JPH09232556A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JPH09232556A
JPH09232556A JP8038445A JP3844596A JPH09232556A JP H09232556 A JPH09232556 A JP H09232556A JP 8038445 A JP8038445 A JP 8038445A JP 3844596 A JP3844596 A JP 3844596A JP H09232556 A JPH09232556 A JP H09232556A
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正哲 佐原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直線性や応答性に優れた光検出特性を有し、
また、高感度に光を検出することができる半導体装置を
提供する。 【解決手段】 p型半導体基板1中の所定領域にn型埋
込層2a,2bおよび2cが形成され、その上に低抵抗
のp型エピタキシャル層3が形成される。n型埋込層2
aおよび2cそれぞれの上方のp型エピタキシャル層3
中にn型ウェル拡散層4aおよび4cそれぞれがn型埋
込層2aおよび2cそれぞれに達する深さまで形成さ
れ、バイポーラトランジスタまたはCMOSトランジス
タが形成される。n型埋込層2bの周辺部上方のp型エ
ピタキシャル層3中にn型拡散層4bがn型埋込層2b
に達する深さまで形成され、このn型埋込層2bで囲ま
れた領域のp型エピタキシャル層3にp型拡散層9cが
形成され、n型埋込層2b、p型エピタキシャル層3お
よびp型拡散層9cからAPDが構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光信号を受光して
その光量に応じた電気信号を出力する光電変換素子とし
て光学機器や光学システムで用いられるものであって、
特に、可視領域から紫外領域の光に対して高い感度を有
し、動作安定性と高機能性とを兼ね備えた半導体装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より受光素子としてpinフォトダ
イオードやアバランシェフォトダイオード(以下、AP
D)が用いられている。このうちAPDは、温度によっ
て増倍率が大きく変動するので動作環境を一定に維持す
る必要があるが、動作環境を一定に維持することができ
ない場合には、この受光素子のみでは安定して使用する
ことが難しい。
【0003】動作環境が変動するような場合、温度セン
サによって受光素子の環境温度を測定し、その温度セン
サ出力に基づいて受光素子の動作変動を補償する補償回
路によって、受光素子を安定動作させることも考えられ
る。しかし、この温度センサや補償回路と受光素子と
は、ハイブリッド構成であって同一チップ上にはない場
合には、これらを同一温度にすることは困難であり、動
作環境の変動を完全に補償することはできず、受光素子
からの出力値に誤差が生じ、入射光量測定精度が低下す
る。また、ハイブリッド構成とした場合、システムが大
きくなり、小型化には不適当である。
【0004】この問題を解決するため、受光素子と補償
回路とを同一チップ上に形成する技術が、特開平4−1
51871号公報および特開平2−111069号公報
に開示されている。このうち、特開平4−151871
号公報に開示されている技術は、pinフォトダイオー
ドとバイポーラトランジスタとを1チップ上に集積化す
るものであって、不純物プロファイルを好適に形成する
ことができ、パンチスルーが防止され、高速動作が可能
なものである。
【0005】一方、特開平2−111069号公報に開
示されている技術は、固体撮像素子(CCD)のpn接
合型フォトダイオードをAPDに置き換えたものであ
り、APDとバイポーラトランジスタやMOSトランジ
スタとを1チップ上に集積化するものである。図6は、
この固体撮像素子のAPD部分の断面構造図である。
【0006】この図に示すように、n型基板101の上
にpウェル層102が形成され、このpウェル層102
の上にn- 領域103とn領域104とが形成されてい
る。さらに、n領域104内部にp領域105が形成さ
れ、p領域105内部にp+領域106が形成される。
そして、n領域104とp領域105とp+ 領域106
とでAPDが構成され、p領域105に形成された空乏
層に入射光が到達すると電子・正孔対が生成され、n領
域104とp領域105との界面近傍で電子・正孔対が
アバランシェ増倍される。また、n領域104とpウェ
ル層102とn型基板101とからなるnpnバイポー
ラトランジスタが、ブルーミング抑制とスミア低減の為
に、APD部の下方に形成されている。なお、電極10
7は、電荷を転送するための電極であり、n- 領域10
3は電荷転送領域であり、p+ 領域109はチャネルス
トッパである。
【0007】また、このAPD部の製造工程は、pウェ
ル層102まで形成した後、異方性エッチングを行なっ
て溝部を形成し、その溝部に選択エピタキシャル成長を
行なってn領域104とp領域105とを形成するもの
である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、異方性エッチングや選択エピタキシャル成長
を行って製造されるものであるので、製造工程が複雑で
あり、そのため、APDの光検出特性および増倍特性が
充分に得られず、また、品質の安定したものを製造する
ことが困難である。
【0009】さらに、n領域104とpウェル層102
とn型基板101とからなるnpnバイポーラトランジ
スタが、APDに対して寄生的なものであるため、等価
的に寄生抵抗が大きく、このバイポーラトランジスタを
用いて高性能のリニアICを実現することができず、し
たがって、受光素子としての直線性や周波数特性が悪く
なり実使用には不適当なものである。
【0010】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、直線性や応答性に優れた光検出特性を
有し、また、高感度に光を検出することができる半導体
装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る半導体装置
は、(1) p型半導体基板と、(2) p型半導体基板中の第
1の領域に形成された第1のn型埋込層と、(3) p型半
導体基板中の第1の領域とは異なる第2の領域に形成さ
れた第2のn型埋込層と、(4) p型半導体基板の上に形
成され、p型半導体基板より低抵抗のp型エピタキシャ
ル層と、(5) 第1のn型埋込層の周辺部の上のp型エピ
タキシャル層中に、第1のn型埋込層に達する深さまで
形成された低濃度のn型拡散層と、(6) 第2のn型埋込
層の上のp型エピタキシャル層中に、第2のn型埋込層
に達する深さまで形成されたn型ウェル拡散層と、(7)
n型拡散層で囲まれたp型エピタキシャル層中に形成さ
れた高濃度のp型拡散層と、を備え、p型半導体基板、
第1のn型埋込層、p型エピタキシャル層およびp型拡
散層からアバランシェフォトダイオードが形成され、第
1の領域以外の領域に信号処理回路が形成される、こと
を特徴とする。
【0012】このような構成としたので、第1の領域に
は、第1のn型埋込層、p型エピタキシャル層および高
濃度のp型拡散層からアバランシェフォトダイオードが
形成される。アノードであるp型拡散層が、カソードで
ある第1のn型埋込層と低濃度のn型拡散層とで囲まれ
るので、第1のn型埋込層とp型エピタキシャル層との
pn接合に高電界を印加することができて、高いアバラ
ンシェ増倍率が得られ、特に、波長帯域200nm〜7
00nmの光に対して高い感度と優れた応答特性が得ら
れる。一方、第2の領域では、第2のn型埋込層および
n型ウェル拡散層が形成される。この第2の領域、およ
び、第1および第2の領域いずれでもない領域には、信
号処理回路が形成される。
【0013】信号処理回路は、n型ウェル拡散層に形成
されたバイポーラトランジスタからなるものとしてもよ
いし、また、n型ウェル拡散層に形成されたP−MOS
トランジスタおよびp型エピタキシャル層に形成された
N−MOSトランジスタからなるものとしてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明におい
て同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省
略する。
【0015】先ず、本発明に係る半導体装置の構造につ
いて説明する。図1は、本発明に係る半導体装置の断面
構造図である。p型半導体基板1中にn型埋込層2a,
2bおよび2cが形成され、p型半導体基板1の上に低
抵抗のp型エピタキシャル層3が形成されている。n型
埋込層2a,2bおよび2cそれぞれの上のp型エピタ
キシャル層3には、低濃度のn型ウェル拡散層4a,4
cおよびn型拡散層4bが、n型埋込層2a,2cおよ
び2bそれぞれに達する深さまで形成されている。この
うち、n型拡散層4bは、n型埋込層2bの周辺部の上
に形成されており、n型埋込層2bの中心部の上には形
成されていない。n型拡散層4bで囲まれたp型エピタ
キシャル層3中には、高濃度のp型拡散層9cが形成さ
れている。
【0016】このようにして、高濃度のp型拡散層9
c、低抵抗のp型エピタキシャル層3およびn型埋込層
2bからAPDが構成されている。このAPDに逆バイ
アス電圧が印加されると、p型エピタキシャル層3およ
びn型埋込層2bのpn接合付近に生じた空乏層に光が
入射すると電子・正孔対が発生しアバランシェ増倍され
る。
【0017】さらに、n型ウェル拡散層4aには、n型
拡散層8aをコレクタとし、p型ベース拡散層7をベー
スとし、n型拡散層8bをエミッタとするnpnバイポ
ーラトランジスタが形成されている。n型ウェル拡散層
4cには、p型拡散層9dおよび9eそれぞれをソース
およびドレインとし、ゲート電極6aをゲートとするP
−MOSトランジスタが形成されている。p型エピタキ
シャル層3には、n型拡散層8eおよび8fそれぞれを
ソースおよびドレインとし、ゲート電極6bをゲートと
するN−MOSトランジスタが形成されている。
【0018】続いて、本発明に係る半導体装置の詳細に
ついて製造工程とともに説明する。図2ないし図5は、
本発明に係る半導体装置の製造工程図である。
【0019】最初に、面方位(1,0,0)のp型半導
体基板1を用意する(図2(a))。不純物濃度は、1
×1015〜1.5×1015cm-3の範囲であり、好適に
は1.2×1015cm-3であり、比抵抗は10Ωcmで
ある。
【0020】次に、このp型半導体基板1の上に形成さ
れたマスク21ないし24によって選択的に所定領域に
不純物拡散またはイオン注入でn型埋込層2a,2bお
よび2cを同時に形成する(図2(b))。不純物のピ
ーク濃度は、5×1018〜5×1020cm-3の範囲であ
り、好適には5×1019cm-3以上である。マスク21
ないし24は、n型埋込層2a,2bおよび2cが形成
された後、除去される。なお、以降の工程の説明におい
ては、マスクの形成および除去に関する記述を省略す
る。
【0021】次に、p型半導体基板1の上にp型エピタ
キシャル層3を成長させる(図2(c))。このp型エ
ピタキシャル層3の厚みは、5〜10μmの範囲であ
り、好適には7.5μmである。不純物濃度は、2×1
15〜7×1015cm-3の範囲であり、好適には2.8
×1015cm-3である。比抵抗は、p型半導体基板1よ
り低抵抗であり、4.6Ωcmである。
【0022】次に、p型エピタキシャル層3中の所定領
域に低濃度のn型ウェル拡散層4a,4cおよびn型拡
散層4bそれぞれを同時に形成する(図2(d))。イ
オン注入量は、2×1012〜1×1013cm-2であり、
好適には4×1012cm-2である。これらのうち、n型
ウェル拡散層4aおよび4cそれぞれは、n型埋込層2
aおよび2cそれぞれの上に形成される。一方、n型拡
散層4bは、n型埋込層2bの上であってn型埋込層2
bの周囲に沿って形成され、n型埋込層2bの中央には
形成されない。また、これらn型ウェル拡散層4a,4
cおよびn型拡散層4bそれぞれは、高温ドライブ拡散
によって、その拡散深さがn型埋込層2a,2cおよび
2bそれぞれに達する。
【0023】図2(b)で形成されたn型埋込層2a,
2bおよび2cは、この拡散工程で不純物がp型エピタ
キシャル層3に拡散して、図2(d)のようにその厚さ
が増加する。これ以後の製造工程ではこの厚さは殆ど増
加しない。このn型埋込層2a,2bおよび2cそれぞ
れの厚さは、4〜15μmであり、好適には8μmであ
る。
【0024】次に、LOCOS酸化によってフィールド
酸化膜5を形成する(図3(a))。このフィールド酸
化膜5は、n型ウェル拡散層4a,4cおよびn型拡散
層4bそれぞれが形成された領域の周囲、および、後に
N−MOSが形成される領域の周囲で厚く形成される。
【0025】次に、ポリシリコンからなるゲート電極6
aおよび6bを形成する(図3(b))。ゲート電極6
aは、n型ウェル拡散層4cの上に形成され、P−MO
Sトランジスタのゲート電極となる。ゲート電極6b
は、p型エピタキシャル層3の上に形成され、N−MO
Sトランジスタのゲート電極となる。
【0026】次に、n型ウェル拡散層4aの一部に、バ
イポーラトランジスタのベースとなるp型ベース拡散層
7を形成する(図3(c))。
【0027】次に、n型拡散層8a,8b,8c,8
d,8eおよび8fを形成する(図4(a))。n型拡
散層8aおよび8bそれぞれは、n型ウェル拡散層4a
およびp型ベース拡散層7それぞれに形成され、バイポ
ーラトランジスタのコレクタとエミッタとなる。n型拡
散層8cおよび8dそれぞれは、n型拡散層4bに形成
され、APDのカソードとなる。n型拡散層8eおよび
8fそれぞれは、ゲート電極6bを挟んで共にp型エピ
タキシャル層3に形成され、N−MOSトランジスタの
ソースとドレインとなる。
【0028】次に、p型拡散層9a,9b,9c,9d
および9eを形成する(図4(b))。不純物濃度は、
p型エピタキシャル層3より高濃度とする。p型拡散層
9aは、バイポーラトランジスタのベースであるp型ベ
ース拡散層7に形成され、ベース電極との接続部とな
る。p型拡散層9bは、p型エピタキシャル層3に形成
され、基板取り出し電極との接合部となる。p型拡散層
9cは、n型拡散層4bで囲まれたp型エピタキシャル
層3に形成され、APDのアノードとなる。p型拡散層
9dおよび9eそれぞれは、ゲート電極6aを挟んで共
にn型ウェル拡散層4cに形成され、P−MOSトラン
ジスタのソースとドレインとなる。
【0029】次に、シリコン酸化膜10を全面に形成
し、受光部分のみ酸化膜を除去した後、窒化膜15をC
VDで形成する。この窒化膜15は、最終的にはAPD
受光部の反射防止膜と保護膜とを兼ねる。その後、コン
タクトホールを形成し、アルミ配線を形成する(図4
(c))。アルミ電極11a,11bおよび11cそれ
ぞれは、n型拡散層8a、p型拡散層9aおよびn型拡
散層8bに接続され、バイポーラトランジスタのコレク
タ電極、ベース電極およびエミッタ電極となる。アルミ
電極11dは、p型拡散層9bに接続され、基板取り出
し電極となる。アルミ電極11eおよび11fそれぞれ
は、p型拡散層9cおよびn型拡散層8dに接続され、
APDのアノード電極およびカソード電極となる。アル
ミ電極11gおよび11hそれぞれは、p型拡散層9d
および9eに接続され、P−MOSトランジスタのソー
ス電極およびドレイン電極となる。アルミ電極11iお
よび11jそれぞれは、n型拡散層8eおよび8fに接
続され、N−MOSトランジスタのソース電極およびド
レイン電極となる。
【0030】次に、層間絶縁膜12、遮光膜13および
パシベーション膜14を形成する(図5(a))。但
し、APDが形成される領域すなわちp型拡散層9cの
上方には、遮光膜13もアルミ配線も形成されず、入射
した光束がAPDの空乏層に到達できるようにする。
【0031】次に、パシベーション膜14および層間絶
縁膜12それぞれの一部を除去する(図5(b)、図
1)。これらを除去する領域は、p型拡散層9cの上方
部分であって、アルミ電極11eおよび11fの間の領
域である。ここで、窒化膜15はシリコン酸化膜10を
形成する前にCVDで形成してもよいし、あるいは、窒
化膜15を形成することなくパシベーション膜14およ
び層間絶縁膜12を除去せずに残してもよい。
【0032】以上のようにして形成された半導体装置の
第1の特徴は、p型半導体基板1中にn型埋込層2bを
形成し、その上にp型半導体基板1より低抵抗のp型エ
ピタキシャル層3を形成して、さらに、p型エピタキシ
ャル層3中に高濃度のp型拡散層9cを形成した点にあ
る。このような構造としたので、n型埋込層2b、p型
エピタキシャル層3およびp型拡散層9cからAPDが
構成される。このAPDに逆バイアス電圧が印加される
と、n型埋込層2bとp型エピタキシャル層3との接合
部近傍に強電界が印加されて空乏層が形成され、光が到
達すると光量に応じて電子・正孔対が発生しアバランシ
ェ増倍される。
【0033】このように、p型半導体基板1とn型埋込
層2bとの接合部に発生する電界が、p型エピタキシャ
ル層3とn型埋込層2bとの接合部に発生する電界より
弱くなるため、p型半導体基板1とn型埋込層2bとの
接合部ではアバランシェは発生しない。また、これら2
つの接合部それぞれが受ける光信号は、p型拡散層9b
およびp型拡散層9cそれぞれから取り出されるので、
アバランシェの起こる接合部で発生した光信号のみを取
り出すことで、受光感度を有する波長帯域を200nm
から700nm程度の範囲に限定することができる。ま
た、電子・正孔の空乏層走行距離がp型エピタキシャル
層3の厚みより短くなるためAPDは非常に高速な動作
を行なうことができる。
【0034】第2の特徴は、n型埋込層2bの上であっ
てn型埋込層2bの周囲に沿って低濃度のn型拡散層4
bを形成して、これらをAPDのカソードとし、そのn
型拡散層4bで囲まれたp型エピタキシャル層3の中に
高濃度のp型拡散層9cを形成して、このp型拡散層9
cをAPDのアノードとした点である。これによって、
低濃度のn型拡散層4bとp型エピタキシャル層3との
間の低濃度どうしの接合は高電界がかかりにくいため、
受光部周辺のpn接合の耐圧が上がり、n型埋込層2b
とp型エピタキシャル層3との間に形成されるpn接合
が最も電界が高くなり、アバランシェ増倍率を大きく得
ることができる。
【0035】第3の特徴は、n型埋込層2aおよび2c
それぞれの上に、バイポーラトランジスタやP−MOS
トランジスタを形成した点である。これによって、バイ
ポーラトランジスタのコレクタ抵抗を下げることがで
き、また、CMOSトランジスタのラッチアップを防止
することができ、MOSトランジスタやバイポーラトラ
ンジスタで任意の信号処理回路(例えば、温度補償回
路)を構成することができる。
【0036】第4の特徴は、APD製造プロセスと、C
MOS製造プロセスやバイポーラトランジスタ製造プロ
セスとが共通である点である。すなわち、npnバイポ
ーラトランジスタが、n型拡散層8aをコレクタとし、
p型ベース拡散層7をベースとし、n型拡散層8bをエ
ミッタとして構成される。また、P−MOSトランジス
タが、n型ウェル拡散層4c中に形成されたp型拡散層
9dおよび9eをソースおよびドレインとし、ゲート電
極6aをゲートとして構成され、N−MOSトランジス
タが、p型エピタキシャル層3中に形成されたn型拡散
層8eおよび8fをソースおよびドレインとし、ゲート
電極6bをゲートとして構成され、結局、CMOSトラ
ンジスタが形成される。このバイポーラトランジスタお
よびCMOSの製造プロセスは、APDの製造プロセス
と共通にすることができる。これによって、MOSトラ
ンジスタやバイポーラトランジスタで任意の信号処理回
路(例えば、温度補償回路やトランスインピーダンスア
ンプ)を構成することができる。
【0037】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり本発明は、
p型半導体基板の第1および第2の領域それぞれに第1
および第2のn型埋込層が形成され、p型半導体基板の
上に低抵抗のp型エピタキシャル層が形成され、第1の
n型埋込層の周辺部の上のp型エピタキシャル層中には
第1のn型埋込層に達する深さまで低濃度のn型拡散層
が形成され、第2のn型埋込層の上のp型エピタキシャ
ル層中には第2のn型埋込層に達する深さまでn型ウェ
ル拡散層が形成され、n型拡散層で囲まれたp型エピタ
キシャル層中に高濃度のp型拡散層が形成され、第1の
領域以外の領域に信号処理回路が形成され、第1の領域
にAPDが形成されたものである。
【0038】このような構成としたので、第1の領域に
は、第1のn型埋込層、p型エピタキシャル層および高
濃度のp型拡散層からAPDが形成される。また、この
APDと同時に形成されるバイポーラトランジスタは寄
生抵抗が小さく、利得が大きく、リニアリティや周波数
特性に優れた構造になるため、純正のバイポーラトラン
ジスタICと同等の性能を得ることができる。また、ア
ノードであるp型拡散層が、カソードである第1のn型
埋込層とn型拡散層とで囲まれるので、第1のn型埋込
層とp型エピタキシャル層とのpn接合に高電界を印加
することができて、高いアバランシェ増倍率が得られ、
特に、80V程度の高電圧印加により内部増倍効果が得
られ、波長帯域200nm〜700nmの光に対して高
い感度と優れた応答特性が得られる。なお、この印加電
圧は、p型エピタキシャル層の厚みと不純物濃度の設計
によって20Vから150Vまでの範囲で調整できる。
【0039】一方、第2の領域では、第2のn型埋込層
およびn型ウェル拡散層が形成される。この第2の領
域、および、第1および第2の領域いずれでもない領域
には、信号処理回路が形成される。また、製造工程にお
いては、異方性エッチングや選択エピタキシャル成長の
工程がない。このようにして、バイポーラトランジスタ
やCMOSからなる信号処理回路とAPDとが同一チッ
プ上に集積化される。したがって、例えば温度補償回路
をAPDとともに集積化すれば、環境温度の変動を補償
し、直線性や応答性に優れた光検出特性を有し、高感度
に光量測定を行なうことができる受光素子を構成するこ
とができる。
【0040】また、第1および第2のn型埋込層を同一
の工程で形成し、また、第1および第2のp型埋込層を
同一の工程で形成することができるので、アバランシェ
フォトダイオードと信号処理回路とを同一のプロセスで
容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体装置の断面構造図である。
【図2】本発明に係る半導体装置の製造工程を示す第1
の図である。
【図3】本発明に係る半導体装置の製造工程を示す第2
の図である。
【図4】本発明に係る半導体装置の製造工程を示す第3
の図である。
【図5】本発明に係る半導体装置の製造工程を示す第4
の図である。
【図6】従来のAPDとバイポーラトランジスタやMO
Sトランジスタとからなる固体撮像素子のAPD部分の
断面構造図である。
【符号の説明】
1…p型半導体基板、2a,2b,2c…n型埋込層、
3…p型エピタキシャル層、4a,4c…n型ウェル拡
散層、4b…n型拡散層、5…フィールド酸化膜、6
a,6b…ゲート電極、7…p型ベース拡散層、8a,
8b,8c,8d,8e,8f…n型拡散層、9a,9
b,9c,9d,9e…p型拡散層、10…シリコン酸
化膜、11a,11b,11c,11d,11e,11
f,11g,11h,11i…アルミ電極、12…層間
絶縁膜、13…遮光膜、14…パシベーション膜、15
…窒化膜。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p型半導体基板と、 前記p型半導体基板中の第1の領域に形成された第1の
    n型埋込層と、 前記p型半導体基板中の前記第1の領域とは異なる第2
    の領域に形成された第2のn型埋込層と、 前記p型半導体基板の上に形成され、前記p型半導体基
    板より低抵抗のp型エピタキシャル層と、 前記第1のn型埋込層の周辺部の上の前記p型エピタキ
    シャル層中に、前記第1のn型埋込層に達する深さまで
    形成された低濃度のn型拡散層と、 前記第2のn型埋込層の上の前記p型エピタキシャル層
    中に、前記第2のn型埋込層に達する深さまで形成され
    たn型ウェル拡散層と、 前記n型拡散層で囲まれた前記p型エピタキシャル層中
    に形成された高濃度のp型拡散層と、 を備え、 前記p型半導体基板、前記第1のn型埋込層、前記p型
    エピタキシャル層および前記p型拡散層からアバランシ
    ェフォトダイオードが形成され、 前記第1の領域以外の領域に信号処理回路が形成され
    る、 ことを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記信号処理回路は、前記n型ウェル拡
    散層に形成されたバイポーラトランジスタからなる、こ
    とを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記信号処理回路は、前記n型ウェル拡
    散層に形成されたP−MOSトランジスタおよび前記p
    型エピタキシャル層に形成されたN−MOSトランジス
    タからなる、ことを特徴とする請求項1記載の半導体装
    置。
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