JP3947480B2 - 盗難防止装置、盗難防止方法および盗難防止プログラム - Google Patents

盗難防止装置、盗難防止方法および盗難防止プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、盗難防止以外の用途から車両に搭載される各種の加速度センサを盗難防止に兼用する場合でも、盗難行為に起因した車両の傾斜や振動など、車両の盗難状態を確実に検出することができる盗難防止装置、盗難防止方法および盗難防止プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車や自動二輪車などの車両においては、ジャッキアップなどによる駐車中の車両やタイヤの盗難を防止するために、傾斜センサを内蔵した盗難防止専用のECU(電子制御装置)を搭載することがあった。さらに、最近では、コストの低減を目的として、盗難防止専用のECUを搭載するのではなく、本来的に盗難防止以外の用途から車両に搭載されている加速度センサを盗難防止の用途にも兼用しようという提案もなされている。
【0003】
例えば、特開2002−67882号公報には、自動二輪車に搭載された転倒検出用ECU(車両の転倒を検出して燃料噴射や点火を停止するように制御する電子制御装置)に内蔵される転倒検出用の傾斜センサ(加速度センサ)を盗難防止に兼用する盗難防止装置が開示されている。具体的には、傾斜センサを用いて車両の振動成分を検出することによって、傾斜センサを盗難防止用の振動センサとして兼用するという盗難防止装置である。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−67882号公報(第2−3頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、盗難防止以外の用途から車両に搭載される各種の加速度センサを上記と同様の観点から傾斜センサとして盗難防止に兼用しようとする場合には、検出感度の問題から車両の傾斜を必ずしも確実に検出することができないという問題点があった。
【0006】
これを具体的に説明すると、例えば、車両に搭載されるエアバッグECU(所定方向からの衝撃を検出してエアバッグを点火させる電子制御装置)には衝撃を検出するための加速度センサが内蔵されているが、この検出感度は衝撃検出の観点から一般的には±50G〜±300G程度に設定されている。つまり、例を挙げれば、前突用エアバッグECU内に配置されたY方向加速度センサ(図2(a)参照)の検出感度は±100G程度である。
【0007】
一方、車両がジャッキアップなどによって傾斜した場合には、図2(b)に示すように、通常は出力として現れない鉛直方向に印加される重力加速度の変化が加速度センサに現れる。そして、この加速度センサの出力変化を利用することで、図2(c)に示すような「傾斜角−リフト量−加速度センサ出力」の関係が理論的に導き出される。なお、図2(c)に示す関係は、車幅165cmの車両がジャッキアップなどによって傾斜した場合を想定したものである。
【0008】
ここで、図2(a)に示した関係に着目すると、車両がY方向に20cmほど持ち上げられている状態を盗難防止の臨界点として想定した場合には、この状態で加速度センサの出力は125mV程度になるので、この傾斜状態を加速度センサの出力から確実に検出するためには、±2G程度の検出感度が要求される。したがって、上記で例に挙げたような加速度センサでは、盗難防止の臨界点を検出することに自ずと限界がある。
【0009】
このように、盗難防止以外の用途から車両に搭載される各種の加速度センサを傾斜センサとして盗難防止に兼用しようとしても、そのままでは検出感度が低過ぎるため、ジャッキアップなどによる車両の傾斜を必ずしも確実に検出することができず、車両やタイヤの盗難を確実に防止することも困難であった。
【0010】
なお、これと同様に、加速度センサを振動センサとして盗難防止に兼用しよう(すなわち、盗難に繋がるような不穏な行為による車両の振動を検出しよう)とする場合にも、かかる行為によって生じる振動は車両衝突時の振動に比較して小さなものである(すなわち、そのままの検出感度では低過ぎる)ので、車両の振動を必ずしも確実に検出することができず、盗難を確実に防止することも困難であった。
【0011】
そこで、この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、盗難防止以外の用途から車両に搭載される各種の加速度センサを盗難防止に兼用する場合でも、盗難行為に起因した車両の傾斜や振動など、車両の盗難状態を確実に検出することができる盗難防止装置、盗難防止方法および盗難防止プログラムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明に係る盗難防止装置は、車両に搭載されて所定の方向の加速度を検出するものであり、所定の車両制御に第1の検出感度における検出結果が用いられる加速度検出手段と、盗難の防止を指示する盗難防止指示を受けて、前記加速度検出手段の検出感度を前記第1の検出感度とは異なる第2の検出感度に切り替える感度切替手段と、前記感度切替手段によって前記第2の検出感度に切り替えられた前記加速度検出手段の検出結果に基づいて前記車両が盗難状態であるか否かを判定する盗難判定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
したがって、本発明によれば、車両に搭載されて所定の方向の加速度を検出するものであり、所定の車両制御に第1の検出感度(例えば、エアバッグを制御するための衝撃を検出可能な検出感度であって、±100G程度。)における検出結果が用いられる加速度検出手段の検出感度を、盗難の防止を指示する盗難防止指示を受けて、第1の検出感度とは異なる第2の検出感度(具体的には、車両の盗難判定に利用可能な検出感度である。例えば、ジャッキアップなどによる車両の傾斜を検出可能な検出感度であって、±2G程度。または盗難に繋がるような不穏な行為による車両の振動を検出可能な検出感度など。)に切り替え、第2の検出感度に切り替えられた加速度検出手段の検出結果に基づいて車両が盗難状態であるか否かを判定することとしたので、盗難防止以外の用途から車両に搭載される各種の加速度センサを盗難防止に兼用する場合でも、車両の盗難状態を確実に検出することが可能になる。
【0014】
また、請求項2の発明に係る盗難防止装置は、請求項1に記載の発明において、前記感度切替手段は、前記盗難防止指示を受けて前記車両に搭載された複数の加速度検出手段それぞれの検出感度を切り替え、前記盗難判定手段は、前記複数の加速度検出手段それぞれの検出結果に基づいて前記車両が盗難状態であるか否かを判定することを特徴とする。
【0015】
したがって、本発明によれば、盗難防止指示を受けて車両に搭載された複数の加速度検出手段それぞれの検出感度を切り替え、複数の加速度検出手段それぞれの検出結果に基づいて車両が盗難状態であるか否かを判定することとしたので、複数の加速度検出手段の検出結果の組み合わせによって多面的に盗難状態(具体的には、傾斜または振動)を判定するとともに誤判定を防止することができ、車両の盗難状態を精度良く検出することが可能になる。
【0016】
また、請求項3の発明に係る盗難防止装置は、請求項2に記載の発明において、前記盗難判定手段は、前記複数の加速度検出手段のうちでいずれか一つの加速度検出手段によって検出された加速度が所定の閾値を超えている場合に、前記車両が盗難状態であるものと判定することを特徴とする。
【0017】
したがって、本発明によれば、複数の加速度検出手段のうちでいずれか一つの加速度検出手段によって検出された加速度が所定の閾値を超えている場合に、車両が盗難状態であるものと判定することとしたので、いずれか一つの加速度検出手段の検出結果によって車両の盗難状態(具体的には、傾斜または振動)を簡易に判定することができ、車両の盗難状態を早急に検出することが可能になる。
【0018】
また、請求項4の発明に係る盗難防止装置は、請求項2に記載の発明において、前記盗難判定手段は、前記複数の加速度検出手段のうちで同方向の加速度を検出する複数の加速度検出手段によって検出された加速度それぞれが所定の閾値を超えている場合に、前記車両が盗難状態であるものと判定することを特徴とする。
【0019】
したがって、本発明によれば、複数の加速度検出手段のうちで同方向の加速度を検出する複数の加速度検出手段によって検出された加速度それぞれが所定の閾値を超えている場合に、車両が盗難状態であるものと判定することとしたので、複数の加速度検出手段の検出結果によって車両の盗難状態(具体的には、傾斜または振動)を慎重に判定することができ、車両の盗難状態を精度良く検出することが可能になる。
【0020】
また、請求項5の発明に係る盗難防止装置は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明において、前記盗難判定手段は、前記車両の傾斜に基づいて前記車両が盗難状態であるか否かを判定することを特徴とする。
【0021】
したがって、本発明によれば、車両の傾斜に基づいて車両が盗難状態であるか否かを判定することとしたので、盗難のためのジャッキアップなどによる車両の傾斜を確実に検出することが可能になる。
【0022】
また、請求項6の発明に係る盗難防止装置は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明において、前記盗難判定手段は、前記車両の振動に基づいて前記車両が盗難状態であるか否かを判定することを特徴とする。
【0023】
したがって、本発明によれば、車両の振動に基づいて車両が盗難状態であるか否かを判定することとしたので、盗難に繋がるような不穏な行為による車両の振動を確実に検出することが可能になる。
【0024】
また、請求項7の発明に係る盗難防止装置は、請求項6に記載の発明において、前記盗難判定手段は、前記車両の外縁部に設けられた加速度検出手段の検出結果に基づいて前記車両が盗難状態であるか否かを判定することを特徴とする。
【0025】
したがって、本発明によれば、車両の外縁部に設けられた加速度検出手段の検出結果に基づいて車両が盗難状態であるか否かを判定することとしたので、振動を想定した盗難状態を検出しようとする場合に、車両に加わる振動は車両の外縁部ほど検出しやすいところ、検出精度を向上させることが可能になる。
【0026】
また、請求項8の発明に係る盗難防止装置は、請求項6に記載の発明において、前記感度切替手段は、前記車両の外縁部に設けられた加速度検出手段の前記第2の検出感度よりも、前記車両の中央部に設けられた加速度検出手段の前記第2の検出感度が高くなるように各検出感度を切り替えることを特徴とする。
【0027】
したがって、本発明によれば、車両の外縁部に設けられた加速度検出手段の第2の検出感度よりも、車両の中央部に設けられた加速度検出手段の第2の検出感度が高くなるように各検出感度を切り替えることとしたので、振動を想定した盗難状態を検出しようとする場合に、車両に加わる振動は車両の外縁部ほど検出しやすいことを考慮し、中央部での検出精度を担保することが可能になる。
【0028】
また、請求項9の発明に係る盗難防止装置は、請求項1〜8のいずれか一つに記載の発明において、前記加速度検出手段は、前突用エアバッグECU内に配置された加速度センサ、側突用エアバッグECU内に配置された加速度センサ、前突用フロントサテライトセンサ内に配置された加速度センサ、電子制御サスペンションに使用される加速度センサおよび/または車両安定性制御システムに使用される加速度センサであることを特徴とする。
【0029】
したがって、本発明によれば、前突用エアバッグECU内に配置された加速度センサ、側突用エアバッグECU内に配置された加速度センサ、前突用フロントサテライトセンサ内に配置された加速度センサ、電子制御サスペンションに使用される加速度センサおよび/または車両安定性制御システムに使用される加速度センサを利用することとしたので、元来車両に頑丈に固定されて車両に対する挙動がダイレクトに伝わる加速度センサによって盗難状態(具体的には、傾斜または振動)を判定することができ、もって盗難防止専用のECUを後付けする場合に比較して、コストを低減させるだけでなく検出精度を向上させることも可能になる。
【0030】
また、請求項10の発明に係る盗難防止装置は、請求項1〜9のいずれか一つに記載の発明において、前記加速度検出手段の検出結果からノイズを除去するノイズ除去手段をさらに備え、前記盗難判定手段は、前記ノイズ除去手段によってノイズが除去された検出結果に基づいて前記車両が盗難状態であるか否かを判定することを特徴とする。
【0031】
したがって、本発明によれば、加速度検出手段の検出結果からノイズを除去し、ノイズが除去された検出結果に基づいて車両が盗難状態であるか否かを判定することとしたので、車両の盗難状態(具体的には、傾斜または振動)を判定する際に妨げとなる高周波ノイズ成分(ジャッキアップによる傾斜とは異なる振動や電磁波ノイズなどによる高周波ノイズ成分)を除去することができ、車両の盗難状態を精度良く判定することが可能になる。
【0032】
また、請求項11の発明に係る盗難防止装置は、請求項10に記載の発明において、前記ノイズ除去手段は、前記加速度検出手段に付設されるフィルタのカットオフ周波数を前記車両の盗難判定に対応した周波数に切り替えることによって、前記ノイズを除去することを特徴とする。
【0033】
したがって、本発明によれば、加速度検出手段に付設されるフィルタのカットオフ周波数を車両の盗難判定に対応した周波数に切り替えることによって、ノイズを除去することとしたので、いわゆるハイパスとロウパスのフィルタ回路の切り替えによって、高周波ノイズ成分を簡易に除去することが可能になる。
【0034】
また、請求項12の発明に係る盗難防止方法は、請求項10に記載の発明において、前記ノイズ除去手段は、前記加速度検出手段の検出結果を区間積分することによって、前記ノイズを除去することを特徴とする。
【0035】
したがって、本発明によれば、加速度検出手段の検出結果を区間積分することによって、ノイズを除去することとしたので、フィルタ回路を用いることなく、高周波ノイズ成分を簡易に除去することが可能になる。
【0036】
また、請求項13の発明に係る盗難防止装置は、請求項10に記載の発明において、前記ノイズ除去手段は、前記加速度検出手段に付設されるフィルタのカットオフ周波数を前記車両の盗難判定に対応した周波数に切り替えるとともに、前記加速度検出手段の検出結果を区間積分することによって、前記ノイズを除去することを特徴とする。
【0037】
したがって、本発明によれば、加速度検出手段に付設されるフィルタのカットオフ周波数を車両の盗難判定に対応した周波数に切り替えるとともに、加速度検出手段の検出結果を区間積分することによって、ノイズを除去することとしたので、フィルタ回路と区間積分の併用によって、高周波ノイズ成分を簡易かつ確実に除去することが可能になる。
【0038】
また、請求項14の発明に係る盗難防止装置は、請求項1〜13のいずれか一つに記載の発明において、前記加速度検出手段は、各種の機器とともに所定のユニット内に収容され、前記車両に搭載されたバッテリまたは前記所定のユニット内に収容された電池から前記各種の機器と同様に電源が供給されるものであって、前記盗難防止指示を受けて、前記所定のユニット内の前記加速度検出手段に対してのみ前記電源を供給するように制御する電源供給制御手段をさらに備え、前記盗難判定手段は、前記電源供給制御手段によって前記電源を供給するように制御された前記加速度検出手段の検出結果に基づいて前記車両が盗難状態であるか否かを判定することを特徴とする。
【0039】
したがって、本発明によれば、各種の機器とともに所定のユニット内に収容され、車両に搭載されたバッテリまたは所定のユニット内に収容された電池から各種の機器と同様に電源が供給される加速度検出手段を利用する場合に、盗難防止指示を受けて、所定のユニット内の加速度検出手段に対してのみ電源を供給するように制御し、電源を供給するように制御された加速度検出手段の検出結果に基づいて車両が盗難状態であるか否かを判定することとしたので、バッテリまたは電池の電源を効率良く使用した上で、車両の盗難状態(具体的には、傾斜または振動)を確実に検出することが可能になる。
【0040】
また、請求項15の発明に係る盗難防止装置は、請求項14に記載の発明において、前記電源供給制御手段は、前記バッテリまたは電池から前記加速度検出手段に対して間欠的に前記電源を供給するように制御することを特徴とする。
【0041】
したがって、本発明によれば、バッテリまたは電池から加速度検出手段に対して間欠的に電源を供給するように制御することとしたので、バッテリまたは電池の消耗を一層軽減することができ、バッテリまたは電池の電源を一層効率良く使用することが可能になる。
【0042】
また、請求項16の発明に係る盗難防止装置は、請求項14または15に記載の発明において、前記電源供給制御手段は、前記バッテリまたは電池の電圧が所定の電圧以下になった場合に、前記加速度検出手段に対する前記電源の供給を停止するように制御することを特徴とする。
【0043】
したがって、本発明によれば、バッテリまたは電池の電圧が所定の電圧以下になった場合に、加速度検出手段に対する電源の供給を停止するように制御することとしたので、バッテリまたは電池の消耗を緊急的に回避し、車両にとって不可欠な部位に対する電源を確保することが可能になる。
【0044】
また、請求項17の発明に係る盗難防止装置は、請求項1〜16のいずれか一つに記載の発明において、前記車両の状況を監視して前記盗難防止指示を送出する監視手段をさらに備え、前記感度切替手段は、前記監視手段によって送出された盗難防止指示を受けて、前記加速度検出手段の検出感度を前記車両の盗難判定に利用可能な検出感度に切り替えることを特徴とする。
【0045】
したがって、本発明によれば、車両の状況を監視して盗難防止指示を送出し、送出された盗難防止指示を受けて、加速度検出手段の検出感度を車両の盗難判定に利用可能な検出感度に切り替えることとしたので、車両が駐車中であるかなどの状況に応じて適切に盗難防止指示を送出し、適切なタイミングで検出感度を切り替えることが可能になる。
【0046】
また、請求項18の発明に係る盗難防止装置は、請求項17に記載の発明において、前記監視手段は、イグニッションキーのオンオフ状態を監視し、前記イグニッションキーがオフ状態になった場合に、前記盗難防止指示を送出することを特徴とする。
【0047】
したがって、本発明によれば、イグニッションキーのオンオフ状態を監視し、イグニッションキーがオフ状態になった場合に、盗難防止指示を送出することとしたので、イグニッションキーのオフ状態を車両の駐車中とみなして自動的に盗難防止指示を送出することができ、運転手による盗難防止のための特別の操作を必要とせず、常に適切なタイミングで検出感度を切り替えることが可能になる。
【0048】
また、請求項19の発明に係る盗難防止方法は、車両における所定の方向の加速度を検出し、所定の車両制御に第1の検出感度における検出結果が用いられる加速度検出工程と、盗難の防止を指示する盗難防止指示を受けて、前記加速度検出工程の検出感度を前記第1の検出感度とは異なる第2の検出感度に切り替える感度切替工程と、前記感度切替工程によって前記第2の検出感度に切り替えられた前記加速度検出工程の検出した加速度が所定の閾値を超えている場合に、前記車両が盗難状態であるものと判定する盗難判定工程と、を含んだことを特徴とする。
【0049】
したがって、本発明によれば、車両における所定の方向の加速度を検出し、所定の車両制御に第1の検出感度(例えば、エアバッグを制御するための衝撃を検出可能な検出感度であって、±100G程度。)における検出結果が用いられる加速度検出工程の検出感度を、盗難の防止を指示する盗難防止指示を受けて、第1の検出感度とは異なる第2の検出感度(具体的には、車両の盗難判定に利用可能な検出感度である。例えば、ジャッキアップなどによる車両の傾斜を検出可能な検出感度であって、±2G程度。または盗難に繋がるような不穏な行為による車両の振動を検出可能な検出感度など。)に切り替え、第2の検出感度に切り替えられた加速度検出工程の検出した加速度が所定の閾値を超えている場合に、車両が盗難状態であるものと判定することとしたので、盗難防止以外の用途から車両に搭載される各種の加速度センサを盗難防止に兼用する場合でも、車両の盗難状態を確実に検出することが可能になる。
【0050】
また、請求項20の発明に係る盗難防止プログラムは、車両における所定の方向の加速度を検出し、所定の車両制御に第1の検出感度における検出結果が用いられる加速度検出工程と、盗難の防止を指示する盗難防止指示を受けて、前記加速度検出工程の検出感度を前記第1の検出感度とは異なる第2の検出感度に切り替える感度切替工程と、前記感度切替工程によって前記第2の検出感度に切り替えられた前記加速度検出工程の検出した加速度が所定の閾値を超えている場合に、前記車両が盗難状態であるものと判定する盗難判定工程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0051】
したがって、本発明によれば、車両における所定の方向の加速度を検出し、所定の車両制御に第1の検出感度(例えば、エアバッグを制御するための衝撃を検出可能な検出感度であって、±100G程度。)における検出結果が用いられる加速度検出工程の検出感度を、盗難の防止を指示する盗難防止指示を受けて、第1の検出感度とは異なる第2の検出感度(具体的には、車両の盗難判定に利用可能な検出感度である。例えば、ジャッキアップなどによる車両の傾斜を検出可能な検出感度であって、±2G程度。または盗難に繋がるような不穏な行為による車両の振動を検出可能な検出感度など。)に切り替え、第2の検出感度に切り替えられた加速度検出工程の検出した加速度が所定の閾値を超えている場合に、車両が盗難状態であるものと判定することとしたので、盗難防止以外の用途から車両に搭載される各種の加速度センサを盗難防止に兼用する場合でも、車両の盗難状態を確実に検出することがプログラムによって可能になる。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る盗難防止装置、盗難防止方法および盗難防止プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下では、本実施の形態に係る盗難防止装置の概要および特徴を説明した後に、この盗難防止装置の構成および処理手順を説明し、最後に、他の実施の形態として種々の変形例を説明することとする。
【0053】
(盗難防止装置の概要および特徴)
まず最初に、本実施の形態に係る盗難防止装置の概要および特徴を説明する。図1は、本実施の形態に係る盗難防止装置の機能概念的な概略構成を示す図である。同図に示すように、この盗難防止装置は、概略的には、車両に搭載されたエアバッグECU10(所定方向からの衝撃を検出してエアバッグを点火させる電子制御装置)に内蔵されている加速度センサ11を傾斜センサとして兼用し、ジャッキアップなどによる車両やタイヤの盗難を防止するものである。
【0054】
つまり、図2(a)に示すように、車両には各種の加速度センサが搭載されているが、本実施の形態に係る盗難防止装置では、車両が駐車中である場合に、前突用のエアバッグECU10内に配置された加速度センサ11の検出結果を盗難防止ECU20に対して出力する。そして、この盗難防止ECU20の傾斜判定部21では、加速度センサ11の検出結果に基づいて車両の傾斜を判定し、ジャッキアップなどによる盗難が想定される程度に車両が傾斜している場合には警報部22を介して盗難防止の警報を出力する。
【0055】
このように、本実施の形態に係る盗難防止装置は、エアバッグECU10内に配置された加速度センサ11を利用してジャッキアップなどによる盗難を防止しようというものであるが、この盗難防止装置の主たる特徴は、エアバッグECU10の加速度センサ11のように、盗難防止以外の用途から車両に搭載されている加速度センサを盗難防止に兼用する場合でも、ジャッキアップなどによる車両の傾斜を確実に検出することができる点にある。
【0056】
これを具体的に説明すると、前突用のエアバッグECU10内に配置されたY方向加速度センサ(図2(a)参照)の場合、その検出感度は衝撃検出の観点から±100G程度に設定されている。その一方で、車幅165cmの車両がジャッキアップなどによってY方向に20cmほど持ち上げられている状態を想定すると、この状態で加速度センサ11の出力は125mV程度になるので(図2(b)および(c)参照)、この傾斜状態を確実に検知するためには、±2G程度の検出感度が要求される。
【0057】
つまり、盗難防止(ジャッキアップなどによる車両の傾斜の検出)に際して要求される検出感度(±2G程度)は、衝撃を検出するために必要な検出感度(±100G程度)と比較して著しく高いものである。したがって、車両がY方向に20cmほど持ち上げられている状態を盗難防止の臨界点として想定した場合には、加速度センサ11を傾斜センサとして盗難防止に兼用しようとしても、そのままでは検出感度が低過ぎるため、ジャッキアップなどによる車両の傾斜を必ずしも確実に検出することができない。
【0058】
そこで、本実施の形態では、エアバッグECU10のGAIN切替部16が、加速度センサ11の検出感度を車両の盗難判定(傾斜判定)に利用可能な検出感度(±2G程度)に切り替え、盗難防止ECU20の傾斜判定部21が、かかる検出感度に切り替えられた加速度センサ11の検出結果に基づいて車両が盗難状態であるか否か(盗難行為に起因して車両が傾斜しているか否か)を判定する。すなわち、これによって、ジャッキアップなどによる車両の傾斜を確実に検出することができるようにしている。なお、図1において、加速度センサ11、GAIN切替部16および傾斜判定部21は、特許請求の範囲に記載の「加速度検出手段」、「感度切替手段」および「盗難判定手段」にそれぞれ対応する。
【0059】
また、本実施の形態に係る盗難防止装置は、上記の主たる特徴に関連して以下に列挙するような特徴も付加的に有するものである。つまり、本実施の形態では、上記の検出感度の切替に合わせて、エアバッグECU10のノイズ除去部17が、加速度センサ11に付設されるフィルタのカットオフ周波数を200Hzから50Hz程度に切り替える。すなわち、これによって、車両の傾斜を判定する際に妨げとなる高周波ノイズ成分(ジャッキアップによる傾斜とは異なる振動や電磁波ノイズなどによる高周波ノイズ成分)を加速度センサ11の検出結果から除去し、車両の傾斜を精度良く判定することができるようにしている。なお、図1において、ノイズ除去部17は特許請求の範囲に記載の「ノイズ除去手段」に対応する。
【0060】
また、本実施の形態では、上記の検出感度の切替に合わせて、エアバッグECU10の電源供給制御部18が、エアバッグECU10内の加速度センサ11に対してのみバッテリ30から電源を供給する(すなわち、エアバッグECU10に本来的に内蔵され運転中に機能を発揮するCPUなどの他機器に対しては電源供給を停止する)ように電源供給を切り替える。すなわち、これによって、バッテリ11の電源を効率良く使用した上で、車両の傾斜を確実に検出することができるようにしている。なお、図1において、電源供給制御部18は、特許請求の範囲に記載の「電源供給制御手段」に対応する。
【0061】
さらに、本実施の形態では、エアバッグECU10のIGキーモニタ19が、IGキーSW(イグニッションキースイッチ)40のオンオフ状態を監視し、オフ状態になった場合に、GAIN切替部16、ノイズ除去部17および電源供給制御部18に対して盗難防止指示を送出し、検出感度の切替、フィルタの切替および電源供給の切替をそれぞれ実行させる。すなわち、これによって、IGキーSW40のオフ状態を車両の駐車中とみなして自動的に盗難防止指示を送出し、運転手による盗難防止のための特別の操作を必要とせず、常に適切なタイミングで検出感度などを切り替えることができるようにしている。なお、図1において、IGキーモニタ19は、特許請求の範囲に記載の「監視手段」に対応する。
【0062】
(盗難防止装置の構成)
次に、本実施の形態に係る盗難防止装置の構成を説明する。図2は、本実施の形態に係る盗難防止装置の構成を示すブロック図である。同図に示すように、この盗難防止装置は、エアバッグECU10および盗難防止ECU20を接続して構成されるが、以下では、(1)エアバッグECU10の構成、(2)盗難防止ECU20の構成をそれぞれ説明した後に、(3)加速度センサ11周辺の回路構成を説明する。
【0063】
(1)エアバッグECU
エアバッグECU10は、基本的には、いわゆる前突用のエアバッグECU10(図2(a)参照)として、車両の運転中(IGキーSW40がON状態である場合)に、前方および横方向からの衝撃を探知し、エアバッグを点火させる電子制御装置である。そして、その基本的な構成として、図3に示すように、X方向加速度センサ11aおよびY方向加速度センサ11b(図1に示した加速度センサ11に対応する。)と、CPU12と、バックアップ電源13と、ASIC14と、5V電源18cと、昇圧電源18dとを備える。
【0064】
すなわち、このエアバッグECU10では、IGキーSW40がON状態である場合に、X方向およびY方向それぞれの加速度を検出するX方向加速度センサ11aおよびY方向加速度センサ11b(以下、適宜これらを加速度センサ11と言う。)から検出結果がCPU12に入力される。そして、CPU12は、その検出結果から車両の衝突による衝撃が発生したか否かを判定し、かかる衝撃を検出した場合には、ASIC14を介してスクイブ15(窒素系のガスを発する薬品(インフレータ)を燃焼させる処理部)によってバッグを瞬時に膨らませるように制御する。
【0065】
なお、図3において、5V電源18cは、入力電圧(バッテリ30またはバックアップ電源13)から±5Vの電圧を得るために電圧変換をおこなう手段であり、バックアップ電源13は、バッテリ30の電圧が許容量以下になった場合に、昇圧電源18dを介して入力電圧を昇圧し、各加速度センサ11、CPU12およびASIC14に電源を供給する手段である。
【0066】
一方、エアバッグECU10は、このような基本的な構成以外にも、上述した特徴に係る構成として、図3に示すように、X方向GAIN切替部16aおよびY方向GAIN切替部16b(図1に示したGAIN切替部16に対応する。)と、X方向フィルタ切替部17aおよびY方向フィルタ切替部17b(図1に示したノイズ除去部17に対応する。)と、電源供給制御SW18aおよび電源供給制御SW18b(図1に示した電源供給制御部18に対応する。)と、IGキーモニタ19とを備える。以下に、これらの特徴に係る構成を説明する。
【0067】
X方向GAIN切替部16aおよびY方向GAIN切替部16b(以下、適宜これらをGAIN切替部16と言う。)は、IGキーモニタ19から盗難防止指示を受けて、各加速度センサ11の検出感度を車両の傾斜判定に利用可能な検出感度に切り替える処理部である。具体的には、X方向加速度センサ11aについては、衝撃を検出する観点から±50G程度に設定されていた検出感度を±2G程度に切り替え、Y方向加速度センサ11bについては、同じく±100G程度に設定されていた検出感度を±2G程度に切り替える。この結果、IGキーSW40がOFF状態になった後には、加速度センサ11の加速度センサ出力が±2G程度の分解能で盗難防止ECU20に出力されることとなる。なお、この検出感度の切替については「(3)加速度センサ周辺の回路構成」として後述する。
【0068】
X方向フィルタ切替部17aおよびY方向フィルタ切替部17b(以下、適宜これらをノイズ除去部17と言う。)は、IGキーモニタ19から盗難防止指示を受けて、各加速度センサ11の検出結果から高周波ノイズを除去するために、フィルタのカットオフ周波数を切り替える処理部である。具体的には、フィルタを200Hz程度のハイパス(ローカット)から50Hz程度のローパス(ハイカット)に切り替える。なお、このフィルタの切替についても「(3)加速度センサ周辺の回路構成」として後述する。
【0069】
電源供給制御SW18aおよび電源供給制御SW18b(以下、適宜これらを電源供給制御部18と言う。)は、IGキーモニタ19から盗難防止指示を受けて、エアバッグECU10内の加速度センサ11に対してのみバッテリ30から電源を供給するように電源供給を切り替える処理部である。具体的には、図3に示すように、IGキーSW40がOFF状態になった場合に、IGキーモニタ19から盗難防止指示を受けて、電源供給制御SW18aは「ON」状態になり、かつ、電源供給制御SW18bは「OFF」状態になる結果、CPU12などに対する電源供給は停止され、加速度センサ11に対してのみ電源が供給されるようになる。
【0070】
IGキーモニタ19は、IGキーSW40のON/OFF状態を監視し、IGキーSW40がOFF状態になった場合に、GAIN切替部16、ノイズ除去部17および電源供給制御部18に対して盗難防止指示を送出する処理部である。なお、IGキーSW40がON状態になった場合には、各部に対して盗難防止解除を送出し、それぞれを車両の運転中の状態に切り替える。
【0071】
(2)盗難防止ECU
続いて、盗難防止ECU20の構成を説明するが、この盗難防止ECU20は、図3に示すように、CPU21(傾斜判定部)と、5V電源23と、受信回路25と、送信回路26と、出力TR27とを備え、緊急通報送信アンテナ22aと、サイレン22bと、ハザード22cと、ヘッドランプ22dと、セキュリティ受信アンテナ24とが接続される。
【0072】
ここで、CPU21(図1に示した傾斜判定部21に対応する。)は、エアバックECU10における加速度センサ11の検出結果に基づいて、車両が盗難状態であるか否か(具体的には、傾斜しているか否か)を判定する処理部である。具体的には、X方向加速度センサ11aまたはY方向加速度センサ11bにおける検出結果が閾値(例えば、0.1G)を超えているか否かを判定する。なお、この閾値は、車幅165cmの車両が20cm以上持ち上げられた状態を確実に検出する場合の閾値であって、マイコンA/Dの分解能は10bit(1024LSB)であり、1LSB=4mGとなるので、0.1G(25LSB)を検出閾値としている。
【0073】
そして、CPU(傾斜判定部)21は、加速度センサ11の検出結果が閾値を超えている場合には、以下の警報行為を実行する。すなわち、出力TR27を介してサイレン22bから警報サイレンを鳴らすとともに、ハザード22cおよび/またはヘッドランプ22dを点滅させ、さらに、送信回路26を介して緊急通報アンテナ22aから所有者に緊急事態を通知する。
【0074】
なお、CPU21は、受信回路25を介して、セキュリティ受信アンテナ24からセキュリティのON/OFFを受け付け、車両の修理および車両の牽引など種々の事情により盗難防止ECU20が作動することが望ましくない場合に、盗難防止ECU20の機能をOFF状態にする。また、盗難防止ECU20は、入力電圧から±5Vの電圧を得るための電圧変換を行う5V電源23を介して、バッテリ30から電源の供給を受けて動作する。
【0075】
(3)加速度センサ周辺の回路構成
続いて、加速度センサ11の周辺の回路構成を明らかにした上で検出感度切替およびフィルタ切替を説明する。図4は、加速度センサ周辺の回路構成を示す図であり、図5は、検出感度切替およびフィルタ切替を説明するための図である。
【0076】
図4に示すように、加速度センサチップおよびAMP(アンプ)を内蔵した加速度センサICにおいて、加速度センサチップの出力端は、コンデンサC1、抵抗R2(100K)および抵抗R1(100K)を介してマイコン(図3に示したCPU12またはCPU21)の入力端に接続される。また、加速度センサICのAMP(アンプ)においては、プラス側入力端には基準電源2.5Vが接続され、また、マイナス側入力端(Vi)は抵抗R1およびR2の接続端に接続され、出力端(Vo)はマイコンの入力端に接続される。さらに、同図に示すように、コンデンサC1にはフィルタ切替SW2が並列接続され、抵抗R2には、抵抗R2’およびGAIN切替SW1が並列接続され、抵抗R1には、コンデンサC2およびフィルタ切替SW3が並列接続される。
【0077】
このような回路構成において、IGキーSW40がON状態である場合には、図5(a)に示すように、IGキーモニタ19の制御によって、GAIN切替SW1、フィルタ切替SW2およびフィルタ切替SW3は、全てがOFF状態になる。そして、この場合には、図4に示した回路が図5(b)に示すような構成になる(すなわち、Vo=−(Vi−2.5)R1/R2となる。)ので、GAINは±50G程度となり、フィルタのカットオフ周波数は200Hz(ハイパス)となる。
【0078】
このような状態から、IGキーSW40がOFF状態になった場合には、IGキーモニタ19から盗難防止指示を受けて、GAIN切替SW1、フィルタ切替SW2およびフィルタ切替SW3は、全てがON状態になる。そして、この場合には、図4に示した回路が図5(c)に示すような構成になる(すなわち、Vo=−(Vi−2.5)R1/R3、R3=R2×R2’(R2+R2’)となる。)ので、GAINは±2G程度に切り替えられ、フィルタのカットオフ周波数も50Hz(ローパス)に切り替えられる。
【0079】
(盗難防止装置の処理手順)
次に、本実施の形態に係る盗難防止装置の処理手順を説明する。図6は、本実施の形態に係る盗難防止装置の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、エアバッグECU10のIGキーモニタ19は、IGキーSW40がOFF状態になったか否かを繰り返し監視する(ステップS601)。
【0080】
そして、IGキーSW40がOFF状態になった場合には(ステップS601肯定)、IGキーモニタ19は、GAIN切替部16、ノイズ除去部17および電源供給制御部18に対して盗難防止指示を送出し、検出感度(GAIN)の切替、フィルタの切替および電源供給の切替をそれぞれ実行させる(ステップS602)。すなわち、加速度センサ11の検出感度を±2G程度に切り替え、また、フィルタを50Hz程度のローパス(ハイカット)に切り替え、さらに、加速度センサ11に対してのみ電源が供給されるように電源供給を切り替える。
【0081】
続いて、傾斜判定部21は、加速度センサ11の検出結果が閾値(例えば、0.1G)を超えているか否かを継続して判定し(ステップS603)、さらに、IGキーモニタ19は、IGキーSW40がON状態になったか否かを継続して監視する(ステップS605)。その結果、加速度センサ11の検出結果が閾値を超えている場合には(ステップS603肯定)、傾斜判定部21は、サイレン22b、ハザード22c、ヘッドランプ22dおよび/または緊急通報アンテナ22aを介して警報を出力する(ステップS604)。
【0082】
一方、IGキーSW40がON状態になった場合には(ステップS605肯定)、IGキーモニタ19は、GAIN切替部16、ノイズ除去部17および電源供給制御部18に対して盗難防止解除を送出し、それぞれを車両の運転中の状態に切り替える(ステップS606)。すなわち、加速度センサ11の検出感度を±100G程度に切り替え、また、フィルタを200Hz程度のハイパス(ローカット)に切り替え、さらに、加速度センサ11以外のCPU12などに対しても電源が供給されるように電源供給を切り替える。
【0083】
上述してきたように、本実施の形態に係る盗難防止装置によれば、盗難防止以外の用途から車両に搭載されているエアバッグECU10の加速度センサ11を盗難防止に兼用する場合でも、ジャッキアップなどによる車両の傾斜を確実に検出することが可能になる。なお、元来車両に頑丈に固定されて車両に対する挙動がダイレクトに伝わる加速度センサ11によって傾斜を判定することができるので、盗難防止専用のECU(電子制御装置)を後付する場合に比較して、コストを低減させるだけでなく検出精度を向上させることも可能になる。
【0084】
また、本実施の形態に係る盗難防止装置によれば、車両の傾斜を判定する際に妨げとなる高周波ノイズ成分を加速度センサ11の検出結果から除去することができるので、車両の傾斜を精度良く判定することが可能になる。また、バッテリ11の電源を効率良く使用した上で、車両の傾斜を確実に検出することが可能になる。さらに、IGキーSW40のオフ状態を車両の駐車中とみなして自動的に盗難防止指示を送出することができるので、運転手による盗難防止のための特別の操作を必要とせず、常に適切なタイミングで検出感度などを切り替えることが可能になる。
【0085】
(他の実施の形態)
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてもよいものである。そこで、以下では、(1)構成、(2)加速度センサ、(3)ノイズ除去、(4)電源供給、(5)盗難防止指示、(6)車両の振動にそれぞれ区分けして異なる実施の形態を説明することとする。
【0086】
(1)構成
本実施の形態では、GAIN切替部16、ノイズ除去部17、電源供給制御部18およびIGキーモニタ19という本発明の特徴に係る構成をエアバッグECU10に搭載する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これらの構成を盗難防止ECU20に搭載するなど、その全部または一部をエアバッグECU10以外に搭載する場合にも同様に適用することができる。また、これと同様に、図1および図3で示した盗難防止装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要さず、その全部または一部を処理負荷や製造状況、使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0087】
さらに、図3および図4で示した盗難防止装置の回路構成およびON/OFF理論は図示のものに限定されず、同様の機能を果たす別の回路や理論で構成するようにしてもよい。また、これと同様に、本実施の形態に係る盗難防止装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得るようにしてもよい。
【0088】
また、本実施の形態に係る盗難防止装置各装置にて行なわれる各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理(例えば、検出感度の切替、フィルタの切替、電源供給の切替など)の全部または一部を手動的におこなうこともできる。さらに、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報(例えば、傾斜判定の閾値、GAIN値、カットオフ周波数、抵抗値など)については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0089】
(2)加速度センサ
本実施の形態では、前突用のエアバッグECU10に内蔵されたX方向加速度センサ11aおよびY方向加速度センサ11bの両方を盗難防止に兼用する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの一方のみ(例えば、Y方向加速度センサ11b)で一方向の傾斜判定のみを行うような場合にも同様に適用することができる。
【0090】
また、本実施の形態では、前突用のエアバッグECU10に内蔵された加速度センサを盗難防止に兼用する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、車両に搭載されたあらゆる加速度センサを同様に兼用することができる。すなわち、図2(a)に示すように、車両には、側突用エアバッグECU内に配置された加速度センサ(右側側突用Y方向加速度センサ、左側側突用Y方向加速度センサ)、前突用フロントサテライトセンサ内に配置された加速度センサ(左側前突用X方向加速度センサ、右側前突用X方向加速度センサ)、電子制御サスペンションに使用されるZ方向加速度センサ、車両安定性制御システムに使用されるY方向加速度センサが搭載されているが、これらの加速度センサを盗難防止に同様に兼用することができる。なお、いずれの加速度センサを兼用する場合にも、その検出感度を±2G程度に切り替えるが、傾斜判定の閾値は、各加速度センサごとにその搭載位置によって相違するようにしてもよい。
【0091】
また、本発明では、上記したような加速度センサの複数を盗難防止に兼用し、それぞれの検出結果に基づいて車両の傾斜を判定するようにしてもよい。すなわち、例を挙げれば、左側前突用X方向加速度センサおよび/または右側前突用X方向加速度センサと、右側側突用Y方向加速度センサおよび/または左側側突用Y方向加速度センサといった組み合わせである。これによって、複数の加速度センサの検出結果の組み合わせによって多面的に傾斜を判定するとともに誤判定を防止することができ、車両の傾斜を精度良く検出することが可能になる。
【0092】
また、上記のように複数の加速度センサを傾斜判定に兼用する場合には、いずれか一つの加速度センサの検出結果が閾値を超えると、車両が傾斜しているものと判定するようにすることができる。すなわち、例を挙げれば、前突用エアバッグECU10内のY方向加速度センサ11b、右側側突用Y方向加速度センサ、および左側側突用Y方向加速度センサを傾斜判定に兼用する場合に、いずれか一つの検出結果が閾値を超えれば警報行為を実行するというものである。これによって、いずれか一つの加速度センサの検出結果によって車両の傾斜を簡易に判定することができ、車両の傾斜を早急に検出することが可能になる。
【0093】
さらに、上記のように複数の同方向の加速度センサを傾斜判定に兼用する場合に、それぞれの検出結果全てが閾値を越えることを条件にして判定するようにしてもよい。すなわち、上記の例で言えば、Y方向加速度センサ11b、右側側突用Y方向加速度センサ、および左側側突用Y方向加速度センサの全ての検出結果が閾値を超えた場合に初めて警報行為を実行するわけである。これによって、複数の加速度センサの検出結果によって車両の傾斜を慎重に判定することができ、車両の傾斜を精度良く検出することが可能になる。
【0094】
(3)ノイズ除去
本実施の形態では、フィルタによってノイズを除去する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、加速度センサの検出結果を区間積分するなど、あらゆるノイズ除去手法を同様に適用することができる。すなわち、フィルタ回路を用いることなく、区間積分などによって高周波ノイズ成分を簡易に除去するようにすることも可能である。
【0095】
また、本発明では、フィルタによるノイズ除去だけでなく、上記したような区間積分によるノイズ除去をも併用して、高周波ノイズ成分を簡易かつ確実に除去するようにすることも可能になる。なお、区間積分によるノイズ除去を採用する場合にも、フィルタのカットオフ周波数の切替(ハイパスとロウパスの切替)と同様、除去対象とするノイズの帯域を切り替える。
【0096】
(4)電源供給
本実施の形態では、車両のバッテリ30から電源を供給する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、エアバッグECU10や盗難防止ECU20に搭載された電池から電源を供給するなど、バッテリ30以外から電源を供給する場合にも同様に適用することができる。なお、エアバッグECU10や盗難防止ECU20に搭載された電池から電源を供給する場合にも、盗難防止指示を受けて加速度センサにのみ電源が供給されるように制御される。
【0097】
また、本発明では、IGキーSW40のオフ状態で加速度センサのみに電源を供給する場合に、電源を間欠的に供給するように制御するようにしてもよい。すなわち、これによって、バッテリや電池の消耗を一層軽減することができ、バッテリや電池の電源を一層効率良く使用した上で、車両の傾斜を確実に検出することが可能になる。
【0098】
さらに、本発明では、電源の間欠的な供給だけでなく、バッテリまたは電池の電圧が所定の電圧以下になった場合に、加速度センサに対する電源の供給を停止するように制御するようにしてもよい。すなわち、これによって、バッテリまたは電池の消耗を緊急的に回避し、車両にとって不可欠な部位に対する電源を確保することが可能になる。
【0099】
(5)盗難防止指示
本実施の形態では、IGキーモニタ19がIGキーSW40のオンオフ状態を監視してGAIN切替部16などに盗難防止指示を送出する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、IGキーSW40以外の他の状況(例えば、エンジンの駆動状態、他のスイッチや機器の状況など)を監視して盗難防止指示を送出する場合にも同様に適用することができる。
【0100】
また、本発明では、盗難防止指示スイッチの如き専用SWを車内に配置し、かかる専用SWのオン操作を待って盗難防止指示を送出するようにしてもよい。さらに、これをIGキーSW40と組み合わせて、専用SWのオン操作およびIGキーSW40のオフ状態を待って盗難防止指示を送出するようにしてもよい。
【0101】
(6)車両の振動
本実施の形態では、加速度センサ11を傾斜センサとして兼用し、ジャッキアップなどによる車両やタイヤの盗難を防止する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、加速度センサ11を振動センサとして兼用し、盗難に繋がるような不穏な行為による車両の振動を検出して盗難を防止する場合にも同様に適用することができる。
【0102】
すなわち、この場合には、車両が盗難状態であるか否か(具体的には、盗難に繋がるような不穏な行為が行われているか否か)を判定するために、加速度センサ11の検出結果である加速度から車両が振動しているか否かを判定する。そして、この場合にも、上記の実施の形態と同様、かかる行為によって生じる振動は車両衝突時の振動に比較して小さなものである(すなわち、そのままの検出感度では低過ぎる)ので、車両の振動を確実に検出することができるように、加速度センサ11の検出感度を車両の振動検出に利用可能な検出感度に切り替える。ただし、車両の傾斜と振動とは検出対象行為が異なるので、上記で述べた傾斜判定用の検出感度や閾値とは、その具体的な値は異なったものが用いられる。
【0103】
また、車両の振動判定の場合には、車両の外縁部に設けられた加速度センサ(例えば、フロントセンサや側突用センサなど)の検出結果に基づいて車両が盗難状態であるか否かを判定することが好ましい。つまり、車両に加わる振動は車両の外縁部ほど検出しやすいので、これによって、検出精度を向上させることが可能になる。
【0104】
さらに、車両の振動判定の場合には、車両の外縁部に設けられた加速度センサ(例えば、フロントセンサや側突用センサなど)の検出感度よりも、車両の中央部に設けられた加速度センサ(例えば、前突用センサなど)の検出感度が高くなるように各検出感度を切り替えることが好ましい。つまり、これによって、車両に加わる振動は車両の外縁部ほど検出しやすいことを考慮し、中央部での検出精度を担保することが可能になる。なお、これと同様の観点から、車両の振動判定の場合には、振動判定の閾値も加速度センサの位置の相違によってそれぞれ異なる値が用いられる。
【0105】
なお、車両の振動判定の場合にも、検出感度の切替に合わせてフィルタのカットオフ周波数を切り替えることや電源供給を切り替えることなど、上記の実施の形態や他の実施の形態(1)〜(5)で説明した本発明の特徴を同様に適用することができる。
【0106】
最後に、本実施の形態で説明した盗難防止方法は、あらかじめ用意されたプログラムを車載のコンピュータ(外付けのコンピュータも含む。)で実行することによって実現することもできる。このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、盗難防止以外の用途から車両に搭載される各種の加速度センサを盗難防止に兼用する場合でも、車両の盗難状態を確実に検出することが可能な盗難防止装置が得られるという効果を奏する。
【0108】
また、請求項2の発明によれば、複数の加速度検出手段の検出結果の組み合わせによって多面的に盗難状態(具体的には、傾斜または振動)を判定するとともに誤判定を防止することができ、車両の盗難状態を精度良く検出することが可能な盗難防止装置が得られるという効果を奏する。
【0109】
また、請求項3の発明によれば、いずれか一つの加速度検出手段の検出結果によって車両の盗難状態(具体的には、傾斜または振動)を簡易に判定することができ、車両の盗難状態を早急に検出することが可能な盗難防止装置が得られるという効果を奏する。
【0110】
また、請求項4の発明によれば、複数の加速度検出手段の検出結果によって車両の盗難状態(具体的には、傾斜または振動)を慎重に判定することができ、車両の盗難状態を精度良く検出することが可能な盗難防止装置が得られるという効果を奏する。
【0111】
また、請求項5の発明によれば、盗難のためのジャッキアップなどによる車両の傾斜を確実に検出することが可能な盗難防止装置が得られるという効果を奏する。
【0112】
また、請求項6の発明によれば、盗難に繋がるような不穏な行為による車両の振動を確実に検出することが可能な盗難防止装置が得られるという効果を奏する。
【0113】
また、請求項7の発明によれば、振動を想定した盗難状態を検出しようとする場合に、車両に加わる振動は車両の外縁部ほど検出しやすいところ、検出精度を向上させることが可能な盗難防止装置が得られるという効果を奏する。
【0114】
また、請求項8の発明によれば、振動を想定した盗難状態を検出しようとする場合に、車両に加わる振動は車両の外縁部ほど検出しやすいことを考慮し、中央部での検出精度を担保することが可能な盗難防止装置が得られるという効果を奏する。
【0115】
また、請求項9の発明によれば、元来車両に頑丈に固定されて車両に対する挙動がダイレクトに伝わる加速度センサによって盗難状態(具体的には、傾斜または振動)を判定することができ、もって盗難防止専用のECUを後付けする場合に比較して、コストを低減させるだけでなく検出精度を向上させることも可能な盗難防止装置が得られるという効果を奏する。
【0116】
また、請求項10の発明によれば、車両の盗難状態(具体的には、傾斜または振動)を判定する際に妨げとなる高周波ノイズ成分(ジャッキアップによる傾斜とは異なる振動や電磁波ノイズなどによる高周波ノイズ成分)を除去することができ、車両の盗難状態を精度良く判定することが可能な盗難防止装置が得られるという効果を奏する。
【0117】
また、請求項11の発明によれば、いわゆるハイパスとロウパスのフィルタ回路の切り替えによって、高周波ノイズ成分を簡易に除去することが可能な盗難防止装置が得られるという効果を奏する。
【0118】
また、請求項12の発明によれば、フィルタ回路を用いることなく、高周波ノイズ成分を簡易に除去することが可能な盗難防止装置が得られるという効果を奏する。
【0119】
また、請求項13の発明によれば、フィルタ回路と区間積分の併用によって、高周波ノイズ成分を簡易かつ確実に除去することが可能な盗難防止装置が得られるという効果を奏する。
【0120】
また、請求項14の発明によれば、バッテリまたは電池の電源を効率良く使用した上で、車両の盗難状態(具体的には、傾斜または振動)を確実に検出することが可能な盗難防止装置が得られるという効果を奏する。
【0121】
また、請求項15の発明によれば、バッテリまたは電池の消耗を一層軽減することができ、バッテリまたは電池の電源を一層効率良く使用することが可能な盗難防止装置が得られるという効果を奏する。
【0122】
また、請求項16の発明によれば、バッテリまたは電池の消耗を緊急的に回避し、車両にとって不可欠な部位に対する電源を確保することが可能な盗難防止装置が得られるという効果を奏する。
【0123】
また、請求項17の発明によれば、車両が駐車中であるかなどの状況に応じて適切に盗難防止指示を送出し、適切なタイミングで検出感度を切り替えることが可能な盗難防止装置が得られるという効果を奏する。
【0124】
また、請求項18の発明によれば、イグニッションキーのオフ状態を車両の駐車中とみなして自動的に盗難防止指示を送出することができ、運転手による盗難防止のための特別の操作を必要とせず、常に適切なタイミングで検出感度を切り替えることが可能な盗難防止装置が得られるという効果を奏する。
【0125】
また、請求項19の発明によれば、盗難防止以外の用途から車両に搭載される各種の加速度センサを盗難防止に兼用する場合でも、車両の盗難状態を確実に検出することが可能な盗難防止方法が得られるという効果を奏する。
【0126】
また、請求項20の発明によれば、盗難防止以外の用途から車両に搭載される各種の加速度センサを盗難防止に兼用する場合でも、車両の盗難状態を確実に検出することが可能な盗難防止プログラムが得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る盗難防止装置の機能概念的な概略構成を示す図である。
【図2】車両に搭載される加速度センサの検出感度を説明するための図である。
【図3】本実施の形態に係る盗難防止装置の構成を示すブロック図である。
【図4】加速度センサ周辺の回路構成を示す図である。
【図5】検出感度切替およびフィルタ切替を説明するための図である。
【図6】本実施の形態に係る盗難防止装置の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 エアバッグECU
11 加速度センサ
11a X方向加速度センサ
11b Y方向加速度センサ
12 CPU
13 バックアップ電源
14 ASIC
15 スクイブ
16 GAIN切替部
16a X方向GAIN切替部
16b Y方向GAIN切替部
17 ノイズ除去部
17a X方向フィルタ切替部
17b Y方向フィルタ切替部
18 電源供給制御部
18a 電源供給制御SW
18b 電源供給制御SW
18c 5V電源
18d 昇圧電源
19 IGキーモニタ
20 盗難防止ECU
21 CPU(傾斜判定部)
22 警報部
22a 緊急通報送信アンテナ
22b サイレン
22c ハザード
22d ヘッドランプ
23 5V電源
24 セキュリティ受信アンテナ
25 受信回路
26 送信回路
27 出力TR
30 バッテリ
40 IGキーSW

Claims (20)

  1. 車両に搭載されて所定の方向の加速度を検出するものであり、所定の車両制御に第1の検出感度における検出結果が用いられる加速度検出手段と、
    盗難の防止を指示する盗難防止指示を受けて、前記加速度検出手段の検出感度を前記第1の検出感度とは異なる第2の検出感度に切り替える感度切替手段と、前記感度切替手段によって前記第2の検出感度に切り替えられた前記加速度検出手段の検出結果に基づいて前記車両が盗難状態であるか否かを判定する盗難判定手段と、
    を備えたことを特徴とする盗難防止装置。
  2. 前記感度切替手段は、前記盗難防止指示を受けて前記車両に搭載された複数の加速度検出手段それぞれの検出感度を切り替え、
    前記盗難判定手段は、前記複数の加速度検出手段それぞれの検出結果に基づいて前記車両が盗難状態であるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の盗難防止装置。
  3. 前記盗難判定手段は、前記複数の加速度検出手段のうちでいずれか一つの加速度検出手段によって検出された加速度が所定の閾値を超えている場合に、前記車両が盗難状態であるものと判定することを特徴とする請求項2に記載の盗難防止装置。
  4. 前記盗難判定手段は、前記複数の加速度検出手段のうちで同方向の加速度を検出する複数の加速度検出手段によって検出された加速度それぞれが所定の閾値を超えている場合に、前記車両が盗難状態であるものと判定することを特徴とする請求項2に記載の盗難防止装置。
  5. 前記盗難判定手段は、前記車両の傾斜に基づいて前記車両が盗難状態であるか否かを判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の盗難防止装置。
  6. 前記盗難判定手段は、前記車両の振動に基づいて前記車両が盗難状態であるか否かを判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の盗難防止装置。
  7. 前記盗難判定手段は、前記車両の外縁部に設けられた加速度検出手段の検出結果に基づいて前記車両が盗難状態であるか否かを判定することを特徴とする請求項6に記載の盗難防止装置。
  8. 前記感度切替手段は、前記車両の外縁部に設けられた加速度検出手段の前記第2の検出感度よりも、前記車両の中央部に設けられた加速度検出手段の前記第2の検出感度が高くなるように各検出感度を切り替えることを特徴とする請求項6に記載の盗難防止装置。
  9. 前記加速度検出手段は、前突用エアバッグECU内に配置された加速度センサ、側突用エアバッグECU内に配置された加速度センサ、前突用フロントサテライトセンサ内に配置された加速度センサ、電子制御サスペンションに使用される加速度センサおよび/または車両安定性制御システムに使用される加速度センサであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の盗難防止装置。
  10. 前記加速度検出手段の検出結果からノイズを除去するノイズ除去手段をさらに備え、
    前記盗難判定手段は、前記ノイズ除去手段によってノイズが除去された検出結果に基づいて前記車両が盗難状態であるか否かを判定することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の盗難防止装置。
  11. 前記ノイズ除去手段は、前記加速度検出手段に付設されるフィルタのカットオフ周波数を前記車両の盗難判定に対応した周波数に切り替えることによって、前記ノイズを除去することを特徴とする請求項10に記載の盗難防止装置。
  12. 前記ノイズ除去手段は、前記加速度検出手段の検出結果を区間積分することによって、前記ノイズを除去することを特徴とする請求項10に記載の盗難防止装置。
  13. 前記ノイズ除去手段は、前記加速度検出手段に付設されるフィルタのカットオフ周波数を前記車両の盗難判定に対応した周波数に切り替えるとともに、前記加速度検出手段の検出結果を区間積分することによって、前記ノイズを除去することを特徴とする請求項10に記載の盗難防止装置。
  14. 前記加速度検出手段は、各種の機器とともに所定のユニット内に収容され、前記車両に搭載されたバッテリまたは前記所定のユニット内に収容された電池から前記各種の機器と同様に電源が供給されるものであって、
    前記盗難防止指示を受けて、前記所定のユニット内の前記加速度検出手段に対してのみ前記電源を供給するように制御する電源供給制御手段をさらに備え、
    前記盗難判定手段は、前記電源供給制御手段によって前記電源を供給するように制御された前記加速度検出手段の検出結果に基づいて前記車両が盗難状態であるか否かを判定することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載の盗難防止装置。
  15. 前記電源供給制御手段は、前記バッテリまたは電池から前記加速度検出手段に対して間欠的に前記電源を供給するように制御することを特徴とする請求項14に記載の盗難防止装置。
  16. 前記電源供給制御手段は、前記バッテリまたは電池の電圧が所定の電圧以下になった場合に、前記加速度検出手段に対する前記電源の供給を停止するように制御することを特徴とする請求項14または15に記載の盗難防止装置。
  17. 前記車両の状況を監視して前記盗難防止指示を送出する監視手段をさらに備え、
    前記感度切替手段は、前記監視手段によって送出された盗難防止指示を受けて、前記加速度検出手段の検出感度を前記車両の盗難判定に利用可能な検出感度に切り替えることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一つに記載の盗難防止装置。
  18. 前記監視手段は、イグニッションキーのオンオフ状態を監視し、前記イグニッションキーがオフ状態になった場合に、前記盗難防止指示を送出することを特徴とする請求項17に記載の盗難防止装置。
  19. 車両における所定の方向の加速度を検出し、所定の車両制御に第1の検出感度における検出結果が用いられる加速度検出工程と、
    盗難の防止を指示する盗難防止指示を受けて、前記加速度検出工程の検出感度を前記第1の検出感度とは異なる第2の検出感度に切り替える感度切替工程と、前記感度切替工程によって前記第2の検出感度に切り替えられた前記加速度検出工程の検出した加速度が所定の閾値を超えている場合に、前記車両が盗難状態であるものと判定する盗難判定工程と、
    を含んだことを特徴とする盗難防止方法。
  20. 車両における所定の方向の加速度を検出し、所定の車両制御に第1の検出感度における検出結果が用いられる加速度検出工程と、
    盗難の防止を指示する盗難防止指示を受けて、前記加速度検出工程の検出感度を前記第1の検出感度とは異なる第2の検出感度に切り替える感度切替工程と、前記感度切替工程によって前記第2の検出感度に切り替えられた前記加速度検出工程の検出した加速度が所定の閾値を超えている場合に、前記車両が盗難状態であるものと判定する盗難判定工程と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする盗難防止プログラム。
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