JPH09231517A - 磁気抵抗センサ - Google Patents
磁気抵抗センサInfo
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- JPH09231517A JPH09231517A JP8039319A JP3931996A JPH09231517A JP H09231517 A JPH09231517 A JP H09231517A JP 8039319 A JP8039319 A JP 8039319A JP 3931996 A JP3931996 A JP 3931996A JP H09231517 A JPH09231517 A JP H09231517A
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- Computer Hardware Design (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 印加磁界強度および磁界印加角度による抵抗
変化が、良好な線形性を呈する磁気抵抗センサを得る。 【解決手段】 磁気抵抗効果膜8は非磁性層を介して設
けた軟質強磁性体の第1磁性薄膜層と硬質強磁性体の第
2磁性薄膜層とを有し、印加磁界により第1、第2磁性
薄膜層の磁化の相対角度が変化し、それに応じて抵抗が
変化する。磁気抵抗効果膜8をホイートストーンブリッ
ジに構成し、隣り合う磁気抵抗効果膜8の第2磁性薄膜
層の磁化方向20が互いに反平行である。
変化が、良好な線形性を呈する磁気抵抗センサを得る。 【解決手段】 磁気抵抗効果膜8は非磁性層を介して設
けた軟質強磁性体の第1磁性薄膜層と硬質強磁性体の第
2磁性薄膜層とを有し、印加磁界により第1、第2磁性
薄膜層の磁化の相対角度が変化し、それに応じて抵抗が
変化する。磁気抵抗効果膜8をホイートストーンブリッ
ジに構成し、隣り合う磁気抵抗効果膜8の第2磁性薄膜
層の磁化方向20が互いに反平行である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気抵抗効果に基
づいて磁界の強度または印加角度の変化を読み出すこと
ができる磁気抵抗効果膜を、磁気トランスデューサーと
して用いた磁気抵抗センサに関するものである。
づいて磁界の強度または印加角度の変化を読み出すこと
ができる磁気抵抗効果膜を、磁気トランスデューサーと
して用いた磁気抵抗センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、磁気抵抗効果とは、磁気抵抗効
果膜に磁界が印加されると、その磁界の強度および方向
によって、磁気抵抗効果膜の抵抗値が変化する現象であ
る。従来、パーマロイ薄膜やCo薄膜等で見られる異方
性磁気抵抗効果(AMR効果)は古くより知られ、磁気
ヘッド等に応用されている。AMR効果では、抵抗値が
電流方向と強磁性体の磁化のなす角度φの関数として変
化し、抵抗変化は cos2φ に比例する。
果膜に磁界が印加されると、その磁界の強度および方向
によって、磁気抵抗効果膜の抵抗値が変化する現象であ
る。従来、パーマロイ薄膜やCo薄膜等で見られる異方
性磁気抵抗効果(AMR効果)は古くより知られ、磁気
ヘッド等に応用されている。AMR効果では、抵抗値が
電流方向と強磁性体の磁化のなす角度φの関数として変
化し、抵抗変化は cos2φ に比例する。
【0003】一方、特開平4―358310号公報に、
スピンバルブ(SV)磁気抵抗と称する磁気抵抗効果を
応用した磁気トランスデューサーが示されている。SV
磁気抵抗効果は、磁界が印加されると非磁性層を介して
隣り合う磁性層の磁化の相対角度の余弦として抵抗が変
化する現象を指す。このSV磁気抵抗効果は、AMR効
果に比べて磁界強度変化に対する抵抗変化がより直線的
に生じるという特長、すなわち線型性を有するという特
長がある。
スピンバルブ(SV)磁気抵抗と称する磁気抵抗効果を
応用した磁気トランスデューサーが示されている。SV
磁気抵抗効果は、磁界が印加されると非磁性層を介して
隣り合う磁性層の磁化の相対角度の余弦として抵抗が変
化する現象を指す。このSV磁気抵抗効果は、AMR効
果に比べて磁界強度変化に対する抵抗変化がより直線的
に生じるという特長、すなわち線型性を有するという特
長がある。
【0004】図7は上記公報で示されているSV磁気抵
抗効果を示すSV構造の磁気抵抗効果膜(SV構造の多
層膜)の立体展開図である。この磁気抵抗効果膜は、絶
縁体からなるサブストレート110上に、例えば、軟質
強磁性体の第1薄膜層112、非磁性金属体の薄膜層1
14および硬質強磁性体の第2薄膜層116を付着させ
た構造である。硬質強磁性体の第2薄膜層116は、軟
質強磁性体の第1薄膜層112に比べて大きな保磁力を
持つ。従って、上記第1薄膜層112の磁化方向122
が変化する程度の小さな磁界hを印加しても、上記第2
薄膜層116の磁化方向120は動かない。118は反
強磁性体の薄膜層で上記第2薄膜層116の磁化方向1
20を固定するためのもので、上記公報では、反強磁性
体の薄膜層118を上記第2薄膜層116に直接に接触
して付着する方法を開示している。図中、hは印加磁界
方向で上記第2薄膜層116の磁化方向120に平行の
場合を示している。
抗効果を示すSV構造の磁気抵抗効果膜(SV構造の多
層膜)の立体展開図である。この磁気抵抗効果膜は、絶
縁体からなるサブストレート110上に、例えば、軟質
強磁性体の第1薄膜層112、非磁性金属体の薄膜層1
14および硬質強磁性体の第2薄膜層116を付着させ
た構造である。硬質強磁性体の第2薄膜層116は、軟
質強磁性体の第1薄膜層112に比べて大きな保磁力を
持つ。従って、上記第1薄膜層112の磁化方向122
が変化する程度の小さな磁界hを印加しても、上記第2
薄膜層116の磁化方向120は動かない。118は反
強磁性体の薄膜層で上記第2薄膜層116の磁化方向1
20を固定するためのもので、上記公報では、反強磁性
体の薄膜層118を上記第2薄膜層116に直接に接触
して付着する方法を開示している。図中、hは印加磁界
方向で上記第2薄膜層116の磁化方向120に平行の
場合を示している。
【0005】硬質強磁性体の第2薄膜層116の磁化方
向120は、例えば図7において、上向きに固定されて
いる。一方、軟質強磁性体の第1薄膜層112の磁化方
向122は、印加磁界がゼロの時、上記第2薄膜層11
6の磁化方向120にほぼ直交するように設定されてい
る。ところで、このように印加磁界0において、磁化の
方向をある方向に決定することを、その方向に容易軸を
付けると呼ぶ。またその方向を磁化容易軸方向と呼ぶ。
さらに、容易軸方向に直交した方向を磁化困難軸方向と
呼ぶ。
向120は、例えば図7において、上向きに固定されて
いる。一方、軟質強磁性体の第1薄膜層112の磁化方
向122は、印加磁界がゼロの時、上記第2薄膜層11
6の磁化方向120にほぼ直交するように設定されてい
る。ところで、このように印加磁界0において、磁化の
方向をある方向に決定することを、その方向に容易軸を
付けると呼ぶ。またその方向を磁化容易軸方向と呼ぶ。
さらに、容易軸方向に直交した方向を磁化困難軸方向と
呼ぶ。
【0006】上記のように構成されたSV抵抗効果を利
用した磁気トランスデューサーを磁気センサに適用した
場合のSV構造を図8に示す。サブストレート110上
にSV構造の多層膜(軟質強磁性体の第1薄膜層11
2、非磁性金属体の薄膜層114、硬質強磁性体の第2
薄膜層116および反強磁性体の薄膜層118)が積層
されている。リソグラフィ等の手段によりSV構造の多
層膜を適切な大きさに加工する。その後、やはりリソグ
ラフィ等の手段により、電気伝導部130、132を設
ける。電気伝導部130、132は、電流を流したり電
圧を検知するための端子になる。そして定電流源13
4、電圧検知手段136が設けられている。
用した磁気トランスデューサーを磁気センサに適用した
場合のSV構造を図8に示す。サブストレート110上
にSV構造の多層膜(軟質強磁性体の第1薄膜層11
2、非磁性金属体の薄膜層114、硬質強磁性体の第2
薄膜層116および反強磁性体の薄膜層118)が積層
されている。リソグラフィ等の手段によりSV構造の多
層膜を適切な大きさに加工する。その後、やはりリソグ
ラフィ等の手段により、電気伝導部130、132を設
ける。電気伝導部130、132は、電流を流したり電
圧を検知するための端子になる。そして定電流源13
4、電圧検知手段136が設けられている。
【0007】この磁気センサに図8において紙面に垂直
な方向の適切な大きさの磁界が印加されると、図7に示
されているように、軟質強磁性体の第1薄膜層112の
磁化方向122のみが点線で表される方向に変化する。
それにより、軟質強磁性体の第1薄膜層112の磁化方
向122と硬質強磁性体の第2薄膜層116の磁化方向
120のなす角度θが変化する。SV構造の多層膜の抵
抗値は角度θの関数であり、角度θの変化に伴い、SV
構造の多層膜の抵抗値が変化する。この抵抗変化は電圧
検知手段136により電圧変化として検知される。特
に、磁界印加方向を第1磁性層の困難軸に平行とする
と、図9に示すように、抵抗変化は磁界強度に対してか
なり直線的な変化をしめす。図9は従来の磁気センサの
印加磁界強度による抵抗変化を示す特性図であり、横軸
は印加磁界(Oe)、縦軸は抵抗変化(arb.unit)を示
す。また磁化の変化が、磁壁移動ではなく、ドメインの
回転で生じるため、高速で安定な動作が可能である。こ
こで抵抗変化が磁界H=0を中心に生じず、磁界の正の
方向にシフトしているのは、硬質強磁性体の第2磁性薄
膜層116の磁化から軟質強磁性体の第1磁性薄膜層1
12の磁化に対してバイアスとなる相互作用が働いてい
るからである。
な方向の適切な大きさの磁界が印加されると、図7に示
されているように、軟質強磁性体の第1薄膜層112の
磁化方向122のみが点線で表される方向に変化する。
それにより、軟質強磁性体の第1薄膜層112の磁化方
向122と硬質強磁性体の第2薄膜層116の磁化方向
120のなす角度θが変化する。SV構造の多層膜の抵
抗値は角度θの関数であり、角度θの変化に伴い、SV
構造の多層膜の抵抗値が変化する。この抵抗変化は電圧
検知手段136により電圧変化として検知される。特
に、磁界印加方向を第1磁性層の困難軸に平行とする
と、図9に示すように、抵抗変化は磁界強度に対してか
なり直線的な変化をしめす。図9は従来の磁気センサの
印加磁界強度による抵抗変化を示す特性図であり、横軸
は印加磁界(Oe)、縦軸は抵抗変化(arb.unit)を示
す。また磁化の変化が、磁壁移動ではなく、ドメインの
回転で生じるため、高速で安定な動作が可能である。こ
こで抵抗変化が磁界H=0を中心に生じず、磁界の正の
方向にシフトしているのは、硬質強磁性体の第2磁性薄
膜層116の磁化から軟質強磁性体の第1磁性薄膜層1
12の磁化に対してバイアスとなる相互作用が働いてい
るからである。
【0008】ところで、上記のような磁気センサから得
られる抵抗変化は、SV磁気抵抗効果だけに起因する抵
抗変化だけではない。軟質強磁性体の第1薄膜層112
の磁化方向122の変化に伴い、軟質強磁性体の第1薄
膜層112の磁化方向122と電流方向でなす角度φも
変化するため、AMR効果に起因する抵抗変化も生じ
る。したがって、上記のような磁気センサから得られる
抵抗変化は、SV磁気抵抗効果に起因する抵抗変化とA
MR効果に起因する抵抗変化が重畳されたものになる。
ただし、この重畳のされ方は、電流を流す方向により、
足し算にも引き算にもなりうる。
られる抵抗変化は、SV磁気抵抗効果だけに起因する抵
抗変化だけではない。軟質強磁性体の第1薄膜層112
の磁化方向122の変化に伴い、軟質強磁性体の第1薄
膜層112の磁化方向122と電流方向でなす角度φも
変化するため、AMR効果に起因する抵抗変化も生じ
る。したがって、上記のような磁気センサから得られる
抵抗変化は、SV磁気抵抗効果に起因する抵抗変化とA
MR効果に起因する抵抗変化が重畳されたものになる。
ただし、この重畳のされ方は、電流を流す方向により、
足し算にも引き算にもなりうる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、SV磁気抵
抗効果において得られる抵抗変化は、印加磁界強度変化
に対して線形な抵抗変化であり、また印加磁界強度一定
で印加磁界角度ηを変化させたときには、sinηに比
例した抵抗変化になる。このような単純な関数形で表さ
れる信号変化は、信号処理を容易にする等の大きなメリ
ットを持つ。しかし、従来の発明においては、磁気セン
サから得られる抵抗変化が、SV磁気抵抗効果に起因す
る抵抗変化とAMR効果に起因する抵抗変化が重畳され
たものになるため、結果として、抵抗変化は複雑な関数
形になってしまう。
抗効果において得られる抵抗変化は、印加磁界強度変化
に対して線形な抵抗変化であり、また印加磁界強度一定
で印加磁界角度ηを変化させたときには、sinηに比
例した抵抗変化になる。このような単純な関数形で表さ
れる信号変化は、信号処理を容易にする等の大きなメリ
ットを持つ。しかし、従来の発明においては、磁気セン
サから得られる抵抗変化が、SV磁気抵抗効果に起因す
る抵抗変化とAMR効果に起因する抵抗変化が重畳され
たものになるため、結果として、抵抗変化は複雑な関数
形になってしまう。
【0010】図10は一般的な磁気センサにおけるAM
R効果を説明する説明図であり、112は例えば、SV
構造の内の軟質の磁性薄膜単層である。もちろんパーマ
ロイ等の軟質の磁性薄膜でよい。図では、電流Iの方向
と磁性膜112の磁化容易軸方向とが平行である場合を
示している。磁界を磁性膜112の磁化困難軸方向に印
加すると、電流方向(又は磁化容易軸方向)と磁化方向
は角度φをなす。図中、hは印加磁界方向である。この
時の磁性膜の抵抗変化は次式で与えられる。 ΔRAMR(φ)=−rAMR・sin2φ (式1) ここでrAMRはAMR効果による最大抵抗変化量であ
る。また、磁化困難軸方向に沿って印加する磁化強度を
Hとすると、磁化容易軸方向と磁化方向120のなす角
度φは次式で与えられる。 sinφ=H/HS (−HS<H<HSの時) =1 (−H<−HSまたはH>HSの時) (式2) ここで、HSは磁性膜の飽和磁界である。(式2)を
(式1)に代入すると、−HS<H<HS の磁界範囲で
次の関係を得る。 ΔRAMR(H)=−rAMR・H2/HS 2 (式3)
R効果を説明する説明図であり、112は例えば、SV
構造の内の軟質の磁性薄膜単層である。もちろんパーマ
ロイ等の軟質の磁性薄膜でよい。図では、電流Iの方向
と磁性膜112の磁化容易軸方向とが平行である場合を
示している。磁界を磁性膜112の磁化困難軸方向に印
加すると、電流方向(又は磁化容易軸方向)と磁化方向
は角度φをなす。図中、hは印加磁界方向である。この
時の磁性膜の抵抗変化は次式で与えられる。 ΔRAMR(φ)=−rAMR・sin2φ (式1) ここでrAMRはAMR効果による最大抵抗変化量であ
る。また、磁化困難軸方向に沿って印加する磁化強度を
Hとすると、磁化容易軸方向と磁化方向120のなす角
度φは次式で与えられる。 sinφ=H/HS (−HS<H<HSの時) =1 (−H<−HSまたはH>HSの時) (式2) ここで、HSは磁性膜の飽和磁界である。(式2)を
(式1)に代入すると、−HS<H<HS の磁界範囲で
次の関係を得る。 ΔRAMR(H)=−rAMR・H2/HS 2 (式3)
【0011】図11は一般的なSV磁気抵抗効果を説明
する説明図であり、SV磁気抵抗効果膜は軟質の磁性薄
膜112と硬質の磁性薄膜116および非磁性金属薄膜
114よりなっている。図中hは印加磁界方向を示す。
SV磁気抵抗効果による抵抗変化は、基本的には電流方
向とは無関係である。磁界0において、軟質の磁性薄膜
112と硬質の磁性薄膜116の磁化方向は直交してい
る。磁界を軟質の磁性薄膜112の磁化困難軸方向に印
加し、その大きさをHとすると、この磁界により、軟質
の磁性薄膜112と硬質の磁性薄膜116の磁化方向の
なす角度θ(=π/2−φ)は変化し、θに対する磁性
膜の抵抗変化は次式で与えられる。 ΔRSV(φ)=−(rSV/2)・cosθ =−(rSV/2)・sinφ (式4) ここでrSVはSV効果による最大抵抗変化量である。ま
た、磁化困難軸方向に沿って印加する磁化強度をHとす
ると、軟質の磁性薄膜112の磁化容易軸方向と磁化方
向のなす角度φは、やはり(式2)で与えられる。(式
2)を(式4)に代入すると、−HS<H<HS の磁界
範囲で次の関係を得る。 ΔRSV(H)=−(rSV/2)・H/HS (式5)
する説明図であり、SV磁気抵抗効果膜は軟質の磁性薄
膜112と硬質の磁性薄膜116および非磁性金属薄膜
114よりなっている。図中hは印加磁界方向を示す。
SV磁気抵抗効果による抵抗変化は、基本的には電流方
向とは無関係である。磁界0において、軟質の磁性薄膜
112と硬質の磁性薄膜116の磁化方向は直交してい
る。磁界を軟質の磁性薄膜112の磁化困難軸方向に印
加し、その大きさをHとすると、この磁界により、軟質
の磁性薄膜112と硬質の磁性薄膜116の磁化方向の
なす角度θ(=π/2−φ)は変化し、θに対する磁性
膜の抵抗変化は次式で与えられる。 ΔRSV(φ)=−(rSV/2)・cosθ =−(rSV/2)・sinφ (式4) ここでrSVはSV効果による最大抵抗変化量である。ま
た、磁化困難軸方向に沿って印加する磁化強度をHとす
ると、軟質の磁性薄膜112の磁化容易軸方向と磁化方
向のなす角度φは、やはり(式2)で与えられる。(式
2)を(式4)に代入すると、−HS<H<HS の磁界
範囲で次の関係を得る。 ΔRSV(H)=−(rSV/2)・H/HS (式5)
【0012】さて、SV磁気抵抗効果による抵抗変化
は、基本的には電流方向とは無関係であると書いたが、
実際には、軟質の磁性薄膜112の磁化方向と電流方向
のなす角度も変化するため、AMR効果も同時に生じ
る。したがって、SV磁気抵抗効果膜の抵抗変化は、
(式5)で与えられるSV磁気抵抗効果による抵抗変化
と(式3)で与えられるAMR効果による抵抗変化の重
ね合わせであり、−HS<H<HS の磁界範囲で次式で
表される。 ΔR(H)=−(rSV/2)・H/HS−rAMR・H2/HS 2 (式6) このように磁界強度Hの2乗に比例する抵抗変化が生じ
るAMR効果も同時に生じるため、SV磁気抵抗効果の
最大の特長である磁界強度に対する抵抗変化の直線性が
損なわれる。
は、基本的には電流方向とは無関係であると書いたが、
実際には、軟質の磁性薄膜112の磁化方向と電流方向
のなす角度も変化するため、AMR効果も同時に生じ
る。したがって、SV磁気抵抗効果膜の抵抗変化は、
(式5)で与えられるSV磁気抵抗効果による抵抗変化
と(式3)で与えられるAMR効果による抵抗変化の重
ね合わせであり、−HS<H<HS の磁界範囲で次式で
表される。 ΔR(H)=−(rSV/2)・H/HS−rAMR・H2/HS 2 (式6) このように磁界強度Hの2乗に比例する抵抗変化が生じ
るAMR効果も同時に生じるため、SV磁気抵抗効果の
最大の特長である磁界強度に対する抵抗変化の直線性が
損なわれる。
【0013】ここまでの説明では、磁界強度を困難軸に
沿って変化させる場合を示したが、磁界強度Hは一定で
その印加方向が回転する場合も、数々の応用において重
要である。この時の磁界強度Hは、軟質の磁性薄膜11
2の磁化を磁界印加方向に飽和させるに十分な程大きい
とする。磁界印加方向と軟質の磁性薄膜112の容易軸
方向のなす角度をηとすると、(式1)、(式4)およ
び φ=η の関係式より、この時の抵抗変化は次式で
与えられる。 ΔR(η)=−(rSV/2)・sinη−rAMR・sin2η (式7) SV磁気抵抗効果だけ生じる場合には単純なηの正弦関
数で与えられるはずであるが、AMR効果が混在してい
るために、(式8)のような複雑な関数形になってしま
う。
沿って変化させる場合を示したが、磁界強度Hは一定で
その印加方向が回転する場合も、数々の応用において重
要である。この時の磁界強度Hは、軟質の磁性薄膜11
2の磁化を磁界印加方向に飽和させるに十分な程大きい
とする。磁界印加方向と軟質の磁性薄膜112の容易軸
方向のなす角度をηとすると、(式1)、(式4)およ
び φ=η の関係式より、この時の抵抗変化は次式で
与えられる。 ΔR(η)=−(rSV/2)・sinη−rAMR・sin2η (式7) SV磁気抵抗効果だけ生じる場合には単純なηの正弦関
数で与えられるはずであるが、AMR効果が混在してい
るために、(式8)のような複雑な関数形になってしま
う。
【0014】ところで上記公報においては、磁界0にお
いて、軟質の磁性薄膜112と硬質の磁性薄膜116の
磁化方向は直交している。その直交した磁化の2等分線
に直角な方向に電流を流すことによって、AMR効果と
SV磁気抵抗効果とが丁度足し算になり、最大の出力が
得られることを開示している。この配置をとることによ
って、確かに出力としては大きくなるが、やはり磁界強
度に対する抵抗変化の直線性は損なわれてしまう。ま
た、軟質の磁性薄膜112の容易軸方向は電流方向であ
るパターンの長手方向に付きやすく、このような配置を
実現することは、技術的に困難である。
いて、軟質の磁性薄膜112と硬質の磁性薄膜116の
磁化方向は直交している。その直交した磁化の2等分線
に直角な方向に電流を流すことによって、AMR効果と
SV磁気抵抗効果とが丁度足し算になり、最大の出力が
得られることを開示している。この配置をとることによ
って、確かに出力としては大きくなるが、やはり磁界強
度に対する抵抗変化の直線性は損なわれてしまう。ま
た、軟質の磁性薄膜112の容易軸方向は電流方向であ
るパターンの長手方向に付きやすく、このような配置を
実現することは、技術的に困難である。
【0015】本発明は、かかる課題を解消するためにな
されたもので、印加磁界強度および磁界印加角度による
抵抗変化が、良好な線形性を呈する磁気抵抗センサを得
ることを目的とする。
されたもので、印加磁界強度および磁界印加角度による
抵抗変化が、良好な線形性を呈する磁気抵抗センサを得
ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の磁気
抵抗センサは、非磁性層を介して設けた軟質強磁性体の
第1磁性薄膜層と硬質強磁性体の第2磁性薄膜層とを有
し、印加磁界により変化する上記第1、第2磁性薄膜層
の磁化の相対角度に応じて抵抗が変化する磁気抵抗効果
膜がホイートストーンブリッジに構成され、上記隣り合
う磁気抵抗効果膜の上記第2磁性薄膜層の磁化方向が反
平行のものである。
抵抗センサは、非磁性層を介して設けた軟質強磁性体の
第1磁性薄膜層と硬質強磁性体の第2磁性薄膜層とを有
し、印加磁界により変化する上記第1、第2磁性薄膜層
の磁化の相対角度に応じて抵抗が変化する磁気抵抗効果
膜がホイートストーンブリッジに構成され、上記隣り合
う磁気抵抗効果膜の上記第2磁性薄膜層の磁化方向が反
平行のものである。
【0017】本発明に係る第2の磁気抵抗センサは、上
記磁気抵抗効果膜の第1磁性薄膜層に作用する第2磁性
薄膜層によるバイアス磁界が、第1磁性薄膜層の飽和磁
界の1/2以下のものである。
記磁気抵抗効果膜の第1磁性薄膜層に作用する第2磁性
薄膜層によるバイアス磁界が、第1磁性薄膜層の飽和磁
界の1/2以下のものである。
【0018】本発明に係る第3の磁気抵抗センサは、上
記非磁性層が銅または銅を主成分とする銅合金のもので
ある。
記非磁性層が銅または銅を主成分とする銅合金のもので
ある。
【0019】本発明に係る第4の磁気抵抗センサは、上
記非磁性層が2nm以上のものである。
記非磁性層が2nm以上のものである。
【0020】本発明に係る第5の磁気抵抗センサは、上
記磁気抵抗効果膜が長方形にパターニングされ、長方形
の長手方向に平行に第1磁性薄膜層の磁化容易軸が設定
されていものである。
記磁気抵抗効果膜が長方形にパターニングされ、長方形
の長手方向に平行に第1磁性薄膜層の磁化容易軸が設定
されていものである。
【0021】
【発明の実施の形態】図面を使って、本発明の実施の形
態を説明する。図1は本発明の磁気抵抗センサの平面図
で、磁気抵抗センサは磁気抵抗効果膜8が電気伝導部3
0により電気的に接合されホイートストーンブリッジ型
に構成されている。しかも、隣合う上記磁気抵抗効果膜
8の第2磁性薄膜層の磁化方向20が紙面上で互いに反
平行である。なお、印加磁界方向hは紙面上で上下方向
である。
態を説明する。図1は本発明の磁気抵抗センサの平面図
で、磁気抵抗センサは磁気抵抗効果膜8が電気伝導部3
0により電気的に接合されホイートストーンブリッジ型
に構成されている。しかも、隣合う上記磁気抵抗効果膜
8の第2磁性薄膜層の磁化方向20が紙面上で互いに反
平行である。なお、印加磁界方向hは紙面上で上下方向
である。
【0022】図2は上記磁気抵抗センサの磁気抵抗効果
膜8部分を切り欠いて示す断面図である。SV磁気抵抗
効果を示す磁気抵抗効果膜8は、軟質強磁性体の第1磁
性薄膜層12、非磁性金属体の非磁性層14、硬質強磁
性体の第2磁性薄膜層16および第2磁性薄膜層16の
磁化方向を固定するための固定層18からなっている。
硬質強磁性体の第2磁性薄膜層16は、軟質強磁性体の
第1磁性薄膜層12に比べて大きな保磁力を持ち、軟質
強磁性体の第1磁性薄膜層12の磁化方向が変化する程
度の小さな磁界を印加しても、第2磁性薄膜層16の磁
化方向は動かない。また、基板10としては、酸化絶縁
膜を設けたSi基板および表面をよく研磨したガラス等
の基板を用いる。
膜8部分を切り欠いて示す断面図である。SV磁気抵抗
効果を示す磁気抵抗効果膜8は、軟質強磁性体の第1磁
性薄膜層12、非磁性金属体の非磁性層14、硬質強磁
性体の第2磁性薄膜層16および第2磁性薄膜層16の
磁化方向を固定するための固定層18からなっている。
硬質強磁性体の第2磁性薄膜層16は、軟質強磁性体の
第1磁性薄膜層12に比べて大きな保磁力を持ち、軟質
強磁性体の第1磁性薄膜層12の磁化方向が変化する程
度の小さな磁界を印加しても、第2磁性薄膜層16の磁
化方向は動かない。また、基板10としては、酸化絶縁
膜を設けたSi基板および表面をよく研磨したガラス等
の基板を用いる。
【0023】まず基板上に、アルミニウムや銅等の良導
体からなる電気伝導部30を設け、その上にSV磁気抵
抗効果膜8を設ける。SV磁気抵抗効果膜8の上にSi
N、SiO等の保護膜を設ける場合もある。電気伝導部
30およびSV磁気抵抗効果膜8は適当な形にリソグラ
フィ等により加工される。図1に示すように、SV磁気
抵抗効果膜8は独立した4つの抵抗体として形成され、
電気伝導部30により電気的に接合されることでホイー
トストンブリッジを構成する。さらに、ホイートストン
ブリッジの各頂点には、電圧印加装置や電位差測定装置
と半田付け等により接合するためのパッド部40が設け
られている。ホイートストンブリッジに構成した隣合う
SV磁気抵抗効果膜の第2磁性薄膜層の磁化方向20は
互いに反平行になるように初期化されている。この初期
化には、適当なギャップ長の磁気ヘッドを用いる。
体からなる電気伝導部30を設け、その上にSV磁気抵
抗効果膜8を設ける。SV磁気抵抗効果膜8の上にSi
N、SiO等の保護膜を設ける場合もある。電気伝導部
30およびSV磁気抵抗効果膜8は適当な形にリソグラ
フィ等により加工される。図1に示すように、SV磁気
抵抗効果膜8は独立した4つの抵抗体として形成され、
電気伝導部30により電気的に接合されることでホイー
トストンブリッジを構成する。さらに、ホイートストン
ブリッジの各頂点には、電圧印加装置や電位差測定装置
と半田付け等により接合するためのパッド部40が設け
られている。ホイートストンブリッジに構成した隣合う
SV磁気抵抗効果膜の第2磁性薄膜層の磁化方向20は
互いに反平行になるように初期化されている。この初期
化には、適当なギャップ長の磁気ヘッドを用いる。
【0024】上記第1磁性薄膜層12へ作用する第2磁
性薄膜層によるバイアス磁界が第1磁性薄膜層12の飽
和磁界の半分を越えると特性が急激に劣化するので、上
記バイアス磁界は第1磁性薄膜層の飽和磁界の1/2以
下であることが望ましい。
性薄膜層によるバイアス磁界が第1磁性薄膜層12の飽
和磁界の半分を越えると特性が急激に劣化するので、上
記バイアス磁界は第1磁性薄膜層の飽和磁界の1/2以
下であることが望ましい。
【0025】また、非磁性層14は銅または銅を主成分
とする合金等良導体のものが用いられ、これらを用いる
ことによりSV磁気抵抗効果を大きくすることができ
る。
とする合金等良導体のものが用いられ、これらを用いる
ことによりSV磁気抵抗効果を大きくすることができ
る。
【0026】非磁性層14が薄くなると第2磁性薄膜層
16の磁化から第1磁性薄膜層12の磁化にバイアスと
なる相互作用が強く働き、その結果、ホイートストーン
ブリッジの構成においても、非線形のAMR効果を完全
に除去できなくなるので、非磁性層は2.0nm以上が
望ましい。
16の磁化から第1磁性薄膜層12の磁化にバイアスと
なる相互作用が強く働き、その結果、ホイートストーン
ブリッジの構成においても、非線形のAMR効果を完全
に除去できなくなるので、非磁性層は2.0nm以上が
望ましい。
【0027】SV磁気抵抗効果膜8は、長方形にパター
ニングされたもので、かつ軟質強磁性体の第1磁性薄膜
層12の磁化容易軸方向を上記長方形の長手方向に平行
に(図1における左右方向に)設定している。それによ
り、上記パターニングによる反磁界を活かすことができ
各層の磁化容易軸を確実に着けることができる。
ニングされたもので、かつ軟質強磁性体の第1磁性薄膜
層12の磁化容易軸方向を上記長方形の長手方向に平行
に(図1における左右方向に)設定している。それによ
り、上記パターニングによる反磁界を活かすことができ
各層の磁化容易軸を確実に着けることができる。
【0028】さて、この様に構成されたホイートストー
ンブリッジ型磁気抵抗センサに磁界を印加した場合の各
抵抗体の抵抗変化を考える。例えば、磁界方向を図1に
示すように紙面上で上下方向にとり、磁界強度を変化さ
せる。抵抗変化は前述の(式6)に従う。ただし第2磁
性薄膜層16の磁化方向が紙面上で上向きの場合と下向
きの場合で、(式6)の磁界Hの符号を逆にする必要が
あることは対称性より明らかである。したがって、第2
磁性薄膜層16の磁化方向が上向きの場合の抵抗変化
は、 ΔRup(H)=ΔR(H) =−(rSV/2)・H/HS−rAMR・H2/HS 2
(式8)となる。下向きの場合の抵抗変化は、 ΔRdn(H)=ΔR(−H) =(rSV/2)・H/HS−rAMR・H2/HS 2
(式9) となり、SV効果による抵抗変化の項(第1
項)の符号が反転する。ところで磁気抵抗体の抵抗値
は、基底となる抵抗値R0と ΔRの和で与えられるの
で、 Rup(H)=R0+ΔR(H)
(式10) Rdn(H)=R0+ΔR(−
H) (式11)である。
ここではR0up=R0dn=R0を考慮している。
ンブリッジ型磁気抵抗センサに磁界を印加した場合の各
抵抗体の抵抗変化を考える。例えば、磁界方向を図1に
示すように紙面上で上下方向にとり、磁界強度を変化さ
せる。抵抗変化は前述の(式6)に従う。ただし第2磁
性薄膜層16の磁化方向が紙面上で上向きの場合と下向
きの場合で、(式6)の磁界Hの符号を逆にする必要が
あることは対称性より明らかである。したがって、第2
磁性薄膜層16の磁化方向が上向きの場合の抵抗変化
は、 ΔRup(H)=ΔR(H) =−(rSV/2)・H/HS−rAMR・H2/HS 2
(式8)となる。下向きの場合の抵抗変化は、 ΔRdn(H)=ΔR(−H) =(rSV/2)・H/HS−rAMR・H2/HS 2
(式9) となり、SV効果による抵抗変化の項(第1
項)の符号が反転する。ところで磁気抵抗体の抵抗値
は、基底となる抵抗値R0と ΔRの和で与えられるの
で、 Rup(H)=R0+ΔR(H)
(式10) Rdn(H)=R0+ΔR(−
H) (式11)である。
ここではR0up=R0dn=R0を考慮している。
【0029】次にホイートストーンブリッジの出力を考
える。図1に示すように、対角位置にある一組の頂点に
定電流Iccを与える。そして、もう一組の頂点間の電
位差(Vab=Va−Vb)を図では示していない電圧
測定装置で測定する。この場合の出力は、キルヒホッフ
の法則より次のようになる。 Vab=I・(Rdn(H)−Rup(H))/2 (式12) (式12)に(式8)〜(式11)を代入し、次に示す
Vabの−HS<H<HSなる磁界範囲での磁界強度H依
存性が得られる。 Vab(H)=I・(rSV/2)・H/HS
(式13) このように、非線形のAMR効果
による項は相殺除去され、完全に磁界強度Hに比例した
出力特性が得られる。
える。図1に示すように、対角位置にある一組の頂点に
定電流Iccを与える。そして、もう一組の頂点間の電
位差(Vab=Va−Vb)を図では示していない電圧
測定装置で測定する。この場合の出力は、キルヒホッフ
の法則より次のようになる。 Vab=I・(Rdn(H)−Rup(H))/2 (式12) (式12)に(式8)〜(式11)を代入し、次に示す
Vabの−HS<H<HSなる磁界範囲での磁界強度H依
存性が得られる。 Vab(H)=I・(rSV/2)・H/HS
(式13) このように、非線形のAMR効果
による項は相殺除去され、完全に磁界強度Hに比例した
出力特性が得られる。
【0030】次にこのセンサに、磁界強度Hは一定でそ
の印加方向ηが回転する磁界を与える場合を考える。そ
の時の抵抗体の抵抗変化は基本的に(式7)で与えられ
る。ただし、この場合も第2磁性薄膜層16の磁化方向
が、図1において紙面上で上向きの場合と下向きの場合
で、(式7)を少し変更する必要がある。第2磁性薄膜
層16の磁化方向が上向きの場合の抵抗変化は、 ΔRup(η)=ΔR(η) =−(rSV/2)・sinη−rAMR・sin2η(式14) である。下向きの場合の抵抗変化は、式4において、θ
→π−θとすることより、 ΔRdn(η)=(rSV/2)・sinη−rAMR・si
n2η (式15)となり、やはりSV磁気抵抗効果に
よる抵抗変化の項(第1項)の符号が逆転する。ホイー
トストーンブリッジの出力は、(式14)、(式15)
および(式10)〜(式12)より Vab(H)=I・(rSV/2)・sinη (式16) となり、sin2ηに比例したAMR効果による項は相
殺除去され、sinηに比例した出力特性が得られる。
の印加方向ηが回転する磁界を与える場合を考える。そ
の時の抵抗体の抵抗変化は基本的に(式7)で与えられ
る。ただし、この場合も第2磁性薄膜層16の磁化方向
が、図1において紙面上で上向きの場合と下向きの場合
で、(式7)を少し変更する必要がある。第2磁性薄膜
層16の磁化方向が上向きの場合の抵抗変化は、 ΔRup(η)=ΔR(η) =−(rSV/2)・sinη−rAMR・sin2η(式14) である。下向きの場合の抵抗変化は、式4において、θ
→π−θとすることより、 ΔRdn(η)=(rSV/2)・sinη−rAMR・si
n2η (式15)となり、やはりSV磁気抵抗効果に
よる抵抗変化の項(第1項)の符号が逆転する。ホイー
トストーンブリッジの出力は、(式14)、(式15)
および(式10)〜(式12)より Vab(H)=I・(rSV/2)・sinη (式16) となり、sin2ηに比例したAMR効果による項は相
殺除去され、sinηに比例した出力特性が得られる。
【0031】ところで、ここでは磁界強度Hに対するA
MR効果による抵抗変化が磁界H=0に対して対称にな
ることを仮定している。しかし、第2磁性薄膜層16の
磁化から第1磁性薄膜層12の磁化にバイアスとなる相
互作用が非常に強く働く場合には、AMR効果による抵
抗変化が磁界H=0に対して対称にならず、AMR効果
による項は相殺除去されないので注意が必要である。
MR効果による抵抗変化が磁界H=0に対して対称にな
ることを仮定している。しかし、第2磁性薄膜層16の
磁化から第1磁性薄膜層12の磁化にバイアスとなる相
互作用が非常に強く働く場合には、AMR効果による抵
抗変化が磁界H=0に対して対称にならず、AMR効果
による項は相殺除去されないので注意が必要である。
【0032】
実施例1.図2に示したSV構造の磁気抵抗効果膜の実
施例について述べる。図2に示した磁気抵抗センサは、
ガラス基板10上に50nmのアルミニウムからなる電
気伝導部30およびSV磁気抵抗効果膜8を備えてい
る。SV磁気抵抗効果膜8は8nm厚さのパーマロイか
らなる第1磁性薄膜層12、3nm厚さの銅からなる非
磁性層14、2nm厚さのコバルトからなる第2磁性薄
膜層16、10nm厚さのアモルファスのフェリ磁性体
であるTb副格子磁化優勢のTbCoからなる固定層1
8および300nm厚さのSiNからなる保護層からな
っている。いずれの層もスパッタにより作成されてい
る。
施例について述べる。図2に示した磁気抵抗センサは、
ガラス基板10上に50nmのアルミニウムからなる電
気伝導部30およびSV磁気抵抗効果膜8を備えてい
る。SV磁気抵抗効果膜8は8nm厚さのパーマロイか
らなる第1磁性薄膜層12、3nm厚さの銅からなる非
磁性層14、2nm厚さのコバルトからなる第2磁性薄
膜層16、10nm厚さのアモルファスのフェリ磁性体
であるTb副格子磁化優勢のTbCoからなる固定層1
8および300nm厚さのSiNからなる保護層からな
っている。いずれの層もスパッタにより作成されてい
る。
【0033】第1磁性薄膜層12を成膜するときには、
後にパターン長手方向になる方向に磁界100(Oe)
を印加した。また、硬質強磁性体の第2磁性薄膜層16
と固定層18を成膜するときには、後にパターン長手方
向になる方向に垂直に磁界100(Oe)を印加した。
このようにすることで、所望の方向に各層の磁化容易軸
を確実に着けることができる。軟質の第1磁性薄膜層1
2の磁化容易軸方向をパターン長手方向に平行になるよ
うに設定したのは、このパターニングによる反磁界を活
かすためである。一方、硬質強磁性体の第2磁性薄膜層
16と固定層18の磁化容易軸方向はパターン長手方向
に垂直になるように設定してあるが、これらの層の反転
磁界は室温で約2kOeと非常に硬質であるため、パタ
ーニングによる反磁界の影響は無視できる。SV磁気抵
抗効果膜8のパターン幅は10μm、パターン長さは3
00μmとした。軟質強磁性体の第1磁性薄膜層12は
成膜時に既に磁化容易軸が着けられているが、パターニ
ングによる反磁界により、より強固に磁化容易軸が形成
される。
後にパターン長手方向になる方向に磁界100(Oe)
を印加した。また、硬質強磁性体の第2磁性薄膜層16
と固定層18を成膜するときには、後にパターン長手方
向になる方向に垂直に磁界100(Oe)を印加した。
このようにすることで、所望の方向に各層の磁化容易軸
を確実に着けることができる。軟質の第1磁性薄膜層1
2の磁化容易軸方向をパターン長手方向に平行になるよ
うに設定したのは、このパターニングによる反磁界を活
かすためである。一方、硬質強磁性体の第2磁性薄膜層
16と固定層18の磁化容易軸方向はパターン長手方向
に垂直になるように設定してあるが、これらの層の反転
磁界は室温で約2kOeと非常に硬質であるため、パタ
ーニングによる反磁界の影響は無視できる。SV磁気抵
抗効果膜8のパターン幅は10μm、パターン長さは3
00μmとした。軟質強磁性体の第1磁性薄膜層12は
成膜時に既に磁化容易軸が着けられているが、パターニ
ングによる反磁界により、より強固に磁化容易軸が形成
される。
【0034】本発明の磁気抵抗センサは、上記のように
して得られた磁気抵抗効果膜8が、アルミニウムと酸化
防止用の100nmの金層とを表面に設けた電気伝導部
30により図1に示すように電気的に接合されてホイー
トストーンブリッジ型に構成されている。しかも、隣合
う上記磁気抵抗効果膜8の第2磁性薄膜層の磁化方向2
0が反平行になるように、すべてのプロセスが終了後
に、第2磁性薄膜層16と固定層18の磁化の初期化を
ギャップ長30μmの磁気ヘッドを用いて行った。
して得られた磁気抵抗効果膜8が、アルミニウムと酸化
防止用の100nmの金層とを表面に設けた電気伝導部
30により図1に示すように電気的に接合されてホイー
トストーンブリッジ型に構成されている。しかも、隣合
う上記磁気抵抗効果膜8の第2磁性薄膜層の磁化方向2
0が反平行になるように、すべてのプロセスが終了後
に、第2磁性薄膜層16と固定層18の磁化の初期化を
ギャップ長30μmの磁気ヘッドを用いて行った。
【0035】上記の様にして得た本発明の磁気抵抗セン
サの入力抵抗(ホイートストーンブリッジの対角位置に
ある一組の頂点ホイート間の抵抗値)は約500Ωであ
った。磁界方向をパターン長手方向に垂直にとり、印加
磁界強度を変化させた。このとき、定電流としてIcc
=2mAを流し、電位差(Vab=Va−Vb)を測定
し、結果を図3に示す。図3は本発明の磁気抵抗センサ
の出力の印加磁界強度依存性を示す特性図であり、横軸
は印加磁界(Oe)、縦軸は出力(mV)である。図に
示されているように、−20<H<20(Oe)の範囲
で非常に直線的な電位差変化を得た。この磁界Hの範囲
での直線度は約0.3%と非常に良好な値であった。た
だし直線度の定義は次のとおりである。 直線度=理想直線からのずれの最大電位差/振幅電位差
×100(%) ここで理想直線とは、H−Vab平面上で(−20,V
ab(−20))と(+20,Vab(+20))を結
んだ直線である。また振幅電位差とは、(Vab(2
0)−Vab(−20))の絶対値である。
サの入力抵抗(ホイートストーンブリッジの対角位置に
ある一組の頂点ホイート間の抵抗値)は約500Ωであ
った。磁界方向をパターン長手方向に垂直にとり、印加
磁界強度を変化させた。このとき、定電流としてIcc
=2mAを流し、電位差(Vab=Va−Vb)を測定
し、結果を図3に示す。図3は本発明の磁気抵抗センサ
の出力の印加磁界強度依存性を示す特性図であり、横軸
は印加磁界(Oe)、縦軸は出力(mV)である。図に
示されているように、−20<H<20(Oe)の範囲
で非常に直線的な電位差変化を得た。この磁界Hの範囲
での直線度は約0.3%と非常に良好な値であった。た
だし直線度の定義は次のとおりである。 直線度=理想直線からのずれの最大電位差/振幅電位差
×100(%) ここで理想直線とは、H−Vab平面上で(−20,V
ab(−20))と(+20,Vab(+20))を結
んだ直線である。また振幅電位差とは、(Vab(2
0)−Vab(−20))の絶対値である。
【0036】比較例1.図4は磁気抵抗効果膜をホイー
トストーンブリッジ型に構成した比較として示す磁気セ
ンサの平面図で、印加磁界の方向は紙面上上向きで、磁
気抵抗効果膜の硬質強磁性体の第2磁性薄膜層16と固
定層18の磁化方向はすべて紙面上で上向きに初期化し
ている。ホイートストーンブリッジの対角位置にある一
組の頂点ホイート間の抵抗値を測定し結果を図5に示
す。図5は比較として示す磁気センサの印加磁界強度に
よる抵抗変化を示す特性図であり、横軸は印加磁界(O
e)、縦軸は抵抗変化(%)を示す。このようにして測
定した抵抗値の変化は、ホイートストーンブリッジの一
辺の抵抗値の変化と同じものが得られる。図5から抵抗
変化は、図3と比べて直線より大きくずれ、AMR効果
による抵抗変化も含まれていることがわかる。この図5
と図3を比較することで、ホイートストーンブリッジの
構成による効果は明確である。
トストーンブリッジ型に構成した比較として示す磁気セ
ンサの平面図で、印加磁界の方向は紙面上上向きで、磁
気抵抗効果膜の硬質強磁性体の第2磁性薄膜層16と固
定層18の磁化方向はすべて紙面上で上向きに初期化し
ている。ホイートストーンブリッジの対角位置にある一
組の頂点ホイート間の抵抗値を測定し結果を図5に示
す。図5は比較として示す磁気センサの印加磁界強度に
よる抵抗変化を示す特性図であり、横軸は印加磁界(O
e)、縦軸は抵抗変化(%)を示す。このようにして測
定した抵抗値の変化は、ホイートストーンブリッジの一
辺の抵抗値の変化と同じものが得られる。図5から抵抗
変化は、図3と比べて直線より大きくずれ、AMR効果
による抵抗変化も含まれていることがわかる。この図5
と図3を比較することで、ホイートストーンブリッジの
構成による効果は明確である。
【0037】実施例2.実施例1では、非磁性金属体の
非磁性層14として3nmの銅を用いて良好な直線度が
得られたが、この実施の形態では銅の厚みを変化させ、
直線度を調べた。その結果を下表に示す。
非磁性層14として3nmの銅を用いて良好な直線度が
得られたが、この実施の形態では銅の厚みを変化させ、
直線度を調べた。その結果を下表に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表から銅層が薄くなるに伴い、直線度が著
しく悪くなることがわかる。これは、銅層が薄くなると
第2磁性薄膜層16の磁化から第1磁性薄膜層12の磁
化にバイアスとなる相互作用が強く働き、その結果、ホ
イートストーンブリッジの構成においても、非線形のA
MR効果を完全に除去できなくなることに起因すること
がわかる。したがって、銅層は2.0nm以上が望まし
い。ところで軟質強磁性体の第1磁性薄膜層12の飽和
磁界Hsは20(Oe)であるので、第1磁性薄膜層1
2へのバイアス磁界が10(Oe)になると、すなわち
軟質強磁性体の磁性薄膜層12の飽和磁界Hsの半分を
越えると特性が急激に劣化することがわかった。
しく悪くなることがわかる。これは、銅層が薄くなると
第2磁性薄膜層16の磁化から第1磁性薄膜層12の磁
化にバイアスとなる相互作用が強く働き、その結果、ホ
イートストーンブリッジの構成においても、非線形のA
MR効果を完全に除去できなくなることに起因すること
がわかる。したがって、銅層は2.0nm以上が望まし
い。ところで軟質強磁性体の第1磁性薄膜層12の飽和
磁界Hsは20(Oe)であるので、第1磁性薄膜層1
2へのバイアス磁界が10(Oe)になると、すなわち
軟質強磁性体の磁性薄膜層12の飽和磁界Hsの半分を
越えると特性が急激に劣化することがわかった。
【0040】実施例3.図6は本発明の磁気抵抗センサ
の構成図であり、印加磁界方向hは紙面上で上向きであ
る。上記実施例とは異なる磁気抵抗効果膜のホイートス
トーンブリッジの構成を示している。この構成では、電
気伝導部30の線の引き回しが少し複雑になるが、第2
磁性薄膜層16と固定層18の磁化方向の初期化に関し
ては有効である。すなわち、図6に示した左側の2つの
SV磁気抵抗効果膜からなる抵抗体を、一つの磁気ヘッ
ドによって一挙に紙面上で上向きに初期化することが可
能になる。右側の2つの抵抗体も同様に紙面上で下向き
に一挙に初期化できるため、初期化の効率が上がる。
の構成図であり、印加磁界方向hは紙面上で上向きであ
る。上記実施例とは異なる磁気抵抗効果膜のホイートス
トーンブリッジの構成を示している。この構成では、電
気伝導部30の線の引き回しが少し複雑になるが、第2
磁性薄膜層16と固定層18の磁化方向の初期化に関し
ては有効である。すなわち、図6に示した左側の2つの
SV磁気抵抗効果膜からなる抵抗体を、一つの磁気ヘッ
ドによって一挙に紙面上で上向きに初期化することが可
能になる。右側の2つの抵抗体も同様に紙面上で下向き
に一挙に初期化できるため、初期化の効率が上がる。
【0041】
【発明の効果】本発明の第1の磁気抵抗センサによれ
ば、非磁性層を介して設けた軟質強磁性体の第1磁性薄
膜層と強磁性体の第2磁性薄膜層とを有し、印加磁界に
より変化する上記第1、第2磁性薄膜層の磁化の相対角
度に応じて抵抗が変化する磁気抵抗効果膜をホイートス
トーンブリッジに構成し、隣り合う磁気抵抗効果膜の上
記第2磁性薄膜層の磁化方向が反平行であることにより
磁界強度および磁界印加角度による抵抗変化の線形性が
良好であるという効果がある。
ば、非磁性層を介して設けた軟質強磁性体の第1磁性薄
膜層と強磁性体の第2磁性薄膜層とを有し、印加磁界に
より変化する上記第1、第2磁性薄膜層の磁化の相対角
度に応じて抵抗が変化する磁気抵抗効果膜をホイートス
トーンブリッジに構成し、隣り合う磁気抵抗効果膜の上
記第2磁性薄膜層の磁化方向が反平行であることにより
磁界強度および磁界印加角度による抵抗変化の線形性が
良好であるという効果がある。
【0042】本発明の第2の磁気抵抗センサによれば、
上記磁気抵抗効果膜の第1磁性薄膜層に作用する第2磁
性薄膜層によるバイアス磁界が、第1磁性薄膜層の飽和
磁界の1/2以下であることにより特性が良好であると
いう効果がある。
上記磁気抵抗効果膜の第1磁性薄膜層に作用する第2磁
性薄膜層によるバイアス磁界が、第1磁性薄膜層の飽和
磁界の1/2以下であることにより特性が良好であると
いう効果がある。
【0043】本発明の第3の磁気抵抗センサによれば、
上記非磁性層が銅または銅を主成分とする銅合金である
ことによりSV効果膜の効果が大きくなるという効果が
ある。
上記非磁性層が銅または銅を主成分とする銅合金である
ことによりSV効果膜の効果が大きくなるという効果が
ある。
【0044】本発明の第4の磁気抵抗センサによれば、
上記非磁性層が2nm以上であることにより磁界強度お
よび磁界印加角度による抵抗変化の線形性が良好である
という効果がある。
上記非磁性層が2nm以上であることにより磁界強度お
よび磁界印加角度による抵抗変化の線形性が良好である
という効果がある。
【0045】本発明の第5の磁気抵抗センサによれば、
上記磁気抵抗効果膜が長方形にパターニングされ、長方
形の長手方向に平行に第1磁性薄膜層の磁化容易軸が設
定されていることにより、反磁界を小さくでき、第1磁
性薄膜層の磁化容易軸を容易に確実に長手方向に付与で
きるという効果がある。
上記磁気抵抗効果膜が長方形にパターニングされ、長方
形の長手方向に平行に第1磁性薄膜層の磁化容易軸が設
定されていることにより、反磁界を小さくでき、第1磁
性薄膜層の磁化容易軸を容易に確実に長手方向に付与で
きるという効果がある。
【図1】 本発明の磁気抵抗センサの平面図である。
【図2】 本発明の磁気抵抗センサの磁気抵抗効果膜部
分を切り欠いて示す断面図である。
分を切り欠いて示す断面図である。
【図3】 本発明の磁気抵抗センサの出力の磁界強度依
存性を示す特性図である。
存性を示す特性図である。
【図4】 比較例の磁気センサの平面図である。
【図5】 比較例の磁気センサの印加磁界強度による抵
抗変化を示す特性図である。
抗変化を示す特性図である。
【図6】 本発明の磁気抵抗センサの構成図である。
【図7】 一般的なSV磁気抵抗効果膜の立体展開図で
ある。
ある。
【図8】 従来の磁気センサの構成図である。
【図9】 従来の磁気センサの印加磁界強度による抵抗
変化を示す特性図である。
変化を示す特性図である。
【図10】 一般的な磁気センサにおけるAMR効果を
説明する説明図である。
説明する説明図である。
【図11】 一般的な磁気センサにおけるSV磁気抵抗
効果を説明する説明図である。
効果を説明する説明図である。
8 磁気抵抗効果膜、10 ガラス基板、12 第1磁
性薄膜層、14 非磁性層、16 第2磁性薄膜層、1
8 固定層、20 第2磁性薄膜層の磁化方向、30
電気伝導部。
性薄膜層、14 非磁性層、16 第2磁性薄膜層、1
8 固定層、20 第2磁性薄膜層の磁化方向、30
電気伝導部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川野 裕司 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 非磁性層を介して設けた軟質強磁性体の
第1磁性薄膜層と硬質強磁性体の第2磁性薄膜層とを有
し、印加磁界により変化する上記第1、第2磁性薄膜層
の磁化の相対角度に応じて抵抗が変化する磁気抵抗効果
膜がホイートストーンブリッジに構成され、上記隣り合
う磁気抵抗効果膜の上記第2磁性薄膜層の磁化方向が反
平行である磁気抵抗センサ。 - 【請求項2】 請求項1記載のものにおいて、磁気抵抗
効果膜の第1磁性薄膜層に作用する第2磁性薄膜層によ
るバイアス磁界が、第1磁性薄膜層の飽和磁界の1/2
以下であることを特徴とする磁気抵抗センサ。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のものに
おいて、非磁性層が銅または銅を主成分とする銅合金で
あることを特徴とする磁気抵抗センサ。 - 【請求項4】 請求項3に記載のものにおいて、非磁性
層が2nm以上であることを特徴とする磁気抵抗セン
サ。 - 【請求項5】 請求項1ないし請求項4の何れかに記載
のものにおいて、磁気抵抗効果膜が長方形にパターニン
グされ、長方形の長手方向に平行に第1磁性薄膜層の磁
化容易軸が設定されていることを特徴とする磁気抵抗セ
ンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8039319A JPH09231517A (ja) | 1996-02-27 | 1996-02-27 | 磁気抵抗センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8039319A JPH09231517A (ja) | 1996-02-27 | 1996-02-27 | 磁気抵抗センサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09231517A true JPH09231517A (ja) | 1997-09-05 |
Family
ID=12549797
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8039319A Pending JPH09231517A (ja) | 1996-02-27 | 1996-02-27 | 磁気抵抗センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09231517A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003502876A (ja) * | 1999-06-18 | 2003-01-21 | コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ | 不可逆特性を持つ磁気システムおよびこの種システムを作成し修理し操作する方法 |
JP5265689B2 (ja) * | 2008-09-22 | 2013-08-14 | アルプス・グリーンデバイス株式会社 | 磁気結合型アイソレータ |
JP2014006127A (ja) * | 2012-06-22 | 2014-01-16 | Asahi Kasei Electronics Co Ltd | 多軸磁気センサ、および、その製造方法 |
JP2014006126A (ja) * | 2012-06-22 | 2014-01-16 | Asahi Kasei Electronics Co Ltd | 磁気センサ |
CN103575302A (zh) * | 2012-08-10 | 2014-02-12 | 北京嘉岳同乐极电子有限公司 | 磁传感器芯片、磁传感器及其制作方法 |
CN110207586A (zh) * | 2019-05-23 | 2019-09-06 | 歌尔股份有限公司 | 一种磁传感器芯片中磁阻的布置结构及磁传感器芯片 |
-
1996
- 1996-02-27 JP JP8039319A patent/JPH09231517A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003502876A (ja) * | 1999-06-18 | 2003-01-21 | コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ | 不可逆特性を持つ磁気システムおよびこの種システムを作成し修理し操作する方法 |
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JP2014006126A (ja) * | 2012-06-22 | 2014-01-16 | Asahi Kasei Electronics Co Ltd | 磁気センサ |
CN103575302A (zh) * | 2012-08-10 | 2014-02-12 | 北京嘉岳同乐极电子有限公司 | 磁传感器芯片、磁传感器及其制作方法 |
CN110207586A (zh) * | 2019-05-23 | 2019-09-06 | 歌尔股份有限公司 | 一种磁传感器芯片中磁阻的布置结构及磁传感器芯片 |
CN110207586B (zh) * | 2019-05-23 | 2020-09-18 | 潍坊歌尔微电子有限公司 | 一种磁传感器芯片中磁阻的布置结构及磁传感器芯片 |
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