JPH09235309A - 重合性基を有しない紫外線吸収性ポリマーを含む眼用レンズ材料及びその製造方法 - Google Patents

重合性基を有しない紫外線吸収性ポリマーを含む眼用レンズ材料及びその製造方法

Info

Publication number
JPH09235309A
JPH09235309A JP4299196A JP4299196A JPH09235309A JP H09235309 A JPH09235309 A JP H09235309A JP 4299196 A JP4299196 A JP 4299196A JP 4299196 A JP4299196 A JP 4299196A JP H09235309 A JPH09235309 A JP H09235309A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
absorbing polymer
polymer
ultraviolet absorbing
lens material
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4299196A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3672370B2 (ja
Inventor
Misako Nishibayashi
美佐子 西林
Yasuto Hishida
康人 菱田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Menicon Co Ltd
Original Assignee
Menicon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Menicon Co Ltd filed Critical Menicon Co Ltd
Priority to JP04299196A priority Critical patent/JP3672370B2/ja
Publication of JPH09235309A publication Critical patent/JPH09235309A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3672370B2 publication Critical patent/JP3672370B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた透明性を有すると共に、紫外線吸収性
に優れている、均一組成の眼用レンズ材料及びそれを有
利に製造する方法を提供する。 【解決手段】 下記化1: 【化1】 で表わされるトリアゾール化合物と、アクリル酸または
メタクリル酸の、炭素数が1〜3であるアルキルエステ
ル若しくはヒドロキシアルキルエステル、アクリルアミ
ド類及びN−ビニルラクタム類からなる群より選択され
る少なくとも1種のA群モノマーとを共重合せしめて得
られた、数平均分子量が5000〜10万で、且つ重合
性基を有していない紫外線吸収性ポリマーを用い、その
存在下において、前記A群モノマーの少なくとも1種を
含有せしめた重合性成分を重合することにより、該紫外
線吸収性ポリマ−を含むポリマーブレンド体からなる眼
用レンズ材料を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、眼用レンズ材料及びその製造方
法に係り、特に優れた透明性を有すると共に、煮沸処理
等を行なっても、紫外線吸収性成分が溶出して、紫外線
吸収作用が低減することのない、重合性基を有しない紫
外線吸収性ポリマーを含有するレンズ材料に関し、また
そのような優れた特性を有する眼用レンズ材料を有利に
製造する方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、白内障等の手術により水晶体を
取り除いた後、視力を回復させるために、通常、視力矯
正用の眼内レンズやコンタクトレンズ等の眼用レンズが
用いられてきているが、それら通常の眼用レンズでは、
眼の水晶体が本来持っている性質、即ち紫外線を殆ど透
過させないという性質が充分に付与されておらず、その
ために、本来、水晶体にて吸収されるべき紫外線等が網
膜に到達し、網膜を損傷するのではないかという危惧が
生じていた。
【0003】そこで、最近では、特開昭60−3841
1号公報、特開昭63−185969号公報、特開平1
−299560号公報、特開平2−63463号公報等
において、紫外線を吸収し得るモノマーを共重合せしめ
てなる眼用レンズ材料が種々提案され、検討されている
が、それらの眼用レンズ材料は、何れも、それに含有せ
しめられている紫外線吸収性の成分が分解され易く、不
安定なものであるところから、変質や溶出等の問題が生
じ易く、特に医療用として使用するには、好ましいもの
ではなかったのである。
【0004】また、このような問題点の解消を図り得る
眼用レンズとして、本願出願人は、先に、特開平4−1
90318号公報において、ベンゾトリアゾール系紫外
線吸収性モノマーを結合含有するビニル系共重合体から
なる紫外線吸収性眼用レンズを明らかにしたが、更なる
検討の結果、かかるレンズにしても、コンタクトレンズ
の消毒に通常に採用される煮沸操作において、その煮沸
の後に、レンズの紫外線吸収力が低下しており、紫外線
吸収性成分の溶出の抑制は不充分であることが明らかと
なった。
【0005】さらに、特開平7−90184号公報に
は、眼用レンズ材料としても用いられ得る、ベンゾトリ
アゾール系の紫外線吸収性モノマーを結合含有する紫外
線吸収性重合体を所定の合成樹脂に配合せしめてなる耐
薬品性樹脂組成物が、開示されている。しかしながら、
そこに示される組成物にあっても、用いられる紫外線吸
収性モノマー自体の合成上の問題に加えて、それが、合
成樹脂と紫外線吸収性重合体とを単に混合して、換言す
れば別個に準備された二つのポリマーを混合して得られ
るものであるところから、前記合成樹脂に対する紫外線
吸収性重合体の配合が均一に行なわれ難く、従って均一
組成を実現することが困難であって、透明性に欠ける
他、所期の紫外線吸収作用が発揮され難いという問題を
有していたのである。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景として為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、眼用レンズ材料を構成する他の含有成分との相
溶性が優れていると共に、得られた眼用レンズ材料から
溶出し難い、重合性基を有しない紫外線吸収性ポリマー
を用いることにより、特に医療用としても好適な紫外線
吸収性や透明性に優れた有用な眼用レンズ材料を提供す
ることにあり、またそのような優れた特性を有する眼用
レンズ材料を有利に製造する方法を提供することにもあ
る。
【0007】
【解決手段】そして、本発明は、そのような課題を解決
すべく、下記化2:
【化2】 で表わされるトリアゾール化合物と、アクリル酸または
メタクリル酸の、炭素数が1〜3であるアルキルエステ
ル若しくはヒドロキシアルキルエステル、アクリルアミ
ド類及びN−ビニルラクタム類からなる群より選択され
る少なくとも1種のモノマーとを共重合せしめて得られ
た、数平均分子量が5000〜10万で、且つ重合性基
を有していない紫外線吸収性ポリマーを用い、それを、
アクリル酸またはメタクリル酸の、炭素数が1〜3であ
るアルキルエステル若しくはヒドロキシアルキルエステ
ル、アクリルアミド類及びN−ビニルラクタム類からな
る群より選択される少なくとも1種のモノマーを含有せ
しめた重合性成分に混合してなる混合物を、重合するこ
とにより得られるポリマーブレンド体からなることを特
徴とする重合性基を有しない紫外線吸収性ポリマ−を含
む眼用レンズ材料を、その要旨とするものである。
【0008】すなわち、かかる本発明に従う重合性基を
有しない紫外線吸収性ポリマ−を含む眼用レンズ材料に
あっては、紫外線吸収性成分として含有せしめられてい
る、重合性基を有しない紫外線吸収性ポリマー(以下、
紫外線吸収性ポリマーという)が、前記化2で表わされ
るトリアゾール化合物と、アクリル酸またはメタクリル
酸の、炭素数が1〜3であるアルキルエステル若しくは
ヒドロキシアルキルエステル、アクリルアミド類及びN
−ビニルラクタム類からなる群より選択される少なくと
も1種のモノマー(以下、A群モノマーと略称する)と
を共重合せしめて得られたものであり、また、眼用レン
ズ材料を構成する重合体を与える重合性成分が、該紫外
線吸収性ポリマーと同様な、A群モノマーの少なくとも
1種を含有するものであるところから、該重合性成分、
更にはそれを重合して得られる重合体に対する、前記紫
外線吸収性ポリマーの相溶性が著しく向上せしめられ得
ることとなり、しかも、そのような紫外線吸収性ポリマ
ーの存在下における該重合性成分の重合であることによ
り、前記紫外線吸収性ポリマーは、その数平均分子量が
5000〜10万である比較的大きな分子であっても、
前記重合性成分の重合によって生じる重合体とよく混じ
り合って、均一に分布せしめられ得るのである。そし
て、そのように、前記紫外線吸収性ポリマーと前記重合
性成分の重合体とが均一に混ざり合って、均一組成とな
ることにより、本発明に従う紫外線吸収性ポリマーを含
む眼用レンズ材料は、透明性の優れたものとなるのであ
る。
【0009】また、前記紫外線吸収性ポリマーは、前記
重合性成分を重合して得られる重合体に対する相溶性が
向上せしめられているところから、それら紫外線吸収性
ポリマーと該重合性成分の重合体との間の相互作用(相
互保持力)が大きくなって、それにより、得られる眼用
レンズ材料からの紫外線吸収性ポリマーの溶出が惹起さ
れ難くなる特徴が発揮される。更に、それに加えて、本
発明において用いられる紫外線吸収性ポリマーは、前記
重合性成分に対する溶解性が向上せしめられていること
によって、より大きな分子量の紫外線吸収性ポリマーを
配合することが可能となるのである。そして、そのよう
な大きな分子量の紫外線吸収性ポリマーを採用する場合
には、紫外線吸収性ポリマーの眼用レンズ材料からの溶
出が、より一層防止され得ることとなる。
【0010】さらに、前記紫外線吸収性ポリマーを構成
しているトリアゾール化合物は、前記化2にて示されて
いるように、その部分構造において、アクリロイル基
(又はメタクリロイル基)が、炭素数2若しくは3のオ
キシアルコキシ構造、より具体的にはオキシエトキシ構
造やオキシプロポキシ構造を介して、フェニル基に結合
せる構造を有しており、これによっても、このトリアゾ
ール化合物を結合含有せしめた紫外線吸収性ポリマーと
前記重合性成分の重合体との相溶性が有利に維持せしめ
られるという点で優れている。また、そのようなエーテ
ル結合構造を有するトリアゾール化合物は、合成しやす
いという利点も有している。
【0011】なお、本発明にあっては、紫外線吸収性成
分が、モノマーの形態ではなく、ポリマーの形態で添加
され、そして該ポリマーの存在下に、眼用レンズ材料を
構成する重合性成分の重合を行なうことを特徴とするも
のであり、これによって、そのようなモノマー形態の紫
外線吸収性成分を直接に重合性成分に共重合せしめる場
合よりも、得られる眼用レンズ材料からの紫外線吸収性
成分の溶出が効果的に抑制され得ることが認められてい
る。その理由は未だ充分に解明されていないが、紫外線
吸収性モノマーと眼用レンズ材料を構成する重合性成分
とを共重合せしめて得られる眼用レンズ材料にあって
は、紫外線吸収性モノマー成分が、眼用レンズ材料の網
目状分子構造の一部を構成しているところから、煮沸処
理等によって、該網目状分子構造が紫外線吸収性モノマ
ー成分の部分において切断されることにより、そのよう
な切断された紫外線吸収性モノマー成分を含む分子単位
は、眼用レンズ材料を構成する高分子の網目状分子構造
による捕捉も期待されずに、眼用レンズ材料から容易に
溶出するようになるのに対して、本発明に従う眼用レン
ズ材料にあっては、紫外線吸収性ポリマーが眼用レンズ
材料を構成している前記重合性成分の重合体の網目状分
子構造と互いに絡み合っていることにより、煮沸処理等
によって紫外線吸収性ポリマーが切断されても、該煮沸
処理等にても切断されることのない該重合性成分の重合
体の網目状分子構造に引っ掛かるようにして保持され、
その溶出が阻止されるものと考えられ、以て有効な紫外
線吸収特性を発揮するのではないかと推定されている。
【0012】また、本発明は、上述の如き紫外線吸収性
ポリマーを含む眼用レンズ材料を有利に得るために、
(a)前記化2で表わされるトリアゾール化合物の1モ
ルに対して、前記A群モノマーの少なくとも1種を、
0.25〜4モルの割合において混合する工程と、
(b)この得られた混合物を共重合して、数平均分子量
が5000〜10万で、且つ重合性基を有していない紫
外線吸収性ポリマーを得る工程と、(c)該紫外線吸収
性ポリマーの0.1〜20重量部と、前記A群モノマー
の少なくとも1種を含有せしめた重合性成分の80〜9
9.9重量部とを、全量が100重量部となるように混
合せしめる工程と、(d)この得られた紫外線吸収性ポ
リマーを含む混合物に含有される前記重合性成分を重合
して、ポリマーブレンド体を得る工程とからなることを
特徴とする重合性基を有しない紫外線吸収性ポリマーを
含む眼用レンズ材料の製造方法をも、その要旨とするも
のである。
【0013】そして、このような本発明に従う紫外線吸
収性ポリマーを含む眼用レンズ材料の製造方法にあって
は、先ず、紫外線吸収性成分たる所定のモノマーを重合
させてなる紫外線吸収性ポリマーを得て、次いで、この
得られた紫外線吸収性ポリマーを眼用レンズ材料を与え
る重合性成分に均一に混合せしめ、そして該紫外線吸収
性ポリマーの存在下において、かかる重合性成分を重合
せしめることによって、眼用レンズ材料を与えるポリマ
ーブレンド体とされるものであるところから、得られる
眼用レンズ材料には、前記紫外線吸収性ポリマーが前記
重合性成分の重合体中に均一に分布せしめられることと
なり、以て前述の如き優れた特性が発揮されるのであ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】ところで、上記の如き優れた特性
を有する、重合性基を有しない紫外線吸収性ポリマーを
含む眼用レンズ材料を製造するに際しては、先ず、紫外
線吸収性の成分であるトリアゾール化合物に対して、前
記A群モノマーたる、アクリル酸またはメタクリル酸
の、炭素数が1〜3であるアルキルエステル若しくはヒ
ドロキシアルキルエステル、アクリルアミド類及びN−
ビニルラクタム類からなる群より選択されるモノマーの
少なくとも1種を所定の割合において共重合せしめて、
該紫外線吸収性ポリマーが準備されることとなるが、そ
こで用いられる上記トリアゾール化合物は、得られる眼
用レンズ材料に紫外線吸収作用を付与するためのもので
あって、前記化2で表される化合物であるならば、如何
なるものも採用され得るものである。なお、そのような
トリアゾール化合物の具体例としては、前記化2におけ
るR1 、R2 が、それぞれメチル基であり、n=2であ
る、2−[2′−ヒドロキシ−5′−(β−メタクリロ
イルオキシエトキシ)−3′−t−ブチルフェニル]−
5−メチル−2H−ベンゾトリアゾールや、前記化2に
おけるR1 がエチル基、R2 がメチル基であり、n=2
である、2−[2′−ヒドロキシ−5′−(β−メタク
リロイルオキシエトキシ)−3′−t−ブチルフェニ
ル]−5−エチル−2H−ベンゾトリアゾール、或いは
前記化2におけるR1 がヘキシル基、R2 がメチル基で
あり、n=2である、2−[2′−ヒドロキシ−5′−
(β−メタクリロイルオキシエトキシ)−3′−t−ブ
チルフェニル]−5−ヘキシル−2H−ベンゾトリアゾ
ール等を挙げることが出来る。また、このようなトリア
ゾール化合物は、従来から公知の各種の手法によって、
容易に合成され得るものであり、例えば特開平4−19
0318号公報に記載されている方法等に従って製造さ
れ得るものである。
【0015】また、このトリアゾール化合物と共重合せ
しめられる、前記A群モノマーの具体例として、アクリ
ル酸またはメタクリル酸の、炭素数が1〜3であるアル
キルエステル若しくはヒドロキシアルキルエステルに関
しては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることが出
来、またアクリルアミド類に関しては、アクリルアミ
ド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアク
リルアミド等を挙げることが出来、更にN−ビニルラク
タム類に関しては、N−ビニルピロリドン、α−メチレ
ン−N−メチルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム
等を挙げることが出来る。なお、ここで言う「(メタ)
アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリ
レート」の二つの意味を表している。
【0016】なお、前記トリアゾール化合物の1モルに
対する、前記A群モノマーの共重合割合は、一般に、
0.25〜4モルとされる。けだし、この共重合割合が
0.25モルより少ない場合には、得られるポリマーと
重合性成分とを混合する際に、互いの相溶性が悪くな
り、また4モルよりも多くなると、トリアゾール化合物
が相対的に少なくなるところから、紫外線吸収作用が弱
くなり、好ましくないからである。
【0017】また、かかるトリアゾール化合物とA群モ
ノマーとの共重合は、従来から公知の手法に従って行な
われ得、具体的には塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合
法、乳化重合法等の方法が適宜に採用される。より詳細
には、例えば、溶液重合法の場合には、前記の如き割合
にて配合せしめられた前記トリアゾール化合物とA群モ
ノマーとを、それらモノマーや生成するポリマーを溶解
し得る適当な溶媒中において、重合開始剤の存在下で、
重合反応を行なうことにより、共重合させるのである。
この重合反応において用いられる溶媒としては、従来か
ら公知の、例えば酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル
類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類、アセトン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン等
のケトン類、テトラヒドロフラン等のエーテル類等を挙
げることが出来る。
【0018】さらに、重合反応を開始させる目的で添加
される重合開始剤には、従来から公知の各種のものが用
いられ得、具体的には、ベンゾイルパーオキシド等の有
機過酸化物、或いはt−ブチルアゾニトリルや2,2′
−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等の例示
することが出来る。なお、かかる重合開始剤の添加割合
は、前記トリアゾール化合物とA群モノマーの合計量の
100重量部に対して0.001〜5重量部程度とされ
る。更にまた、そのような重合反応は、一般に40〜5
0℃の温度下において、数時間〜数十時間程度の条件下
で行なわれるものである。
【0019】このような重合操作によって、前記トリア
ゾール化合物とA群モノマーとからなる、重合性を有し
ない紫外線吸収性ポリマーが得られることとなるのであ
るが、ここで、重合性基を有しないとは、不飽和結合の
如き重合反応に関与する置換基を有していないことを意
味している。また、この重合操作により得られる紫外線
吸収性ポリマーは、数平均分子量が、5000〜10万
となるようにされ、好ましくは5000〜5万となるよ
うにされる。けだし、本発明にて用いられる紫外線吸収
性ポリマーの数平均分子量が5000より小さい場合に
は、得られた眼用レンズ材料に煮沸等の処理を施すと、
前記紫外線吸収性ポリマーが溶出し易くなり、その結果
として、眼用レンズ材料に付与せしめられている紫外線
吸収作用の低下が惹起され易くなるからであり、また、
かかる数平均分子量が10万より大きい場合には、紫外
線吸収性ポリマーの分子の大きさが大きくなり過ぎて、
眼用レンズ材料を構成する、後述する重合性成分、更に
はその重合体との相溶性が低下するために、眼用レンズ
材料の透明性が損なわれるからである。なお、この紫外
線吸収性ポリマーの数平均分子量を目的とする5000
〜10万に調節するためには、前記重合反応を行なうに
際して、従来から公知の重合度調節方法を採用すること
が出来、例えば連鎖移動剤(重合度調節剤)を添加して
連鎖移動反応を惹起せしめる方法等を挙げることが出来
る。そして、この重合度調節方法において用いられる連
鎖移動剤としては、四塩化炭素、チオール誘導体等を挙
げることが出来る。
【0020】次いで、このようにして得られた紫外線吸
収性ポリマーは、更に、その構成成分たるA群モノマ
ー、即ちアクリル酸またはメタクリル酸の、炭素数が1
〜3であるアルキルエステル若しくはヒドロキシアルキ
ルエステル、アクリルアミド類及びN−ビニルラクタム
類からなる群より選択されるモノマーを含有する重合性
成分に混合、溶解せしめられ、紫外線吸収性ポリマーと
重合性成分との混合物とされた後、該重合性成分を重合
せしめることにより、目的とする眼用レンズ材料を与え
る有効なポリマーブレンド体が形成されるのである。
【0021】なお、ここで、前記紫外線吸収性ポリマー
の存在下において重合せしめられて、目的とする眼用レ
ンズ材料を与える重合性成分は、前記紫外線吸収性ポリ
マーの一成分たる、A群モノマーを、構成成分として含
有していることを必要とする。何故なら、そのようなA
群モノマーを含有していることにより、該紫外線吸収性
ポリマーとの相溶性が有利に向上せしめられ得るからで
ある。そして、前記重合性成分中における、該A群モノ
マーの含有割合は、一般に、80〜99.9重量部程度
とされる。
【0022】勿論、このA群モノマーの一部を、従来か
ら眼用レンズ材料を与える重合体を構成する公知のモノ
マー成分(B群モノマー)に置き換えて、重合性成分中
に含有せしめることは、可能である。このB群モノマー
の具体例としては、n−ブチル(メタ)アクリレート、
tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メ
タ)アクリレート等の直鎖状、分岐鎖状、環状のアルキ
ル(メタ)アクリレート類;2,2,2−トリフルオロ
エチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラ
フルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,
3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレー
ト、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチ
ルエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テト
ラフルオロ−tert−ペンチル(メタ)アクリレート、
2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メ
タ)アクリレート等のフッ素含有(メタ)アクリレート
類;ペンタメチルジシロキサニルメチル(メタ)アクリ
レート、ペンタメチルジシロキサニルプロピル(メタ)
アクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリ
ルプロピル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチル
シロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート等のシ
リコン含有(メタ)アクリレート類;ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等
の水酸基含有(メタ)アクリレート類;アミノエチル
(メタ)アクリレート、N−メチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレ
ート類;ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香環含有
(メタ)アクリレート類;o−メチルスチレン、m−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレ
ン、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレ
ン、p−ヒドロキシスチレン、トリメチルスチレン、te
rt−ブチルスチレン、パーブロモスチレン、ジメチルア
ミノスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体
類;4−ビニルベンジル−2′,2′,2′−トリフル
オロエチルエーテル、4−ビニルベンジル−2′,
2′,3′,3′,4′,4′,4′−ヘプタフルオロ
ブチルエーテル、4−ビニルベンジル−3′,3′,
3′−トリフルオロプロピルエーテル等のフッ素含有ス
チレン誘導体類;トリメチルシリルスチレン、トリス
(トリメチルシロキシ)シリルスチレン等のシリコン含
有スチレン誘導体類等を挙げることが出来る。また、こ
れらの中から選択した1種若しくは2種以上のモノマー
を重合して、マクロモノマーと成したものを用いること
も、可能である。
【0023】そして、これらB群モノマーは、目的とす
る眼用レンズ材料に応じて、適宜に選択されて使用さ
れ、例えば、眼用レンズ材料として酸素透過性のよいレ
ンズ材料を得ようとすれば、シリコン含有(メタ)アク
リレート類、シリコン含有スチレン誘導体類等のシリコ
ン含有モノマーやフッ素含有アルキル(メタ)アクリレ
ート類等が主に好ましく選択され得るのであり、また、
レンズを補強するために強度的に良好な眼用レンズ材料
を得ようとしたり、得ようとする眼用レンズの硬度を調
節しようとすれば、アルキル(メタ)アクリレート類
や、スチレンを含めたスチレン誘導体類または(メタ)
アクリル酸等が主に好ましく選択され、使用されること
となる。
【0024】さらに、レンズを脂質等の汚れに対して汚
れ難くするためには、フッ素含有アルキル(メタ)アク
リレート類やフッ素含有スチレン誘導体類等のフッ素含
有モノマーが好ましく選択されるものであり、更にレン
ズに親水性を付与したり、含水性の柔軟な眼用レンズを
得ようとすれば、水酸基含有(メタ)アクリレート類、
メタアクリルアミド類、アミノアルキル(メタ)アクリ
レート類、(メタ)アクリル酸等の親水性基を有する重
合性成分が好ましく選択される。更にまた、高屈折率の
眼用レンズの材料を得ようとするには、芳香族環を含有
するモノマー、例えば、スチレン誘導体や芳香族環含有
(メタ)アクリレート類等が好ましく選択され、使用さ
れることとなる。
【0025】また、前記重合性成分には、一般に、任意
成分として架橋剤が添加せしめられて、生成する重合体
内に架橋構造が導入される。この架橋剤を使用する効果
は、得られる眼用レンズ材料に三次元架橋構造が形成さ
れることにより、材料の物性が強靭になり、その機械的
強度や硬度が向上せしめられると共に、均一で透明且つ
白濁がなく歪みのない光学性に富む眼用レンズ材料が得
られることであるが、更にまた、その他の架橋効果、例
えば耐薬品性、耐熱性、形状安定性等の耐久性を向上さ
せたり、紫外線吸収性成分(紫外線吸収性ポリマー)の
溶出を少なくしたりする効果も奏するものである。そし
て、そのような架橋剤としては、通常使用されているも
のが何れも採用され得、具体的には、4−ビニルベンジ
ル(メタ)アクリレート、3−ビニルベンジル(メタ)
アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
アリル(メタ)アクリレート等を挙げることが出来る。
また、このような架橋剤の少量を共重合せしめることに
よって、ポリメチル(メタ)アクレリートの如きポリマ
ーに重合性基を導入せしめたものを、架橋剤と同様な成
分として用いても、何等差支えない。
【0026】ところで、本発明において、前記重合性成
分の添加量は、前記紫外線吸収性ポリマーの0.1〜2
0重量部に対して、全量が100重量部となるように、
80〜99.9重量部とされるが、かかる添加量が80
重量部より少ない場合には、例えば透明性等の眼用レン
ズ材料としての機能が低下することとなり、またかかる
添加割合が99.9重量部よりも多い場合には、得られ
る眼用レンズ材料の紫外線吸収作用が劣ることとなっ
て、好ましくない。
【0027】また、かかる重合性成分に前記紫外線吸収
性ポリマーを溶解せしめてなる混合物において、該重合
性成分の重合は、好ましくは塊状重合操作によって行な
われ、以て該重合性成分の重合体と該紫外線吸収性ポリ
マーとのポリマーブレンド体が形成されて、眼用レンズ
材料として有利に用いられることとなる。勿論、この塊
状重合以外の他の重合手法を採用してもよいことは、言
うまでもないところである。
【0028】その他、上記重合性成分の重合には、一般
に採用されている通常の条件や操作が採用され得るもの
であり、例えば、ラジカル重合開始剤を配合した後、室
温から130℃まで、およそ十数時間かけて順次昇温
し、重合を完結させる方式(加熱重合)や、光重合開始
剤を配合した後、光重合開始剤の吸収帯に応じた波長の
光線(例えば、紫外線)を照射して重合を行なう方式
(光重合)を採用することが出来、またそれら加熱重合
と光重合を組み合わせて行なうことも出来る。そして、
加熱重合を行なう場合には、恒温槽または恒温室内で加
熱してもよいし、マイクロ波のような電磁波を照射して
もよく、その加熱は段階的に加熱してもよい。また、光
重合させる場合は、増感剤を更に添加することも可能で
ある。
【0029】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更
に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、その
ような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるも
のでないことは、言うまでもないところである。また、
以下の実施例の他にも、本発明の趣旨を逸脱しない限り
において、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修
正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべ
きである。
【0030】先ず、下記表1に示される成分・組成に従
う紫外線吸収性ポリマーA〜Cを、それぞれ調製した。
より具体的には、紫外線吸収性ポリマーAを調製する場
合を例にとると、リービッヒ冷却管及び温度計を取り付
けた三口の丸底フラスコに、2−[2′−ヒドロキシ−
5′−(β−メタクリロイルオキシエトキシ)−3′−
t−ブチルフェニル]−5−メチル−2H−ベンゾトリ
アゾール:0.49g(0.05mol)と、トルエン
(試薬特級):80mLとを入れ、次いでリービッヒ冷
却管に通水した後、スターラーで三口の丸底フラスコの
内容物を撹拌しながら、オイルバス中で80℃に加温し
た。前記2−[2′−ヒドロキシ−5′−(β−メタク
リロイルオキシエトキシ)−3′−t−ブチルフェニ
ル]−5−メチル−2H−ベンゾトリアゾールがトルエ
ンに完全に溶解して、透明になったところで、メチルメ
タクリレート:5.0g(0.05mol)、及び反応
開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロニトリル:
0.26gを添加した後、反応容器を加湿しながら、8
0℃で、24時間反応させた。その後、メタノール中へ
反応液を滴下して、目的とする紫外線吸収性ポリマーを
沈殿させた。更に、ここで得られた紫外線吸収性ポリマ
ーの沈殿をグラスフィルターで濾別し、乾燥した後、ト
ルエンに溶解させて、再度メタノール中に滴下し、再沈
殿させることにより精製した。また、紫外線吸収性ポリ
マーB及びCの場合にあっても、上記と同様にして調製
した。
【0031】そして、このようにして得られた紫外線吸
収性ポリマーA、B、Cの数平均分子量、紫外・可視光
吸収スペクトルを測定して、その結果を、下記表1に併
せ示した。
【0032】なお、数平均分子量の測定には、カラムオ
ーブン860−CO型(日本分光工業株式会社製)、H
PLCポンプPU−980型(日本分光工業株式会社
製)、インテリジェントRIディテクター830−RI
(日本分光工業株式会社製)及びデガッサーDG−98
0−50(日本分光工業株式会社製)を組み合わせた装
置を用いて、ポリスチレン換算分子量として測定した。
ここで、HPLC用カラムとしては、 Finepak SIL CI8
T-5 型(日本分光工業株式会社製)を用い、分析用溶媒
としてはテトロヒドロフランを用いた。また、紫外・可
視光吸収スペクトルの測定には、先ず、得られた紫外吸
収性ポリマーA〜Cのそれぞれを、クロロホルムに溶解
せしめて、濃度が50ppmとなるように、紫外線吸収
性ポリマー溶液を調製した。そして、この得られた紫外
線吸収性ポリマー溶液について、UV−2200型自記
分光光度計(株式会社島津製作所製)を用いて、紫外線
吸光度を測定して、紫外線の最大吸収波長(λmax )及
び最大吸収波長における吸光度を求めた。
【0033】 HMBMB:2−[2′−ヒドロキシ−5′−(β−メタクリロイルオキシエ トキシ)−3′−t−ブチルフェニル]−5−メチル−2H−ベ ンゾトリアゾール MMA :メチルメタクリレート N−VP :N−ビニルピロリドン HEMA :2−ヒドロキシエチルメタクリレート
【0034】次いで、上記で得られた紫外線吸収性ポリ
マーA〜Cを用い、その存在下において、下記表2に示
される重合性成分を重合せしめることにより、本発明例
の眼用レンズ材料を調製した。即ち、先ず、下記表2に
示される如き成分・組成に従って、それぞれ、所定の紫
外線吸収性ポリマーと重合性成分(モノマー)とを組み
合わせ、更に架橋剤及び重合開始剤を添加して、均一な
配合液を調製し、次にガラス製試験管に、かかる配合液
を注入し、密栓をした。そして、35℃の恒温水槽中で
48時間予備重合し、次いで50℃で8時間重合させ
た。その後、60℃に保たれた循環乾燥器内に試験管を
移し、この循環乾燥器内の温度を、5℃/1時間の割合
において110℃まで昇温せしめ、更に110℃に保っ
たまま、試験管内の重合性材料を、8時間、加熱重合さ
せてから、室温まで徐冷して、棒状のポリマーブレンド
体(眼用レンズ材料)を得た。
【0035】一方、比較例として、紫外線吸収性ポリマ
ーの代わりに、紫外線吸収性モノマーである2−[2′
−ヒドロキシ−5′−(β−メタクリロイルオキシエト
キシ)−3′−t−ブチルフェニル]−5−メチル−2
H−ベンゾトリアゾール(HMBMB)そのものを用い
る以外は、前記本発明例の眼用レンズ材料を得た場合と
同様に重合して、該紫外線吸収性モノマーと所定の重合
性成分とを共重合せしめた共重合体からなる眼用レンズ
材料を得た。
【0036】なお、本発明例1〜2及び比較例におい
て、眼用レンズ材料を製造する際に添加せしめられるP
MMAは、メチルメタクレートと少量のエチレングリコ
ールジメタクリレートとを共重合せしめて得られる、重
合性基を有するポリメチルメタクリレートであって、こ
のPMMAを添加することによって、化学的架橋点が増
加することにより、得られる眼用レンズ材料の形状安定
性、耐久性及び機械的強度が向上せしめられることとな
る。
【0037】そして、このようにして得られた各眼用レ
ンズ材料を裁断して、切削研磨による機械的加工を施し
て、厚さ:0.2mmの試料片を調製した。その後、こ
の試験片の透明性及び紫外線透過率について調べ、その
結果を、下記表2に併せ示した。但し、本発明例3及び
5の眼用レンズ材料については、透明性のみ調べた。ま
た、試験片の透明性については、肉眼で観察を行なっ
て、試験片が透明であるもの:○、部分的に不透明であ
るもの:△、全体が不透明であるもの:×の三段階で評
価した。更に、試験片の紫外線透過率は、煮沸処理前の
試験片及び煮沸処理後の試験片について、測定した。詳
細には、煮沸処理前の試験片としては、無処理の試験片
を用い、また煮沸処理後の試験片としては、蒸留水中で
24時間煮沸した後、60℃のエタノール中に72時間
浸漬した試験片を用いた。そして、UV−2200型自
記分光光度計(株式会社島津製作所製)を用いて、それ
ら試験片の紫外線透過率を測定した。
【0038】
【表2】
【0039】かかる表2の結果から明らかなように、本
発明に従う重合性基を有しない紫外線吸収性ポリマーを
含む眼用レンズ材料は、優れた透明性を有していること
が認められる。また、煮沸処理を行なった後の紫外線透
過率が、煮沸処理前の紫外線透過率と殆ど変わらないも
のであるところから、本発明に係る紫外線吸収性ポリマ
ーは、眼用レンズから溶出し難いものであることが、容
易に理解されるのである。一方、比較例の眼用レンズ材
料にあっては、紫外線吸収性の成分として、2−[2′
−ヒドロキシ−5′−(β−メタクリロイルオキシエト
キシ)−3′−t−ブチルフェニル]−5−メチル−2
H−ベンゾトリアゾールが共重合されているのである
が、煮沸処理後の紫外線透過率は、煮沸処理前の紫外線
透過率よりも高い値を示した。即ち、比較例の眼用レン
ズ材料にあっては、それに含有せしめられている紫外線
吸収性成分が、煮沸処理を行なうことで、容易に溶出し
ていることが理解されるのである。
【0040】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従う、重合性基を有しない紫外線吸収性ポリマーを含
む眼用レンズ材料によれば、含有せしめられている紫外
線吸収性ポリマーと所定の重合性成分を重合して得られ
る重合体との相溶性が優れているところから、均一組成
の、透明性に優れた眼用レンズが有利に得られるだけで
なく、眼用レンズからの紫外線吸収性ポリマーの溶出が
殆どなく、高い安全性を有し、以て安定性に優れた医療
用の眼内レンズやコンタクトレンズが有利に提供される
のである。
【0041】また、本発明に従う、重合性基を有しない
紫外線吸収性ポリマーを含む眼用レンズ材料において
は、該紫外線吸収性ポリマーの構成成分として、前記化
2に示されるトリアゾール化合物が用いられているが、
そのようなトリアゾール化合物が合成の容易なものであ
ることは勿論、それの共重合によっても、得られる紫外
線吸収性ポリマーと重合性成分との相溶性が効果的に維
持され得て、該重合性成分を重合して得られる重合体の
組成の均一化が、より一層向上せしめられ得るのであ
る。
【0042】さらに、本発明に従う、重合性基を有しな
い紫外線吸収性ポリマーを含む眼用レンズ材料の製造方
法によれば、該紫外線吸収性ポリマーが眼用レンズ材料
内において効果的に且つ均一に分布せしめられ得て、以
て上記の如き優れた特性を有する眼用レンズ材料が、有
利に提供され得ることとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02C 7/04 G02C 7/04 G03B 1/04 G03B 1/04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1: 【化1】 で表わされるトリアゾール化合物と、アクリル酸または
    メタクリル酸の、炭素数が1〜3であるアルキルエステ
    ル若しくはヒドロキシアルキルエステル、アクリルアミ
    ド類及びN−ビニルラクタム類からなる群より選択され
    る少なくとも1種のモノマーとを共重合せしめて得られ
    た、数平均分子量が5000〜10万で、且つ重合性基
    を有していない紫外線吸収性ポリマーを用い、それを、
    アクリル酸またはメタクリル酸の、炭素数が1〜3であ
    るアルキルエステル若しくはヒドロキシアルキルエステ
    ル、アクリルアミド類及びN−ビニルラクタム類からな
    る群より選択される少なくとも1種のモノマーを含有せ
    しめた重合性成分に混合してなる混合物を、重合するこ
    とにより得られるポリマーブレンド体からなることを特
    徴とする重合性基を有しない紫外線吸収性ポリマ−を含
    む眼用レンズ材料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の重合性基を有しない紫外
    線吸収性ポリマーを含む眼用レンズ材料の製造方法であ
    って、 前記化1で表わされるトリアゾール化合物の1モルに対
    して、アクリル酸またはメタクリル酸の、炭素数が1〜
    3であるアルキルエステル若しくはヒドロキシアルキル
    エステル、アクリルアミド類及びN−ビニルラクタム類
    からなる群より選択される少なくとも1種のモノマー
    を、0.25〜4モルの割合において混合する工程と、 この得られた混合物を共重合して、数平均分子量が50
    00〜10万で、且つ重合性基を有していない紫外線吸
    収性ポリマーを得る工程と、 該紫外線吸収性ポリマーの0.1〜20重量部と、アク
    リル酸またはメタクリル酸の、炭素数が1〜3であるア
    ルキルエステル若しくはヒドロキシアルキルエステル、
    アクリルアミド類及びN−ビニルラクタム類からなる群
    より選択される少なくとも1種のモノマーを含有せしめ
    た重合性成分の80〜99.9重量部とを、全量が10
    0重量部となるように混合せしめる工程と、 この得られた紫外線吸収性ポリマーを含む混合物に含有
    される前記重合性成分を重合して、ポリマーブレンド体
    を得る工程と、からなることを特徴とする重合性基を有
    しない紫外線吸収性ポリマーを含む眼用レンズ材料の製
    造方法。
JP04299196A 1996-02-29 1996-02-29 重合性基を有しない紫外線吸収性ポリマーを含む眼用レンズ材料及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3672370B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04299196A JP3672370B2 (ja) 1996-02-29 1996-02-29 重合性基を有しない紫外線吸収性ポリマーを含む眼用レンズ材料及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04299196A JP3672370B2 (ja) 1996-02-29 1996-02-29 重合性基を有しない紫外線吸収性ポリマーを含む眼用レンズ材料及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09235309A true JPH09235309A (ja) 1997-09-09
JP3672370B2 JP3672370B2 (ja) 2005-07-20

Family

ID=12651505

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04299196A Expired - Fee Related JP3672370B2 (ja) 1996-02-29 1996-02-29 重合性基を有しない紫外線吸収性ポリマーを含む眼用レンズ材料及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3672370B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002514662A (ja) * 1998-05-11 2002-05-21 ファーマシア アンド ウプヨーン グロニンゲン ベスローテン フェンノートシャップ 重合可能な親水性紫外線吸収モノマー
JP2002265537A (ja) * 2001-03-08 2002-09-18 Nippon Shokubai Co Ltd フッ素含有マレイミド系共重合体
JP2002327017A (ja) * 2001-05-01 2002-11-15 Nippon Shokubai Co Ltd フッ素含有マレイミド系共重合体
JP2002363420A (ja) * 2001-06-06 2002-12-18 Konica Corp 樹脂組成物、光学フィルム、偏光板、及び表示装置
JP2010001449A (ja) * 2008-05-20 2010-01-07 Hitachi Chem Co Ltd 光学用樹脂組成物及びこれを用いた光学用樹脂材料
JP2011517418A (ja) * 2008-03-27 2011-06-09 アルコン,インコーポレイテッド ヒドロゲル眼内レンズおよびこれを形成するための方法
JP2014534467A (ja) * 2011-10-12 2014-12-18 ノバルティス アーゲー コーティングによるuv吸収性眼用レンズの製造方法
WO2023209855A1 (ja) * 2022-04-27 2023-11-02 株式会社メニコン 添加型ポリマー及びシリコーンハイドロゲルレンズ材料

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002514662A (ja) * 1998-05-11 2002-05-21 ファーマシア アンド ウプヨーン グロニンゲン ベスローテン フェンノートシャップ 重合可能な親水性紫外線吸収モノマー
JP2002265537A (ja) * 2001-03-08 2002-09-18 Nippon Shokubai Co Ltd フッ素含有マレイミド系共重合体
JP2002327017A (ja) * 2001-05-01 2002-11-15 Nippon Shokubai Co Ltd フッ素含有マレイミド系共重合体
JP2002363420A (ja) * 2001-06-06 2002-12-18 Konica Corp 樹脂組成物、光学フィルム、偏光板、及び表示装置
JP2011517418A (ja) * 2008-03-27 2011-06-09 アルコン,インコーポレイテッド ヒドロゲル眼内レンズおよびこれを形成するための方法
JP2010001449A (ja) * 2008-05-20 2010-01-07 Hitachi Chem Co Ltd 光学用樹脂組成物及びこれを用いた光学用樹脂材料
JP2014534467A (ja) * 2011-10-12 2014-12-18 ノバルティス アーゲー コーティングによるuv吸収性眼用レンズの製造方法
WO2023209855A1 (ja) * 2022-04-27 2023-11-02 株式会社メニコン 添加型ポリマー及びシリコーンハイドロゲルレンズ材料

Also Published As

Publication number Publication date
JP3672370B2 (ja) 2005-07-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2685980B2 (ja) 紫外線吸収性眼内レンズ
EP1077952B1 (en) Polymerizable hydrophilic ultraviolet light absorbing monomers
US6326448B1 (en) Soft intraocular lens material
JP6152538B2 (ja) 光学ポリマーのための光吸収化合物
JP3641110B2 (ja) 軟質眼内レンズ用材料
US6329485B1 (en) High refractive index hydrogel compositions for ophthalmic implants
JP2604799B2 (ja) 眼内レンズ材料
JP3625097B2 (ja) 着色コンタクトレンズおよびその製造法
EA018219B1 (ru) Интраокулярная линза
JPH08503997A (ja) 重合可能な黄色染料およびその眼用レンズへの使用
WO2007050394A2 (en) Polymeric radiation-absorbing materials and ophthalmic devices comprising same
US6224945B1 (en) Process for the manufacture of a crosslinked, transparent, hydrophilic and photochromic polymeric material, and optical and ophthalmic articles obtained
JP4149068B2 (ja) 眼用レンズ材料
WO2006063139A2 (en) Nanohybrid polymers for ophthalmic applications
JPH02500286A (ja) Uv吸収性ビニル単量体および重合体並びにそれから製造された眼の移植組織
EP1030194B1 (en) Material for a soft intraocular lens
JP2000007735A (ja) 紫外線吸収性基材
JPH06148578A (ja) 軟質眼用レンズ材料
JPH09235309A (ja) 重合性基を有しない紫外線吸収性ポリマーを含む眼用レンズ材料及びその製造方法
JP2794308B2 (ja) 無水晶体眼用レンズ材料
JPH08311045A (ja) ベンゾトリアゾール化合物、それからなる紫外線吸収剤およびそれを含む眼用レンズ
JP2022071514A (ja) コントラスト改善機能を有する眼科用材料
JP3195423B2 (ja) 眼内レンズ材料
EP1783518B1 (en) Functionalized dyes and use thereof in ophthalmic lens material
JPH07196745A (ja) 眼用レンズ材料

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20050325

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20050419

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050419

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110428

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees