JPH10229684A - 圧電発電装置および携帯機器 - Google Patents

圧電発電装置および携帯機器

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JPH10229684A
JPH10229684A JP9030336A JP3033697A JPH10229684A JP H10229684 A JPH10229684 A JP H10229684A JP 9030336 A JP9030336 A JP 9030336A JP 3033697 A JP3033697 A JP 3033697A JP H10229684 A JPH10229684 A JP H10229684A
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JP
Japan
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piezoelectric
hammer
piezoelectric body
power generating
energy
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Application number
JP9030336A
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English (en)
Inventor
Makoto Furuhata
誠 古畑
Tsukasa Funasaka
司 舩坂
Taiji Hashimoto
泰治 橋本
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】圧電体層を備えた振動片を加振して発電を行う
発電装置において、加振装置から振動片へのエネルギー
の伝達効率を改善し、さらに、振動片の機械エネルギー
から電気エネルギーへの変換効率も上げて、腕などの動
きによって効率よく発電を行う。 【解決手段】 振動片4a、4bの圧電体2,3の硬さ
(Young率)を、固定部25a,25bや板14
a,14bよりも柔かく(Young率を低く)し、か
つ圧電体2,3は歪方向と分極方向を同じにする。これ
によって、固定部25a,25bへのエネルギー漏れを
小さくできるので、加振装置12から振動片4a,4b
へのエネルギー伝達効率を大幅に向上できる。さらに、
電気機械変換の縦効果を使うので、圧電体2,3に蓄え
られた歪みエネルギーは、高い変換効率で電気エネルギ
ーに変換できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、時計・ページャー
・携帯電話など全ての携帯機器の電源として使用可能な
圧電発電装置と、その圧電発電装置を組み込んだ携帯機
器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧電体を用いて発電を行う装置は、これ
までにも幾つか提案されている。例えば、実開平6−7
6894号公報の1ページ5行から10行に記載されて
いるように、人の腕の動きによって回転錘を回し、この
運動を輪列を用いて錘の揺動の動きに変えて、揺動した
錘で圧電体を叩く構造が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来の構造では、入力された運動エネルギーのうち多く
が固定部分に歪みエネルギーとして蓄積されてしまい、
発電に寄与する圧電体に蓄積される歪みエネルギーは少
なくなる。さらに、一般に圧電体は、歪みエネルギーと
電気エネルギーの間の変換効率は低いので、圧電体に蓄
えた歪みエネルギーは、ほんの一部が電気エネルギーに
変換されるだけである。つまり、衝突するだけではとり
だせる電気エネルギーは少なく、圧電体に歪みエネルギ
ーとして残ったままである。この残っている歪みエネル
ギーを電気エネルギーに変換する工夫が必要である。こ
の2点から、運動エネルギーから電気エネルギーへの変
換効率はかなり低い。従って、必要な発電量を得るに
は、かなり激しく携帯機器を振ってやる必要がある。こ
のことから、従来の技術のままでは、日常の生活の中で
携帯機器を駆動するほどの電荷を得るのは難しい。
【0004】また、圧電体が複数ある場合は、交流起電
圧の位相が異なるため、お互いの電圧が相殺されて効率
がさらに低下してしまう。
【0005】本発明は、このような課題を解決するもの
で、その目的とするところは、運動エネルギーから電気
エネルギーへの変換効率の高い発電機によって、日常生
活で携帯機器の動力を駆動するのに十分な電力が供給で
きる発電装置と、その発電装置を組み込んだ携帯機器を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】日常の生活のなかで運動
エネルギーを電気エネルギーに効率良く変換し、携帯機
器を駆動するに足りる電荷を得るために、入力される運
動エネルギーをできるだけたくさん圧電体の歪みエネル
ギーに蓄えさせる。さらに、縦効果の振動を積極的に利
用することで、蓄えた歪みエネルギーをできるだけ多く
の電気エネルギーに変換する。この2手法によって、日
常生活程度の運動エネルギーから、携帯機器を駆動する
に十分な電気エネルギーを得る。
【0007】本願の発明者らは、圧電体と固定部の硬さ
(Young率)の組み合わせ方によって、入力された
運動エネルギーが圧電体と固定部に歪みエネルギーとし
てある場合で蓄積されることを見出した。そこで、圧電
体に効率よく歪みエネルギーを与えるには、少なくとも
圧電体は固定部よりも柔らかい(Young率が低い)
ことが必要である。このことから、入力されたエネルギ
ーのうち少なくとも半分以上は圧電体の歪みエネルギー
になるようにするために、以下の式のような関係の固定
部の材質と圧電体の組み合わせを選んだ。
【0008】(圧電体のYoung率)/(固定部のY
oung率)<1また、圧電体は横効果を用いると電気
機械結合係数が低いので、歪方向と分極方向を一致させ
て、縦効果を用いた。
【0009】圧電体が複数ある場合は、個々の圧電体に
整流回路を取り付けることで電圧の相殺を防いで2次電
池に効率良く電荷を蓄えることができる。
【0010】さらに、圧電体の縦効果は1回の変換効率
が大きいので電圧が高くでる。そこで、圧電体を積層化
することで電圧を落として電荷を増やすことを考えた。
このとき、圧電体を直列に接続しては電圧値が増えて電
荷は少なくなるので、並列接続を行うことで電圧を落と
し、電荷を増やした。すなわち、降圧回路を取り付けた
のと同じ効果が得られる。また、柔かい圧電体は厚くつ
くることが困難なので薄い圧電体を積層化することが製
造上も望ましい。
【0011】また、ハンマーで圧電体を直接叩くと圧電
体が摩耗・破損を起こしやすい。さらに圧電体が柔かい
ので一部分が変形して歪みが偏るので電気変換のために
も損失が大きい。そこで、接触面に板を貼り付けて圧電
体への力の掛り方を均一にする。また、圧電体に歪みエ
ネルギーが充分に蓄えられるために板は圧電体よりも硬
い(Young率の大きい)ものを使用する。さらに、
圧電体の縦効果は振動周波数が高いので、振動1回にか
かる時間は圧電体にとりつける整流回路中のダイオード
の立ち上がり時間より短い。従って、整流回路中のダイ
オードなど電気素子の立ち上がり時間より短い間に、歪
みエネルギーから電気への変換が終わる。これでは、せ
っかく発生した電荷を2次電池に蓄えることができな
い。
【0012】しかし、板の重さを調整して縦効果の振動
周波数を下げることで、振動1回にかかる時間を電気素
子の立ち上がり時間より長くできる。板のないときの縦
振動の周波数をf、板の重さをm、電気素子の立ち上が
り時間をtとすると、 t<<1/(f/sqrt(m)) となるように、板の重さmを決めることで前記のことが
実現できる。実際には、右側の項はtより1桁以上大き
いくらいが望ましい。
【0013】しかし、板の重さが軽すぎると、ハンマー
と衝突を起こしたあとに、板と圧電体からなる振動部の
振動周波数が高くなり、ハンマーが再度戻ってくる前
に、さらに2次衝突を起こす。従って、これを防ぐため
には振動部の等価質量はハンマーよりも大きいことが必
要である。
【0014】ハンマーと固定部の関係を逆にして、ハン
マーを圧電体にして固定部はこの圧電体以外の材質にす
ることも可能である。この場合、固定部が振動面以外に
なるので入力された運動エネルギーはハンマーに入りや
すい。このときも、ハンマーの歪方向と分極方向を一致
させることで縦振動を利用できる。さらに、歪方向に積
層化して並列に接続することで大きな電荷が取り出せ
る。また、ハンマーの固定部との接触面に板を取り付け
ることで圧電体の摩耗・破損を防ぎ、ハンマーを構成す
る圧電体に等分布の過重ができる。縦振動の高い周波数
を板の重さで下げて整流回路中のダイオードの立ち上が
り特性よりも1回の振動にかかる時間を長くできる。ま
た、ハンマーと板からなる振動部は、その等価質量を板
の重さで調整して固定部の等価質量より大きくすること
で、2次衝突を防ぐことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、図を参照しながら本発明
をさらに詳しく説明する。
【0016】(実施例1)図1に本発明の一実施例に係
る発電装置を備えた腕装着型の携帯機器の概要を示して
ある。本例の携帯機器1は、圧電体2・3を備えた振動
子片4a,4bからなる発電装置5と、振動片4a,4
bが振動して得られた交流電流を整流する整流回路6
と、整流された電流を蓄積する蓄電回路7を備えてい
る。また、実際には、時計やラジオ、ページャーあるい
はパソコンなどの機能を備えた電気機器が蓄電回路7と
並列に接続されている。
【0017】また、本例では、蓄電回路7にコンデンサ
8を用いているが、2次電池などの電力蓄積能力を備え
たものであれば良い。整流回路6は、本例のようにダイ
オード9を用いた全波整流に限定されず、半波整流であ
っても良く、インバータなどを用いた整流回路であって
ももちろん良い。図1では本例の携帯型機器を概念図を
用いて示してあるが、整流回路6、蓄電回路7などは、
後記する駆動系11と平面的に重なるように配置されて
おり、装置全体の小型化が図られている。
【0018】本例の発電装置5は、圧電体を備えた振動
片4aと4bに振動を与える加振装置12を備えてお
り、この加振装置12が駆動系11によって駆動される
ようになっている。振動片4a,4bは、加振装置12
と衝突しない面を地板13に固定され、加振装置12と
の衝突面には金属製の板14a,14bを備えている。
この板14a,14bは金属に限らずセラミックやプラ
スチックなど圧電体2,3より硬いものであれば良い。
加振装置12が板14a,14bに衝突すると、振動片
4a,4bの固定側が振動の固定端になり衝突面側が振
動の自由端になって振動片4a,4bは自由振動する。
振動に伴って、振動片4a,4bの圧電体2と3に繰り
返し変位が与えられ、圧電体2と3に蓄積された歪みエ
ネルギーが電気エネルギーに変換されるので起電力が発
生する。
【0019】本例の駆動系11は、ケース15の内部で
回転運動を行う回転錘16を備えており、腕時計として
装着された際にこの回転錘16がユーザーの腕や体の動
きなどに呼応して回転し、その力を利用して振動片4
a,4bに振動を与えるようにしている。また、本例の
駆動系11には回転錘16の運動を増速して加振装置1
2に与えるように図2に示す構成の輪列17を設けてあ
る。回転錘16の動きは、輪列17を構成する回転錘車
18によって中間車19に伝達され増速される。この中
間車19は、駆動レバー車20と噛み合っており、回転
錘16の動きによって中間車19および駆動レバー車2
0が回転する。そして、駆動レバー車20の歯21は駆
動レバー22の歯23の内側にあたる。すると駆動レバ
ー22の歯23は駆動レバー車20の進行方向に弾かれ
る。そして、駆動レバー22の先についたハンマー24
が振動片4a,4bに衝突し弾かれ、その進行方向を逆
にして、反対側の振動片4aまたは4bにハンマー24
が衝突する。次に、駆動レバー車20がさらに回転する
と今度は駆動レバー22の歯23の外側に駆動レバー車
20の歯21が当たる。そして、駆動レバー22の歯2
3が駆動レバー車20の進行方向に弾かれる。すると、
前記と同様にハンマー24が振動子片4aまたは4bと
衝突する。この繰り返しによって回転錘16の動きを振
動片4aと4bに伝達できる。このような輪列17によ
って、例えば、回転錘16がユーザーの手首などの動き
を捉えて1Hz程度で動くと、この動きを50Hz程度
まで増速して加振装置12に伝達できる。本例の加振装
置12では、駆動レバー車20の歯21のうち1つが駆
動レバーを2回叩くので、振動片4a・4bには100
Hz程度の単位で衝撃が印加され、これによって2KH
z程度の振動が振動片4aと4bに励起されるようにな
っている。なお、上記の周波数は例示であって、これら
の周波数に本実施例が限定されるものでないことはもち
ろんである。
【0020】図1の発電装置5の振動片4aと4bに対
して回転錘16の様に大きな運動エネルギーを持つもの
で直ちに加振すると破損する。これを防ぐために振動片
4a,4bを大型化する必要がある。これに対し、本例
のように輪列17を用いて回転錘16の動きを増速する
と、回転錘16の持つ運動エネルギーを分割して振動片
4a,4bに印加することができ、破損の防止と振動片
4a,4bの小型化が可能となる。
【0021】図3に固定部25a,25bと圧電体2,
3の硬さ(Young率)の比とハンマー24から入力
される運動エネルギーの固定部25a,25bへのエネ
ルギー漏れの関係を示してある。図3から判るように、
固定部25a,25bより圧電体2,3が柔かい程(す
なわち、圧電体2,3の固定部25a,25bとのYo
ung率の比が1より小さい程)、ハンマー24から入
力される運動エネルギーは圧電体2,3により多くの歪
みエネルギーとして蓄積される。例えば、図3から読み
取ると、固定部25a,25bに鉄を、圧電体2,3に
PZTを使用すると、固定部25a,25bへのエネル
ギー漏れは30%程度ある。すなわち、ハンマー24か
ら入力された運動エネルギーは圧電体へは60%程度し
か蓄積されない。従って、本実施例では、固定部25
a,25bに鉄を使用し、圧電体2,3にはPVDFを
使用した。すると、図3から読み取ると、固定部25
a,25bへのエネルギー漏れは2%程度しかない。つ
まり、ハンマー24から入力される運動エネルギーのう
ち90%以上が圧電体2,3に蓄えられる。また、固定
部25a,25bに鉄、圧電体2,3にSbSIを用い
ることによっても、固定部25a,25bとのYoun
g率の比は1より十分小さいので、多くの入力エネルギ
ーを圧電体2,3に蓄えられる。
【0022】図4に圧電体2,3の歪方向が圧電体2,
3の分極方向と平行になる関係を示してある。図4から
判るように、ハンマー24で圧電体2及び3を叩くの
で、圧電体2,3の歪方向はハンマー24の振れる方向
と平行である。さらに、ハンマー24の振れる方向と平
行になるように、圧電体2及び3の分極方向は設定し
た。従って、圧電体2・3の歪方向は分極方向と平行に
なる。すなわち、縦効果になるので、電気機械の変換効
率は圧電効果のなかで最も大きい。
【0023】図5に圧電体2・3に整流回路26a,2
6bが取り付けられている例を示してある。図5から判
るように、圧電体2・3に各々整流回路が取り付けられ
ているので、圧電体2・3の励起電圧を合成するとき
に、お互いに干渉して打ち消しあうことはなくなる。
【0024】図6には圧電体2・3の発電起電圧及び蓄
電回路7の充電電圧を示してある。図7に示すように、
圧電体2・3の発電起電圧は位相がズレるので単純に重
ねあわせると電圧が打ち消しあってしまう。図6には、
図5で説明したように、各々の圧電体2,3に整流回路
26a,26bをとりつけて蓄電回路7に充電したとき
の充電電圧を示した。
【0025】図7には図6の圧電体2と3の起電圧を同
じグラフにプロットした。一方の圧電体(例えば圧電体
2)の電圧が高いときには、他方の圧電体(例えば圧電
体3)の電圧は減衰して低いので重ねあわせても、ほと
んど一方の(この場合は圧電体2の)電圧になる。しか
し、もしも、一方の圧電体の電圧が十分減衰していない
ために、両方の圧電体の電圧が近く、さらに、電圧の符
号が逆であるとき(一方は正の電圧なら、他方は負の電
圧のとき)は足しあわせると電圧は相殺されてかなり小
さな値になる。実際には、振動の位相を制御して電圧の
符号を同じにすることはかなり困難であるので、一方の
圧電体が振動させるときには、他方の圧電体の振動は十
分に減衰している必要がある。本実施例では圧電体の減
衰時間を考慮して、2つの圧電体を交互に加振するよう
に設定を行った。すなわち、圧電体の減衰時間をt1と
するとき、ハンマーで2つの圧電体を加振する時間間隔
t2は、t2≒t1となる。
【0026】図8に圧電体2・3がそれぞれ積層されて
いる例を示してある。さらに、積層した圧電体2,3を
並列に接続する例を示した。縦効果を使うので圧電体か
ら励起される電圧は高い。これを下げて電流を多くする
方が実用的である。このために、積層された各々の圧電
体2,3は並列接続されている。これには降圧の効果も
あるので、別に降圧回路を設ける必要がない。
【0027】図9に圧電体2のハンマー24との衝突面
に板14aをつけた例を示してある。圧電体2をハンマ
ー24で直接叩くと、破損・摩耗のために圧電体の寿命
が短くなるのでこれを防ぐ目的である。さらに、圧電体
2・3は柔かいので局部的に変形が可能である。しか
し、局部的に変形することは急激に変化する歪エネルギ
ー分布、すなわち急激に変化する電位分布を生じるた
め、これを平均化するために電気機械変換効率が下が
る。これは、エネルギーを取り出すうえで得策ではな
い。従って、図9に示したように板14aと圧電体2を
貼り付ける面は平坦にして、局所的な変形によるエネル
ギー蓄積のロスを防いでいる。さらに、図3で示したの
と同様に板14aは圧電体2よりも硬い材質を用いて、
入力エネルギーを圧電体2の歪みエネルギーとしてより
多く蓄積させている。さらに、図10には振動片4a、
4bとハンマー24の等価質量比Mv/Mhと衝突後次
にハンマー24が輪列17を介して弾かれて衝突するま
でに、再衝突を起こさない条件を、振動片4a、4bと
ハンマー24の間の反発係数をeとして示してある。こ
のグラフは、等価質量比Mv/Mhが図中の直線より大
きいと(直線の上側の領域では)ハンマー24が輪列1
7を介して弾かれて衝突を繰り返す間隔の間に2次衝突
をすることはないが、この直線より小さいと(直線の下
側の領域では)2次衝突をすることを示している。従っ
て、板の重さを調整して、振動片4a,4bの等価質量
Mvをハンマー24の等価質量Mhよりも重くしてい
る。
【0028】図11に、振動片4a,4bの振動回数と
歪みエネルギーから電気エネルギーへの変換効率の関係
を示した。振動が10回以上繰り返されれば、変換効率
は96%以上になる。従って、本実施例では、板の重さ
を調整して振動が10回以上続いたあとに、ハンマー2
4が再度衝突を起こすようにした。また、この振動1回
に要する時間は、ダイオード9などの電気素子の立ち上
がり時間よりも長くなるように設定をして、電荷が蓄電
回路7に蓄積できるように設定した。
【0029】(実施例2)図12にハンマー24が圧電
体である例を示した。この場合は、圧電体27の支持は
振動面ではなく側面を支持するので、衝突による支持部
28へのエネルギーの逃げは少なくなる。さらに、ハン
マー24の被衝突部29a,29bと衝突する面30
a,30bに板31a,31bが貼り付いた例を示し
た。この板31a,31bは、実施例1の場合と同様に
圧電体27の破損や摩耗を防ぎ、圧電体27の寿命を伸
ばす。
【0030】図13に、圧電体27が積層された例を示
した。さらに、積層された圧電体27が並列に接続され
た例を示した。実施例1と同様に、降圧して、電荷を増
やすことが可能になる。また、別に降圧回路は必要なく
なる。
【0031】以上、本発明における実施例を記したが、
本発明は腕時計などの腕装着型の携帯機器に限定するも
のでなく、圧電発電装置を組込むことができる全ての携
帯機器に適用できる。
【0032】
【発明の効果】本発明は、以下のような効果を有する。
【0033】入力した運動エネルギーの大半を、固定部
分に比べて柔かい圧電体(例えば、PVDFやSbS
I)を用いているので、圧電体に歪みエネルギーとして
蓄えられる。
【0034】さらに、蓄えられた歪みエネルギーは振動
を利用することで、ほとんど電荷に変換することができ
る。
【0035】また、個々の圧電体に整流回路をとりつけ
ることで、交流起電圧が干渉して電力が相殺されること
がなくなる。これによって、入力エネルギーを分割する
機構は制約を受けなくなるので、設計が自由にできるよ
うになる。
【0036】圧電体の電気機械変換のなかで最も効率の
高い縦効果を用いるので、歪みエネルギーから電気エネ
ルギーへの変換効率が高く、発電効率の高い小型携帯機
器が提供できる。
【0037】さらに、この積層した圧電体を並列に接続
することで、電圧を下げて電流を上げることができるの
で、2次電池に充電しやすい。ここで重要なのは、降圧
回路が積層した並列接続の圧電体に含まれるので、別に
降圧回路は用意する必要がなくなることである。
【0038】また、圧電体の表面に板をつけるので、ハ
ンマーとの衝突の時の保護になり圧電体の破損や摩耗が
防げる。このため、発電機の寿命が伸びる。
【0039】さらに、板の重さを調整して、電気素子
(ダイオードなど)の立ち上がり時間より長くなるまで
振動部の縦効果の振動周波数を下げたので、発電した電
荷を効率よく2次電池に蓄積できる。
【0040】また、この接触板も圧電体より硬いので、
入力エネルギーは大部分が圧電体の歪みエネルギーとし
て蓄えられるので、発電効率が良くなる。
【0041】ハンマーと圧電体を含む振動部の等価質量
を合わせるか振動部の等価質量を重くすることで、ハン
マーとの2次衝突が防げる。これによって、大きなエネ
ルギーのロスの1つがなくなる。
【0042】また、接触板と圧電体が平面で接合される
ので、圧電体には均一に力が加わり、均一に変形するた
め、歪みエネルギーとしては効率よく蓄えられる。
【0043】また、ハンマーを圧電体にして、衝突する
ものをこの圧電体以外の材質にすることで、固定する部
分が振動面でなく圧電体の側面なので振動漏れが小さく
なる。
【0044】また、ハンマーを支える腕(アーム)に蓄
えられる歪みエネルギーはハンマーが繰り返し衝突する
ことで圧電体に歪みエネルギーとして与えられる。した
がって、さらに効率は上がる。もちろん、この場合も、
積層化して並列接続にすること、歪方向と分極方向をあ
わせて縦効果を使うこと、整流回路を個々の圧電体につ
けるなどで効率はこれまでと同様にあげることができ
る。
【0045】以上の効果によって、運動エネルギーから
電気エネルギーへの変換効率の高い発電機が提供でき
る。特に、圧電発電機は小型化が可能であるので携帯機
器への適用が容易である。従って、日常生活で携帯機器
の動力を駆動するに充分な電力が供給できる発電装置と
それを組み込んだ携帯機器が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る圧電体を備えた振動片
を有する発電装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1に示す発電装置の駆動系および加振装置の
構成を拡大して示す図である。
【図3】固定部に逃げるエネルギーが圧電体と固定部の
硬さ(Young率)の比によって変化する様子を示す
図である。
【図4】図1に示す発電装置の加振装置と振動片の構成
を拡大して示す図である。
【図5】図1に示す発電装置の振動片と整流回路の構成
を拡大して示す図である。
【図6】2つの圧電体の起電圧と、2つの圧電体による
起電圧を蓄電する蓄電回路の充電電圧を示す図である。
【図7】2つの圧電体の起電圧を単純に重ね合わせた図
である。
【図8】図1に示す発電装置の積層した圧電体を有する
振動片と整流回路の構成を拡大して示す図である。
【図9】図1に示す振動片の、ハンマーとの接触部に板
を有する構成を拡大して示す図である。
【図10】ハンマーが振動片と再衝突しない条件を、ハ
ンマーの等価質量と振動片の等価質量の関係で示した図
である。
【図11】PZTの発電効率が振動回数により変化する
様子を示す図である。
【図12】本発明の別の実施例に係る発電装置の概略構
成を示す図である。
【図13】発電装置の積層した圧電体を有するハンマー
の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 携帯機器 2、3 圧電体 4a、4b 振動子片 5 発電装置 6 整流回路 7 蓄電回路 8 コンデンサ 9 ダイオード 11 駆動系 12 加振装置 13 地板 14a、14b板 15 ケース 16 回転錘 17 輪列 18 回転錘車 19 中間車 20 駆動レバー車 21、23 歯 22 駆動レバー 24 ハンマー 25a、25b固定部 26a、26b整流回路 27 圧電体 28 支持部 29a、29b被衝突部 30a、30b衝突面 31a、31b板

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの分極方向に変形する圧
    電体、該圧電体を支持する固定部、該圧電体に衝撃を加
    えるハンマーからなる圧電発電装置において、前記固定
    部の弾性定数が、前記圧電体の弾性定数よりも大きいこ
    とを特徴とする圧電発電装置。
  2. 【請求項2】 前記圧電体が高分子圧電体であることを
    特徴とする請求項1記載の圧電発電装置。
  3. 【請求項3】 前記高分子圧電体が、ポリフッ化ビニリ
    デンであることを特徴とする請求項2記載の圧電発電装
    置。
  4. 【請求項4】 前記圧電体が、ヨウ硫化アンチモンであ
    ることを特徴とする請求項1記載の圧電発電装置。
  5. 【請求項5】 前記圧電体の歪む方向が分極方向と平行
    であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記
    載の圧電発電装置。
  6. 【請求項6】 前記圧電体には、個々に整流回路が取り
    付けられていることを特徴とする請求項1ないし5のい
    ずれか記載の圧電発電装置。
  7. 【請求項7】 前記圧電体は、積層されていることを特
    徴とする請求項5記載の圧電発電装置。
  8. 【請求項8】 前記積層された圧電体は、分極方向が交
    互に反転するように重ねられ、電極も交互に極が反対に
    なることを特徴とする請求項7記載の圧電発電装置。
  9. 【請求項9】 前記圧電体は前記ハンマーとの衝突面
    に、該圧電体と異なる材質の接触部を有することを特徴
    とする請求項1ないし8のいずれか記載の圧電発電装
    置。
  10. 【請求項10】 前記接触部は、前記圧電体よりも弾性
    定数率が大きいことを特徴とする請求項9記載の圧電発
    電装置。
  11. 【請求項11】 前記接触部と圧電体からなる振動部の
    等価質量は、ハンマーの等価質量以上であることを特徴
    とする請求項9または10記載の圧電発電装置。
  12. 【請求項12】 前記接触部と圧電体との接合部は、平
    坦であることを特徴とする請求項10記載の圧電発電装
    置。
  13. 【請求項13】 前記ハンマーが圧電体であることを特
    徴とする請求項1記載の圧電発電装置。
  14. 【請求項14】 前記ハンマーの両端面に、ハンマーと
    異なる材質の板状の接触部を有することを特徴とする請
    求項13記載の圧電発電装置。
  15. 【請求項15】 前記接触部は、前記ハンマーよりも弾
    性定数が大きいことを特徴とする請求項14記載の圧電
    発電装置。
  16. 【請求項16】 前記ハンマーを構成する圧電体の歪む
    方向が、分極方向と平行であることを特徴とする請求項
    13ないし15のいずれか記載の圧電発電装置。
  17. 【請求項17】 前記ハンマーを構成する圧電体の分極
    方向と歪む方向は一致し、積層されていることを特徴と
    する請求項13ないし15のいずれか記載の圧電発電装
    置。
  18. 【請求項18】 前記積層された前記ハンマーを構成す
    る圧電体は、分極方向が、交互に反転するように重ねら
    れ、電極も交互に極が反対になることを特徴とする請求
    項17記載の圧電発電装置。
  19. 【請求項19】 前記請求項1ないし18のいずれか記
    載の圧電発電装置を組み込んだことを特徴とする携帯機
    器。
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