JPH09233006A - フェージング等化器 - Google Patents

フェージング等化器

Info

Publication number
JPH09233006A
JPH09233006A JP8036525A JP3652596A JPH09233006A JP H09233006 A JPH09233006 A JP H09233006A JP 8036525 A JP8036525 A JP 8036525A JP 3652596 A JP3652596 A JP 3652596A JP H09233006 A JPH09233006 A JP H09233006A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fading
signal
signal points
pilot signal
modulated wave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8036525A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Uchijima
誠 内島
Hajime Hamada
一 浜田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP8036525A priority Critical patent/JPH09233006A/ja
Publication of JPH09233006A publication Critical patent/JPH09233006A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、フェージング等化器に関し、実際
のフェージングに適応しつつ動的に等化処理を行うこと
を目的とする。 【解決手段】 情報信号点列に一定間隔で既知の(2N-1)
個のパイロット信号点が順に共通の周期で挿入された被
変調波信号から連続するN個の伝送期間の信号を個別に
抽出するN個の抽出手段と、抽出された信号に対して標
本化定理が成立する伝達特性を有して時間関数の基準信
号を得るN個の濾波手段と、連続したN個のN組のパイ
ロット信号点の個々について、フェージングを時間関数
で示すベクトルとの積和と基準信号とが等しいことを示
す連立方程式を解いてこれらのベクトルを得るフェージ
ングベクトル算出手段と、これらの手段の遅延時間に等
しい遅延を被変調波信号に与える遅延手段と、その被変
調波信号にこれらのベクトルを無線伝送路の伝送特性と
して等化処理を施す処理手段とを備えて構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無線伝送路を介し
て受信された受信波にフェージングに起因して生じた歪
みの補償を行うフェージング等化器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、市場の自由化と複数の通信事業体
による競争との下で移動通信システム等のように、無線
伝送路を介して通信サービスを提供する多くの無線通信
システムが運用されている。また、このような無線通信
システムでは、ディジタル伝送技術が適用されて多様な
サービスが提供され、かつ低廉化、小型化および軽量化
を実現する多くの技術の適用の下で加入者数や伝送情報
の情報量の増大に対する適応がはかられると共に、無線
伝送路の伝送特性の変動に起因した伝送品質の劣化を抑
圧するためにフェージング等化器が適用されている。
【0003】図6は、フェージング等化器が適用された
移動通信システムの構成例を示す図である。図におい
て、変調器51を含む送信端52は受信端53と無線伝
送路を介して対向し、その受信端は従属接続された復調
器54とフェージング等化器55とを有する。
【0004】このような構成の移動通信システムでは、
送信端52に備えられた変調器51は、図7に示すよう
に、所定の語長の伝送情報(通話信号を示すビット列を
その語長で分割することにより生成された部分伝送情報
を含む。)にトレーニングワードが付加されてなるフレ
ームの単位に順次送信を行う。受信端53では、復調器
54は、無線伝送路を介して送信端52から受信される
受信波を復調することによりベースバンド信号を生成す
る。フェージング等化器55は、このようなベースバン
ド信号に含まれるトレーニングワードが既知であるか
ら、そのベースバンドの先頭を示す状態Xに対して実際
に送信された信号点DX 、その信号点が伝送される時点
tにおいて受信端53に到来する先行波に対して推定さ
れる無線伝送路のインパルス応答(以下、単に「CIR
(ChannelImpulse Response)」という。)C0,X,t
状態Xに後続する状態Yに対して実際にトレーニング信
号として送信された信号点DY 、その先行波に1シンボ
ル遅延して受信端53に到来する遅延波に対して同様に
推定されるCIRであるC-1,X,tに対して RX,Y,t=C0,X,t-1・DY+C-1,X,t-1・DX ・・・(1) の式で示される算術演算を行うことによりレプリカ信号
X,Y,t を求める。
【0005】さらに、フェージング等化器55は、上述
した時点tに受信端53に実際に到来した受信信号St
を求めると共に、 EX,Y,t=St−RX,Y,t の式で示される算術演算を行うことにより誤差信号EX,
Y,t を求め、その誤差信号に基づいてC0,X,t
-1,X,tとを更新する処理を上述したトレーニング信号
を時系列の順に示す一連のシンボルについて反復する。
【0006】また、このようなトレーニングワードに後
続する伝送情報については、フェージング等化器55
は、このようなアルゴリズムに基づいて求められたCI
Rの下でMLSE(Maximum Likelihood Sequence Estim
ator)を適用して等化処理を施すことにより、無線伝送
路で生じたフェージングに起因する伝送品質の劣化を抑
圧する。
【0007】なお、上述した従来例では、トレーニング
ワードに基づいて求められたCIRがそのトレーニング
ワードに後続する伝送情報に対して施される等化処理に
定常的に適用されているが、例えば、フェージングの周
期がフレームの長さに対して無視できない程度に短い場
合には、フェージング等化器55に内蔵するパスメモリ
に逐次記録されたパスを参照しつつシンボル単位にCI
Rを更新することも可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来例では、上式(1) に示すCIR(C0,X,t-1、C-1,X,t
-1)は、無線伝送路におけるフェージングの発生の態様
とは何ら相関がない値に初期設定され、かつ上述したア
ルゴリズムに基づいて更新されるために、図8に示すよ
うに、SN比に対するビット誤り率の減少率はそのSN
比が高い領域では著しく小さい値となった。
【0009】したがって、移動局の移動に併せて地形や
地物に起因する複雑な反射の下でフェージングが数十デ
シベルの大きな幅で激しく生じたり、マルチパスに起因
する顕著な周波数選択性のフェージングが生じる移動通
信システム等では、従来例は、所望の伝送品質が確保で
きないために、適用できない場合があった。また、移動
通信システムにおける基地局と移動局との間や移動局相
互間における相対速度が大きい場合には、このような周
波数選択性のフェージングに併せて、両局に到来する受
信波に無視できないドップラーシフトが生じるために、
その受信波の電界強度の平均値が十分に高いにもかかわ
らずビット誤りが頻発して伝送品質や伝送効率が低下す
る可能性が高かった。
【0010】本発明は、無線伝送路で実際に生じるフェ
ージングに適応したCIRに基づいて動的に等化処理を
行うフェージング等化器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】図1は、請求項1〜4に
記載の発明の原理ブロック図である。
【0012】請求項1に記載の発明は、伝送情報を時系
列順に示す信号点からなる情報信号点列に、変調方式に
固有のシンボル周期で正規化された無線伝送路の伝搬遅
延時間の最大値と最小値との差と「1」との和以上の整数
Nに対して、時系列の順に一定の間隔で配置された既知
の(2N−1)個のパイロット信号点が個別に共通の周期
で挿入されてなり、かつその無線伝送路を介して得られ
た被変調波信号を取り込み、その被変調波信号の形式に
基づいて、時系列の順に連続するN個のパイロット信号
点が伝送されるべき期間における被変調波信号を個別に
抽出するN個の抽出手段111〜11Nと、N個の抽出手
段111〜11Nによって個別に抽出された被変調波信号
に対して周期の下で標本化定理が成立する伝達特性を有
し、これらの被変調波信号を個別に濾波してシンボル周
期で正規化された時間の関数である基準信号を生成する
N個の濾波手段131〜13Nと、(2N−1)個のパイロ
ット信号点の内、時系列の順に生起するN個のパイロッ
ト信号点の集合からなるN個の異なる組み合わせをなす
パイロット信号点について、無線伝送路で生じたフェー
ジングに起因する変動分を時間の関数として示すベクト
ルとの積和と、N個の濾波手段131〜13Nによって生
成された個々の基準信号の信号空間における位置とが等
しいことを示す連立方程式を解き、これらのベクトルを
求めるフェージングベクトル算出手段15と、N個の抽
出手段111〜11N、N個の濾波手段131〜13Nおよ
びフェージングベクトル算出手段15で生じる遅延時間
に等しい遅延を被変調波信号に与える遅延手段17と、
フェージングベクトル算出手段15によって求められた
ベクトルを無線伝送路のインパルス応答として、遅延手
段17を介して与えられた無線周波信号にビタビアルゴ
リズムまたは逐次復号アルゴリズムに基づく等化処理を
施す処理手段19とを備えたことを特徴とする。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のフェージング等化器において、パイロット信号点は、
そのパイロット信号点に時系列の順に隣接する全ての信
号点との位相差が整数Pに対して(2P+1)πラジアン以
外の値となる信号点に設定されたことを特徴とする。請
求項3に記載の発明は、請求項1に記載のフェージング
等化器において、パイロット信号点は、変調方式の下で
信号空間ダイヤグラムの原点との相対距離が小さい信号
点のみから構成されることを特徴とする。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項1ないし
請求項3の何れか1項に記載のフェージング等化器にお
いて、伝送情報は、変調方式に基づく変調に先行して無
線伝送路に適応した伝送路符号化が施され、処理手段1
9には、伝送路符号化に適応した伝送路復号化を行う手
段を含むことを特徴とする。請求項1に記載の発明にか
かわるフェージング等化器では、無線伝送路を介して伝
送される被変調波信号は、伝送情報を時系列順に示す信
号点からなる情報信号点列に、変調方式に固有のシンボ
ル周期で正規化された無線伝送路の伝搬遅延時間の最大
値と最小値との差と「1」との和以上の整数Nに対して、
時系列の順に一定の間隔で配置された既知の(2N−1)
個のパイロット信号点が個別に共通の周期で挿入されて
生成される。
【0015】抽出手段111〜11Nは、無線伝送路を介
してこのような被変調波信号を取り込み、その被変調波
信号の形式に基づいて、時系列の順に連続するN個のパ
イロット信号点が伝送されるべき期間における無線周波
数信号を個別に抽出する。濾波手段131〜13Nは、こ
のようにして抽出された個々の被変調波信号に含まれる
低域の成分を抽出することにより、これらの無線周波数
信号について、個別に上述した周期で与えられる期間で
挟まれた時間軸上の区間の補間を行い、シンボル周期で
正規化された時間の関数である基準信号を生成する。フ
ェージングベクトル算出手段15は、上述した(2N−
1)個のパイロット信号点の内、時系列の順に生起する
N個のパイロット信号点の集合からなるN個の異なる組
み合わせをなすパイロット信号点について、無線伝送路
で生じたフェージングに起因する変動分を上述した時間
の関数として示すベクトルとの積和と、濾波手段131
〜13N によって生成された個々の基準信号の信号空間
における位置とが等しいことを示す連立方程式を解き、
これらのベクトルを求める。
【0016】処理手段19は、遅延手段17によって抽
出手段111〜11N、濾波手段13 1〜13Nおよびフェ
ージングベクトル算出手段15の遅延時間に等しい遅延
が与えられた被変調波信号に、このようにして求められ
たベクトルを無線伝送路のインパルス応答としてビタビ
アルゴリズムまたは逐次復号アルゴリズムを適用するこ
とにより、等化処理を施す。
【0017】すなわち、既知のパイロット信号点に対応
して無線伝送路を介して与えられた被変調波信号に標本
化定理に基づく補間処理が施され、その被変調波信号の
成分の内、該当するパイロット信号点に応じて含まれる
成分が信号空間ダイヤグラム上でとる位置が求められる
と共に、このような位置に対応したフェージングを与え
るベクトルの成分の内、無線伝送路においてシンボル周
期単位に生じる異なるN個の伝搬遅延時間の成分が上述
した連立方程式の解として算術的に求められる。
【0018】したがって、無線伝送路のインパルス応答
が上述したフェージングを与えるベクトルと何ら関係な
く初期設定され、かつ反復して適用されるアルゴリズム
に基づいて順次更新されていた従来例に比べて、精度よ
く等化処理が行われる。請求項2に記載の発明にかかわ
るフェージング等化器では、請求項1に記載のフェージ
ング等化器において、個々のパイロット信号点は、整数
Pに対してそのパイロット信号点に時系列の順に隣接す
る全ての信号点との位相差が(2P+1)πラジアン以外の
値となる信号点に設定される。
【0019】すなわち、パイロット信号点とそのパイロ
ット信号点に時系列の順に隣接する信号点(伝送情報を
示す信号点および他のパイロット信号点の双方)との位
相が逆転することなく無線伝送路が形成されるので、送
信端や受信端に固有の帯域制限に起因して発生する符号
間干渉の程度が小さく抑えられる。請求項3に記載の発
明にかかわるフェージング等化器では、請求項1に記載
のフェージング等化器において、個々のパイロット信号
点は、変調方式の下で信号空間ダイヤグラムの原点との
相対距離が小さい信号点のみから構成される。
【0020】すなわち、パイロット信号点を示す被変調
波信号の送信電力が小さい値に制限されるので、そのパ
イロット信号点に時系列の順に隣接する信号点(伝送情
報を示す信号点および他のパイロット信号点の双方)を
示す信号に生じる符号間干渉は、その符号間干渉の源と
なる電力が小さいために抑圧される。請求項4に記載の
発明にかかわるフェージング等化器では、請求項1〜3
の何れか1項に記載のフェージング等化器において、伝
送情報は変調方式に基づく変調に先行して無線伝送路に
適応した伝送路符号化が施され、かつ処理手段19はそ
の伝送路符号化に適応した伝送路復号化を行う。
【0021】すなわち、処理手段19が等化処理と伝送
路復号化とに共用されるので、ハードウエアの構成が簡
略化され、かつ伝送路符号化方式が適用された無線伝送
路が確実に形成される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態について詳細に説明する。
【0023】図2は、請求項1〜3に記載の発明に対応
した実施形態を示す図である。図において、遅延器31
および抽出器321、322の入力には、「0」を含む序
数nと適用された変調方式の下で与えられるシンボルの
周期Tとに対してRX(nT)で示される受信信号が与えら
れ、これらの抽出器の出力はそれぞれ低域フィルタ33
1、332の入力に接続される。低域フィルタ331、3
2の出力はマトリクス演算器34の対応する入力に接
続され、そのマトリクス演算器の出力はトレリス復号器
35の対応する係数入力に接続される。遅延器31の出
力はトレリス復号器35の復号入力に接続され、そのト
レリス復号器の復号出力には出力信号が得られる。
【0024】なお、本実施形態と図1に示すブロック図
との対応関係については、抽出器321、322は抽出手
段111〜11Nに対応し、低域フィルタ331、332
濾波手段131〜13Nに対応し、マトリクス演算器34
はフェージングベクトル算出手段15に対応し、遅延器
31は遅延手段17に対応し、トレリス復号器35は処
理手段19に対応する。
【0025】図3は、本実施形態の動作を説明する図で
ある。以下、図2および図3を参照して請求項1に記載
の発明に対応した本実施形態の動作を説明する。遅延器
31および抽出器321、322の入力に与えられる受信
信号RX(nT)は、図3に示すように無線伝送路を介して
対向する送信端からシンボル単位に先行して到来する先
行波と、伝搬路がその先行波の伝搬路より長いために遅
延して到来する遅延波とのベクトル和として与えられ
る。
【0026】したがって、例えば、QPSK変調方式が
適用され、かつ上述した無線伝送路で先行波と遅延波と
に個別に生じたフェージングを示すフェージングベクト
ルがそれぞれa0(nT)、a1(nT)で示される場合には、受信
信号RX(nT) は、送信端から送信された送信信号TX(n
T)に対して RX(nT)=a0(nT)・TX(nT)+a1(nT)・TX((n-1)T) ・・・(2) の式で与えられる。なお、ここでは、簡単のため、無線
伝送路の伝送特性に応じて先行波と遅延波との間に生じ
得る最大の遅延時間はシンボルの周期Tに等しいと仮定
する。
【0027】また、フレームについては、図7に示すフ
レーム構成に代えて、図4に示すように、連続したL個
のシンボルの集合からなるフレームに、(L−3)個のシ
ンボルに相当する語長の単位に分割された伝送情報(部
分伝送情報)が個別に配置され、かつこれらの部分伝送
情報の両端に、「0」を含む序数kに対して信号空間上
【数1】 の各式で示される既知のシンボル(以下、個別に「パイ
ロットシンボル」という。)の列(以下、「パイロット
シンボル列」という。)が配置されて構成される。
【0028】なお、上式(3) において、「j」は信号空
間において信号点の位置の縦軸の座標を虚数として示
し、その虚数を含む複素数の実部の各値は対応する信号
点の位置の横軸の座標を示す。一方、受信端では、抽出
器321、322は、このようなフレーム構成に基づいて
それぞれ上式(3) の第二式および第三式で示される信号
点をとるべき受信信号の値を抽出することにより、上式
(3) に併せてn=kL+1、n=kL+2の各式が上式(2)に代入さ
れてなる RX((kL+1)T)={a0((kL+1)T)+a1((kL+1)T)}・(1+j) …(4) RX((kL+2)T)={−a0((kL+2)T)+a1((kL+2)T)}・(1+j) …(5) の式で示される信号を出力する。
【0029】低域フィルタ331、332は、共通のイン
パルス応答c(t)を有し、そのインパルス応答に対して
【数2】 の各式に示すように、そのインパルス応答と上式(4)、
(5)で示される信号との畳み込み積分の値の列として、
一連の時刻nTにおける2つの復調信号を順次出力す
る。
【0030】マトリクス演算器34は、このように上式
(6)、(7)の式の右辺の値に相当する復調信号の値に対し
てこれらの式をフェージングベクトルa0(nT)、a1(nT)を
根とする連立方程式と解くことにより、上述した先行波
と遅延波と共に含まれる一連の時刻nTにおけるフェー
ジングベクトルを求める。
【0031】また、遅延器31は、抽出器321(3
2)、低域フィルタ331(332)およびマトリクス演算
器34に固有の伝搬遅延時間や演算所要時間の和に等し
い時間の遅延を受信信号RX(nT) に与える。トレリス復
号器35は、このようにして遅延器31を介して与えら
れる受信信号RX(nT) と、上述したようにマトリクス演
算器34によって求められたフェージングベクトルa0(n
T)、a1(nT)とを取り込み、かつこれらのフェージングベ
クトルを従来例における先行波と遅延波とに対する時刻
nTのCIRと同様にしてMLSEを適用することによ
り、その受信信号に等化処理を施す。
【0032】このように本実施形態によれば、無線伝送
路で実際に生じたフェージングを忠実に示すフェージン
グベクトルとしてCIRが求められ、そのCIRに基づ
いてこのようなフェージングに起因して生じた歪みの補
償が行われるので、図8に点線で示すように、SN比が
高いほど確実にビット誤り率が減少し、従来例に比べて
伝送品質が高められる。
【0033】なお、上述した実施形態では、トレリス復
号器35が行う等化処理の過程において、送信ベクトル
X(nT) について rX(nT|tX((n-1)T),tX(nT))=a0(nT)・tX(nT)+a1(n
T)・tX((n-1)T) の式で示されるレプリカ受信信号に対して d(nT|tX((n-1)T),tX(nT))=[Re{RX(nT)-rX(nT|tX
((n-1)T),tX(nT))}]2+[Im{RX(nT)-rX(nT|tX((n-1)
T),tX(nT))}]2 の式で定義される距離d(nT|tX((n-1)T),tX(nT))が枝
尤度数として適用され、かつ受信信号RX(kLT)〜R
X(((k+1)L-1)T)に対するその距離が最小である送信ベク
トルtX(kLT)〜tX(((k+1)L-1)T)が全てのkの値(=0、
1、2、…)について求められる。
【0034】しかし、このような距離を示す算術演算の
過程で上式に示す二乗をとる演算が演算所要時間の増大
やソフトウエアの構造が複雑化する主要因となる場合に
は、伝送品質の劣化が許容される範囲において、例え
ば、 d′(nT|tX((n-1)T),tX(nT))=|Re{RX(nT)-rX(nT|
X((n-1)T),tX(nT))}|+|Im{RX(nT)-rX(nT|tX((n-
1)T),tX(nT))}| の式で示される近似値d′(nT|tX((n-1)T),tX(nT))
を上述した距離d(nT|tX((n-1)T),tX(nT))に代えて適
用することも可能である。
【0035】以下、図2〜図4を参照して請求項2に記
載の発明に対応した本実施形態の動作を説明する。本実
施形態では、パイロットシンボルを与える個々の信号点
は、時系列の順に隣接する信号点と信号空間の原点を挟
んで対向して配置されたり、その原点に対してこれらの
信号点が有する相対距離の差が大きい値となる可能性が
最小となる信号点として予め設定される。
【0036】すなわち、送信信号TX(nT) を示す信号の
波形が時間軸に沿ってなだらかに変化するので、送信端
や受信端が行う帯域制限に起因して生じる符号間干渉の
程度が小さく抑えられる。以下、図2〜図4を参照して
請求項3に記載の発明に対応した本実施形態の動作を説
明する。
【0037】本実施形態では、パイロットシンボル列
は、適用された変調方式の下で信号空間ダイヤグラムの
原点との相対距離が小さい信号点を示すシンボルのみか
ら構成される。すなわち、パイロットシンボル列がその
パイロットシンボル列に時系列の順に隣接して伝送情報
を示すシンボルに与える符号間干渉の程度が小さく抑え
られ、かつ送信端においてパイロットシンボルの送信に
供される電力が節減されると共に、その送信端が送信で
きる先頭電力の上限による制約が課されることなく伝送
歪みの発生が抑えられる。
【0038】したがって、本実施形態では、請求項2に
記載の発明に対応した実施形態と同様にして送信端や受
信端における帯域制限によって生じる符号間干渉の程度
が小さく抑えられる。図5は、請求項4に記載の発明に
対応した実施形態を示す図である。図において、図6に
示すものと機能および構成が同じものについては、同じ
符号を付与して示し、ここではその説明を省略する。
【0039】本実施形態と図6に示す従来例との構成の
相違点は、送信端52に代わる送信端41には変調器5
1の前段に伝送路符号化器42が備えられ、受信端53
に代わる受信端43にはフェージング等化器55に代え
てフェージング等化器44が備えられた点にある。ま
た、フェージング等化器44の構成については、トレリ
ス復号器35に代えてトレリス復号器45が備えられた
点を除き、図3に示すフェージング等化器の構成と同じ
である。
【0040】以下、図2、図4および図5を参照して本
実施形態の動作を説明する。送信端41では、伝送路符
号化器42は、図4に示すフレーム構成に従って情報フ
ィールドに配置されるべき伝送情報に予め決められた方
式に基づいて伝送路符号化処理を施す。一方、受信端4
3では、フェージング等化器44は、復調器54が行う
復調処理の下で与えられた受信信号RX(nT) を取り込
み、その受信信号に請求項1ないし請求項3の何れか1
項に記載の発明に対応した実施形態と同様にして等化処
理を施す。なお、このような等化処理の過程におけるト
レリス復号器45の動作については、図2に示すトレリ
ス復号器35の動作と同じであるから、ここではその説
明を省略する。
【0041】さらに、トレリス復号器45は、このよう
な等化処理に併せて、その等化処理の下で得られた情報
フィールドの内容に上述した伝送路符号化の方式に適応
した復号化処理を施す。
【0042】なお、これらの等化処理および復号化処理
の手順については、その復号化処理が共にビタビアルゴ
リズムや逐次復号化アルゴリズムに適応したものである
場合には、共通のハードウエアやソフトウエアの共用の
下で実現される。したがって、ハードウエアやソフトウ
エアの規模の拡大と構成の複雑化とを回避しつつ、伝送
品質が良好な無線伝送系が構成される。
【0043】なお、上述した各実施形態では、受信端に
到来する先行波と遅延波との間の最大遅延時間が単一の
シンボル周期Tとなっているが、そのシンボル周期の複
数倍の時間であってもよい。また、このような場合に
は、パイロットシンボルに対応した各信号点について
は、上述した各実施形態に示すように信号空間において
各軸から隔たった点に配置されたものに限定されず、か
つ上述した最大遅延時間を示すシンボル周期の数nに対
して上式(4)、(5)に代えて、(n+1)個のフェージング
ベクトルa0〜anを根とする(n+1)本の連立方式が得ら
れるならば、如何なる組み合わせで与えられてもよい。
【0044】さらに、上述した各実施形態では、フェー
ジング等化器の最終段にMSLEが適用されたトレリス
復号器が適用されているが、本発明はこのような復号器
に限定されず、例えば、逐次復号器が適用されてもよ
い。ただし、このような逐次復号器が適用された場合に
は、算術演算の過程でオーバーフローが生じた場合に
は、等化処理の出力として初段に入力された受信信号を
選択して出力する手段を有することが望ましい。
【0045】また、上述した各実施形態では、低域フィ
ルタ331、332、マトリクス演算器34およびトレリ
ス復号器35(45)が行う算術演算については、実時間
で行うことができない場合には、演算対象(またはその
演算対象の組み合わせ)に対応した演算結果を予め格納
したメモリを稼働中に実際に得られる演算対象に基づい
て適宜参照することにより行われてもよい。
【0046】さらに、上述した各実施形態では、適用さ
れるべき変調方式や多元接続方式が特定されていない
が、本発明は、上述したパイロットシンボル列が確実に
付加され、かつそのパイロットシンボル列と伝送情報と
を確実に分離して識別できるならば、如何なる変調方式
や多元接続方式が適用されてもよい。
【0047】
【発明の効果】上述したように請求項1に記載の発明で
は、無線伝送路のインパルス応答が実際に発生したフェ
ージングを示すベクトルと何ら関係なく初期設定された
り更新されていた従来例より、精度よく等化処理が行わ
れる。
【0048】請求項2に記載の発明では、時系列の順に
隣接する全ての信号点を示す信号の位相が逆転すること
なく確実に無線伝送路が形成されるので、送信端や受信
端に固有の帯域制限に起因して発生する符号間干渉の程
度が小さく抑えられる。請求項3に記載の発明では、送
信端における送信電力が小さい値に制限され、かつ請求
項2に記載の発明と同様にして符号間干渉の程度が小さ
く抑えられる。
【0049】請求項4に記載の発明では、ハードウエア
の構成が簡略化され、かつ伝送路符号化方式が適用され
た無線伝送路が確実に形成される。したがって、これら
の発明が適用された無線伝送系では、製造および運用に
要するコストの削減がはかられ、かつ伝送品質が高めら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1〜4に記載の発明の原理ブロック図で
ある。
【図2】請求項1〜3に記載の発明に対応した実施形態
を示す図である。
【図3】本実施形態の動作を説明する図である。
【図4】本実施形態に適用されたフレーム構成を示す図
である。
【図5】請求項4に記載の発明に対応した実施形態を示
す図である。
【図6】フェージング等化器が適用された移動通信シス
テムの構成例を示す図である。
【図7】従来例に適用されたフレーム構成を示す図であ
る。
【図8】従来例の課題を説明する図である。
【符号の説明】
11 抽出手段 13 濾波手段 15 フェージングベクトル算出手段 17 遅延手段 19 処理手段 31 遅延器 32 抽出器 33 低域フィルタ 34 マトリクス演算器 35,45 トレリス復号器 41,52 送信端 42 伝送路符号化器 43,53 受信端 44,55 フェージング等化器 51 変調器 54 復調器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝送情報を時系列順に示す信号点からな
    る情報信号点列に、変調方式に固有のシンボル周期で正
    規化された無線伝送路の伝搬遅延時間の最大値と最小値
    との差と「1」との和以上の整数Nに対して、時系列の順
    に一定の間隔で配置された既知の(2N−1)個のパイロ
    ット信号点が個別に共通の周期で挿入されてなり、かつ
    その無線伝送路を介して得られた被変調波信号を取り込
    み、その被変調波信号の形式に基づいて、時系列の順に
    連続するN個のパイロット信号点が伝送されるべき期間
    における被変調波信号を個別に抽出するN個の抽出手段
    と、 前記N個の抽出手段によって個別に抽出された被変調波
    信号に対して前記周期の下で標本化定理が成立する伝達
    特性を有し、これらの被変調波信号を個別に濾波して前
    記シンボル周期で正規化された時間の関数である基準信
    号を生成するN個の濾波手段と、 前記(2N−1)個のパイロット信号点の内、時系列の順
    に生起するN個のパイロット信号点の集合からなるN個
    の異なる組み合わせをなすパイロット信号点について、
    前記無線伝送路で生じたフェージングに起因する変動分
    を前記時間の関数として示すベクトルとの積和と、前記
    N個の濾波手段によって生成された個々の基準信号の信
    号空間における位置とが等しいことを示す連立方程式を
    解き、これらのベクトルを求めるフェージングベクトル
    算出手段と、 前記N個の抽出手段、前記N個の濾波手段および前記フ
    ェージングベクトル算出手段で生じる遅延時間に等しい
    遅延を前記被変調波信号に与える遅延手段と、 前記フェージングベクトル算出手段によって求められた
    ベクトルを前記無線伝送路のインパルス応答として、前
    記遅延手段を介して与えられた無線周波信号にビタビア
    ルゴリズムまたは逐次復号アルゴリズムに基づく等化処
    理を施す処理手段とを備えたことを特徴とするフェージ
    ング等化器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のフェージング等化器に
    おいて、 パイロット信号点は、 そのパイロット信号点に時系列の順に隣接する全ての信
    号点との位相差が整数Pに対して(2P+1)πラジアン以
    外の値となる信号点に設定されたことを特徴とするフェ
    ージング等化器。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のフェージング等化器に
    おいて、 パイロット信号点は、 変調方式の下で信号空間ダイヤグラムの原点との相対距
    離が小さい信号点のみから構成されることを特徴とする
    フェージング等化器。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3の何れか1項に
    記載のフェージング等化器において、 伝送情報は、 変調方式に基づく変調に先行して無線伝送路に適応した
    伝送路符号化が施され、 処理手段には、 前記伝送路符号化に適応した伝送路復号化を行う手段を
    含むことを特徴とするフェージング等化器。
JP8036525A 1996-02-23 1996-02-23 フェージング等化器 Withdrawn JPH09233006A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8036525A JPH09233006A (ja) 1996-02-23 1996-02-23 フェージング等化器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8036525A JPH09233006A (ja) 1996-02-23 1996-02-23 フェージング等化器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09233006A true JPH09233006A (ja) 1997-09-05

Family

ID=12472225

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8036525A Withdrawn JPH09233006A (ja) 1996-02-23 1996-02-23 フェージング等化器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09233006A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5263053A (en) Fractionally spaced maximum likelihood sequence estimation receiver
JP2795935B2 (ja) 最尤系列推定装置
JP4153161B2 (ja) デジタル通信システムにおける隣接チャネルの信号をジョイント復調するための装置および方法
JPH11508113A (ja) ディジタル伝送装置における受信機のための拡張されたチャンネル推定付きイコライザ
JP2002043984A (ja) 情報伝送チャンネルのインパルス応答を推定する方法及び装置
CN111884973A (zh) 一种用于单载波频域均衡系统接收端的数据接收方法
JP2003518340A (ja) 乗算用ルックアップテーブルを使用するmlse
JP2001506445A (ja) オーバラップgmskを用いたスペクトル効率が高い変調方式
WO1995002297A1 (en) Systems with increased information rates using embedded sample modulation and predistortion equalization
JP3589471B2 (ja) シンボル間干渉を低下させる適応等化方法、該方法を実施する受信装置及びその適用システム
US7315587B2 (en) Demodulation method and apparatus based on differential detection system for π/4 shifted QPSK modulated wave
US6111923A (en) System and method for calculating a state transition metric in a viterbi equalizer
JP2000315968A (ja) 適応型信号推定器
JP3424723B2 (ja) 適応等化器
JPH09233006A (ja) フェージング等化器
JPH05152894A (ja) 適応等化器
CN108521311B (zh) 一种基于格雷序列的信噪比估计方法
JPH11127208A (ja) パイロットシンボル及び仮判定データシンボルを用いた同期検波方法及び移動体通信用受信装置及び干渉除去装置
JP2846215B2 (ja) デジタル通信用受信機
CN101010921B (zh) 接收信号中的直流偏移的估计方法和装置
JPH05335893A (ja) 等化方法及び装置
JP4438914B2 (ja) 無線通信波の復調装置
JP2004221973A (ja) ディジタル情報の無線伝送装置
JPH03278724A (ja) データ受信装置
JPH0758672A (ja) ディジタル適応等化器

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030506