感度切替部
15 周波数切替部
16 電源供給切替部
17 IGキーモニタ
18 合成ベクトル算出用マイコン
20 エアバッグECU
21 加速度センサ(エアバッグ用)
21a X軸加速度センサ(エアバッグ用)
21b Y軸加速度センサ(エアバッグ用)
22 エアバッグ制御用メインマイコン
23 点火IC
24 スクイブ
25 電子セーフィングIC
26 電子セーフィング用マイコン
27 合成ベクトル算出用マイコン
28 点火許可IC
30 サイドエアバッグECU

Claims (20)

  1. 加速度検出手段の検出結果に基づいてエアバッグを展開するエアバッグ装置に対して前記エアバッグを展開する際の展開許可を付与するエアバッグの展開許可装置であって、
    エアバッグ制御とは異なる所定制御を行うために車両に設けられた制御装置が備える電子部品を使用し、所定の加速度検出手段の検出結果に基づいて前記エアバッグの展開を許可するか否かを判定する展開許可判定手段を備え、
    前記所定制御は、前記エアバッグ制御を行う必要がある際には動作が不要な制御であることを特徴とするエアバッグの展開許可装置。
  2. 加速度検出手段の検出結果に基づいてエアバッグを展開するエアバッグ装置に対して前記エアバッグを展開する際の展開許可を付与するエアバッグの展開許可装置であって、
    車両の盗難を防止する車両盗難防止装置が備える電子部品を使用し、所定の加速度検出手段の検出結果に基づいて前記エアバッグの展開を許可するか否かを判定する展開許可判定手段を備えたことを特徴とするエアバッグの展開許可装置。
  3. 前記展開許可判定手段は、前記車両盗難防止装置が備える加速度検出手段の検出結果に基づいて、前記エアバッグの展開を許可するか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載のエアバッグの展開許可装置。
  4. 前記展開許可判定手段は、前記エアバッグ装置が備える加速度検出手段の検出結果に基づいて、前記エアバッグの展開を許可するか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載のエアバッグの展開許可装置。
  5. 前記展開許可判定手段によって前記エアバッグの展開が許可された場合に、前記エアバッグ装置に対して展開許可をシリアル信号によって送信する展開許可送信手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2、3または4に記載のエアバッグの展開許可装置。
  6. 加速度検出手段の検出結果に基づいてエアバッグを展開するエアバッグ装置に対して前記エアバッグを展開する際の展開許可を付与するエアバッグの展開許可装置であって、
    車両の盗難を防止する車両盗難防止装置が備える電子部品を使用し、所定の加速度検出手段の検出結果に基づいて前記エアバッグの展開を許可するか否かを判定する第1の判定手段と、
    前記エアバッグ装置が備える電子部品を使用し、前記加速度検出手段の検出結果に基づいて前記エアバッグの展開を許可するか否かを判定する第2の判定手段と、
    を備え、前記第1および第2の判定手段によって前記エアバッグの展開が許可された場合に、当該エアバッグの展開が行われることを特徴とするエアバッグの展開許可装置。
  7. 前記第1および/または第2の判定手段は、前記車両盗難防止装置が備える加速度検出手段の検出結果と、前記エアバッグ装置が備える加速度検出手段の検出結果とに基づいて、前記エアバッグの展開を許可するか否かを判定することを特徴とする請求項6に記載のエアバッグの展開許可装置。
  8. 加速度検出手段の検出結果に基づいてエアバッグを展開するエアバッグ装置に対して前記エアバッグを展開する際の展開許可を付与するエアバッグの展開許可装置であって、
    エアバッグ制御とは異なる所定制御を行うために車両に設けられた制御装置が備える電子部品を使用し、当該制御装置が備える加速度検出手段および前記エアバッグ装置が備える加速度検出手段の検出結果から合成ベクトルを算出する第1の合成ベクトル算出手段と、
    前記エアバッグ装置が備える電子部品を使用し、前記制御装置が備える加速度検出手段および前記エアバッグ装置が備える加速度検出手段の検出結果から合成ベクトルを算出する第2の合成ベクトル算出手段と、
    前記第1および第2の合成ベクトル算出手段によってそれぞれ算出された各合成ベクトルに基づいて、前記エアバッグの展開を許可するか否かを判定する展開許可判定手段と、を備え、
    前記所定制御は、前記エアバッグ制御を行う必要がある際には動作が不要な制御であることを特徴とするエアバッグの展開許可装置。
  9. 前記第1および第2の合成ベクトル算出手段は、所定の第1の方向に係る加速度を検出する前記制御装置が備える加速度検出手段の検出結果と、当該第1の方向とは異なる所定の第2の方向に係る加速度を検出する前記エアバッグ装置が備える加速度検出手段の検出結果との間で合成ベクトルを算出することを特徴とする請求項8に記載のエアバッグの展開許可装置。
  10. 前記エアバッグ装置とは異なる制御装置は、前記車両の盗難を防止する車両盗難防止装置であって、
    前記第1および第2の合成ベクトル算出手段は、前記車両盗難防止装置が備える加速度検出手段および前記エアバッグ装置が備える加速度検出手段の検出結果から合成ベクトルを算出することを特徴とする請求項8または9に記載のエアバッグの展開許可装置。
  11. 前記エアバッグ制御とは異なる所定制御を行う制御装置または前記車両盗難防止装置が備える加速度検出手段の検出感度をエアバッグ展開判定用の検出感度に切り替える感度切替手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載のエアバッグの展開許可装置。
  12. 前記エアバッグ制御とは異なる所定制御を行う制御装置または前記車両盗難防止装置が備える加速度検出手段に付設されるノイズ除去フィルタのカットオフ周波数をエアバッグ展開判定用の周波数に切り替える周波数切替手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載のエアバッグの展開許可装置。
  13. 前記エアバッグ制御とは異なる所定制御を行う制御装置または前記車両盗難防止装置が備える電子部品のうちの、前記展開許可判定手段および/または第1の判定手段に対してのみ電源の供給を行うエアバッグ展開判定用の電源供給モードに切り替える電源供給切替手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載のエアバッグの展開許可装置。
  14. 前記車両の状況を監視して、前記感度切替手段、周波数切替手段および/または電源供給切替手段に対して切替指示を送出する切替指示手段をさらに備え、
    前記感度切替手段、周波数切替手段および/または電源供給切替手段は、前記切替指示手段によって送出された切替指示を受けて、前記検出感度、周波数および/または電源供給モードを切り替えることを特徴とする請求項11、12または13のいずれか一つに記載のエアバッグの展開許可装置。
  15. 前記切替指示手段は、イグニッションキーの状態を監視し、前記イグニッションキーがオン状態にある場合に、前記検出感度、周波数および/または電源供給モードを前記エアバッグ展開判定用に切り替えるように前記切替指示を送出することを特徴とする請求項14に記載のエアバッグの展開許可装置。
  16. 前記切替指示手段は、イグニッションキーの状態および乗員検知手段の検知結果を監視し、前記イグニッションキーがオン状態にあり、かつ、前記乗員検知手段が乗員を検知した場合に、前記検出感度、周波数および/または電源供給モードを前記エアバッグ展開判定用に切り替えるように前記切替指示を送出することを特徴とする請求項14に記載のエアバッグの展開許可装置。
  17. 前記切替指示手段は、イグニッションキーの状態および前記エアバッグ制御とは異なる所定制御を行う制御装置または前記車両盗難防止装置の状態を監視し、前記イグニッションキーがオン状態にあり、かつ、前記制御装置または車両盗難防止装置がオフ状態にある場合に、前記検出感度、周波数および/または電源供給モードを前記エアバッグ展開判定用に切り替えるように前記切替指示を送出することを特徴とする請求項14に記載のエアバッグの展開許可装置。
  18. 前記切替指示手段は、イグニッションキーの状態を監視し、前記イグニッションキーがオフ状態になってから所定の時間の間は、前記検出感度、周波数および/または電源供給モードを前記エアバッグ展開判定用に保持するように前記切替指示を送出することを特徴とする請求項14〜17のいずれか一つに記載のエアバッグの展開許可装置。
  19. 加速度検出手段の検出結果に基づいてエアバッグを展開するエアバッグ装置に対して前記エアバッグを展開する際の展開許可を付与するエアバッグの展開許可方法であって、
    エアバッグ制御とは異なる所定制御を行うために車両に設けられた制御装置が備える電子部品を使用し、所定の加速度検出手段の検出結果に基づいて前記エアバッグの展開を許可するか否かを判定する展開許可判定工程を含み、
    前記所定制御は、前記エアバッグ制御を行う必要がある際には動作が不要な制御であることを特徴とするエアバッグの展開許可方法。
  20. 加速度検出手段の検出結果に基づいてエアバッグを展開するエアバッグ装置に対して前記エアバッグを展開する際の展開許可を付与するエアバッグの展開許可方法をコンピュータに実行させる展開許可プログラムであって、
    エアバッグ制御とは異なる所定制御を行うために車両に設けられた制御装置が備える電子部品を使用し、所定の加速度検出手段の検出結果に基づいて前記エアバッグの展開を許可するか否かを判定する展開許可判定手順をコンピュータに実行させ、
    前記所定制御は、前記エアバッグ制御を行う必要がある際には動作が不要な制御であることを特徴とする展開許可プログラム。
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