JPH09230633A - 電子写真現像用フェライトキャリア - Google Patents

電子写真現像用フェライトキャリア

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JPH09230633A
JPH09230633A JP34175196A JP34175196A JPH09230633A JP H09230633 A JPH09230633 A JP H09230633A JP 34175196 A JP34175196 A JP 34175196A JP 34175196 A JP34175196 A JP 34175196A JP H09230633 A JPH09230633 A JP H09230633A
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JP
Japan
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carrier
image
toner
mol
magnetic
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JP34175196A
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English (en)
Inventor
Masahisa Ochiai
正久 落合
Tsutomu Saito
務 齋藤
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Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低磁力でもキャリア付着を防止しつつ、潜像
に忠実な現像が得られる電子写真現像用フェライトキャ
リアを提供する。 【解決手段】 平均粒径が10〜100μmであり、比
抵抗が106Ω・cm以上であり、下記の式(1)を満た
す基本組成を有するフェライト粒子からなり、 ((MO)Y(Li2O)1-Y1-X(Fe23
X (1) [式(1)中、MはMn、Ni、Zn、Cu、Co、M
g、Baからなる群から選択される1種以上の金属であ
り、Yは0〜1、(1−X)とXのモル比(1−X)/
Xは1.23〜3である。]下記式(2)を満足し、 σ500/σS≧0.5 (2) [式(2)中、σ500は500エルステッドの磁界に
おける磁化値であり、σSは飽和磁化値である。]か
つ、1000エルステッドの磁界における磁化値(σ
1000)が10〜30emu/gであるフェライト粒子を現像
剤のキャリアとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法あるいは静電印刷法等において静電潜像を現像するた
めに使用される乾式二成分系現像剤を構成するフェライ
トキャリアに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法においては光導電性材料より
なる感光層を有する感光体に均一な静電荷を与えた後、
画像露光を行うことにより感光体の表面に静電潜像を形
成し、これに帯電した着色微粉末、即ちトナーを付着さ
せること(現像)によって可視像とする。可視像は普通
紙などの転写材に転写された後、加熱あるいは加圧など
により永久定着される。上記の電子写真法においては、
トナーと磁性キャリアとからなる二成分系現像剤を用い
て磁気ブラシ法により現像することが一般的に行われて
いる。二成分系現像剤を用いる方法では、磁性キャリア
とトナーを所定の比率で混合し、両者を逆極性に摩擦帯
電せしめてトナーを静電的に保持した磁性キャリアをマ
グネットロール上に供給し、マグネットローラの表面に
形成した磁気ブラシで感光体表面を摺擦することによ
り、所定の極性に帯電したトナーのみを感光体の表面に
形成された静電潜像に付着させトナー像を得る。
【0003】二成分系現像剤のキャリアには従来鉄粉や
フェライト粉等が用いられ、比抵抗により導電性と絶縁
性とに大別される。高品質(地カブリのない)の画像を
得るためにマグネットローラを構成するスリーブと感光
体との間にバイアス電圧を印加することが行われるが、
この場合、導電性キャリアでは潜像電位のリークやキャ
リア付着が起きるため良好な画質が得られない。これに
対し絶縁性キャリアでは潜像電位のリークがないため細
線の再現性に優れた画像が得られる。しかし、マグネッ
トローラからの電荷の注入がないため、トナーが感光体
に移動した後のキャリアにはトナーと逆極性の電荷が残
り、現像電場が弱められる。その結果、ベタ黒部では画
像中心部の濃度が低い(エッジ効果の強い)画像になり
やすい。
【0004】この問題を解決し高画質の画像を得るため
に、特公平4−19546号では、キャリアの磁化に着
目し450〜1000エルステッドの磁界における磁化
値を10〜30emu/gとすることで、磁界によるキャリ
ア同士の結合力が弱まり、現像剤層内部にあるトナーも
現像に寄与させ、絶縁性キャリアでも十分な濃度の画像
が得ることが提案されている。しかし、上記の磁化値を
得るには(CuO)X(Fe23Yの組成において、X
/Yは0.85以下でなければならないとしており、こ
の組成では比抵抗が低くキャリアの感光体への移動(キ
ャリア付着)がおきやすい。比抵抗を高くするには表面
酸化処理をすればよいがキャリアの劣化や帯電付与能力
の大幅な変化を伴うので好ましくない。また、樹脂でキ
ャリア粒子をコーティングしてもよいが、コストアップ
やコーティング膜が剥がれた際に帯電付与能力や現像剤
抵抗が変化するという不都合がある。更に酸化鉄の含有
量が多いと1200度以上の高い焼結温度が必要にな
り、やはりコストアップにつながる。
【0005】また、特開平6−51563号では、10
00エルステッドの磁界における磁化値を30〜150
emu/cm3としているが、フルカラー画像を現像するには
30emu/cm3以上ではまだ磁界によるキャリア同士の結
合力が強すぎるため、現像を重ねる際に現像剤層により
前画像を削るため混色し易く、通常の現像でも中間調の
再現ではハケスジやムラがでやすい。以上のように、キ
ャリア付着を防止しつつ磁力の低いキャリアが望まれて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、上記の問題点を解決し潜像に忠実な現像が得られ
る電子写真現像用フェライトキャリアを提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者らは、平均粒径が
10〜100μmであり、比抵抗が106Ω・cm以上で
あり、下記の式(1)を満たす基本組成を有するフェラ
イト粒子からなり、 ((MO)Y(Li2O)1-Y1-X(Fe23X (1) [式(1)中、MはMn、Ni、Zn、Cu、Co、M
g、Baからなる群から選択される1種以上の金属であ
り、Yは0〜1、(1−X)とXのモル比(1−X)/
Xは1.23〜3である。]下記式(2)を満足し、 σ500/σS≧0.5 (2) [式(2)中、σ500は500エルステッドの磁界にお
ける磁化値であり、σSは飽和磁化値である。]
【0008】且つ、1000エルステッドの磁界におけ
る磁化値(σ1000)が10〜30emu/gの範囲にある磁
気特性を有するフェライト粒子を現像剤のキャリアとす
ることで前記の目的が達成できることを見いだした。
【0009】図1は、各種キャリアの磁化特性曲線であ
る。aは従来用いられている一般のフェライトキャリア
(例えばCuO20mol%、ZnO10mol%、Fe23
70mol%、重量平均粒径40μm、比抵抗108Ω・c
m)、bは鉄粉キャリア、cは本発明によるフェライト
キャリア(例えばCuO50mol%、ZnO20mol%、
Fe2330mol%、体積平均粒径40μm、比抵抗1
8Ω・cm)の磁化特性曲線である。磁化特性がaで示
されるようなキャリアを用いると現像ロール上で磁界に
よるキャリア同士の結合力が強すぎるため、磁気ブラシ
を形成する現像剤の穂立ちは高く硬くなる。フルカラー
現像など現像を重ねる際には、この穂が現像と同時に前
画像をかき乱すため画像の荒れ、白抜け、混色などが起
こりやすく、通常の現像でもハーフトーンの再現ではハ
ケスジやムラがでやすい。また、キャリア同士の結合力
が強いと現像剤の流動性が低下し現像剤層の表面のトナ
ーしか現像に寄与しなくなり画像濃度が低下しやすい。
実験の結果からキャリアに適度な結合力を与え良好な画
像を得るには、1000エルステッドの磁界における磁
化値(σ1000)が30emu/g以下であるフェライト粒子
が適していることが判明した。但し、σ1000が低すぎる
とフェライト粒子が現像ロールから離れ、キャリア付着
が生じやすくなるのでσ1000は10emu/g以上とする必
要がある。σ1000の好ましい範囲は20〜30emu/gで
ある。
【0010】次に磁化特性がbで示されるようなキャリ
ア、すなわち1000エルステッドの磁界における磁化
値が10〜30emu/gで、ほぼリニアな特性であるキャ
リアを用いた場合について述べる。現像ロール上の磁界
は、現像ロールに周方向に配置される複数の磁極により
与えられる。現像ロール上の現像剤はこの磁界により現
像ロールに引きつけられるが各磁極間では磁極上に比べ
て磁界が弱いためキャリアの引きつけも弱い。よって、
キャリアの結合力を磁極上で適度になるよう設定すると
磁極間では弱すぎて現像ロールから離れやすくなり、キ
ャリア付着が生じやすい。逆に磁極間で適度になるよう
設定すると磁極上では強すぎて前述の現象が生じやす
い。
【0011】このことから磁極間のように比較的弱い磁
界においても現像ロールから離れない程度のキャリアの
結合力が必要である。従って、図1において立ち上がり
の早い磁化特性曲線が望ましく、具体的には、 σ500/σS≧0.5 (式中、σ500は500エルステッドの磁界におけるキ
ャリアの磁化値であり、σSは飽和磁化値である。)で
実現できる。σ500/σSが0.5未満では磁化特性が図
1のbで示されるような前述のキャリアと同様、磁極上
と磁極間のキャリアの結合力を適度になるよう設定する
のが困難になる。好ましくは、この値が0.6以上であ
る。
【0012】以上のことから本発明であるキャリア付着
を防止しつつ磁力の低いキャリアは、磁化特性が図1の
cで示されるようなキャリア、すなわち1000エルス
テッドの磁界における磁化値が10〜30emu/gで、磁
界の強さに対し立ち上がりの早い磁化特性を持つキャリ
アである。このキャリアを実現するには、第一にその組
成を適当に選択しなければならない。キャリアの基本組
成は一般式 ((MO)Y(Li2O)1-Y1-X(Fe23X で表され、MはMn、Ni、Zn、Cu、Co、Mg、
Baからなる群から選択される1種以上の金属である。
YはMOまたはLi2Oで表される組成のうちのMOの
割合を示すものであり0〜1の任意の値をとり得るが、
好ましくは0.5〜1の範囲である。また、1−XとX
のモル比(1−X)/Xは1.23〜3でなければなら
ず、好ましくは1.5〜3、更に好ましくは2〜2.5
の範囲である。(1−X)/Xが1.23未満では比抵
抗が小さくキャリア付着が起きやすい。(1−X)/X
が3を超えると磁化値が小さくなり過ぎ磁性キャリアと
して機能しなくなる。本発明のフェライトキャリアは上
記の基本組成のうち、Li2Oを用いない場合(Y=1
のとき)は、MはZnおよび、Cu、Ni、Mn、Mg
からなる群から選択される1種以上の金属とするものが
好ましく、Cuを選択してMはZnおよびCuとするこ
とが特に好ましい。また、Li2Oを用いる場合(0<
Y<1のとき)は、MはMnを選択したものが特に好ま
しい。
【0013】本発明において、キャリア粒子は、その重
量平均粒径が10〜100μmの範囲内にあることが望
ましい。粒径が10μm未満の場合には、磁化値が小さ
くなり過ぎ現像ロールから離れ感光体表面に付着しやす
くなり、粒径が100μmを越える場合には、画像その
ものが粗となり好ましくない。より好ましくは10〜4
0μmの範囲である。本発明において、上記フェライト
キャリアは、比抵抗値が106Ω・cm以上であることが
望ましい。これは、比抵抗値が106Ω・cm未満では磁
気ブラシからキャリアが離脱し易くなり、感光体表面へ
の付着を招いてしまうからである。比抵抗値のより好ま
しい範囲は108Ω・cm以上である。
【0014】本発明のフェライトキャリアは、例えば次
のような方法によって製造することができる。最初に、
所定の金属酸化物と酸化鉄(Fe23)および必要に応
じて添加物として金属化合物を所定量秤量し混合する。
金属化合物はV25やBi23等の焼結促進剤などで、
これらを単独または複数組み合わせて金属酸化物と酸化
鉄の100重量部に対して2重量部程度を上限として添
加してもよい。次に、得られた混合物を800〜100
0℃の範囲で数時間仮焼し、しかる後数μm以下の粒径
に粉砕する。得られた粉砕粉は、必要に応じて粘結剤を
加えてから、加熱雰囲気中で噴霧乾燥して造粒する。得
られた球状粒子は900〜1200℃の温度の空気雰囲
気中で数時間焼結する。次いで解砕および分級を行って
フェライトキャリアが得られる。また、必要に応じて更
に表面酸化処理を行ったり、樹脂材料からなる被膜を設
け比抵抗を調整することができる。このような樹脂材料
としては、P−クロルスチレン、メチルスチレン等のス
チレン類:塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル等の
ハロゲン化ビニル類:酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類:アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ルーブチル、
アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル
酸n−オクチル、アクリル酸3−クロルエチル、アクリ
ル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタアク
リル酸ブチル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸の
エステル類:アクリルニトリル、メタアクリロニトリ
ル、アクリルアミド、ビニルメチルエーテル、ビニルイ
ソブチルエーテル、ビニルエチルエーテル、等のビニル
エーテル類:ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケト
ン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類な
どの単量体を重合させたホモポリマーまたはコポリマ
ー、あるいはこの他の樹脂としてエポキシ樹脂、シリコ
ーン樹脂、ロジン変性フェノールホルマリン樹脂、セル
ローズ樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルブチラール
樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、
ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、4フッ化エ
チレン等のフッ素樹脂などを単独若しくはブレンドして
使用することができる。このうち、スチレン−アクリル
系樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、セルローズ樹
脂、スチレン−ブタジエン樹脂等が特に有用である。
【0015】本発明のフェライトキャリアに前述の樹脂
材料からなる被膜を、例えば次の方法で設けることがで
きる。まず樹脂を適当に溶解する溶剤として、例えばベ
ンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、テ
トラヒドロフラン、クロロホルム、ヘキサン等を使用す
ることができる。また樹脂をエマルジョンとして使用す
ることもできる。樹脂溶液またはエマルジョンはフェラ
イトキャリアの表面を均一に被覆するようにスプレーす
る。均一な表面被覆を得るために、キャリアを流動状態
に維持することが好ましい。この目的にはスプレードラ
イヤーまたは流動床等を使用することが望ましい。樹脂
溶液のスプレーは約200℃以下、好ましくは約100
〜150℃の雰囲気で行い溶剤を迅速に除去する。この
工程で樹脂被覆の乾燥まで行う。また樹脂エマルジョン
の場合、スプレーは常温〜100℃で行い樹脂をキャリ
ア表面に融着させる。被膜量はフェライトキャリア10
0重量部に対して樹脂0.5〜2.5重量部である。
【0016】本発明のキャリアはトナーと混合されて現
像に供されるが、トナーとしては結着樹脂と着色剤を必
須成分として、電荷制御剤、磁性体、離型剤、流動化剤
などを任意成分とする体積平均粒径が5〜15μmの粒
子を用いることが望ましい。結着樹脂には、負帯電性ト
ナーとする場合はポリエステル樹脂が用いられ、正帯電
性トナーとする場合はスチレン−アクリル系共重合体樹
脂が用いられることが多い。着色剤としては、カーボン
ブラック、アニリンブルー、カルコオイルブルー、クロ
ムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレ
ッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、
フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオクサレー
ト、ランプブラック、ローズベンガル等を挙げることが
できる。負帯電性トナーとする場合は、通常トナー全量
に対して5〜15重量%添加し、正帯電性トナーとする
場合は、通常トナー全量に対して1〜20重量%添加す
る。現像剤中のトナー濃度は、非磁性トナーでは3〜1
0重量%とし、磁性トナーでは15〜70重量%の範囲
で用いる。
【0017】なお、本発明における磁気特性の測定は、
振動試料型磁力計(東英工業社製VSM−3型)を用い
て行った。試料は円筒状のプラスチック容器にキャリア
を十分密になるように充填して一定の体積になるよう作
製した。この状態で±10Kエルステッドの磁場をか
け、そのときのヒステリシス曲線から得られる磁化モー
メントを試料の重量で除して求めた。比抵抗は、上下の
内面に電極を備えたテフロン(登録商標)製の直径30
mmのシリンダー中に約5mmの厚さに試料を挿入し、
約800gの加重を加え、電極間に200v/cmの直
流電圧を印加し測定した。トナーの平均粒径(Dav)の
測定には、同じく市販されているコールターカウンター
モデルTA-II型(コールターカウンター社製)を用
いた。後に述べる摩擦帯電量(TEC;Tribo-Electros
tatic Charge)は、市販の摩擦帯電量測定器(東芝ケミ
カル社製TB-200型)を用いて、トナー濃度5重量%にし
てフェライトキャリアとトナーの組み合わせによる摩擦
帯電量を測定して得られた値である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づい
て、より詳細に説明する。
【0019】(実施例1)CuO=50モル%、ZnO=
20モル%、Fe23=30モル%(1−X=0.7、X
=0.3、(1−X)/X=2.33で式(1)を満た
す)になるように原料をそれぞれ秤量し、ボールミルに
より混合した。得られた混合粉を900℃の温度で2時
間仮焼し、仮焼した試料はアトライターにより粉砕し
た。粉砕後の平均粒径は約0.7μmであった。次い
で、粉砕した試料に粘結剤としてポリビニルアルコール
(PVA)を0.5〜1.0重量%加え、スプレードラ
イヤーにより噴霧乾燥して造粒した。得られた造粒粉を
アルミナ製の容器に入れて1000℃の空気雰囲気中で
3時間焼成し、更に解砕および分級し平均粒径約40μ
mのフェライトキャリアを得た。比抵抗は108Ω・cm
であった。キャリアの磁気特性はσ500=20emu/g、σ
1000=24emu/g、σS=29emu/gであり、σ500/σS=
0.69で式(2)を満たしていた。
【0020】トナーの製造は次のようにして行った。フ
タロシアニンブルー(着色剤;BASF)4部(重量
部、以下も同様)と電荷制御剤(オリエント化学社製ボ
ントロンE88)1部をボールミルで予備混合し、さら
にビスフェノールA型ポリエステル(結着樹脂)93
部、ポリプロピレン(離型剤;三洋化成社製TP−3
2)2部を添加し混合する。それを150℃に加熱した
2軸ニーダーにて溶融混練した後に冷却し、冷却物を機
械式粉砕機にて開口径1mmの金網を通過する程度まで粗
粉砕し、次いで風力式粉砕機(ジェットミル)で微粉砕
した。これを風力式分級機(アルピネ社製100MZ
R)で重量平均粒径が約8μmとなるように分級し、負
帯電性の粒子を作製した。この粒子の表面に疎水性シリ
カ(流動化剤;日本アエロジル社製アエロジルR97
2)0.5部を添加しトナーを得た。このトナーの比抵
抗は1014Ω・cm、TECは−35μc/gであっ
た。
【0021】前記フェライトキャリア97重量部と前記
トナー3重量部とを混合し二成分系現像剤とした。この
現像剤を用いて次の条件で作像した。 現像:フルカラー重ね現像 感光体:負帯電性OPC(直径30mm)、プロセス速度
60mm/sec、表面電位 −600 V マグネットロール:固定、極数 4極(非対称)、現像
磁極 800G、他磁極 600G スリーブ:SUS304製(直径20mm)、スリーブ周
速 150mm/sec、バイアス電圧(スリーブに印加)
−450V(DC)に1000PPAC(1kHz)を重畳 現像ギャップ:0.4mm ドクターギャップ:0.3mm 温度:20℃ 湿度:60%(RH) トナー像は普通紙にコロナ転写のあと熱ロール定着(1
60℃、1kgf/cm)した。
【0022】作像の結果、絶縁性キャリアの特徴である
細線の再現性に優れた画像が得られ、ベタ黒部でもエッ
ジ効果はなく十分な画像濃度(ID)が得られた。ま
た、キャリアの磁化が低いため現像剤層がソフトにな
り、混色がなく中間調の再現も良好であった。低磁場強
度での磁化の向上によりキャリア付着も抑えられた。
【0023】(実施例2)CuO=38モル%、ZnO=
20モル%、Fe23=42モル%(1−X=0.58、
X=0.42、(1−X)/X=1.38で式(1)を満
たす)になるように原料をそれぞれ秤量し、ボールミル
により混合した。1050℃の温度で焼成する他は実施
例1と同様にしてキャリアを作製した。比抵抗は108
Ω・cmであった。キャリアの磁気特性はσ500=25emu
/g、σ1000=30emu/g、σS=42emu/gであり、σ500
/σS=0.60で式(2)を満たしていた。トナーの製
造は実施例1と同様にして行い、実施例1と同様の条件
で作像した。実施例1と同様に良好な画像が得られた。
【0024】(実施例3)CuO=45モル%、ZnO=
30モル%、Fe23=25モル%(1−X=0.75、
X=0.25、(1−X)/X=3.00で式(1)を満
たす)になるように原料をそれぞれ秤量し、ボールミル
により混合した。950℃の温度で焼成する他は実施例
1と同様にしてキャリアを作製した。比抵抗は108Ω・
cmであった。キャリアの磁気特性はσ500=15emu/
g、σ1000=20emu/g、σS=26emu/gであり、σ500
σS=0.58で式(2)を満たしていた。トナーの製造
は実施例1と同様にして行い、実施例1と同様の条件で
作像した。実施例1と同様に良好な画像が得られた。
【0025】(比較例1)実施例1、2と同じCu-Z
n系であるが、CuO=30モル%、ZnO=20モル
%、Fe23=50モル%(1−X=0.50、X=0.
50、(1−X)/X=1.00で式(1)を満たして
いない)になるように原料をそれぞれ秤量し、ボールミ
ルにより混合した。1200℃の温度で焼成する他は実
施例1と同様にしてキャリアを作製した。比抵抗は10
8Ω・cmであった。キャリアの磁気特性はσ500=45em
u/g、σ1000=60emu/g、σS=70emu/gであり、σ500
/σS=0.64で式(2)を満たしていた。トナーの製
造は実施例1と同様にして行い、実施例1と同様の条件
で作像した。キャリア付着はないが、σ1000が大き過ぎ
るために現像剤層が硬く混色が起き、中間調ではムラの
ある画像となった。
【0026】(比較例2)実施例1、2と同じCu-Z
n系であるが、CuO=62モル%、ZnO=20モル
%、Fe23=18モル%(1−X=0.82、X=0.
18、(1−X)/X=4.56で式(1)を満たして
いない)になるように原料をそれぞれ秤量し、ボールミ
ルにより混合した。950℃の温度で焼成する他は実施
例1と同様にしてキャリアを作製した。比抵抗は108
Ω・cmであった。測定の結果キャリアはほとんど磁化
されなかった。トナーの製造は実施例1と同様にして行
い、実施例1と同様の条件で作像した。磁化されていな
いためキャリア付着が起き、そのため画像濃度も低い。
【0027】(実施例4)Li-Mn系のキャリアで、
Li2O=30モル%、MnO=32モル%、Fe23=3
8モル%(1−X=0.62、X=0.38、(1−X)
/X=1.63で式(1)を満たす)になるように原料
をそれぞれ秤量し、ボールミルにより混合した。115
0℃の温度で焼成する他は実施例1と同様にしてキャリ
アを作製した。比抵抗は107Ω・cmであった。キャリ
アの磁気特性はσ500=25emu/g、σ1000=29emu/g、
σS=40emu/gであり、σ500/σS=0.63で式
(2)を満たしていた。トナーの製造は実施例1と同様
にして行い、実施例1と同様の条件で作像した。実施例
1と同様に良好な画像が得られた。
【0028】(比較例3)Li2O=40モル%、MnO
=34モル%、Fe23=26モル%(1−X=0.7
4、X=0.26、(1−X)/X=2.85で式(1)
を満たす)になるように原料をそれぞれ秤量し、ボール
ミルにより混合した。1050℃の温度で焼成する他は
実施例1と同様にしてキャリアを作製した。比抵抗は1
8Ω・cmであった。キャリアの磁気特性はσ500=12
emu/g、σ1000=21emu/g、σS=31emu/gであり、σ
500/σS=0.39で式(2)を満たしていない。トナ
ーの製造は実施例1と同様にして行い、実施例1と同様
の条件で作像した。σ1000が小さいため混色がなく中間
調も良好な画像であったが、σ500が小さすぎるため若
干のキャリア付着が発生した。
【0029】(実施例5)Ni-Zn系のキャリアで、
NiO=50モル%、ZnO=20モル%、Fe23=3
0モル%(1−X=0.70、X=0.30、(1−X)
/X=2.33で式(1)を満たす)になるように原料
をそれぞれ秤量し、ボールミルにより混合した。110
0℃の温度で焼成する他は実施例1と同様にしてキャリ
アを作製した。比抵抗は106Ω・cmであった。キャリ
アの磁気特性はσ500=20emu/g、σ1000=25emu/g、
σS=30emu/gであり、σ500/σS=0.67で式
(2)を満たしていた。トナーの製造は実施例1と同様
にして行い、実施例1と同様の条件で作像した。実施例
1と同様に良好な画像が得られた。
【0030】(実施例6)Mn-Zn系のキャリアで、
MnO=50モル%、ZnO=20モル%、Fe23=3
0モル%(1−X=0.70、X=0.30、(1−X)
/X=2.33で式(1)を満たす)になるように原料
をそれぞれ秤量し、ボールミルにより混合した。110
0℃の温度で焼成する他は実施例1と同様にしてキャリ
アを作製した。比抵抗は108Ω・cmであった。キャリ
アの磁気特性はσ500=15emu/g、σ1000=20emu/g、
σS=25emu/gであり、σ500/σS=0.60で式
(2)を満たしていた。トナーの製造は実施例1と同様
にして行い、実施例1と同様の条件で作像した。実施例
1と同様に良好な画像が得られた。
【0031】(実施例7)Mg-Zn系のキャリアで、
MgO=50モル%、ZnO=20モル%、Fe23=3
0モル%(1−X=0.70、X=0.30、(1−X)
/X=2.33で式(1)を満たす)になるように原料
をそれぞれ秤量し、ボールミルにより混合した。110
0℃の温度で焼成する他は実施例1と同様にしてキャリ
アを作製した。比抵抗は108Ω・cmであった。キャリ
アの磁気特性はσ500=15emu/g、σ1 000=20emu/g、
σS=25emu/gであり、σ500/σS=0.60で式
(2)を満たしていた。トナーの製造は実施例1と同様
にして行い、実施例1と同様の条件で作像した。実施例
1と同様に良好な画像が得られた。
【0032】(実施例8)実施例1のキャリア100部
にシリコーン樹脂1.5部を流動床式コーティング装置
により被覆した。比抵抗は1010Ω・cmであった。キ
ャリアの磁気特性はσ500=20emu/g、σ1000=24emu/
g、σS=29emu/gであり、σ500/σS=0.69で式
(2)を満たしていた。トナーの製造は実施例1と同様
にして行い、実施例1と同様の条件で作像した。実施例
1と同様に良好な画像が得られた。
【0033】(実施例9)キャリアは実施例1と同様に
作製したが、最後の分級工程で分級径の設定を変え平均
粒径約20μmのフェライトキャリアを得た。実施例8
と同様の方法でキャリア100部にシリコーン樹脂2部
を被覆した。比抵抗は1012Ω・cmであった。キャリ
アの磁気特性はσ500=20emu/g、σ1000=24emu/g、
σS=29emu/gであり、σ500/σS=0.69で式
(2)を満たしていた。トナーの製造は実施例1と同様
にして行い、実施例1と同様の条件で作像した。実施例
1と同様に良好な画像が得られた。
【0034】(比較例4)キャリアは実施例1と同様に
作製したが、最後の分級工程で分級径の設定を変え平均
粒径約120μmのフェライトキャリアを得た。実施例
8と同様の方法でキャリア100部にシリコーン樹脂1
部を被覆した。比抵抗は1013Ω・cmであった。キャ
リアの磁気特性はσ500=20emu/g、σ1000=24emu/
g、σS=29emu/gであり、σ500/σS=0.69で式
(2)を満たしていた。トナーの製造は実施例1と同様
にして行い、実施例1と同様の条件で作像した。キャリ
アが大きいためスリーブから離脱しやすく、キャリア付
着が生じた。また、感光体へのトナーの供給が不安定で
中間調にムラがあり、混色のある画像となった。
【0035】以上の実施例と比較例のキャリアの物性と
画質の評価結果を表1にまとめて示す。表中の○は良
好、×は不可を示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】以上に記述の如く、本発明によれば磁力
が低いにもかかわらずキャリア付着を防止しつつ潜像に
忠実な現像が得られる電子写真現像用フェライトキャリ
アを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種キャリアの磁化特性を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が10〜100μmであり、比
    抵抗が106Ω・cm以上であり、下記の式(1)を満た
    す基本組成を有するフェライト粒子からなり、 ((MO)Y(Li2O)1-Y1-X(Fe23X (1) [式(1)中、MはMn、Ni、Zn、Cu、Co、M
    g、Baからなる群から選択される1種以上の金属であ
    り、Yは0〜1、(1−X)とXのモル比(1−X)/
    Xは1.23〜3である。]下記式(2)を満足し、 σ500/σS≧0.5 (2) [式(2)中、σ500は500エルステッドの磁界にお
    ける磁化値であり、σSは飽和磁化値である。]かつ、
    1000エルステッドの磁界における磁化値(σ1000
    が10〜30emu/gの範囲にある磁気特性を有すること
    を特徴とする電子写真現像用フェライトキャリア。
  2. 【請求項2】 MはZnおよび、Cu、Ni、Mn、M
    gからなる群から選択される1種以上の金属であり、Y
    は1であることをことを特徴とする請求項1記載の電子
    写真現像用フェライトキャリア。
  3. 【請求項3】 MはMnであり、Yは0を超え1未満で
    あることをことを特徴とする請求項1記載の電子写真現
    像用フェライトキャリア。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009157078A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Dowa Electronics Materials Co Ltd 電子写真現像用の磁性キャリア芯材およびその製造方法、磁性キャリア並びに電子写真現像剤

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JP2009157078A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Dowa Electronics Materials Co Ltd 電子写真現像用の磁性キャリア芯材およびその製造方法、磁性キャリア並びに電子写真現像剤

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