JPH09233861A - 発電装置およびこれを備えた携帯型電子機器 - Google Patents

発電装置およびこれを備えた携帯型電子機器

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JPH09233861A
JPH09233861A JP8035240A JP3524096A JPH09233861A JP H09233861 A JPH09233861 A JP H09233861A JP 8035240 A JP8035240 A JP 8035240A JP 3524096 A JP3524096 A JP 3524096A JP H09233861 A JPH09233861 A JP H09233861A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電体層を備えた振動片を回転錘の運動エネ
ルギーを用いて加振して発電を行う小型・携帯型の装置
に適した発電装置において、回転錘の運動エネルギーの
伝達効率を改善して、腕などの動きによって効率良く発
電を行う発電装置を提供する。 【解決手段】 回転錘13と連動して回転する回転部材
31を設け、この回転部材31の周囲に複数の振動片2
1を放射状に設置する。回転錘13の運動に連動して回
転部材31の突起32によって複数の振動片21に順々
に振動が励起されるので、回転錘13の運動によって振
動片21が加振される頻度が高くなり、運動エネルギー
を回転錘13から振動片21に伝達する機会が増加す
る。従って、エネルギー伝達効率を大幅に向上でき、発
電能力が高く、小型で携帯機器に好適な発電装置を提供
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電体を備えた振
動片を加振して発電を行う発電装置および発電装置を収
納した時計などの携帯型電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧電材料を用いて発電を行う小型の装置
が幾つか提案されており、例えば、特公昭51−173
93には、回転錘の動きによりバネ性レバーが振動さ
れ、この振動によりバネ性レバーに直接固定された圧電
素子に変位が与えられ、起電力が発生する装置が記載さ
れている。
【0003】また、実開昭63−72593には、時計
ケースの内部に圧電素子を収納し、重りが上下方向に慣
性的に稼動されて振動され、この振動によって電気エネ
ルギーを発生させる技術が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの圧電体を用い
た発電装置は、ユーザーの腕の動きなどを捉えて圧電体
に歪みを与えて発電を行うことにより時計装置などを動
かす電力を得ることを目的としているが、その発電効率
は低く発電効率の高い発電装置の開発が必要である。
【0005】このような携帯型で小型の発電装置は、腕
の動きなどから運動エネルギーを得て電気エネルギーに
効率良く変換するために、先ず第1に、腕の動きなどを
効率良く回転錘の回転などの実際に発電に用いられる運
動エネルギーに変換し、第2に、その運動エネルギーを
効率良く圧電体に歪みとして印加し、さらに、第3に、
圧電体に加えられた歪みを効率良く電気エネルギーに変
換することが重要である。
【0006】圧電体に加えられた運動エネルギー(入力
エネルギー)は、圧電体を支持する支持層などの歪みエ
ネルギー、圧電体自体の歪みエネルギー、および圧電体
の発電によりコンデンサなどの蓄電装置に蓄えられる電
気エネルギーの3つに主に分けられる。これらの内、発
電装置として最も重要な電気エネルギーは、圧電体の電
気機械結合係数、圧電素子の充電しない時の出力電圧お
よび静電容量、蓄電装置の電圧等により変動するが、圧
電体の歪みエネルギの数%にしかならない。そこで、バ
ネ性レバーとして自由振動するような圧電体を用いて発
電することが検討されている。圧電体を振動させること
によって繰り返し歪みを発生でき、入力エネルギーによ
って発生した歪みエネルギーを徐々に電気エネルギーに
変換できるからである。このようにして、上記の第3の
要因に当たる入力エネルギーに対し発生される電気エネ
ルギーの効率向上が図られている。また、ユーザーの手
首に装着する腕時計型の発電装置においては、ユーザー
の腕の動きを解析して回転錘が効率良く回転する、上述
した第1の要因に係る検討が進んでいる。
【0007】そこで、本発明においては、上述した第2
の要因に当たる、回転錘の回転運動などとして得られた
運動エネルギーを効率良く入力エネルギーとして圧電体
に伝達できる装置を提供することを目的としている。そ
して、このような装置を実現することによって、ユーザ
ーの腕の動きなどから実際に携帯用機器を駆動するのに
十分な給電能力を備えた発電装置を提供することを目的
としている。
【0008】特に、上述したように圧電体を備えた振動
片を振動させることによって入力エネルギーを効率良く
電気エネルギーに変換できるので、本発明においては、
回転錘などの運動エネルギーをできるだけ損失なく振動
片に伝達可能な発電装置を提供することを目的としてい
る。そして、効率良く圧電体に変位を与えることによっ
て発電効率を向上し、発電能力が高く、腕などの動きに
よって十分な発電量を確保できる発電装置を提供するこ
とを本発明の目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願の発明者らは、回転
錘などの運動エネルギーによって振動片を加振する際、
振動片が振動して発電を行っている期間と運動エネルギ
ーを与える期間が必要であることを考慮すると、回転錘
が運動している期間の一部を使用して運動エネルギーが
伝達されていたに過ぎないことを見いだした。すなわ
ち、回転錘などが得た運動エネルギーの非常に少ない部
分、例えば10%程度しか入力エネルギーとして振動片
に与えらず、回転錘の運動エネルギーの大半が機械的な
損失となり、あるいは回転錘に対する他の入力とキャン
セルされ、利用されていない。そこで、本発明の発電装
置においては、圧電体層を備えた複数の振動片と、所定
の方向に運動する重りと、この重りに連動してこれらの
振動片に対し順々に変位を与えた後に開放して振動を励
起する加振装置と、振動中の圧電体層で発生した電力を
出力する出力手段とを設けるようにしている。本発明の
発電装置は、複数の振動片に対し加振装置によって順々
に振動を与えられるので、回転錘などの重りの運動エネ
ルギーを振動片に与える機会を増加してエネルギー伝達
効率を向上できる。その一方では、個々の振動片におい
て発電のために振動を行う十分な期間を確保できる。従
って、重りの運動エネルギーを連続的に、あるいはそれ
に近い状態でそれぞれの振動片に伝達でき、振動片で電
気エネルギーに十分に変換できるので、重りの運動エネ
ルギーを非常に効率よく利用した発電能力の高い発電装
置を提供できる。さらに、加振装置によって振動片に一
定の変位を与えた後に開放して振動片を振動させるの
で、出力手段が処理装置などの2次側に対し出力する規
定電圧に対し、そのほぼ5倍の開放電圧が各振動片で振
動開始時に高頻度で発生するように振動初期の振幅を設
定できる。従って、コンデンサなどの蓄電部に対し、充
電効率の良い電圧の電力を出力することが可能となる。
【0010】本発明においては、複数の振動片に加振装
置から異なったタイミングで振動が励起されるので、同
一時刻に個々の振動片に発生する起電圧は異なる。この
ため、個々の振動片から効率良く電力を取り出すために
は、振動片から出力された交流を直流に変換する複数の
整流部を設け、これらを振動片と1対1に接続しておく
ことが望ましい。さらに、振動片を半導体基板上に装着
し、この半導体基板にフォトリソグラフィー技術などを
用いて整流部を形成することにより、複数の振動片およ
び整流部を備えた発電装置を小型軽量化でき、腕時計な
どの小型・携帯型の電子機器に搭載することができる。
【0011】また、整流部から出力された直流を蓄積す
る蓄電部に対し、整流部を蓄電部に対し並列に接続する
ことによって充電時の電流密度を上げることができる。
さらに、蓄電部に直列に接続された逆流防止部を設け、
整流部を逆流防止部に対し並列に接続することにより、
蓄電部から振動片に対する逆リークによる電力の損失を
防止できる。
【0012】このような発電装置においては、加振装置
が重りと共に動く場合は、複数の振動片を重りの運動方
向に沿って配置することが望ましい。例えば、重りが直
線的に運動する場合はその運動する方向の一方、あるい
は両側に振動片を配置することにより、重りの動きに連
動して順々に振動片を加振できる。また、重りが回転あ
るいは旋回運動する場合は、その円あるいは弧の軌跡に
沿って振動片を配置することによって順々に振動を励起
できる。また、加振装置が加振用の少なくとも1つの突
起が形成された回転部材を備えている場合は、同様に複
数の振動片を回転部材の回転中心に対し放射状に配置す
ることにより、これらの振動片に順々に振動を励起でき
る。回転部材によって振動片の先端に変位を与えるに
は、回転部材の内側あるいは外側の少なくともいずれか
一方に沿って櫛歯状に複数の振動片を配置することが望
ましく、もちろん両側に配置しても良い。
【0013】腕時計型など携帯型電子機器においては、
電力によって動作する処理装置と共にケースの内部に上
記の発電装置を収納することが可能である。この携帯型
電子機器は、電池に代わり本発明の発電装置から供給さ
れた電力によって処理を行うことが可能であり、電池寿
命を延ばしたり、電池の交換が不要となる。例えば、腕
装着型のケースに発電装置を収納したものにおいては、
ケース内を回転運動する回転錘を重りとして用い、回転
錘と連動して動く加振用の少なくとも1つの突起が形成
された回転部材を備えた加振装置を用いて運動エネルギ
ーを伝達できる。ケースの一方の側に面した表示部を備
えた計時装置を備えている場合は、複数の振動片を回転
錘に対し、表示部と反対側のケースの他方の側に面して
配置することができ、発電能力の高い発電装置を備えた
コンパクトで薄型の携帯型電子機器を提供できる。回転
部材が回転錘と共に回転する電子機器においては、複数
の振動片を回転部材の回転中心に対し放射状に配置する
ことが可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】
〔実施例1〕以下に図面を参照しながら本発明をさらに
詳しく説明する。図1に本発明の実施例に係る発電装置
を備えた腕時計装置の概要を示してある。また、図2
に、本例の腕時計装置10の発電装置の部分の断面を拡
大して示してある。本例の腕時計装置10は、略円形の
腕装着型の薄いケース1を備えており、このケース1
は、ユーザーの手首に接触する側の裏面ケース2と、計
時装置6の文字板(表示部)7、さらに、この表示部7
を覆う透明なカバー(不図示)を備えている。裏面ケー
ス2と表示部7の間の空間には、複数の振動片21を備
えた発電装置20や、これらの振動片21に対しエネル
ギーを供給する回転錘13などの駆動系、さらに、プラ
スおよびマイナス電極37aおよび37bに接続された
発電装置を構成する大型の2次電池あるいはコンデンサ
ー5、さらに、電子時計としての機能である秒針41、
分針42および時針43を動作させる4番車38および
2番車39など様々な装置が配置されている。回転錘1
3は、ケース1のほぼ中心を回転中心13aとして旋回
するようにケース1に設置されており、この回転錘13
に回転錘13と共に回転する回転部材31が取り付けら
れている。さらに、回転部材31の外周部には、外側に
突き出た複数の突起32が形成されている。この回転部
材31の周囲には、放射状に複数の振動片21が配置さ
れており、振動片21のケース1の内側を向いた先端2
3が回転部材31の突起32と接触するようになってい
る。また、これらの放射状に配置された振動片21を取
り囲むようにドーナッツ型で薄い半導体基板15が配置
されており、各々の振動片21の先端23と反対側の基
端24が半導体基板15に取り付けられている。この半
導体基板15には、後述するように各々の振動片21か
ら電力を出力するための整流回路が形成されている。
【0015】本例の腕時計装置10においては、図1お
よび図2に示すように、外周方向が重くアンバランスに
なった回転錘13がケース1に収納された計時装置など
の機構を取り囲むように配置されている。このため、腕
時計装置10に加わる加速度がユーザーの腕の運動など
によって変化すると回転錘13が中心13aの回りに回
転し、ユーザーの動きなどを回転錘13の回転エネルギ
ーとして捉えられるようになっている。従って、この回
転錘13が回転運動を行うと、回転錘13の裏面ケース
2の側に取り付けられた回転部材31が回転錘13と共
に回転し、その外周部に設けられた複数の突起32が各
々の振動片21の先端23と接触し変位を与える。回転
部材31がさらに回転すると、振動片21の先端23が
開放され、振動片21が加振される。これより、各々の
振動片21には先端23を自由端として所定の振幅の自
由振動が励起される。本例の振動片21はPZTなどの
圧電体層22で形成されているので、圧電体層22に振
動による変位によって起電力が発生する。それぞれの振
動片21によって発生した電力は半導体基板15に形成
された出力手段である整流部および配線を介して一箇所
の出力電極14aおよび14bに集められ、これらの出
力電極14aおよび14bから蓄電部4を構成するコン
デンサー5を介して計時装置6などへ出力される。ま
た、本例においては、蓄電部4から振動片21の側に流
れる逆リーク電流を抑制するように逆流防止部8を設け
られている。このように、本例の腕時計装置10におい
ては、振動片21、半導体基板15および回転部材31
によって発電装置20が構成され、回転部材31が回転
錘13と連動して動くことにより、振動片21を加振す
る加振装置30としての機能を果たしている。
【0016】図3、図4および図5に、本例の発電装置
20に設けられた複数の振動片の内の1つの振動片21
およびその近傍を拡大して示してある。図3は半導体基
板15に取り付けられた振動片21を下側から見た様子
を示してあり、図4は振動片21を側方から、また、図
5は振動片21の断面を示してある。本例の振動片21
は、図4および図5に示すように図面の上下方向に分極
したPZTからなる薄い圧電体層22によって構成され
ている。本例の振動片21は、半導体基板15に固定さ
れた固定端(基端)24から自由振動を行う先端23に
向かって徐々に幅が狭くなった板状の振動片であり、そ
の上下の面に電極25が積層されている。本例の振動片
21は、その先端23が回転部材31の突起32によっ
て図3の左右の方向Xの振動が励起され、図5に示した
ように、振動片21の左右で圧電体層22の上下の面に
逆方向の起電力が発生する。そこで、本例の振動片21
においては、振動片21の一方の面21aの全面に電極
25aを設けて振動片21の左右を直列に接続し、反対
側の面21bには、面21を左右に分割するように2つ
の電極25bおよび25cを設けてある。従って、電極
25bおよび25cを整流部に接続することによって、
振動片21の左右に発生した起電力を直列に接続した電
圧の電力を取り出すことができる。
【0017】本例の半導体基板15には、それぞれの振
動片21の基端24の近傍に、フォトリソグラフィー技
術や拡散技術といった公知の集積回路基板を製造する技
術によって形成されたPN接合を用いて整流回路50を
形成してある。整流回路50の入力端子51aおよび5
1bは、振動片21の電極25bおよび25cとそれぞ
れワイヤーボンディング52によって接続されており、
それぞれの振動片21で発生した交流を整流回路50に
よって整流し、直流電流を出力端子53aおよび53b
から供給できるようになっている。このように、本例の
発電装置20においては、半導体基板15に振動片21
と同数の整流回路50が設けられており、それぞれの振
動片21で発生した電力が振動片21に対応する整流回
路50でそれぞれ整流されて出力されるようになってい
る。本例の半導体基板15には、各々の整流回路50に
よって整流された直流電力を回収するために2本の電力
線54aおよび54bが形成されており、これらの電力
線54aおよび54bが整流回路50の出力端子53a
および53bとそれぞれ接続されている。そして、これ
ら2本の電力線54aおよび54bが図1に示した発電
装置20の出力電極14aおよび14bに接続されてお
り、個々の振動片21で発生した電力を蓄電部4に供給
できるようになっている。
【0018】図6に、本例の発電装置20の概略の回路
構成を示してある。本例の発電装置20は、回転部材3
1の周囲に放射状に複数の振動片21.1〜21.nを
配置してある。このため、回転錘13の回転に伴って回
転部材31が回転し、この回転部材31の突起32によ
ってそれぞれの振動片21.1〜21.nに順々に変位
が加えられ、振動片21.1〜21.nに振動が励起さ
れる。これによって、それぞれの振動片21.1〜2
1.nから交流が出力され、各々の振動片21.1〜2
1.nに対応して設けられた整流回路50.1〜50.
nによって整流され直流となって電力線54aおよび5
4bに出力される。このような本例の発電装置20にお
いては、回転錘13の運動エネルギーを発電装置20に
対し連続的に入力することができ、回転錘13の運動エ
ネルギーを非常に効率よく発電に利用することができ
る。これに対し、図7に示すように、単一の振動片21
が交流発生源として用意されている発電装置において
は、回転錘13の動きによって断続的に1つの振動片2
1に振動が励起されるだけなので、回転錘13の運動エ
ネルギーの内の微小な部分しか発電に利用できない。
【0019】図8に基づき、本例の発電装置20におい
て回転錘13の運動エネルギーが有効に利用されている
ことを詳細に説明する。まず、図8(a)に、図7に示
した単一の振動片21が回転錘の運動に伴って加振さ
れ、発電が行われるモデルを示してある。回転錘13の
発生する全トルクをA(N・m)とすると、振動片に変
位を与えるために使用されるトルクTとしては全トルク
Aの一部、例えば1/3程度が使用される。振動片を変
位させるために回転錘の発生する全トルクAが必要にな
ると回転錘の動きが止まってしまう。また、変位させる
ために使用されるトルクTが大きすぎると腕の動きなど
によって回転錘が動く機会が少なくなるので、ユーザー
の動きなどから運動エネルギーが効率よく得られなくな
る。従って、本例のように1つの振動片を変位させるた
めに必要なトルクTは全トルクAの1/3程度(T=A
/3)に設定することが望ましい。
【0020】振動片を振動させて発電を行うためには、
振動片に変位を印加するための時間および自由振動によ
って発電が行われる時間が必要となる。これらの時間
は、回転錘の回転角度に比例するので、図8には、回転
角度θ1 およびθ2 によって上記の時間を示してあ
る。一回の振動による発電量を多くするためには、発電
が行われる角度(時間)θ2 をできるだけ長く設定す
ることが望ましい。しかしながら、自由振動を行う角度
θ2 を大きくると振動片に回転錘から運動エネルギー
が入力される機会が減ってしまうので、回転錘のエネル
ギーを効率良く振動片に入力できない。そこで、振動片
に変位を印加ために必要な角度θ1 と、自由振動によ
って発電が行われる角度θ2 が等しくなるように設定
されている発電装置を仮定する。このような発電装置に
おいては1回の打撃によって回転錘から振動片に入力さ
れるエネルギーeは以下のようになる。
【0021】 e = 1/2 × A/3 × θ1 ・・・(1) また、回転錘が180度(π)回転する間に振動片にエ
ネルギーを入力できる回数は以下のようになる。
【0022】 n = π /(θ1 +θ2 ) = π/(2θ1 )・・・(2) 従って、回転錘がπ回転する間に振動片に入力できるエ
ネルギーE1 は以下のようになる。
【0023】 E1 = e×n = π・A/12 ・・・(3) これに対し、回転錘がπ回転する間に得られる運動エネ
ルギーE2 は以下のようになる。
【0024】 E2 = ∫A・sinθdθ(θ=0〜π)= 2A・・・(4) 従って、回転錘の得た運動エネルギーE2 の内、振動
片に入力できるエネルギーE1 の割合(エネルギー伝
達効率η)は以下のようになる。
【0025】 η = E1 /E2 = 0.13 ・・・(5) このように、図7に示した単一の振動片を用いたモデル
では、回転錘の得た運動エネルギーの内の13%程度し
か振動片に入力されない。従って、回転錘は残った運動
エネルギーによって回転あるいは旋回を続け、同一の振
動片に運動エネルギーを伝達することになる。このた
め、回転錘の運動エネルギーの全てを振動片に伝達する
ために非常に時間がかかり、その間に回転錘の運動エネ
ルギーの多くは機械的なエネルギー損失となってしま
う。さらに、腕の動きなどのユーザーの連続した動きが
回転錘へのエネルギー入力源であるが、回転錘から振動
片へのエネルギー伝達に時間がかかると回転錘の動きと
相反するような入力がある可能性が高く、これによって
回転錘は動きを止め、回転錘の得た運動エネルギーを発
電に利用できなくなる。従って、回転錘の運動エネルギ
ーを有効に発電に活かすためには、エネルギー伝達を短
時間で行うことが望ましい。
【0026】一方、振動片が得た入力エネルギーを電気
エネルギーに有効に変換するには、自由振動を行う期間
をある程度確保することが望ましい。このため、自由振
動を行える角度θ2 は変位を与えるための角度θ1 よ
り大きくなることが多い。従って、単一の振動片を用い
たモデルでは、回転錘から振動片に運動エネルギーを伝
達する時間を短縮する、すなわち、回転錘が振動片に変
位を与える機会を増加すると振動片における変換効率が
減少するので、トータルのエネルギー伝達効率ηはさら
に低くなる傾向になる。
【0027】これに対し、図6に示した複数の振動片に
順々に振動を印加する本例の発電装置においては、振動
片が電気エネルギーに変換する期間を短縮せずに、回転
錘が振動片にエネルギーを入力できる回数を飛躍的に向
上でき、振動片に対するエネルギー伝達時間を短くでき
る。例えば、図8(b)に示すように複数の振動片に順
々に振動を与えられるモデルにおいては、発電装置に設
けた振動片に入力できるエネルギーが上記の2倍にな
る。このため、エネルギー伝達効率ηは26%程度に向
上する。さらに、個々の振動片においては自由振動によ
って発電を行う時間を長く設定できるので、効率の良く
入力エネルギーを電気エネルギーに変換できる。
【0028】さらに、図1に示したように、回転錘13
と連動して動く回転部材31に複数の突起32を設け、
これらの突起32によって複数の振動片を加振すると、
図8(c)に示すように、殆ど連続して回転錘の運動エ
ネルギーを発電装置として設けた振動片に入力できる。
この場合、発電装置に設けた振動片全体が回転錘がπ回
転する間に得られるエネルギーE1 ’は、以下のよう
になる。
【0029】 E1 ’ = A/3 × π ・・・(6) 従って、エネルギー伝達効率ηは、 η = E1 ’/E2 = 0.52 ・・・(7) となり、回転錘の得た運動エネルギーのほぼ半分を振動
片に入力し、発電に寄与させることができる。
【0030】振動片を変位する入力トルクTを大きくす
ることによって、エネルギー伝達効率ηをさらに向上で
きる。しかしながら、上述したように入力トルクTを大
きくすると回転錘の動く機会が減少し、ユーザーの動き
などを効率良く捉えることができない。
【0031】次に、起電圧について説明する。図9に示
してあるように、本願の発明者らによって、圧電体層を
備えた振動片を発電部として用いて蓄電部4に効率良く
充電を行うには、自由振動を開始する初期の開放電圧V
ofが蓄電部4から計時装置6などの処理装置に供給さ
れる出力電圧(規定電圧)Veの5倍程度が望ましいこ
とが確認されている。本例の発電装置においては、回転
錘13に連動して動く回転部材31の突起32によっ
て、各々の振動片21にほぼ一定の変位が加えられ、そ
の後に開放される。振動片の開放電圧Vofは初期変位
にほぼ比例するので、本例の発電装置は、振動片21と
加振装置30、すなわち、回転部材31と突起32の組
み合わせを選択し、開放電圧Vofが規定電圧Veの5
倍程度になるように設定しておけば回転錘の速度に係わ
らず効率良く充電を行うことができる。従って、ユーザ
ーの腕の動きや回転錘の動きを解析する必要はなく、ユ
ーザー自身の特性や、ユーザーの動作に係わらず充電効
率を上げることができる。そして、回転錘の動きに連動
して複数の振動片に対し振動を励起できるようにしてあ
るので、充電効率の良い条件下でエネルギー伝達効率が
最も良くなるように設定することが可能である。このた
め、本例の発電装置は、回転錘の得た運動エネルギーを
効率良く振動片に入力でき、さらに、その入力エネルギ
ーによって得られた電気エネルギーで効率良く蓄電部を
充電できるので、非常に効率が高く、発電能力の高い発
電装置である。
【0032】また、本例の発電装置においては、複数の
振動片が順々に加振され、発電が行われる。このため、
図6に示すように、本例の発電装置20の振動片21.
1〜21.nは、それぞれ異なったタイミングで振動が
励起されるので、ある時刻においてそれぞれの振動片2
1.1〜21.nから出力される電圧(起電圧)は異な
る。従って、本例の発電装置20においては、個々の振
動片21.1〜21.nに対応して整流回路50.1〜
50.nを設け、起電圧の異なる振動片の間に電流が流
れて実際に得られる電圧が減少するのを防止している。
特に電圧の位相が逆になっている振動片同士からは電力
を得ることができなくので、本例の発電装置20のよう
に、個々の振動片21.1〜21.n毎に整流回路5
0.1〜50.nを設けることにより逆流を防止し個々
の振動片から所定の起電圧の電力を得られるようにする
ことが望ましい。
【0033】さらに、本例の発電装置20においては、
整流回路50.1〜50.nを介して、複数の振動片2
1.1〜21.nを電力線54aおよび54bによって
並列に接続し、大きな電流が得られるようにしている。
圧電体を用いた発電装置は、比較的高い電圧は得られる
が、個々の圧電体から得られる電流密度は非常に少な
い。本例のように複数の圧電体を用いた振動片を並列に
接続することによって、大きな電流を得られるので、計
時装置あるいはその他の処理装置を動かすのに十分な供
給電力を確保できる。
【0034】さらに、本例の発電装置20においては、
蓄電部4を構成するコンデンサー5の一方の側にダイオ
ード9などの逆流防止素子を設けて、蓄電部4からのリ
ーク電流も防止するようにしている。すなわち、整流回
路50に用いられているPN接合59には微小ながら逆
リーク電流が存在する。このため、複数の整流回路50
を並列に接続すると、その数に応じて逆リーク電流が大
きくなり、蓄電部4に蓄積された電力の損失の一因にな
ることが考えられる。そこで、本例の腕時計装置10に
おいては、蓄電部4を構成するコンデンサー5の一方の
側にダイオード9などの逆流防止素子を採用した逆電流
防止部8を設け、複数の整流回路50が並列に接続され
た回路系を採用した場合に問題となる逆リーク電流の増
加を未然に防止している。
【0035】以上のように、本例の発電装置20は図1
に示したドーナッツ型をした円盤状の半導体基板15の
内側に複数の振動片21を放射状に取り付け、これらの
振動片21に回転錘13の運動エネルギーを順々に加え
ることによってエネルギー伝達効率を高めている。本例
の腕時計装置10のように、回転運動を行う回転錘13
を備えた携帯型の装置においては、回転錘13と共に動
く回転部材31によって振動片21を加振する加振装置
30を形成することによって、複雑な伝達機構やベアリ
ングを省略することができる。また、回転部材31の周
囲に沿って複数の振動片21を配置できるので、ケース
1内における振動片の配置スペースの確保も容易であ
り、例えば、本例のように回転錘13に対し時計の表示
部7の反対側の裏面ケース2に面した非常に薄い空間に
振動片21と回転部材31を収納することが可能であ
る。さらに、回転部材31の周囲に振動片21を配置す
ることによって、回転部材31の外周部に設けた複数の
突起32の各々で複数の振動片21を、複数の場所から
順々に加振し、図8(c)に示したようなより連続して
エネルギーを入力することができる。
【0036】また、回転部材31の周囲に放射状に振動
片を配置することによって、先端23に比べて基端24
の側の幅が広い本例のような振動片21を配置し易くな
る。基端24の側の幅の広い振動片を採用することよっ
て、振動によって変位する量の大きな部分に多くの発電
体層を設けることができるので、電気機械結合係数が高
く、より発電効率の高い発電装置とすることができる。
【0037】また、本例の発電装置20においては、こ
れらの振動片21を、シリコン製などのドーナッツ状の
半導体基板15に取り付け、この半導体基板15に集積
回路装置の製造技術を用いて複数の整流回路50を形成
してある。従って、整流回路50が非常にコンパクトに
製造でき、振動片21や整流回路15と一体となった発
電装置をケース1の内部の薄い空間に設置することがで
きる。このため、ケース1の内部に、計時装置6を構成
する機構や、蓄電部4を構成するコンデンサー5を設置
するために十分なスペースを確保することができ、小型
の腕時計装置10の内部に大型で大容量のコンデンサー
5を配置できる。また、通信機能などを含めた多機能の
計時装置6をケース1の内部に収納することも可能であ
る。
【0038】なお、本例の発電装置20においては、図
3ないし図5に示したようにワイヤーボンディング52
によって振動片21と整流回路50を接続してあるが、
接続方法はこれに限定されず、例えば、振動片21の+
および−の電極25bおよび25cを整流回路50の入
力電極51aおよび51bに直に取り付けるなどの方法
も採用できる。さらに、本例の振動片21は、1層の圧
電体層22によって形成されたユニモルフタイプである
が、2層以上の圧電体を積層したバイモルフタイプであ
ってももちろん良く、さらに、燐青銅などを支持層とし
て挟み込んだ振動片であっても良いことはもちろんであ
る。
【0039】図10には、半導体基板15の内周部を櫛
歯状に内側に延ばして支持層16を形成し、この支持層
16の両側に2層の圧電体層22aおよび22bを積層
して振動片21を形成した例を示してある。このような
半導体基板15と振動片21とを一体化して製造するこ
とはCVDなどの集積回路を製造する公知の技術によっ
て可能である。このような製造方法を採用することによ
り、より薄く、集積化の進んだ発電装置を形成すること
ができ、さらに小型で携帯用機器に適した発電装置を提
供することができる。
【0040】また、図10に示した回転部材31におい
ては、突起32を回転部材31の上方に向かって設けて
ある。
【0041】さらに、図11には、円盤状の半導体基板
15を採用し、この周囲に外側に向かって櫛歯状に複数
の振動片21を取りつけ、これらの振動片21の外側を
回転部材31が回転し、突起32などによって振動片2
1に変位が与えられる発電装置の例を示してある。図1
1に示した発電装置は、回転部材31の内側に振動片2
1を放射状に配置することによって、比較的高価な半導
体基板を小さく、また、円盤状に成形できるので、より
安価に製造することが可能である。このように、本発明
の発電装置においては、上記の例に限らず回転部材31
にも様々な構造のものを採用することができる。また、
加振装置を構成する回転部材31は回転錘13に直結さ
れたものに限定されることはなく、輪列などを用いて回
転錘13の動きを増速して回転部材31に伝達し振動片
を加振する周期を短縮することも可能である。
【0042】図12に、複数の振動片21が並列に配置
された本発明の実施例を示してある。本発明の発電装置
においては、複数の振動片21が円周方向に配置される
代わりに直線的に加振装置35の動く方向に沿って配置
されており、上下に加振装置35が動くと振動片が順々
に加振されるようになっている。このような発電装置
は、例えば、車などに搭載されて、車の振動などによっ
て不図示の重りが上下に振動する装置に搭載される発電
装置として適している。重りに連動して加振装置を動作
させて、上下に配置された振動片21に順々に振動を与
えることによってエネルギー伝達効率が高く、発電能力
の高い発電装置を提供することができる。もちろん、振
動片21の配置は本例のように2列に限定されず、1
列、あるいは3列以上であっても良い。同様に、振動片
が円形に配置される場合も、振動片を2層あるいは3層
以上に配置し、エネルギー伝達効率を高めることも可能
である。
【0043】なお、上記の実施例においては、圧電体層
を構成する素材としてPZT(商標)を用いているが、
チタン酸バリウム系やチタン酸鉛系などのセラミック素
材、さらに、水晶やニオブ酸リチウムなどの単結晶、さ
らに、PVDFなどの高分子素材であってももちろん良
い。
【0044】また、本発明は上記の実施例で説明した時
計装置に限定するものではない。時計以外の処理装置を
収納した携帯型電子機器としては、例えばページャー、
電話機、無線機、補聴器、万歩計、電卓、電子手帳など
の情報端末、ICカード、ラジオ受信機などがあり、こ
れらの携帯型電子機器に本発明の発電装置を適用し、こ
れらの処理装置に対し十分な電力を供給することが可能
である。そして、これらの携帯型の電子機器に本発明の
発電装置を採用することにより、人間の動きなどを捉え
て効率良く発電を行い、電池の消費を抑制したり、ある
いは電池その物を不要にすることも可能である。従っ
て、ユーザーは電池切れを心配せずに、これらの携帯型
電子機器を使用することができ、電池切れによってメモ
リーに記憶した内容が失われるなどのトラブルも未然に
防止できる。さらに、電池や充電装置が容易に入手でき
ない地域や場所、あるいは災害などによって電池の補充
が困難な事態であっても携帯型電子機器の機能を発揮さ
せることが可能となる。
【0045】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明は、圧電
体層を備えた振動片を振動させて発電を行う発電装置に
おいて、複数の振動片を設け、回転錘などの重りと連動
して動く加振装置によってこれら複数の振動片に対し順
々に変位を与えた後に開放し、振動を励起することによ
って発電をおこなっている。従って、重りの運動エネル
ギーによって振動片に変位が与えられる頻度が大幅に増
えるので、重りの運動エネルギーを振動片に伝達する機
会が増加し、回転錘などの重りの得た運動エネルギーを
効率良く振動片に伝達することが可能となる。このた
め、本発明により、重りの得たエネルギーの機械的な損
失や、重りの得たエネルギー同士がキャンセルしてしま
う事態を防止し、重りの運動エネルギーから振動片に伝
達される入力エネルギーを増加させることができる。従
って、本発明に係る発電装置は、回転錘などで発生した
運動エネルギーを効率良く振動片の入力エネルギーとし
て利用でき、圧電体を用いて発電を行える。さらに、ほ
ぼ一定の変位を振動片に与えて発電を行わせることがで
きるので、充電効率の最も良い開放電圧、あるいはその
近傍に発電装置をチューニングすることが可能であり、
発電能力が高く発電効率の良い発電装置を実現できる。
このため、圧電体を用いた小型で軽量の腕装着型機器な
どの携帯用電子機器および携帯用電子機器に適した発電
装置を提供することができる。
【0046】さらに、本発明においては、回転錘と共に
動く回転部材を加振装置として採用し、この回転部材の
外側あるいは内側に沿って、整流回路の形成された半導
体基板に複数の振動片を放射状に取り付けて薄く小型の
発電装置を実現している。また、本発明の発電装置は、
各々の振動片から効率良く電力を取り出せるように個々
の振動片に対応した整流部を設け、逆リーク電流を防止
するなど複数の振動片を採用した発電装置に適した構成
を採用して圧電体を用いた小型で発電能力の高い発電装
置を実現している。このように、本発明の発電装置によ
って、ユーザーの腕の動きなどを捉えて得た運動エネル
ギーを効率良く振動片に伝達することが可能となるの
で、小型・携帯用機器に十分な電力を供給できる発電装
置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る圧電体層を備えた複数の
振動片を有する発電装置および腕時計型装置の概略構成
を示す図である。
【図2】図1に示す発電装置および腕時計型装置の概略
構成を示す断面図である。
【図3】図1に示す発電装置を拡大して下方から見た様
子を示す平面図である。
【図4】図1に示す発電装置を拡大して側方から見た様
子を示す側面図である。
【図5】図1に示す発電装置を先端方向から拡大して、
一部の断面を含めて示す図である。
【図6】図1に示す発電装置の電力系統を示す図であ
る。
【図7】単一の振動片を採用した発電装置の電力系統を
示す図である。
【図8】本発明の発電装置において回転錘の運動エネル
ギーが伝達される様子を模式的に示す図であり、図8
(a)は単一の振動片に運動エネルギーを与えるモデル
を示し、図8(b)は複数の振動片に運動エネルギーを
与えるモデルを示し、図8(c)は複数の振動片に連続
して運動エネルギーを与えるモデルを示す。
【図9】振動片を用いた発電装置において、充電効率が
振動初期の開放電圧と蓄電部の規定電圧の比によって変
化する様子を示すグラフである。
【図10】本発明に係る異なる実施例の発電装置を示す
図であり、図10(a)は側面図であり、図10(b)
は下方から見た平面図である。
【図11】本発明に係る、振動片を回転部材の内側に設
置した異なる実施例の発電装置を示す図である。
【図12】本発明に係る、振動片を直線的に配置した異
なる実施例の発電装置を示す図である。
【符号の説明】
1・・ケース 2・・裏面ケース 4・・蓄電回路 5・・コンデンサー 6・・処理装置(計時装置) 7・・表示部(文字板) 8・・逆流防止回路 9・・ダイオード 10・・腕時計装置 13・・回転錘 14・・出力電極 15・・半導体基板 16・・半導体基板から内側に突出した支持層 20・・発電装置 21・・振動片 22・・圧電体層 23・・振動片の自由端(先端) 24・・振動片の固定端(基端) 25・・振動片に積層された電極 30、35・・加振装置 31・・回転部材 32・・突起 50・・整流回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古畑 誠 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 宮崎 肇 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電体層を備えた複数の振動片と、所定
    の方向に運動する重りと、この重りに連動して前記振動
    片に対し順々に変位を与え、その後に開放して前記振動
    片に振動を励起する加振装置と、振動中の前記圧電体層
    で発生した電力を出力する出力手段とを有することを特
    徴とする発電装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記出力手段は、前
    記振動片から出力された交流を直流に変換する複数の整
    流部を備えており、これらの整流部が前記振動片と1対
    1に接続されていることを特徴とする発電装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記振動片は半導体
    基板上に装着されており、この半導体基板に前記整流部
    が形成されていることを特徴とする発電装置。
  4. 【請求項4】 請求項2において、前記整流部から出力
    された直流を蓄積する蓄電部を有し、前記整流部は前記
    蓄電部に対し並列に接続されていることを特徴とする発
    電装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記蓄電部に直列に
    接続された逆流防止部を有し、前記整流部は前記逆流防
    止部に対し並列に接続されていることを特徴とする発電
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項1において、前記出力手段が2次
    側に出力する規定電圧に対し、前記規定電圧のほぼ5倍
    の開放電圧が前記複数の振動片の各々の振動開始時に前
    記振動片において高頻度で発生することを特徴とする発
    電装置。
  7. 【請求項7】 請求項1において、前記加振装置は前記
    重りと共に動き、前記複数の振動片が前記重りの運動方
    向に沿って配置されていることを特徴とする発電装置。
  8. 【請求項8】 請求項1において、前記加振装置は加振
    用の少なくとも1つの突起が形成された回転部材を備え
    ており、前記複数の振動片は前記回転部材の回転中心に
    対し放射状に配置されていることを特徴とする発電装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、前記回転部材の内側
    あるいは外側の少なくともいずれか一方に沿って櫛歯状
    に複数の前記振動片が配置されていることを特徴とする
    発電装置。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の発電装置と、この発
    電装置から出力された前記電力によって処理を行える処
    理装置とを有することを特徴とする携帯型電子機器。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の発電装置と、この発
    電装置を収納する腕装着型のケースとを有し、前記重り
    は前記ケース内を回転運動する回転錘であり、前記加振
    装置は加振用の少なくとも1つの突起が形成された回転
    部材を備えていることを特徴とする携帯型電子機器。
  12. 【請求項12】 請求項11において、前記ケースの一
    方の側に面する表示部を備えた計時装置を有しており、
    前記複数の振動片は前記回転錘に対し、前記表示部と反
    対側の前記ケースの他方の側に面して配置されているこ
    とを特徴とする携帯型電子機器。
  13. 【請求項13】 請求項11において、前記回転部材は
    前記回転錘と共に回転し、前記振動片は前記回転部材の
    回転中心に対し放射状に配置されていることを特徴とす
    る携帯型電子機器。
  14. 【請求項14】 請求項13において、前記回転部材の
    内側あるいは外側の少なくともいずれか一方に沿って櫛
    歯状に複数の前記振動片が配置されていることを特徴と
    する発電装置。
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