JPH09235538A - 電子線硬化型接着剤及びこれを用いたポリエステルフィルム貼り合わせ金属板 - Google Patents

電子線硬化型接着剤及びこれを用いたポリエステルフィルム貼り合わせ金属板

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JPH09235538A
JPH09235538A JP4118796A JP4118796A JPH09235538A JP H09235538 A JPH09235538 A JP H09235538A JP 4118796 A JP4118796 A JP 4118796A JP 4118796 A JP4118796 A JP 4118796A JP H09235538 A JPH09235538 A JP H09235538A
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electron beam
weight
average molecular
molecular weight
phenoxy resin
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JP4118796A
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English (en)
Inventor
Shoji Okutsu
正二 奥津
Yasuo Kikura
康男 亀倉
Kaoru Morita
薫 森田
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 付着性、加工性、表面仕上り性が良好で、厳
しい加工の加工部における耐レトルト性にも優れ、電子
線硬化されたPETラミネート金属板を得る。 【解決手段】 (A)フェノキシ樹脂と多塩基性カルボ
ン酸無水物とのエステル化物である、酸価1〜100を
有する重量平均分子量30,000〜150,000の
カルボキシル基含有フェノキシ樹脂100重量部に対
し、(B)数平均分子量5,000〜70,000のポ
リカプロラクトンポリマー5〜50重量部及び(C)
0.3〜12当量/kg 分子の重合性不飽和二重結合を有
し、数平均分子量300〜5,000のポリエステル系
オリゴマー2〜50重量部、を含有することを特徴とす
る電子線硬化型接着剤、及びこの接着剤を用いてPET
フイルムと金属板とを貼り合わせ、電子線硬化してなる
PETラミネート金属板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線硬化型接着
剤と、この接着剤を用いたポリエステルフィルム貼り合
わせ金属板に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来、飲料罐あるいは食罐
に利用されるポリエステルフィルム貼り合わせ金属板
(以下このものを「PETラミネート金属板」という)
は、通常接着剤を介してポリエステルフィルムと金属板
を熱圧着により貼り合わせて製造されている(例えば特
開平3−87249号公報、特開平4−266984号
公報、特開平5−43859号公報等)。
【0003】従来のPETラミネート金属板の製造方法
は、(1)ポリエステルフィルム(以下「PETフィル
ム」という)に接着剤を塗布し、タックフリーになる迄
乾燥させる工程、(2)接着剤が塗布されたPETフィ
ルムと金属板を加熱(通常約180℃以上)することに
よって貼り合わせる工程及び(3)接着剤を後焼付(通
常約180℃以上、60秒間以上)することによって完
全硬化させる工程からなっている。上記した従来の製造
方法では下記のような問題がある。
【0004】近年におけるPETラミネート金属板を
大量に生産する必要から高速生産ラインで短時間に製造
できる条件を満たすには、後焼付炉を長くしなければな
らず大型設備となり設備費用が膨大となると同時に広い
工場スペースを必要とする。 従来の製造方法では、ラミネート温度が180℃以下
の場合、又はラミネート速度が150m/分より高速で熱
が十分にかからない場合では十分な接着ができない箇所
(硬化不十分)が現れ、外観上のムラを生じる。
【0005】従来の方法で得られたPETラミネート
金属板から製造される飲料罐あるいは食罐は、加工性
(ネック加工、フランジ加工、ビード加工等)に劣った
り、溶接近傍の罐胴見切線に溶接熱及びサイドシーム塗
料の焼付(最高到達温度230℃以上)による劣化によ
ってレトルト処理後の白化やブリスターを発生したり、
PETフィルム表面にウォータスポット様の模様を生じ
たり、光沢が低下する等表面の仕上りが低下するという
問題があった。
【0006】そこで本発明者らは、先に特開平6−19
2637号公報において、大型の設備と場所を必要とせ
ず、ラミネートを高速かつ低温で行うことができ、ポリ
エステル系接着剤を電子線硬化することによって、PE
Tフィルムと金属板間の付着性に優れ、罐用に使用した
際の加工性、耐レトルト性等の性能や、表面仕上りにお
いて従来品を凌駕するPETラミネート金属板を得るこ
とができることを開示した。
【0007】しかしながら、上記公報に記載のPETラ
ミネート金属板は、3段ネック加工等の厳しい加工を行
った場合、加工部分の耐レトルト性が劣るという問題が
あった。
【0008】本発明は、接着剤を電子線硬化することに
よって、大型の設備と場所を必要とせず、ラミネートを
高速かつ低温で行うことによって得ることができ、PE
Tフィルムと金属板間の付着性に優れ、缶用に使用した
際の加工性、耐レトルト性等の性能や、表面仕上り性が
良好で、厳しい加工を行った加工部においても耐レトル
ト性に問題がないPETラミネート金属板を得ることを
目的とするものであり、またこの用途に優れた効果を奏
する電子線硬化型接着剤を提供することを目的とするも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、フェノキ
シ樹脂を含有する特定の接着剤を使用することによって
上記目的を達成できるPETラミネート金属板を得るこ
とができることを見出し本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち本発明は、1.(A)フェノキシ
樹脂と多塩基性カルボン酸無水物とのエステル化物であ
る、酸価1〜100を有する重量平均分子量30,00
0〜150,000のカルボキシル基含有フェノキシ樹
脂 100重量部に対し、(B)数平均分子量5,00
0〜70,000のポリカプロラクトンポリマー5〜5
0重量部及び(C)0.3〜12当量/kg 分子の重合性
不飽和二重結合を有し、数平均分子量300〜5,00
0のポリエステル系オリゴマー 2〜50重量部、を含
有することを特徴とする電子線硬化型接着剤を提供する
ものである。
【0011】また本発明は、2.金属板の片面又は両面
に、上記項1記載の電子線硬化型接着剤を介して、ポリ
エステルフィルムを貼り合わせ、ポリエステルフィルム
を通して電子線を照射して該接着剤を硬化させてなるポ
リエステルフィルム貼り合わせ金属板を提供するもので
ある。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明接着剤における各成分につ
いて、以下に説明する。
【0013】カルボキシル基含有フェノキシ樹脂(A) フェノキシ樹脂と多塩基性カルボン酸無水物とのエステ
ル化物である。
【0014】上記フェノキシ樹脂は、単核型もしくは二
核型の2価フェノール又は単核型と二核型との混合2価
フェノールを、アルカリ触媒の存在下にほぼ等モル量の
エピハロヒドリンと重縮合させて得られる重合体であ
る。単核型2価フェノールの例としてはレゾルシン、ハ
イドロキノン及びカテコール等が挙げられ、二核型2価
フェノールの例としてはビスフェノールA、ビスフェノ
ールF等が挙げられる。これらは単独で使用しても、あ
るいは2種以上併用してもよい。エピハロヒドリンの代
表例はエピクロルヒドリンである。
【0015】2価フェノールがレゾルシンとビスフェノ
ールAのモル比1/1の混合物である場合のフェノキシ
樹脂は例えば下記構造式で示される反復単位を基本に構
成される。
【0016】
【化1】
【0017】また2価フェノールがビスフェノールA単
独である場合の樹脂の反復単位は下記構造式で示され
る。
【0018】
【化2】
【0019】フェノキシ樹脂はポリヒドロキシポリエー
テル樹脂であって、エポキシ樹脂と同様の原料から製造
されるがエポキシ樹脂とは違って末端エポキシ基を実質
的に持たず、分子量が通常のエポキシ樹脂よりかなり大
きい、熱可塑性樹脂である。本発明においてはフェノキ
シ樹脂としては重量平均分子量が約30,000〜約1
50,000、好ましくは30,000〜80,000
のものを好適に使用することができる。ビスフェノール
Aとエピクロロヒドリンから製造したフェノキシ樹脂
は、例えば米国ユニオン・カーバイド社よりフェノキシ
樹脂PKHHとして市販されている。
【0020】上記構造式から明らかなように、フェノキ
シ樹脂は連鎖中にOH基と−O−基を多数含んでいる。
OH基は基体と水素結合を形成するので、密着力の増大
に寄与し、−O−基は分子内の回転を容易に生じるた
め、樹脂の可撓性増大に寄与する。
【0021】フェノキシ樹脂はエポキシ樹脂と比較する
とエポキシ基を実質的に有さず高分子量である点で可撓
性の点で有利である。
【0022】上記フェノキシ樹脂とエステル化反応させ
る多塩基性カルボン酸無水物としては、カルボン酸無水
基を分子中に1個以上、好ましくは1個有する化合物で
あり、例えば無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタ
ル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフ
タル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無
水クロレンド酸、3,6−エンドメチレン−1,2,
3,6−テトラヒドロフタル酸酸無水物等を挙げること
ができる。
【0023】前記フェノキシ樹脂と上記多塩基性カルボ
ン酸無水物とのエステル化反応は、従来公知の方法によ
って行うことができる。この反応は、フェノキシ樹脂中
の水酸基と多塩基性カルボン酸無水物中の酸無水基との
エステル化反応であると考えられ、この反応により生成
するカルボキシル基は、通常の反応条件においては、さ
らに反応することはない。したがって、多塩基性カルボ
ン酸無水物としてカルボン酸無水基を分子中に1個以上
有する化合物を使用することによってフェノキシ樹脂の
側鎖にカルボキシル基を導入することができる。上記エ
ステル化反応の反応条件としては、70〜130℃で1
〜6時間程度が好ましい。
【0024】フェノキシ樹脂と多塩基性カルボン酸無水
物とのエステル化反応における両者の配合比は、得られ
るエステル化物であるカルボキシル基含有フェノキシ樹
脂の樹脂酸価が1〜100(gKOH/kg樹脂)、好ましくは
2〜30となる範囲とすることが好ましい。得られるカ
ルボキシル基含有フェノキシ樹脂の樹脂酸価が1未満で
は、電子線照射後のPETラミネート金属板の熱処理に
よる熱安定性が劣り、溶接部の補修時の加熱等によりラ
ミネートフィルムに縮みが生じやすくなり、一方、樹脂
酸価が100を超えると、耐レトルト性が劣化しレトル
ト処理により白化が生じやすくなる。
【0025】また得られるカルボキシル基含有フェノキ
シ樹脂は、重量平均分子量が30,000〜150,0
00、好ましくは30,000〜80,000の範囲で
あることが必要である。重量平均分子量が30,000
未満では、フィルムラミネート時にフィルムに皺が生じ
仕上り外観が低下しやすくなり、一方、重量平均分子量
が150,000を超えると、接着剤の粘度が高くなり
塗装作業性が悪くなるとともに、接着剤を構成する他の
樹脂との相溶性が低下し、PETラミネート金属板に濁
りが生じ、透明感が低下する。
【0026】ポリカプロラクトンポリマー(B) (B)成分であるポリカプロラクトンポリマーは、主鎖
が主としてポリカプロラクトン鎖からなる数平均分子量
5,000〜70,000、好ましくは10,000〜
50,000のポリマーであり、例えば下記一般式
〔1〕、〔2〕又は〔3〕で表されるポリマーを挙げる
ことができる。
【0027】
【化3】
【0028】(上記式中、R1 は、同一又は異なって水
酸基、アルコキシル基、エステル基もしくはハロゲン原
子が置換していてもよい炭素原子数1〜18の一価の炭
化水素基又は水素原子を表し、R2 は、同一又は異なっ
て水酸基、アルコキシル基、エステル基もしくはハロゲ
ン原子が置換していてもよい炭素原子数1〜18の一価
の炭化水素基、水素原子又は炭素原子数1〜18のアシ
ル基を表し、R3 は、アルコキシル基、エステル基もし
くはハロゲン原子が置換していてもよい炭素原子数1〜
18の二価の炭化水素基又は直接結合を表し、R4 は、
アルコキシル基、エステル基もしくはハロゲン原子が置
換していてもよい炭素原子数1〜18の二価の炭化水素
基又は直接結合を表す。nは40〜610の整数であ
り、mは0〜610の整数、kは0〜610の整数であ
ってmとkとの和は40〜610の範囲である。) 上記式〔1〕及び式〔2〕におけるR1 で表される、水
酸基、アルコキシル基、エステル基もしくはハロゲン原
子が置換していてもよい炭素原子数1〜18の一価の炭
化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロ
アルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、
アラルキル基等の脂肪族、脂環族又は芳香族炭化水素基
を例示できる。これらのうち、アルキル基及びアルケニ
ル基が好ましく、これらの基は直鎖状及び分岐鎖状のい
ずれであってもよく、特に炭素原子数1〜8のものが望
ましく、例えばメチル、エチル、n−もしくは iso−プ
ロピル、n−、 iso−、 sec−もしくはt−ブチル、ペ
ンチル、ヘキシル、オクチル、ビニル、2−メチルビニ
ル基等が挙げられる。水酸基置換炭化水素基の好ましい
例としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒ
ドロキシブチル、ヒドロキシオクチル基等のヒドロキシ
アルキル基等が挙げられる。アルコキシル基置換炭化水
素基の好ましい例としては、メトキシメチル、エトキシ
メチル、エトキシエチル、n−プロポキシエチル、n−
ブトキシメチル、 iso−ブトキシエチル基等のアルコキ
シアルキル基等が挙げられる。エステル基置換炭化水素
基の好ましい例としては、メトキシカルボニルメチル、
プロポキシカルボニルエチル、エトキシカルボニルプロ
ピル、メトキシカルボニルブチル等のアルコキシカルボ
ニルアルキル基;メトキシカルボニルエチレニル、エト
キシカルボニルエチレニル基等が挙げられる。ハロゲン
原子置換炭化水素基の好ましい例としては、クロロメチ
ル、ブロモメチル、ヨードメチル、ジクロロメチル、ト
リクロロメチル、クロロエチル、クロロブチル基等が挙
げられる。
【0029】上記式〔1〕及び式〔3〕において、R2
で表される、水酸基、アルコキシル基、エステル基もし
くはハロゲン原子が置換していてもよい炭素原子数1〜
18の一価の炭化水素基としては、上記R1 として例示
した一価の炭化水素基を挙げることができる。R2 で表
される炭素原子数1〜18のアシル基としては、ホルミ
ル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル、ア
クリロイル、メタクリロイル、ベンゾイル、トルオイ
ル、サリチロイル、シンナモイル、ナフトイル基等を例
示することができる。
【0030】上記式〔2〕において、R3 で表される、
水酸基、アルコキシル基、エステル基もしくはハロゲン
原子が置換していてもよい炭素原子数1〜18の二価の
炭化水素基としては、アルキレン基、アルケニレン基、
シクロアルキレン基、シクロアルキルアルキレン基、ア
リーレン基、アラルキレン基等の脂肪族、脂環族又は芳
香族の二価の炭化水素基を例示できる。これらのうち、
アルキレン基及びアルケニレン基が好ましく、これらの
基は直鎖状及び分岐鎖状のいずれであってもよく、特に
炭素原子数1〜8のものが望ましく、例えばメチレン、
エチレン、n−もしくは iso−プロピレン、n−、 iso
−もしくはt−ブチレン、ヘキシレン、オクチレン、ビ
ニレン、2−メチルビニレン基等が挙げられる。
【0031】上記式〔3〕において、R4 で表される、
水酸基、アルコキシル基、エステル基もしくはハロゲン
原子が置換していてもよい炭素原子数1〜18の二価の
炭化水素基としては、上記R3 として例示した二価の炭
化水素基が挙げられる。
【0032】上記式〔1〕で表されるポリマーは、アル
コールを開始剤としてε−カプロラクトンを開環重合し
た後、開環重合物の末端の水酸基をカルボン酸化合物で
エステル化もしくはアルコール化合物でエーテル化する
ことによって、又はカルボン酸を開始剤としてε−カプ
ロラクトンを開環重合した後、開環重合物の末端のカル
ボキシル基をアルコール化合物でエステル化することに
よって得ることができる。また上記式〔1〕で表される
ポリマーは、アルコール又はカルボン酸を開始剤とし
て、ε−カプロラクトンを開環重合してなる開環重合物
そのものであることができる。
【0033】上記開始剤として使用されるアルコールの
具体例としては、メタノール、エタノール、ブタノー
ル、オクチルアルコール、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル、2−ヒドロ
キシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート等の一価アルコール;エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール、グリセリン、ジグリセリン、ト
リメチロールプロパン、ソルビトール等の多価アルコー
ルを挙げることができる。また上記開始剤として使用さ
れるカルボン酸の具体例としては、蟻酸、酢酸、プロピ
オン酸、酪酸、バレリン酸、安息香酸、トルイル酸、桂
皮酸、アクリル酸、メタクリル酸等の一塩基性カルボン
酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、スベ
リン酸、アゼライン酸、セバチン酸、イタコン酸、フタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタ
ル酸、ヘキサヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメ
リット酸等の多塩基性カルボン酸を挙げることができ
る。
【0034】上記式〔2〕で表されるポリマーは、二塩
基性カルボン酸を開始剤としてε−カプロラクトンを開
環重合した後、開環重合物の両末端のカルボキシル基を
アルコール化合物でエステル化することによって得るこ
とができる。また上記開環重合物そのものも式〔2〕で
表されるポリマーであることができる。
【0035】上記開始剤として使用される二塩基性カル
ボン酸の具体例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク
酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン
酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等を
挙げることができる。
【0036】上記式〔3〕で表されるポリマーは、二価
アルコールを開始剤としてε−カプロラクトンを開環重
合した後、開環重合物の末端の水酸基をカルボン酸化合
物でエステル化もしくはアルコール化合物でエーテル化
することによって得ることができる。また上記開環重合
物そのものも式〔3〕で表されるポリマーであることが
できる。
【0037】上記開始剤として使用される二価アルコー
ルの具体例としては、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリ
コール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等を挙げ
ることができる。
【0038】ε−カプロラクトンの開環重合反応は、常
法にしたがって行うことができ、また開環重合物のエス
テル化、エーテル化も常法により行うことができる。
【0039】本発明において、ポリカプロラクトンポリ
マー(B)は、前記式〔1〕、〔2〕又は〔3〕で表さ
れるポリマーに限定されるものではなく、主鎖が主とし
てポリカプロラクトン鎖からなる数平均分子量5,00
0〜70,000のポリマーであればポリマー(B)に
包含される。
【0040】ポリマー(B)において、数平均分子量が
5,000未満であると、フィルムラミネート時にフィ
ルムに皺が生じ仕上り外観が低下しやすくなるとともに
レトルト処理後の付着性が低下しやすくなる。一方、数
平均分子量が70,000を超えると、接着剤の粘度が
高くなり塗装作業性が低下するとともに、接着剤を構成
する他の樹脂との相溶性が低下し、PETラミネート金
属板に濁りが生じ、透明感が低下する。
【0041】ポリエステル系オリゴマー(C) ポリエステル系オリゴマー(C)は、数平均分子量30
0〜5,000、好ましくは400〜2,000のポリ
エステル系オリゴマーであり、これらは0.3〜12当
量/kg 分子、好ましくは1.0〜8.0当量/kg 分子の
重合性不飽和二重結合を有するものである。
【0042】ポリエステル系オリゴマーの具体例として
は、2価以上のアルコール化合物又は数平均分子量5,
000以下、好ましくは900〜2,000の水酸基含
有低分子量ポリエステルに、(メタ)アクリル酸等の重
合性不飽和カルボン酸を公知の方法によりエステル結合
させたものを挙げることができる。
【0043】上記重合性不飽和カルボン酸とエステル化
してポリエステル系オリゴマー(C)となりうる2価以
上のアルコール化合物の具体例としては、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジ
グリセリン、トリグリセリン、テトラエチレングリコー
ル、ペンタ以上のポリエチレングリコール、トリプロピ
レングリコール、テトラ以上のポリプロピレングリコー
ル等を挙げることができる。
【0044】前記水酸基含有低分子量ポリエステルは、
従来から公知の多塩基酸と多価アルコールとの縮合物で
あり、水酸基がカルボキシル基に対して過剰となる条件
で反応させて得られる。
【0045】上記多塩基酸としては、アジピン酸、スベ
リン酸、アゼライン酸、セバチン酸、デカン−1,10
−ジカルボン酸等の脂肪族二塩基酸;ヘキサヒドロフタ
ル酸、ヘキサヒドロトリメリット酸、テトラヒドロフタ
ル酸等の脂環族多塩基酸及びその無水物;フタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリ
ット酸等の芳香族多塩基酸及びその無水物;その他マレ
イン酸、フマール酸、イタコン酸等;を挙げることがで
きる。
【0046】上記多価アルコールとしては、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、1,2−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジ
オール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペ
ンチルグリコール、ポリラクトンジオール等を挙げるこ
とができる。ポリエステルの製造は、前記の酸成分とア
ルコール成分とを反応容器中で200〜250℃の温度
で縮合重合させることによって行うことができる。
【0047】ポリエステル系オリゴマー(C)は数平均
分子量が300以下であると加熱ラミネート前の接着剤
層がタックフリーの状態になり難い。他方、5,000
以上であると電子線による硬化性が低下する。
【0048】ポリエステルオリゴマー(C)において、
重合性不飽和二重結合の割合が0.3当量/kg 分子未満
であると、電子線による硬化性が低下し、耐レトルト性
等が低下する。
【0049】本発明接着剤は、上記(A)、(B)及び
(C)成分を必須成分とするものであり、(B)及び
(C)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対し
て以下の範囲内であることが必要である。
【0050】(B)成分:5〜50重量部、好ましくは
10〜40重量部、 (C)成分:2〜50重量部、好ましくは 5〜30重
量部。
【0051】上記(B)成分の配合量が5重量部未満で
は、接着剤の硬化の際に収縮が大きくなり仕上り外観が
低下し、一方、50重量部を超えると、接着剤の粘度が
高くなり塗装作業性が低下するとともに、レトルト処理
後の付着性が低下する。
【0052】上記(C)成分の配合量が、2重量部未満
では電子線照射による硬化性が低下し、耐レトルト性等
が低下する。一方、50重量部を超えると、加熱ラミネ
ート前の接着剤層がタックフリーになり難く、また電子
線照射後のPETラミネート金属板の熱処理による熱安
定性が劣る。
【0053】本発明の電子線硬化型接着剤は、上記
(A)、(B)及び(C)成分以外に必要に応じ、応力
緩和剤、着色顔料、架橋剤、有機溶剤、改質樹脂、消泡
剤等を適宜配合することができる。
【0054】上記応力緩和剤としては、シリカ(SiO
2 ・nH2 O)、ベントナイト(Al23 ・5SiO
2 ・2H2 O)、クレー(Al23 ・2SiO2 ・2
2O)、タルク(3MgO・4SiO2 ・2H2
O)、硫酸バリウム(BaSO4)、炭酸カルシウム(C
aCO3)等を挙げることができる。
【0055】上記応力緩和剤の中でも粒子の大きさが
0.01〜0.002ミクロンと極めて小さいシリカが
応力緩和の作用が大きく好適なものである。応力緩和剤
の配合量は、前記(A)、(B)及び(C)成分の合計
100重量部に対し、100重量部以下の範囲が適当で
ある。
【0056】前記着色顔料としては、酸化チタン等の白
色顔料、その他有彩色顔料を挙げることができる。本発
明のPETラミネート金属板が缶外面に使用される場合
には、通常、多色印刷が施され、印刷インキ層の下に着
色層(通常、ホワイトコート)が必要であるが、着色顔
料を配合した接着剤を使用すれば、缶の製造工程を一工
程省略することができ非常に有利である。
【0057】前記架橋剤は、接着剤の架橋を進行させる
ために配合されるものであり、例えば、メラミン−ホル
ムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、(ブ
ロック)ポリイソシアネート化合物等を挙げることがで
き、これらは、熱ラミネート時の熱によって架橋を行う
ことができる。架橋剤の反応を促進するために、硬化触
媒、例えば、酸触媒、有機酸錫触媒等を配合することが
できる。
【0058】前記有機溶剤は、接着剤の塗装作業性を良
くする等の目的で配合され、有機溶剤としては接着剤成
分を溶解ないしは分散できるもの、例えばメチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブ
チル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、トルエン、キシレン等を挙げることができる。
【0059】前記改質樹脂は、付着性、加工性、粘着
性、耐レトルト性の改良等のために必要に応じて配合さ
れるものであり、例えば、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル
樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニ
リデン樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができ、これ
らは、前記(A)、(B)及び(C)成分の合計量10
0重量部に対して、30重量部以下の割合で配合するこ
とができる。
【0060】本発明PETラミネート金属板において、
電子線硬化型接着剤を介して金属素材と貼り合わせるP
ETフィルムは、エステル反復単位の75〜100%が
エチレンテレフタレート単位からなるもので、エチレン
テレフタレート単位以外のエステル単位としては、フタ
ル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸等のエステ
ル単位を挙げることができる。PETフィルムは、接着
剤との付着性を向上させるために、表面をコロナ放電処
理等の表面処理が通常行われている。また、本発明にお
いて、前記したPETフィルム以外にポリエチレンフィ
ルム、ポリプロピレンフィルム等も使用することができ
る。
【0061】使用する金属板としては、熱延鋼板、冷延
鋼板、溶融亜鉛及び亜鉛合金メッキ鋼板、電気亜鉛及び
亜鉛合金メッキ鋼板、ブリキ、テインフリースチール、
クロムメッキ鋼板、アルミメッキ鋼板、ターンメッキ鋼
板、ニッケルメッキ鋼板その他の各種合金メッキ鋼板、
ステンレススチール、アルミニウム板、銅板、チタン板
その他の金属板及びそれらに必要に応じて、化成処理、
例えば、リン酸塩処理、クロメート処理、有機クロメー
ト処理、コバルト複合酸化膜処理、ニッケル置換メッキ
その他の処理を行ったものを用いることができる。
【0062】次にPETラミネート金属板の製造方法に
ついて説明する。まず、厚さ5〜30μm のPETフィ
ルムに前記接着剤をロールコーター方式、グラビア方
式、グラビアオフセット方式、スプレー塗装等通常の塗
装手段を用いて乾燥膜厚1〜5μm に塗装し、必要に応
じてタックフリーの状態になるまで50℃〜150℃の
温度で数秒間乾燥させる。ついで、金属素材を接着剤層
に貼り合わせ、PETフィルムの熱軟化温度以下の温度
(約230℃以下)で2秒以下加熱ラミネートする。
【0063】かくして得られたラミネート金属板にPE
Tフィルムを通して電子線が照射されるが、電子線照射
に使用する電子線発生源の加速器としては、コッククロ
フト型、コッククロフトワルトン型、バン・デ・グラー
フ型、共振変圧器型、変圧器型、絶縁コア変圧器型、ダ
イナミトロン型、リニア−フィラメント型、エリアビー
ム型、高周波型等がある。本発明による電子線硬化型接
着剤を硬化・乾燥させるのに要する電子線エネルギーは
100KeV 〜300KeV 、好ましくは150KeV 〜30
0KeV の範囲が適当である。照射線量は0.2Mrad〜1
5Mradが適し、特に1Mrad〜5Mradが好ましい。照射線
量が0.2Mradより少ない場合には接着剤の硬化が完全
ではなく十分な接着層の性能が得られない。また、照射
線量が15Mradを超えるとPETフィルムの機械的強度
の低下をもたらすおそれがある。電子線の照射時間は約
1秒以下であり、加熱硬化の場合の約1/50である。
【0064】かくして得られるPETラミネート金属板
は、飲料罐、食罐、雑罐、5ガロン罐等の罐用途に適す
る。さらに、魔法ビン、冷蔵庫外面等にも適用できる。
【0065】
【実施例】本発明を実施例によりさらに具体的に説明す
る。
【0066】以下、「部」及び「%」は、いずれも重量
基準によるものとする。
【0067】カルボキシル基含有フェノキシ樹脂の製造 製造例1 フラスコ中に、メチルエチルケトン594部、東都化成
(株)製のフェノキシ樹脂「フェノトートZX−135
6−7」(フェノール成分としてビスフェノールAとビ
スフェノールFとの混合物を使用したフェノキシ樹脂、
固形分98.5%、重量平均分子量約60,000)を
406部配合し、加熱溶解した後、系中の水分を除去す
るため共沸により脱水及び一部脱溶剤を行った。ついで
フラスコ中に無水コハク酸3.6部を配合し、85℃で
3時間反応させた後、メチルエチルケトンを添加して、
固形分50%のカルボキシル基含有フェノキシ樹脂溶液
A−1を得た。得られた樹脂(固形分)の酸価は6.
2、重量平均分子量約60,000であった。
【0068】製造例2 フラスコ中に、メチルエチルケトン594部、米国、ユ
ニオンカーバイド社製の固形のフェノキシ樹脂「PKH
H」(フェノール成分としてビスフェノールAを使用し
たフェノキシ樹脂、重量平均分子量約60,000)を
400部配合し、加熱溶解した後、系中の水分を除去す
るため共沸により脱水及び一部脱溶剤を行った。ついで
フラスコ中に無水マレイン酸10.8部を配合し、85
℃で3時間反応させた後、メチルエチルケトンを添加し
て、固形分50%のカルボキシル基含有フェノキシ樹脂
溶液A−2を得た。得られた樹脂(固形分)の酸価は1
8、重量平均分子量約60,000であった。
【0069】製造例3 フラスコ中に、シクロヘキサノン198部、フェノキシ
樹脂溶液(フェノール成分としてビスフェノールFを使
用したフェノキシ樹脂の固形分50%のメチルエチルケ
トン溶液、フェノキシ樹脂の重量平均分子量約80,0
00、エポキシ当量24,000)を800部配合し、
加熱溶解した後、系中の水分を除去するため共沸により
脱水及び一部脱溶剤を行った。ついでフラスコ中に無水
トリメリット酸6.8部を配合し、110℃で1時間反
応させた後、メチルエチルケトンを添加して、固形分5
0%のカルボキシル基含有フェノキシ樹脂溶液A−3を
得た。得られた樹脂(固形分)の酸価は12、重量平均
分子量約80,000であった。
【0070】製造例4 フラスコ中に、メチルエチルケトン594部、東都化成
(株)製のフェノキシ樹脂「フェノトートZX−139
5」(フェノール成分としてビスフェノールFを使用し
た固形のフェノキシ樹脂、重量平均分子量約40,00
0)を400部配合し、加熱溶解した後、系中の水分を
除去するため共沸により脱水及び一部脱溶剤を行った。
ついでフラスコ中に無水コハク酸17部を配合し、85
℃で3時間反応させた後、メチルエチルケトンを添加し
て、固形分50%のカルボキシル基含有フェノキシ樹脂
溶液A−4を得た。得られた樹脂(固形分)の酸価は3
0、重量平均分子量約40,000であった。
【0071】ポリエステル系オリゴマーの製造 製造例5 トリメチロールプロパン1.0モル、トリエチレングリ
コール2.0モル、1,6−ヘキサンジオール1.0モ
ル、アジピン酸3.0モル及びジブチル錫酸化物を触媒
量配合して、従来から公知の製造方法で数平均分子量約
850、水酸基価200のポリエステルを製造した。次
いで、得られたポリエステルの水酸基1.0当量に対
し、アクリル酸1.25当量の割合になるようにポリエ
ステルとアクリル酸を配合し、重合禁止剤(ハイドロキ
ノン)100ppm を加えて80〜100℃で反応させ、
約85重量%転化率で反応がやんだとき、溶剤と未反応
のアクリル酸を蒸留によって除去して、約3.0当量/k
g 分子の重合性二重結合を有する、数平均分子量約1,
000のポリエステル系オリゴマーC−1を得た。
【0072】実施例1 製造例1で得た固形分50%のカルボキシル基含有フェ
ノキシ樹脂溶液A−1を200部、メチルエチルケトン
175部、トルエン175部、イソブタノール19部、
「プラクセルH1−P」(ダイセル化学工業社製、固形
のポリカプロラクトンポリマー、数平均分子量約10,
000、前記式〔3〕で表されるポリマーであって、ポ
リマーの両末端に水酸基を有する)30部及び「アロニ
クスM9050」(東亜合成(株)製、ポリエステルオ
リゴマー、数平均分子量516、重合性不飽和二重結合
7.6当量/kg 分子、固形分100%)10部を配合
し、均一に混合して固形分約23%の電子線硬化型接着
剤を得た。
【0073】実施例2〜7及び比較例1〜5 実施例1において、後記表1に示す配合組成(固形分表
示)とし、配合するトルエンの量を調整する以外は実施
例1と同様に行うことにより固形分約23%の電子線硬
化型接着剤を得た。
【0074】表1において、各成分の配合量は、固形分
重量による表示とする。リン酸水溶液については水を除
くリン酸の量(有効成分量)で表示する。
【0075】表1における(注)は、それぞれ下記の意
味を有する。
【0076】(注1)プラクセルH−4:商品名、ダイ
セル化学工業社製、固形のポリカプロラクトンポリマ
ー、数平均分子量約40,000、前記式〔3〕で表さ
れるポリマーであって、ポリマーの両末端に水酸基を有
する。
【0077】(注2)プラクセルL230AL:商品
名、ダイセル化学工業社製、ポリカプロラクトンポリマ
ー、数平均分子量約3,000、前記式〔3〕で表され
るポリマーであって、ポリマーの両末端に水酸基を有す
る、固形分100%。
【0078】(注3)アロニクスM117:商品名、東
亜合成(株)製、ノニルフェノール(ポリプロピレンオ
キシド変性)アクリレート、数平均分子量419、重合
性不飽和二重結合2.4当量/kg 分子、固形分100
%。
【0079】(注4)エポトートYDCN−704:商
品名、東都化成(株)製、固形のo−クレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂。
【0080】(注5)サイメル370:商品名、三井サ
イテック(株)製、メチルエーテル化メラミン樹脂、固
形分70%。
【0081】(注6)バリファイン:商品名、堺化学
(株)製、微粒子状硫酸バリウム。
【0082】PETラミネート金属板の製造 実施例8 東洋紡社製エステルフィルムE5100、(12μ膜厚
PETフィルム)〔片面をコロナ放電処理〕のコロナ放
電処理処理面に前記実施例1で得た電子線硬化型接着剤
をグラビア塗装にて3μm 塗布した。ついで100℃×
10秒間乾燥炉を通過させ、溶剤分を蒸発させ、タック
フリーの状態にした。この塗布PETフィルムと板厚
0.19mmのブリキ板キャンライト(新日鉄社製)をロ
ール加圧力5.0kg/cm2、ロール温度180℃の条件
で、熱ラミネートを行った。次に、該貼り合わせ金属板
のPETフィルムを通して、電子線加速器を用いて加速
電圧250KeV 、電子線電流40mAで4Mrad照射し、接
着剤層を硬化せしめてPETラミネート金属板を得た。
【0083】実施例9〜14及び比較例6〜10 実施例8において、金属板種、接着剤種、接着剤膜厚
(乾燥膜厚)、ラミネート条件、電子線照射条件を後記
表2に示すとおりとする以外は実施例8と同様に行いP
ETラミネート金属板を得た。
【0084】実施例15 実施例8において、実施例8で用いたPETフィルムの
片面に多色印刷を施し、その上に実施例1で得た接着剤
のかわりに実施例7で得た接着剤を使用する以外は実施
例8と同様に行ってPETラミネート金属板を得た。
【0085】後記表2における(注7)は下記の意味を
有する。
【0086】(注7)アルミ:板圧0.30mmの化成処
理された5052アルミニウム板(神戸製鋼社製)。
【0087】試験方法 上記実施例8〜15及び比較例6〜10で得たPETラ
ミネート金属板を用いて溶接罐を作成し、次いで1段、
2段、3段、4段までネッキング加工を施し、さらにビ
ード加工して蓋を巻き締めた。かくして得られた罐の罐
胴内外面及び蓋の内外面全てに上記PETラミネート金
属板を適用した。上記で得られたPETラミネート金属
板及び罐の各種性能試験を行いその結果を後記表2に示
す。これらの試験方法は下記のとおりである。
【0088】(1)密着性(180度剥離強度):幅1
5mmに切断したPETラミネート金属板のPETフィル
ムを金属板から引張速度200 mm/分で180度剥離す
る際の、剥離強度(g/15mm)を測定した。
【0089】(2)加工性(デュポン衝撃試験):1/
2インチ、500g荷重、50cm高さの条件で、PET
フィルム面を裏打ちし、金属板とPETフィルム間で、
剥離が起こっていないか観察した。剥離のないものを〇
(良好)と表示する。
【0090】(3)耐レトルト性:飲料罐用200径底
蓋加工したPETラミネート金属板を、オートクレーブ
圧力1.4気圧、125℃×30分間、水道水の蒸気中
に暴露した後の白化状態及び付着性を評価した。また、
PETラミネート金属板を用いて製罐した200径溶接
罐に、水を充填密封した罐をオートクレーブ圧力1.4
気圧、125℃×30分間、水道水の蒸気中に暴露した
後、罐外面の溶接部位の見切線の状態及び一般面及び3
段ネック加工部の外観を目視観察した。異常の認められ
ない場合、〇(良好)と表示する。
【0091】(4)熱安定性 ラミネート板を5cm×5cmの寸法に切断し、200℃×
2分間熱処理し、PETフィルムの熱収縮の程度を観察
した。収縮がないか、わずかで実質上問題のない場合、
○(良好)と表示する。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】
【発明の効果】本発明によって得られるPETラミネー
ト金属板は、表面仕上り性が良好で、PETフィルムと
金属板との間の接着性に優れ、また食品缶用に使用した
場合の耐レトルト性に優れ、特に3段ネック加工等の厳
しい加工を行った加工部においても耐レトルト性に優れ
ている。
【0095】本発明電子線硬化型接着剤を使用して、P
ETフィルムと金属板とを、高速かつ低温でラミネート
を行うことができ、しかも電子線により硬化可能である
ため接着剤の硬化時間を大幅に短縮することができ、そ
の結果、工場スペースを大幅に節約できるというメリッ
トがある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)フェノキシ樹脂と多塩基性カルボ
    ン酸無水物とのエステル化物である、酸価1〜100を
    有する重量平均分子量30,000〜150,000の
    カルボキシル基含有フェノキシ樹脂 100重量部に対
    し、(B)数平均分子量5,000〜70,000のポ
    リカプロラクトンポリマー5〜50重量部及び(C)
    0.3〜12当量/kg 分子の重合性不飽和二重結合を有
    し、数平均分子量300〜5,000のポリエステル系
    オリゴマー 2〜50重量部、を含有することを特徴と
    する電子線硬化型接着剤。
  2. 【請求項2】 カルボキシル基含有フェノキシ樹脂
    (A)の製造に用いられるフェノキシ樹脂の重量平均分
    子量が、30,000〜150,000の範囲である請
    求項1記載の電子線硬化型接着剤。
  3. 【請求項3】 カルボキシル基含有フェノキシ樹脂
    (A)の製造に用いられる多塩基性カルボン酸が、二塩
    基性又は三塩基性カルボン酸の酸無水物である請求項1
    又は2記載の電子線硬化型接着剤。
  4. 【請求項4】 金属板の片面又は両面に、(A)フェノ
    キシ樹脂と多塩基性カルボン酸無水物とのエステル化物
    である、酸価1〜100を有する重量平均分子量30,
    000〜150,000のカルボキシル基含有フェノキ
    シ樹脂100重量部に対し、(B)数平均分子量5,0
    00〜70,000のポリカプロラクトンポリマー5〜
    50重量部及び(C)0.3〜12当量/kg 分子の重合
    性不飽和二重結合を有し、数平均分子量300〜5,0
    00のポリエステル系オリゴマー2〜50重量部、を含
    有する電子線硬化型接着剤を介して、ポリエステルフィ
    ルムを貼り合わせ、ポリエステルフィルムを通して電子
    線を照射して該接着剤を硬化させてなるポリエステルフ
    ィルム貼り合わせ金属板。
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