JPH1042577A - 発電装置および携帯電子機器 - Google Patents

発電装置および携帯電子機器

Info

Publication number
JPH1042577A
JPH1042577A JP8196797A JP19679796A JPH1042577A JP H1042577 A JPH1042577 A JP H1042577A JP 8196797 A JP8196797 A JP 8196797A JP 19679796 A JP19679796 A JP 19679796A JP H1042577 A JPH1042577 A JP H1042577A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
projection
vibrating
passive
lever
power generator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8196797A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiichi Nagasaka
栄一 永坂
Hajime Miyazaki
肇 宮崎
Osamu Takahashi
理 高橋
Tsukasa Funasaka
司 舩坂
Taiji Hashimoto
泰治 橋本
Makoto Furuhata
誠 古畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP8196797A priority Critical patent/JPH1042577A/ja
Publication of JPH1042577A publication Critical patent/JPH1042577A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電体層を備えた振動片を加振して発電を行
う小型・携帯型の装置に適した発電装置において、薄
く、コンパクトで発電能力の高い発電装置を提供する。 【解決手段】 回転錘13の回転運動を、これと連動し
て回転する駆動突起32と、この駆動突起32と係合し
て加振レバー33の垂直な旋回運動に変換する受動突起
35とを備えた加振機構30を介して垂直方向の振動と
して振動片21に伝達可能にする。これにより回転錘1
3と平行な面内に幅の広い振動片21を収納できるの
で、薄いスペースに発電能力の高い振動片21を配置で
き、加振機構30によって回転錘13の回転エネルギー
を効率良く伝達でき、薄く、コンパクトで発電能力の高
い発電装置を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電体を備えた振
動片を加振して発電を行う発電装置およびこれを備えた
携帯電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧電材料を用いて発電を行う小型の装置
が幾つか提案されており、例えば、実開平6−7689
4号には錘の回転運動を用いてハンマーレバーを駆動
し、圧電材料を叩いて発電する技術が記載されている。
【0003】また、特公昭51−17393には、回転
錘の動きでレバーを振動して圧電素子に静的な変位を与
え発電する技術が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】実開平6−76894
号に記載された技術では、錘の回転運動をハンマーレバ
ーに伝達し圧電材料を叩いているが、その打撃力は地板
に逃げやすいので圧電素子の歪みにならず効率が悪い。
また、打撃によって伝達された機械エネルギーがその時
に発生した歪み分の電気機械結合係数kv2 によって電
気エネルギーに変換されるだけであり、回転錘の運動エ
ネルギーのうち極一部しか電気エネルギーに変換できな
い。また、ハンマーレバーを回転錘の回転によって駆動
させる機構の収納スペースも大きく、腕に装着できるよ
うな小型の装置に電子機器などと共に収納することが困
難である。
【0005】これに対し、特公昭51−17393に記
載されたレバーを振動して圧電素子に変位を与える技術
においては、回転錘の運動エネルギーがレバーの振動エ
ネルギーとして伝達され、レバーに繰り返し発生する歪
みによって電気エネルギーに変換できるので発電効率は
向上する。しかしながら、時計装置などを実際に動かす
ために必要な十分な発電量を得るためには圧電素子の表
面積を増やす必要がある。さらに、振動片が振動する際
の捩じれなどの発生を抑止し、振動を安定させることも
必要である。特公昭51−17393に記載された技術
では、圧電素子の表面積を増大するためにレバーの幅を
広げると回転錘が回転する面と垂直な方向にスペースが
必要となるので、装置が大きくなる。例えば、腕時計で
あると、ケースが非常に厚くなる。また、回転錘の動き
によってレバーをたわめて振動を誘発しているが、レバ
ーの耐久性を向上するにはたわみを小さくして発生する
応力を低く抑える必要がある。腕時計に入るサイズのも
のでは10μm程度以下にたわみを抑えることが望まし
い。また、たわみを与えるといった静的なエネルギーの
伝達方法では回転錘の運動エネルギーによる発電効率を
上げるのは困難である。
【0006】そこで、本発明においては、これらの問題
点に鑑みて、回転錘の運動エネルギーを圧電素子を用い
て電気エネルギーに変換する装置において、全体を薄く
構成でき、また、回転錘の運動エネルギーを効率よく電
気エネルギーに変換できる発電装置を提供することを目
的としている。また、効率良く圧電体に変位を印加する
ことによって発電効率を向上し、発電能力が高く、腕な
どの動きによって十分な発電量を確保できる発電装置を
提供することを本発明の目的としている。そして、効率
の良い発電装置を搭載した携帯電子機器を実現し、何処
でも機能を発揮させることができる携帯電子機器を提供
することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の圧電
体を用いた発電装置においては、回転錘が回転運動する
第1の平面に対しほぼ垂直方向に振動する圧電体層を備
えた振動片と、回転錘の運動により振動片を加振する加
振機構とを設け、振動中の圧電体層で発生した電力を出
力できるようにしている。これにより、回転錘と平行な
広い面内に広がった圧電体層を振動片として設けること
ができるので、薄い空間で圧電体層の面積を十分に確保
でき、発電能力の高い薄くコンパクトな発電装置を実現
できる。さらに、振動時の捩じれなどの発生を防止で
き、安定した振動を維持することができる。例えば、振
動片には、第1の平面に対し平行に延びた、片持ち支持
された板状の部材や、薄膜状の振動片などを採用でき、
片持ち支持された板状の振動片は構成が簡易であり、ま
た、振動を与え易く、耐久性が高いなどの面で優れてい
る。さらに、片持ち支持された振動片は、自由端側より
支持端側の幅を広くすることにより、発生する変位が大
きく発電能力の高い領域の面積を広げ、発電能力が小さ
くロスが発生し易い領域を狭くできるので、発電効率を
向上できる。
【0008】加振機構には、第1の平面と平行に突出し
た少なくとも1つの駆動突起を回転錘の回転に連動して
回転可能な爪車を設け、この駆動突起によって加振レバ
ーを垂直方向に旋回運動させることにより、第1の平面
に平行な回転運動を第1の平面に垂直な動きに変換し、
振動片に対し垂直方向の振動を与えることができる。第
1の平面に対し垂直に延びた突起を備えた部材を回転錘
と平行に回転させて振動片に垂直方向の変位(たわみ)
を与えることも可能であるが、上述したように耐久性の
面でたわみ量を大きくとれず、また、振動片をたわませ
るといった比較的静的なエネルギー伝達となるので、電
気エネルギーを発生する時間が短くなるなどの理由によ
りエネルギー伝達効率は低い。これに対し、加振レバー
を垂直に動かすことにより、振動片に打撃を与えて回転
エネルギーを振動エネルギーとして伝達できるようにす
れば、振動片のたわみを小さくでき、また、電気エネル
ギーへの変換効率も高くなる。打撃によってエネルギー
を伝達するには、加振レバーに垂直方向に突出し駆動突
起と接触する受動突起を設け、爪車の駆動突起によって
受動突起に垂直方向の動きが与えられ、駆動突起と受動
突起が離れた後に加振レバーの打撃部が振動片に当たっ
て垂直方向の打撃が振動片に与えられるようにすること
が望ましい。
【0009】また、受動突起に対し打撃部を駆動突起の
回転円の接線方向に配置することにより、回転錘に発生
した運動エネルギーを駆動突起から効率良く加振レバー
に伝達できる。また、この受動突起が駆動突起に接触す
る接触面を第1の平面に対し+/−約37〜45度傾け
ることにより、さらに運動エネルギーの伝達効率を向上
できる。受動突起の接触面を駆動突起の回転円の時計方
向と反時計方向に面した2方向に設けておくことによ
り、回転錘が何方に回転運動した場合でもその運動エネ
ルギーを加振レバーに効率良く伝達できる。
【0010】また、加振レバーに複数の受動突起を設
け、運動エネルギーの伝達頻度を増加することによって
伝達効率を向上することも可能である。この場合、対峙
して突出した複数の受動突起を設けて、加振レバーを反
対方向に駆動しても振動片に打撃を与えられるように、
振動片に打撃部を挟んだ垂直方向に打撃部と接触する2
つの被打撃部を設けておくことが望ましい。
【0011】また、加振レバーの重心を旋回中心に対し
振動片と反対側にしておくことにより、加振レバーによ
り振動片の損傷を防止できる。すなわち、発電装置ある
いは発電装置を収納した機器に対し落下等により衝撃が
加わると、振動片および加振レバーの重心が同一方向に
動くが、加振レバーの重心を旋回中心に対し振動片と反
対側に設けておくと、加振レバーによって振動片に対し
ては衝撃と反対側の力が働く。従って、振動片が衝撃に
よって折れたり、ひびが入るなどのトラブルを防止する
ことができる。
【0012】さらに、加振レバーの旋回中心にはスラス
トが発生することがある。従って、加振レバーの旋回中
心を支持するシャフトと、このシャフトの両端を基台に
対し支持する2組のラジアル軸受けに加えて、スラスト
加重を基台に対し支持する少なくとも1組のスラスト軸
受けを設けることが望ましい。このスラスト軸受けは、
シャフトの先端に設けることにより、摩擦負荷を軽減で
き、加振レバーの旋回運動における機械的なエネルギー
損失を低減できる。スラスト軸受けは、シャフトの細く
なった先端と、この先端を受けるスラスト受面とで構成
することにより、さらに、摩擦負荷を低減できる。ま
た、スラスト受面を備え基台から分離可能な受け部材を
設け、シャフトをラジアル軸受けに挿入してから嵌め込
めるようにする。ここで、シャフトは、一方の挿入端を
他方の挿入端より長くすることにより、2組のラジアル
軸受けを一体として製造したものに対してシャフトを組
み込むことが可能になる。従って、軸受けの中心誤差精
度を向上でき、また、部品削減して小型化が図れるので
コストダウンおよび省スペースに効果的である。
【0013】さらに、駆動突起の回転運動を垂直方向の
運動に変換するため、加振レバーの旋回中心には駆動突
起の回転円の逆側にスラストが発生しやすい。従って、
駆動突起の回転円の加振レバーに対し逆側に少なくとも
1組のスラスト軸受けを配置し、この逆側のスラスト加
重を基台に対し支持することが望ましい。
【0014】受け部材は一方の面がスラスト受面となっ
た板状の部材を用いることができ、このような受け部材
であれば、基台に受け部材を両面側から支持する固定部
を設けることにより組み込みできる。また、固定部に受
け部材を少なくとも一方の面から他方の面に向かって押
圧して支持するバネ部材を設けることにより、受け部材
を強固に固定できる。さらに、受け部材のスラスト受面
と反対側の面が湾曲している場合は、固定部に反対側の
面の少なくとも一部と係合する部材を設けることにより
受け部材を固定できる。
【0015】このような発電装置は、この発電装置から
出力された電力によって作動可能な処理装置と共に腕装
着型などのケースに収納して携帯電子機器として実現す
ることが可能であり、外部から電力供給がいらず、ま
た、電池交換も不要な携帯電子機器を提供できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施の形態〕以下に図面を参照しながら本発明
をさらに詳しく説明する。図1に本発明の実施例に係る
発電装置を備えた腕装着型の携帯電子機器の概要を示し
てある。また、図2および図3に、発電装置20の振動
片21および加振機構30の詳しい構成を示してある。
本例の携帯電子機器10は、図2に示す圧電体層22a
および22bを備えた振動片21からなる発電装置20
と、振動片21から得られた電力を出力するための振動
片21が振動して得られた交流電流を整流する整流回路
2と、整流された電流を蓄積する蓄電回路4と、さら
に、発電された電流によって計時処理を行う処理装置6
を備えている。処理装置6は、時計部7を駆動したりア
ラーム処理を行うなどの計時処理の他にラジオ、ページ
ャあるいはパソコンなどの機能を備えているものであっ
てももちろん良い。また、本例では、蓄電回路4の蓄電
部としてコンデンサ5を用いているが、2次電池などの
電力蓄積能力を備えたものであれば良い。整流回路2
は、本例のようにダイオード3を用いた全波整流に限定
されず、昇圧整流回路であっても良く、インバータなど
を用いた整流回路であってももちろん良い。図1では本
例の携帯型機器を概念図を用いて示してあるが、整流回
路2、蓄電回路4および処理装置6などは、後述する発
電装置20と平面的に重なる様に配置されており、装置
全体の小型化が図られている。例えば、図3に示すよう
に、大容量のコンデンサー5は、回転錘13の回転スペ
ースと上下に重なって格納されており、また、表示盤1
bで時刻を示す秒針8a、分針8bおよび時針8cを駆
動する機構(不図示)も回転錘13の回転スペースと上
下に重なって配置されている。
【0017】本例の発電装置20は、ケース1の内部で
回転運動を行う回転錘13を備えており、腕時計として
装着された際にこの回転錘13がユーザーの腕や体の動
きなどに呼応して回転し、その力を利用して振動片21
に振動エネルギーを与えられるようにしている。また、
回転錘13の回転運動は、加振機構30によって図1の
上下方向に変換され、回転錘13が回転する平面に対し
垂直方向に振動片21を振動できるようにしている。従
って、本例の発電装置20においては、振動片21とし
て回転錘13が回転する平面に平行に延びた板状の圧電
体層22aおよび22bが積層された板状の部材を採用
することができる。このため、ケース1内の薄いスペー
スで、幅が広く、表面積の大きな圧電体層22aおよび
22bを設置でき、これらを振動させることによって大
きな発電能力が得られるようにしている。なお、以下に
おいて、回転錘13の回転面と平行な方向を水平方向と
称し、この回転面に垂直な方向を垂直方向と呼ぶことに
する。
【0018】本例の振動片21は、片持ち梁(カンチレ
バー)状にネジ27によって地板12に固定されてお
り、振動片21を構成する両側の圧電体層22aおよび
22bは同一の方向に分極した圧電体によって形成され
ている。このように、本例の振動片21は、同一の方向
に分極した圧電体層22aおよび22bを備えたパラレ
ルタイプの振動片21であり、先端を自由端23とし
て、また、ネジ27で固定された固定端24に対し垂直
方向(図2のXの方向)に振動することにより、それぞ
れの圧電体層22aおよび22bには、図2に示したよ
うに逆方向の変位が印加される。従って、それぞれの圧
電体層22aおよび22bには逆方向の電位が発生す
る。このため、振動片21の固定端24の一部を欠いて
圧電体層22aおよび22bの境界層に一方の電力線2
aを接続し、さらに他方の電力線2bは圧電体層22a
および22bの表面に接続することにより、圧電体層2
2aおよび22bを並列に接続でき、これらから多量の
電荷を整流回路2に導けるようにしている。さらに、本
例の発電装置20においては、垂直方向に振動できるよ
うにしているので、水平方向に幅の広い振動片21を設
置できる。このため、発電に寄与する圧電体層22aお
よび22bの表面積を広くでき、さらに大きな電荷を整
流回路2に対し出力できるようにしている。加えて、図
1に示すように、本例の振動片21は、自由端23に対
し固定端24の側の幅が広くなるようにしており、大き
な曲げモーメントが加わる固定端24の側を広くし、モ
ーメントの小さい自由端23の側を狭くすることによ
り、振動片21に加わる応力を均一化すことで、各断面
での起電圧を均一化し、振動片21より出力可能な電荷
量を増やしている。このように、本例の発電装置20に
おいては、振動する振動片21から多量の電荷を取り出
すことができ、発電能力を高くすることができる。
【0019】本例の振動片21の自由端23には、さら
に、中空の重り25が取り付けられている。この重り2
5の空洞部分25aに、加振機構30の打撃部39が挿
入されており、この打撃部39が空洞部分25aの垂直
方向の上下25bあるいは25cのいずれかの面を叩く
ことにより振動片21に打撃を与えることができ、上下
方向(垂直方向)の振動が励起されるようになってい
る。図3に詳しく示した本例の加振機構30において
は、上方の面25bが打撃部39によって叩かれて振動
片21に振動を励起する被打撃部であり、逆に、下方の
面25cを被打撃部とすることも可能である。
【0020】本例の加振機構30は、回転錘13と共に
回転する駆動歯車14と、この駆動歯車14と噛み合っ
て爪車31を回転する受動歯車15を備えており、爪車
31は回転錘13の回転面と平行(水平方向)に爪車3
1の回転中心から半径方向に突出した複数の駆動突起3
2を備えている。この駆動突起32と接触する位置に駆
動突起32の水平な面内の回転運動を垂直方向の運動に
変換する加振レバー33が設置されており、本例の加振
レバー33は、レバーのほぼ中心が旋回中心34になっ
て垂直方向に旋回できるようになっている。加振レバー
33の一方の端は打撃部39であり、振動片21の重り
25の空洞25aに挿入されている。本例の加振レバー
33は、打撃部39に対し旋回中心34を挟んで反対側
に、垂直方向の突出した受動突起35を備えており、本
例の受動突起35は、加振レバー33から垂直方向上側
にほぼ2等辺3角形の形状に突出している。
【0021】本例の加振機構30においては、例えば、
回転錘13が時計方向に回転すると、爪車31が反時計
方向に回転し、図3においては、駆動突起32が図面上
の左側から右側に動く。加振レバー33においては、受
動突起35が回転運動する駆動突起32と係合するよう
に配置されているので、駆動突起32が動くと受動突起
35の図面上の左側の接触面36aに接触する。さら
に、この接触面36aに接触しながら駆動突起32が動
くので、受動突起35は垂直下側に加速され、加振レバ
ー33の反対側の打撃部39は上側に加速される。そし
て、駆動突起32がさらに動いて受動突起35から離れ
ると、加速された打撃部39が重り25の上側の面25
bに衝突し、振動片21に打撃が与えられ振動片21に
回転錘13の運動エネルギーが印加できるようになって
いる。一方、回転錘13が反時計方向に回転した場合
は、上記と逆方向に駆動突起32が動くので、受動突起
35の逆側の接触面36bに接触し、上記と同様に打撃
部39を上方に加速する。本例の加振レバー33の受動
突起35はほぼ2等辺3角形であり、左右両側に接触面
36aおよび36bを設けてあるので、回転錘13が時
計方向、あるいは反時計方向の何方に回転してもその回
転エネルギーを加振レバー33の旋回エネルギーに変換
できるようになっている。また、本例の加振レバー33
には、携帯電子機器1が上下左右どの方向に向いて装着
されても、受動突起35の位置が駆動突起32と係合す
る平衡な位置に保たれるようにコイルバネなどの弾性部
材38を設けてある。
【0022】振動片21は、振動期間中に振動エネルギ
ーが圧電体層22aおよび22bによって電気エネルギ
ーに変換される。従って、振動片21に運動エネルギー
が印加される時間は短い方が良い。さらに、振動片21
の耐久性を考慮すると、運動エネルギーが印加されると
きのたわみ量は小さいことが望ましい。本例において
は、駆動突起32が受動突起35から離れた後に打撃部
39が振動片21に接触するようにしてあるので、打撃
部39は振動片21を瞬間的に叩いてエネルギーを伝達
する。従って、打撃部39からエネルギーを伝達するた
めに必要な時間は短く、振動が継続する時間を長く確保
できる。また、打撃部39が振動片21を瞬間的に叩い
て、その後は振動片21から離れるので振動片21に印
加されるたわみ量も小さく、振動片21の耐久性も高く
できる。
【0023】さらに、振動片21の等価質量に対し適当
な等価質量の加振レバー33を選択することにより、打
撃部39が振動片21を叩いて跳ね返った後、振動片2
1から適当な距離だけ遠ざかり、2回以上の衝突が発生
することを防止することができる。従って、本例のよう
に、回転錘13の回転運動を打撃部39の上下方向の動
きに変換し、さらに、打撃部39によって振動片21を
叩いてエネルギーを伝達する方式は、運動エネルギーの
伝達効率も高く、また、振動片21における電気エネル
ギーへの変換効率も高くすることができる方式である。
【0024】回転錘13の運動エネルギーは、爪車31
の駆動突起32と、加振レバー33の受動突起35の接
触によって加振レバー33に伝達され、さらに、打撃部
39によって振動片21に伝達される。従って、駆動突
起32から効率良く受動突起35にエネルギーが伝達さ
れることが重要である。駆動突起32は回転運動を行い
ながら受動突起35にエネルギーを伝達するので、接線
方向に駆動突起32から受動突起35に力が与えられる
ことが望ましい。従って、本例の加振機構30において
は、駆動突起32の回転円の接線方向に受動突起35、
加振レバーの旋回中心34および打撃部39が直線状に
配置されている。
【0025】また、図4に基づき受動突起35の接触面
36aの角度によって駆動突起32のトルクの伝達効率
を検討すると以下のようになる。爪車31の回転中心か
ら駆動突起32までの距離をr1、受動突起35から加
振レバーの旋回中心34までの距離をr2、駆動突起3
2の運動方向に対する接触面36aの法線方向の角度
(接触角)をα、摩擦角をθとすると、摩擦角θの方向
にFの力が発生するときの駆動側のトルクTdは以下の
式で表される。
【0026】 Td = F・cos(α−θ)・r1 ・・・(1) また、受動突起35の得たトルクTrは以下の式で表さ
れる。
【0027】 Tr = F・sin(α−θ)・r2 ・・・(2) 駆動突起32が微小距離lだけ動いたときの駆動側の回
転角度Wdおよび加振レバーの回転角Wrは以下のよう
になる。
【0028】 Wd = l/r1 ・・・(3) Wr = l/(tanα・r2) ・・・(4) このときに駆動突起32によって加えられたエネルギー
Edおよび受動突起35が受け取ったエネルギーErは
以下のようになる。
【0029】 Ed = Td・Wd = F・cos(α−θ)・l ・・・(5) Er = Tr・Wr = F・sin(α−θ)・l/tanα ・・・(6) 従って、エネルギー伝達効率ηは η = Er/Ed = tan(α−θ)/tanα ・・・(7) 摩擦角θが15度のときの効率ηの変化は図5に示すよ
うになり、接触角αが52.5度のときにエネルギー伝
達効率ηは最大値約59%となる。エネルギー伝達効率
ηが最大となる接触角αは摩擦角θによって変動し、摩
擦係数が0(摩擦角θが0度)のときは接触角αが45
度で最大効率100%となる。また、摩擦係数が0.3
(tanθ=0.3)のときに接触角αが53度で最大
効率55%となる。接触面36aが水平方向Y(回転錘
13の回転平面)となす角βは接触角αの余角であり、
また、接触面の摩擦係数として実現可能な範囲は0〜
0.3程度であるので、駆動突起32から受動突起35
を駆動する際のエネルギー伝達効率を高くするには、受
動突起35の接触面36aの角度(β)を水平方向Yに
対し37〜45度に設定することが望ましいことが判
る。駆動突起32が逆方向に動く場合も同様であるの
で、接触面36bも含め、受動突起35の接触面は水平
方向、すなわち、回転錘13の回転面と平行方向に対し
+/−37〜45度に設定することにより、駆動突起3
2から加振レバー33へのエネルギー伝達効率を高くす
ることができる。
【0030】図1に戻って、本例の加振機構30は、回
転運動を行う駆動突起32によって加振レバー33の受
動突起35を押し動かすことにより回転錘13の水平方
向の回転運動を加振レバー33の垂直方向の旋回運動に
変換している。加振レバー33は、受動突起35が駆動
突起32によってほぼ接線方向に動かされるように配置
されているが、受動突起35と駆動突起32が接触して
いる間、駆動突起32から受動突起35に対して駆動突
起32の回転円の外向きの力が働く。従って、加振レバ
ー33の旋回中心34には、駆動突起32の回転円の逆
側にスラスト加重が発生するので、旋回中心34を支持
するシャフト41によってこのスラスト加重を受ける必
要がある。そこで、本例の発電装置20においては、シ
ャフト41の駆動突起32の回転円の加振レバーに対し
て逆側の先端41aでスラスト加重を受ける軸受け組立
体40を採用している。
【0031】本例の軸受け組立体40は、図6に示すよ
うに、加振レバー33の旋回中心を支持するシャフト4
1と、このシャフト41の両側のラジアル加重を基台4
9に対し支持するラジアル軸受け42aおよび42b
と、さらに駆動突起32との係合によって発生する回転
円の加振レバーに対し逆側のスラスト加重を基台49に
対し支持するスラスト軸受け43を備えている。本例の
スラスト軸受け43は、ラジアル軸受け42aおよび4
2bとは別にシャフトの先端41aに設けてある。この
ため、加振レバーに対し駆動突起の回転円の逆側のラジ
アル軸受け42aによってスラスト加重を受ける場合と
比較し、スラストによって基台49と接触する中心軸よ
りの半径を低減できるので、摩擦負荷トルクを小さくす
ることができる。さらに、本例のスラスト軸受け43に
おいては、シャフト41の先端41aを細くし、この細
くなった先端41aをシャフト41に直交するほぼ平面
のスラスト受け面44aによって受けているようにして
いる。このため、さらにスラスト加重を受ける中心軸よ
りの半径を小さくすることができ、摩擦負荷を低減し、
スラスト加重による加振レバー33の運動エネルギーの
損失を低減できる。
【0032】また、本例の軸受け組立体40は、スラス
ト受け面44aを備えた受け部材44を基台49とは分
離可能な別の部材として構成してあり、基台49に組み
込みできるようになっている。本例の基台49は、底壁
49aの両側に側壁49bおよび49cが一体に形成さ
れた垂直上側に開いたほぼU字型をしており、側壁49
bおよび49cにラジアル軸受け42aおよび42bが
嵌め込まれている。さらに、加振レバーに対して駆動突
起の回転円の逆側に位置する側壁49bのラジアル軸受
け42aの外側には、受け部材44を嵌め込むための溝
47が形成されており、この溝47の上方からほぼ円形
の板状(ディスク状)の受け部材44をスラスト受け面
44aが内側になるようにして組み込み、固定できるよ
うになっている。さらに、本例の軸受け組立体40は、
ラジアル軸受け42aおよび42bにそれぞれ挿入する
挿入端41eおよび41fにおいて、ラジアル軸受け4
2aに挿入する側の挿入端41eを逆側の挿入端41f
に対し長くすることができる。従って、図7(a)に示
すように、先ず、シャフト41を先端41aの側からラ
ジアル軸受け42aに挿入し、次に、反対側41bを軸
受け42bに設定し、その後に受け部材44を溝47に
組み込むことによって、シャフト41を基台49に取り
つけることが可能となる。さらに詳細には、本例のシャ
フト41は、図7(b)に示すように、2つのラジアル
軸受け42aおよび42bの距離Aに対し、シャフト4
1の全長からスラスト軸受け側の挿入端41eの長さを
引いた距離Bを短くすることにより、シャフト41を軸
受け42bに挿入できるようにしている。また、シャフ
ト41の全長からもう一方の挿入端41fの長さを引い
た距離Cを全長Aより長くすることにより、受け部材4
4を嵌め込んだ後にシャフト41が抜けないようにして
いる。
【0033】本例の軸受け組立体40は、このような方
法でシャフト41を基台49に組み込めるので、基台4
9を一体で成形することができる。すなわち、ラジアル
軸受け42aおよび42bを設定する側壁49bおよび
49cを一体で形成することができる。従って、軸受け
組立体40を一体のユニットとして提供することが可能
であり、地板12に対し1つの部品として固定すること
が可能となる。本例においては、基台49の底壁49a
をネジ48で地板12に固定するだけで軸受け組立体4
0を地板12の所定に位置に設定することができる。こ
のため、加振レバー33を支持する部品点数を大幅に低
減することができ、また、軸受け組立体40をコンパク
トに纏めることができる。さらに、ラジアル軸受け42
aおよび42bを一体となった基台49に対し設定でき
るので、シャフト41を支持する中心軸精度を大幅に向
上することができる。例えば、ラジアル軸受け42aお
よび42bを別々に地板12に取りつける場合は、取り
付け時の誤差によって中心軸精度が決まってしまう。こ
のため、ラジアル軸受け42aおよび42bの偏磨耗な
どを避け、加振レバー33の旋回時の機械損失の発生を
抑止するためにはそれぞれのラジアル軸受け42aおよ
び42bの取り付け精度を非常に高く保持する必要があ
る。これに対し、本例の軸受け組立体40においては、
ラジアル軸受け42aおよび42bを支持する基台49
が一体になっているので、それぞれの側壁49bおよび
49cに直線的な穴を成形するのも容易であり、基台4
9を地板12に取りつければシャフト41の中心軸精度
は確保できる。このように、本例の軸受け組立体40を
採用することにより、部品点数を減らし、組立時の工数
および調整に係る工数を大幅に低減できるのでコストダ
ウンを図れ、また、組立体40をコンパクトに纏めるこ
とができるので省スペース化も図れる。さらに、高い中
心軸精度が容易に確保できるので、加振レバー33の機
械損失を低減でき、その結果、回転錘13の運動エネル
ギーを効率よく振動片21に伝達することができる。
【0034】このような軸受け組立体40においては、
受け部材44を溝47に固定する方法が幾つか考えられ
る。本例においては、側壁49bに受け部材44をその
受け面44aおよび反対側の面44bの両側から挟み込
むような溝47を用意して受け部材44を側壁49bに
組み込めるようにしている。さらに、受け部材44の反
対側の面44bを、その中心が突出した湾曲面にしてお
き、溝47の外側の壁46を中心を除いて分割した部材
46aおよび46bで形成し、受け部材44を溝47に
挿入すると自動的に受け部材44が溝47の中心に設定
されるようにしている。また、図8に示すように、外側
の部材46aおよび46bを溝47の上方が狭くなるよ
うに傾斜して形成し、受け部材44を面44bの側から
面44aの側に押圧する板バネの機能を部材46aおよ
び46bに持たせるようにすることも可能である。これ
により、簡単に、そして強固に受け部材44を基台49
に固定することができる。また、図9に示すように、部
材46aおよび46bを溝47の上方で相互の間隔が狭
くなるように形成し、受け部材44の外側の湾曲した面
44bと部材46aおよび46bが係合し、受け部材4
4を基台49に固定するようにすることも可能である。
このような構成の溝47を用意しておくことにより、シ
ャフト41を基台49に装着したのち、受け部材44を
溝47に挿入するだけで受け部材44が基台49に固定
され、その結果、シャフト41も基台49に組み込まれ
るようにすることができる。従って、ネジや接着剤など
を用いずに、簡単に中心軸精度が高く、スラスト加重な
どによる機械的損失の少ない軸受け組立体40を組み立
てることができる。
【0035】〔実施例2〕図10に本発明の異なる実施
の形態に係る発電装置を備えた腕装着型の携帯電子機器
の概要を示してある。本例の携帯電子機器10は、上述
した携帯電子機器と同様に、圧電体層22aおよび22
bを備えた振動片21からなる発電装置20と、交流電
流を整流する整流回路2および蓄電回路4を備えた出力
部とを備えており、共通する部分については、同じ符号
を付して説明を省略する。本例の発電装置20も、ケー
ス1の内部で回転運動を行う回転錘13の運動エネルギ
ーを加振機構30を介して垂直方向の打撃力に変換して
振動片21に垂直方向の振動を与えられるようにしてい
る。従って、本例の発電装置20も、回転錘13の回転
面と平行に幅の広い振動片21を配置することができ、
薄いスペースで大きな発電能力を発揮できる発電装置を
提供することができる。本例においては、自由端23か
ら固定端24にほぼ同じ幅の振動片21を採用してお
り、発電装置20の小型化を図っている。また、加振レ
バー33を支持するシャフト41は、それぞれ独立して
地板12に固定されたラジアル軸受け42aおよび42
bによって回転支持されるようになっており、このよう
な分離された軸受けを用いても加振レバー33を旋回支
持できることはもちろん可能である。
【0036】さらに、本例の加振レバー33は、図11
に示すように垂直に対峙した方向に突出した2つの受動
突起35aおよび35bが用意されており、これらが駆
動突起32の回転円の接線方向に対しほぼ対照な位置と
なるように配置されている。本例の加振レバー33は、
図11に示すように、一方の受動突起35aが駆動突起
32で押されて打撃部39が下方に加速され、駆動突起
32が離れた後に打撃部39が重り25の下側の面25
cを叩くことにより打撃を与えることができる。さら
に、駆動突起32が次の受動突起35bに当たると、打
撃部39が上方に加速され、駆動突起32が離れた後に
打撃部39が上方の面25bを叩くことにより打撃を与
えることができる。これらの受動突起35aおよび35
bは、駆動突起32が回転円を動いたときに、加振レバ
ー33がどの旋回位置にある場合でもいずれかの突起3
5aあるいは35bと接触するようになっており、駆動
突起32の運動エネルギーを振動片21に伝達して発電
を行えるようになっている。また、本例の加振レバー3
3においては、2つの受動突起35aおよび35bを設
けてあるが、これらは接線方向に対し若干角度が異なる
(本例では、例えばほぼ12度)程度で配置できるの
で、両方の受動突起35aおよび35bに駆動突起32
から接線方向とほぼ同等の効率で力を伝達できる。さら
に、駆動突起32から振動片21にエネルギーを伝達す
る頻度を増やすことができる。従って、短い間隔で振動
片21に衝撃を与えることができるので、振動片21の
振幅を耐久性に影響を与えない程度に大きく保ち、振動
片21の起電圧を高く保つことができる。このため、コ
ンデンサ5に対する充電効率は高くできる。
【0037】また、本例の発電装置においては、加振レ
バー33の重心33aは旋回中心34に対し振動片21
と反対側、すなわち、旋回中心34に対し打撃部39と
反対側に位置するようにしてある。これにより、発電装
置20あるいは発電装置を収納した機器10に対し落下
等により衝撃が加わっても、振動片21が折れたり、ひ
びが入るといったトラブルを未然に防止することができ
る。例えば、腕時計装置10が誤って1m程度落下する
と、落下した時点で振動片21には重り25の自重で衝
撃が加わり、折れたり、あるいはひびが入るなどの危険
性がある。しかしながら、本例の発電装置20において
は、落下などの衝撃により、振動片21の重り25と加
振レバー33の重心33aが同一方向に動くが、加振レ
バー33の重心33aを旋回中心34に対し振動片21
と反対側になっているので加振レバーの打撃部39は重
り25と反対側に動く。このため、打撃部39によって
衝撃が加わった際の振動片21の動きを緩和することが
可能になる。従って、振動片21に外部から衝撃が加わ
っても振動片21に対する影響を最小限に止め、落下な
どのトラブルに対しても耐性が強く信頼性の高い発電装
置を提供することができる。
【0038】以上に説明した本例の発電装置20は、加
振機構30によって回転錘13の回転運動を垂直な方向
に変換し、垂直な打撃を振動片21に与えて振動片21
に振動を励起できるようにしている。従って、回転錘1
3の平行な方向が広い圧電体層を備えた振動片21を備
えた発電装置20を提供でき、これを振動させて発電を
行うことができる。このように、本例の発電装置20に
おいては、回転錘13に沿った平面的な薄いスペースに
幅の広い振動片21を収納できるので、高い発電能力を
備えた発電装置を薄く、コンパクトに構成することがで
きる。さらに、本例の発電装置20においては、回転錘
13の回転エネルギーを振動エネルギーとして振動片2
1に与え、振動片21を構成する圧電体層が変位を繰り
返して発電できるようにしている。従って、機械エネル
ギーから電気エネルギーへの変換効率が高い発電装置で
ある。さらに、静的な変位ではなく、打撃によって振動
片21にエネルギーを与えるようにしているので、振動
片21の耐久性を保持でき長期間にわたり利用できる信
頼性の高い発電装置である。また、衝撃によって振動片
にエネルギーを伝達することによって、発電する期間も
長く設定できるので発電効率も高い。
【0039】なお、上記では、2つの圧電体層22aお
よび22bが積層されたパラレル型の振動片21を用い
た発電装置を例に説明したが、燐青銅などの金属をシム
材として圧電体層で挟み込んだ振動片を用いることもも
ちろん可能であり、また、分極方向が反対に向いた直列
型の振動片を採用することも可能である。さらに、本例
では2層に圧電体層が積層された振動片で説明している
が、圧電体層が1層の振動片であっても良く、また、3
層以上に圧電体層が積層された振動片を用いることもも
ちろん可能である。また、圧電体層を構成する素材はP
ZT(商標)、チタン酸バリウム系やチタン酸鉛系など
のセラミック素材、水晶やニオブ酸リチウム等の単結
晶、さらにPVDF等の高分子素材などを用いることが
可能である。
【0040】また、本発明は上記で説明した時計装置な
どの腕装着型の携帯型機器に限定するものではない。本
発明は小型で発電能力の高い発電装置を提供できるの
で、他の小型で携帯型の電子機器に内蔵される発電装置
として好適であり、例えばページャー、電話機、無線
機、補聴器、万歩計、電卓、電子手帳などの情報端末、
ICカード、ラジオ受信機などに本発明の発電装置を適
用することが可能である。そして、これらの携帯型機器
に本発明の発電装置を採用することにより、人間の動き
などを捉えて効率良く発電を行い、電池の消費を抑制し
たり、あるいは電池その物を不要にすることも可能であ
る。従って、ユーザーは電池切れを心配せずに、これら
の携帯型機器を使用することができ、電池切れによって
メモリーに記憶した内容が失われるなどのトラブルも未
然に防止できる。さらに、電池や充電装置が容易に入手
できない地域や場所、あるいは災害などによって電池の
補充が困難な事態であっても携帯電子機器の機能を発揮
させることが可能となる。
【0041】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、回転錘の運動エネルギーを回転錘の円運動の平面と
垂直方向に変換し、垂直方向に振動する圧電体層を備え
た振動片を設けることにより、圧電素子を用いて運動エ
ネルギーを電気エネルギーに変換している。従って、幅
が広く、表面積の大きな発電能力の高い振動片を回転錘
と共に非常に薄くコンパクトに纏めることができる。こ
のため、本発明により、腕時計装置などの携帯装置に適
した発電能力が高く、薄くコンパクトな発電装置を提供
することが可能になる。また、本発明においては、回転
錘に連動して回転する駆動突起を設け、この駆動突起と
加振レバーの受動突起を係合することによって回転錘の
回転エネルギーを効率良く加振レバーに伝達し、さら
に、振動片に伝達できるようにしている。また、加振レ
バーに発生するスラスト加重に伴う機械的な損失を低減
できるコンパクトな軸受け組立体を実現し、さらに、そ
の軸受け組立体を装置内に簡単に組み込めるようにして
いる。従って、薄くコンパクトで、さらに、発電効率が
高く、腕などの動きによって十分な発電量を確保できる
発電装置を提供することができる。そして、本発明の効
率の良い発電装置から得られた電力により電気的な様々
な処理を行える携帯電子機器が実現でき、何処でも機能
を発揮させることができる携帯電子機器を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る圧電体層を備
えた振動片を有する発電装置と、携帯電子機器の概略構
成を示す図である。
【図2】図1に示す発電装置の振動片の近傍を拡大して
示す断面図である。
【図3】図1に示す加振機構を拡大して示す図である。
【図4】振動レバーの受動突起に駆動突起が係合する様
子を示す図である。
【図5】受動突起の接触面の角度によってエネルギー伝
達効率が変化する様子を示す図である。
【図6】図1に示す軸受け組立体の構成を詳しく示す断
面図(図6(a))および側面図(図6(b))であ
る。
【図7】図6に示す軸受け組立体を組み立てる様子を示
す図であり、図7(a)はシャフトを組み込む様子を示
す図であり、図7(b)はシャフトとそれぞれの挿入端
の長さ関係を示す図である。
【図8】図6に示す軸受け組立体の受け部材を組み込む
機構の一例を示す図であり、図8(a)は側面図、図8
(b)は断面図である。
【図9】図6に示す軸受け組立体の受け部材を組み込む
機構の他の例を示す側面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る発電装置お
よび携帯電子機器の概要を示す図である。
【図11】図10に示す加振レバーを詳細を示す図であ
り、図11(a)は下方に打撃を与える例であり、図1
1(b)は上方に打撃を与える例である。
【符号の説明】
1・・ケース 2・・整流回路 4・・蓄電回路 6・・処理装置 10・・携帯型機器 12・・地板 13・・回転錘 14・・駆動車 15・・受動車 20・・発電装置 21・・振動片 22・・圧電体層 23・・振動片の自由端 24・・振動片の固定端 25・・振動片の先端についた重り 25a・・重りの空洞部分 25b、25c・・打撃部が叩く面 27・・振動片を固定するネジ 30・・加振機構 31・・爪車 32・・駆動突起 33・・加振レバー 33a・・加振レバーの重心 34・・加振レバーの旋回中心 35・・受動突起 36・・接触面 38・・平衡位置を保持するための弾性部材 39・・打撃部 40・・軸受け組立体 41・・シャフト 42・・ラジアル軸受け 43・・スラスト軸受け 44・・スラスト受け用の部材 44a・・スラスト受け面 44b・・反対側の湾曲面 46・・固定用の部材 47・・固定用の溝 48・・固定用のネジ 49・・基台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 舩坂 司 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 橋本 泰治 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 古畑 誠 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の平面に沿って回転可能な回転錘
    と、 前記第1の平面に対しほぼ垂直方向に振動する圧電体層
    を備えた振動片と、 前記回転錘の運動により前記振動片を前記垂直方向に加
    振する加振機構を有し、振動中の前記圧電体層で発生し
    た電力を出力可能であることを特徴とする発電装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記振動片は、前記
    第1の平面に対し平行に延びた板状の部材であり、片持
    ち支持されていることを特徴とする発電装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記振動片は、自由
    端側より支持端側の幅が広いことを特徴とする発電装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記加振機構は、前
    記回転錘の回転に連動して回転可能であり、前記第1の
    平面と平行に突出した少なくとも1つの駆動突起を有す
    る爪車と、 前記駆動突起によって前記垂直方向に旋回駆動される加
    振レバーとを有することを特徴とする発電装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記加振レバーは、
    前記垂直方向に突出し前記駆動突起と接触する受動突起
    と、前記駆動突起によって前記受動突起に前記垂直方向
    の動きが与えられ、前記駆動突起と前記受動突起が離れ
    た後に前記垂直方向の打撃を前記振動片に与える打撃部
    とを備えていることを特徴とする発電装置。
  6. 【請求項6】 請求項4において、前記加振レバーは、
    前記垂直方向に突出し前記駆動突起と接触する受動突起
    と、この受動突起の前記垂直方向の動きによって前記垂
    直方向の打撃を前記振動片に与える打撃部とを備えてお
    り、前記受動突起に対し前記打撃部が前記駆動突起の回
    転円の接線方向に配置されていることを特徴とする発電
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項4において、前記加振レバーは、
    前記垂直方向に突出し前記駆動突起と接触する受動突起
    を備えており、この受動突起の前記駆動突起に接触する
    接触面は、前記第1の平面に対し+/−約37〜45度
    傾いていることを特徴とする発電装置。
  8. 【請求項8】 請求項4において、前記加振レバーは、
    前記垂直方向に突出し前記駆動突起と接触する受動突起
    と、この受動突起の前記垂直方向の動きによって前記垂
    直方向の打撃を前記振動片に与える打撃部とを備えてお
    り、 前記受動突起は、前記駆動突起の回転円の時計方向と反
    時計方向に面した前記駆動突起と接触する2つの接触面
    を備えていることを特徴とする発電装置。
  9. 【請求項9】 請求項4において、前記加振レバーは、
    前記垂直方向に突出し前記駆動突起と接触する複数の受
    動突起と、これらの受動突起の前記垂直方向の動きによ
    って前記垂直方向の打撃を前記振動片に与える打撃部と
    を備えていることを特徴とする発電装置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、前記複数の受動突
    起は対峙した方向に突出しており、前記振動片は前記打
    撃部を挟んだ前記垂直方向に前記打撃部と接触する2つ
    の被打撃部を備えていることを特徴とする発電装置。
  11. 【請求項11】 請求項4において、前記加振レバーの
    重心が旋回中心に対し前記振動片と反対側に位置してい
    ることを特徴とする発電装置。
  12. 【請求項12】 請求項4において、前記加振レバーの
    旋回中心を支持するシャフトと、このシャフトの両端を
    基台に対し支持する2組のラジアル軸受けと、スラスト
    加重を前記基台に対し支持する少なくとも1組のスラス
    ト軸受けとを有し、このスラスト軸受けは、前記シャフ
    トの先端と、この先端を受けるスラスト受面とで構成さ
    れていることを特徴とする発電装置。
  13. 【請求項13】 請求項12において、少なくとも1組
    の前記スラスト軸受けが、前記加振レバーに対し前記駆
    動突起の回転円の逆側に配置されていることを特徴とす
    る発電装置。
  14. 【請求項14】 請求項12において、前記スラスト受
    面を備え前記基台から分離可能な受け部材を備えてお
    り、前記シャフトを前記ラジアル軸受けに挿入する挿入
    端は、一方の挿入端が他方の挿入端より長いことを特徴
    とする発電装置。
  15. 【請求項15】 請求項14において、前記受け部材は
    一方の面が前記スラスト受面となった板状の部材であっ
    て、前記基台に前記受け部材を両面側から支持する固定
    部が設けられていることを特徴とする発電装置。
  16. 【請求項16】 請求項15において、前記固定部は前
    記受け部材を少なくとも一方の面から他方の面に向かっ
    て押圧して支持するバネ部材を備えていることを特徴と
    する発電装置。
  17. 【請求項17】 請求項15において、前記受け部材の
    前記スラスト受面と反対側の面は湾曲しており、前記固
    定部は、前記反対側の面の少なくとも一部と係合可能な
    固定部材を備えていることを特徴とする発電装置。
  18. 【請求項18】 請求項1に記載の発電装置と、この発
    電装置から出力された前記電力によって作動可能な処理
    装置とを有することを特徴とする携帯電子機器。
JP8196797A 1996-07-25 1996-07-25 発電装置および携帯電子機器 Withdrawn JPH1042577A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8196797A JPH1042577A (ja) 1996-07-25 1996-07-25 発電装置および携帯電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8196797A JPH1042577A (ja) 1996-07-25 1996-07-25 発電装置および携帯電子機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1042577A true JPH1042577A (ja) 1998-02-13

Family

ID=16363815

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8196797A Withdrawn JPH1042577A (ja) 1996-07-25 1996-07-25 発電装置および携帯電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1042577A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006305216A (ja) * 2005-05-02 2006-11-09 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> バイタルデータ監視システム、バイタルデータ測定器及び方法
WO2023068053A1 (ja) * 2021-10-18 2023-04-27 スミダコーポレーション株式会社 磁歪式振動発電機

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006305216A (ja) * 2005-05-02 2006-11-09 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> バイタルデータ監視システム、バイタルデータ測定器及び方法
JP4519706B2 (ja) * 2005-05-02 2010-08-04 日本電信電話株式会社 バイタルデータ監視システム、バイタルデータ測定器及び方法
WO2023068053A1 (ja) * 2021-10-18 2023-04-27 スミダコーポレーション株式会社 磁歪式振動発電機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5751091A (en) Piezoelectric power generator for a portable power supply unit and portable electronic device equipped with same
JPH09233862A (ja) 圧電体を用いた発電方法、発電装置および電子機器
JP3170965B2 (ja) 発電機および携帯用機器
JP4048203B2 (ja) 圧電発電装置
US20050134148A1 (en) Broad frequency band energy scavenger
JP3387101B2 (ja) アクチュエータ、およびそれを用いた時計並びに報知装置
JP2005237102A (ja) 圧電アクチュエータ、時計及び電子機器
JP5549164B2 (ja) 圧電発電機
JPH11146663A (ja) 圧電式発電装置
JPH1056784A (ja) 発電装置および電子機器
US7298066B2 (en) Drive apparatus for piezoelectric actuator, drive method for piezoelectric actuator, electronic device, control program for drive apparatus for piezoelectric actuator, and recording medium
JP3711562B2 (ja) 発電装置および携帯型機器
JPH1042577A (ja) 発電装置および携帯電子機器
JPH09182465A (ja) 圧電体発電装置及びこれを備えた電力供給装置及び電気機器
JP3614009B2 (ja) 圧電アクチュエータ、圧電アクチュエータの駆動方法、携帯機器および時計
JP2002223577A (ja) 圧電アクチュエータ、時計、携帯機器、圧電アクチュエータの設計方法および製造方法
JP3539043B2 (ja) 発電装置およびこれを備えた携帯型電子機器
JP2000188882A (ja) 駆動装置、カレンダー表示装置、携帯機器および時計
JP3613969B2 (ja) 圧電発電装置及びこの圧電発電装置を備えた携帯型機器
JP2003061369A (ja) 圧電発電ユニット
JP3539184B2 (ja) 発電装置及び電子機器
JP4265255B2 (ja) 圧電アクチュエータの駆動装置、駆動方法、時計、および電子機器
JPH09271180A (ja) 加振装置、発電装置およびこれを備えた携帯型電子機器
US20040233793A1 (en) Analog electronic timepiece
JPH10229684A (ja) 圧電発電装置および携帯機器

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20031007