JPH09233238A - ファクシミリ装置 - Google Patents

ファクシミリ装置

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JPH09233238A
JPH09233238A JP8033596A JP3359696A JPH09233238A JP H09233238 A JPH09233238 A JP H09233238A JP 8033596 A JP8033596 A JP 8033596A JP 3359696 A JP3359696 A JP 3359696A JP H09233238 A JPH09233238 A JP H09233238A
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誠 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電源投入時またはリセット時に短時間で受信
可能な状態にできるファクシミリ装置を提供すること。 【解決手段】 CPU200の初期化後(S1)、受信
部初期化処理が実行される(S2)。受信部初期化処理
の終了後は、各装置の初期化処理が開始され(S3)、
各装置の初期化中に使用者では復帰できないエラーが発
生したか調べられる。エラーがなく(S5:N)、ファ
クシミリ装置1の呼出があれば(S6:Y)、データ受
信を行い(S7)、受信有フラグ203をセットする
(S8)。各装置の初期化手順が完了し(S4:Y)、
いずれの装置にもエラーが発生しておらず(S9:
N)、受信有フラグ203がセットされていれば(S1
0:Y)、出力先カウンタ208で指定される1番目の
出力装置によって受信データが出力され(S11)、受
信有フラグ203のリセット後(S12)、待機状態へ
移行する(S13)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はファクシミリ装置に
関し、特に、受信部の初期化処理を他の初期化処理に先
行して行うことにより、電源投入後に短時間で受信可能
な状態にすることができるファクシミリ装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ファクシミリ装置は、電源投入
後、各検査部位の全てを検査して正常であることを確認
し、かつ、各部位を全て動作可能な状態にした後でなけ
れば、送受信やコピー動作を行うことができなかった。
【0003】ところで、近年、ファクシミリ装置には、
印字品質の向上と普通紙記録の必要性から電子写真プロ
セスを利用した印刷装置が多数採用されている。このフ
ァクシミリ装置は機構が複雑であるので、正常動作を保
証するための検査部位が非常に多くなっている。また、
ファクシミリ装置の各部位を動作可能な状態にするため
には、例えば、定着装置を所望の温度に加熱する場合に
は、1分程度の長い時間がかかってしまっていた。
【0004】よって、この種のファクシミリ装置は、メ
ンテナンスなどのために一旦電源を切ってしまうと、電
源再投入後、再び送受信やコピ−動作が可能になるまで
には、どうしても1分程度の時間が必要であった。ま
た、障害が発生して、これを復旧するまでにエラー状態
を長く続けると温度が下がってしまい、同程度の時間を
必要とする場合がある。従って、この間に、即ち、動作
が可能となるまでに、他のファクシミリ装置からデータ
の着信要求があったとしても、これを一切受け付けるこ
とができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、他のフ
ァクシミリ装置からのデータ送信(着信要求)は、何時
到来するかは解らないものである。電源投入後動作可能
となるまでに他のファクシミリ装置から着信要求があっ
た場合には、受信動作は行われず、呼出音の鳴動のみが
行われていた。この場合、呼出は行われているのにファ
クシミリ装置は着信しないので、送信側のタイムアウト
で呼出が終了してしまっていた。かかる場合は、送信側
のファクシミリ装置は回線異常などが発生したと判断す
るので、リダイヤル状態にも入らずに通信を終了させて
しまう。よって、使用者が原稿をセットしてその場を離
れ、後で戻ってきたとしても送信されていないという問
題点があった。
【0006】本発明は上述した問題点を解決するために
なされたものであり、電源投入時または異常復帰時に短
時間で受信可能な状態にすることができるファクシミリ
装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1記載のファクシミリ装置は、電源投入時ま
たは異常復帰時において、発呼側から送信されたデータ
の受信に必要な部分を含む第1の部分の初期化を、それ
以外の第2の部分の初期化に先行して行う初期化手段
と、その初期化手段により前記第1の部分の初期化が終
了した場合には、第2の部分の初期化が未終了であって
も、発呼側から送信されたデータの受信を可能とする制
御手段とを備えている。
【0008】この請求項1記載のファクシミリ装置によ
れば、電源投入時または異常復帰時の初期化は、初期化
手段により、発呼側から送信されたデータの受信に必要
な部分を含む第1の部分の初期化が、それ以外の第2の
部分の初期化に先行して行われる。制御手段は、第1の
部分の初期化が終了した場合には、第2の部分の初期化
が未終了であっても、発呼側から送信されたデータの受
信を可能にする。
【0009】請求項2記載のファクシミリ装置は、請求
項1記載のファクシミリ装置において、前記制御手段
は、前記第1の部分の初期化終了後、第2の部分に使用
者では容易に復帰できないエラーがある場合、データ受
信中であれば受信動作を継続し、その受信終了後はデー
タを受信させないものである。この請求項2記載のファ
クシミリ装置によれば、請求項1記載のファクシミリ装
置と同様に作用する上、第1の部分の初期化終了後、第
2の部分に使用者では容易に復帰できないエラーがある
場合、すでにデータ受信中であれば受信動作が継続され
るが、その受信終了後はデータが受信されない。
【0010】請求項3記載のファクシミリ装置は、請求
項1または2記載のファクシミリ装置において、前記制
御手段は、前記第1の部分の初期化終了後、第2の部分
にエラーがあっても、使用者が容易に復帰可能なエラー
であれば、データの受信を可能とするものである。この
請求項3記載のファクシミリ装置によれば、請求項1ま
たは2記載のファクシミリ装置と同様に作用する上、第
1の部分の初期化終了後、第2の部分にエラーがあって
も、使用者が容易に復帰可能なエラーであれば、データ
の受信が可能とされる。
【0011】請求項4記載のファクシミリ装置は、発呼
側装置から送信されたデータを受信する受信手段と、そ
の受信手段により受信されたデータを記憶する記憶手段
と、その記憶手段に記憶されたデータを記録紙に印刷す
る印刷手段と、前記受信手段及び記憶手段の初期化を行
う受信部初期化手段と、前記印刷手段の初期化を行う印
刷部初期化手段とを備え、更に、電源投入時またはリセ
ット時に、前記受信部初期化手段の実行を前記印刷部初
期化手段の実行に先行して行う初期化手段と、その初期
化手段により前記受信部初期化手段の初期化が終了した
場合には、前記印刷部初期化手段の初期化が未終了であ
っても、前記受信手段及び記憶手段を動作させて発呼側
装置から送信されたデータの受信を可能とする制御手段
とを備えている。
【0012】この請求項4記載のファクシミリ装置によ
れば、発呼側装置から送信されたデータは、受信手段に
より受信された後、記憶手段に記憶され、印刷手段によ
って記録紙に印刷される。電源投入時またはリセット時
の初期化は、初期化手段により、受信部初期化手段の実
行が印刷部初期化手段の実行に先行して行われる。制御
手段は、受信部初期化手段の初期化が終了した場合に
は、印刷部初期化手段の初期化が未終了であっても、受
信手段及び記憶手段を動作させて発呼側装置から送信さ
れたデータの受信を可能にする。
【0013】請求項5記載のファクシミリ装置は、請求
項4記載のファクシミリ装置において、更に、前記受信
部初期化手段の初期化後であって前記印刷部初期化手段
の初期化終了前に前記受信手段により受信され前記記憶
手段に記憶されたデータを、前記印刷部初期化手段の初
期化終了後に記録紙に印刷させる印刷制御手段を備えて
いる。この請求項5記載のファクシミリ装置によれば、
請求項4記載のファクシミリ装置と同様に作用する上、
印刷制御手段により、受信部初期化手段の初期化後であ
って印刷部初期化手段の初期化終了前に受信手段により
受信され記憶手段に記憶されたデータは、印刷部初期化
手段の初期化終了後に記録紙に印刷される。
【0014】請求項6記載のファクシミリ装置は、請求
項4または5記載のファクシミリ装置において、前記印
刷部初期化手段は、前記印刷手段の検査を行う印刷部検
査手段を含み、更に、その印刷部検査手段により前記印
刷手段に異常が検出された場合、データ受信中であれば
受信動作を継続し、受信終了後、それまでに受信したデ
ータを、前記印刷手段の異常復帰後に印刷させる復帰後
印刷制御手段を備えている。この請求項6記載のファク
シミリ装置によれば、請求項4または5記載のファクシ
ミリ装置と同様に作用する上、印刷部検査手段により印
刷手段の初期化中に印刷手段に異常が検出された場合に
は、それまでに受信したデータは、復帰後印刷制御手段
によって印刷手段の異常復帰後に印刷される。
【0015】請求項7記載のファクシミリ装置は、請求
項4または5記載のファクシミリ装置において、前記印
刷部初期化手段は、前記印刷手段の検査を行う印刷部検
査手段を含み、更に、その印刷部検査手段により前記印
刷手段に異常が検出された場合、データ受信中であれば
受信動作を継続し、受信終了後、それまでに受信したデ
ータを、他のファクシミリ装置に転送させることが可能
な転送手段を備えている。この請求項7記載のファクシ
ミリ装置によれば、請求項4または5記載のファクシミ
リ装置と同様に作用する上、印刷部検査手段により印刷
手段の初期化中に印刷手段に異常が検出された場合に
は、それまでに受信したデータは、転送手段によって他
のファクシミリ装置に転送することができる。
【0016】請求項8記載のファクシミリ装置は、請求
項7記載のファクシミリ装置において、前記転送手段
は、前記印刷手段に異常が検出された場合、データ受信
中であれば受信動作を継続し、受信終了後、それまでに
受信したデータを、他のファクシミリ装置に自動的に転
送させるものである。
【0017】請求項9記載のファクシミリ装置は、請求
項6または7記載のファクシミリ装置において、更に、
前記印刷部検査手段により前記印刷手段に異常が検出さ
れた場合、データ受信中であれば受信動作を継続し、受
信したデータが存在するときは、受信データが何処のフ
ァクシミリ装置から送信されたものであるかを報知する
送信先報知手段を備えている。この請求項9記載のファ
クシミリ装置によれば、請求項6または7記載のファク
シミリ装置と同様に作用する上、受信されたデータの送
信先が、送信先報知手段により報知される。
【0018】請求項10記載のファクシミリ装置は、請
求項4または5記載のファクシミリ装置において、前記
印刷部初期化手段は、前記印刷手段の検査を行う印刷部
検査手段を含み、更に、その印刷部検査手段により前記
印刷手段に異常が検出された場合、データ受信中であれ
ば受信動作を継続し、受信終了後、それまでに受信した
データを、前記記憶手段から不揮発性の第2記憶手段に
書き込むことが可能な書込手段を備えている。この請求
項10記載のファクシミリ装置によれば、請求項4また
は5記載のファクシミリ装置と同様に作用する上、印刷
部検査手段により印刷手段の初期化中に印刷手段に異常
が検出された場合には、それまでに受信したデータは、
書込手段によって不揮発性の第2記憶手段に書き込まれ
る。
【0019】請求項11記載のファクシミリ装置は、請
求項6または10のいずれかに記載のファクシミリ装置
において、更に、前記印刷部検査手段により前記印刷手
段に異常が検出された場合、データ受信中であれば受信
動作を継続し、受信したデータが存在するときは、その
旨を報知する報知手段を備えている。この請求項11記
載のファクシミリ装置によれば、請求項6から10のい
ずれかに記載のファクシミリ装置と同様に作用する上、
印刷手段の異常のために受信データが印刷されずに残さ
れていることが、報知手段により報知される。
【0020】請求項12記載のファクシミリ装置は、請
求項4から11のいずれかに記載のファクシミリ装置に
おいて、更に、前記記憶手段は、電源が遮断されてもデ
ータを記憶保持できる構成とされている。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例に
ついて、添付図面を参照して説明する。図1に、ファク
シミリ装置1の外観斜視図を示す。ファクシミリ装置1
の本体2の側部には、受話器3が取り付けられている。
受話器3は非通話時には本体2に設けられた図示しない
フック上に置かれ、通話時にはフックから取り上げられ
る。前者をオンフック状態、後者をオフフック状態と称
する。本体2の上面の前部には複数のボタンを備えた操
作パネル4が設けられ、その操作パネル4の左後部には
液晶表示器(LCD)5が設けられている。ファクシミ
リ装置1は、この操作パネル4上に設けられたボタンが
押下されることにより操作され、その操作された状態や
操作手順などがLCD5に表示される。操作パネル4及
びLCD5の後部には原稿挿入口6が設けられている。
ファクシミリ送信される原稿はこの原稿挿入口6に原稿
面を下向きにして挿入され、読み取りが行われた後に、
本体10の前面であって操作パネル4の下方に設けられ
た原稿排出口7から排出される。
【0022】原稿挿入口6の後部には記録紙ホルダ装着
部9が設けられ、この記録紙ホルダ装着部9には、複数
枚の記録紙17を積層収納可能な後述する記録紙ホルダ
14が着脱可能に取り付けられている(図2参照)。こ
の記録紙ホルダ14の開口は本体2に回動可能に取り付
けられた蓋10により覆われており、また、記録紙ホル
ダ14から供給され印字に使用された記録紙17は、原
稿排出口7の下方に設けられた記録紙排出口8から排出
される。記録紙排出口8の右下方には、第2記憶手段と
してのフロッピーディスク(FD)を挿入するためのF
D挿入口11が設けられ、このFD挿入口11に挿入さ
れたFDは、書込手段としてのフロッピーディスクドラ
イブ(FDD)12により、書き込みや読み込みが行わ
れる。
【0023】図2に、このファクシミリ装置1の側断面
図を示す。記録紙ホルダ14は浅い箱状を成し、内部に
圧板15が回動可能に取り付けられるとともにスプリン
グ16により付勢され、記録紙17を給紙ローラ18に
密着させる方向に付勢している。蓋10と圧板15との
間には、記録紙ホルダ14が記録紙ホルダ装着部9に装
着された状態で両者を連結する図示しない連結装置が設
けられている。この連結装置により、蓋10が開かれる
と、圧板15がスプリング16の付勢力に抗して押し下
げられ、圧板15と給紙ローラ18との間に記録紙17
を挿入する空間が形成される。一方、蓋10が閉じられ
ると、図2に示すように、圧板15がスプリング16に
より付勢されて、記録紙17が給紙ローラ18に密着さ
れる。
【0024】給紙ローラ18の記録紙送り方向において
上流側に隣接する位置には、記録紙17の有無を検出す
る記録紙センサ20が設けられている。記録紙センサ2
0は接触式センサであり、蓋10が閉じられて記録紙1
7が給紙ローラ18に密着されると、記録紙センサ20
の検出子が押され、それにより記録紙17が有ることが
検出される。記録紙ホルダ14内の記録紙17は、給紙
ローラ18および分離パッド22を含む自動給紙装置に
より、最上位に積層された記録紙17から順に送り出さ
れる。自動給紙装置によって送り出された記録紙17
は、一対の搬送ローラ26によって記録装置29に送ら
れる。
【0025】記録装置29は、ファクシミリ装置1が受
信した画像データを記録紙17に顕像化する装置であ
る。この記録装置29は、感光ドラム30、転写ローラ
52、現像スリーブ76、クリーニング装置51、帯電
器78、トナーカートリッジ68などから構成されてい
る。感光ドラム30は、図2中時計方向に回転可能に支
持されている。感光ドラム30の下方には帯電器78が
配置され、その感光ドラム30の一側であって帯電器7
8の下流側には現像スリーブ76が設けられている。感
光ドラム30と反対側の現像スリーブ76の一側には、
現像剤としてのトナーを収容したトナーカートリッジ6
8が着脱可能に取り付けられている。また、感光ドラム
30の上方には転写ローラ52が感光ドラム30と接触
配置され、感光ドラム30のうち転写ローラ52の下流
側の一側にはクリーニング装置51が配置されている。
【0026】記録装置29の下方には、レーザ光走査装
置34が設けられている。レーザ光走査装置34は、帯
電器78により一様に帯電された感光ドラム30の表面
に印刷画像の画像データに応じた露光を行い、その感光
ドラム30の表面に静電潜像を形成するためのものであ
る。このレーザ光走査装置34は、スキャナモータやポ
リゴンミラーをも備えたレーザ発光部36、レンズ3
7、反射ミラー37などから構成されている。
【0027】レーザ発光部36から発射されたレーザ光
は、レンズ37に入射され、反射ミラー37を通して感
光ドラム30に照射される。感光ドラム30は帯電器7
8によって一様に帯電されているので、この感光ドラム
30の表面にレーザ光が照射されることにより、その表
面に静電潜像が形成される。
【0028】現像スリーブ76はトナーカートリッジ6
8に収容されたトナーを感光ドラム30の表面に供給
し、そのトナーを感光ドラム30の表面に形成された静
電潜像に付着させることにより、その静電潜像を顕像化
するためのものである。感光ドラム30の表面で顕像化
されたトナー像は、感光ドラム30と転写ローラ52と
の間に搬送された記録紙17に、転写ローラ52によっ
て転写される。なお、感光ドラム30上に残留したトナ
ーは、クリーニング装置51により掻き落されて回収さ
れる。
【0029】トナー像が転写された記録紙17は、記録
装置29の下流側に設けられた定着装置54に送られ
る。定着装置54に送られた記録紙17は、定着装置5
4の加熱ローラ56と加圧ローラ58との間に通され
る。記録紙17上に転写されたトナー像は、ここで加熱
溶融されて記録紙17に定着される。定着後の記録紙1
7は、一対の排紙ローラ60により記録紙排出口8から
ファクシミリ装置1の外部に排出される。
【0030】レーザ光走査装置34の下方には、ファク
シミリ装置1の各制御を行う制御装置40が設けられて
おり、この制御装置40には第2記憶手段としてのフロ
ッピーディスク(FD)に対してデータの読み書きを実
行するフロッピーディスクドライブ(FDD)12が駆
動回路235(図3参照)を介して接続されている。
【0031】本体2の上部には原稿90に記載された画
像を読み取る画像読取装置42が設けられている。本体
2の上面の中間部に設けられた原稿台94上に載せられ
た原稿90は、読取り開始の指令に基づいて原稿送り装
置96(図3参照)によって1枚ずつ送り出される。送
り出された原稿90は、送りローラ等によって画像読取
装置42へ送られる。原稿台94に原稿90がセットさ
れていることは、原稿台センサ98によって検出され
る。また、原稿送り装置96には、原稿センサ99が取
り付けられている。原稿センサ99によって、原稿送り
装置96に送られた原稿90の先端や終端が検出され
る。原稿センサ99によって原稿90の先端が検出され
てから所定時間経過後に、原稿90が読取り位置まで送
られたことが検出され、また、原稿センサ99によって
原稿90の終端が検出されたことによって、1頁の原稿
90の読み取り終了と予め定められた位置まで原稿90
が送られたことが検出されるのである。
【0032】画像読取装置42は、光源100によって
原稿支持板102上の原稿に光を照射し、原稿からの反
射光をミラー103、104によって反射させ、レンズ
106により集光してラインメッセージ108に入光さ
せ、原稿90の画像を1行分ずつ読み取るものである。
ラインメッセージ108は、複数個の電荷結合素子CC
D(Charge Coupled Device)を
備えている。CCDは、受光した反射光の強さに応じた
電圧を出力する光電変換素子である。CCDの出力電圧
は、受光した光の強さが大きくなる(白に近くなる)に
つれて大きくなる。反射光の強さがしきい値より大きい
場合には、そのCCDによって読み取られた領域は白
(ドッドデータの値が0)とされ、しきい値より小さい
場合には、黒(ドットデータの値が1)とされる。
【0033】読取り後の原稿90は、排出ローラ110
により送られて、原稿排出口7からファクシミリ装置1
の外部に排出される。
【0034】図3は、本ファクシミリ装置1の電気的構
成を示したブロック図である。制御装置40は、図3に
示すように、CPU200、記憶手段としてのRAM2
02、ROM204、EEPROM206、入出力ポー
ト(I/Oポート)210、バスライン211、送信・
受信制御回路212、及び、モデム214を備えてい
る。
【0035】I/Oポート210には、記録紙センサ2
0、トナー残量検出装置80、原稿台センサ98、原稿
センサ99、操作パネル4、スピーカ226等が接続さ
れるとともに、ネットワークントロールユニット(NC
U)222を介して外部回線224がそれぞれ接続され
ている。また、NCU222には受話器3が接続されて
いる。I/Oポート210にはまた、2値化回路22
8、印刷手段としての印刷装置227が接続されるとと
もに、駆動回路230,231,233,235を介し
て、原稿送り装置96、呼出音発生装置232、LCD
5、及び、FDD12が接続されている。
【0036】ROM204には、図5から図8のフロー
チャートに図示される初期化プログラムのほか、符号化
画像処理プログラム、復号化画像処理プログラムなどが
格納されており、これらのプログラムはCPU200に
より実行される。
【0037】RAM202には、FAX側受信データバ
ッファ、FAX側送信データバッファ、読取画像データ
バッファ、記録バッファ、ダイヤルバッファ、1頁デー
タ用バッファ、復号化用バッファ、符号化用バッファ、
画像データ受信時伝送パラメータバッファ、受信有フラ
グ203などが設けられている。ファクシミリ装置1が
相手装置114に送信する画像データはFAX側送信デ
ータバッファに格納され、ファクシミリ装置1が相手装
置114から受信したファクシミリデータはFAX側受
信データバッファに格納される。なお、このRAM20
2の少なくとも一部の領域には、電源が遮断されてもデ
ータを記憶保持できるように、バックアップ電源(図示
せず)が供給されている。よって、FAX側受信データ
バッファに記憶されたデータ等は、電源遮断後も消去さ
れずに記憶保持される。
【0038】受信有フラグ203は、受信部の初期化終
了後、印刷装置227などの出力装置の初期化終了前
に、ファクシミリデータを受信した場合にセットされる
フラグであり、RAM202のバックアップ領域の一部
に格納されている。この受信有フラグ203がセットさ
れている場合は、出力装置の初期化終了後、FAX側受
信データバッファに記憶された受信データが出力され
る。
【0039】EEPROM206は、2値化回路228
で使用されるしきい値データを記憶する領域のほか、転
送先電話番号メモリ207、及び、出力先カウンタ20
8を備えている。転送先電話番号メモリ207には、使
用者によって操作パネル4から入力された転送先の電話
番号が記憶される。
【0040】ところで、本ファクシミリ装置1は、受信
データの出力を3つの方法により行うことが可能になっ
ている。1つ目は受信データを記録紙17に印刷する出
力であり、2つ目は受信データをFDD12によってF
Dに書き込む出力であり、3つ目は受信データを他のフ
ァクシミリ装置に転送する出力である。転送先電話番号
メモリ207は、この3つ目の出力である受信データの
転送先の電話番号を記憶するメモリである。
【0041】出力先カウンタ208は、受信データを上
記の3つの出力装置のうちのいずれの出力装置に出力す
るかについて、その優先順位を合わせて示すカウンタで
ある。図4に、出力先カウンタ208の説明図を示す。
図4を用いて出力先カウンタ208を説明すると、出力
先カウンタ208には、使用者の操作により、「0」か
ら「5」の値がセットされる。出力先カウンタ208に
「0」がセットされている場合は、受信データは印刷装
置227、FDD12、データ転送の優先順位で出力さ
れる。即ち、印刷装置227に異常がなければ、受信デ
ータは印刷装置227により記録紙17に印刷される
が、印刷装置227に異常があれば、2番目の優先順位
の出力装置であるFDD12により、受信データはFD
に書き込まれる。また、FDD12にも異常があれば、
受信データは、転送先電話番号メモリ207に記憶され
る番号の他のファクシミリ装置にデータ転送される。
【0042】出力先カウンタ208に「1」がセットさ
れている場合は、印刷装置227、データ転送、FDD
12の順に優先順位が定められる。以下「2」から
「5」の優先順位は、図4の表の通りに定められる。な
お、出力先カウンタ208の初期値は「0」にセットさ
れるが、出力先カウンタ208はEEPROM206に
記憶されるので、一旦、使用者によりセットされると、
ファクシミリ装置1の電源断やリセット、あるいは、バ
ックアップ電源の電圧低下によっても、セットされた値
は失われない。
【0043】送信・受信制御回路212は、ファクシミ
リ装置1と相手装置114とが外部回線224で接続さ
れた場合に、相手装置114との間において、双方のフ
ァクシミリ番号、解像度などの送受信関連情報の交換を
行う回路である。
【0044】モデム214は、デジタル信号をアナログ
信号に変調し、その信号をNCU222を介して外部回
線224に出力するとともに、外部回線224からNC
U222を介して入力されたアナログ信号をデジタル信
号に復調するものである。そのため、変調・復調機構2
34を有し、また、送信されて来る音声アナログデータ
を音声に再生する音声再生機構236を有する。これら
変調・復調機構234、音声再生機構236、NCU2
22および受話器3が電話機を構成している。
【0045】モデム214には、更に、相手装置114
との間でファクシミリデータを送信する際に使用される
モデム送信データバッファ238、モデム受信データバ
ッファ239が設けられている。NCU222は、デー
タ受信時には、外部回線224からの発呼に対して自動
的に着信し、データ送出時には相手先に対して自動的に
発呼するものである。相手先の番号を表すデジタルデー
タは、CPU200からI/Oポート210を通ってN
CU222に供給される。
【0046】2値化回路228は、画像読取装置42に
よって読み取られた読取画像データを2値化データに変
換する回路である。すなわち、CCDから供給されるア
ナログの出力電圧がEEPROM206から供給される
しきい値データ(2値化回路228においてディジタル
値からアナログ信号に変換される)より大きいか否かが
判定され、大きい場合には0(白)、小さい場合には黒
(1)とされることによって2値化データが作成される
のである。
【0047】印刷装置227は、記録装置29、レーザ
光走査装置34、及び、定着装置54を備えている。こ
こで定着装置54は所定温度でなければ記録紙17に転
写されたトナー像を加熱溶融することができないので、
電源投入やリセットがあると加熱が開始される。定着装
置54の温度はセンサにより検出されて、I/Oポート
を介して制御装置40に入力される。この温度が所定温
度にならなければ、印刷装置227は動作できず、印刷
ができない。
【0048】呼出音発生装置232は、相手装置114
や電話機から呼出信号が送られてきたとき、制御装置4
0からの指令に基づいて駆動回路231を介して供給さ
れる電圧によって呼出音を発生するものである。駆動回
路231は、呼出信号に対応して電圧を供給したり、供
給停止したりする。
【0049】次に、上記のように構成されたファクシミ
リ装置1の電源投入時又はリセット時の動作を図5から
図8のフローチャートを用いて説明する。サービスマン
によるメンテナンス等で電源を切った後、再び電源投入
すると、CPU200によって図5のフローチャートに
示される処理が開始される。まずCPU200は、RO
M204に記憶されるプログラムに基づいて、自らの初
期化を行った後(S1)、図6に示される受信部初期化
処理を実行する(S2)。
【0050】受信部初期化処理(S2)では、まずRO
M204のチェックとして、ROMサムチェックが行わ
れる(S21)。ROMサムチェックは、ROM204
の全データを1バイトずつ加算し、加算した合計が「0
0」であるかをチェックするものである。ROM204
には、予め加算した合計が「00」となるように、プロ
グラム領域以外の領域でデータが調整されて書き込まれ
ている。よって、加算結果が「00」ならばROM20
4は正常、「00」でなければ異常と判断できる。
【0051】ROMサムチェックに異常(エラー)がな
ければ(S22:N)、次に、図8に詳細が示されるR
AM202のチェックが行なわれる(S23)。RAM
チェックは、例えば、受信有フラグ203がリセットさ
れている場合であれば(S41:N)、RAM202の
バックアップ領域を含む全ての領域について行われる
(S42)。具体的には、RAM202のバックアップ
領域を含む全領域に所定のデータが一旦書き込まれ、次
に、その書き込んだデータを読み出して、確かに書き込
んだデータであるかを検査することにより行われる。書
き込んだデータと同じデータがチェックされた全領域で
読み出されればRAM202は正常であり、1つでも異
なったデータが読み出されればRAM202は異常(エ
ラー)と判断される。また、受信有フラグ203がセッ
トされている場合には(S41:Y)、バックアップ領
域中の使用部分を除いて(S43)、上記と同様なチェ
ックが行われる(S44)。
【0052】RAMチェックに異常(エラー)がなけれ
ば(S24:N)、RAM202内のバックアップ領域
以外に設けられた各バッファやその他のフラグの初期化
が行われる(S25)。その後、送信・受信制御回路2
12の初期化(S26)、及び、モデム214の初期化
(S27)が行われて、受信部初期化処理を終了する
(S29)。受信部初期化処理の終了後は、処理は図5
のS3に移行される。
【0053】一方、ROMサムチェック(S21)及び
RAMチェック(S23)のいずれかでエラーが発生し
た場合には(S22:Y,S24:Y)、メモリエラー
処理が実行される(S28)。このエラー処理では、I
/Oポート210に接続されたスピーカ226によりブ
ザーを鳴動させて、メモリエラーを使用者に知らせるよ
うにしている。メモリエラーの場合は、他の処理が実行
できないので、電源断とされるまで本エラー処理(S2
8)が繰り返される。
【0054】受信部初期化処理(S2)が終了すると、
処理はS3に移行され、各装置の初期化処理が開始され
る(S3)。この初期化処理は、図示しない割り込み処
理により行われる。この初期化処理では、各装置が正常
であるかのチェックも同時に行われる。
【0055】各装置の初期化手順、即ち、各装置の準備
手順が完了しないうちは(S4:N)、処理はS5に移
行され、その初期化中に使用者では復帰できないエラー
が発生したか調べられる(S5)。ここで「使用者では
復帰できないエラー」とは、装置自体の故障などのメー
カのサービスマンによらなければ復帰できないエラーを
言う。例えば、印刷装置227の定着装置54の温度が
所定時間経過したにも拘らず、所望の温度に達しなかっ
た場合などである。一方、記録紙センサ20により検出
される記録紙無しや、トナー残量検出装置80により検
出されるトナーエンプティは、使用者により容易に復帰
できるエラーであるので、S5のエラーには含まれな
い。
【0056】エラーがなければ(S5:N)、ファクシ
ミリ装置1の呼出(着信要求)が有るかどうか調べられ
る(S6)。このように受信部の初期化終了後は、各装
置の初期化終了前であっても着信要求の受付を可能にす
るので、電源投入やリセット後、短時間で受信可能な状
態にすることができる。受信部の初期化は電子回路の初
期化であるので、メカの要素の初期化を必要とする印刷
装置227などの初期化に比べて、極めて短時間のうち
に初期化できるからである。
【0057】呼出がなければ(S6:N)、処理はS4
へ移行され、呼出があれば(S6:Y)、NCU222
を介してデータ受信が行なわれる(S7)。受信された
データは、RAM202のバックアップ領域に設けられ
たFAX側受信データバッファに記憶され、受信データ
が有ることを示す受信有フラグ203がセットされる
(S8)。その後、処理はS4に移行され、各装置の準
備手順が完了するまでS4からS8の処理が繰り返され
る。
【0058】各装置の準備手順完了前に(S4:N)、
いずれかの装置で使用者により復帰できないエラーが発
生した場合には(S5:Y)、他のファクシミリ装置1
14からの呼出があってもこれを受け付けないように、
処理はS4に移行される。データを受信したにも拘ら
ず、出力装置にエラーがあると、受信したデータを出力
できないからである。よって、本実施例では、使用者に
より復帰できないようなエラーを検出した後は、データ
受信を行わないようにしている。ただし、受信中にエラ
ーが発生した場合には、受信動作を継続し、その受信終
了後、新たなデータ受信を行わないようにしている。
【0059】また、データ受信後に出力装置のエラーが
検出されることもあるが、本ファクシミリ装置1は受信
データの出力装置を3つ備えることにより、1の出力装
置にエラーが検出された場合でも、他の出力装置で受信
データを出力できるようにされている。この詳細は、図
7のフローチャートを使用して後述する。
【0060】各装置の準備手順が完了すると(S4:
Y)、使用者により復帰できないエラーがいずれかの装
置に発生しているか調べられる(S9)。そのエラー
が、いずれの装置にも発生していなければ(S9:
N)、初期化が正常に終了したものとして、受信有フラ
グ203の状態がチェックされ、各装置の初期化中にデ
ータを受信したか調べられる(S10)。データを受信
していれば、即ち、受信有フラグ203がセットされて
いれば(S10:Y)、出力先カウンタ208で指定さ
れる1番目の出力装置で受信データが出力される(S1
1)。なお、このとき1番目に指定される出力装置に、
使用者により復帰できるエラーが発生していた場合は、
そのエラーの復帰を待って受信データの出力が行われ
る。例えば、1番目の出力装置が印刷装置227である
場合に、記録紙無しやトナーエンプティのエラーが検出
されていれば、その旨の表示を行い、これらのエラーが
使用者により解除されるのを待って受信データを印刷す
る。また、1番目の出力装置がフロッピーディスクドラ
イブ(FDD)である場合に、フロッピーディスク(F
D)がFD挿入口11に装着されていない、あるいは、
装着されていてもフォーマットが異なる等の理由で書き
込みができなかったのであれば、その旨の表示を行い、
書き込み可能なFDがFD挿入口11に装着されるのを
待って、受信データをFDに書き込む。さらに、1番目
の出力装置としてデータ転送が指定されている場合に、
転送先の電話番号が設定されていなかったのであれば、
その旨の表示を行い、転送先の電話番号等が入力される
のを待って、受信データを転送する。
【0061】受信データが出力された後は(S10)、
受信有フラグ203がリセットされて(S12)、処理
は待機状態へ移行される(S13)。一方、データが受
信されていなければ(S10:N)、処理はそのまま待
機状態へ移行される(S13)。待機状態に移行した後
の送信、受信、原稿コピ−等の動作は、通常のファクシ
ミリ装置の動作と何ら変わらないので、ここではその説
明を省略する。
【0062】装置の準備手順完了後(S4:Y)、いず
れかの装置に使用者では復帰できないエラーが発生して
いれば(S9:Y)、初期化の手順は完了したものの、
正常に初期化されなかったものとして、図7のエラー処
理が実行される。本実施例では、電源投入後あるいは異
常復帰後に、短時間で受信可能とするため、出力装置の
初期化完了前にデータ受信を可能にしている。このため
データは受信したにも拘らず出力装置にエラーが発生す
ると、受信したデータを出力できないという問題が生じ
てしまう。そこで、本実施例のファクシミリ装置では、
かかる問題点を解決するために、受信データの出力装置
を複数備え、1の出力装置にエラーが発生した場合には
他の出力装置を用いて受信データを出力するようにして
いる。また、本ファクシミリ装置では、受信データを記
憶するRAM202をバックアップ可能とする事で、万
一、全ての出力装置にエラーが発生した場合にも、受信
データを失わないように構成されている。
【0063】このエラー処理では、まず受信有フラグ2
03がセットされているか調べられる(S31)。受信
有フラグ203がセットされていれば(S31:Y)、
出力先カウンタ208で指定される1番目の出力装置に
エラーがあるか判断される(S32)。1番目の出力装
置にエラーがなければ(S32:N)、受信されたデー
タは、1番目の出力装置で出力され(S33)、LCD
5には、受信データが出力された1番目の出力装置が表
示される(S39)。
【0064】この表示は、例えば、受信データが他のフ
ァクシミリ装置に転送された場合には、「受信データ
は、XXXX番のファクシミリ装置に転送されまし
た。」というように、受信データが転送されたこと、及
び、その転送先の電話番号がLCD5に表示される。ま
た、受信データがFDD12によりFDに書き込まれた
場合には、「受信データはフロッピーディスクに書き込
まれました。」と、受信データが印刷装置227により
印刷された場合には、「受信データは印刷されまし
た。」と、LCD5に表示される。S39の処理の後
は、各エラー処理に移行される(S40)。
【0065】1番目の出力装置にエラーが発生していれ
ば(S32:Y)、出力先カウンタ208で指定される
2番目の出力装置にエラーがあるか判断される(S3
4)。2番目の出力装置にエラーがなければ(S34:
N)、受信されたデータは、2番目の出力装置で出力さ
れ(S35)、LCD5には、受信データが出力された
2番目の出力装置が表示されて(S39)、各エラー処
理に移行される(S40)。
【0066】2番目の出力装置にもエラーが発生してい
れば(S34:Y)、出力先カウンタ208で指定され
る3番目の出力装置にエラーがあるか判断される(S3
6)。3番目の出力装置にエラーがなければ(S36:
N)、受信されたデータは、3番目の出力装置で出力さ
れ(S37)、LCD5には、受信データが出力された
3番目の出力装置が表示されて(S39)、各エラー処
理に移行される(S40)。
【0067】一方、3つの出力装置のすべてにエラーが
発生している場合は(S36:Y)、受信データを出力
することはできない。よって、受信データが出力されず
にRAM202内に残されていることをLCD5に表示
して(S38)、使用者にその旨を報知した後、処理は
各エラー処理に移行される(S40)。なお、このよう
に全ての出力装置にエラーが発生し、受信データが未出
力のままRAM202内に残されている状態で、エラー
回復のために一旦ファクシミリ装置1の電源が遮断され
ることがあっても、受信データが記憶されるRAM20
2のFAX側受信データバッファは、バックアップ可能
にされているので、電源の遮断によって受信データが失
われることがない。
【0068】S40では、S38やS39の表示領域と
重ならないように、エラーの種類がLCD5に表示さ
れ、エラー状態が使用者に認知させられる。これによ
り、使用者は、直ちに異常に対処できるか否かに応じ
て、たとえばサービスマンがすぐ来て修理してくれるの
であれば、修理が終わるのを待って、未出力の受信デー
タを出力するようにしてもよいし、あるいは、修理に時
間がかかるようであれば、RAM202、あるいはEE
PROM206の一部のメモリ領域を利用して記憶して
いる、現在までの通信履歴データを呼び出してLCD5
等に表示させ、未出力の受信データが何処のファクシミ
リ装置から送信されたものであるかを確認し、相手先に
電話して、緊急のものであれば別のファクシミリ装置に
再送信してもらってもよく、もし、緊急のものでなけれ
ば、修理が終わるのを待って、既に受信済みのデータを
出力するようにしてもよい。この場合、未出力の受信デ
ータが残っている旨の表示を行うとともに、該受信デー
タが何処のファクシミリ装置から受信したデータである
かを、LCD5等に自動的に表示するようにすれば、よ
り好都合である。
【0069】なお、修理のために一時的に電源が遮断さ
れた場合、修理が終わって再び電源が立ち上げられる
と、受信有フラグ203がセットされたままであるの
で、装置の初期化が終了した後、受信バッファに残って
いるデータが自動的に出力されるが、たとえば、修理前
にすでに別のファクシミリ装置に再送信してもらってい
るような場合には、無駄となってしまう。これを防止す
るため、たとえば、電源を遮断する前に、使用者の意志
によって受信有フラグ203を適宜リセットすることが
できるようにしてもよい。
【0070】ときに、図5から図8のフローチャートに
示される初期化プログラムは、電源投入時に行われるも
のであるが、たとえば、電源を一時的に遮断することな
く修理を行った場合等においても初期化を可能とするた
め、特定のキー操作あるいは専用のボタン操作等に応答
して、初期化が実行されるようにしてもよいことは勿論
である。
【0071】本ファクシミリ装置1は、使用者により復
帰できないエラーを検出した場合、データ受信中であれ
ば受信動作を継続し、受信終了後、一旦可能とした受信
を禁止するようにしているので、エラー検出後に新たに
データを受信することがない。即ち、出力できないデー
タの受信を最小限に止めることができる。
【0072】ところで、上記実施例では、受信バッファ
がバックアップ可能とされているので、たとえば、電源
を遮断しないと修理できない場合等であっても、受信デ
ータを消失させることなく安心して修理することが可能
となり、きわめて好都合であるが、必ずしも受信バッフ
ァがバックアップ可能である必要はない。
【0073】すなわち、出力装置に異常が検出されたた
めに、それまでに受信したデータを出力することができ
ず、しかも、修理のために電源を一時的に遮断しなけれ
ばならない場合であっても、RAM202、あるいはE
EPROM206の一部のメモリ領域を利用して記憶し
ている、現在までの通信履歴データを呼び出して、未出
力の受信データが残っていること、および、該受信デー
タの相手先が何処のファクシミリ装置であるか等をLC
D5の表示させることにより、使用者は、相手先に電話
して、緊急のものであれば別のファクシミリ装置に再送
信してもらうことができるし、緊急のものでなければ、
修理が終わるのを待って、再送信してもらうことができ
る。従って、修理のための電源断により受信データが消
失してしまう場合であっても、なんら問題となることが
ない。もちろん、上記実施例のように、受信データを他
のファクシミリ装置に転送することができる場合、ある
いは、FDに書き込むことができる場合に、再送信して
もらわなくてもよいことは当然である。
【0074】また、上記実施例では、たとえば、1番目
の出力装置として設定されている印刷装置227に異常
が検出された場合、あらかじめ設定されている他のファ
クシミリ装置に受信データを自動的に転送するようにし
たものであり、いずれの出力装置にも異常があって出力
できなかった場合のみ、未出力の受信データが残ってい
ることを、LCD5等に表示するようにしたものである
が、これに限らず、たとえば、以下のような構成であっ
ても何等差し支えない。
【0075】すなわち、1番目の出力装置として設定さ
れている印刷装置227に異常が検出された場合、先ず
は、印刷装置の故障により出力(印刷)することができ
ない受信データが残っていることをLCD5に表示する
(このとき、受信データの相手先の電話番号を同時に表
示してもよい)にとどめ、その後の対処方法について
は、LCD5の表示を見た使用者が任意に選択し得るよ
うにしてもよい。たとえば、他のファクシミリ装置に転
送したいのであれば、その旨の選択操作を行って、あら
かじめ設定されている他のファクシミリ装置、あるい
は、そのとき新たに設定された他のファクシミリ装置宛
に、受信データを転送するようにしてもよい。また、上
記ファクシミリ装置とは別に、FDに書き込んだ受信デ
ータを表示あるいは印刷可能な専用の装置、たとえば、
パーソナルコンピュータ等が設置してある場合には、受
信データをFDに書き込むべく選択操作するようにして
もよい。この場合には、受信データを書き込んだFD
を、パーソナルコンピュータにセットすることで、CR
T画面に受信データを表示させることができるし、必要
に応じてプリントアウトさせることができる。
【0076】
【発明の効果】請求項1記載のファクシミリ装置によれ
ば、装置全体の初期化には長時間を要するが、データ受
信に必要な部分を含む第1の部分の初期化のみを先に行
い、その第1の部分の初期化終了後は、それ以外の第2
の部分の初期化終了前であっても受信を可能とするの
で、電源投入時または異常復帰時に短時間で受信可能な
状態にすることができるという効果がある。
【0077】請求項2記載のファクシミリ装置によれ
ば、請求項1記載のファクシミリ装置の奏する効果に加
え、更に、第2の部分に使用者では容易に復帰できない
エラーがある場合、すでにデータ受信中であれば受信動
作が継続されるが、その受信終了後はデータが受信され
ないので、装置に異常があるにもかかわらず、データ受
信を無制限に行ってしまうことがないという効果があ
る。
【0078】請求項3記載のファクシミリ装置によれ
ば、請求項1または2記載のファクシミリ装置の奏する
効果に加え、更に、第2の部分にエラーがあっても、使
用者が容易に復帰可能なエラーであれば、データの受信
が可能とされるので、必要以上にデータ受信を制限して
しまうことがないという効果がある。
【0079】請求項4記載のファクシミリ装置によれ
ば、印刷手段の初期化は長時間を要するが、この印刷手
段の初期化前に受信手段及び記憶手段(受信部)の初期
化を行い、その受信部の初期化終了後は印刷手段の初期
化終了前であっても受信を可能とするので、電源投入時
または異常復帰時に短時間で受信可能な状態にすること
ができるという効果がある。
【0080】請求項5記載のファクシミリ装置によれ
ば、請求項4記載のファクシミリ装置の奏する効果に加
え、更に、印刷手段の初期化終了前に受信されたデータ
を印刷することができるという効果がある。
【0081】請求項6記載のファクシミリ装置によれ
ば、請求項4または5記載のファクシミリ装置の奏する
効果に加え、更に、印刷手段に異常が検出された場合に
は、その異常の復帰を待って印刷するので、正常な印刷
結果を得ることができるという効果がある。
【0082】請求項7記載のファクシミリ装置によれ
ば、請求項4または5記載のファクシミリ装置の奏する
効果に加え、更に、印刷手段に異常が検出された場合
に、受信されたデータは、転送手段により他のファクシ
ミリ装置に転送される。よって、印刷手段に生じた異常
が復帰困難なものであっても、受信されたデータを失う
ことなく、他のファクシミリ装置で印刷または記憶する
ことができるという効果がある。この場合、印刷手段の
異常復帰後に転送先のファクシミリ装置から転送したデ
ータを送信し返してもらえば、そのデータを本ファクシ
ミリ装置で印刷することができる。
【0083】請求項8記載のファクシミリ装置によれ
ば、請求項7記載のファクシミリ装置の奏する効果に加
え、更に、印刷手段に異常が検出された場合に、受信さ
れたデータは、他のファクシミリ装置へ自動的に転送さ
れるので、使用者は転送操作を行う必要がなく操作性が
向上できるという効果がある。
【0084】請求項9記載のファクシミリ装置によれ
ば、請求項6または7記載のファクシミリ装置の奏する
効果に加え、更に、受信されたデータの送信先が報知さ
れるので、使用者は必要に応じてデータの送信先に連絡
して再送信を依頼することができるという効果がある。
【0085】請求項10記載のファクシミリ装置によれ
ば、請求項4または5記載のファクシミリ装置の奏する
効果に加え、更に、印刷手段に異常が検出された場合
に、受信されたデータは、書込手段により不揮発性の第
2記憶手段に書き込まれる。よって、印刷手段に生じた
異常が復帰困難なものであって大がかりな修理が必要と
なる場合でも、受信されたデータは失われることがない
という効果がある。この場合、印刷手段の異常復帰後
(修理後)に、不揮発性の第2記憶手段からそのデータ
を読み出して本ファクシミリ装置で印刷することができ
る。
【0086】請求項11記載のファクシミリ装置によれ
ば、請求項6から10のいずれかに記載のファクシミリ
装置の奏する効果に加え、更に、印刷手段の異常のため
に印刷されずに残されている受信データの存在が、報知
手段によって報知されるので、使用者は未印刷の受信デ
ータの存在を容易に認識できるという効果がある。この
報知結果に基づいて、使用者は未印刷の受信データを他
のファクシミリ装置へ転送したり、不揮発性の第2記憶
手段に書き込むことができるので、印刷手段に復帰困難
な異常が生じてもそのデータを失うことがない。
【0087】請求項12記載のファクシミリ装置によれ
ば、請求項4から11のいずれかに記載のファクシミリ
装置の奏する効果に加え、記憶手段は電源が遮断されて
もデータを記憶保持できるので、印刷手段の異常が電源
を遮断しなければ復帰できないものであり、そのために
電源を遮断することがあっても、受信されたデータが失
われることがないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるファクシミリ装置の斜
視図である。
【図2】上記ファクシミリ装置の側断面図である。
【図3】上記ファクシミリ装置の電気的構成を示したブ
ロック図である。
【図4】出力先カウンタの説明図である。
【図5】電源投入後に実行される初期化処理を示したフ
ローチャートである。
【図6】受信部初期化処理を示したフローチャートであ
る。
【図7】エラー処理を示したフローチャートである。
【図8】RAMチェックの詳細を示したフローチャート
である。
【符号の説明】
1 ファクシミリ装置 5 液晶表示器(LCD) 12 フロッピーディスクドライブ(FD
D) 200 CPU(制御手段) 202 RAM(記憶手段) 203 受信有フラグ 204 ROM 206 EEPROM 207 転送先電話番号メモリ 208 出力先カウンタ 212 送信・受信制御回路 214 モデム 222 NCU 227 印刷装置(印刷手段)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源投入時または異常復帰時において、
    発呼側から送信されたデータの受信に必要な部分を含む
    第1の部分の初期化を、それ以外の第2の部分の初期化
    に先行して行う初期化手段と、 その初期化手段により前記第1の部分の初期化が終了し
    た場合には、第2の部分の初期化が未終了であっても、
    発呼側から送信されたデータの受信を可能とする制御手
    段とを備えたことを特徴とするファクシミリ装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記第1の部分の初期
    化終了後、第2の部分に使用者では容易に復帰できない
    エラーがある場合、データ受信中であれば受信動作を継
    続し、その受信終了後はデータを受信させないことを特
    徴とする請求項1記載のファクシミリ装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記第1の部分の初期
    化終了後、第2の部分にエラーがあっても、使用者が容
    易に復帰可能なエラーであれば、データの受信を可能と
    することを特徴とする請求項1または2記載のファクシ
    ミリ装置。
  4. 【請求項4】 発呼側装置から送信されたデータを受信
    する受信手段と、その受信手段により受信されたデータ
    を記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶されたデー
    タを記録紙に印刷する印刷手段と、前記受信手段及び記
    憶手段の初期化を行う受信部初期化手段と、前記印刷手
    段の初期化を行う印刷部初期化手段とを備えたファクシ
    ミリ装置において、 電源投入時または異常復帰時に、前記受信部初期化手段
    の実行を前記印刷部初期化手段の実行に先行して行う初
    期化手段と、 その初期化手段により前記受信部初期化手段の初期化が
    終了した場合には、前記印刷部初期化手段の初期化が未
    終了であっても、前記受信手段及び記憶手段を動作させ
    て発呼側装置から送信されたデータの受信を可能とする
    制御手段とを備えたことを特徴とするファクシミリ装
    置。
  5. 【請求項5】 前記受信部初期化手段の初期化後であっ
    て前記印刷部初期化手段の初期化終了前に前記受信手段
    により受信され前記記憶手段に記憶されたデータを、前
    記印刷部初期化手段の初期化終了後に記録紙に印刷させ
    る印刷制御手段を備えたことを特徴とする請求項4記載
    のファクシミリ装置。
  6. 【請求項6】 前記印刷部初期化手段は、前記印刷手段
    の検査を行う印刷部検査手段を含み、 その印刷部検査手段により前記印刷手段に異常が検出さ
    れた場合、データ受信中であれば受信動作を継続し、受
    信終了後、それまでに受信したデータを、前記印刷手段
    の異常復帰後に印刷させる復帰後印刷制御手段を備えた
    ことを特徴とする請求項4または5記載のファクシミリ
    装置。
  7. 【請求項7】 前記印刷部初期化手段は、前記印刷手段
    の検査を行う印刷部検査手段を含み、 その印刷部検査手段により前記印刷手段に異常が検出さ
    れた場合、データ受信中であれば受信動作を継続し、受
    信終了後、それまでに受信したデータを、他のファクシ
    ミリ装置に転送させることが可能な転送手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項4または5記載のファクシミリ装
    置。
  8. 【請求項8】 前記転送手段は、前記印刷手段に異常が
    検出された場合、データ受信中であれば受信動作を継続
    し、受信終了後、それまでに受信したデータを、他のフ
    ァクシミリ装置に自動的に転送させることを特徴とする
    請求項7記載のファクシミリ装置。
  9. 【請求項9】 前記印刷部検査手段により前記印刷手段
    に異常が検出された場合、データ受信中であれば受信動
    作を継続し、受信したデータが存在するときは、受信デ
    ータが何処のファクシミリ装置から送信されたものであ
    るかを報知する送信先報知手段を備えたことを特徴とす
    る請求項6または7記載のファクシミリ装置。
  10. 【請求項10】 前記印刷部初期化手段は、前記印刷手
    段の検査を行う印刷部検査手段を含み、 その印刷部検査手段により前記印刷手段に異常が検出さ
    れた場合、データ受信中であれば受信動作を継続し、受
    信終了後、それまでに受信したデータを、前記記憶手段
    から不揮発性の第2記憶手段に書き込むことが可能な書
    込手段を備えたことを特徴とする請求項4または5記載
    のファクシミリ装置。
  11. 【請求項11】 前記印刷部検査手段により前記印刷手
    段に異常が検出された場合、データ受信中であれば受信
    動作を継続し、受信したデータが存在するときは、その
    旨を報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項
    6から10のいずれかに記載のファクシミリ装置。
  12. 【請求項12】 前記記憶手段は、電源が遮断されても
    データを記憶保持できる構成とされていることを特徴と
    する請求項4から11のいずれかに記載のファクシミリ
    装置。
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